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(1)

四=一—

フラ

頂 岡 ' :

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:説〗

L ‑ ‑ ‑ ‑J L ‑ ‑ ‑

ン ス の 妊 娠 中 絶 法

はじめに フランスの避妊に関する法制度 フランスの妊娠中絶法

H

刑法三一七条の堕胎罪規定について 口一九七五年一月十ヒ日法の制定をめぐって

f i

U J おわりに

貞 美

(2)

との関連において問題となってくる︒

筆 者 は

︑ 前 稿

﹁ 人 権 と し て の 性 的 自 由 と 強 姦 罪 欧 米 に お け る 強 姦 罪 の 改 正 を め ぐ っ て ー

﹂ と 題 す る 論 稿 に お いて︑人権としての性的自由ないしは性的自己決定権と呼びうる問題領域が存在することを指摘し︑専門外の領域に

足を踏み入れて強姦罪に関する比較法研究を試みた︒

延を明確に定義することなく︑単にこのカテゴリーに包摂されうると考えられる権利ないしは行為を具体的に列挙す

すなわち︑﹁産む・産まないは女の自由﹂や﹁私の腹は私のもの﹂というスローガンに示されているように︑﹁避妊

の自由﹂と﹁妊娠中絶の自由﹂

ゴリーに入るであろう︒ するかあるいはしないかは個人が自由に決定しうる事項であると考えられるから︑性交の自由もまた性的自由のカテ

したがって︑本人が自由意思にもとづいて性交することに対して︑国家権力が刑罰によって 抑圧することは︑基本的には性的自由に対する侵害になる︒具体的には姦通や売春さらには近親相姦に対する法的規 制のあり方が問題になる︒それに関連して前稿で検討した強姦罪が性的自由を侵害する重大な犯罪であることはいう まで もな い︒

その際︑学問上定着した概念とはいえない性的自由の内容や外 は︑まず第一に性的自由の概念の中核を形成するものと考えられる︒次いで誰と性交

さらに性交以外の性行為の自由もこの性的自由のカテゴリーに包摂されうるであろう︒具体的には同性 愛行為と企業や大学における性的いやがらせ行為

( s

e x

u a

l h

a r

a s

s m

e n

t )

に対する法的規制のあり方が性的自由の保障

るにとどめた︒

(3)

右のような性的自由に関する法的諸問題についてこれから順次検討を加えていくこととし︑本稿においては︑

ンスにおける避妊の法制度と妊娠中絶法を検討することにする︒

一九

年代から一九七

0

0

年代にかけて︑欧米諸国を席捲した法律として情報公開法と妊娠中絶自由化法の二つを

あげることに︑何人も異論はないであろう︒

も存在したが︑

そこで本稿は︑

妊娠中絶法をめぐる欧米諸国の動向

フランスの妊娠中絶法の共通性と特殊性を明らかにする

ために︑他の欧米諸国の妊娠中絶法をめぐる最近の動向を参考資料として

f

備的に検討を加えることにする︒

堕胎は古代・中世においてはそれぞれの国の支配的な宗教の違いにより︑犯罪とされた国も犯罪とされなかった国

キリスト教国においては厳しく処罰された︒

しかしキリスト教国においても︑この二世紀の間の堕胎・中絶に関する法制度の発展は︑特にアメリカ合衆国の場

合︑次の四つの段階︑すなわち︑①犯罪化

( c r i

m i n a

l i z a

t i o n

) ︑②非犯罪化

( d e c

r i m i

n a l i

z a t i

o n )

︑③合法化

( l e g

a l i z

a t i o

n ) ︑

④医療化

( m e d

i c a l

i z a t

i o n )

を経てきている︒

また現在の世界の諸国の妊娠中絶に関する法規制をみると︑完全禁止をしている国と何らかの適応事由がある場合

に妊娠中絶を許可している国々とに大別される︒

w.H.0

によれば︑後者の適応事由のタイプとして︑①医学的適

応︑②優生学的︵または胎児︶適応︑③倫理的︵または人道主義的もしくは司法的︶適応︑④医学的・社会的適応︑

(一)

フラ

(4)

イ ギ リ ス

,I ' 

9

̲ 9  

限定的に列挙する︑

(4 ) 

⑤社会的適応の五つに分けられている︒現在の世界の趨勢をみると︑

応事由を拡げ︑それに対して三つの国だけが狭めており︑しかも最も規制の緩やかな方式︑すなわち︑適応事由の存 否を問わず︑妊婦の希望次第で妊娠中絶を許容するオン・リクエスト方式が︑世界の全人口の約三八パーセントに適 用されている︒それに対して妊娠中絶の禁止もしくは妊婦の生命を救うためにのみ妊娠中絶を許可している国々にす

んでいる女性は一九八二年現在で二八パーセントであり︑

(7 ) 

教徒の国々である︒ それは主としてアフリカ︑

(8 ) 

妊娠中絶の適応事由の変化・拡大については顕著な傾向がある︒

いわゆる適応規制型︵適応モデル︶を採用している︒これは女性の自己決定権よりも胎児の生命

(9 ) 

を配慮したものといえよう︒これは妊娠中絶が医療として行なわれることを正当化の根拠にしているといわれる︒

ところが一九七

0

年以降の立法になると︑妊娠初期の中絶を一定の事由を問うまでもなく合法化する︑

限規制型︵期限モデル︶が多くなってくる︒これは女性の自己決定権を重視したものといえよう︒

次に各国別に妊娠中絶法の概要をフランス法との比較を念頭におきながら瞥見しよう︒ すなわち期

イギリスの妊娠中絶法

A b o r t i o n A c t  

1967の成立過程については既に優れた研究成果が発表されているので︑

ではそれに触れずに内容の紹介に止める︒

適応事由について第一項①号は︑﹁妊娠の継続が妊娠中絶をする以上に大きな危険を妊婦の生命に与え︑また妊婦も

しくは妊婦の他の子供の心身の健康を害するおそれがあること﹂︑同⑮項は︑﹁生まれる子供が重度の心身障害者とな

ここ

一九

0

年代までの立法は︑合法的な中絶事由を

ラテン・アメリカ︑アジアの回 一九八二年までに四十以上の国が妊娠中絶の適

(5)

