九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
スウェーデンの司法
萩原, 金美
https://doi.org/10.11501/3092849
出版情報:Kyushu University, 1993, 博士(法学), 論文博士 バージョン:
権利関係:
ル秋原合法一大川行 スウェーデンの
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本書
の目的と惜成については
、序章に先き立っ
てそれを明らかにしているので
、「はしがき」
などについて一言しておきた
い。 では木書成立の事情
私は、裁判官生活一五年の後、比較的短い
弁護士生活を経て研究者の道に転じた者であるが
、在官中から裁判官の任命・養成の問題につ
いてはわがこととして
いささか考え続けてきた。
そし
てこの問題の一
環としていわゆる法曹
一
について強い関心をもっと同時に、
わが国に
おけるその論議の在り方に若干の疑問を感じてもいた
。研究者 一冗(弘削)
生活に入ってからは、裁判官の任命・養
成な
いし法曹一元というような問題は、生粋の研究室育ちの法学者にはおそ
〔私法二七号らくあまり興味を惹かない研究対象であろうし(このことは法曹二冗をテ iマ
とする私法学会のシ
ンポ
ジウム
ト七七四号ご九八二年〕九五頁参照)、また多忙な実務家には、
(一九六五年)所収〕を一読しただけでもある程度推測できよう。
なお、
三ヶ月草「民事訴訟法と裁判法の三十余年同・完」ジュリス
」れを突っ
込んで検討するための時間的余裕が得られ
まい、としたら、この問題
の研究をすることは自分に課せられた使命ない
し義務ではないか、こ£っこob曽・4J争i当初私は、世界の主要な国々の裁判官任命・
養成制度の比較法的研究を行なうという壮大な
、あるいは無暴な計画 と次第に思い込むよう
を樹てた。神奈川大学在外
研究員として一九八一年秋に米国に赴いた際、
ネヴァダ州リノ市にある州裁判{円の研修機 関であるジュディシャル・
カレッジ(FoZE52乙えいの互の。=包常)
の研修に参加したり、ニューヨークの司法運常研究
所令官FEzzoごEE己〉仏EEm門『白ZOコ)で裁判
官任命(選挙を含む)関係の資料の蒐集に努めた
りしたのは
、そ
の
ための
基礎作業
の一
つのつ
もりであ
った (このような
作業の断片
は拙稿
「法曹
一元
(論)
の試論 的検討」〔神奈川大学法学研
はしがき 11
究所研究年報4〔一九八三年〕所収〕のなかに散見されるはずである)0 しか し私は結局
、この方向で研究を進めることを断念し
、ス
ウェーデ
ンに お け る裁判官任
命
・養 成制 度(とその周 辺の問題)の研究に焦点を定めることにした。
世界の主要な国々の比較法的研究といってもたん その理由の一つは、
に平板な制度の静態だけの比較研究ではあまり意味がないし、
とい
ってそれ以上のことはとうてい私一人
の手に
負え
ない難
事であるこ
とを悟ったからである。
しかしもう一
つの理由は
、この問題
に関して裁判法および民事訴訟法
の研
スウェーデ
ン法の研究
者でもある
、とい
う自分の立場をできるだけ生か
した研究をま
と
めてみた
い、と 究者であり、
考えたからである。実のところ怠惰な私をしてかなりの
長年月にわたってこの研
究に執着
させてきたも
のは
、スウェ ーデ ンの裁判官任命・養成制度、
ひいてこの国の法・司法のきわめてユニ
ークな相貌であったといってよい。
それは
この
研究の一段落
したいま
、ますます強く私の学問
関心を刺戟
してやまない。
ひっきょう
、私はス
ウェーデン法を終 生の研究課題の一つとし続ける運命にあるのであろう。
そしてそれを悔いることは決してあるまいと思う。
本書の主要部
分を成す論稿は
、「故」
の初出一
覧の示すよ
うに数 年間にわたり
書き
つがれたもので
あるが
、立法上、
制
度上の変化が激
しいス ウェーデンでは、
その問に
重要
な改革が相次いで行なわれているし
、また、統計数値等にも
変
動がみられる。
これらをすべて岐近の二必の時点で
統一することも考えたが
、そうすると記述の
バランスがくずれ ニュアンスが変ってしまったりしてしまうし
、ま
たすでに古
く
なった事実や数値臼体にイ分意味があり
、それ
を
そのまま残して
お
きたいも
のもある。
そこで
立法上、制度上の主
要な変化は
明記
したが
、
必ずしも
重要でないと判 断される事項や数値についてはあまり手をつけないことにし
た。
私としては、
このような方針がたんに筆者の
手抜き
ではな
く(その一面が多少あることはあえて芥定し
ないが)、
本書の内容をより豊富にし、
かつヴィヴィッドに感e
しさせる
たり、プラスの役目を果しうることを願うものである。
」の研究の過程を通じて、そしてそのささやかな結実として、本書が戎るについては、実に多くの方々(組織・団体も含めて)から御協力、御援助を賜わっている。
スウェーデンの関係者については別にスウェーデン語の謝辞をし
たためて謝意を表することにした。
」こではそれ以外の方々について記したい。
まず、ストックホルム在住の畏友竹崎孜氏〈元駐スウェーデン・日本大使館特別調査只)と澄子夫人を挙げなければな
らない。御夫妻には資料の入手
についての御援助やスウェーデン事情に関する数々の御教示に加えて
、ストックホル
ム滞
在中しばしばお宅を
宿所
にさせていただくなど、
とうてい筆舌に尽くせぬほどお世話になった
(そしてこれから
もなることであろう)0駐日・スウェーデ
ン大使館広報部の石井新太郎および藤井ユリ子両氏からは資料入手
な
どの
面で何
かと温い御配慮を賜わったo神奈川大学法学修土佐藤和之君
も文献の調脊や原稿の浄書について部分的に手助
けして下さった。
また、木蓄の
刊行にあたっては(株)弘文堂編集部の編集課長丸山邦正氏に終始大変お心遣いをい n-J-、h』OJ/争JIV4I
上記の方々ならびに紙幅の関係上
ここに列挙はできないが学恩を受けたすべての方々に対して心から厚く御礼申し
上げる。
lましがき
最後に、の完前に捧げることをお許しいただきたい
父。
の希望ないし助言が本書を亡父周 (徳光院照岳周道肘士) なければ私は裁判官に
ならなかったかも知れないし、
また、父
の肺 州に
よる主O代での
急 死 (そ
の年齢
にい まや私も近 きづ
つつある)がなければ、
私の人生コlスはおそらく現在とは遺っていたことであろう。
思えば父のがんが私をスウ-1 ・1・1
ェlデン法の研究、
木引一一日の執筆に導いたといってもよい。本引が誰かに捧げられるべきだとしたら、父以上に」さわ
V
1. Personer:
Aspelin, Erland Bergendahl, Lars Bolding, Per Olof Bõrjesson, Mats Ekelöf, Per 010f Elwing, Carl-Magnus Holmgren, Kurt Johnson, Jan Karnell, Gunnar Knorring, von Lars Landahl, Tore Larsson, Sven Martinger, Sven Matz Åse Nobel, Peter Rune, Christer Skarstedt, Carl-I var Spak, Carl-Anton Wallström, Lennart Wilhelmson, Lars Ahlén, Lars
。rn, Claes H.
