の精 液 に 対 す る 透 明 液 の 添 加 に 就 い て 西

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(1)九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository. 雄鶏の蕃殖生理に関する研究 : III. 鶏の精液に対 する透明液の添加に就いて 西山, 久吉 九州大学農学部畜産学教室. https://doi.org/10.15017/21256 出版情報:九州大學農學部學藝雜誌. 13 (1/4), pp.377-387, 1951-11. 九州大學農學部 バージョン: 権利関係:.

(2) 377. 雄 鶏 の 蕃 殖 生 理 に 関 す る研 究 皿.鶏. の精 液 に 対 す る 透 明 液 の 添 加 に 就 い て 西. 山. 久. 吉. ,Studiesonthephysio1Qgyofreproductoninthemalefow1 皿.Ontheadditionoftransparent 血uidtothecockss㎝eh HisayoshiNishiyama. 工. 緒. 論"!. 雄 鶴 に 於 け る 生 殖 器 官 は 従 来睾丸(Testis),睾. 上 体(Epididymis)及. び 精 管. (Ductusdeferens)よ り成 る と称 せ ら れ て ゐ た が,Gray(1937)は 従 来睾 上 体 と言 は Pれ て ゐ た 部 分 は 睾 丸 綱(Retetestis),輸 出 小 管(Ductuliefferentes),睾 上 体 管 (Ductusepidiδymidis芝. の 三 者 よ り成 る ζ と を 報 告 し,又. に 相 当 す る 生 殖 隆 起(Phallus)も. 発 見 せ られ(増. 管(Ac¢essoryreproductiveducts)に. 哺 乳 動 物 の 陰 茎(Penis). 本,大 野1930等),所. 謂 副 生殖. 関 して ば 哺 乳 動 物 の そ れ に匪 敵 す る 器 官 が 認 め ち. れ て ゐ るが,結 嚢 腺(Seminal‑vesicle),前 bulbourethralis)の. 井,橋. 立 腺(ISkostata)又. は 球 尿 道 腺(Glandula. 如 き所 謂 副 生 殖 腺(Acces鋤ryreproductiveglapds)は. 於 て は 存 在 せ す,精. 鳥類 に. 管 内 の 精 液 は 直 接 体 外 に 射 出 せ ら る 、 も の と信 ぜ ら れ て ゐ た.. 多 くの 燕 雀 類 及 び 其 他 の 幾 らか の 鳥 に 於 て 精 嚢 腺 と称 せ ら れ る 器 官 が 存 在 す る こ と は 古 、く よ り知 られ て ゐ る が,之 (RiddIe,1927)精. は単に 春 の 繁 殖 季 節 に 精 液 の 貯 留,ホ. 管 の 末 端 が 膨 大 し た 部 分 を 言 ふ の で あ り,全. の と い ふ(Disselhorst,1877;Riddle,1927に 著 者 は 第1報. 及 び 第2報. ル モ ン の 影 響 に よ り く分 泌 機 能 を 有 し ない も'. よ る).. に 於 て,Liebeの. 所 謂Gef琶SSreicher・K6rPer並. に 淋 巴褶襞. が 生 殖 隆 起 の 附 属 器 官 で あ る こ と を 記 載 した が そ の 生 理 作 用 に は 触 れ な か つ た. 本 論 交 に 於 て は,鶏. を認 め,こ. の 精 液 射 出 に 当 つ て 精 管 内 精 液 に 多 量 の 透 明 液 が 添\ 加 せ ら れ る こ と. こに報 告 す る.. この研 究 は丹 下教授 の指 導 の下 に行 ばれ た.ご ・ll.材. こ に厚 く感 謝 の意 を表 す る.. 料 及 び研 究 方 法. こめ 実 験 は第2報. と,ra'・ 一'の 雄 鶏6羽. 精 液 の 採 取 は11月10日 4回,場. を使用 し,樹 附 帯 的 に他 の 成 鶏2Mを. よ り,。BurrowsandQuinn法(1937)に. 使 用 した.. よつ て,・一 時 に. 合 に よつ て は それ 以 上採取 し,常 に精 液 及 び 分泌 液 の排 田 の状態 を記 録 し,・ 連続. 必 要 ビ よつ て は排 出 す る精 液 の濃 度 に 応 じ,濃 厚 な る白 色 精 液,稀 薄 な る淡 白 精 液 及 び殆 ノ.