手術費用の五

0

パーセント︑

けられている︒ 妊娠中絶の手続については︑

にもとづく病院もしくは国

一条三項は妊娠中絶手術を行なう場所を指定し るおそれが十分にあること﹂と規定している︒そして同時に第;条第二項において︑﹁妊娠の継続が本条第一項①号にいう健康を害するおそれがあるか否かの判定に際しては︑妊婦の現状または合理的に予見しうる状態を考慮に入れることができる﹂

という規定を付加している︒このように/九六七年法は医学的適応︑医学・社会的適応︑優生学的適 右のような適応事由によって妊娠中絶が許されるのは︑妊娠期間が二八週以内の場合である︒但し︑

嬰児生命法によって︑妊婦の生命を保護する目的で妊娠中絶がなされる場合はこの限りではない︒

一九二九年の

本法が優生学的適応を認めたのは︑当時ヨーロッパで非常に大きな社会的問題となったサリドマイド禍をその成立

( 1 2 )  

の契機としているからである︒ 応︑社会的適応を認めている︒

一条一項によって二人の登録医が決定しかつ手術を行なうことになっている︒この趣 旨は医師でない人がヤミの堕胎を行なう危険を防止することにある︒

ている︒すなわち国民保健事業諸法

(N.H.s.A

N a t i o n a l   H e a l t h   S e r v i c e   A c t s )  

務大臣によって適当と認められた場所で行なわれなければならない︒

その他特筆すべき規定としては︑未成年者の場合︑十六歳以上であれば親の同意は不要であること︑夫または胎児 の父の同意が要件とされていないこと︑さらに良心条項︑すなわち医師の妊娠中絶に対する良心的拒否が認められて

( 1 3 )  

いること等を指摘することができる︒もっともこの良心条項については緊急の場合には認めないという例外規定が設

妊娠中絶の診察および費用については︑

( 1 4 )  

﹁国民医療制度により無料である﹂とする指摘もあるが︑別の著書によれば

( 1 5 )  

いくつかの地区では九

0

パーセントを支払わなければならないとされている︒

(6)

ならないであろう︒ 旅行﹂が行なわれているという事実はあるにせよ︑ て通称レーン委員会を設けた︒

レーン委員会は︑

一九六七年法成立後の四年間の実施状況を詳細に検討し︑ この法律は︑刑法の大御所的存在の

G

・ウイリアムズによって︑

( 1 6 )  

とフェミニストのあらゆる要求を容認したわけではないところの妥協的措置であった﹂と評されているように︑オン・

ヤミ堕胎を無くすために一定の適応事由にもとづく妊娠中絶に道を開くも

次に一九六七年法の運用状況についてはどのような評価がなされているであろうか︒

一九七一年六月︑社会事業大臣

K e i t h J o s e p h 卿

は︑

号と⑮号に含まれる合法的堕胎のための諸条件及び同法第一条

2

3

項及び

4

項を改正しないという基礎の上に立っ

て勧告を行なうことを目的とする﹂委員会︑議長をつとめたイギリス最初の女性高等裁判所判事

La ne

夫人の名をとっ

年に報告書を提出した︒その報告書において︑ ﹁一九六七年堕胎法の施行実態を審査し︑同法第一条第一項①

一九 七四

( 1 8 )  

﹁この法律は多大な数の中絶への道を拓き︑数多くの個人を救った﹂と

積極的に評価し︑﹁⁝⁝我々は全員一致で一九六七年堕胎法及びその諸規定を支持する︒同法のもたらした利益が同法

に対する批判の原因となる不利益を上回ることについては何の疑いももたない﹂と結論づけた︒

また一部であるにせよランチタイム・アボー確かにこの法律は女性に妊娠中絶を選択する権利を与えていないし︑

( 2 0 )  

ションという流行語に示されているように︑オン・リクエスト方式の妊娠中絶が行なわれたり︑フランスヘの﹁堕胎

( 2 1 )  

一九六七年法を大いなる前進︵四

e a a t d v a n c e )

と評価しなければ リクエスト方式の妊娠中絶は認めないが︑

( 1 7 )  

ので あっ た︒

以上が一九六七年法の概要であるが︑

/'¥ 

﹁自由化論者

(7)

Roe判決の概要は次の通りである︒ ス︑デラウェア︑

オレ ゴン 等︑

フォ ルニ ア︑

1九六八年にはジョージア︑一九六九年にはニュー・メキシコ︑ アメリカにおいては︑

(三)

アメリカ合衆国

一九六三年から一九六四年にかけて風疹が流行し︑数千人の先天異常児が生まれて大きな社

会的問題となり︑妊娠中絶に関する世論が高まった︒

他︑性犯罪による妊娠﹂ ↓九六二年にアメリカ法律協会は模範刑法典を作成し︑﹁妊娠の

継続が母体の心身の健康をひどく脅かすとき︑胎児に深刻な心身の欠陥があると思われるとき︑強姦︑近親相姦その

の場合に中絶を認めた︒

アメリカで最初に妊娠中絶の自由を認めたのは一九六七年のコロラド州法で︑同年にはノース・カロライナ︑

メリーランド︑

アー カン ザス

アメリカの妊娠中絶法の歴史の上で最も大きなエポック・メーキングとなったのは︑周知の通り︑

( 2 4 )  

二二日の連邦最高裁のRoe

v .  

Wa da 判決 およ びD oe

v .  

