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第18回税制調査会 総18-3

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(1)

働き方の変化と税制・

社会保障制度への含意

2015年9月3日

山田 久

(日本総合研究所調査部) 平 2 7. 9.3 総 18 - 3

(2)

20 25 30 35 40 45 50 55 60 65 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 労働移動率 一般労働者 パートタイマー (資料)厚生労働省「雇用動向調査」 (%) (年) 1 (図表1)労働移動率の推移 (1)「雇用流動化」の実態 【マクロでは】…労働移動率は大きく振れつつも上昇傾向が認められる。もっとも、元来労働 移動率が高い非正規の比率上昇が主因であり、正社員(一般労働者)の労働移動率はむしろ緩 やかな低下傾向。 1.これまでの働き方の変化(流動化・非正規化) (図表2)就業形態別労働移動率の推移 24 26 28 30 32 34 36 12 14 16 18 20 22 24 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 入職率 離職率 労働移動率(右) (資料)厚生労働省「雇用動向調査」 (%) (%) (年)

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(図表3)一般労働者の離職率の推移 【ミクロでは】…一般労働者の労働移動率の低下は女性における低下が原因。男性は明確な傾 向は無い。規模別には、大手の労働移動率が上昇し、中小はむしろやや低下。 (図表4)企業規模別の入職率・離職率の推移 8 10 12 14 16 18 20 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 計 男 女 (資料)厚生労働省「雇用動向調査」 (%) 一般労働者の離職率の推移 (年) 8 10 12 14 16 18 20 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 22 24 入職率 離職率 【1000人以上】 (%) (年) 8 10 12 14 16 18 20 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 22 24 入職率 離職率 【5-29人】 (%) (年) 1012 1012 (資料)厚生労働省「雇用動向調査」

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y = 2.0967x - 2.8786 R² = 0.2744 ▲ 2 0 2 4 6 8 10 12 2.5 3.5 4.5 5.5 労働移動率(%) 実 質 経 済 成 長 率 ( % ) 【1970年~1990年】 y = -1.3608x + 5.9093 R² = 0.0176 ▲ 8 ▲ 6 ▲ 4 ▲ 2 0 2 4 6 2.5 3.0 3.5 4.0 4.5 労働移動率(%) 実 質 経 済 成 長 率 ( % ) 【1991年~2012年】 3 (図表5)労働移動率と実質成長率の相関 【背景にある動き】…企業は90年代以降の低成長化・事業環境の不透明化に対して、①非正規 労働者の比率を高める一方、②かつては「終身雇用」が基本といわれた大手企業男性社員でも 人員リストラが行われ、転職が活発化。半面、③女性については就業期間が長期化する傾向。 【インプリケーション】…かつては男女で働き方(家族における役割)が異なっていたが、そ の差が縮小。→女性が男性と対等に活躍するには、男性片働き家族モデルを前提にした「日本 型正社員」の働き方(雇用保障と引き換えに配置転換・転勤あり、長時間労働)が足枷に。 また、かつて終身雇用が前提であった大手企業で雇用流動化の傾向がみられることで、円滑 な労働移動を可能にする環境整備の重要性が高まっている。とりわけ、近年では不況期に「人 件費削減型の労働移動」を余儀なくされるケースが増えており(注)、経済活性化との関わりか らは好況期に「成長分野吸収型の労働移動」が活発化する状況を生み出す必要。 (注)1970~90年には「成長分野吸収型の労働移動」が多く、成長率が高まれば労働移動が増える傾向にあったが、90年代以 降は「人件費削減型の労働移動」が増え、成長率が低下した時に労働移動が増える傾向。 (出所)厚生労働省「毎月勤労統計調査」、内閣府「国民経済計算」より作成。 (注)労働移動率=入職率+離職率

