川崎病院ニュース
ほ ほ え み
2009年10月発行 発行責任者 病院長 市原 紀久雄 編集責任者 久保 裕也 〒652–0042 神戸市兵庫区東山町３丁目３番１号 TEL：(0７８)5１１–３１３１Vol.37
http://kawasaki-hospital-kobe.or.jp整形外科が大きく変わりました
整形外科部長戸祭 正喜
平成２１年７月１日より整形外科部長として川崎病院に赴任しました。日本整形外科学 会認定整形外科専門医でありますので、打撲、捻挫、骨折などの外傷学は勿論のこと、変 形性変化を伴う加齢疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、痛風、運動器の腫瘍、運動器の先天 異常など、整形外科疾患のほとんどに対応することができますが、近年は、整形外科の中 でも診療内容の細分化に伴って多数の専門分野に分かれつつあり、そのうちでも特に「小 児整形外科」、上肢を扱う「手の外科」、スポーツによるけがや障害を扱う「スポーツ医学」 を得意にしております。①小児整形外科
（日本小児整形外科学会・評議員、近畿小児整形外科懇話会・世話人） 私自身は1994年6月に兵庫県立のじぎく療育センターに赴任して以来ずっと小児整形外科に携わっておりますの で、小児の整形外科に関するあらゆる疾患を自分の目で見てきた経験という大きな武器を持っており、現在でも毎 週水曜日に西宮市の兵庫医科大学病院で小児整形外科専門外来を行っています。 特に、小児四肢変形に対する変形矯正手術については、いままで数多くの手術を経験しています。 変形の原因としては、骨折後に生じたもの、先天異常によるもの、骨成長の異常（骨系統疾患など）がありますが、 それぞれの病態や年齢に応じて、一期的に変形を矯正したり、創外固定器を用いて、漸次的に変形矯正（イリザロ フ法）を行うことで対応します。 また、ペルテス病、大腿骨頭すべり症といった小児股関節疾患に対しても専門的な治療法を行うことができます。 小児の骨折は、経験が豊富な小児整形外科専門医でないと見逃されたり、適切な初期治療を受けることができず に、変形や機能障害を残すことがあります。成人の骨折治療は局所の原状回復を目的としますが、小児骨折の場合 は、自家矯正能力が高いので、ほとんどが手術的治療を行う必要はありません。「歩けるから大丈夫」、「関節が動 くから骨折していない」などと自己判断しないで、「触ると泣く」、「手を使わない」、「足に体重をかけられない」 などの症状があれば、診察を受けに来て下さい。もしも骨折していたら、成長といった要素を考慮し、将来起こり そうな変形発生を予測したうえで適切な治療方針を行います。②スポーツ医学
（日本整形外科スポーツ医学会・評議員、日本小児整形外科学会・スポーツ委員会委員、日本整形外科学 会認定スポーツ医、日本体育協会公認スポーツドクター、兵庫県サッカー協会医事委員、関西学生サッ カー連盟医事委員） 私自身が小学校時代に野球を中学校から大学までサッカーをしていたことから、自分の経験も踏まえてスポーツ サッカーにおけるスポーツ傷害や少年野球における肘・肩関節の障害を専門としておりますが、年齢を問わず、 あらゆる種目のスポーツ選手（愛好家）の診療を行います。平成２１年１１月より、第１・３・５土曜日の
午前中にスポーツ外来を開設します！！
選手の怪我や傷害については医学生時代から大いに興味を持っていまし た。Jリーグ創設前からサッカーのチームドクター（ガンバ大阪：平成 ２年～平成２１年６月）をしていたこともあり、 今までに小学生からプ ロ選手まで多くのスポーツ選手の治療も行ってきました。特に、 少年野 球選手の投球肘・肩障害とサッカー選手におけるスポーツ障害（捻挫や 肉離れ）については、豊富な経験を持っています。スポーツ傷害の多く は、適切な初期治療を行うことで、ほとんど治すことができますが、悪 化するとやむを得ず手術的治療が必要となる場合があります。 私は、少年野球肘における上腕骨小頭離断性骨軟骨炎に対する自家 骨軟骨柱移植術、足部・足関節の疲労骨折に対する内固定術など、恐らく兵庫県で一番の症例数を経験しています。 また、当院では関節鏡を用いた小侵襲の検査・治療（膝関節半月損傷、骨軟骨障害など）を行うことができます。 スポーツ現場でケガが起こったときに、このケガはどうしたらよいのかと迷われることがあると思われます。し かしその現場での判断と対応がその後の選手生命にもかかわることもあるので、非常に重要となります。判断に悩 まれた時には、11月から第１・３・５土曜日の午前中にスポーツ外来を行いますので、御気軽にご相談下さい。
③手の外科
