長岡ホノルル平和交流記念事業報告書
2 0 1 5 0 8 2 0 記 者 フ ゙ リ ー フ ィ ン ク ゙ 資 料
1.国立太平洋記念墓地(パンチボウル)献花
真珠湾攻撃で亡くなった兵士の方など約3万人以上の方々が眠るパンチボウ
ルで、厳粛な雰囲気の中、長岡訪問団約160名が黙とうし、市長や議長など代表
者6名が献花を行った。
【内容等】
日時:8月13日(木)午後2:00~3:00 【ホノルル現地時間】 会場:国立太平洋記念墓地 内容:管理責任者のジェイムズ・ホートン氏によるあいさつの後、森市長から追悼の あいさつを行い、サイレント・タップスと呼ばれる演奏に併せて全員が黙とう をした。その後、森市長と関市議会議長、東久邇信彦氏と山本源太郎氏、丸山 商工会議所会頭と原国際交流協会理事長の6名が献花。また、ワイキキ沖での 花火打上げに大変ご協力をいただいた故ダニエル・イノウエ上院議員の墓碑に も代表者が花束を捧げた。 式典会場は、接近するハリケーン「ヒルダ」の雨の影響を考慮し、墓地管理者 の好意により、急きょ、大型テントと椅子が用意されるなど、米国側の丁寧な 対応が感じられた。2.ホノルル市長表敬訪問
公式訪問団12名が、ホノルル市のカーク・コールドウェル市長を表敬した。
コールドウェル市長からは、これまでの両市交流に対する感謝と、記念事業に
対する長岡市の努力について謝意が述べられた。
森市長からは、青少年が平和に対する活発な議論を通してサミット宣言をす
ることに触れ、今回の記念事業を通じて、今後とも両市がさらに友好を深め、「平
和」を力強く発信していくことを確認した。
【内容等】
日時:8月13日(木)午後5:15~5:40 会場:ホノルル市役所 応接室 内容:表敬では、市長のほかアメミヤ副市長、ジョルジッテ・デーマー副助役も出席。 長岡側からは、森市長夫妻、東久邇信彦夫妻、山本源太郎夫妻、丸山商工会議 所会頭、原国際交流協会理事長などが出席。応接室には森市長がプレゼントし た「火焔土器」が立派なケースに収められており、大切にされていた。 また、コールドウェル市長は、昨年の長岡訪問の際の慰霊行事への出席が自分 の心を大きく動かしたと言っておられた。1
3.両市主催夕食会
両市主催による夕食会を開催。両市及び米海軍の来賓を含め、約300人が出席。
夕食会では、両市長のあいさつのあと、在ホノルル日本国領事館の三澤総領事
のごあいさつや、越後長岡訪問団を代表して、大林宣彦氏がスピーチ。
また、長岡少年少女合唱団による「さくらさくら」の合唱や、森市長が贈っ
た栃尾産アロハシャツにコールドウェル市長が大感激するなど、心温まる和や
かな雰囲気で夕食会が開催された。
【内容等】
日時:8月13日(木)午後5:30~7:20 会場:カフェ・ジュリア 内容:市役所近くのレストランで開催された夕食会 は、長岡訪問団約200名、ホノルル市及び米 海軍約100名が参加。コールドウェル市長は、 ステージ上に掲げられた大手高校書道部の 書を皆さんに紹介し、素晴らしい書だと会場 の皆さんから評価をいただいた。また、長岡 少年少女合唱団の「さくらさくら」は、会場 に静寂になり、中には涙を流している方々も あり、アンコールの拍手が鳴った。 夕食会は、両市及び米海軍のこれまでの準備 を含め、三位一体を感じされてくれる和やか でパートナーシップ・フレンドシップを感じ させてくれた。4.アリゾナ記念館 献花
長岡ホノルル日米友好記念事業委員会のメン
バー及び両市の青少年サミット参加生徒、長岡少
年少女合唱団の児童など約100名が参加。
米海軍の特別な配慮により、専用のボートを提
供いただき、真珠湾攻撃に関する映像を見た後ア
リゾナ記念館にボートで移動し、市長と青少年サ
ミット参加生の一人、矢澤亜依さんが代表献花し、
全員で黙とうを捧げた。
【内容等】