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(図表6)常用非正規比率の変化(女) (2)「働き方の多様化」の実態 イ)非正規化の実態(常用非正規の増加) 過去20年、非正規比率が大きく上昇。ただし、一時雇用(注)としての非正規労働者は必 ずしも増えていない。増えたのは「常用非正規」であり、その傾向は女性で顕著。 (注)1年以内の雇用契約。 この背景には、女性の長期勤続化(企業にとって人件費調整手段の減少)→いわゆる女性 事務職員等を有期雇用契約に切り替える動き。つまり、正社員に対して求められる強い雇用 保障を回避するため、非正規雇用形態が活用されたという事情を見逃せず。 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 15-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 1992 2007 (%) (資料)総務省「労働力調査」 (注)常用雇用比率と正規雇用比率の差を常用非正規比率に近似した。 0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 -17 18-19 20-24 25-29 30-34 35-39 40-44 45-49 50-54 55-59 60-64 65-2006年 1980年 (万人) (資料)厚生労働省「賃金構造基本調査」 (図表7)女性の年齢別一般労働者数

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5 (図表8)年齢別非正規比率の推移 90年代後半から2000年代前半にかけて非正規比率が大きく上昇した要因を性別・年齢別の 動きからみれば、①若年層での非正規比率の高まり、②非正規比率の高い女性壮年層での就 業率上昇、③非正規比率が高い高齢層での就業者数増、を指摘できる。 最近では、人手不足が強まるなか、若年層の非正規比率が頭打ちになる一方、非正規比率 の高い女性壮年層や高齢者の就業者が増えていることが、結果として非正規比率を押し上げ る主因になっている。⇒女性・高齢者活用が重要になるなか、正規・非正規格差を是正して、 能力発揮を促すことが重要に。 (図表9)年齢別就業率の変化 (資料)総務省「労働力調査」 ▲ 20 ▲ 100 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 変化 1990年 2014年 (%) 【男】 ▲ 20 ▲ 100 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 変化 1990年 2014年 (%) 【女】 0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 男性 15~24歳 15~24歳 (除く 在学中) 25~34歳 (%) (年) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65歳以上 (%) (年) 0 10 20 30 40 50 60 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 女性 15~24歳 15~24歳 (除く在学中) 25~34歳 (%) (年) 0 10 20 30 40 50 60 70 80 84 86 88 90 92 94 96 98 00 02 04 06 08 10 12 14 35~44歳 45~54歳 55~64歳 65歳以上 (%) (年) (資料)総務省「労働力調査・詳細集計」「同・特別調査」 (注)2001年までは2月値。2002年以降は年平均。

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(図表11)正社員の多様なタイプ ロ)正社員の変化(多様な正社員化) 正社員のタイプの中に、職務や勤務地、労働時間が限定される「多様な正社員」が増加。こ の背景には、①女性活用に際し仕事と家庭の両立が可能な働き方であること、②有能な非正規 労働者を確保するための受け皿となったこと。人手不足の持続が予想されるなか、「多様な正 社員」の活用は一段と進む見通し。 しかし、現状のわが国の「多様な正社員」には労使双方にとって不自由さも。働き手にとっ ては、賃金が正社員よりも低く処遇面での不公平感が生まれやすい一方、企業にとっては労働 者を自由に配転できないにもかかわらず雇用保障が求められる。 ⇒当該企業による雇用保障はやや劣るが処遇均等が保障される「欧米タイプの正社員」を普及 させ、労使双方にとって働き方・働かせ方の選択肢を増やす必要。2018/4から効力を発揮する 「5年超有期雇用の無期転換義務」の軟着陸にも「欧米タイプの正社員」の導入の重要。 日本型限定 欧州型正社員 米国型正社員 日本型正社員 正社員 (職種限定型 (プロフェッショナル  熟練労働者)  正社員) 職 務 無限定 限定(職務,勤務地) 限定(職種) 限定(職務) 賃 金 (基準) 1~2割低い 正社員と同等 高報酬 (正社員比) 解 雇 整理解雇法理 事業所廃止等に直面 経営上の理由による 随意雇用原則 した場合、配置転換を 人員削減は可能。た (職務がなくなった場 可能な範囲で行うとと たし、人選や条件面 合や能力不足の場合 もに、それが難しい場 で労働組合との協議 は解雇可能) 合には代替的な方策 あり。 を講じる必要。 能力不足解雇はハードルが高い。 (資料)「多様な正社員の普及・拡大のための有識者懇談会報告書」他 (図表10)「多様な正社員」を導入する企業の割合 0 10 20 30 40 50 60 勤務地限定あり 労働時間限定あり 職種限定あり 限定型の働き方(多様な正社員) (資料)厚生労働省「多様な形態による正社員に関する研 究会」企業アンケート調査(調査期間2011/7/19-8/10) 内訳 (重複 あり) (%)