(3) 378. ん ど分 泌液 の み よ り成 る透 明精 液 に 分 集 した. した 精液 は 精 液 量,精 子 数 を測 定 した. 採取 生 殖 隆 起 及 び 淋 巴褶襞 の除 去 手 術 は一 月末 よ り2月 始 め に行 つ た.即. ち,鶏 を去 勢 台 に. 固 定 した 後,助 手 を して排 泄 腔 を開 張 せ しめ,こ の両 組織 を一側 よ り鋏 を以 て 切 除 し,更 に電 気焼 灼器 を用 ひ て そ の 附近 を焼 灼 した. 除 去 手 術 後 は そ の 治 癒 を待 ち,2月10日. よ り術 前 の 如 く精 液 を採 取 し,同 様 の測 定 を. 行 つ た.尚 採 取 に当 つ て 直 腸 よ りの 汚 物 の 混 入 を防 止 す る為,採 取 直 前 に大 な る綿 球 を直 腸 内 に 挿 入 した. 之 等 の測 定 は 手術 前12回,術. 後6回 反復 した が,採 取 に当 り精液 の 一 部 を採取 し得 な. か つ た 様 な場 合 には,精 子 数,精 液 量 の変 動 を顧 慮 して 之 を資 料 よ り除外 した. 屠 殺 は4月 下旬 よ り5月 上 旬 に亘 つ て行 つ た. 1■.実 (1)糟. 験. 結. 果. 液 の射 出状況L. 置,手 術 前 の 射 出状況. 特 に透 明液 添 加 の獣 態. 精 液 め射 出妖 況 を概 括 的 に述 ぶ れ ば,第1回. 射 出 に 当つ て は,多 量 の 白色 精液 が射出 さ. れ る.、斯 の如 く精 管 内 精液 の 量 が 多 い時 には,一 般 に白色 な る精液 が 射 出 され る如 く認 め られ,透 明液 添 加 の状況 を明 か に見 るこ とは 出 来 ない.然. し実験 鶏N2に. 於 て は,勃. 起. した 生殖 隆 起 の縦 溝 に沿う て 流 出す る 多量 の 濃 厚 白色 な る精 液 の 周 囲 を透 明液 が 共 に流 下 し}白 色 精 液 は恰 も白 い 紐 の如 き襯 を 呈 し,更 に 之 に 続 い て透 明液 の みが 流 出 す るの が 観 察 され た 反K82に. 於 て は,先透明. 液 の 排 出 に始 り,之 に多 量 の 白色 精 液 が 加 はつ て. 同様 の状態 を示 す こ とが 屡 々観 察 され 孝.斯 明旗 で あ る鯛. 他 の実 験 鶏 に於 て も第1回. くて之 等 の場 合 に は透 明液 の混 入 した と とは. に得 られ た 精 液 は色 調 に於 て 同程 度 め濃 度 の も. の で あつ た. 第2回,第3回. の 射 出に於 て は,自 色 精 液 に続い て透 明液 が排 出せ られ るか,又. は透 明. 液 中 に一 時 的 又 は 問漱 的 に 白色 精 濠 が 混 入 して 白い 糸 の如 き観 を呈 す るの で あ り,何 れ も 透 明液 の 混 入 す るこ とが 明 瞭 に観 察 され た.然. し場 合 に 依 つ て は両液 は良 く混 和 して 直 接. 淡 白 精 液 と して射 出 され た.(例 へ ばP46>. され る精 液 は透 明液,白 色 精採取 液 の量 に応 じ,白 色54za淡 白色 の もので あ るが 第3回 射 出精 液 は第2回. の もの に比 べ て 一 居 稀 薄 で あつ た.. 第4回,第5回,第6回. には,白 色 精液 は射 出せ られ ない か 或 は射 出せ られ て も僅 少 と. な り,従 っ 七 得 られ た 精 液 は透 明又 は淡 白色 の外 観 を呈 す る. 以 上 は精 液 射 出 の 一般 的 傾 向で あ るが,各 個 体間に は 白色 精 液 量,透. 明精 液 量 及 び そ の. 混 和 状 態 に大 な る差 異 が あ り,又 同一 個 体 で も採 取 当 日の状況 に よ り種 々の変 異 が 認 め ら れ た ・ 即 ち或 側 体 てP46)に 精 液 を射 出 した が,一 方K85は. 於 て は連続採取 の 多 くの場 合 に良 く 混 和 せ る 白色 又 は淡 白 第 一 回 よ り第5回 採 取 に亘 り,白 色 精 液 の 周 囲 を透 明. 液 が 囲 んで 流 出 す る の が見 られ た.又 一般 に勃 起 した生 殖 陸 起 の大 き な個 体 は透 明液 の排 出量 ・排 出回 数 共 に 多 く・例 へ ばJ4・N2の. 如 き個 体 は 第1回 射 出 に於 て 多 量 の 白色.