Hovrättsråd
はしがき ル
し し、
人は
九\ / 考え 年 ら れな
ノ、 し、
月 の
で あ る。
Denna bok är tillk en genom värdefulla påpekanden och med hjälp av många svendqr(iTIKILlsive myndigheter och organisationer).
など
eras h均och vänlighet 同州et va川州知mいfärdigstäIla Fδr att visa min tacitsamhet skulle Jag vilia rakna upp alla som hjalpt mig menv utrymmesskäl kan jag bara räkna upp några.
Advokat Professor emeritus General direktör Professor emeri tus Professor F. d. regeringsråd Lagman Professot
Informa tionssekreterare Hovrättspresident Hovrättslagman Hovrä ttsfiskal Kammarr品ttsassessor Advokat
Hovrä ttslagman Hovr品ttspresident Lagman Hovrättsassessor Hovrättslagman Hovrättslagman Hovrättsass俗sor
2. Myndigheter och organisationer:
DomstoIsverket
Förbundet för jurister, samhällsv巴tare och ekonomer Juridiska fakulteten vid Lunds universitet Lunds tingsrätt
Sveriges advokatsamfund
Tj品nstefるrslagsn品mnden fるr domstolsväsendet Universitet och högskoleämbetet
荻原
金美
An en gång vill jag uttrycka mitt hjãrtliga tack.
Yokohama, ]apan i mars 1986 Kaneyoshi Hagiwara
Vl
本書の目的と構成
本
ud
は、(1)
スウェーデンの司法を裁判官任命・
養成制度を中心として、あるいはその視角から紹介し、検討すること(2)
一国の司法運蛍の窮極的な担い手は裁判官(
肘)
であり、その任命・
養成の問題の研究を通じて司法を目的とする。の核心的部分が促えられるのみならず、また弁護士や検察官等の司法における役刈
・
機能も自ずからある程度まで解 明されると考えるからである。そして、十本位日はおの日的のために、裁判官任命・長崎制度プロパーのみでなく、これ と密接に関連する周辺の問題すなわち法学教育および法実務教育と司法に対する国民参加というこつの問題も取り上げる。そこで本書の惜成は次のようになる。
スウェーデン司法の特一日を明らかにしかっその慨観を行ない、第I部以下の論述の導入部とする。 第I部では、
裁判官長成教育の前段附をなす法学教育および法実務教育H司法実務修習に加えて
、法学教育の担当者 序平において
、
である法学教師の問題を取り扱うo後者を
とく に取り上げるのは、法学教師は法曹の一環として注目に値する存在で あると共に、法学教師が学生すなわち将来の裁判官
(
等の法曹)
に与える影響は看過しえないものがあると忠われる からである。続く第E
部では、主として裁判官任命・養成制肢の現状をなるべくヴィヴィッドに紹介することを試み るo
転じて第皿部では、司法に対する凶民参加を問題にする。このテ ! マ
は、
裁判官の任命・
養成と密岐に関連する と考えられる問題であると同時に、それ自体民主司法における最も重要な課題の一つである。最後の第N
部では、ス
ウ
ェi デンにおける法曹一元論の形成と展開
、
別言すればこの国の銭判官任命-
養成の問題点と改本(
論)
の動向を フォローする。終草においては、この研究の一応の結論というべきもの、とくにわが国の司法なかんずく裁判官任命・養成の在り方に対する示唆が述べられる。なお、〔補説〕を中間に設けて、法曹の転域(種)と法曹団体に関する概説を行なう。
以上が本書の目的と構成のアウトラインである。
(1
) 裁 判官の「任命」と「養成」の問題を厳密に分離して論ずることは無意味だと考える。英、米のような法曹一元の国では
弁護土(等の)実務そのものが裁判官の長成過程であり(とくに英国のパリスタについてはこのことが妥当する)、キャリア
裁判官制のもとでは下位の裁判官職の執務は上位の裁判官職への任命H昇進のための長成過程を意味する、という商があるか らである。なお、わが国の法令用語としては、「任命」は選挙による場合を含まず、また「任用」とのあいだに微妙な荒異が
あるが(林修三ら編『第五次全訂新版法令用語辞典』{一九七六年、学陽書房〕五三三頁参照)、本書では任命という語をこれ
らも者を包含することがある広い意味で用いる。
(2)近年、とくに民事訴訟法学では訴訟過程に重点を山はいた斑論構築が有力になりつつあり、この立場からは当事者ないしそ
の代理人である弁護士の役割の重要性がとくに強調されることになる
。
しかし訴訟過紅における当事者間の公正な対論確保を
するためには、中立的第三者としての裁判官の役割が、むしろ従前以上に大きなウェイトをもってくる面もあることが冊立さ
れるべきである。筆者が司法運営の窮傾的な担い手は裁判官(用)だというのは、右のような理論状況も考慮に入れた上での
