平成29年度事業実施計画実績
資 料 編
-イノシシ-
目 次 1 被害状況 (1) 農作物被害の推移 ··· 1 (1) 人身被害 ··· 1 2 捕獲状況 (1) 捕獲数の推移 ··· 2 (2) 狩猟捕獲の状況 ··· 3 (3) 被害防止捕獲の状況 ··· 4 3 防護柵の設置状況 (1) 防護柵設置延長の推移 ··· 5 (2) 防護柵の維持管理 ··· 6 4 生息地における取組状況 ··· 6 5 モニタリング調査 (1) 出猟カレンダー調査 ··· 7 6 捕獲の担い手の状況 (1) 狩猟免許所持件数の推移··· 7 (2) 狩猟者登録件数の推移 ··· 8 (3) 被害防止捕獲班員数の推移 ··· 9 7 捕獲個体の利活用の取組状況 ··· 10
1 被害状況 (1) 農作物被害の推移 平成 29 年度農作物被害額(速報値)は、113,557 千円となり、被害の減 少傾向が継続している。作物別では、稲 73,948 千円、野菜 25,838 千円であ り、この2種類で被害の 88%を占める。 図1 農作物被害額の推移(平成 21~29 年度) 図2 作物別被害額の推移(平成 21~29 年度) (2) 人身被害 平成 29 年度は、市街地にイノシシが出没し、人身被害が4件発生した。 市街地への出没件数 備考 市町村 うち人身被害発生件数 負傷者数 6件 4件 8名 京都市 表1 平成 29 年度イノシシによる人身被害発生件数等 1
0頭 1~9頭 10~29頭 30~49頭 50~99頭 100~199頭 200~299頭 300頭以上 2 捕獲状況 (1) 捕獲数の推移 平成 28 年度の捕獲数は、12,719 頭(狩猟捕獲 4,158 頭、被害防止捕獲 8,561 頭)となった。 図3 捕獲数の推移〔オス・メス別〕(平成 10~28 年度) 捕獲場所をメッシュ単位で集計したところ、図8のようになった。 図4 平成 28 年度 メッシュ別捕獲数(狩猟+被害防止) 2
0頭 1~9頭 10~29頭 30~49頭 50~99頭 100~199頭 200~299頭 300頭以上 0頭 1~9頭 10~29頭 30~49頭 50~99頭 100~199頭 200~299頭 300頭以上 図5 平成 28 年度メッシュ別イノシシ捕獲状況(左:狩猟、右:被害防止) (2) 狩猟捕獲の状況 各規制緩和の実施に伴い、イノシシの狩猟捕獲数は増加傾向にある。 図6 狩猟捕獲数の推移(平成 10~28 年度) 3
(3) 被害防止捕獲の状況 急な増加が見られる年度があるものの、各種補助事業により、捕獲数が増 加傾向である。 図7 被害防止捕獲数の推移(平成 10~28 年度) 平成 29 年度被害防止捕獲数は、12 月末時点速報値で 7,189 頭である。 例年、12 月末捕獲数は、年間捕獲数の約 96%であり、平成 29 年度捕獲数 は、平成 25 年度水準になると見込まれる。 図8 被害防止捕獲数の推移〔通年及び 12 月末時点〕(平成 23~29 年度) 4
1. 0km未満 1. 0~5. 0km 5. 0~10. 0km 10. 0~20. 0km 20. 0~30. 0km 30. 0~40. 0km 40. 0km以上 0頭 1~9頭 10~29頭 30~49頭 50~99頭 100~199頭 200~299頭 300頭以上 3 防護柵の設置状況 (1) 防護柵設置延長の推移 平成 29 年度は、302kmの設置が見込まれており、目標延長 3,200km に対 して、3,089km(96.5%)となる見込である。 図9 防護柵設置延長の推移(平成 23~29 年度) また、メッシュ別では、図 10 のようになり、府内全域で整備が進んでい ることも見て取れる。 併せて、防護柵の整備が進んでいる地域は、捕獲も積極的に行われている。 図 10 メッシュ別防護柵整備延長(平成 23~28 年度累計延長)(左) ※右図は、図4(平成 28 年度メッシュ別捕獲数) 5