Ba

lt

on

判決

であ

る︒

カリ

カンサ

一九七一年迄の四年間に十七の州が妊娠中絶法を改正するかもしくは撤廃したが︑

( 2 3 )  

の大半が前述の模範刑法典の内容に依拠したものであった︒ そ

一九七三年一月

妊婦が妊娠中絶をするか否か︑

ただ︑この権利は︑州が母体の健康および胎児の生命の保護について﹁やむにやまれざる関心﹂(compelling

i n t e

r e s t

)  

つまり子どもを生むか生まないかはプライバシーの権利︵修正第十四条︶に属する︒

を有するに至るときは︑その制限に服さなければならない︒妊娠初期の三ヶ月(first

tr

im

es

te

r)

の終

わり

まで

は︑

妊 婦のかかった医師が︑州の規制をうけることなく自己の判断にもとづき自由に妊娠中絶手術をすることができる︒妊 娠三ヶ月を経過した後においては︑州は母体の健康の立場から妊娠中絶を規制することができる︒胎児が母体外にお

いて生存可能に至った時点においては︵二八週︶︑母体の生命と健康の保護に必要な場合を除いて︑州は必要があれば

(8)

胎児の生命の保護のために妊娠中絶を禁止することができる︒胎児は修正第十四条の

p e

r s

o n

では

ない

右の

Ro

e判決は州法による妊娠中絶の規制のためのいわば原則的なガイドラインを示したものであって︑次のよう

( 2 5 )  

ないくつかの問題をとりわけ妊娠中絶の反対者にとって未決定のままにしたものである︒

すなわち︑①州は第ニトライメスター

︵妊

娠中

期︶

いかなる範囲で中絶を規制することができるか︑② 妊娠中絶クリニックに対してどのような規制が強制されえたか︑③妊娠中絶に関する情報の分配と広告について︑ど のような制限を加えることができたか︑④妊婦は︑夫あるいは両親のような他のパートナーの同意を︑どの程度得る ことを強制されえたか︑⑤州は医師でない人による妊娠中絶を禁止することができたか︑⑥公立病院は妊娠中絶手術 を実施することを拒否しうるか︑⑦医療扶助による払い戻しが妊娠中絶を希望する妊婦に対してなされなければなら ないか︑⑧州は記録を保存することを要求されうるか︑⑨妊婦は中絶の決心をする前に一定の情報について注意する

ことを強制されうるか︑⑩医師は生存可能な胎児の生命の救済を試みるべきであるか︑といった問題である︒

Ro

判決とe

Do

e判決にもとづいて連邦裁判所と州裁判所は︑制限的な州の妊娠中絶立法を違憲とする判決を相次い

で出した︒それをうけて多くの州で妊娠中絶賛成派

( p r

0

c h o i

c e )

と反対派

( a n t

i ‑ a b

o r t i

o n )

の間で激しく長い宗

教戦争"が闘われてきた︒まず一九七三年以降の二年間において︑三二州に新しい妊娠中絶に関する六二の法律が制

定さ れた

その中には明らかに最高裁の判決に反するものがあった︒例えば︑

にお

いて

ュタ州の妊娠中絶法は妊婦の生命もし

くは肉体的健康が脅かされたときにのみ︑そしてノース・ダコダ州法は母親の生命が危険にさらされているときにの

み︑妊娠中絶を認めるという内容であった︒

その後一九七七年には一九七三年以後のどの年度よりも多くの妊娠中絶法が制定された︒その内容はカトリック等

( 2 7 )  

の妊娠中絶に反対する圧力団体に屈してますます制限的なものに変わっていった︒

(9)

る判例についても後述する︒

④合法的妊娠中絶の広告

( a d v

e r t i

s i n g

o f

  l e g

a l  

a b

o r

t i

o n

)  

一九七五年現在で六州がこの広告を禁止していたが︑一九七五年の

B i

g e

l o

w v•

V i

r g

i n

i a

判決で違憲とされた︒

⑤妊娠中絶のための公的資金の供給

( p u b

l i c

f u

n d

i n

g   o

f   a

b o

r t

i o

n s

)  

Ro

e判決直後は二十州とコロンビア

D.C

には妊娠中絶のために公的資金を供給することを禁止する規定がなかっ

た︒しかし他の二九州では治療目的のための妊娠中絶に対する州の払い戻しを制限する規定があった︒

は三七州とコロンビア

D.C

で無制限に合法的な妊娠中絶のための医療扶助による払い戻しを規定した︒ これは中絶手術の当局への報告義務を課したものである︒ ③報告要件

( r

e p

o r

t i

n g

r e

q u

i r

e m

e n

t )

 

ついては後述する︒ これが新しい州法の特徴である︒

これに関す 一九七四年に

この同意要件に関する判例に 一九七三年以降の州の妊娠中絶法は︑次の主たる七つの要件

( r

e q

u i

r e

m e

n t

) のすべてないしはいずれかを要求して

( 2 8 )  

い る

①手術の実施に関する要件 ︒

( p

e r

f o

r m

a n

c e

r e

q u

i r

e m

e n

t )

 

これは︑場所︑施術者︑期間等に関する要件である︒中絶手術の安全性を高めるという狙いがあったにせよ︑

らの要件が徐々に増え︑中絶手術をより困難かつ複雑にした︒

いくつかの州では妊婦の書面による同意を︑他の州では夫と未成年者の場合には

親の同意を︑十二の州では夫もしくは父の同意を︑十四州では親の同意を必要とした︒

②同意要件

( c

o n

s e

n t

r e

q u

i r

e m

e n

t )

 

これ

(10)

ある

︒ 一九七五年には四十州で︑施設もしくは個々の医師もしくは双方に拒否権を認めた︒この条項の合憲性については︑

一九七七年に連邦最高裁が︑

療的な妊娠中絶手術をすることを憲法上要求されないと判断した︒

胎児を保護するために様々なタイプの規制が加えられている︒

次に

Ro

e判決以降の判例の変遷について︑立法の推移にも触れながら︑

まず第一に同意要件に関する判例としては次のものがある︒

① 

P l

a n

n e

d   P

a r

e n

t h

o o

d   o

f   C

e n

t r

a l

  M i

s s

o u

r i

 

v•

D a

n f

o r

t h

  ( 19 76 ) 

夫の同意や未成年者の場合に親の同意を要求することは︑

( 2 9 )  

し︑本人の同意を要求することは合憲であるとした︒

② 

B e l l

o t i  

v .  