言明であることを念のために一言しておきたい。
��占のrHIリと構成
V!I
VIIl
凡
例
文献、
法令その他の
資料の引用および
略語
例の表記は
、
原則としてス
ウェーデン式にした。略語
例の主要なものを示
すと次
のとおりである。〉(白)・巳・凶-H〉(白)ロ芯丘白白『ゲ巾門司
〉(白)・
三-H〉(白)ロ芯丘白
己主一命
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前掲書(論文) 前拘箇所 頁 ロ凹」cumHU門日告白円550
ロ門印問。『ぽ」ロHY丘一三包οヨュ033Z【
巴∞は、印刷されずステンシル版で公表される政府の 立法関係委日以会ないし省のプロジ
ェクトグループ等による報告書で、
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は法務省関係のそれを意味す
る。
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新法作
雑誌第一
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裁判所判例集 Z』
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部 新法
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法学士
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社会学士組合雑誌」Cω巴ハHH,EmT5Z『135ア
gsz=22白『0270roコOヨ巾『
法学士・社会学土・経済学士組合雑誌(]己ωの後身) ωニ叶,H印〈gmr百円広三ι巳ロぬ
スウェーデン法曹時報 吋∞〉HdrrFrz吋印〈ぬ円一∞2包〈orEEヨPE
スウェーデン弁護士会雑誌(一九八三年一月号からE〉含oE【33と改
称。但し、
旧称も副題として残されている)
フィンランド法曹会雑誌
肩書(当時のもの)、インタヴューな
どの日時・場所は以下 のとおりである(順不同)。引用のさいは、たんに「:::とのインタヴュl」などと表示する。
ボールディング(京「O一O『∞oEEm)||ルソド大学法学部教授
一九八一
年一一
月初 め
から
一 九
八二
年一
月半ばま
で
の 間 随
時、ルン大学等ドにおい
て。メ
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玄。
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)||ルンド地方裁判
所判
事
一九八 一
年一一
月二八
日、同地裁に
おいて。 引用した
、イ
ンタヴュ
ーなどに
よる聞き
苫き
の対象者の氏名アスベリlン(何去三宮克一吉)||スコlネおよびブレーキンゲ(ωE
DOOの「巴oE話。)高等裁判所判事
同年
二 一
月一一一
日、岡高裁において。 ルンディlン(旦白『ロo「5ED)||'ルンド地裁司法実務修習生同年
一一
月中
、ルンド地裁において
。ポ 1
リェ ソ
ン(玄巳N
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己28
ロ)||司法行政庁長官一
九八二
年一
月一
四日同庁において。クノlリング(「雪印〈Oコ間口025m)||同庁広報担当官同日、同庁において。
パル
ム(叶O円凹門325)||裁判官職推せん委此会調究官、高裁代理判事同日、司法行政庁において。
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日、同地裁に
おいて。マッツ(〉田宮包N)||JUSEK裁判V部門専従者、行政高裁代理判事同月五日および一一日
、JUSEKにおいて。
x
グァ!ルストレlム(「25「【毛色印門HOE)||JUSEK
裁判官部門専従者
、高裁代理判事
同日、同所において。
d MV
凡
ベルゲンダlル(回g恒∞巾『mgEZ)||スウェーデン弁護士会事務局
長、弁護士
同月一O目、
問弁護士会において。
引用した、
筆者の照会に対する関係機関からの回答は次のとおりである(但し、
①は駐日スウェーデン大使館を介
して照会
した)。①
スウェーデン大学庁
(EZ雪印←円21277cm凶吉一ZSC22)からの一九八三年九月二八日付回答||「大学庁
からの回答」
と略記する。
⑦ スコlネおよびブレーキンゲ高等裁判所長官ランダlル(斗03「SEr-)からの一九八六年一月一五日付回答||「高裁
長官ランダ1ルからの回答Lと略記する。
③ 司 法行政庁からの一九八六年二月二七日付回答
四スウェーデン語の名詞の表記は、なるべくれ数不定
形(例えば裁判所の唱数不定
形は牛OB氏。一、慢数不定形は仏og凶円。一白「、
単数定形は
門戸05凹円。一3、
便数定形は仏og氏。一号E)としたが、
文献資料中の表記をそのまま用いた場合もあり、
必ずしも統一
的でない。
五スウェーデン
語の固有名詞の発
音表記はなるべく原
音に 忠実であることを心掛
けたが、日本語に
よる表現の問題など
を考慮
して多少の修正をこころみたものもある。
六訳語の決定にあた
っては可能なかぎりその実質的立味内容を探求
し、
それを友現できる訳語を選んだ。
安易にわが国におけ
る類似の用語を訳語とし
て採用することはむしろ誤解を招くおそれがあるの
で、
つとめて避けた(例えばC門叶包己認
を審議会
と訳するようなことはしなかった)。
「司法行政庁からの回答」と略記する。
日
次
はしがき
議j辞(スウェーデン文)
本書の目的と構成
凡
f列
序 点早