（日本手の外科学会認定、手の外科専門医） 手の機能障害は日常生活に意外と大きな影響を与えます。手の外科専門医は、手の先天異常、神経麻痺（手根管 症候群・肘部管症候群・橈骨神経麻痺・前骨幹神経麻痺・後骨間神経麻痺・ギオン管症候群・正中神経麻痺・尺骨 神経麻痺など）、手指の骨折（橈骨遠位端骨折・前腕骨折・マレット骨折・舟状骨骨折・有鉤骨鉤部骨折など）、腱 損傷（切創・挫滅創）狭窄性腱鞘炎（ばね指・強剛母指・ド・ケルバン病）、腫瘍（ガングリオン・腱鞘巨細胞腫） の治療を専門的に行います。できるだけ小さな侵襲で、機能的のみならず美容的な面も含めて、満足していただけ る治療を行います。場合によっては、局所麻酔による日帰り手術を行い、社会的な損害を最小限となるように考慮 した対応をすることもできます。 他の二人の整形外科医師とともに、今まで蓄積してきた知識や技術を患者さんに提供することで、地域医療に貢献 できるように努力したいと考えています。よろしくお願いいたします。 昨年好評をいただきました“小学生病院探検ツアー”を今年も開催しました。 この病院探検ツアーは、日頃は見ていただくことの出来ない病院の内部を開 放し“探検”形式で、楽しみながら病院に親しんでもらうことで、地域の方々 （特に将来を担う子供たち）に病院に対して少しでも興味を持っていただけれ ばとの思いで、毎年企画しています。 内容的には、医師による診察室見学・擬似採血体験・放射線科機器見学・ 車椅子体験・カプセル薬調剤体験等々、病院の内部や設備を楽しく擬似体験 していただくものです。 今回はなんと140名を越える小学生から応募を頂き、急遽2日間に分けて開 催いたしました。 当日は毎日新聞や読売新聞の取材もあり、我々も楽しみながら、多くの小学 生に病院体験をしていただきました。140名もの
ご応募を頂きました
今年も兵庫区の小学生を対象に、病院探検ツアーを行いました。
新型インフルエンザが 流行しています。 院内において感染が拡大 しないように、病院にお 越しになられた患者様は、 南館玄関に設置してある アルコ－ルで必ず手指消 毒を行ってください。ま たトイレの後などは、こ のページの手洗い方法を 参考にしてください。 マ ス ク の 配 布 は 原 則 行っておりませんが「う つらない・うつさない」 ためにもご自分でマスク を着用して来院するよう ご協力をお願い致します。 また発熱している場合 には、極力院内を移動せ ず、入口に常駐の看護師 （不在の場合は医事課窓 口）にお申し付け下さい。 当院では5名の消化器内科専属医師が年間5,000例を越える内視鏡検査を行っており、設備 も胃カメラ、大腸内視鏡は勿論の事、鼻腔内視鏡、小腸内視鏡、カプセル内視鏡を備え日々 の検査に対応しております。
当院の消化器内科は非常に充実しています！！
外来にお越しになる患者様へお願い
手洗い
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基本方針 １．地域の人々の疾病の治療と健康の維持に、他の医療機関と連携し貢献します。 ２．患者様の権利と尊厳を尊重し、病状と治療方針を充分に説明し理解していただくよう 努めます。患者様の個人情報は決して第三者に漏らすことはありません。 ３．患者様が心地よく治療に専念できるよう患者サービスに努力します。 ４．医療にたずさわる人間としての使命感を持ち、より高い知識と技術の習得に努力し、 安全で高度な医療を提供します。 ５．働きがいのある職場環境を形成します。 患者様の権利 １．良質で適切な治療を受ける権利 ２．医療上の情報の説明を受ける権利 ３．セカンドオピニオンを受ける権利 ４．人格を尊重され治療を自己決定する権利 ５．プライバシーを尊重される権利 ６．尊厳を擁護される権利 すべての患者様が等しく、上記の権利を行使できるよう、患者様には病院の規則を守り、 他の患者様や職員、その他の人々に迷惑をかけない責務があります。川崎病院医療理念
「良質な医療を提供し、信頼される病院に」
今まで蓄積してきた知識や技術を患者さんに提供することで、 地域医療に貢献できるように努力したいと考えています。 メッセージT
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整形外科部長戸祭 正喜
とまつり まさ き 外来診療において出来るだけ分かりやすく説明するよう心が けてまいります。 各種の外傷に対応すべく努力します。 メッセージY
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整形外科医長山下 邦洋
やました くにひろ 患者様が元気に生活できるような手助けができればと考えて います。よろしくお願いします。 メッセージT
