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頭頸部扁平上皮癌におけるシグナル伝達アダプター分子CRKLの機能に関する研究 学位論文審査の概要(平成24年度修了:平成19年度以降入学者) | 北海道大学 医学部医学科|大学院医学院|大学院医理工学院|大学院医学研究院

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Academic year: 2018

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学 位 論 文 審 査 の 概 要

博士の専攻分野の名称 博士(医 学) 氏 名 柳 紘 子

主査 教 授 大 場 雄 介

審査担当者 副査 教 授 福 田 諭

副査 教 授 佐 邊 壽 孝

副査 准教授 濱 田 淳 一

学 位 論 文 題 名

頭頸部扁平上皮癌におけるシグナル伝達アダプター分子CRKLの機能に関する研究

頭頸部扁平上皮癌の進行期の予後は不良で、発癌に関与する分子機構を解明し新規治療

法を開発することは重要な課題である。またCRK-like (CRKL)は、慢性骨髄性白血病でリ

ン酸化されており血球系での機能が注目されているが、非血球系腫瘍における役割はいま

だ明らかにされていない。本研究では頭頸部扁平上皮癌におけるCRKLの腫瘍悪性化にお

ける役割を検討した。発表者は頭頸部扁平上皮癌組織においてCRKLが高発現しているこ

と、CRKLが細胞増殖能、運動能、接着能およびin vivo造腫瘍能を制御していることを示

した。さらに CRKL ノックダウンにより細胞接着依存性 Rap1 活性化が抑制され、CRKL

がC3G-Rap1経路を介してインテグリン依存性細胞接着を制御することを明らかにした。

発表後、副査の福田教授から用いた頭頸部扁平上皮癌組織の亜部位および治療の統一性、

研究の最終目標について質問があった。副査の佐邊教授は、研究の最終的な出口と CRKL

発現と生存率に有意差が見出されないにも関わらず研究を継続した理由について質問した。

副査の濱田准教授からは、正常組織におけるCRKLおよびCRKの発現パターンと機能の

違い、CRKLおよびCRK両陽性で生存率に差があるかについて質問があった。最後に主査

の大場教授から C3G、Rap1、CRK のホモ欠失マウスの表現形について質問があり、癌特

異的シグナル伝達経路について意見があった。発表者はいずれの質問に対しても自身が持 つデータや過去の文献を引用しつつ適切に回答した。

この論文は、頭頸部扁平上皮癌悪性化におけるCRKLの役割を解明し、今後の頭頸部扁

平上皮癌の新規治療法や治療方針策定等に寄与するものと期待される。

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