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学校法人敬心学園 臨床福祉専門学校理学療法学科

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Academic year: 2021

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著者プロフィール

新潟県出身.学校法人北都健勝学園 新潟リハビリ テーション専門学校 理学療法学科(現:新潟リハビ リテーション大学 医療学部 理学療法学専攻)を卒業 し,理学療法士免許を取得.東京都の病院にて数年の 臨床経験を積んだ後,順天堂大学大学院医学研究科解 剖学・生体構造科学に研究生として入学.その後,入 学資格審査(修士課程免除)を合格して平成23年より 同大学博士課程に入学し,平成27年に博士(医学)を 取得.その後は同大学の協力研究員として解剖学の研 究に従事しつつ,敬心学園 臨床福祉専門学校 理学療 法学科にて教鞭を執る.専門領域としては運動器の解 剖学と教育学.また,コメディカルのための解剖学の 再学習・再構築をコンセプトとした講習会「いまさら 聞けない解剖学」の代表を務め,北海道から九州まで 全国10以上の都市で講習会を開催している.

Corresponding author:

学校法人敬心学園 臨床福祉専門学校理学療法学科

〒135-0043 東京都江東区塩浜 2 -22-10 Tel:03-6272-5651

Fax:03-6272-5653

E-mail:[email protected]

カレントトピックス

多視点 3 D 解剖教育システム「MeAV anatomie 3 D」を 用いた特別講義の概要とその有用性について

An examination of the usability due to implementation of Meav Anatomie 3D

町 田 志 樹

学校法人敬心学園 臨床福祉専門学校理学療法学科

キーワード:多視点 3 D 解剖教育システム,MeAV anatomie 3D,解剖学

(2)

― 94 ―

町田志樹

はじめに

今回,新潟リハビリテーション専門学校の卒業生と して,大学となった母校にて講義をさせていただく機 会を得た.本講義の対象となる学生はその過半数が評 価実習を直近に控えていることもあり,講義内容の選 定については非常に苦慮した.その上で今回は,私が 順天堂大学 解剖学・生体構造科学講座で学んだ知見 を基とした,運動器の解剖学の講義を立案した.ま た,本講義ではパナソニック株式会社様(以下,パナ ソニック)の協力により,パナソニックと岡山大学が 共同開発した MeAV anatomie 3 D を導入することが 可能となった.本稿では MeAV anatomie 3 D の概要 と教育への導入事例の解説を行った上で,平成28年10 月13日に開催した特別講義の概略について説明する.

MeAV anatomie 3 D について

MeAV anatomie 3 D は岡山大学 麻酔蘇生科の武 田吉正准教授が検討を進め,同大学 人体構成学教室 の大塚愛二教授の下,岡山大学 3 D 解剖プロジェクト に参画する各診療科専門医が解剖を行い,パナソニッ クが撮影とシステム化を実施した多視点 3 D 解剖教 育システムである.MeAV anatomie 3 D は 1 部位に つき数万枚にもおよぶ実写解剖画像を 3 D 映像化し ており,学習者が見たい方向,見たい深度を選んで ディスプレイ上で閲覧し,学習することが可能である

(図 1 , 2 )

近年,コメディカル養成校の急増や解剖実習指導教 官のマンパワー不足1 )などの諸問題により,コメディ カル養成校の解剖学実習の時間は減少傾向にある.当 然ながら,解剖学の理解を深める上で解剖学実習に勝 る学習は無い2 - 5 )

.その上で同システムは,解剖学の

図 1  MeAV anatomie 3 D の概要について 図 2  MeAV anatomie 3 D の特徴について

表 1  講義の理解度について

2 3 4 5

(n=68)他学年群 0 0 0 10

(14.7%) 58

(85.3%)

最終学年群

(n=14) 0 0

(7.1%) 2

(14.2%) 11

(78.7%)

表 2  講義の満足度について

2 3 4 5

(n=68)他学年群 0 0 0 13

(19.1%) 55

(80.9%)

最終学年群

(n=14) 0 0

(7.1%) 3

(21.3%) 10

(71.6%)

(3)

多視点3D解剖教育システム「MeAV anatomie 3D」を用いた特別講義の概要とその有用性について

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理解を深める一助になる可能性を持つと推測する.

MeAV anatomie 3 D の教育導入事例について 平成26年度より MeAV anatomie 3 D を用いた卒前 教育ならびに卒後教育についての検討を実施してき た.また直近では,第51回日本理学療法学術大会にお いて「理学療法養成校の各年次に対する多視点 3 D 解 剖教育システム導入の検証」という演題名で発表を 行った.その事例について一部,以下に紹介する.

