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木村 良 科学技術政策研究所長

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(1)

ISSN 1347-6335

木村 良 科学技術政策研究所長

目 次

所長挨拶 ... P2

Ⅰ.レポート紹介 ... P3 大学・公的研究機関等におけるポストドクター等の雇用状況調査(平成 18 年度調査)

(調査資料-137)

(2)

所長挨拶

科学技術政策研究所長 木村 良

7 月 18 日付けで、國谷所長の後任として科学技術政策研究所長に就任いたしました。約 8 年前に も國谷総務研究官の後任として総務研究官を引き継ぎ、約 1 年間勤務した経験がありますが、その 後、中央省庁の大再編や総合科学技術会議の設置等、科学技術政策を巡る状況は一変してきていま す。当研究所は、文部科学省所管の国立の研究機関として従来と同様の位置付けにありますが、研 究所を巡る諸状況の変化に対応して、内部組織として科学技術動向研究センターを発足させ、また、

最近では科学技術基盤調査研究室を設置する等、その機能の充実を図ってきています。当研究所は、

いろいろな組織で勤務した経験のある者が机を並べて調査研究に携わっており、まさに、居ながら にして産学官の連携の場になっています。また、第一線で活躍している女性職員が多いことも特記 できるかと思います。総務研究官在職時の庁舎は永田町にあり、科学技術庁や科学技術会議とも離 れて独立した場所にいましたが、現在は文部科学省ビルの 5 階に移り、政策を立案する行政部局と も近い場所で、密接な連携のもとに業務を遂行することができています。

当研究所では、従来から、科学技術指標、科学技術予測というかなり大掛かりなプロジェクト的 調査研究や科学技術政策に関する理論的な研究等を継続的に実施してきましたが、このような活動 の中で培ってきた調査研究能力を活かして、最近では、総合科学技術会議が策定した第 3 期科学技 術基本計画や、長期戦略指針「イノベーション 25」の策定にあたり、基礎的な資料を作成し提供す るなどの貢献をしてきました。このような貢献が評価され、当研究所の業務に対しては、所管の文 部科学省のみならず、総合科学技術会議の関係者からの期待も確実に高まっているように感じてい ます。

このように当研究所に対する期待が高まってきている状況の中で、第 15 代の所長を拝命し、身の 引き締まる思いでおります。今後は、基本的にはこれまでの研究所の運営方針を引き継ぎながら、

次期基本計画の策定に向けた準備や、政府の重要政策課題となっているイノベーションの測定方法 の検討等の重要業務に貢献していきたいと考えています。

来年、当研究所は発足 20 周年を迎えます。これまでの諸先輩や関係者の努力によりここまで成長

することができましたが、今後、なお一層、国民の期待に応えられるよう、活力ある研究所を目指

して努力してまいりますので、皆様方のご支援、ご協力を心からお願い申し上げます。

(3)

Ⅰ.レポート紹介

大学・公的研究機関等におけるポストドクター等の雇用状況調査(平成 18 年度調査)(調査資料-137)

第 1 調査研究グループ上席研究官 三須 敏幸 調査の概要

本調査では、平成 17 年度内に大学・公的研究機関等で研究活動に従事する研究者等のうち、競争的資 金等の外部資金、運営費交付金や自己財源により一定期間採用され、当該研究機関において研究活動に 従事する者(ポストドクター、経済的支援を受ける博士課程在籍者など)の人数を調べた。平成 18 年 11 月に 1,232 の大学や研究機関に対して調査票を送付し、うち 921 機関から回答が得られた(回収率 75%)。本調査は、平成 17 年度に引き続き、文部科学省科学技術・学術政策局基盤政策課と連携して実 施したものである。

調査結果のまとめ

(1)ポストドクターの雇用状況

ポストドクター等ののべ人数は、平成 17 年度実績で 15,000 人超となっており、その内訳は以下の通 り。

①ポストドクター等の年齢構成

年齢区分別(平成 17 年度実績)では、30~34 歳のポストドクター等が 46%と最も多く、35 歳以 上のポストドクター等は 28%を占める(図 1)。

2 7 .8 % 4 6 .0 % 1 6 .4 % 9 .3 %

0 .5 %

2 5 .7 % 4 5 .8 % 1 7 .8 % 1 0 .3 %

0 .5 %

0% 20% 40% 60% 80% 100%

平成17年度実績 (N=15496)

平成16年度実績 (N=14854)

29歳以下 30~34歳 35~39歳 40歳以上 不明

図 1.ポストドクター等の年齢構成(平成 17 年度実績)