スウェーデン司法の特質と概観
第I部 法学 教育と法 実 務教育:・: 円f'.41寸
第一章
47
法学教育・:
第二竜
78
法学教師:: 第三章
法 実 務 教 育
11法 司 実 務 修 習
98 次
第I部
裁判官任命・養成制度の現状:;
同
判事補の養成教育 ・ AHwd n,b -EEA 第一軍
Xl
」け同裁代理判事 円,,ephBU --A 第二章
Xl1
第三章
正規の裁判官職||高裁
判事および地裁判事を中心
として||
166 次
193
と法曹団体 法曹の職域(種)
〔補説〕
回
第E部
司法に対する国民参加
1 .. ,A qfzM
第一章
原則的形態としての参審制
214
第二章
版出 訴訟
お ける 陪審 制
第百部 法曹一元論の形成と展開 -lA 円,,.n,,M
第一章法曹一元論の形成
272
第二章
法曹一元論の展開(その一)||『聞かれた裁判官歴』をめぐる論議||
噌aaA'EEA ndjυ
第三章法曹一元論の展開(その二)ll第二の波ll--:・:::
終
章若干の結論的考察
383
政ーー初出一覧を兼ねて11
397
序 章 スウェーデン司法の特質と概観
六五四三二一
r}J .rI 憲法と司法 行政の特質 行政における法の支配 裁判所および裁判官職の概観
結 語
序
この序章では、以下の研究を進めるための基礎作業として、
スウェーデン司法の特質と慨観をみておくことにする。
けだし、以下の記述から直ちに明らかになるように、この国の司法はその特質も概観も外の
観察者にとってすこぶ る理解しにくい面を有しているからである。
(1)
司法、裁判所または裁判官ということばないし概念は一見目明のようにみえるが、実は国によりまた時代によって(2)(3)
異なるものである。これらについてわが国における現代の通念ないし既成概念をもって直ちに他国の対応物を等値的に理解しようとするのはきわめて危険であることはいうまでもない。こ
のことはわれわれの研究対象であるスウェーデン司法の場合とりわけ重要である。その例証として、次に一つの文江を読んでみよう。
(4U
320一三∞or一一コぬ)は、そのユニークな訴訟法入門書ルンド大学法学部の訴訟法主任教段であったポ!ルディング(5)
のなかで、この国における典型的な「正規の裁判官」について、次のように抗与している。2
「これら典型的な正規の裁判官の特徴とは何か?それはおそらく次のようなものである。
彼は恵まれた社会的環境の出自であり、少年および青年時代を、概して社会規範によく適合して過ごしている。真面目に基礎的学校教育を終えたのち、彼はウプサラ、ルンド、またはストックホルムの大学で法律学を学んだ0・
法学士試験に合格し
たの
ち、彼は最低二年間裁判所で実務修習をした
(たぶん六か月間は弁護士または枚察官の許で)0 それから高等裁判所および地方裁
判
所で代る代
る執務をした。おそらくその聞に立法関係
の調査委員
会の
幹事
としていまや、彼は裁判行職への正式任命を受けている。:::彼は罷免されること専務し、裁判官の執務を中断している。
その経歴の頂点に達したと考えなければならない。さらに
最
高裁判所判事
にまでなろうと(6)
望むのはあまりにも来観的なことである。」
がない。他方、彼は通常、
スウェーデンの司法制度に関するなんらの予備知識なしにこの記述を読んだだけでは、
その意味は必ずしも正確に
とらえがたいであろう
。
( 日
制を採
りながら正、正の裁判
官職への規 かしさ、右
記述ら没然とながら理解しのかーデれるのは、スウ判
キャリア裁てはいおェ ン
に式任
命までに長い遍歴の道程
ーー
しかも裁判
所外
でのーー
があること、お
よび、正式任命は昇進の一過程としてではなく、むし
ろ その し
一応
の頂点とて考えられていることである。こ
の
二
点において、
わが国などのキャリア裁判官制とは著しく異なる特徴をもつことが注目されるはずである。
スウェーデン
の裁判官任命・山完成制山は、筆者がかつて用いた分類法によれば、キャリア裁判官制のなかのオープン
・シ ステムと
(7)
よぶべきものなのである。そしてそうだとすると、まず問
われるべきはこのような特異な裁判
行制
を成立させている 司法の特質は何か、ということであろう。
このようなわけで、
必
要最小
限のスウ
ェ
ーデン司法の特質に関する正しい基本的知識を得
ることは、この国の裁判官の任命・養成制度(およびこれに関連する問題)を研究するために不可欠の基礎作業を成すといわなければなら
ない。のみならず、この作業はスウェーデン法(一般)に関する比較法的研究を行なうためにも重要である。けだし、法
学
の研究(者)はその対象たる法律がいかなる機構によって実現されるか、
すなわち司法制度の在り方について無関心
(8)
であることは決して許されないはずだからである。」うしてわれわれは、
スウェーデン司法の特質こいう困難な課題に第一
に挑戦することを迫られるのである。
憲法と司法
スウェ
ーデ
ン芯法における司法に関する規
定
をみることから出
発しよう。(9)
一九七四年制定の統治組織法玄関内5mえ05)によれ
ば、統治組織法、
壬位継承法(凹己円円23コmO「含Em)および出版 の白巾に関する法律(門司ヌrrzzo『OE己コぬ
)の三つが基木法(肉吋52山吉「)を構成する(統治組織法一章三条)。かつて
(ω)
は国
会法(ユ
ZE
mmO「含5
m)
も基
本法に属
したが、現在では基
本法と通常
の法律
との中間的地位
を
与
えられている。 まず、スウェーデン司法の特質と概観
すなわち、
国会法の主要規定の改廃は通常
の法作よりも絞首な手続を必要とする
の
であ
る(統治組織法八章二ハ条)。
右
三基
本法のうち
統治組織法が統治の機構および
市
民の基