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整形外科医員武久 敬洋
たけひさ たかひろ【外来糖尿病教室基本コース】
外来糖尿病教室基本コースは、はじめて糖尿病と診断された方や、糖尿病について基本から知りたい方を対象に 実施しています。 内科外来に申し込んで下さい。参加費は無料です。 日時 ： 第164回 平成21年10月30日(金) 午後1時30分～4時頃 第165回 平成21年11日20日(金) ” 第166回 平成21年12月18日(金) ” 内容 ： 糖尿病のしくみ、検査、合併症、食事療法、運動療法、薬物治療等について。 なお、糖尿病に関する基本的知識のある方は、いくつかのテーマについての深い理解と応用実践を目的にし ている以下の【外来糖尿病教室応用コース】にご参加下さい。【外来糖尿病教室応用コース】
糖尿病に関する基本的理解を得ることが目標の外来糖尿病教室基本コース(毎月開催)に対して，外来糖尿病教室 応用コースは，いくつかのテーマについての深い理解と応用実践を目的にしています。 日時 ：第48回 平成21年11月13日（金） 内容 ：糖尿病食バイキング48 (秋の味覚と糖尿病食) これまでの糖尿病薬、これからの糖尿病薬内科外来に申し込んで下さい。
糖尿病（基礎・応用）講座のお知らせ
今回も“菊水校区地域ふれあいの町づくり協議会”のご協力により、定例 の健康講座を開催いたしました。テーマは《あなたの血管年齢はいくつ？》 と題し、臨床検査科技師長の土井技師長がお話をさせていただきました。 当日は会場に血管年齢を測定できる機械を持ち込んだこともあり、沢山の 方にお越しいただき超満員でした。時間の関係上測定のできなかった参加者 の皆様・・ゴメンナサイ・・自治会地域健康講座
「神戸市看護のともしび賞」を当院の寺西マネージャー（心臓血管セン ター）が受賞しました。 この賞は看護業務に功績のあった市内の看護職員を表彰し、看護業務及び 地域医療の向上発展を図ることを目的とした賞で、当院では3人目となります。・・神戸市看護のともしび賞受賞・・
毎年恒例の、地域の皆様をお招きしての川崎病院最大のイベントであるク リスマス会を開催いたします。今年も数多くの催しを企画中ですので、是非 ともお越し下さい。 日時：平成21年12月19日（土）午後2時～第４回 クリスマス会 予告
昨年のクリスマス風景9月28日より、新しいMRIが稼働しております。中身を総入れ替えし、最新のテクノロジーを搭載したことで劇 的に性能が向上しました。何が劇的に変わったのか？撮影時間が短くなったうえに、画像もはるかに高精細で綺麗 になり、多くの性能が向上しました。その中で、以前とは比較にならないほど変わった一つは、MRマンモグラフィ （MRI乳房撮影）です。乳癌への認識が年々高まる中、MRIは乳癌の発見や診断に最も威力を発揮する装置の一つと いえます。したがって的確な診断が要求される為、最新の乳房専用のコイル（性能を高める装置）を今回搭載いた しました。このコイルを用いますと、両側の乳房を高精細かつ一度で検査することが可能です。（以前の装置では不 可能でした）、これはアメリカの学会で“乳がんになった方の数％は反対側にも癌が見つかる”という発表などもあ り、メーカーが積極的に開発し大きく進歩した経緯があります。 もう一つ大きく向上した点は、腎動脈などの細い血管を、造影剤（血管を映し出す薬剤）無しに撮影することが 可能となったことです。血管に関しては以前から撮影は可能でしたが造影剤が必要で、腎機能が悪い方にはこの検 査を行うことができませんでしたし、撮影技術も熟練を要しました。しかし新機種では非常に気軽かつ綺麗に血管 の撮影ができるようになりました。 まだまだ、性能が向上している部分もありますので、詳細は今後お伝えできればと思います。 最新のMRI装置導入により、より多くの患者様に安全かつ快適に検査を受けていただけるよう努めていきたいと 考えております。
MRIが新しくなりました！！
非造影MRA ◇造影剤を使用せずに腎動脈などを描出 できます。患者様の呼吸に合わせてシ ステムが自動的に撮像します。撮像時 間は3分～4分程度です。 元画像：横断面（VIBARNT） MIP像（VIBARNT） ＊MRスペクトロスコピー（BREASE） に関して腫瘍の良性・悪性を判断す る一つの指標として期待されている 技術です。ピーク（左図の黄色矢印） の有無で良悪性を調べていきます。 MRスペクトロスコピー（BREASE）乳房領域（VIBRANT & BREASE）
◇従来は片側ずつしか撮像できなかったので、左右共に撮像しようとすると時間がかかってし まうことが問題でした。新しいMRIシステムでは左右同時に乳房を撮像することができます。