日時:8月14日(金)午前10:00~11:20 会場:パールバーバービジターセンター及びアリゾナ記念館 内容:アリゾナ記念館への入館については、現在、予約ができなくなり、多くの人数 が参加することは大変困難であったが、米海軍とパ ールハーバービジターセンターの配慮により、大勢 の訪問団が参加できた。約900名の方が残されてい るアリゾナからは、まだ油が海面に流れ出ており、 サミット参加の青少年のコメントでもあったよう に、戦争の悲劇が70年たった今でもこうして現存し ている(させている)現状に、長岡の青少年は日本 との違いを実感していた。2
5.長岡造形大学とハワイ大学建築学部との交流調印式
長岡造形大学とハワイ大学建築学部との相互交流調印式が、ハワイ大学の校
舎で開催され、約50名が出席した。
調印に先立って、両大学の交流の中心的役割を担い、先日急逝されたスペン
サー教授への黙祷が捧げられ、その後長岡市が制作したメッセージオブピース
の映像が上映された。調印は長岡造形大学和田学長、ハワイ大学建築学部ブリ
ードマン学部長により行われ、調印後、森市長がスピーチをされた。
【内容等】
日時:8月14日(金)午後1:30~2:30 会場:ハワイ大学マノア校建築学部 内容:当日は、長岡市長はじめ多数の来賓に 同席いただき、あわせてハワイ大学の 教員、学生も出席され調印式が挙行さ れた。 調印者は長岡造形大学和田学長、ハワ イ大学建築学部フリードマン学部長。 協定書に記された交流内容は、両大学 学生の共同作業によるワークショップ の開催、留学生の相互派遣、教員によ る交流の3点。調印式終了後、中庭にて 記念撮影と記者会見が行われ、臨席者 によるティーパーティも開催された。6.太平洋戦争終結70周年追悼式典
フォート島のパールハーバー・ヒッカム合同基地を会場に、追悼式典が一般
非公開で開催され、長岡市訪問団約210名を含む約450名が参加。
最初は、アリゾナ記念館を目の前に望むアリゾナマーカーで献花式を開催。
法螺貝やハワイ詠唱のあと、ジョージ・メンデス米海軍司令官の祈祷から始ま
り、スコット・スウィフト米国太平洋艦隊司令官、両市長、両議長等による献
花、そして記念碑の除幕を行ったあと、参加者全員が献花をした。
献花後、会場を移動し、追悼式を開催。スウィフト氏、両市長のあいさつの
あと、記念の盾の交換が行われ、ジョージ・メンデス氏の祝等のあと、葬送曲
に黙とうを捧げた。式典のフィナーレとして、白菊3発を打上げた。
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【内容等】
日時:8月14日(金)午後5:30~8:00 会場:真珠湾 フォード島 パールバーバー・ヒッカム合同基地 内容:当日は、風も強くフォード島以外のところで は雨が降るなど心配であったため、追悼式は 時間を早めて開催された。米海軍からは、百 名以上の兵士が配置され準備や式典運営の サポートを行っていた。また、海上では米海 軍のボートにより400個の灯籠が流された。 白菊は、予定よりも10分早い午後7時50分こ ろから打上げられ、参列者の祈りとともに、 真珠湾の夜空に献花が行われた。 式典終了後に、両市長は記者会見を行った。7.ホノルル市議会との交流
8月14日には意見交換会を、14日・15日には
市内視察を実施。
【意見交換会】
意見交換会では、長岡市議会議員7名がホノ ルル市議会を訪問し、ホノルル市議会議員5名と 意見交換を行った。議会運営や市政、地域住民と の関わりなど様々な内容について理解を深めると ともに、議員同士の親睦にもつながった。【市内視察】
ノースショア(オアフ島北部の海岸地域)にあ るワイメアバレーとハレイワの町、また、ワイキ キから車で15分ほどのところにあるカピオラニ・ コミュニティ・カレッジで開かれる市場を視察し た。ノースショアでは多くの熱帯植物や歴史的・ 文化的にも重要な遺跡、昔ながらの町並みなどが 見学でき、市場では地元の農産物や加工品の販売 方法、地域住民や観光客との関わりを学ぶととも に、カピオラニ・コミュニティ・カレッジの概要 についても話を聴くことができた。4
8.平和・未来シンポジウム
平和・未来シンポジウムは2部構成で行われた。
最後の発表者となったセントルイス・スクールの生徒は作り込んだ映像に
