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JAXA Repository AIREX: スカラー保存則の直交格子有限体積近似における衝撃波面の形成機構について

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(1)

宇宙航空研究開発機構研究開発報告

JAXA Research and Development Report

スカラー保存則の直交格子有限体積近似における

衝撃波面の形成機構について

Formation of shock surfaces over Cartesian grids in numerical computation of

scalar conservation laws over two-dimensional space

相曽 秀昭

Hideaki AISO

2018年2月

(2)

૬ી लত

We are concerned with numerical computation of shocks whose surfaces are oblique to any axis of grid for computation, where the grid is a structured orthogonal grid. It is known that the shape of shock surface captured in computation is affected by the computational grid. The shock surface often looks jagged but not smooth even if the shock surface should be planar or smooth from theory. The phenomenon is purely numerical and the machinery of phenomenon is not yet clear. While the setting of problem is rather simple, several different mathematical factors are included and complicatedly related even in the case of compressible Euler equations for ideal gases. Therefore we analyze a simplified problem, scalar conservation laws over the two dimensional space. From the simplified analysis we still discover some essential machinery to form jagged shock surfaces in numerical computation. Finally we obtain a theorem that describes the reason of jaggedness of shock surfaces. It may suggest a method to decrease the inconvenient effect from the grid.

֓ཁ

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Ωʔϫʔυ িܸ೾໘ͷั֫ɺεΧϥʔอଘଇɺۭؒଟ࣍ݩɺࠩ෼ۙࣅ

doi: 10.20637/JAXA-RR-17-005/0001

*

平成29年11月9日受付(Received November 9, 2017)

*1

航空技術部門 数値解析技術研究ユニット

(Numerical Simulation Research Unit, Aeronautical Technology Directorate)

相曽秀昭

*1

Formation of shock surfaces over Cartesian grids in numerical computation of

scalar conservation laws over two-dimensional space.

by

Hideaki AISO

*1

ABSTRACT

概要

空間次元が2 以上の保存則の解が形成する衝撃波の直交格子による数値計算において、衝撃波面がいずれの格子

軸に対しても斜交する場合には格子の方向性の影響で衝撃波に『ギザつき』が生じることが良く知られる。これ

はまさに数値的な不都合現象であるが、その解析は殆ど行われていない。実際、圧縮性Euler 方程式の場合には

複数の要素が入り込み解析は容易ではない。本稿では、スカラー保存則に単純化した問題で解析を行う。解析の

結果、 『ギザつき』の生成機構については定理の形で明確な記述を得、その不都合の軽減についても考察する。

また、この結果は空間1 次元で最適化された差分スキームが多次元では最適とは言えないことも示唆している。

キーワード:衝撃波面の捕獲、スカラー保存則、空間多次元、差分近似

Keywords

:

Capturing shock surface, Scalar Conservation Law, Multiple space dimension,

(3)

1.

はじめに

 圧縮性Euler 方程式が含まれる双曲型保存則の数値 計算において主要な問題の一つとして衝撃波の捕獲が あげられる。衝撃波では解は滑らかさを失い弱解の定 義を通じ保存則の原理に立ち返って解釈される。数値 計算においてもそれに倣い、保存則の衝撃波の捕獲の ためには有限体積法に基づいた保存型の差分近似を用 いるのが通例である。

 保存型差分近似による衝撃波捕獲における当初から の課題は数値解での鈍化と振動の抑制であった。空間 1次元のスカラー問題(従属変数が1次元、つまりス カラー保存則)ではHarten[3, 4] により提唱された TVD1の概念を利用し、衝撃波捕獲で振動がなくかつ 鈍化の小さい差分スキームが開発された。この手法は 圧縮性Euler 方程式等の系や空間多次元の場合にも形

式的2ではあるが拡張が行われ相当程度の成功を見て

いる。実際、空間1次元の数値計算であれば、数値解

での静止衝撃波の内点3が高々1つである差分スキー ムは容易に構成できるようになった。

 しかし、空間多次元の問題となると格子が衝撃波面 に適合しない場合には捕獲された衝撃波面の形状が格 子の影響を受け階段状になったりする不都合が発生す る。これは広く認識されているにもかかわらず、その 発生機構については「格子が現象に適合しない場合に 発生する可能性がある」という程度以上の考察が行わ れているとは言い難い状況である。本稿では、このよ うな不都合が発生する機構について、空間次元を2 と するスカラー保存則の数値計算を観察・解析すること により、数値解での衝撃波や衝撃波面の生成機構を解 析する。

 以下、第2節では静止衝撃波を近似する時間定常数

値解の性質について1次元空間の保存則(スカラー

及び系)について見直し、空間が2次元となった場合

の衝撃波面の数値的な捕獲についての問題点を確認す る。第3節では、本稿で扱う空間2次元のスカラー保

存則の静止解とその差分近似を提示し、第4節では具

体的な計算の実行に関する設定を考える。第5節では、

数値計算の結果から数値解での衝撃波面の挙動につい て観察し、階段状の衝撃波を形成する数値的な機構に ついての定理を述べ数学的な証明を与える。

2.

