• 検索結果がありません。

異文化 17巻 : 編集後記

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "異文化 17巻 : 編集後記"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

異文化 17巻 : 編集後記

著者 上田 瑞季, 田島 樹里奈, 森村 修

出版者 法政大学国際文化学部

雑誌名 異文化 : journal of intercultural communication : ibunka

巻 17

ページ 182‑183

発行年 2016‑04‑01

URL http://hdl.handle.net/10114/12688

(2)

182

編集後記

 森村先生からのお声がけで、『異文化』本編の編集会議に参加させていただきました。私は これまで毎年 4 月に配布される『異文化』に何となく目を通すだけで、身近なものとは思っ ていませんでした。しかし、今回実際の企画や編集に携わり、気に留めていなかった『異文化』

が変わっていく過程に立ち会うことができ、とても嬉しかったです。

 今回は、森村先生や国際文化学部卒業生(3 期生)の熊井晃史さん(NPO 法人 CANVAS ディ レクター・慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科研究員)のお勧めで、表紙のデザイ ン作成に特に関わらせていただきましたが、もし次回も機会があれば、『異文化』そのものの 企画にも携われたらと思います。

 大学の授業では味わえない貴重な体験をさせていただき、編集会議の皆さまには心より御 礼申し上げます。

(国際文化学部 15 期生・上田瑞季)

 9・11(アメリカ同時多発テロ)から早くも 15 年が経とうとしている。当時大学1年生だっ た私はボストンにいた。「異文化」は、色々な仕方で私たちに訪れるものだと痛感した。

 科学技術が進歩し、科学実証主義的な風潮がある一方で、アメリカ中が、神!神!神! 

で一色だった。愛国心と信仰心で激しく高揚するアメリカの姿は、日本人の私には衝撃的だっ た。その後、それまで以上に、私は宗教と人間、資本主義経済、テロリズム、正義、善悪 etc

…色々と考えるようになった。そして、とうとう頭の中はぐちゃぐちゃになった。本誌の表 紙のように…。

 「異文化」とは何だろう。「国際文化」とは? きっと、10 代、20 代にしかない感受性と吸 収力というものがあるはずだ。学ぶことの凄さとは、世界観がどんどん広がることだと思う。

本を読み、他者の話を聞き、考え、悩み、葛藤すること。そして調べること。本誌は、今を 生きる学生の頭の中の、ほんの一部を紹介したにすぎない。

 同じ国、同じ時代に生きていても、興味や考え方は様々だ。

 ヒマな時にペラペラめくり、新しい関心や興味の幅を広げてもらえたら嬉しい。

 世界は異文化だらけ、知らないことだらけだ〜。

(国際文化研究科博士後期課程・田島樹里奈)

(3)

183  個人的には、久しぶりに『異文化』の編集に携われたことを嬉しく思っている。しかし、

15 年ほど前、司修先生(法政大学名誉教授)たちと一緒につくった『異文化』創刊号と比べ ると、まだまだ全然だめだと思う。司先生から学んだことが、ほとんど生かされていないか らだ。

 司先生は紙見本を取り寄せて、ひとつひとつ手触り、紙質、紙色、光沢、さらには紙の重 さにこだわり、インクがどのように紙にのるかを印刷所の担当者に事細かに聞いていた。し かも、ほとんどおひとりで「異文化」を編集し、全体のレイアウトを決め、学生のつくった 表紙のデザインのアレンジまで手がけられた。私にしてみれば、本を「作る」(「書くではない)

ことの面白さに触れた貴重な経験だった。

 司先生は、ご自身が作家であるだけでなく、ノーベル賞作家・大江健三郎氏をはじめ、著 名人の本の装丁を手がけるブックデザイナーであり、アーティストだ。だからこうした作業は、

彼にしてみれば、当たり前のことなのかもしれない。しかし、私にとっては強烈な「異文化」

体験だった。実は、「異文化」体験など、私たちの身近にいつでもどこにでもころがっている。

要するに、自分と他者との「差異」にどこまで気づけるかということなのだ。

 悲しいことに、私には、デザインやアートの才能が欠落している。そこで本誌の表紙のデ ザインは、上田さんと田島さんの二人に、遊び心満載で多少とも狂気も一役買っている下絵 を描いていただき、それをプロのグラフィックデザイナーである星野愛弓さんがポップにア レンジするという、コラボレーション作品として実現した。

 次号は、さらに進化した『異文化』を皆さんにお見せすることができるだろう。それは、

大学の一学部が出す紀要や雑誌のひとつの新しい形を提案するようなものになるだろう。『異 文化』がまさに皆さんにとっての「異文化」であるような(本当かな?)

(国際文化学部/国際文化研究科教員・森村修)

参照

関連したドキュメント

事  業  名  所  管  事  業  概  要  日本文化交流事業  総務課   ※内容は「国際化担当の事業実績」参照 

郷土学検定 地域情報カード データーベース概要 NPO

在学中に学生ITベンチャー経営者として、様々な技術を事業化。同大卒業後、社会的

講師:首都大学東京 システムデザイン学部 知能機械システムコース 准教授 三好 洋美先生 芝浦工業大学 システム理工学部 生命科学科 助教 中村

技術部 斉藤 晃 営業部 細入

スペイン中高年女性の平均時間は 8.4 時間(標準偏差 0.7)、イタリア中高年女性は 8.3 時間(標準偏差

 文学部では今年度から中国語学習会が 週2回、韓国朝鮮語学習会が週1回、文学

夏期は、 St.22 及び St.35 で無生物であったほか、 St.6 及び St.25 でもわずか 1 種類 1