(4) 379. 精 液 を射 出 す るが,第2回,第3回 し,以 後4回,5回,6回 の減 少 も少 く,6回 T4は. に は多 量 の 透 明液 中 に一 時 的 に残 余 の 白色 精 液 が 混 入. は全 く透 明液 の み よ り成 る こ とが 多 く,排 出せ られ る透 明液 量 以 上 の連続 採取 で も樹 少量 の排 出が 続 け られ る、他 の 実 験 に 供 し た. 勃 起 の 時甚 だ大 な る生 殖 隆 起 を持 つ て ゐた が,連続12回. の採 取 に於 て も術 透 明液. は多 量 に排 出 され た.之 に 反 して,勃 起 せ る生 殖 隆 起 の 最 も小 さな個 体,K85に 第3回,第4回. には 全 く精液 の射 出の 行 はれ な い場 合 も屡k認. 出 され る場 合 も常 に僅 少量 の 白色 精 液 が 射 出 された.透. め られ,又4回. 於 て は, まで連続 射. 明液 排 出量 よ り見 れ ばJ4最. も多. く次い でN2,K82,P46,K8Sの 順で あつ た.採 取 され た全 精液 量 は透 明液 の排 出 量 の 多 い個 体 に 多 く,且 つ 斯 様 な個 体 に於 て は,透 明 液 の み を分 集 して も白色 精 液 よ り一・ 暦 多 量 で あ る こ とが 屡 々認 め られ た. 今1例. と して任 意 の1日;即. ち12月24日. に採 取 した 各 実 験 鶏 の採 取 精 液 を示 せ ぱ第. 1図 の 如 くで あ る.. 第2図.. 第1図. A…. ・J4,B…. ・N2,C…. ・K82,D・. …P46,E…. ・K85.. 叉 同 一個 体 に於 て も,透 明液 排 出 量 は 日に よ り相 当 の変 異 が 認 め られ,特. に透 明液 排 出. 量 の 多 い個 体 で 著 る しい 傾 向が あつ た.透 明 液 混 入朕況 の変 異 は 実験 鶏 中P46,K82に 於 て 著 しか つ た. b.手. 術 後 の射 出状況. 手 術 後 に於 て は全 実 験 鶏 を通 じ透 明 液 の 排 出 は全 く停 止 し,従 つ て射 出状況 も全 て同様 とな り,第1回,第2回,第3回 に す ぎな い.而. して第1回. 射 出 は常 に濃 白色 の精 液 を射 出 し,た. 讐量 的 差 異 が あ る. 射 出 に於 て 全 射 出精 液 の 大 部 分 を射 出 し,第2回. 射 出は 急 激 に.

(5) 380. 減 少 す る.第3回,第4回 で あ る.斯. の採 取 に は全 く射 出 され な い か,或 は射 出せ られ て も甚 だ僅 少. くして採取 され た 精液 は全 て 濃 白色 の 外 観 を呈 す る.. 手 術 後 の 任意 の1日(3月28日)に. 採 取 した 精液 を示 せ ぱ第3図. 第3図. A・ …J4,B・. 2.精. の 如 くで あ る.. 第4図. …N2,C…. ・K82,D・. …P46,E…. ・K85.. 液 量 及 び 精子 数. 精 液 の採取 を開 始 レた 当時,即. ち第1日. よ り第3日. まで は,各実験. 鶏 の射 出 量 は比 較 的. 少 く,こ の時 期 に 手術 前 の最 少射 出量 が記 録 され た が,其 後 は次 第 に 増 加 の傾 向 を示 した. 精 子 数 も叉P46以. 外 は 僅 か 乍 ら増 加 の傾 向 を示 して ゐ る.. 透 明液 の混 入 の 多い 個 体,例 へ ばJ4よ 度 は 極 めて薄い が,之. り得 られ た 精 液 は精 液 量 甚 だ 多 く,一 面 精 液 濃. に対 して 透 明液 の混 入の 最 も少い 個 体K85に. 於 て は精 液 量 少 く,. 精 液 濃 度 が 高 く現 れ て ゐ る,同 様 の現 象 は他 の実 験 鶏 に も見 られ(第1・2表,第5・6図), 前 項 の観 察 結 果 ど一 致 して ゐ る. 第.1"'表.