B a

i n

d  

(1 97 9)

  P

o e

l k

e r

 

v•

Do

e判決において初めて決着をつけた︒すなわち︑公立病院であっても非治

連邦最高裁は︑同意要件は未成年者自身の必要のために十分な保護を提供できない︑

( 3 0 )  

同意要件を却下した︒

③ 

H .  

v .  

M a

t h

e s

o n

  ( 19 81 ) 

本件は未成年者の妊娠中絶について親に通知することを俣師に義務づけているユタ州法の合需性が争われた事件で

連邦最高裁は︑﹁単に親に対する通知を要求するだけの法律は︑未成熟の生計を依存している未成年者の憲法的権利 ⑦胎児の保護

( f e t

p r a l

o t e c

t i o n

)  

⑥良心条項

( c

o n

s c

i e

n c

c l e

a u s e

s )  

Ro

e判決の認めたプライバシー権を侵害するとした︒但

としてマサチューセッツ州の

いくつかの項目に分けて検討を加える︒

1 0

 

(11)

であ

る︒

先述したように︑未成年者が妊娠中絶をする場合に親の同意を要件にしている州法がかなり存在するが︑

は未成年者が知識や経験が不足しているために︑無思慮や軽卒な決定を避けて彼らを保護することにあるが︑

( 3 2 )  

逆の効果として彼らを危険なヤミの妊娠中絶に追いやる可能性もあるので︑法的対応の難しい問題である︒

第二に妊娠中絶に対する医療扶助が大きな法的問題として浮上してきた︒

人々にとって︑医療扶助が権利として認められることは︑﹁プライバシー権として州による侵害を免れる消極的な権利

( 3 3 )  

から︑州に実現の保障を要求できる積極的な権利に変わる﹂からである︒それに対して妊娠中絶に反対の人々にとっ

ては︑とりわけ非治療目的の妊娠中絶に医療扶助をすることは容認し難いことであったから︑大きな争点になったの

特に医療扶助に関する具体的な法律問題としては︑⑦連邦社会保障法

( S o c

i a l

S e

c u

r i

t y

c   A

t )

によって︑州が妊娠

中絶に対して医療扶助をすることが要求されるか否か︑①憲法の平等保護条項が︑出産費用の払い戻しと同じ根拠に

もとづいて︑妊娠中絶のための費用の払い戻しを要求するか否か︑の二つが争点となった︒

右の⑦については︑

Do

e v .  

B e

a l

判決において、連邦最高裁は非治療目的の妊娠中絶、いわゆる  (1977•6•20)elective

a b

o r

t i

o n

に対して医療扶助を認めないペンシルバニア州法は連邦社会保障法に違反せず合憲だと判示した︒

①については︑

Ma

he

r v .  

Ro

(1977•

6•

20 )

判決において︑医療扶助の給付を妊娠中絶が医学的に必要な場合に

限定しているコネチカット州法は合憲であり︑

e l e c

t i v e

a b

o r

t i

o n

に医療扶助を給付しないことは︑

Ro

判決で認めらe

た ︒ を侵害するものではない︒問題の法律は︑家族の結合性と青少年保護という重要な考慮に仕えており︑さらに親が医

( 3 1 )  

者に必要な情報を提供する機会を与えることによって︑重大な州の利益に仕えている﹂として︑その合憲性を支持し

その目的

それが

というのは妊娠中絶の自由化を主張する

(12)

れた基本的権利を侵害するものでないと判示した︒これに対して三人の裁判官の強力な反対意見がつけられている︒

( 3 6 )  

すなわち︑貧しい女性にとって妊娠中絶の費用が給付されないことは︑妊娠中絶の基本権を侵害する結果になる︑と︒

( 3 7 )  

最高裁は︑一九七七年のこの判決によって前年まで推し進めてきた自由化の流れを押しとどめたと評されているが︑

この最高裁判決はその後の州法に大きなインパクトを与えた︒

a b

o r

t i

o n

に医療扶助を給付し始めたからである︒

一九七八年の終わりには︑

三二州が保健教育福祉省の公式︑ というのは一九七七年以降︑

一九七八年の三月現在では︑十六州とコロンビア

D.C

がほとんど

八州が十分な保障を提供し︑九州が医学的に必要な妊娠中絶に対し すなわち︑妊婦の生命が脅かされ︑あるいは強姦もしくは近親相姦が行な われたとき︑健康に対する被害が厳しくかつ長く続くときにのみ︑十二州が妊婦の生命が脅かされているときにのみ

( 3 8 )  

医療扶助を給付した︒

次に立法に関しては一九七六年に新しい事態が生じた︒下院議員の

Hy

de

が︑連邦の基金

( f e d

e r a l

f u n d

) が妊娠中

絶の奨励・助長もしくは妊娠中絶のために支給されることをストップするという内容の法案を提出したのである︒下

院を二

0

七対一六七で六月に通過したが︑上院が修正を拒否したために再びやり直しされ︑下院を二二三対一五

0

いわゆる医療補助金に関する

Hy

de

Am

en

dm

en

t が成立したのである︒この法

律の内容は︑﹁母の生命が危険のときを除いて︑この法律に含まれているいかなる基金も妊娠中絶を実施するために用

この

Hy

de

修正の合憲性について争われたのが/几八

0

年の

H a

r r

i s

v .  

Mc

Ra

e 事件である︒

Hy

de

修正は︑修正第一条︑第五条および

Ro

e v .  

Wa

de

判決の趣旨に反するとする主張に対して︑最高裁は五対四

( 3 9 )  

の僅少差で

Ma

he

r v .  