②ポストドクター等の財源別内訳

財源別(平成 17 年度実績)にみると、競争的資金等の外部資金(47%)による雇用が最も多く、

次いで、運営費交付金等の内部資金による雇用が全体の 30%となっている(図 2)。

運営費交付金・その他の財源, 4663, 30.1%

科学研究費補助金, 1163, 7.5%

科学技術振興調整費, 404, 2.6%

戦略的創造研究推進事業, 1294, 8.4%

21世紀COEプログラム, 1511, 9.8%

雇用関係なし, 750, 4.9%

競争的資金・その他の 外部資金雇用 7317, 47.2%

(4)

ISSN 1347-6335

③ポストドクター等の年齢区分別男女比率

ポストドクター等に占める女性の割合は 21%であり、40 歳以上ではその割合が 27%と高くなる(図 3)。

78.6% 21.4%

79.2% 20.8%

73.4% 26.6%

78.4% 21.6%

79.0% 21.0%

80.1% 19.9%

0% 20% 40% 60% 80% 100%

29歳以下 (N=3985) 30~34歳 (N=7095) 35~39歳 (N=2754) 40歳以上 (N=1590) 不明 (N=72) 合計 (N=15496)

男性 女性

図 3.ポストドクター等の年齢区分別男女比率(平成 17 年度実績)

④ポストドクター等の分野別内訳(新項目)

今回の調査では、学校基本調査などの既存統計との比較を容易にするために、分野分類を「理学」、

「工学」、 「農学」、 「保健」、 「人文・社会科学」 、 「その他」 、 「不明」に変更した。分野別内訳(平成 17 年度実績)をみると、理学分野が 31%と最も多く、次いで工学分野の 30%となっている(図 4)。

理学, 4853, 31.3%

その他, 660, 4.3%

保健, 2334, 15.1%

農学, 1618, 10.4%

工学, 4601, 29.7%

人文・社会科学, 1121, 7.2% 不明, 309, 2.0%

図 4.ポストドクター等の分野別内訳(平成 17 年度実績)

(2)博士課程在籍者に対する経済的支援状況

経済的支援を受ける博士課程在籍者ののべ人数は、平成 17 年度実績で約 36,000 人であり、その内訳 は以下の通り。

①経済的支援を受ける博士課程在籍者の財源別内訳

財源別(平成 17 年度実績)にみると、運営費交付金等の内部資金(59%)による支援が最も多い

(図 5)。

合 計 15,496

(単位:人)

(5)

運営費交付金・その他の財源, 21298, 58.9%

フェローシップ・国費留学生等, 5265, 14.6%

科学研究費補助金, 875, 2.4%

奨学寄附金, 272, 0.8%

その他競争的資金, 115, 0.3%

科学技術振興調整費, 151, 0.4%

戦略的創造研究推進事業, 337, 0.9%

21世紀COEプログラム, 5863, 16.2%

競争的資金及び奨学寄附金以外の外 部資金, 1978, 5.5%

競争的資金・その他 の外部資金雇用 9591, 26.5 %

図 5.経済的支援を受ける博士課程在籍者の財源別内訳(平成 17 年度実績)

②経済的支援を受ける博士課程在籍者の分野別内訳(新項目)

経済的支援を受ける博士課程在籍者の分野別内訳(平成 17 年度実績)は、工学分野が 28%と最も 多く、次いで保健分野の 19%となっている(図 6)。

その他, 2699, 7.5%

保健, 6702, 18.5%

農学, 3259, 9.0%

理学, 5747, 15.9%

工学, 10244, 28.3%

人文・社会科学, 6528, 18.1%

不明, 975, 2.7%

図 6.経済的支援を受ける博士課程在籍者の分野別内訳(平成 17 年度実績)

③経済的支援を受ける博士課程在籍者の支援額別内訳 (新項目)

1 ヶ月あたり 1 財源からの支給額が 10 万円未満のケースは、全体の 74%となっている(図 7)。

5万円未満, 18993, 52.5%

10万円以上、15万円未満, 2258, 6.2%

5万円以上、10万円未満, 7601, 21.0%

15万円以上、20万円未満, 3917, 10.8%

20万円以上, 3100, 8.6% 不明, 285, 0.8%

図 7.経済的支援を受ける博士課程在籍者の支援額別内訳(平成 17 年度実績)

合 計 36,154

(単位: 人)

合計 36,154 (単位: 人)

合計 36,154 (単位: 人)

(6)

ISSN 1347-6335

国立大学法人等の財務状況(調査資料-139)

第 1 調査研究グループ上席研究官 治部 眞里 はじめに

平成 16 年 4 月に国立大学等が法人化して以来、研究機関による従来より自律的かつ柔軟な研究運営 が可能となった。その後 3 年が経過し、各大学法人も中期計画に沿って、それぞれの特徴を生かした教 育・研究を進めており、その実施状況は各機関から公表された資料からもある程度伺い知ることができ る。