数値計算における衝撃波面

 有限体積法で保存型差分スキームを用いた衝撃波の 数値解において、厳密解の衝撃波の位置がどのように 反映するかについて簡単にまとめておく。

 空間1次元のスカラー保存則の初期値問題

1TVD Total Variation Diminishingで「全変動減少」である

が、実際には全変動が増加しないことを要求するため。当初はTVNI

(Total Variation Non-Increasing、訳せば「全変動非増加」)なる用 語が用いられた。数学的な定義はTVD、TVNI ともに同じである。 この条件は厳密解の全変動が時間進行と共に増加しないという性質 の反映なので、この条件を厳密に満たせるのは一般にはスカラー保 存則又は線形保存則の場合に限られる。また数学的には全変動(Total Variation)が有界であることが、差分の刻みが0 に近づくときの近 似解の収束の証明に用いられるのでTVB(Total Variation Bounded、 訳せば「全変動有界」)という条件設定もある。

2非線形双曲型保存系の場合、一般には厳密解の全変動が有界であ ることが証明できないので、その差分スキームでも理論的保証が不十 分なのが現状である。

(4)

ͰఆΊͨۙࣅղu∆,s.s.(x)ʹ͍ͭͯ

∫ xmax

xmin

us.s.(x)dx=

∫ xmax

xmin

u∆,s.s.(x)dx (7)

͕੒Γཱͭɻ(7)͸

uL(S−xmin) +uR(xmax−S) =

1≤i≤m

ui(xi−xi−1)