よって発表、シンポジウムを締めくくる素晴らしい映像であり、来場者は食
い入るように見ていた。
【内容等】
日時:8月15日(土)午後4:00~5:30 会場:太平洋航空博物館 来場:約170人(太平洋航空博物館を訪れた一般客の姿もあった。) 進行:エドウィン・ホーキンス氏、モデレーター:ポール・ハインツ氏 内容:第1部「両市の平和・歴史関連施設の活 動紹介」には、真珠湾にある太平洋戦争 関連施設(USSアリゾナ記念館、太平 洋航空博物館、USSミズーリ記念館の 3館)がそろって参加してくれた。長岡 市の2館(山本五十六記念館、長岡戦災 資料館)を合わせて5館の代表者が順番 に、それぞれの施設や活動の概要を紹介 した。持ち時間を大幅に超過して熱弁を ふるう館の代表者もいた。 第2部「両市青少年による「平和」に関する意見交換会」では、長岡プログラ ムのダイジェスト映像(約3分)を上映した後、両市の代表者(ホノルル市2 人、長岡市3人。)が訪問先で体験したことを発表した。 代表者は次のとおり(発表順) 1 新潟大学教育学部附属長岡中学校 新保 希梨(しんぼ きり)さん 2 新潟大学教育学部附属長岡中学校 西野 弥佑(にしの みゆう)さん 3 長岡市立宮内中学校 高田 倫太郎(たかだ りんたろう)さん 4 プナホウ・スクール ジル・ナカヤマさん 5 セントルイス・スクール ダニエル・チョーさん9.青少年平和交流サミット
長岡プログラム、ホノルルプログラムの二つのプログラムをとおして、両市
の青少年が、平和をテーマに交流した。異文化体験や、ワークショップでの話
し合いを進めながら、両市のたどってきた歴史を振り返るとともに、未来に向
かって若い自分たちに何ができるかを考え、平和友好記念式典において「平和
サミット宣言」として内外に発信した。
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【サミット参加者】
・長岡市15人 長岡市内中学校3年生 (8校:男子4人、女子11人) ・ ホ ノ ル ル 市 8 人 プ ナ ホ ウ ス ク ー ル 女 子 4 人 セ ン ト ル イ ス ス ク ー ル 男 子 4 人 ( 年 齢 1 5 ・ 1 6 歳 )【内容・感想等】
・1日目、ホノルル到着日は、空港で、ホノルル 青少年の出迎えを受けた後、ミズーリ記念館訪 問、ホーキンス氏案内によるフォード島歴史散 歩を行った。戦争の爪痕を目の当たりにした生 徒たちは、これまで長岡で学習してきたことと 現実をあわせて、深い印象を持ったようであっ た。 ・2日目、パールハーバービジターセンター、ア リゾナ記念館訪問し、献花を行い、追悼の思い を新たにした。夜は、追悼式典で白菊花火を鑑 賞し、ホノルル青少年とともに、平和への道の りに思いをはせた。 ・3日目、ビショップ博物館でハワイの歴史を学 び、ココナッツチョーカー作りやフラダンス体 験をして楽しいひと時を過ごした。 午後は、平和未来シンポジウムに臨み、 3人の長岡中学生と2人のホノルル青少 年がそれぞれ発表を行い、これまでの交 流内容と感想を披露した。夜は、平和友 好記念式典において、全員がステージ上 に登壇し、心を一つにあわせて、各市の 代表者がそれぞれ、英語、日本語により 平和サミット宣言を発表した。 終了後は、両市の青少年全員が達成感 に満ちた表情に輝いており、笑顔に満ち 溢れ、花火の興奮とともに、余韻を味わ い尽きることなく写真撮影を行っていた。 ■長岡市を訪問した生徒8人と、ホノルル 市で再度交流できたことから、参加生徒2 3名が一丸 となり、友情の絆も深まり、 本事業の目的は十分に達成された。 ■ホノルル市側の参加生徒の中では、自分 の人生が変わったと言っている生徒もおり、 日本の大学に進学したいという男子生徒が 2名いるということであった。 また、長岡中学生の中には、英語の先生に なりたいという生徒もいた。このように、 本事業は各生徒の人生に大きな影響を与え ている。6
10.平和友好記念式典
前日同様、フォート島のパールハーバー・ヒッカム合同基地を会場に、平和