Ro

e 判決にもとづいて憲法上の主張を却けた︒すなわち︑

Hy

de

修正は︑妊娠中絶を選択する権

いられてはならない﹂というものであった︒

八月に通過し︑

上院が九月に屈服し︑

ての

み︑

すべての妊娠中絶に︑

かなりの州が

e l e c

t i v e

(13)

週を越えない期間の妊娠中絶︑いわゆる期限モデルを認めた︒この期限モデルの部分が︑一九七五年二月二五日に︑

西ドイツでは︑ 四

西 ド イ ツ

一九八五年までに十四州とコロンビ 利に干渉しないから︑﹁基本権を侵害せず︑違憲の疑いのある区別にも関係しないので︑正当な目的に合理的な関係が

( 4 0 )  

あれば︑平等保護条項に違反しない﹂と判示した︒この判決は妊娠中絶の権利を消極的なものとしてとらえ︑貧しい

女性が妊娠中絶を選択する権利を行使できない状況を肯認した︒

等を否認することを法的に強化した︑と評されている︒

この

Hy

de

修正以降︑妊娠中絶のための連邦による給付が著しく制限されてきている︒

00

件︑一九七八年には一九万四

00

0

件に対してのみ医療扶助が給付された︒

( 4 2 )  

D.C

だけが自らの基金によって妊娠中絶のための医療給付を続けている︒

Ro

e 判決後十年が経過した一九八三年に︑最高裁は三つの重要な判決を出した︒オハイオ州アクロン市の一九七八

年条例が問題となったアクロン事件︑ミズーリー州の一九七九法が問題になったアシュクロフト事件およびシモプロ

( 4 3 )  

ス事 件で ある

この三つの事件で争われたのは︑妊娠中絶に関する詳細な州の規制権限の合憲性であった︒最高裁は︑

Ro

e

v .  

Wa

de

 

判決の中で述べた重要な原則に立ち戻って︑妊娠中絶を制限しようとする州の権力の限界を画定したのである︒最高

裁は︑この判決によって﹁レーガン政権の圧力および新しい裁判官の加入にもかかわらず﹂︑十年前の原点を維持して

( 4 4 )

4 5 )

 

と評されている︒いることを証明した︑

一九七四年六月十八日の第五次刑法改正により部分的に改訂された刑法ニ︱八条

a

は︑受胎後十二 一九七七年には二八万五〇 そしてそのことによって︑女の自由を制限しかつ平

(14)

③優生学的・遺伝的適応事由︵ニ︱八条

a

第二項第一号︶

( 4 8 )  

まず刑法ニ一八条で堕胎を原則的に禁止し︑次の各条件に合致する場合には処罰されないとする︒

①ニ一九条

d

︑﹁子宮内で受精卵が着床する前にその効果を生じる行為は︑本法の意味における妊娠中絶ではない︒﹂

②医学的・社会的適応事由︵ニ︱八条

a

第一項第こ号︶

﹁妊婦の現在および将来における生活関係を考慮した場合︑医療上の認識からみて︑妊娠の中絶が︑妊婦の生命に対

する危険又はその身体的若しくは精神的な健康状態に対する重大な毀損の危険を防止するために適切であり︑

この危険を妊婦に期待しうる他の方法によって防止することができないとき︒﹂

この場合の妊娠中絶についての期限の制限はない︒この条項は医学的適応事由であるといわれているが︑﹁妊婦の現

在および将来における生活関係﹂や﹁精神的な健康状態に対する重大な毀損﹂を考慮して妊娠中絶をすることを認め

( 4 9 )  

ているから︑医学的・社会的適応事由である︒ これは当然の事理を定めたものであるが︑一種の期限モデルと解しうる︒ 改正された内容の概要は次の通りである︒

一九 七六 年五 月一

日に公布され︑六月一︱一日か キリスト教民主主義者の提訴を受けた連邦憲法裁判所によって︑

ら施行された︒

( 4 6 )  

ボン基本法第一条第一項および第二条第二項の規定 に違反する疑いがある︑換言すれば︑胎児の生命権は妊婦の自己決定権に優先するという理由で憲法違反と判断さ

れた

そこで改めて連邦議会において堕胎罪の改正に関する審議がなされた︒紆余曲折を経て社会・自由連合 ︒

(S PD /F DF )

案に若干の修正を加えたものが第十五次刑法改正法として成立し︑

一 四

か つ

(15)

﹁医療上の認識からみて︑子が遺伝的素質のため若しくは出生前の有害な影響のためにその健康状態に除去しえない 損傷 を被 り︑

っ て

その損傷が妊婦に妊娠の継続を要求しえないほど重大であると認めるべき有力な根拠があるとき︒﹂

この場合の妊娠中絶は受胎後二二週間を越えてはならない︒

この条項は優生学適応を認めたものであるとされているが︑それに対して強い批判が加えられている︒すなわち︑

本条項では遺伝的障害それ自体が妊娠中絶を根拠づけるものとはされず︑﹁妊婦の個人的葛藤を除去することが最終的

( 5 0 )  

な決め手とされているからである︒﹂

④刑事学的︵倫理的︶適応事由︵ニ︱八条第二項第二号︶

﹁医療上の認識からみて︑妊婦に対して第一七六条から第一七九条による違法行為︹強姦等︺が行なわれた場合であ

かつ妊娠がその行為によるものであると認めるべき有力な根拠があるとき︒﹂

この場合︑期間は十二週を越えてはならない︒

⑤一般的な困窮状態の適応事由︵ニ︱八条

a

第二項第三号︶

﹁その他︑左記のような困窮状態の危険を妊婦に回避させるために︑妊娠中絶が適切であるとき︒

①妊婦に妊娠の継続を要求しえないほど重大で︑

⑮妊婦に期待しうる他の方法では防止することのできない困窮状態﹂

一 五

期間は十二週を越えてはならない︒この条項はいわゆる社会的適応事由を認めたものであるが︑﹁覆面した期限モ

( 5 1 )  

デル﹂を認めたものとして批判されている︒

以上が妊娠中絶の適応事由に関する規定であるが︑改正法はその他に補充的な保護規定ならびにコントロール規定

をおいている︒まず第一に︑妊婦が医師から社会的な助言を受ける義務が課されている︒第二に︑妊娠中絶の施術者

(16)

すべきであろうか︒

ヒル シュ は︑

一九八二年には七七パーセント︑ 一九七九年には八三

000

( 5 5 )  