(8) ͱ΋ॻ͚ΔͷͰɺݫີղͷিܸ೾ͷҐஔΛ਺஋ղ͔Β ༩͑Δ͜ͱ͕ՄೳͰ͋Δɻ

ਤ1: (8)Λຬͨ͢਺஋ղͷྫ

ۭؒ1࣍ݩͰ͋ͬͯ΋ѹॖੑEulerํఔࣜͷΑ͏

ͳอଘଇͷܥͱͳΔͱɺશͯͷอଘྔ(ρ, ρu, eɺͨͩ

͠ɺρ, u, e͸ͦΕͧΕີ౓ɺ଎౓ɺશΤωϧΪʔ)ʹ

͍ͭͯɺ(7)·ͨ͸(8)ͷΑ͏ͳ͕ࣜ੒ཱ͢Δͱ͸ݴ

͑ͳ͘ͳͬͯ͘Δɻ࣮ࡍɺ಺఺͕ߴʑҰͭͰ͋Δε ΩʔϜ(ྫ͑͹GodunovεΩʔϜ)Λ༻͍ͯ΋ɺ੩ࢭ িܸ೾ͷ਺஋ղͷ಺఺Ͱͷ֤อଘྔ͕িܸ೾྆ଆͷ౰

֘อଘྔΛಉҰͷׂ߹Ͱ಺෼͢Δ஋ʹ͸ͳΒͳ͍(಺

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)ͨΊɺ਺஋ղ͔

Βݫີղͷিܸ೾ͷҐஔSΛ(7)·ͨ͸(8)ͷݪཧͰ

༩͑Α͏ͱ͢Δͱɺ஫໨͢ΔอଘྔʹΑΓ༩͑ΒΕΔ

িܸ೾ͷҐஔ͕ඍົʹҟͳΔ͜ͱͱͳΔ5ɻ͔͠͠ͳ͕

Βɺ಺఺͕ߴʑ̍఺Ͱ͋ΔΑ͏ͳεΩʔϜͷ৔߹ʹ͸

িܸ೾ͷҐஔ͕Ͳͷ༗ݶମੵʹଐ͢Δ(·ͨ͸Ͳͷ༗

ݶମੵڥքʹҰக͢Δ)͔ͷ৘ใ͸ಘΒΕΔɻ(಺఺͕

4

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5·ͨɺѹॖੑ

Eulerํఔࣜͷ੩ࢭিܸ೾Ͱ͸อଘྔρu͔Β͸ি

ܸ೾ͷҐஔΛܾఆͰ͖ͳ͍ɻ

2఺Ҏ্ʹͳΔΑ͏ͳεΩʔϜͷ৔߹ɺিܸ೾ͷҐஔ

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Δɻۭؒ1࣍ݩͰ͸িܸ೾ͷҐஔ͸ݫີղͰ͸఺Ͱ͋

Γɺ਺஋ղ͔Β͸ͦͷ఺΋͘͠͸ͦͷ఺ΛؚΉ༗ݶମ

ੵͷ৘ใΛಘΒΕΔɻ͔ۭؒ͠͠2࣍ݩͷ໰୊Ͱ͸ি

ܸ೾(িܸ೾໘)͸1࣍ݩͷۂઢͰ͋Γɺ਺஋ղ͔Βি

ܸ೾໘ؚ͕·ΕΔྖҬΛ༩͑Δͷ͸εΧϥʔ໰୊Ͱε ϓϦΞεৼಈͷͳ͍εΩʔϜΛ༻͍ͯ࣌ؒఆৗ਺஋ղ Λಘͨ৔߹Ͱ͋ͬͯ΋ͦΕ΄Ͳࣗ໌Ͱ͸ͳ͍ɻ

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(ݫີղͷ)িܸ೾໘͕ͲͪΒͷ֨ࢠ࣠ʹରͯ͠΋ࣼ

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uL, uRͰ͋Δͱ͢Δɻ͜ͷͱ͖ɺ

(1) ༗ݶମੵͷڥքͰɺͦͷڥքͰྡ઀͢Δ྆ଆͷ༗

ݶମੵͷঢ়ଶ͕ͦΕͧΕuL, uRͰ͋Δ΋ͷશͯ

(2) ঢ়ଶ͕uLͱuRͷؒʹ͋Δ஋ͱͳ͍ͬͯΔ༗ݶ

ମੵ(ڥք΋ؚΉ)ͷશͯ

ΛͱΓ(ਤ2)ͦΕΒͷ࿨Λʮ਺஋తͳিܸ೾໘ʯͱߟ

͑Δͱɺݫີղͷিܸ೾໘͕਺஋తͳিܸ೾໘ʹؚ· ΕΔͱ͸ݶΒͳ͍ɻ

ਤ2: ਺஋తͳিܸ೾໘ͷྫ

ผͷݴ͍ํΛ͢Δͱɺ਺஋ղͰuL, uRΛͱΔ2ͭ

ͷ༗ݶମੵ͕ྡ઀͍ͯͯ͠΋ͦΕΒ༗ݶମੵͷڥք͕ ݫີղͷিܸ೾໘ͱ͸Ұக͠ͳ͍ɺ·ͨ͸ɺݫີղͷ

িܸ೾໘͕௨ա͢Δ༗ݶମੵͰͷ਺஋ղͷ஋͕uL, uR

ͷதؒతͳঢ়ଶΛऔΔͱ͸ݶΒͳ͍ɺͱ͍͏͜ͱʹͳ Δɻ͜ͷ਺஋తͳিܸ೾໘ͷڍಈ͸਺஋ղʹ͓͍ͯি ܸ೾໘͕Ұݟ֊ஈͷΑ͏ʹͳΔ͜ͱͱਂؔ͘࿈͍ͯ͠

Δɻ࣮ࡍɺিܸ೾पลͰͷuͷ਺஋ղͷ༷ࢠ͕3࣍ݩ

άϥϑͰਤ3ͷΑ͏ʹͳ͍ͬͯΔ৔߹ɺিܸ೾໘͕֊

(5)

図3: 衝撃波面が階段状に見える数値解の例(空間2 次元問題の数値解を3次元グラフで表現)

 有限体積近似の意味から考えれば、各有限体積での 数値解の値は当該有限体積での厳密解の平均値となる

ことが理想であると考えられる。図4がこの数値解の

様子を表している。

図4: 各有限体積で厳密解の平均値をとる数値解

 このような数値解であれば衝撃波面が階段状に見え る現象はかなり緩和される。しかしながら、衝撃波捕 獲を鈍化させずにそのような数値解を与えるスキーム は未だ得られず、数値解が鈍化するかそうでなければ、 図2、図3のようになるのが現状である。

 空間次元が1から2に増えると、衝撃波面が単なる 位置で表されるだけの点(0次元) から1次元である 曲線(もしくは片端のある半曲線、両端のある曲線分) となることにより、数値解が衝撃波面に関して与える 情報が複雑になるために新たな問題を生じると考える こともできる。

3.

2 次元空間でのスカラー保存則の静止衝撃

波解と数値計算

 先ず2 次元空間上のスカラー保存則の静止衝撃波解

で衝撃波面が 両軸に斜交するものを設定する。

 スカラー関数

  

を未知関数とする空間2 次元の保存則

で空間を分割する直交格子とする。( = )

時間増分 は一定として (時間進行 段

目)の各 での の計算値を と記す。

(6)

として得られるGodunov スキーム[2]の場合を考え ることにする。

 Godunov とMurmann-Roe の数値流束に違いが生

じるのは の作るRiemann 問題の厳密解が音速 点(特性速度が0 となる の値)を含む膨張波となる、

<0< の場合のみであり、それ以外の場

合ではこの2つは同じものになる[5]。そのため、本稿 の議論の範囲ではGo-dunov、Murmann-Roe どちらで も同じことになる。

4.

数値計算の実施

 スカラー保存則(9)の静止衝撃波解(10)の数値解を

計算し、衝撃波(面)の捕獲の様子を観察する。

 格子については簡単のため前節で述べたように

とし、時間増分 については安定性の

(7)

界に接する有限体積だけでよい)では離散的時間進行 に伴う数値解の値の変化が生じないように衝撃波の位 置(または初期値)を設定すれば、領域を限らずに無 限領域で行うのと同等の数値計算であるとしてよい。

 数値計算のための初期値 は、厳密解である静

止衝撃波解(10)から各有限体積 について次のよ

うに定める。

 初期値を定める際に用いる静止衝撃波解(10)は時間 定常な厳密解であるが、上で定めた数値解の初期値は 一般には時間定常ではない。数値的には十分な回数の

離散的時間発展を経て時間定常な数値解となる7ので

その定常数値解の衝撃波捕獲の様子を観察 議論する。  離散時間発展の繰返しで数値解が数値解の定常状態

に収束することの理論的な証明は与えられない8が、

スカラー保存則における衝撃波捕獲では数値的に生じ

る内点での数値解(衝撃波両側の値 ではない

値で厳密解には存在しないが数値計算では出現する 値) に対する自由度の制約9がないことから、経験的に は自然な仮定としても問題はないと思われる。

5.