本的権利 ・向
由などについて
定
める最
も重要な基本法であ(U) (UY
り、他
国において憲
法とよばれるものに相当
するとされる。そこで以 下
、統治組織法を泣法とよぶことにしようc さて、スウェーデン窓法上、
司法ないし法判所の観念は必ずしも明らかで
ない
。
一九
七四年
制定
の憲
法(以下
、た
んに沼法というときはこれをさすが、
一民別が必要な場合にはこれを新店法といい、その前接の前身である一jO九年制定の泣法を旧
沼法とよぶことにする
)
は、「第一世
芯法の芯木原
理(
己主 TE83
に5
母)
」の目法判裁にめたの条司「おいてに八
「「所
が存在し、そして公行政のために同家および地方n治体の行政機関(芯三回一三兵印ヨヨ去らのおふが存在する。」と規定 するのみであって、「第
一
一市
序草
司法および行政
(「山門門間一三℃℃コ』コぬO円一dHO円〈一位一円ロ一口ぬ)」
の市下
にも
司
法ないし裁判
所の定
義3
はみ られ ない
(旧態法も同様で、
たんに「王国の同等裁判所およびその他のすべての裁判所は法令に従って裁判しなければなら
ない:::」〔四七条〕などと規定するにとどまった)。
4
新基木法調査会(ぬ『ロロEamgz含Emoコ)
は、憲法一章七条として「銭判所は法律上の争訟について判断し、刑罰法
令を適用し、
およびその他法律問題を審査し、:::行政機関は決定機関の命令を執行する」旨の規定を設けることを
これは関係機関団体からの意見表明の段階 (切
、
多方面から強い批判を受けた。批判の中心は、
行政機関も広範聞に法律問題を独立的に審査す
る(この点はス
ウェーデンの行政機関の特殊性と
関連する1後述ニ参照)し、
(M)
という点にあった。提案したのであるが、
他方、 裁判所の司法活動も国会または政府によって決定されたことの執行を包含する、
その結果、
い 新
?こ 苫、
第次 法の で 制 あっ定つ三に fこさあ。 fこ っ て は 司法と行政に実質的定義を与えることは竜安ではないと考えられ、
現行の規定に落ち着
それゆえ、一章
八条によれば司法と行政との区別は全く形式的なものとなり
、裁判所の活動が司
法であり、行政機凶の活動が
行政ということになるわけである。
(そうだとすると、
いかなる国家機関が裁判所または行政機関に属するか、
の判定が重要であるが、」れがまた必
ずしも容易でないことは後述のと
おりである。)
しかし、
憲法が司法と行政との実質的定義を欠いているとはいえ、
裁判所と行政機関との問の職務の分配にあたっ(げ)
て若干の原則が指導していることは明らかであ
るoそれ
らの原則はとくに法的保障(円以5murFE)
の理由に基づくも
のである。
一章三条は、
私人間の法律上の争訟は原則として裁判所が判断する旨規定し、
二章九条は、
犯 罪 例えば またはその嫌疑による自由の剥奪や、
その他
の強制的監護の批判明山は裁判所によって再審査されうる旨定めている。
他
方、私人
間の市民法上の紛争のみでなく
、歴史的に紛争の有無にかかわりなく裁判所の管轄に属せしめられている事
関する滋法上の形式的自由性は、
いかなる問題を司法または行政に分掌させるかに(山崎)実際には法治国家にとって基本的な諸原則により制約されているのである。 項、
例えば家族法上の地位に閃するそれもある。
」のようにし
て、
ところで、
憲法の諸規定(例えば二章九条・
二条、二章一l五条・二条)は、ある国家機関が裁判所
で あ る
こと
(印)を前従にしているが、いかなる機関が政判所であるかの判断は必ずしも容易ではない。法により裁判所という名称を
与えられている機関についてはその名称が決定的基準となると考えられる。そうでないものについては、裁しかし、
判所は通常行政機関よりもより高度の水準の構成をもち、(初)(引)別することになろうとされている。 かつ、より発展した手続を適用するという基準に則って区 これを要するに、新古法は司法と行政とを実質的に区別することの困難性を認め、(辺)下に規定するにいたったのである。 一一章において両者を同一の章
きて、以上の記述はスウェーデンにおける行政の優位性を印象づけ、法の支配の不十分さを懸念させるかも知れな
い。だが、事態は全くその反対といってよいのである。スウェーデンの行政の伝統における最も某本的な要素は法の(幻)(以)支配の優越なのである。行政学者の井出嘉憲教授にならって「行政文化」ということばを用いるならば、スウェ1デ
スウェーデソ司法の特TÏと慨観
ンの行政文化の最大の特徴は徹底した法の支配にほかならないのである。
このいわば矛盾的秘密を解明するためには、スウェーデンの行政の特質、およびこれと密接不可分の関係にある行
政における法の支配という問題についてしばらく検討してみなければならない。そこで進んでこの問題について、主
として司法との関連に力点を置きつつ検討することにしよう。
行政の特質
英米、西独、仏などほとんどの西欧型民主主義国家||わが国を含めてーーはもちろん、多くの社会主義国家も大
序fF:
臣(ないし併の長官)がその者の所管事項に関する行政機関の長日間取市立任者であるとする、いわゆる大臣行政(E'
5
言明円。円{O『〈丘三コ伺)のシステムを採っている。これに対してスウェーデンでは、省(仏告白『Z53円)と行政(『O「〈釦一E5ぬ)の
6
機能が分断され、
省はその所管事項に関して法案を準備・作成し、
最終的予算案を作成するなど、主として政策の計
画形成を担当するにとど
拐
、個別的な法の執行H
行政は中
央行政庁( 35
535
とその他の行政機関の権 限に属するのである
o中
央行政庁とは、一般にその所管
事
項が全国的であり、か つ直
接
に政府の下
位に立 つ行 政庁で
(お) あ