本調査研究では、第 3 期科学技術基本計画への対応等の観点から、我が国の各国立大学法人等により 公開されている財務諸表の分析を行い、基盤的資金(国立大学法人運営費交付金)と競争的資金の状況 を中心に、財務の基礎情報の比較・整理を行なうことにより、各種検討に資することとした。

調査結果

(1)国立大学法人等業務実施コスト計算書

機会費用

1

を含む国立大学法人等業務実施コストは、平成 16 事業年度で 1,616,107,050 千円、うち機 会費用は、91,298946 千円である。平成 17 事業年度は 1,477,311,914 千円、うち機会費用は、124,528,952 千円である。

(2)運営費交付金・自己収入・外部資金・科学研究費補助金等の財務構造

大学類型別に運営費交付金・自己収入・外部資金・科学研究費補助金等の割合を見ると、以下のように なる。

大学類型別運営費交付金・自己収入・外部資金・科学研究費補助金等収入の財務構造

平成16事業年度 平成17事業年度 平成16事業年度 平成17事業年度 平成16事業年度 平成17事業年度 平成16事業年度 平成17事業年度

大規模大学 45.1% 44.2% 36.2% 37.1% 8.5% 9.9% 10.3% 8.7%

中規模病院有大学 39.5% 38.2% 53.9% 55.0% 4.0% 4.3% 2.6% 2.5%

医科大学 33.5% 31.8% 60.3% 60.4% 3.4% 4.1% 2.7% 3.7%

中規模病院無大学 55.8% 55.2% 35.9% 35.0% 4.4% 6.1% 3.9% 3.8%

理工系中心大学 57.3% 53.7% 25.8% 25.8% 9.5% 11.6% 7.3% 8.8%

文科系中心大学 57.0% 53.8% 40.1% 39.8% 2.3% 2.7% 0.6% 3.7%

教育大学 69.7% 68.3% 28.1% 29.1% 1.3% 1.7% 1.0% 0.9%

大学院大学 65.2% 67.5% 8.9% 9.6% 15.3% 13.8% 10.5% 9.2%

短期大学 62.9% 88.2% 9.7% 10.0% 25.3% 1.9% 2.1% 0.0%

90.7% 85.9% 1.2% 1.1% 3.3% 7.0% 4.8% 6.0%

大学共同利用機関法人 病院無

病院有

運営費交付金 自己収入 外部資金 科学研究費補助金収入

運営費交付金が全体の収入の半分以上を占める大学は、中規模病院無大学、理工系中心大学、文科系 中心大学、教育大学、大学院大学、短期大学である。中規模病院有大学と医科大学は、自己収入が全体 の収入のうち 50%を超えている。

次に、運営費交付金と外部資金等(外部資金と科学研究費補助金等収入)の割合について求めた。大 規模大学で平成 16 事業年度及び平成 17 事業年度ともに 0.42 である。一方教育大学は、平成 16 年事業 年度で 0.04、平成 17 年度事業年度で 0.03 となっている。

1機会費用とは、当該資産を市場から調達した場合に支払うべきであろうコスト。例えば、以下のものである。

1. 国又は地方公共団体の財産の無償又は減額された使用料による賃借取引から生じる機会費用

2. 政府出資等から生じる機会費用

3. 国又は地方公共団体からの無利子又は通常よりも有利な条件による融資取引から生じる機会費用

資料:あずさ監査法人パブリックセクター本部編「国立大学法人会計の実務ガイド」 中央経済社 平成 14 年 2 月

(7)

大学類型別の運営費交付金に対する外部資金等の割合(左:平成 16 事業年度 右:平成 17 事業年度)

0.42 0.17

0.18 0.15

0.29 0.05

0.03

0.40 0.09

0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0.45

大規模大学 中規模病院有大学 医科大学 中規模病院無大学 理工系中心大学 文科系中心大学 教育大学 大学院大学 大学共同利用機関法人(機構)

0.42 0.17

0.25 0.18

0.38 0.12

0.04

0.34 0.15

0.00 0.05 0.10 0.15 0.20 0.25 0.30 0.35 0.40 0.45 大規模大学

中規模病院有大学 医科大学 中規模病院無大学 理工系中心大学 文科系中心大学 教育大学 大学院大学 大学共同利用機関法人(機構)

(3)科学研究費等補助金

平成 16 事業年度と平成 17 事業年度の科学研究費補助金等の取得額を大学別にプロットし、上位 10 校について表示した。

大学別科学研究費補助金等取得額(左:平成 16 事業年度 右:平成 17 事業年度)