(6) 381. 第'2表.. 然 る に手 術 後 に於 て は, 透 明液 の排 出停 止 に伴つて 精液 量 は甚 だ少量 とな り, 減 少 率 は14〜78%に び,之. 及. と共 に精 液 濃 度 は飛. 躍 的 に増加 して,増 加i率は 365〜989%に. 達 した(第. 1・2表).手. 術 前 の後 孚 の. もの と比 較 して も,精 液 量 、 の減 少 は一層 大 き く,精 子 濃 度 も伺 与倍 以上 で あつ た. 爾 手術 後 に於 て は,各 実 験 鶏 の射 出 精液 の 相 違 が 少 くな り,従 つ て 手術 前 後 の 射 出精 液 量,精 液 濃 度 の 変 化 は 手術 前 射 出量 の 多 か つ た個体 に於 て 特 に著 し く 現 は れ て ゐ る(第1・2表, 第5・6図).即 就い て は,J4に … 率78%に K85は14%に. ち精液 量 に 於 て減 少. 達 す るが,一 方 す ぎす,. 又 精 子 数 に於 て も前 者 の増 加 率989%に. 達 す るが 後. 者V;1365%で. あ る.. 樹 手術 後 に於 け る各実 験 鶏 の採 取 精液 の 濃 度 は 毎 日 採 取 した場 合次 第 に減 少す る一 般 的 傾 向が 認 め られ た.. 第5図.手. 術 前 後 の精 液採取 量 の変 化. A、 手. 術. 前.

(7) 382. 第2図. は 手術 前 の 任 意 の1日. (12月23日)に. 採 取 した精 液. を同一 一遠 心器 に よ り同時 に分 離' した もので あ るが,精 子 対 精清 の比 は個 体 に よ り顯 著 な 相違 な 相 違 が 認 め られ,透 明液 の排 出 の 多い 個 体(J4,N2)で. は. そ の 比 大 き く,排 出 量 の 少 い個 体(K85)は. その 比 少 く,精. 子 数 測定 の結 果 と略 々一 致 して ゐ る.第4図 1日(3月2日)に. は手 術 後 の任 意 の 得 られ た 精. 液 を同 様 に して 分 離 した もの で, 手 術 前 の もの と比 較 すれ ば 手 術 に よ り精 清 が 急 激 に減 少 した こ とが 知 られ る.伺 各 個 体 別 に観 察 して も又 手 術 前 後 の もの を比 較 して も,精 子 量 に は大 差 な く, 精液 量 及 び 精 午 濃 度 の 著差 は主 と して 精清 の 量 に依 る もの で あ る こ とが示 され るの は興 味 あ る とで あ る. 3.精. こ. 管内の精液濃度及び. 精液 量 精 管 の上半(睾丸 に近 い部 分), 下 牛及び精管膨大部の三者の精 液 濃 度 は第3表 の 如 く,上半 部 に於 て 最 も高 く,膨 大 部 は 最 も 低 く下 牛 部 は そ の中間 に 位 して ゐ た. 精 液 量 は上半,膨 大 部 何 れ も少 く,精 管 内 精 液 の大半 は下半 部 に貯 へ られ て ゐた(第4表).. 論. 議. 4回 以上 に及 ぶ 精液 の採取 に 当つ て,第2回 連続 以 後 の 精 液 採 取 には 明か に透 明 液 の 混 入 す る こ とが 認 め られ ・(前述 の 如 く第1回. の採取 に 当 つ て も透 明 液 の 混 入 す る こ とは確 実. と思 はれ る),特 に勃 起 した 生 殖 隆 起 の大 きい 個 体 に於 て は第4回 以 後 の採取 に 当つ て は 殆 ん ど透 明 に近い 精 液 が採取 せ られ る.さ て 問題 は この透 明 精液 で あ る.即 ち 精 管 内 精 液 は 何れ の部 分 に於 て も精 液濃 度 は 極 め て高 く(第3表),濃. 白色 の外 観 を呈 し 透 明 液 の 存.