り、その総数は約一OOに達仁認。この数には
二
四の県中
央行政庁(一吉田ミ
包括
)が含まれている。行政機関とは(mm)
その職務にかかわりなく
、すべての中
央、地方の行政上
の公権力を行使する機関をいう。
大臣は省の所管
事
項に関して行政機関に対する具体的な指揮
監督権を有せず、行政機関は独立して行政を行な
う
反面、
これ
に関
する 責任はすべて行政機関
が
負い、その限りでは大臣には国会に対するなんらの政治的責任も存しないのである
。
国家行政機関は1|| 中
央行政庁はもちろ ん、
その他の行政機関も
||
大臣の下
位に立つのではなく
、政府スウェー
デン の国家行政機関はすべて、米国の独立規制委員会(円E43含己目omtg・
(初)
円。ミ の055F印色。コ)と同様の存在だと考えれば理解しやす
いであろう。所管大臣の影響力は、
法的には悶僚の一員とし に直属する
。 この 意味において、 て当該案件に関する法令の変更を問題として取り
上げ
たり、
政府をしてその権限内において行政機関に対する
指
示を発せしめるように
ここ
ろみることだけである。そして、政府
ないし省と行政機関との間の交渉は形式的に文書
で行な
その大
部分は公文書公開の原則により公開されるので、
市民は両者間の交渉をフォローし、
行政過程をコント
(む)
ロールす
る機会を与えられるのである。
われ、右の政府、省および行政機関の関係を図示
すると
、次のよ
う
になる。
大臣行政
シ
ステム
llfi
ー店ー同一
スウェ
ー
デン
型行政システ ム
|互|
:::Jレ、
は 注*の行政は本省内局を示し、**の行政は外局や地方支分部局を示すと考えてよい。
出典
戸。コロ白吋門戸ロロ門HAE-2・司O円〈白一円巳ロ∞何回M-門凶作門旬。一昨urh凶印可凹Z52(NCE)一-Hω∞H)凹・ωω・ω印・
スウェーデン司法の特質と慨観
このよう
なス ウェ
ー
デンの行政システ
ムは北欧諸国のなかでも特異であって、デ
ン
マ
ーク
とノルウェ
ーは原則とし
て大臣行政システムを採っ
て おり(もっとも、とくにデンマークでは戦後、スウェーデンのような独立的行政機関が増加しつ
つある)、フィンランドはかつ
てス
ウェーデン王国の一部を成し、法的にも共通性が多いためか、原則としてスウェI
(犯)
デン
塑行政シ
ステ
ムに拠っ
てい
るものの、
大規模 の任務は有が
行なている。かっ
需要な行政っ この行政機関の独立性は
ス
ウェーデンにおいて長い
伝統を有し、旧定法にも明定されていた(
四七
条)。アン
ドレ
l序章 ン(ZF〉三芯ロ)らによれば、この独立件は際中、的にはH向市川の時代H(『ユ70EEg)における同会の行政情動に対寸る
(お) (お)
介入というネガ
ティヴ
な経験と、この
時代に続
くグ
ス
タ
lヴ
王朝の諸国王の行政組織に対する干渉に対する官僚の反(お)
応によって説明されるといわれる。しかし
、この独立性の謄史はより十円く、現代スウェーデン行政組織の起源とされ
(お)
る一七世紀初頭に遡るといえよう。7
一
六三
四年の統治組織法によって同家の統治組織はスヴェ
ア山裁その他
五
つ合の
8
議体官庁(ro=oEC3)
に組織
されたが
、適用される法を基準とする厳格な所管事項の配分は行なわれなかった。
国王 ところで注目すべきことは、
高裁以外の合議体官庁も高裁をモデ
(幻)
という点である。
はこれらのすべてに優幽する至尚の権力を有した。
時、国家権
ルとして組織され、
その行政手続は通常裁判所の訴訟手続に強
く影響を受け
ていた、
力の任務はきわめて限定されており、
主として法と秩序を維持し、
外敵に対して防衛し、
そして租税を徴収
する
こと
が問題であったo
行政機凶は裁判所に近い性格をもってお
り、
その法令の解釈にあたっては杢忠的
な判
断の余地が制 約されなければならなかったo
行政における優越
的な価値は、すべ
ての市民に対して平等か
つ公正な取扱を保
障する ことに置かれ、法的保障が第一の価値基準とさルぽoこのようにして、
行政機関の独立性は市民に対する法的保障
の
ための装置として発足したということができようo
このことはスウェーデンの古典的
公務 員像と密接に関連する。
す
それは次のような
ものであった。アンダション(ω50コ〉主命吋凶印。ロ)らはいう。
「スウェーデンにおける
国家公
務員の古典的像は明確か
っ一義的であるo
かれは公 正であり、同家権
力と法に対
して忠誠であり、そして政
玲
ド超点 としている。か れの職務は裁判官の
それに類似する。すなわち
、存観的かつ
公正に法令を適用
すること
にある」とc
このようなスウェーデン型行政システムは、 なわち、
ときに論議の対象となることはあっても、
決して重要な政治的問題と はならないまま、
現在に至っている。
批判者は、とりわけ大
臣行政の不
在は民主主義の制約を立味する、と論ず
るo そこに は公務 員が政府に忠
実でな
く、
かえってその政
策に反
対するということが示唆さ
れている。
これに対して
弁護
する側はいう。
スウ
ェー
デン型行政
シ
ステムは全く問
題なく巧みに
機能しており、これを変
更すべきなんらの現
MJも
ないo他方、
大臣行政は大臣が行政の 例々の案件に介入しうることにより法的保障にとって明白な危険を意味する。
(れ)
は、権威
的決定
が万人
のために平等に適
用さ
れるための
保
障を意味
する」とc
「独立の裁判所に近似した行政の存在 周知のとおり、
スウェーデンでは若干の中断はあったがすでに半世紀にわたって社会民主党が政権を掌握している。
(日)
しかしあ
る調査
によれば、各
省の上
級公務げは
のな
か
で同
党の党はでるあ
者の数は約
七
%、同党