静止衝撃波の数値解の挙動

 静止衝撃波と格子の位置関係を徐々に変化させてい くときの数値解の変化を観察する。本稿の興味は数値 解における衝撃波面の捕獲であるから、衝撃波面の位 置の変化に応じての数値的衝撃波面(図2)の様相の 変化、特に内点となる有限体積の位置・分布とその移

動に注目して観察する。いくつかの の値での結果

を例示する。ここで白と灰色は衝撃波の両側のそれぞ れの値をとっている有限体積であり、斜線が内点を取 る有限体積を表す。静止衝撃波が徐々に右上に移動す

る( が徐々に増加する)ときの数値解の様相の変化

を左から右に並べている。

 示された図はいずれも衝撃波が右に有限体積 個分 移動する際のパターンの変化を表しており、それぞれ

の場合の数値解での衝撃波進行パターンの1周期分と

言えるものである。その他の の値の場合も観察す

ることで、数値解における衝撃波面の捕獲について次 の主張を得る。

主張1. 内点をとる有限体積は互いに隣接しない。こ こで2つの有限体積が隣接するとは、1つの有限体積 境界の両側にあることをいう。

主張2. 内点をとる有限体積は、 のどちらの軸の 方向で見ても、衝撃波両側それぞれの値をとる有限体

積に挟まれている。ただし、 軸方向の場合は、シ

フト付循環境界条件を考慮し、 と が隣接

すると解釈する。

主張3. 静止衝撃波が徐々に移動するに従い、内点を

とる有限体積は順次 軸方向に移動する。ただし、

端の から移動する先はシフト付の循環境界条件

により となる。

主張4. 各 について、内点をとる有限体積は か

ら までの 個の有限体積のうち高々1個である。

また計算領域全体では高々 個である。

 これらの主張をまとめると、主張1,2 については下 の定理1として記述し、主張3,4はその定理の系と

(8)

ఆཧͷهड़ʹ͓͍ͯGodunovεΩʔϜɺ

Murmann-RoeεΩʔϜ͸1࣍ݩͷ੩ࢭিܸ೾ͷ਺஋ղʹ͓͚Δ

಺఺ͷݸ਺͕ߴʑ1ݸͰ͋ΔTVDεΩʔϜͱ͍͏ܗ

ʹҰൠԽ͞ΕΔɻ

ఆ ཧ 1. ۭؒ2࣍ݩͷεΧϥʔอଘଇॳظ஋໰୊(9)

ͷ੩ࢭিܸ೾ղ

u=

{

uL, px+qr < C

uR, px+qr > C

(24)

(ͨͩ͠ɺuL +uR = 0, uL > uR)ͷ਺஋ղΛ(12)

ͷఆΊΔDi,jΛ༗ݶମੵͱ͢Δอଘܕࠩ෼ۙࣅͰٻΊ

Δɻ·ͣɺۭؒ1࣍ݩεΧϥʔอଘଇ(16)ͷεΩʔϜ

(17)͸਺஋೪ੑ܎਺a(u, u+)͕͍ΘΏΔTVD৚݅

� � � �

h(u+)−h(u)

u+−u

� � � �

≤a(u, u+)≤ 1

∆t (25)

(u = u+ͷ৔߹ɺ࠷ࠨล͸|h′(u+)|ͱղऍ͢Δɻ)

Λຬͨ͠ɺিܸ೾྆ଆͷ஋͕uL, uRͰ͋Δ੩ࢭিܸ

೾ͷ࣌ؒఆৗͳ਺஋ղΛ༗͠ɺͦͷ਺஋ղͰ͸িܸ

೾ͷ಺఺ͱͳΔ༗ݶମੵ͕ߴʑ1ݸͰ͋Δͱ͢Δɻ࣍

ʹɺ͜ͷۭؒ1࣍ݩͷεΩʔϜ(17)͔Β(14),(18)ʹ

ΑΓۭؒ2࣍ݩͷεΩʔϜΛఆΊɺॳظ஋͸લઅͷ

(I1),(I2),(I3)ͷखॱͰ༩͑ɺ੩ࢭিܸ೾ղ(24)Λۙ ࣅ͢Δ࣌ؒఆৗ਺஋ղ͕ಘΒΕͨͱ͢Δɻ

ͦͷ࣌ؒఆৗ਺஋ղʹ͍ͭͯɺ͕࣍੒ཱ͢Δɻ

(1) ಺఺ͱͳΔ༗ݶମੵ͕ڞ௨ͷ༗ݶମੵڥքΛڬΜ

Ͱྡ઀͢Δ͜ͱ͸ͳ͍ɻ

(2) ಺఺ͱͳΔ༗ݶମੵ͸ɺx, yͷͲͪΒͷ࣠ํ޲Ͱ

ݟͯ΋িܸ೾྆ଆͷͦΕͧΕͷ஋uL, uRΛͱΔ

༗ݶମੵʹΑΓڬ·ΕΔɻ

ఆཧͷূ໌Λड़΂Δɻ͍͔ͭ͘ͷิ୊Λࣔ͠ͳ͕Β

ਐΊΔ͕ɺ·ͣɺ2࣍ݩͷ਺஋ղͷ಺఺ͷ஋ʹ͍ͭͯ

࣍Λ֬ೝ͢Δɻ

ิ ୊ 2. 2࣍ݩͷ࣌ؒఆৗ਺஋ղͷ֤༗ݶମੵͰͷ஋

͸ɺશͯ۠ؒ[uR, uL]ʹଐ͍ͯ͠Δɻ

ূ໌ɿ֤༗ݶମੵͰͷॳظ஋͕[uR, uL]ʹଐͯ͠

͍Δ͜ͱɺ͓ΑͼεΩʔϜͷTVDੑ͔Β໌Β͔Ͱ͋

Δɻ(ิ୊2ͷূ໌ऴ)