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0 100 200 300 400 500 600 700 1985 90 95 00 05 10 雇人のない業主 雇用的自営等 士業等 伝統的自営業 (万人) (資料)総務省「国勢調査」 (注)「伝統的自営業」…商店主、飲食店主、不動産仲介、農林漁業、製造、タクシー、 大工、理美容師、旅館主、不動産管理人。「士業等」…医師、薬剤師、法務従事者、会 計士・税理士のほか、宗教家、著述家、画家・芸術家・音楽家、スポーツ家の伝統的 独立契約者を含む。「雇用的自営等」…「伝統的自営業」「士業等」以外、新しい独立 契約者も含む。 (年) 7 (図表12)「雇人のない業主」の推移 ハ)「自営」の変化(雇用的自営の割合上昇) 「自営」には3つのタイプ。①伝統的自営、②士業等(伝統的な独立契約者含む)、③雇用的 自営。自営の数は傾向的に減少しているが、③雇用的自営は堅調に推移。なお、統計上③のなか には「新たな自営」として区別されるべきインディペンデントコントラクター(新しい独立契約 者)が含まれているが、その数は多くはない。 雇用的自営が増加している背景としては、企業サイドとして①人件費の変動費化、②社会保険 料負担の回避策、等が指摘でき、一方、個人サイドとして③キャリア自立意識の高まり、④高齢 者、女性にとっての制約の少ない働き方、といった要因が指摘可能。とりわけ今後は②④のファ クターは促進要因であり、⑤「クラウドソーシング」の普及なども増加ファクター。 このように自営はかつてと性格を異にしつつある。「労働者性」が強いタイプが増え、「起業 の受け皿」として期待される面もあることからすれば、政策的支援が必要な就労形態。

(参考文献)岩田克彦「雇用と自営、ボランティア」JILPT Discussion Paper Series 04-010

(図表13)自営業のバリエーション (低い) (高い)    監理監督者 役員 雇用者      専門職       伝統的自営業 士業 雇用的自営     独立契約者 【実質的な立場(使用従属性)】 法 人 経 営 自 営 業 (小規模事業経営者) 【 経 営 の 形 式 】

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(人) 1985 90 95 00 05 10 雇人のいない業主 6,824,304 5,638,387 5,453,017 4,919,283 4,834,856 4,120,920 士業等 216,570 215,536 251,836 255,767 263,421 241,250 医師群 18,090 16,211 14,658 12,148 11,438 10,060 薬剤師 13,452 11,266 10,189 8,020 6,329 4,180 法務従事者 9,259 9,900 10,525 11,362 17,636 20,750 会計士・税理士 15,775 19,764 25,915 39,071 41,649 40,350 宗教家 34,863 27,187 24,126 20,870 21,047 16,740 文芸・著述家 16,865 18,498 23,061 24,571 22,196 18,790 画家・芸術家 19,454 22,752 27,323 26,783 28,354 24,350 音楽家 79,635 79,439 104,428 99,075 98,232 87,680 スポーツ家 9,177 10,519 11,611 13,867 16,540 18,350 伝統的自営業 5,128,974 4,044,502 3,834,890 3,209,816 3,012,858 2,264,710 小売・卸売主 839,924 698,500 614,465 491,650 424,472 311,210 飲食店主・旅館主 143,741 139,335 131,240 110,725 99,405 56,990 不動産仲介者 89,110 35,081 96,589 100,537 112,209 12,440 農林漁業 2,469,902 1,941,707 1,806,590 1,374,767 1,294,636 964,440 自動車運転者 99,616 107,642 119,295 114,360 99,196 80,900 製造業 1,087,536 728,626 672,820 640,836 609,502 493,440 大工 206,132 190,176 187,721 166,066 165,841 152,140 理美容師 186,497 188,907 187,553 190,135 194,164 172,010 アパートの管理人 6,516 14,528 18,617 20,740 13,433 21,140 雇用的自営等 1,478,760 1,378,349 1,366,291 1,453,700 1,558,577 1,614,960 技術者 56,044 68,116 79,255 101,251 113,823 100,090 建築技術者 30,701 35,731 38,858 44,944 46,086 42,980  IT技術者 3,115 5,532 9,786 20,849 28,669 23,880 保険医療従事者(除く医師) 54,885 59,238 63,307 66,242 77,486 79,570  歯科技工士 5,518 8,077 10,235 11,642 13,389 13,650  あんま師 46,041 47,985 46,918 44,393 44,125 40,980 個人教師(学習指導等) 156,613 145,823 130,005 108,192 101,455 83,200 販売従事者(伝統的除く) 109,841 168,200 180,449 177,533 152,170 202,080 サービス(伝統的除く) 361,205 336,517 297,301 286,962 266,047 247,380 建設・採掘従事者(除く大工) 189,644 198,798 207,042 225,913 245,528 306,000 運搬・清掃・包装 79,953 97,140 137,578 174,064 211,618 227,420