0

︑オランダヘの﹁堕胎旅行﹂を含めると十一万件に達している︒

適応事由の内訳をみると︑困窮状態の適応事由︑いわゆる社会的適応が一番多く︑

一九八四年には八一パーセントにも達している︒この増加の原因をどのように分析

この増加を﹁個人的葛藤状態にもとづくものである︒それは︑主として︑女性に対

する職業と家庭の二重の負担や医学的適応の程度にまでは至らない自律神経の障害︑子供が嫡出でないこと︑婚姻関 一九七八年には六八パーセント︑

四 ︑

一九七七年には五四三

00

に適応事由を確認する義務が課されている︒第三に︑妊娠中絶は病院またはそれをすることを認められた病院以外の 施設においてのみ実施することが許されている︒第四に︑妊娠中絶に関する宣伝の禁止︵ニ︱九条

C)と非合法的な

堕胎のための薬剤を取引することの禁止︵ニ︱九条

d )

が定められている︒第五に︑連邦統計局への報告義務である︒

第六に︑社会保険による費用の補償および職場の確保という社会政策的な補助策である︒

また一九七四年六月十八日の第五次刑法改正法の第二条によって︑医師の妊娠中絶手術の拒否権が認められている︒

但し︑妊婦に生命の危険または重大な健康の危険がある場合は別である︒

( 5 2 )  

右に略述したドイツ堕胎刑法は︑﹁期限モデルの傾向をもった適応モデル規定﹂︑﹁期間によって段階を付され︑特別

( 5 3 )  

の手続規定によって防御策を講じられた適応事由モデル﹂という性格づけがなされている︒

次に堕胎刑法の運用の実態であるが︑妊娠中絶の自由化にともなって堕胎罪が激減している︒警察記録による被疑

一九

0

年が一〇八九人︑

0

一九七四年が五

一 人 ︑

( 5 4 )  

一九八一年が二八人に減少している︒

それに反比例して妊娠中絶の数は増加の一途をたどっている︒

一九七八年には七三五

00

︑一九八二年には九一

00

一九

0

年に

は四

八八

一一

一九七四年には一七八 九七四年が九四人︑ 者

数は

一九八一年が一六八人となっている︒また有罪者数も

一 六

(17)

しか

し︑

一九七四年に刑法改正がなされるまでは︑妊婦の生命の危険による妊娠中絶しか認められず︑

( 6 0 )  

西ヨーロッパの国々の中でももっとも強く規制されていた︒

( 6 1 )  

一九七四年に刑法の堕胎罪の規定が改正されて︑妊娠中絶が自由化された︒

新しい堕胎罪規定の九七条一項一号は︑要求次第の妊娠中絶を妊娠三ヶ月の期間内で認めた︒二項においては︑

ず﹁妊娠中絶が︑生命に対する他の方法では避けることのできない重大な危険もしくは妊婦の身体もしくは精神の健

康に対する重大な損害を避けるため必要であるとき﹂︑すなわち医学的適応を認めている︒次いで︑﹁子供が精神的も

しくは身体的に重大な毀損をしている著しい危険があるとき﹂︑すなわち遺伝的適応を認め︑さらに︑﹁妊婦が妊娠の

ときに未成年であったとき﹂︑すなわち倫理的適応を認め︑これらの場合には期間の定めがなく︑医師により妊娠中絶 オーストリアでは︑

( 5 6 )  

係の破壊などに起因するものである﹂と︑的確に分析評価している︒

さらにヒルシュは︑﹁期限モデルは︑時代思潮に合致するものである︒制約されることのない自己決定と自己実現に

対する個人主義的な熱望は︑男性の役割の獲得を目指した女性解放思想と合致する﹂という観点から︑西ドイツの堕

胎刑法を批判している︒それに加えて︑妊娠中絶の問題は刑事立法の問題ではなく一般的な社会政策の問題であると

成中の生命の保護に対する全く偽善的とまでいえないにしても︑熱意のない口先だけの信仰告白にとどまることにな

( 5 8 )

5 9

)  

るのである﹂と指摘しているが︑まさに妊娠中絶の問題は合法化から医療化の段階へと進まなければならないのであ

その他の国々

る ︒ し︑また同様の観点から︑

一 七

エーザーも﹁⁝⁝社会政策的な補助策なしには︑刑法上の堕胎禁止は︑結局のところ︑生

(18)

る ︒ ろが︑イタリア憲法裁判所は︑

なお︑医師︑患者の看護の仕事︑医学的・技術または衛生の仕事をしている者は︑妊娠中絶を実行する義務または それに関与する義務を負わない︒但し︑生命の危険から妊婦を救助するために妊娠中絶が必要であるときはこの限り

次にイタリアであるが︑イタリア憲法裁判所は︑

( 6 2 )  

る情報の伝播に関する法令を違憲と判断した︒

( 6 3 )  

妊娠中絶については︑法律改正以前は︑母体に生命の危険があると医師が認めた場合にのみ許可されていた︒

大で

ことができるという規定︵いわゆる医学的適応︶ 一九七一年三月十六日に︑避妊用の手段の販売および避妊に関す

とこ

一九七五年二月十八日の判決において︑﹁妊娠の最終状態が母体の健康状態にとって軍

かつ︑他の方法では避けることのできない危険を含んでいることが医学的に確認されたときは妊娠中絶をする

( 6 4 )  

を設けていない部分において違憲﹂と判断した︒

それを承けて改正された一九七八年五月二二日法は︑第四条において九

0

日以内の妊娠中絶を次のように定めてい

﹁健康状態︑経済的︑社会的︑家庭的条件︑妊娠にいたった事情︑妊娠異常また奇型児妊娠の公算が大であること等

を考慮して︑妊娠の継続が胎児または母体の身体的もしくは精神的健康を著しく危険にさらす特殊事情があると訴え

る女子﹂に対して行なわれる︒これは適応モデルを含んだ期限モデルといえよう︒

第六条は︑最初の九

0

日経過後の妊娠中絶が︑次の場合に行なうことができると定めている︒

切妊娠または出産が女子の生命にとって重大な危険をもたらすとき︵医学的適応︶

⑮重大な異常妊娠または胎児の奇形により︑女子の身体的または精神的健康に重大な危険を及ぼす病理過程が確認 で

ない

と定められている︒ が行なわれたときは堕胎罪に処せられない︒

一 八

(19)