ఆཧͷূ໌ʹ͓͚Δٞ࿦͸ɺ1࣍ݩͷ੩ࢭিܸ೾ͷ

࣌ؒఆৗ਺஋ղͰ಺఺ʹͳΔ༗ݶମੵ͕ߴʑ1ݸͰ͋

Δ͜ͱͷ৚݅ͷߟ࡯͕ओཁͳ෦෼Λ઎ΊΔɻ

ิ ୊3. 1࣍ݩ໰୊ͷ੩ࢭিܸ೾ͷ(17)ʹΑΔ࣌ؒఆ

ৗ਺஋ղʹ͓͍ͯɺ಺఺͕ଘࡏ͢Ε͹ͦͷ಺఺Ͱͷ਺

஋ղͷ஋v͸uRͱuLͷؒʹ͋Δɻ

ূ໌ɿഎཧ๏ʹΑΔɻ಺఺͸ଘࡏͯ͠΋1ݸͳͷͰ

ͦΕΛIjͱ͠ɺ࣌ؒఆৗղΛ{ui}i͸੔਺ ͱ͢Ε͹ɺ

uj−1=uL, uj=v, uj+1=uR

Ͱ͋Δɻv > uLͱԾఆ͢Δɻ

·ͣ

uR< uL < v, h(uR) =h(uL)< h(v) (26)

͸༰қʹ؍࡯͞ΕΔɻ࣍ʹɺ਺஋ྲྀଋ¯h(uj, uj+1)Λ

มܗͨ͠

¯

h(uj, uj+1) = ¯h(v, uR)

=1

2{h(v) +h(uR)} − 1

2a(v, uR)(uR−v) =h(v)

+1 2

{

h(uR)−h(v)

uR−v

−a(v, uR)

}

(uR−v)

(27)

ʹ͓͍ͯɺ(26)ΑΓ

h(uR)−h(v)

uR−v

>0

Ͱ͋ΓɺTVD৚݅(25)ʹΑΓ

a(v, uR)>

� � � �

h(uR)−h(v)

uR−v

� � � �

> h(uR)−h(v) uR−v

Ͱ΋͋ΔͷͰɺ

h(uR)−h(v)

uR−v

−a(v, uR)<0

ͱͳΔɻ·ͨv > uRͳΔԾఆͳͷͰ

1 2

{

h(uR)−h(v)

uR−v

−a(v, uR)

}

(uR−v)>0.

͜ΕΛ(27) (26)ͱ߹Θͤ

¯

h(uj, uj+1)> h(v)> h(uL) =h(uR) (28)

ΛಘΔɻͱ͜Ζ͕ɺ{ui}͸࣌ؒఆৗͳͷͰ{ui}͔Β

ಘΒΕΔશͯͷ਺஋ྲྀଋ͸౳͘͠ͳ͚Ε͹ͳΒͳ͍ɻ

িܸ೾͔Βे෼ԕ͍ॴͰ͸਺஋ղ͸uL·ͨ͸uRͳ

ΔಉҰͷ஋͕ฒͼɺͦ͜Ͱͷ਺஋ྲྀଋ͸h(uL)·ͨ͸

h(uR)(͜ͷ2ͭ͸౳͍͠)Ͱ͋Δ͔Βɺશͯͷ਺஋ྲྀ

ଋ͕

h(uL) =h(uR)

ʹ౳͘͠ͳ͚Ε͹ͳΒͳ͍ɻ(28)͸͜Εʹໃ६͢Δɻ

Αͬͯv≤uL.

ಉ༷ʹͯ͠ɺv < uRͱͯ͠΋਺஋ྲྀଋ¯h(uj−1, uj)

ʹ͍ͭͯໃ६Λಋ͘͜ͱ͕Ͱ͖ΔͷͰɺ

uR≤v≤uL

ΛಘΔɻ(ิ୊3ͷূ໌ऴ)

を得る。ところが、 は時間定常なので から

得られる全ての数値流束は等しくなければならない。

実際、衝撃波から十分遠い所では数値解は または

なる同一の値が並び、そこでの数値流束は

または (この2つは等しい)であるから、全て

(9)

ิ ୊4.