(2) 防護柵の維持管理 タスクチーム活動により、防護柵の管理実態や動物の侵入状況調査を行 い、調査結果を基に「侵入防止の手引き」を作成した。 (※タスクチーム活動:研究と普及が一体となり、現場への早期普及を図る取組) (※「侵入防止の手引き」は、末尾に添付) 4 生息地における取組状況 農村集落における生息地の拡大を防ぐため、集落をエサ場としないための 普及啓発活動等を実施。特に、冬場の「ひこばえ除去」や「残渣のすき込 み」を農業関係団体とも連携して普及啓発を行った。 図 11 冬場の集落環境対策 普及啓発チラシ 6
5 モニタリング調査 (1) 出猟カレンダー調査
平成 28 年度狩猟捕獲の出猟カレンダーを分析したところ、「銃猟CPU E」は横ばいとなった。
(※CPUE:単位努力量あたりの捕獲数(Cutch Per Unit Effort))
図 12 出猟カレンダー調査結果(CPUE) 6 捕獲の担い手の状況 (1) 狩猟免許所持件数の推移 平成 29 年度見込(※)は、4,348 件(第一種銃猟:1,445 件、第二種銃猟: 36 件、わな猟:2,639 件、網猟:228 件)である。 (※ 狩猟免許試験による新規取得や、狩猟免許更新による更新後を反映した、年 度末時点で有効な免許件数) 狩猟免許所持件数の推移は、わな猟免許所持数が増加するとともに、第一 種銃猟免許所持数の減少に歯止めがかかり、全体で増加している。 図 13 狩猟免許件数の推移(当該年度末に有効な免許件数)(平成 23~29 年度) 7
狩猟免許の増加は、新規取得の増加が大きく寄与しており、平成 29 年度 の新規狩猟免許取得件数は、405 件(第一種銃猟:89 件、第二種銃猟:10 件、わな猟:284 件、網猟:22 件)である。 新規取得の増加は、狩猟の魅力をPRするとともに、狩猟免許試験の実 施回数を増やしたことによる。 狩猟免許試験は、平成 25 年度までは年2回開催であったものを、平成 26 年度は年5回開催、平成 27 年度から年4回開催している。 図 14 新規狩猟免許取得件数の推移(平成 23~29 年度) (2) 狩猟者登録件数の推移 狩猟者登録は、狩猟免許所持者の増加に伴い、平成 26 年度を底に増加に 転じ、平成 29 年度見込は 2,810 件(第一種銃猟:1,243 件、第二種銃猟: 50 件、わな猟:1,478 件、網猟:39 件)となっている。 図 15 狩猟者登録件数の推移(平成 23~29 年度) (※ 平成 29 年度は、3月8日時点での登録件数) 8
また、種別ごとに、府内の狩猟免許所持者の狩猟者登録割合をみたとこ ろ、第一種銃猟ではほぼ一定(約 70%前後)で推移しているものの、わな 猟では漸減している。 このことは、新規に狩猟免許をとったものの、狩猟を行っていない者が、 わな猟で増加していると考えられる。 図 16 府内狩猟免許所持者の狩猟者登録割合 (3) 被害防止捕獲班員数の推移 平成 29 年度(4月時点)における市町村の被害防止捕獲班員数は、実人 数で 1,425 名となり、年々増加している。 特に、わな班員数が 1,078 名となり、増加が顕著である。一方、銃器班員 数は 789 名で減少傾向にある。 図 17 市町村被害防止捕獲班員数の推移(平成 21~29 年度) 9
市町村被害防止捕獲班員の早期育成を図るため、新規狩猟者(インターン 生)が講師(マイスター)から実地訓練を受けるインターンマイスター制度 を実施している。平成 29 年度は、31 名受講し、17 名修了(※)した。 (※修了要件:①2年間講習受講 ②1年狩猟者登録+1年講習受講) 図 18 インターンマイスター制度(銃)受講・修了者数の推移(平成 23~29 年度) 7 捕獲個体の利活用の取組状況 捕獲個体を地域資源とするため、食肉(ジビエ)として利用する取組が府 内で取り組まれている。 中丹地域では、「野生鳥獣肉生産工程管理制度」を制定し、登録狩猟者: 11 名、認証施設:2事業者、登録店舗:18 店舗を決定した。 併せて、森の京都エリアの食の魅力をPRするため、夏ジビエフェアと冬 ジビエフェアが開催され、47の飲食店で自慢のジビエ料理が提供された。 さらに、国が進めるジビエモデル整備地区にも府内から2地区が選定され、 ジビエ利用拡大の取組が平成 30 年度から本格的に開始する。 10