(8) 383. 在 は認 め られ な い.従 つ て この透 明液 は 明 か に精 管 以外 の部 分 よ り分 泌 若 くは排 出 され る もの と考 へ られ る.. 第3表. ・精 管 各 部 の 精 子 数(単位. 第4表. 註N2は. ㎜).. ・ 精 管 各 部 の 精 液 量(CC).. 精 液採取 取 直後 屠殺 した為 との 資 料 よ り除外 した.. 又 芝 田 等(1938)は. 本 実 験 と同 じ く腹 部マツ サ ー ヂ に依 り精液 の採取 を行 っ た が,最. 初 は 濃 厚 な る精 液 を射 出 し,後 漸 次 稀 薄 とな る 旨 を記 載 し,本 実 験 に於 て採取 され た精 液 の 精液 濃 度 の 変 遷 とその様相 を 一 に して ゐ るが,斯. の如 き現 象 も亦 精 管 の み よ り精液 が射. 出 され る と考 へ る こ とは 不 可能 で あ る.何 とな れ ば,精 管 内 精 液 の濃 度 は第3表. の 如 く,. 精 管上 方 の 精 液 は 下方 の もの に比 べ て 常 に濃 厚で あ り,連続 採 取 に よつ て精 管 の精 々上 方 の 精液 が 射 出 され る とす れ ば,そ の 濃 度 は却 つ て濃 厚 とな るべ き もの と思 考 せ られ るか ら で あ る.一 面 精液 濃 度 の 変 遷 の み よ り考 察 すれ ば射 出 に 当つ て,特 に連続 採 取 の後 牛 に於 て,精 管 又 は 精 管 膨 大 部 よ り多 量 の 分 泌 液 が 分 泌 され る とい ふ可 能 性 もあ るが,マツ ヂ に よる連続 採 取 の 直 後屠殺 したN2,N8の り,他 の実 験 鶏(第3表)の. あ. 精 管 膨 大 部 の 精 子 数 と略 々同様 の 数 値 を示 してゐ る.又T1. に於 て は,射 出精 液 の 濃 度 は1,888,000でiそ 度 は9,760,000を. サー. 精 管 膨大 部 の 濃 度 は 何 れ も6,300,000で. の直 後 屠 殺 して 得 られ た 全 精 管 内精 液 の濃…. 示 し,こ の 両 者 の 間 には連続採取 を行 は ず して測 定 した 実 験 鶏 と大 差 な. き濃 度 の差 異 が 見 られ るか ら,精 液 よ りの分 泌 液 が射 出精 液 の 濃 度 を減 す る こ とは ない と 言 はね ば な らない.勿 論 上 記 の結 果 よ り明 か な る如 ぐ連続 採 取 に よつ て精 管 の 稽 々上 方 の 精 液 が 膨大 部 に 下 降 した時 は,精 管 又 は 精 管 膨 大 部 よ りの 分 泌液 に よつ て,膨 大 部 の 精 液 濃 度 に まで薄 め られ,斯. くて 精 管 よ り射 出 され る精 液 は連続 採 取 に於 て も略 々同様 の 濃. 度 の ものが 常 に射出 され る と言 ひ 得 るで あ ら う..

(9) 384. 斯 の 如 ぐ,精 管 よ りは 常 に 同 程 度 の濃 度 の もの が射 出 され る と思 は れ るが,精管. よ り射. 出 され る精 液 量 は 手 術 後 の 射 出状 況 の 項 に明 か な如 く第1回 採 取 に於 て その大半 を射 出 し, 第2回. には 急 激 に減 少 し,第3回,4回. だ 少 量 とな るの で あ るが,之. は射 出 せ られ な い か或 い射 出 され て もそ の 量 は 甚. に反 して 透 明 液 の 排 出量 は回 次 の進 む と と に よ り減 少 す る こ. とが 少 く,従 つ て その 混 合 液 で あ る射 出精 液 は連続採取 に よ り次 第 に稀 薄 とな るの で あ る. 更 に勃 起 した 生殖 隆 起 の 大 き な個 体 で は,連続4回. 以 上7,8回. に も透 明 液 は相 当 に排 出. せ られ るか ら,精 管 内 精液 の射 出停 止 に伴つて透明 精 液 が採取 され るの で あ る. 次 に 精 液 量 の 方 面 か ら考 察 すれ ば,射 出量 の 多か つ た 個 体J4に の後 牛 の4例 に於 て,1.12cc,O.81cc,1.1cc,1.09ccを に比 べ て 遙 か に 多 量 を射 出 して 居 り,又K82に. 申そ. 