¯

h(uL, v) = ¯h(v, uR) =h(uL) =h(uR), uR≤v≤uL

(29)

ূ໌ɿ಺఺͕ଘࡏ͢Δͱ͖಺఺Ͱͷ਺஋ղͷ஋Λv

ͱ͢Δɻ೚ҙͷ੩ࢭিܸ೾ͷҐஔͰ಺఺͸ߴʑ1ݸͰ

͋Δͱ͢Ε͹ɺ಺఺Ͱͷ਺஋ղͷ஋v͸೚ҙͷিܸ೾

ҐஔʹରԠ͢ΔͨΊʹ۠ؒ[uR, uL]ͷશͯͷ஋ΛͱΓ

ಘΔɻ[uR, uL]ʹଐ͢ΔͲͷ஋Ͱ͋ͬͯ΋ɺ಺఺͕1

ͭͷΈͷ࣌ؒఆৗղͰ͋Δ͔Β಺఺ͷ྆ଆͷ਺஋ྲྀଋ

¯

h(uL, v),¯h(v, uR)͸h(uL) = h(uR)ʹ౳͘͠ͳ͚Ε

͹ͳΒͳ͍ɻ(ิ୊4ͷূ໌ऴ)

ิ ୊5.

¯

h(v, w)< h(uL) =h(uR), v, w∈(uR, uL) (30)

ূ໌ɿഎཧ๏ʹΑΔɻh(v, w) = h(uL) =h(uR)ͱ

ͳΔv, w∈(uR, uL)͕͋ͬͨͱԾఆ͢Δɻ

ิ୊4ΑΓ

h(uL) = ¯h(uR, v) = ¯h(v, w) = ¯h(w, uR) =h(uR)

ͱͳΔ͕ɺ͜Ε͸੩ࢭিܸ೾Λۙࣅ͢Δఆৗ਺஋ղʹ

಺఺͕̎ͭ͋ΓɺͦΕͧΕͷ಺఺Ͱͷ਺஋ղ͕v, wͱ

ͳ͍ͬͯΔ͜ͱΛࣔ͢ɻଈͪໃ६Ͱ͋Δɻ(ิ୊5ͷূ

໌ऴ)

ิ ୊6.

¯

h(v, w)≤h(uL) =h(uR), v, w∈[uR, uL] (31)

ͨͩ͠ɺ౳߸͕੒ཱ͢ΔͳΒ͹v = uL·ͨ͸w =

uRͰ͋Δɻ

ূ໌ɿิ୊4ͱิ୊5͔Β༰қʹಋ͔ΕΔɻ(ิ୊

6ͷূ໌ऴ)

࣍ʹ2࣍ݩ໰୊ͷ੩ࢭিܸ೾ͷఆৗ਺஋ղ{ui,j}Λ

ߟ͑Δɻ

• ֤jʹ͍ͭͯɺi͕े෼େͳΒ͹ui,j = uRɺi

͕े෼খͳΒ͹ui,j =uL

• ֤iʹ͍ͭͯɺj͕े෼େͳΒ͹ui,j = uRɺj

͕े෼খͳΒ͹ui,j =uL

Ͱ͋Δ͔Βɺ༗ݶମੵDi,jͷதʹ಺఺ʹͳΔ΋ͷ͕͋

Ε͹ɺͦΕΒ͔Β

uR< uα,β< uL, uα+1,β=uα,β+1=uR

ͱͳΔDα,β͕ͱΕΔɻ

਺஋ղ͕ఆৗͳͷͰ༗ݶମੵDα,βͰͷ਺஋ྲྀଋͷ

ऩࢧ͸ۉߧ͠

0 =[¯

f(uα,β, uα+1,β)−f¯(uα−1,β, uα,β)

+¯g(uα,β, uα,β+1)−g¯(uα,β−1−uα,β)]

=p{¯h(uα,β, uα+1,β)−¯h(uα−1,β, uα,β)}

+q{¯h(uα,β, uα,β+1)−¯h(uα,β−1−uα,β)}

ͱͳΓɺิ୊4Λద༻ͯ͠

p{h(uR)−¯h(uα−1,β, uα,β)}

+q{h(uL)−h¯(uα,β−1, uα,β)}= 0

(32)

ΛಘΔɻ͜Ε͕੒ཱ͢ΔͨΊʹ͸ิ୊6͔Β

¯

h(uα−1,β, uα,β) = ¯h(uα,β−1, uα,β) =h(uR) =h(uL)

Ͱͳ͚Ε͹ͳΒͳ͍ɻ

͜ͷٞ࿦Λؼೲతʹద༻͢Δͱɺશͯͷx-࣠ํ޲ͷ

ྲྀଋf¯(ui,j, ui+1,j)͸f(uL) = f(uR)ʹ౳͘͠ɺಉ

༷ʹશͯͷy-࣠ํ޲ͷྲྀଋf¯(ui,j, ui,j+1)͸g(uL) =

g(uR)ʹ౳͍͠ɻ

΋͠΋಺఺ͱͳΔ༗ݶମੵ͕ྡ઀͢Ε͹ɺͦΕΒ

ͷ༗ݶମੵؒͷڥքʹ͓͚Δ਺஋ྲྀଋ͸ิ୊5ʹΑΓ

f(uL) = f(uR)·ͨ͸g(uL) = g(uR)ΑΓখͱͳΓ

ໃ६͕ੜ͡ΔɻΑͬͯ಺఺ͱͳΔ༗ݶମੵͷྡ઀͸ى ͜Βͳ͍ɻ·ͨɺuR< uα,β < uLͳΒ͹

uα+1,β =uα,β+1=uR

uα−1,β=uα,β−1=uL

(33)

্هͷٞ࿦ͷؼ݁ͱͯ͠ಘΒΕΔɻ(ఆཧ1ͷূ໌ऴ)

