• 検索結果がありません。

合成桁のずれ止めの設計法に関する研究 Rational Design Method for Shear Connector of Composite Girder Bridges

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "合成桁のずれ止めの設計法に関する研究 Rational Design Method for Shear Connector of Composite Girder Bridges"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

- 48 - 1. はじめに

90年代の後半から,場所打ちPC床版を用いた 連続合成2主桁橋は中小スパンの経済的な橋梁形 式として定着してきた.また,その設計法も技術基 準として取りまとめることが出来るレベルにまで になってきている.しかし,今後架け替え時の急速 施工への対応や更なるコスト縮減を目指すために は,プレキャスト床版をも採用可能な連続合成桁構 造の設計法を示す必要あるものと思われる.その際,

現在の許容応力度法によって設計されるずれ止め と比較して,施工上の制約から大幅にずれ止めを削 減する必要がある.また,設計法自身も現行の許容

* 〒338-8570 さいたま市下桜区大久保255 電話:048-858-3558 FAX048-858-7374 Email:okui@crcsu.saitama-u.ac.jp

応力度法から限界状態設計法へ変更になることが 予想され,限界状態設計法を視野にいれた設計法の 開発が必要となる.そこで,本報告では北関東自動 車道南指原川橋をモデルにFEM解析によりその可 能性を検討した[1,2].

2. 解析モデル

解析対象の南指原川橋は最大支間は 49.0m を有す る鋼5径間連続複合ラーメン2主桁橋である.Fig.1 に全体側面図を,Fig.2に断面図を示す.

この南指原川橋を有限要素を用いてモデル化し 解析を行った.解析モデルのアウトライン図をFig.3 に,桁端部のみの拡大図を Fig.4 に示す.対称性を 仮定して半橋分のみをモデル化し,下フランジはは り要素,ウェブ,上フランジ,床版はシェル要素,

合成桁のずれ止めの設計法に関する研究

Rational Design Method for Shear Connector of Composite Girder Bridges

奥井 義昭1*、福永 靖雄2

Yoshiaki Okui

1

, Yasuo Fukunaga

2

1埼玉大学 理工学研究科

Graduate School of Science and Engineering, Saitama University

2(財)高速道路技術センター(研究当時) Bridge Eng. Div., Expressway Technology Center

Abstract

An analytical study on steel-concrete continuous composite girder bridges with precast concrete slab is carried out to investigate feasibility of composite bridges with precast concrete slabs. In composite girder bridges with precast concrete slab, the number of shear connectors is restricted owing to structural details of the precast panels. Accordingly, the effete of slip between the concrete slab and steel I girders on bridge behavior under service and ultimate loads is investigated to judge feasibility of composite girder bridges with precast concrete slab.

Key Words: Steel-concrete composite girder, Precast concrete slab, Shear connector

(2)

- 49 - 橋脚は,はり要素,基礎は線形ばねを用いてモデル 化した.また,コンクリート床版と鋼桁間はスタッ ドの変形を考慮するために,水平方向の非線形ばね を用いた.この非線形バネの水平せん断力とずれ量 の関係は,スタッドの押し抜き実験より得られたず

れ量-せん断力関係を参照して,Fig.5 の赤線で示 すように,折れ線でモデル化した.コンクリートの 材料モデルは引張応力下でのひび割れを考慮し,分 布ひび割れモデルを用いて,Fig.6 に示す応力-ひ ずみ関係を考慮した.この応力-ひずみ関係は

Fig.3 解析モデル(桁端部の拡大図)

Fig.1 南指原川橋側面図

Fig.2 南指原川橋断面図

Fig.4 解析モデル(全体アウトライン)

(3)

- 50 - Tension stiffening 効果を考慮して決定したもので あり,鉄筋は埋め込み要素として別途考慮されてい る.

3. 荷重ケース

着目位置は,比較的大きな水平せん断力が作用す る桁端部と中間支点部の2箇所とし,各々使用限界 状態時と終局限界状態時を考慮した.Table1に使用 時に関する荷重の組み合わせを示す.