射 出 し,精 管 内全 精 液 量0.74cc 於 て も9例 中8例 は 同様 精 管 内 全 精 液 量. を 凌 駕 す る精 液 を射 出 して 居 る.' 一一方N2 ,N8に 於 て は2回 及 び3回連続採取 0.31ccの. .. 於 て は,8例採取. 後,T1に. 於 て は5回連続. 探承 によ り. 精液 を得 た 後 直 ち に屠 殺 観 察 した 処,精 管 膨 大 部 のみ は殆 ん ど室 とな り,之 に. 接 す る精 管F部 の 精 液 も減 少 して ゐた が,そ の 上 方 の 精 管 に は 明か な変 化 が 認 め られ す, 残 留 す る精 管 内精 液 量 も各々O.49cc,O.26cc,0.23ccで MのO.39〜0.75ccに. あ り(第5表),・. 比 較 す る こ とは困 難 で あ るが,精. 精 管 内精 液 の 一部 分 で あ る こ とが 推 察 され る.斯. 他 の実 験 鶏5. 管 内 よ り射 出 され る 精 液 量 は全. くしてJ4,K82に. 液 が 混 入 す る こ とは 明 かで あ るが,少 量 の精 液 を射 出 したK85,P46に. 於 て は 多量 の透 明 就い で も後4≧の. 干 均 で は精 管 内 精 液 の 牛 量 又 は 其 れ 以 上 を射 出 して ゐ る こ と とな り,之 等 の鶏 に於 て も相 当量 の 精 管 外 よ りの液 が 添 加 され て ゐ る こ とが 予 測 され る. 第5表連続. 射 出 後 の 精 管 内 精 液 量(cc)・. 鶏 に 於 け る 精 液 採 取 量 はBurrowsandQuinnて1937)に 12月 以 降0.4〜3.6ccで (1939)は. あ り,例 外 的1例. 毎 日1.Occを. Bartlett等(1946)は. 及 ん で ゐ る.BurrowsandTitus. 採 取 し 芝 田 等(1938)は平均0.3〜0.47cc,最 或 鶏 で は2ccの. rews(1943)は. 最 高2.25ccを. 0、4〜0.75ccに. す ぎ す,今. 大2.8ccを. 得,. 精 液 が 得 られ る と 言 ひ,又WheelerandAnd・. 得 て ゐ る.之. に 対 して 精 管 内 全 精 液 量 は 本 実 験 鶏 に 於 て. 生 殖 力 旺 盛 で 精 管 内 精 液 量 の 多 い 個 体 を 推 定 し て も2〜4cc. に 及 ぶ 採 取 量 を説明 す る こ と は 出 来 す,更 分 に す ぎ ない か ら,之. 依 れ ば11月0.1〜1.1cc,. は4.Occに. に 精 管 内 よ りの 射 出 精 液 は 全 精 管 内 精 液 の 一 部. 等 の 研 究 者 に よつ て 得 ら れ た 精 液 に も 多 量 の 透 明 液 の 混 入 し て ゐ る. こ と が 推 察 され る.一 一 方 精 液 濃 度 の 面 よ り考 察 す れ ば. ,手. 術 前 に 採 取 され た 精 液 中 の 精 子 は,続. 報 に於 て報.

(10) 385. .. 碧 す る如 く,多 量 に混 入 した透 明液 の為 に大 小 種 々の凝 塊 を形 成 し,こ の凝 塊 は精 子 の測 定 に 当 つ て,血 球 用 ピペ ッ ト中で 強 く振盪 して も完 全 には 分 散 す る こ と は 田来 ない か ら, 手 術 前 の 精 子 数 は過 少 に現 はれ て ゐ る もの と推 察 され るが,斯 様 な過 少算 定 を考 慮 の内 に 入 れ て も,荷 精 管 内 精液 と射 出精 液 の 濃 度 の差 は 明か で あ り射 出精 液 の稀 釈 が 考 へ られ ね ば な らない(第2表,第6図).一. 一. 斯 く して,透 明液 混 入状況 の 観 察,連続. 採 取 に依 る精 液 濃 度 の変遷,精. 液 量,精 液 濃 度. の何 れ よ り考 察 して も,精 管 内 精 液 の 射 出 に 当つ て 多量 の透 明液 が混 入 す る と とは 明か で あ るが,こ の透 明液 排 出量 は個 体 に よ り大 な る差 異 が あ り,略 々勃 起 した 生 殖 隆 起 の大 さ に比 例 して ゐ るの に反 し,'一 方 精 管 内 よ り射 出 され る精 液量 は 手術 後 の射 出量 の変 異 か ら も推 察 され る如 く,個 体 変 異 少 く略 々一 定 量 の 精 液 を射 出 して ゐる.