ͳ͓ɺ͜ͷఆཧͰ͸h(u) = 1

2u

2ͱ͍ͯ͠Δ͕ɺҰ

ൠԽͯ͠

(1) h(u)͸uͷݫີತؔ਺

(2) uL, uR͸h(uL) =h(uR), f′(uL)> f′(uR)

ͱͯ͠΋੒ཱ͢Δɻ·ͨɺ2࣍ݩͷ਺஋ղΛٻΊΔࡍ

ͷॳظ஋͸ॴఆͷํ๏(I1)(I2)(I3)ʹΑͬͯ༩͑ͳ͘

ͯ΋ɺద౰ͳॳظ஋͔ΒܭࢉΛ։࢝ͯ͠਺஋ղ͕੩ࢭ

িܸ೾ղΛۙࣅ͢Δ࣌ؒఆৗ਺஋ղ(ଈͪɺx·ͨ͸

y͕े෼ʹখ͍͞ͱ͜Ζͷ༗ݶମੵͰ͸਺஋ղͷ஋͕

uLɺٯʹx·ͨ͸y͕े෼ʹେ͖͍ͱ͜Ζͷ༗ݶମੵ

Ͱͷ਺஋ղͷ஋͕uR)ʹୡͨ͠৔߹ʹ͸ิ୊2ͷূ໌

Λ༩͑Δ͜ͱ͕ՄೳͰ͋Γɺ͜͜Ͱ΋ఆཧͷ৚݅Λ؇ ΊΔ͜ͱ͸͕ՄೳͰ͋Δɻ

6.

·ͱΊ

1࣍ݩͷ੩ࢭিܸ೾Λ1ݸͷ಺఺Ͱ਺஋తʹั֫͢

Δࠩ෼εΩʔϜΛ2࣍ݩʹ֦ுͨ͠৔߹ɺఆཧ1͸ਤ

が上記の議論の帰結として得られる。(定理1の証明終)

が可能である。

(10)

ิ ୊ ূ໌ɿ಺఺͕ଘࡏ͢Δͱ͖಺఺Ͱͷ਺஋ղͷ஋Λ ͱ͢Δɻ೚ҙͷ੩ࢭিܸ೾ͷҐஔͰ಺఺͸ߴʑ ݸͰ ͋Δͱ͢Ε͹ɺ಺఺Ͱͷ਺஋ղͷ஋ ͸೚ҙͷিܸ೾ ҐஔʹରԠ͢ΔͨΊʹ۠ؒ ͷશͯͷ஋ΛͱΓ ಘΔɻ ʹଐ͢ΔͲͷ஋Ͱ͋ͬͯ΋ɺ಺఺͕ ͭͷΈͷ࣌ؒఆৗղͰ͋Δ͔Β಺఺ͷ྆ଆͷ਺஋ྲྀଋ ͸ ʹ౳͘͠ͳ͚Ε

͹ͳΒͳ͍ɻ ิ୊ ͷূ໌ऴ

ิ ୊ ূ໌ɿഎཧ๏ʹΑΔɻ ͱ ͳΔ ͕͋ͬͨͱԾఆ͢Δɻ ิ୊ ΑΓ ͱͳΔ͕ɺ͜Ε͸੩ࢭিܸ೾Λۙࣅ͢Δఆৗ਺஋ղʹ ಺఺͕̎ͭ͋ΓɺͦΕͧΕͷ಺఺Ͱͷ਺஋ղ͕ ͱ

ͳ͍ͬͯΔ͜ͱΛࣔ͢ɻଈͪໃ६Ͱ͋Δɻ ิ୊ ͷূ ໌ऴ

ิ ୊

ͨͩ͠ɺ౳߸͕੒ཱ͢ΔͳΒ͹ ·ͨ͸

Ͱ͋Δɻ

ূ໌ɿิ୊ ͱิ୊ ͔Β༰қʹಋ͔ΕΔɻ ิ୊ ͷূ໌ऴ

࣍ʹ ࣍ݩ໰୊ͷ੩ࢭিܸ೾ͷఆৗ਺஋ղ Λ

ߟ͑Δɻ

֤ ʹ͍ͭͯɺ ͕े෼େͳΒ͹ ɺ

͕े෼খͳΒ͹

֤ ʹ͍ͭͯɺ ͕े෼େͳΒ͹ ɺ

͕े෼খͳΒ͹ Ͱ͋Δ͔Βɺ༗ݶମੵ ͷதʹ಺఺ʹͳΔ΋ͷ͕͋ Ε͹ɺͦΕΒ͔Β ͱͳΔ ͕ͱΕΔɻ ਺஋ղ͕ఆৗͳͷͰ༗ݶମੵ Ͱͷ਺஋ྲྀଋͷ ऩࢧ͸ۉߧ͠ ͱͳΓɺิ୊ Λద༻ͯ͠ ΛಘΔɻ͜Ε͕੒ཱ͢ΔͨΊʹ͸ิ୊ ͔Β Ͱͳ͚Ε͹ͳΒͳ͍ɻ ͜ͷٞ࿦Λؼೲతʹద༻͢Δͱɺશͯͷ ࣠ํ޲ͷ