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10 15 20 25 30 35 40 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 1割以上増加 1割以上減少 (%) (資料)厚生労働省「雇用動向調査」 (年) 9 (図表14)世帯主である非正規労働者の増加 (3)所得構造の変化 イ)非正規労働者の性格変化…非正規比率の増加に伴って世帯主である非正規労働者が増加、 正規・非正規の二重構造のもとで、低所得世帯が増加していく恐れ。 ロ)収入減リスクの増大…大手企業従業員の転職率が上昇するなか、景気変動で振れつつも転 職に伴う給与ダウンのケースが増加。 (図表15)転職入職者の賃金変動状況 0 2 4 6 8 10 12 14 0 100 200 300 400 500 600 700 1990年 2014年 非正規雇用者(世帯主+単身世帯) 非正規雇用者(世帯主) シェア(世帯主+単身世帯、右) シェア(世帯主、右) (万人) (%) (資料)総務省「労働力調査」「労働力調査特別調査」 (注)シェアは役員を除く雇用者に占める割合

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0 20 40 60 80 100 120 92 97 02 07 12 農林水・鉱業 建設 製造 インフラ 商業 サービス 本業・副業ともに雇用者 (資料)総務省「就業構造基本調査」、厚生労働省資料(雇用安定分科会雇用 保険部会) (注)「インフラ」は電力・ガス、運輸・通信、金融・不動産。 (年) (万人) (図表16)標準労働者(大卒男子、全規模全産業) ハ)フラット化する賃金カーブ 年功賃金の見直し、雇用流動化への対応などから賃金カーブがフラット化。 ニ)増加するマルチプルジョブホルダー 賃金下落などによる生活困窮化により、副業をする雇用者が増えているほか、雇用的自営 が増えたこともあり、複数の勤め先から収入を得る人々が増加する傾向。 職務限定正社員にせよ雇用的自営にせよ、企業よりも職業にアイデンティティーを持つ働 き方であり、これらが増えることでマルチプルジョブホルダーも増えていく可能性。 (図表17)副業を持つ就業者の数 100 150 200 250 300 350 400 22 24 26 28 30 32 34 36 38 40 42 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 1990年 2004年 (資料)厚生労働省「賃金構造基本調査」 (歳) (22歳=100) 2014年