なされたという︒ されたとき

︵優

生学

的適

応︶

一 九

一九七九年には一八八

000

件もの違法な堕胎が 但し︑第七条三項において︑﹁胎児が独立して生命を継続する可能性がある場合には︑妊娠中絶は︑本法第六条①所

定の原因があるときにのみ行なうことができる﹂という規定が設けられている︒

そして右に述べたそれぞれの妊娠中絶をするに際しての手続を詳細に定めている︒

良心条項については︑第九条において︑﹁補助的活動を行なう保健衛生スタッフが︑あらかじめ良心に基づいて中絶

拒否の意思表示をしたときは︑⁝⁝妊娠中絶手術に関する義務を負わない︒但し︑切迫した危険にさらされている女

子の生命を救うために保健衛生スタッフの行為が不可欠であるときは認められない︒﹂この規定にもとづいて︑医師の

0

パーセント以上が良心的拒否を選択するであろうといわれた︒

( 6 5 )  

を実行するように医師たちに命令した︒

週間占拠した︒またイギリスヘの堕胎旅行がひんぱんに行なわれ︑ しかしイタリア医師会は本法にしたがい妊娠中絶

十八歳未満の未成年者の場合には︑第十二条において︑原則として親権者または後見人の同意が必要とされている︒

妊娠中絶手術の費用については︑第十条において公的負担が定められている︒

右のような内容の妊娠中絶法に不満なフェミニストたちは一九七八年十一月に抗議運動を起こし

T u r i

n

院を 一

一九八一年五月の十七日と十八日に︑妊娠中絶法に関する国民投票が行なわれた︒第一問の現行法より制限的な法

律を制定すべきであるという設問については六七・九パーセントが反対し︑第三問のタイム・リミットを除去すべき

( 6 6 )  

であるという点については八八•五パーセントが反対し、結局、第二問の現行方式が賛成多数で維持された。

(20)

( 1 ) 堕胎罪の歴史については︑中義勝﹁堕胎罪の歴史と現実および比較法﹂関西大学法学論集二四巻一・ニ号︑同﹁堕胎罪をめぐる立

法問題﹂関西大学法学論集二二巻一号参照︒

( 2 )  

D a

v i

s ,

A  

b o

r t

i o

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an

d 

l e g a

l   p o

l i c y

,   C

on

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mp

or

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y 

C r i s

e s ,  

1986•

1 0 ,  

p p .  

37 6 39 7.

 ~ によれば的t治的活図動としての医療化

( m e d

i c a l

i s a t

i o n )

とは社会的統制に役立つように州によって支持された権力手段であり

( p .

38 6)

︑悪から病気への妊娠中絶の変形 の中に含蓄されていた

( p .

38 7)

( 3

) 我妻発﹁医学からみた人工妊娠中絶をめぐる諸問題﹂ジュリスト六七八号二五ーニ六頁によれば︑スペイン︑ポルトガル︑アイル ランド︑ベルギー︑インドネシア︑タイ︑コロンビア等の諸国が完全禁止をしている︒

( 4

)

石井美智子﹁﹃医療﹄としての堕胎﹂唄孝二編﹃医療と法と倫理﹄所収四ニ︱ー四ニニ頁︒

( 5

)  

F r

a n

c o

m e

,   A

b o

r t

i o

n   f

r e

e d

o m

.   A 

w o

r l

d   w

id

e  m

ov

em

en

t.

1 

98 4.  p .   1 .  

( 6

) 中谷瑾子﹁優生保護法と堕胎罪

L

法学セミナー増刊﹃女性そして男性﹄一七九頁︒具体的には︑デンマーク︑スウェーデン︑ノル ウェイ︑オーストリア︑イタリア︑東ドイツ︑オランダ︑ユーゴスラビア︑ベトナム︑キューバ︑中国︑ソ連︑シンガポール等で ( 7

)  

( 8

)  

( 9

)  

( 1 0 )  

( 1 1 )

  ( 1 2 )   ( 1 3 )

 

﹁人工妊娠中絶と堕胎罪﹂

現代刑法講座第五巻

﹃現代社会と犯罪﹄

F r

a n

c o

m e

,   i b i d .

,   p .  

22 3.  

石井美智f•前掲論文四:o頁。

頁 ︒ 中谷瑾子﹁妊娠中絶に対する法的規制の在り方﹂ジュリスト六七八号三頁︒

石井美智子﹃英国﹁一九六七年堕胎法﹂の成立過程﹄都立法学会雑誌︱:巻^戸号参照︒

/九六七年法の訳文は︑藤田貴美子﹁人工妊娠中絶法﹂外国の立法三四号に拠る︒

石井美智子﹃﹁医療﹂としての堕胎﹄四︳六頁︒石井前掲論文•四ニー頁は、「その結果、妊婦の居住する地区のNHS医が良心的異議を理由に堕胎処置への参加を拒否したため

NHS

病院で堕胎をうけられない婦人が少なくないという問題が生じた﹂と指摘しているが︑フランスでも同様の事態が生じた

のは後述する通りである︒またポッツ︑ディゴリイ︑ピール著﹃文化としての妊娠中絶﹄池上千寿子・根岸悦子二三三頁は︑﹁

In

gr

am

は/九六七年の法以来︑中絶を求める女性への対応を

中絶ゲームI I

I I と名づけました︒彼によると︑敵意にみちた紹介医はピラ

I I

︵訳注:キリストを処刑した総督︶や空手形

i I

という手を講じます

(i I空手形

I i

は手術が手遅れになるまで︑女性の紹介をひ

所収二九九ー一

: 1 0 0

0

(21)

( 2 5 )

  きのばす手段も含みます︶︑

( 1 4 )

我妻・前掲論文二八頁︒

( 1 5 )

F  

ra nc om e,   ib i d . ,  

p .   9 9 .  