の
同
調者(同党
に投
票( 出 )
した者)の数を含めても約一O%と算定されるにすぎないのであ
る。この
数は行政機関の公務員についてはより低く
(何)
なるとみられている。だがそれにもかかわらず、政府、与党の側に公務日の信頼性に対するとくだんの不満は聞かれ
ない。
スウェーデンの行政システムは巧みに機能しており、
公務けはが非政治的な判断をすることには大きな価値があ り、そして結局のところ、党員ないし向調者であっても、愚かで怠惰な公務只は、保守的な公務員に劣る、と考えら
(日刊)
れているのである。新
志法
も、この伝
統的な行政機関の独立性を維持
することを明定
した。現代
の世界
的
傾向
である
国
家機
能、' '・ -e為
、しナ μ ・刀
って行政機能の著しい別大を考えるとき、
長寸川医福祉同家というべきスウェーデンがこの伝統的な行政システムをも
(幻)
って果して行政を円滑に機能させることができるのか、日外者の限には疑問にみえないでもな
い。しかし、稲社同家
スウェーデソ司法の特質と概観
が厳格な法の支配を失うとき、それは一積の恩恵的専制宅義に陥り、民、十七宅義の対局物に堕してしまうおそれがある。このことは多くの国々の現実、
例えばわが国の補助金行政の実態などを顧みれば院ちに首肯しうるはずで
ある。新店法一一章六条一項は、
中央行政庁、県中央行政庁およびその他の国家行政機関(但し、
芯法および法律の規定により同会
に印刷するものを除く)は政府の下位にある円
規定する。この規定によ
てっ
、大田行政を否定するスウェーデン型
(刊)
行政システムの採用が代一汗されている。そしてさらに岡市八条は、「いカなる公的機関、国会、地方門治体の決定機閃も、行政機関が個人または地方円治体に対する公
権力の行使(百三岳∞ro円mog-品)または法の適用に関する特定の案
(刊)
いかに決定すべきかについて定めることはできない」と規定する。
したがって、裁判所による行政のコ件において、
序11 ントロー
ルの可能性もきわめて制限されたものとならざるをえない。
この点においてスウェーデンは、これを一般に
(回)
認める隣国
のデンマ
ーク お
よび
ノ
ルウェ
ーと若しい糸川ん
を一
ぶすのであ
る。9
以上を要するに、スウェ
ーデンの行政は古米大臣行政システムをボH注しており
、行政機凶は際山ん的にその組織・手
統とも裁判所をモデルとして形成されてき、
そして
現在においても店法上裁判
所
に近い独立 の地位、
権
限を有する機
10
凶
とし て位位づけられて
い
るのであ
る。
四
行政における法の支配
前述
三
でみたように
、
ス
ウェーデン
における 行政の独立性は本来行政における法的保附のために
仔
在しているので あるが、われわれ呉邦人の立場からは、行政権
力の行使を抑制する適切・
有効な災附を作わなけ
れば市
民
にとって恐るべき脅威と化す危険
をはら
むのではないか、という疑念を恰て去ることができない
。 い
ずれ詳述するようこ上
級公 務員の多くが裁判官 の養成教育を受け、
(日)
(内在的)条件となろうが、
それは一
つの必要条件であっても十分条件とはいえまい。
しかし、
われわれがこの問題に 裁判官的思考、行動
様
式を身につけ
ていることは右の抑制
の た め の
一つの
口を向けるとき、
スウェ
ーデ
ン法は行政における法の支配を最高度に打徹するた
めに 実に多種多
段
な、しかもきわめて有効・
通切な装ほを備えていることに焼かされるのであるo
ここではそれらのなかから、
とくに電要かつ比較法的 にユニークなものとして、公務凡の厳格ぷ
任、
行政手続法の訴訟手続法との近
似
性および行政法到論に対する
訴訟
法
(臼)
理論の影響の三点について論及してみたいと思う。
ト) 公務員の
厳格
責
任
スウェーデンの公務員は、
右にみたような高度の峨務上の独立性の代償として、
伝統的に他同に類をみないほど厳 格な職務京任を課されてきた。
後述のように一九七五年における公務ハの服務立任に関す
る
刑法改正にいたるまで独 立的
決
定権
をもっ公務( 日)
れていた。
作為または不作為により職権を誤用した場合、
はH職務責任U(UB〈33凶〈白『)
と称される特別の刑
事
完任
を負うこ と が刑法
二
O誌に規定さ その犯罪が重大なときは罷免され、かつ最高六年以下の拘 祭に処せられ(川阜一条)、怠慢、
j1lf:
、及各国普、しるが評は、つつあ国際的にその長所を高く価され
世
界に)(」己目立ごの02σz牛山ヨ位コムブツマン ・統制制度である同会オスウェーデンに生まれたユニークな行政歌山京せられ)O叫叫んた(同意最低罰金、または停職に処 知lきがにより職務迎反を犯た場合はそれ別、
個の犯罪を借成しないとでもし無能 訴追を行なう特別検察宵
であることにあったのであ(
問。 実はその本来的戦務は公務員の職務犯罪に関して調査し、ところで、刑法二O立は一九七五年にドラスティックた変ホをこうむることになった(印司∞巴昌一830同章は擦を変え、刑事上の厳格な職務責任は実質的に消滅し (時oこ
れを促がした要因は、一つには、公務員の労働組合とり
わけ下級公務員府からの、公務只の地位を日める反而同時に、その職を危険にさらす右の刑事責任を廃止しようとす
く
る粘り強い努力であり、二つには公務只と私企業の労働者とを灰別するところのいかなる伝統的ルiルも除去しよう
(mむ
とする政治権
力者の平等志向に
求
められる。とのようにして、従前は刑事責任の対象とされていた行為の多くは懲戒処分の手続により処理されることになったのである(かつては刑事罰として免職または停職が併科される旨規定されていた)Oスウェーデンw�J法の特Tîと慨観
しかし、それまで課せられていた厳格な職務責