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0 500 1000 1500 2000 2500 3000 68 70 72 73 75 77 79 81 83 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05 08 10 12 14 若年層 男性25-60 女性25-60 高齢層 (資料)総務省「労働力調査」 (年) (万人) 11 (1)雇用を巡る環境変化の方向性 イ)労働需要サイドからみれば、産業構造のソフト・サービス化により、雇用流動化・多 様化の必要性はますます高まる。 ロ)労働供給サイドからみれば、若年層・男性壮年層が減少に向かうなか、女性・高齢者 の活躍が不可欠に。 ⇒これまでの雇用流動化・多様化の流れは今後も続く (図表18)産業別就業形態の構成(2014年) 2.雇用システムの方向性 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 製造業 サービス産業 契約社員等 派遣社員 パート・アルバイト 会社役員 自営業 正社員 (資料)総務省「労働力調査・詳細集計」 (%) (図表19)就業者の属性別推移

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(2)雇用システム改革の方向性――求められる職務型スキル労働者の普及 これまで見てきたとおり、一企業での雇用保障を前提にした日本型正社員中心の雇用システムが限 界に突き当たるなか、近年、常用型非正規や多様な正社員、雇用的自営が増加。これらの新たな 働き手の生活保障を確保し、技能形成促進・モチベーション喚起により経済活性化につなげ るには、一企業を超えて雇用保障やスキル形成が可能になるタイプの働き方を創出する必要。 具体的には、職種別のネットワーク・労働市場を構築・整備したうえで、特定職業を軸に キャリア形成ができる「職務型スキル労働者」(欧州型および米国型限定正社員)を増やす 必要あり。 職業人生の長期化を踏まえれば、異なる就業形態間の行き来ができることも重要。職務型 スキル労働者はその可能性を高めることにも。 (図表20)人材ポートフォリオと働き方ポートフォリオのイメージ 職能タイプ 職務タイプ 高 職務型スキル インディペデント ↑ (職能型)正社員 労働者 コントラクター ス 職務型正社員  正社員 専門職派遣労働者 ル ↓ 契約社員 派遣労働者  (新入社員) パートタイマー 非正社員   低 アルバイト  企業特殊 ← 能力 タイプ → 職業特殊 年収 子育て 20 30 40 50 60 年齢 大 学 卒 業 派 遣 社 員 職 能 型 正 社 員 ( 職 能 給 ) 職 務 型 正 社 員 ( 職 務 給 ) 契 約 社 員 育 児 休 業 定 年 子 供 成 長 子 供 独 立 職 能 型 正 社 員 ( 職 能 給 ) 職 務 型 正 社 員 ( 職 務 給 ) 結 婚 セ ミ リ タ イ ア 準 備 ・ 副 業 セ ミ リ タ イ ア ・ ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 職 能 型 正 社 員 ( 役 割 給 )

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(1)税制・社会保障制度に求められる方向性 イ)労働移動中立的…企業間労働移動を阻害しない税制・社会保障制度が必要。 ロ)就業形態中立的…就業形態間の移動に中立的な制度設計が必要。 ハ)就業促進的…労働人口減少のもとで女性・高齢者の就業を促進する必要。 ニ)起業促進的…経済活性化の視点から起業促進的な制度が必要。多様な働き方の選択 肢を増やす意味で自営を促進する必要も。 ホ)家族形成支援…賃金カーブフラット化・非正規世帯主増により、子育て・教育への 公的支援が必要。 ヘ)老後保障自助支援…財政制約のもとで老後保障における自助強化の必要。 (2)税制・社会保障制度見直しの具体的論点 イ)労働移動に中立的な税制…退職金税制の見直し、自助努力型個人年金の税制支援。 ロ)「自営」の変化・起業の重要性を踏まえた、事業所得者・給与所得者間の負担バラ ンスの見直し…給与所得控除の見直し ハ)賃金カーブフラット化・所得変動リスク増を踏まえた制度見直し…子育て支援策・ 基礎的生活コスト低減の税制(中古住宅整備のインセンティブ税制)、住民税の前年 所得への課税の見直し。 ニ)女性就労促進の観点からの、第3号被保険者制度・配偶者控除の見直し ホ)シニア就労促進からみた年金制度・年金税制見直し…年金支給年齢引き上げ・公的 年金等控除の見直し。自助努力型個人年金の税制支援。 へ)低所得世帯増加に対応した再配分機能の強化…給付つき税額控除制度の導入。 13 3.税制・社会保障制度への含意

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