( 1 6 )

G  

.   W

il la ms ,  T ex tb oo k  o f   C r i m i n a l   L a , , ‑ ,   2 e d . ,   1 9 8 3 .   p .   2 9 6 .  

(17)石井•前掲論文四一四頁•四四五頁。

( 1 8 )

前掲﹃文化としての妊娠中絶﹄こ四じー

1

1

(19)石井•前掲論文四三二頁。

( 2 0 )

大谷実﹁イギリス刑法とモラル﹂中京大学・社会科学研究八巻一号十こ頁︒

( 2 1 )

F  

ra nc om e,   ib i d . ,  

p .   9 9 .  

( 2 2 )

前掲﹃文化としての妊娠中絶﹄二五八頁︒

( 2 3 )

中谷瑾子﹁堕胎罪処罰の限界﹂犯罪と非行十九号五七頁︒

( 2 4 )

R 

oe

 v .  

Bo lt on 判決については既に数多く論じられてきている︒松尾浩也﹁アボーション・ケース﹂法学教室第23

0

以下︑佐藤幸治・アメリカ法一九七五年一号一︱︱頁以下︑石井美智子﹁プライバシー権としての堕胎決定権﹂都立法学会雑誌十九巻二品、阪本昌成「堕胎とプライバシー」政経論叢二二巻三•四号参照。

Fr an co me ,  i b i d . ,   p .   2 0 1 .   石井・前掲論文一三一頁は︑ロー判決が残した中心問題は︑堕胎手続の要件が︑婦人の堕胎決定権を侵害

するか否かということであった︑と指摘している︒

( 2 6 )   R u b i n ,   A b o r t i o n ,   P o l i t i c s ,   an d  t h e   Co ur ts  

( 2 7 )

R  

u b i n ,   i b i d . ,   p .   1 3 8 .  

( 2 8 )

R  

u b i n ,   i b i d . ,   p p 1 .   2 7

1 3

0 .

( 2 9 )

Ab or ti on

判決の傾向﹂アメリカ法一九八

0

年一号六四頁︑米沢広一﹁子ども︑親︑政府︵三・

完︶﹂神戸学院法学十五巻四号三六頁以下参照︒

( 3 0 )

R  

u b i n ,   i b i d . ,   p .   1 3 5 .  

( 3 1 )

松井茂記﹁未成年者の堕胎の権利と堕胎に先立つ親への通知義務﹂判例タイムズ四七六号二三から引用した︒

( 3 2 )

石井・前掲論文一三八ー一三九頁参照︒

と指摘している︒

Ro e v .  

Wa de   an d  i t s   a f t e r

m a t h ,   1 9 8 7 .   p .12

1  a nd   p .   1 2 7 .  

(22)

( 3 7 )  

( 3 8 )

 

( 3 9 )

  ( 4 0 )  

( 4 1 )

 

( 3 3 )

石井・前掲論文一四一頁︒

( 3 4 )  

Ru bi n, b i   i d .,   pp . 

129130. 

( 3 5 )

石井・前掲論文一五九ー一六

0

頁 ︒ ( 3 6 )

戸松・前掲論文六四ー六五頁︑石井・前掲論文一六︱︱‑̲︱六五頁参照︒

Ru bi n, ib id .,   pp.

によれば︑一九七六年に行なわ167168 

0

万の妊娠中絶のうち︑医療扶助の給付をうけたのは三

0

万︑その多くは手術が医学的には必要でなかった︑という︒石井•前掲論文一三一頁。

Ru bi n, b i   i d .,   p .  

16 9.  

Ru bi n,   ib i d .,   p .  

17 1.  

石井美智子﹁堕胎問題の家族法的分析日ーー│家族形成権の概念を基礎としてー﹂東京大学社会科学研究三五巻四号︱ニ︱頁︒

Ru bi n, b i   i d .,   p .  

17 3,  F ra nc om e,   ib i d .,  

p .  

201は︑妊娠中絶に反対する人たちが望んだいくつかの制限を最高裁が支持した︑と評価

( 4 2 )  

Ru bi n,   ib i d .,   pp . 

17 5 17 6.  

( 4 3 )

前の二つの判決については︑丸山英一一﹁アメリカ連邦最高裁と堕胎﹂判例タイムズ五三号三四ー四三頁︑小林節﹃合衆国最高裁﹁中

絶﹂合法判決をめぐって﹂法学教室一九八六年十一月号一︱︱︱︱﹁│︱二四頁に詳しい︒

( 4 4 )  

Ru bi n,   ib i d .,   p .  

14 0.  

( 4 5 )

本稿執筆の時点(‑九八八年二月︶に︑次のような報道が新聞紙上でなされている︒すなわち︑レーガン政権は今年の三月三日か

ら妊娠中絶の新たな規制に乗り出す︒この規制は︑連邦政府から援助金を受けている家族計画機関に対して中絶カウンセリングを

禁じ︑政府組織が中絶関連活動をすることを認めないとするもので︑人権団体︑医師︑家族計画協会などが各地で告訴するなど批

判が高まっているというものである︒

( 4 6 )

第一条第一項は︑﹁人間の尊厳は不可侵である︒これを尊重し︑かつ保護することは︑すべての国家権力の義務である︒﹂︑第二条

第二項は︑﹁各人は︑生命︑身体を害されない権利を有する︒人身の自由は不可侵である︒これらの権利は︑法律の根拠にもとづ

いてのみ︑これを侵害することが許される︒﹂と定めている︒

( 4 7 )

違憲判決の内容については︑宮沢浩一﹁西ドイツ連邦憲法裁判所の堕胎罪規定違憲判決について﹂ジュリスト五八七号八三ー九三

頁︑中谷瑾子﹁妊娠中絶に対する法的規制の在り方﹂ジュリスト六七八号一︱

1 0

0

頁︑同﹁堕胎罪処罰の限界﹂犯罪と非行一九

参照

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