任
から全く解放された」
の変革をもってスウェ
ーデン
の公務尺が、とみるのは早計のようである。制皮肉体の変革はできても、その基底を流れる伝統は、そう容易に変化するものでは
FK
の法文を誤解して、機密保護法(凶OT353)一九八O年に、
+九 し
このことを示唆する事例を一つ次に紹介してみよう。、。
罪とならない事実について被告人を検察官(地区首席
検事)が起訴したところ、弁護人も裁判官(地裁判事代行H高裁代血判事。後述五参照)もそれに気づかず有罪判決がなされ、第一審の有罪判
決
が上
訴なしに確定した後、被告人とされた者から同会オ
ムブツ
マンに対する巾告があり、判 決
序fE
は検
事
総長の巾立に基づく再審により最山政において破楽
されたが、オムプツ
マンは右の検察廿および政判官に対す る起訴を相当と認めてこれを川町検事
に委似
した結果、(ωEZ。各国一をロ官)いけ川等裁判所に
起訴
1辺、
11
一九/
二年に県検引はれ川名をスコ1ネおよびdブレーキ
ンゲ
(m叩 )
という事件が起きている。
このような事
件
はわが国
の司
法関係者にと
っては驚くべ
きことかも
知れないが、スウェーデンにおいては決して珍
12
しい ことではないのである
o例えば、訴追裁量を誤っ
た検察官が刑
事
訴追を受ける危険にさらされる
こ
とは
、これま
(印)
で当然のことと考えられてきているのである。
(斗 行政手続と訴訟手続との近似性
す
でに述べ
たように
、スウ ェ ー
デン
の行政手続は 歴
史
的に訴訟 手続を
モ
デル と
し
て形成されて
きた
。そして、
両
者 の近似
性は行政手続に関する制定法が
存在
す
るにいた
った 現在
にお
いても、基本的に
この
国
の行政手
続を特徴
づけて
いるのであるo
制定法としては行政裁判所の訴訟手続については行政訴訟法(Z2巳E5官官02mm}お〔巴ご
包戸〕)が、
行政 手続 につ いては「行
政法」(芯
三国一5
5宮
古ぬ
〔HS
T NS〕
)が法
規整をし
て い る
。
しかし講学上
は
両者を合わせて
「行政訴訟法」(向。ミω一gE官官。の何回目吋広三)とよばれている。
ラlグネマ
ル ム はいう。
「行政訴訟法という用語は、
行政上
(臼)
の決定手 続
に
関する形式に
ついての諸規定
お
よび 一
般
原
則の複合体
の総称として用
いられる」
と
。伝統的
に
行政手続と通常裁
判
所の 訴訟手続との間
に
密接な関係があることは、これ ま での記述
か
ら容易に推察さ
れ き るtま で、
訴 あ 訟 ろ手 う 続 。 法 行 に 政そ 手 の iWG i告 は則 訴 を 訟 求 法め 的 る 伝 こ 統 と を を 持 い強 有し ら て れ き Tこ た の 。 で 長 あ(い る巳あ
行 だ 政 行 手 政 続 官 法 は 規 行 の 政 撃 手 術 続 充 明実 文 に の伴 規 い 定、 ヵ:
そ 欠の 倣 必 し要 て 性 い は る 減 と 少し
つつ
ある。しかし依
然として行政手続における法の欠歓は
存在しており
、
「
一般訴訟法は
、{
講学上 の
〕
行政 訴訟(臼)
法にとって、
H手助けしてくれる老女μ
としての役割をまだ終えていないのである
0」
(ω)
行政手続
と訴訟
手続との
近似性を
示
す
好箇の一例として
、次に
行政手続におけ
る除斥・
忌避(古〈
)の問題につ いて みよう
。
なお
、こ の問題はわれわ
れに
とって理
解が困難であると
共に、比較法
的にきわめて
重要なものと考えられるので
、
本立の本筋からはいささか離れるが、
やや詳細に紹介することにしたい。
または合議体の惜引はとして行なう者およびその準備や調査・報告を行なう者ーーーたんな る補
助
者を除くーー
について
、法は除斥・
忌避の規定を設け て
いる。これ
らの公務兵
はすべ
て、その見解が当該案件
(UZEO)の結果に影枠をおよぽしうる機能を有するがゆえに、私人の法的保障のため、かつ社会公共の見地から、か
(印)
れが倒飢の疑いを受けうる事件の処理に関わらないことが極度に危安だと考えられているのである。
除斥・忌避は公 行政
上 の
決定を
単
独で
、行政全般について画一的ではなく、
領峨ないし事項により異な
る規定の適用を受ける(行政訴訟法四一条、
行政法四|
(U) 五条、
地方向治体法(}Sヨヨgzm〔53A芯〕〕二章二二条)
。
行政法は国家公務円以について、学説上八筒に分知される除斥・思避事由を規定している(四条一項)0
①
かれ口身またはその隣人が申請人である建築許可の事件)0
案
件
が公務員
日身に
関す
るとき(例
② 案件の結果が公務以
にとって著しい利害を伴うと予期
されうる
とき(例 を申詰した場合、公務以が株式の過半数を所有するとき)。 株式会社が工場建設のための建築許可 スウェーデン司法の特質と概観
③ 公務只の配偶者、両親、子、兄弟姉妹またはその他の近親が、事件について①または②の関係を有するとき。
その他の近親のなかには、親族のみならず、同棲ドの相手なども合まれる。
④ 公
務員
または③の者が、①
または② の
関
係
にある者の法定代別人
(法
人 ・同 体
の代
表者を含む)
であ
る
とき
。⑤
いわ
ゆる 前
審関与
の事
件である と
き。
案
件
につ
い
て代
理人
であったとき。⑦⑥ 対価を得て事件を補佐したとき。
序ti
「対価を得て」という要件は、公務はは市民に対して助づけ等のサlヴィスを与える
こと
が多いため、このよ
うな場合まで不当に除斥・
忌避の対象となることを防止するためである。
13
その他、
公務
此について案件
の処
則
における公
平性に
対するいい似
を存うような特段の
事
情が仔
花するとき。③