終局時については,Table 1で示した乾燥収縮,温 度変化,温度差とともに,1.3D+2.0L (D: 死荷重,

L: 活荷重)を考慮した.

4. 解析結果および考察

解析は,上り線と下り線の両方について行われた が,ここでは上り線の結果のみを示す.下り線につ いても,ここで示した上り線の結果とほぼ同様な結

果を得ている.

Table 1 荷重の組み合わせ(使用限界時)

桁端部着目 中間支点部着目 後死荷重 考慮 考慮

活荷重 - 考慮 温度変化 -30度 +40度

温度差 鋼桁+10度 コンクリート +10度 乾燥収縮 考慮

中間支点部に着目した際の終局時と使用時のず れ量の分布をFig.7, 8に示す.使用時,終局時とも 中間支点直上から少しずれた所でずれ量が最大と なることが分かる.ここで示した中間支点部に着目 したケースと,桁端部について着目したケースの計 算結果もまとめたものを Table 2に示す.表中には 使用時の限界ずれ量と終局時のせん断力も示して ある.使用時の限界ずれ量に関しては,文献[1]に 従い終局時のせん断力の 50%のせん断力が生じる 際のずれ量とした.この表から,桁端部よりは中間 支点部の方がより厳しく,桁端部のずれ止めはさら に削減できる可能性があることが分かる.さらに,

より厳しい中間支点近傍においても応答値は限界 値の半分程度であることが分かる.

Table 2 解析結果のまとめ 使用時

ずれ量(mm)

終局時 せん断力(kN/本)

桁端部 0.07 23.3

中間支点部 0.16 96.7

限界値 0.37 210

5.まとめ

実橋に関して,ずれ止めの変形を考慮した3次元 FEM解析を行い水平せん断力とずれ量を求め,プレ キャスト床版合成桁の実現の際に重要となるずれ 止め削減の可能性について検討した.今後,使用時

Fig.5ずれ量-水平力関係

Fig.6 コンクリート応力−ひずみ関係(引張側)

(4)

- 51 - と終局時に対し安全係数をどの程度取るべきかと いった検討が必要であるが,今回の報告がそのため の一助になれば幸いである.

なお,限界状態としては疲労限界も考慮する必要 があるが,これについては別途検討を行なっており,

今回のスタッド配置が安全であることを確認して いる[2].

参考文献

[1] 山田直哉:合成桁におけるずれ止めの限界状態 設計のための解析的研究、埼玉大学理工学研究科修 士論文(2005).

[2] (財)高速道路技術センター:平成15年度鋼連 続合成桁橋の構造合理化に関する技術検討業務報 告書(2004).

[3] 鋼構造物設計指針 Part B 土木学会 (1997)

web直上位置

※ 点線は中間支点位

web直上位置

※ 点線は中間支点位

Fig.7スタッドのずれ量の分布(終局時) Fig.8スタッドのずれ量の分布(使用時)

参照

関連したドキュメント

Given any d 2 D , to prove that there are infinitely many sets of 13 consecutive positive integers that are all d-composite sandwich numbers, we utilize the method and coverings

First, we prove the strong convergence of the sequence {x n } generated by IS under the suitable conditions on the control parameters {β n } and {λ n } and the asymptotic regularity

In this study, a new type of shear connection at the interface between the corrugated steel web and the lower concrete flange in the composite prestressed concrete girders was used,

北海道大学工学部 ○学生員 中村 美紗子 (Misako Nakamura) 北海道大学大学院工学研究院 フェロー 横田 弘 (Hiroshi Yokota) 北海道大学大学院工学研究院 正 員

[r]

Chatterji : An Accelerated Method for the Detection of Alkali-aggregate Reactivity, Cement and Concrete

Key words: X-ray stress measurement, Composite material, X-ray elastic constants, Micromechanics, Residual stress, Experimental stress analysis.. X‑ray

In addition, through the analysis of 40 bridges in Vietnam using Bridge Management System (I-BIMS), the result showed that despite several confirmation results of issues on