対象は某校理学療法学科の昼間部 1 ・ 2 年生68名

(以下,他学年群)と昼間部 3 年生・夜間部 4 年生14 名(以下,最終学年群)である.平成27年 9 月に両群 に対して,希望参加性の MeAV anatomie 3 D を用い た約40分の講義をそれぞれ行い,終了時にアンケート 調査を実施した.講義内容は,両群とも運動器につい ての解剖学の講義を行った.アンケートは「理解度」,

「満足度」,「解剖学への興味・関心の変化」,「今後の

講義への導入」に対して 5 段階のリッカート尺度(全 くそう思わない= 1 ,そう思わない= 2 ,どちらとも いえない= 3 ,そう思う= 4 ,強くそう思う= 5 )を 行い,「同システムを用いて講義をして欲しい解剖の 部位」を12種の選択肢による無制限式複数回答形式に て実施した.また,学生からのニーズを具体的に把握 するために自由回答欄を設けた.統計解析には対応の ない t 検定を行い,有意水準は 5 %とした.

実施したアンケートの結果を表 1 - 4 に示す.「理 解度」と「満足度」,「解剖学への興味・関心の変化」

については両群ともに4.6以上であった.「今後の講義 への導入」については,他学年群では4.9であったが,

最終学年群では4.1であった(p<0.05)

.また,「多視

点 3 D解剖教育システムを用いて学習したい部位」に ついては他学年群では下肢の運動器が62(91.2%),

上肢の運動器が45(66.2%),末梢神経系が42(61.8%)

と多回答を得ていたのに対し,最終学年群では循環器

表 3  解剖学への興味・関心の変化について

2 3 4 5

(n=68)他学年群 0 0 0 12

(17.6%) 56

(82.4%)

最終学年群

(n=14) 0 0

(7.1%) 4

(28.4%) 9

(64.5%)

表 4  今後の講義への導入について

2 3 4 5

(n=68)他学年群

(1.5%) 0 3

(4.5%) 16

(23.5%) 48

(70.5%)

最終学年群

(n=14) 2

(14.2%) 0 2

(14.2%) 3

(21.3%) 7

(50.3%)

図 3  講義の様子 図 4  講義の様子

(4)

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町田志樹

が14(100.0%),呼吸器が14(100.0%),消化器が11

(78.6%)と上位を占めた.また自由回答欄では,他 学年群は解剖学や運動学での活用を期待していたのに 対し,最終学年群では解剖学実習の事前学習や国家試 験対策での使用を希望する意見が多かった.

他学年群と最終学年群に対して MeAV anatomie 3 D を用いた講義の実施ならびにアンケート調査を 行った結果,両群とも満足度や理解度等についてはそ の有用性を示す事ができた反面,具体的な導入につい ては見解が分かれる結果となった.この理由として,

各群によって解剖学に対して求めるニーズに差異があ ることが関与していると推測する.以上より,各学年 のニーズに対応した MeAV anatomie 3 D を用いた講 義を行うことにより,学習効率の向上を図ることが可 能であると推測する.

講義内容について

今回,平成28年10月13日に90分 2 コマを特別講義と して担当させていただいた(図 3 , 4 )

.講義内容は

前半90分は上肢,後半90分は下肢についての運動器の 解剖学とした.また,各コマとも実習ならびに国家試 験 と 関 連 性 が 高 い 内 容 を 選 択 し, 更 に MeAV anatomie 3 D も取り入れ,視覚的にも理解を深める ことができるよう配慮をした.

前半の上肢についての講義では,烏口腕筋と筋皮神 経・上腕二頭筋短頭との関係や三角筋の筋内腱構造,

肩関節包に分布する知覚枝についての説明を行った.

また,前鋸筋については講義に実技も組み込み,学生 に本質的な構造を理解してもらうよう努めた.後半の 下肢についての講義では,大腰筋や深層外旋六筋の走 行と位置関係,仙腸関節の構造などについて講義を展 開した.講義終了後には学生から多数の質疑応答があ り,非常に良いディスカッションを行うことができ た.

最後に

今回,母校にてパナソニックの協力の下,MeAV anatomie 3 D を用いた特別講義を担当させていただ いた.在学中にお世話になった諸先生方の前で教壇に 立つこと自体,今の私には分不相応ではないかという 思いもあったが,無事に終えることができ安堵してい る.

私は現在,解剖学の卒前教育と卒後教育のあり方に ついての検証を行っている.個人的には解剖学教育は 卒前と卒後に区分し,更に各年次に適応した教育を行 うべきだと考えている.今後も同様の検証を継続的に 行い,また母校の後進達の一助になれるよう努めたい と思う.最後に,本講義の開催に際して助言を賜りま した新潟リハビリテーション大学の松林義人先生,な らびに機材のご協力をいただきましたパナソニック株 式会社 AVC ネットワークス社のスタッフの皆様に 心から御礼申し上げます.有難う御座いました.

引用文献

1 )松野義晴,他:千葉大学における肉眼解剖学の基盤整備の 試み.千葉大学81:11-17,2005.

2 )明坂年隆:日本解剖学会コメディカル教育委員会の活動.

形態・機能4(1):26,2005.

3 )小林邦彦:医療技術者養成における人体解剖実習の重要性 とその条件整備への提言~医療技術者教育にルネッサンスを

~.解剖学雑誌73:275~280,1998.

4 )絹谷政江:コメディカルの解剖学実習について.解剖学雑 誌82:70,2007.

5 )青山裕彦:コメディカル学生の人体解剖実習~学外の医療 系等教育期間との連携を目指して~.解剖学雑誌82:72,

2007.

参照

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