友好式典が開催され、長岡市訪問団約230名を含む約450名が式典に参加。
式典は一般公開され、花火観賞者を含むフォート島内での来場者は2万8千人
と発表された。
オープニングは、ステージショーが開催
され、地元ホノルルの太鼓団体やハワイア
ンバンドのほか、長岡からは長岡アロハク
ラブの皆さんが音楽とフラダンスを披露し
た。その後は、米海軍主催の夕食会が屋外
で開催され、両国の参加者が共に歓談した。
式典は、エドウィン・ホーキンス氏が司
会を務め、ジョン・フラーハワイ海軍地域
司令官の開会のあいさつの後、両市長が挨
拶。森市長からは、日米のパートナーシッ
プ、両市のフレンドシップにより、未来の
平和を築きあげていく青少年にしっかりと
引き継がれほしいという願いや、長岡花火
が世界中で平和のシンボルとなることへの
願いを込めたあいさつがあった。
その後、青少年平和サミット参加生全員がステージに登壇し、両市代表が英
文及び日本文で力強くサミット宣言を行い、続いて長岡少年少女合唱団と地元
合唱団による合唱があった。花火打上げ前には、歌手の平原綾香さんによる「ジ
ュピター」の歌が披露され、盛大な拍手が
湧き上がった。
長岡花火の打ち上げは予定通り午後8時
に始まり20分間、約2千発が真珠湾の夜空を
彩った。
【内容等】
日時:8月15日(土)午後4:00~8:30 会場:真珠湾 フォード島 パールバーバー・ヒッカム合同基地 内容:前日の厳かな式典とは違い、明るく親しみのある式典となり、早くから一般市 民もフォード島に入島した。米海軍の話では過去最高の入島者となり、島には 入れない市民の方々が対岸の公園やビジターセンター、さらには合同基地内の 駐車場も開放されるなど、予想をはるかに上回る観客となった。 長岡訪問団の皆様からは、「感動した」「素晴ら しい記念行事」という感想をいただいた。帰国後 に米海軍の担当者からも感動と感謝の心温まる メールが届いた。 歴史も文化も仕事の仕方もすべてが違うものが 集まり、ひとつの目標に向けて全力で当たった 「チームワーク」こそが、この事業の裏舞台での 成果だと感じている。7
終了後に海軍宿舎で開かれた共同記者会見にて ★2日間の式典を振り返って、学んだことは… ◆森市長「米海軍やホノルル市、協賛企業と大変大勢 のみなさんにご協力いただきました。これはひとえに 平和という言葉の重み、特に子どもたちに平和の大切 さをつないでいくということがみなさんの心を動か し、協力体制が整ったからだと思います」。 ◆コールドウェル市長「『協力』という言葉が強力なキーワードだったと思います。日 米は友人であります。友好の絆を元に強くつながっています。今日は大勢の観客が見て いました。米国人、日本人、いろいろな人が集まって、音楽を楽しみ、花火を楽しみま した。みなさん言葉はないけれども同じ思いで、同じ方向を向いていたと思います」。 ◆フラー少将「お互いの過去の歴史を忘れない。そして、それを元にした友好の絆を大 変強く感じました。私の子どもも来ていましたけれども、両市長が手を組み、肩を抱き 合って協力している姿を見ることができ、子どもにとっても大変良かったと思います」
11.関連イベント
ホノルルでの交流事業を多くの市民と共有できるよう、アオーレ長岡でのパ
ブリックビューイングや長岡市内での白菊打ち上げを実施した。
■パブリックビューイング
8月15日(土)午後2:30~3:20【日本時間】 NSTが「太平洋終戦70周年記念式典」を生中継 会 場:アオーレ長岡ナカドマ 来場者:200人8
8月16日(日)午後2:30~3:30 TeNYが「平和交流記念式典」を公開生放送、パブリックビューイング 会 場:アオーレ長岡 交流ホールA、ナカドマ 来場者:450人(交流ホール生放送230人、ナカドマ220人)■白菊打ち上げ
(新潟日報主催WHITE PEACE PROJECT長岡市は共催)
白菊3発打ち上げのほか南中学校生徒による ジ朗読、キャンドル点火など。 平和のメッセー 日 時:8月15日 会 場:水道公園ほか 参加者:約100人