従 つ て,透 入 多い 個 体 よ り多 量 の稀 薄 な る精液 が 得 られ,混. 明液 の混. 入 少 き個 体 で は比 較 的 濃 厚 な 少量 の精 液. を射 出す る と と と な るの で あ る.斯 様 に精 液 量,精 子 濃 度 の相 違 が 混 入 す る透 明液 量 従 つ て精 液 の量 に依 る も¢メ で あ る こ と は第2図 及 び 第3図. の遠 心 分 離 精 液 よ りも認 あ られ る.. 手術 後 の射 出精 液 は後 述 す る如 く,殆 ん ど精 管 内 精液 の み よ り成 る もの と推定 され るか ら第1表. の精液 量減 少率78,73う62,56,14%は. で あ る魁. 各 々 各 鶏 の透 明液 添 加量 を 示 す もの. 之 は何 れ も手 術 後 の鮒 出量 と同量 の精 管 内精 液 力『手術 前 に於 七 も射 出 され た と. の 仮 定 に基 づ い て ゐ る.然. し乍 ら,実 際 に於 て は第5図. に より 明か な如 く,実 験 開 始 当初. は精 液 量,精 子 数 共 に 少 く其 の後 次 第 に報 加 の 傾 向 を示 して ゐ る.之 は 鶏. 腹 部マツ サ ー. ヂ に依 る精 液採取 に次 第 に 慣 れ て 来 た こ とに よ る もの と思 推 され るの で あ り,従 つ て 手 術 前 後 孚 の射 出量 を基 とすれ ば上 蓮 の数 値 は各 タS;(}%・73%・66%,58%,25%と. 算. 出 され る.更 に手 術 後 の 射 出量 は季 節 的影 響 か ら手 術 前 後 孚 の もの よ り更 に多 量 に射 出 さ れ た もの と推 察 され るか ら,実 際 に 手術 前 に 添 加 され た 透 明 液 量 は一層 之 を上 回 る もの と 考 へ られ る. 然 らば 斯様 な透 明 液 は 自然 交 尾 の場 合 に於 て も排 出せ られ る もの で あ らう か. 自然 交 尾状態 に於 て,連続 採 取 せ る場 合 の射 出精 液 ρ 濃 度 は,Penquite,Craftand Thompson'(1930).Hutt(1939)及. びParker,McKenziealldKempster(1940). に 依 れ ば,本 実 験 に於 け る精 液 濃 度 変 遷 の炊 態 と同様 に,回 次 の進 む につ れ 急 激 に減 少 し 'て居 る.斯 の 如 き現 象 は,既 に記 載 した 如 く,透 明 液 の混 入 を考 へ ざ る を得 ない ので あ り, 且 つ どの透 明液 の量 的 割 合 が 回次 の進 む につ れ て増 加 して ゐ る こ と を示 す もので あ る.更 にParkef等. の写 眞 よ り見 れ ば,殆 ん ど透 明液 のみ よ り成 る透 明 精液 さへ も射 出 され る こ. とが 推 察 され る.樹 同氏 等 は腹 部マツ サ ー ヂに依 つ て得 られ た精 液 の 濃 度 が 自然交 尾状態 に於 け る もの よ'り高い こ と を指 摘 し,「 交 尾 の正 常 な過 程 の間 に 精 液 の稀 釈 が 行 はれ る と と を暗 示 す る もので あ ら う」 と述 べ て ゐ る.之 は本 実 験 の結 果 よ り考 察 すれ ぱ,マ 藍 サ ー ヂ法 に依 筍 もの よ り も更 に多 量 の 透 明液 が 自然 交 尾 の際 添 加 され た もの と孝 へ られ る・郎 ち,本 実 験 の如 く極 端 な連続採取 を行 は ない 場 合 は,マツ サ ー ヂ法 に依 る精 液採取 は,精 管 膨 大 部 の殆 ん ど大 部 分 の 精 液 を搾 出 す る の に 友 し,自 然 交 尾 の場 合 は そ の量 少 く,一 面 性 的 刺 戟 は 強 く,従 つ て透 明液 添 加 の割 合 が 一 居 多 い と考 へ られ るか らで あ る. この透 明液 が 如何 な る組織 よ り排 出 され るか に就いて は第4報. に於 て報 告 す る予 定 で あ. るが,本 実 験 の結果 よ りす れ ば,手 衛 後 の 透 明 液 の排 田停 止 並 び に射 出精 液 濃 度 の 精 管膨.