科学研究費等補助金

筑波大学 広島大学 東京工業大学 九州大学 北海道大学

名古屋大学 大阪大学 京都大学 東北大学 東京大学

0 5,000,000 10,000,000 15,000,000 20,000,000 25,000,000 30,000,000 35,000,000

北大

北海 古屋

工業

島大

機関名

助金:千円)

・・・

科学研究費等補助金

神戸大学 広島大学 筑波大学 東京工業大学 九州大学 名古屋大学 東北大学 大阪大学 京都大学 東京大学

0 5,000,000 10,000,000 15,000,000 20,000,000 25,000,000 30,000,000

大学 大学

大学 北大学

屋大 大学

京工業 大学

戸大学 島大

機関名

補助金(円)

・・・

(4)国立大学法人等における活動性について

教育研究に関する経費がどの程度充填されているか、学生あたりの教育経費、教員あたり教育経費、

学生あたり教育研究支援経費、教員あたり教育研究支援経費、教員人件費あたり教育経費、教員人件費 あたり教育経費を指標として大学別に計算した。

クラスター分析による付加的考察

平成 16 事業年度と平成 17 事業年度のデータに対して①国立大学法人等業務実施コスト及び機会費用

②運営費交付金及び外部資金の財務構造③国立大学法人等における活動性について、それぞれクラスタ ー分析により、国立大学法人をさらに階層化した。

今後の課題

基盤的資金と競争的資金の有効な組み合わせを検討するにあたっては、その前提として、基盤的公費 の確保と競争的資金の拡充が重要であることに留意しなければならない。基盤的公費の確保問題を議論 するためには、基盤的公費が如何に使用されているのか、より詳細に見極める必要がある。大学のセグ メント(大学・付属病院等)ごとに、運営費交付金収益が如何に補填されているかなどの分析である。

例えば、付属病院においては、業務費に比べ収益が少ないところが多い。つまり赤字経営であるが、そ

れを運営費交付金によって、どの程度補填しているかを見ていくのである。さらに、競争的資金の拡充

(8)

ISSN 1347-6335

Ⅱ.最近の動き

○人事往来

・7/18 所長 國谷 実 辞職(8/1 付科学技術振興機構理事)

木村 良 採用(日本原子力研究開発機構理事)

・7/31 科学技術基盤調査研究室長 富澤 宏之 派遣(経済協力開発機構)

○主要来訪者一覧

・7/ 5 Johannes Loschnigg:元米下院科学委員会航空宇宙小委員会スタッフ・ディレクター ・7/18 Linda Butler:オーストラリア国立大学研究社会科学学部研究評価方針プロジェクト長

○講演会・セミナー

・7/ 3 「海底希少金属資源の開発と我が国の戦略」

浦辺 徹郎:東京大学大学院 理学系研究科地球惑星科学専攻教授

・7/ 5 「科学技術と米国議会: 地球科学と気候変動に関連する最近のトピック」

Johannes Loschnigg:元米下院科学委員会航空宇宙小委員会スタッフ・ディレクター ・7/18 「政策策定における文献計量学(ビブリオメトリクス)の活用:豪州政府のための応用」

Linda Butler:オーストラリア国立大学研究社会科学学部研究評価方針プロジェクト長 ・7/24 「ネットワーク社会のリスクと脅威-東アジアの国際関係の視点から-」

山内 康英:多摩大学情報社会学研究所教授・所長代理

・7/27 「質的、民族誌的研究入門-その背景、実践、科学・医療研究への応用」

福島 真人:東京大学大学院総合文化研究科准教授

○新着研究報告・資料

・大学・公的研究機関等におけるポストドクター等の雇用状況調査 ―平成 18 年度調査―(調査資料―137)

・国立大学法人等の財務状況(調査資料―139)

・科学技術指標―第 5 版に基づく 2007 年改訂版―(調査資料―140)

・科学館・博物館の特色ある取組みに関する調査

―大人の興味や地元意識に訴える展示及びプログラム―(調査資料―141)

・「科学技術動向 2007 年 7 月号」(7 月 30 日発行)

レポート 1 固体酸化物形燃料電池材料の研究開発動向

―鍵となる電解質の研究開発の視点から―

ナノテクノロジー・材料ユニット 河本 洋

レポート 2 製造業の強さを支えるものづくり計測の研究開発のあり方 推進分野ユニット 塩谷 景一

文部科学省科学技術政策研究所広報委員会(政策研ニュース担当:企画課)

〒100-0005 東京都千代田区丸の内 2-5-1 文部科学省ビル 5 階 電話:03(3581)2466 FAX:03(3503)3996

ホームページ URL:http://www.nistep.go.jp E-mail:[email protected]

2007 年 8 月号 No.226(平成 19 年 8 月 1 日発行)

編集・発行

参照

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