ྲྀଋ ͸ ʹ౳͘͠ɺಉ

༷ʹશͯͷ ࣠ํ޲ͷྲྀଋ ͸

ʹ౳͍͠ɻ ΋͠΋಺఺ͱͳΔ༗ݶମੵ͕ྡ઀͢Ε͹ɺͦΕΒ ͷ༗ݶମੵؒͷڥքʹ͓͚Δ਺஋ྲྀଋ͸ิ୊ ʹΑΓ ·ͨ͸ ΑΓখͱͳΓ ໃ६͕ੜ͡ΔɻΑͬͯ಺఺ͱͳΔ༗ݶମੵͷྡ઀͸ى ͜Βͳ͍ɻ·ͨɺ ͳΒ͹

্هͷٞ࿦ͷؼ݁ͱͯ͠ಘΒΕΔɻ ఆཧ ͷূ໌ऴ

ͳ͓ɺ͜ͷఆཧͰ͸ ͱ͍ͯ͠Δ͕ɺҰ ൠԽͯ͠ ͸ ͷݫີತؔ਺ ͸ ͱͯ͠΋੒ཱ͢Δɻ·ͨɺ ࣍ݩͷ਺஋ղΛٻΊΔࡍ ͷॳظ஋͸ॴఆͷํ๏ ʹΑͬͯ༩͑ͳ͘ ͯ΋ɺద౰ͳॳظ஋͔ΒܭࢉΛ։࢝ͯ͠਺஋ղ͕੩ࢭ িܸ೾ղΛۙࣅ͢Δ࣌ؒఆৗ਺஋ղ ଈͪɺ ·ͨ͸ ͕े෼ʹখ͍͞ͱ͜Ζͷ༗ݶମੵͰ͸਺஋ղͷ஋͕ ɺٯʹ ·ͨ͸ ͕े෼ʹେ͖͍ͱ͜Ζͷ༗ݶମੵ

Ͱͷ਺஋ղͷ஋͕ ʹୡͨ͠৔߹ʹ͸ิ୊ ͷূ໌

Λ༩͑Δ͜ͱ͕ՄೳͰ͋Γɺ͜͜Ͱ΋ఆཧͷ৚݅Λ؇ ΊΔ͜ͱ͸͕ՄೳͰ͋Δɻ

·ͱΊ

࣍ݩͷ੩ࢭিܸ೾Λ ݸͷ಺఺Ͱ਺஋తʹั֫͢ Δࠩ෼εΩʔϜΛ ࣍ݩʹ֦ுͨ͠৔߹ɺఆཧ ͸ਤ

2の中央部にあるような内点たる有限体積の隣接を否

定する。当然、図4のような内点の存在を許容せず、

代わりに図3のような数値解を与えることとなる。こ

れが、数値解での衝撃波面の捕獲が階段状になる原因

である。ただし、衝撃波面が 各軸と45度の角度

をなす場合、即ち(9)で (この の値の

組合せは(9)の但し書きで除外されているが) となる ような場合には、衝撃波面が階段状になることはない。

  また、1次元の静止衝撃波の数値計算で既に鈍化

が生じて衝撃波の捕獲に2個以上の内点を必要とする

ような差分スキームであれば、2次元の静止衝撃波の

数値計算でこのような現象は顕著には起こらないとい える。

 このような現象を避けるために、粘性を付加すると いう修正法が従来から知られているが、かなりの粘性 を付加しないと効果が現れない場合もある。定理によ れば、数値解の鈍化による衝撃波面の階段状化低減機

構の本質は、粘性というよりも1次元の静止衝撃波を

近似する際の内点の個数の増加であり、粘性を付加し

ても効果がないのは内点の個数が1個のままで増加し

ない場合である。実際、1次元の静止衝撃波の数値解

の内点の個数が通常2個であるEngquist-Osher[1] の スキームを用いると、鋸歯状化が目立ちにくくなるこ とが確かめられる。

 一方で本考察は1次元計算での計算法の利点が2 次 元以上の計算においては欠点となる例を示したものと

しても興味深い。格子と現象(厳密解)の間の方向性

のずれの問題など、2以上の次元に特有の問題の考察

への端緒でもあると考えられる。本考察をより一般化 し圧縮性Euler 方程式などの系の場合に拡張して証明 を与えることには相当の困難が予想される。しかし、

1次元の静止衝撃波の数値解の内点の個数を増やすこ

とで2次元以上の静止衝撃波の数値解の鋸歯状化を抑

(11)

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発 行 日

電 子 出 版 制 作

国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構(JAXA) 〒182-8522 東京都調布市深大寺東町7-44-1 URL: http://www.jaxa.jp/

平成30年2月22日 松枝印刷株式会社

※本書の一部または全部を無断複写・転載・電子媒体等に加工することを禁じます。

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(12)

図 3:  衝撃波面が階段状に見える数値解の例(空間 2 次元問題の数値解を 3 次元グラフで表現)  有限体積近似の意味から考えれば、各有限体積での 数値解の値は当該有限体積での厳密解の平均値となる ことが理想であると考えられる。図 4 がこの数値解の 様子を表している。 図 4: 各有限体積で厳密解の平均値をとる数値解  このような数値解であれば衝撃波面が階段状に見え る現象はかなり緩和される。しかしながら、衝撃波捕 獲を鈍化させずにそのような数値解を与えるスキーム は未だ得られず、数値解が鈍化するかそ

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