(11) 386. 大部精液 濃度への近接等 か ら,透 明液 の大半は生殖隆起 又は淋 巴褶襞の伺れか 一方又 は両 者 よ り排 出.され て ゐ た と考 へ られ る. 精 管 内精 子 数 と手術 後 の射 出精 液 の精 子 数 との 間 に 幾 らか の差 が あ り,手 術 後 の射 出 精 液 に は街 少 量 の分 泌 濃 の混 入 が考 へ られ る様 で あ るが,之 等 の差 異 は両 者 の測 定 の 間 に 相 当 の 期 間が あ る為 に現 れ た時 間的(季. 節 的)差 異,特. に 屠 殺 前 の性 的 休止 期 に依 る もので. あ る と思 は れ,手 術 後 の射 出 精 液 は精 管 内 よ り射 出 され た 精 液 の み よ り成 る と言 ひ得 るで あ ら う.事 実,性. 的 休止 期 の後 行 は れ た 手術 後第1日. 目Nは 第2日. 目の 個kの 精 子 濃 度 は. 精 管 内 精 子数 に匪 敵 す るか 又 は 僅 か 乍 ら上 回 る数 値 を示 して ゐ る. 精 管 内 精液 の 濃 度 は上 孕 部,下半 精 管 内 精 液 に対 して,幾. 部,膨 大部 と次 第 に稀 薄 に なつ て 居 り,精 管 壁 よ りも. らか の 分 泌 液 が 添 加 せ られ て ゐ る と と を意 味 して ゐ る.而 して こ. の 分 泌液 と精 管 内 精 子 との 割 合 は 頻 繁 な る精 液採取 に よ り増 加 す る もの と推 察 され る. 結 (1)透. 論. 明液 は生 殖 隆 起或 は淋 巴褶襞 の 何 れ か 一 方 又 は両 者 よ り排 出 され,精 管 内 よ り. 精 濠 が 射 出 せ らζ 」に 当つ て之 に添 加 され る・ 従 つ て 雄 鶏 よ り射 出 され る精 液 は 精 管 内 精 液 と透 明液 との混 合 した もの で あ る. (2)連続4回 し,第2回. 以上 の採 取 に於 て,精 管 よ り射 出 され る精液 は第1回. に その大半 を射 出. 以後 は急 激 に減 少す るが,一 方 透 明液 の排 出量 は回 次 の 進 む につ れ 減 少す る と. とが 少い 為,採取 (3)連続. せ られ た精 液 は 回次 の進 む につ れ次 第 に稀薄 とな る.. 採 取 の場 合,透. 明液 の排 出量 は個 体 に依 り大 な る差 異 が あ り,一 方 精 管 よ り. の 精液 の射 出量 には 大 な る相 違 が な い 為,透 明 液 の排 出量 の多い個体 ほ ど多 量 の 稀 薄 な る 精 液 が採取 され る. (4)精. 管 も亦 その 内 に含 まれ る精 管 内 精液 に対 して,僅 か 乍 ら分 泌液 を添 加 す る もの. と思 はれ る. (5)透. 明液 は 自然 交 尾 の 際 も同様 に排 出 され る もの と推 定 され る.. 引. 文. 献. 1). Burrows,. 2). Bartlett,. 3). Animals. New Brunswick. Gray, J.C. ( 1937 ) : Jour. Morph.,. 4). Hutt, F. B. (1929 ) : Proc. Roy. Soc. -Edin., 49 ; 102.. 5 ) Parker,. W. H. & J. P. Quinn. 用. E. W., G. E. Taylor,. J. E., F. F. McKenzie. ( 1937 ) : Poul. Sci. 16 ; 19.. and J. Edwards. & H. L. Kempster. Penquite;. R., W. A. Graft & R. B. Thompson. 7). Riddle, 0. ( 1927 ) : Anat. Rec., 37 ; 1.. 8). Wheeler,. N. C. & F. N. Andrews. Hatchability. of Chicken. of Farm. ( 1940 ) : Poul. Sci.,. and Turkey. 崎 高 農学 術雑 誌,2;35.. 19 ; 191.. (1930 ) : Poul. Sci., 9 ; 247.. (1943 ) : Poul. Sci., 22 ; 367. ( From. York.). 本 重 郎(1930):宮. insemination. 60 ; 393.. 6). 9)橋. (1946) : Artificial. Eggs. Edited. Fertility. by L. W. Taylor.. and. 1949, New.

(12) 387 1Q)芝. 田 清 吾 ・ 藤 岡喜 久 ・ 村 田 鼠. 11)西. 山 久 吉(1950);九. 12)・:. .難 波 数 一 一・P友 則 武 夫(1938):畜 州 大 学 農 学 部 学 芸 雄 誌12;27. 、 同. 上12;37∴. 産 試 験 場 薪 告 ・35・. 『. ・'. R6sume. 1) It is found in the present experir ents that a considerable amount of transparent fluid flowed presumably out of the phallus or lymph-fold or both is added to the dense semen in vas deferens, at the moment when it is ejected; and so the ejaculated semen of a cock is considered to be a mixture of the dense semen in vas deferens and the transparent fluid. 2) The greater part of the vas deferens' semen which is able to be 'collected by repeated manipulations is ejected in the first manipulation, and the bulk of semen is reduced markedly to smaller amount in the following manipulations. The rate of reducton of ejected transparent fluid, however, is lower, so that, the more repeatedly the manipulations occur the more dilute the collected semen becomes. 3 ) There is considerable variation in the amount of ejected transparent. fluid among individuals, while slight differences in the amount of ejected semen from the vas deferens among individuals are found, and so large amount of dilute semen is collected from individuals which eject more transparent fluid. 4 ) It seems that the vas . deferens secretes and adds a small amount of some fluid to the semen in it, and the semen in the . vas deferens becomes gladually more dilute in successive daily collection of the semen. 5 ) The transparent fluid Seems to be also ejected at the time of normal eopulation. •.

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