3-1 理⼯学部・材料機能⼯学科 岩⾕ 素顕 [email protected]
アナログ電⼦回路
トランジスタ トランジスタとは? トランジスタの基本的な動作は? バイポーラトランジスタ JFET MOSFET (エンハンスメント型、デプレッション型) MOSFETを使った代表的な回路(CMOS) 1-1 1-1電気回路で考える素⼦(能動素⼦)
抵抗・コイル・コンデンサ v i v i v idt
di
L
v
R L Cdt
dv
C
i
Ri
v
3-2 • 上記の電流・電圧の関係式を満たす素⼦をそれぞれ、抵抗・コイル・コンデンサと呼ぶ • 各素⼦には⽅向依存性はないとしているトランジスタとは?
3-3 トランジスタ v 外からの信号(電流or電圧) 電流i 電流iは外からの信号で制御される バイポーラトランジスタ・・・電流制御型電界効果トランジスタ(Field effect transistor:FET)・・・電圧制御型
E:エミッタ C:コレクタ B:ベース ⾜から⾒た図
トランジスタ
※東芝のHPより 3-4中程度の不純物濃度のp型層 ベース→Base→B 低い不純物濃度のn型層 コレクタ→ Collector → C ⾼濃度の不純物濃度のn型層 エミッタ→Emitter →E プレーナ技術を⽤いて作製した npn型バイポーラトランジスタの構造 エミッタとコレクタは同じ型 だが、不純物の濃度が異なる ので、逆につなぐとトランジ スタ動作しない。
トランジスタの構造
3-5n型半導体とp型半導体とは?
Si結晶の中に、たとえばV族の原 ⼦であるヒ素(As)を⼊れる ⇒結合に関与しない電⼦がある ⇒熱エネルギーで電⼦が⾃由に動 けるようになる ⇒このような半導体をn型半導体 と⾔い、電流は電⼦が寄与して流 れる 3-6n型半導体とp型半導体とは?
Si結晶の中に、たとえばIII族の 原⼦であるホウ素(B)を⼊れる ⇒結合されない電⼦状態が存在 する(正孔) ⇒熱エネルギーで正孔が⾃由に 動くようになる ⇒このような半導体をp型半導 体と⾔い、電流は正孔が寄与し て流れる 3-7どのようにトランジスタを作製するのか?
使う装置はイオン注⼊装置
イメージ図 実物写真 ※アルバックのHPより 3-8イオン注⼊装置とは?
⾼エネルギーのイオンをウエハに衝突させて、 物理的にウエハ表⾯内に不純物を埋め込む⽅法 ※アルバックのHPより 3-9 トランジスタの詳細(回路記号、特性) npn型 pnp型 ベース:B コレクタ:C エミッタ:E ベース:B コレクタ:C エミッタ:E ⽮印:電流の向き トランジスタの回路記号 ⽮印:電流の向き 3-10トランジスタの電流、電圧
3-11 B E C IB IC IE VCE VBE VCB IE=IC+IB B C FEI
I
h
hFE:直流電流増幅率 キルヒホッフの法則 書き⽅と⽮印の向きに注意エミッタ接地(npn型トランジスタ)
3-12 E C B 演習:下記のトランジスタが動作するように直流電圧源を接続しなさいエミッタ接地静特性 2SC1815の例
3-13 B-Eはpn接合ダイオード IBを変化させることによってICが変化 IB=0.2mA IB=0.5mA IB=1.0mA Siトランジスタの場合、VBEの⽴ち 上がり電圧は0.6〜0.7V 東芝のHPから引⽤155
2
.
0
31
FEh
演習: 図からVCE=5V, IB=0.2mAのときのhFEを読み取りなさい。 3-14演習:トランジスタにIB=30A流したら,IC=6mA流れた。このときのIEはいくらか?また、
hFEはいくつか? 3-15 IE=IB+IC=0.03+6=6.03mA
200
03
.
0
6
FEh
IB IC IE IB IC IEエミッタ接地以外の接続⽅法
B E C ベース接地 B E C VEB VCB コレクタ接地 演習:下記のトランジスタが動作するように直流電圧 源を接続しなさい VBC VEC 3-16℃ -55〜 125 Tstg 保 存 温 度 ℃ 125 Tj 接 合 温 度 mW 400 PC コ レ ク タ 損 失 mA 50 IB ベ ー ス 電 流 mA 150 IC コ レ ク タ 電 流 V 5 VEBO エミッタ・ベース間電圧 V 50 VCEO コレクタ・エミッタ間電圧 V 60 VCBO コレクタ・ベース間電圧 単位 定 格 記 号 項 ⽬
最⼤定格 2SC1815の例(Ta=25℃)
3-17電界効果トランジスタ: Field Effect Transistor (FET)
3-18トランジスタ v
外からの信号(電流or電圧)
電流i 電流iは外からの信号で制御される
バイポーラトランジスタ・・・電流制御型
電界効果トランジスタ(Field effect transistor:FET)・・・電圧制御型
n p p 接合型(JFET) p p n SiO2 ⾦属-絶縁膜-半導体型 (MOSFET)
主なFET構造の概略
S (ソース) D(ドレイン) G(ゲート) S D G 3-19 p p n SiO2 ⾦属-絶縁膜-半導体型 (MOSFET)MOSFET について
3-20⾦属
: Metal
酸化物
: Oxide
半導体
: Semiconductor
電界
: Field
効果
: Effect
トランジスタ : Transistor
略称 : MOSFET
2SK439
MOSFETの実物写真
※東芝のHPより 3-21M4
n-MOS
G D SM2
p-MOS
G D SMOSFETの種類
3-22 •p-チャネル (正孔が動く) •n-チャネル (電⼦が動く) •エンハンスメント(Enhancement) (VG=0でID=0) •ディプリーション(Depletion) (VG=0でID≠0) + p+ n SiO2:ゲート酸化膜と呼ぶ。 厚さ数nm (p-MOSFET⇒p-MOS) ソース S ゲート G ドレイン D pチャネル ソースからドレインに流れる電流を ゲート電圧で制御する。 p+MOSFETの構造
3-23 2SJ76 pチャネルエンハンスメント型MOSFET (p-MOS)V
GS:0→負
実際のMOSFETの特性例
3-24nチャネルエンハンスメント型MOSFET (n-MOS)
V
GS: 0→正
2SK213実際のMOSFETの特性例
3-25 n-Si p+-Si ⾦属 (Metal) ソース (Source) ゲート (Gate) ドレイン (Drain) ⼆つのダイオードが、互いに逆向きに繋がれてるのと同じ ゲート電圧を加えないと、電流は流れない。 SiO2 p-チャネル エンハンスメント型MOSFETの動作説明 p+-Si 3-26 n-Si SiO2 p+-Si S G D Sに対してGに、相対的に負電圧を加えると ++ ++ + n-SiとSiO2の界⾯に正孔が誘起される。 + +p-チャネル エンハンスメント型MOSFETの説明
p+-Si 3-27 n-Si SiO2 S G D ++ ++ + + + SからDに向かって正孔(電流)が流れる。 電流の⽅向p-チャネル エンハンスメント型MOSFETの説明
D-S間に負の電圧をかけると p+-Si p+-Si 3-28VDS (Sに対するDの電位) I D(ドレイン電流) VGS=0 VGS<0 n-Si D 電流の⽅向 S G ドレインに流⼊ する向き 負の電圧 p-チャネル エンハンスメント型MOSFETのソース接地静特性 p+-Si p+-Si 3-29 p-Si n+-Si S G D ⼆つのダイオードが、互いに逆向きに繋がっているのと同じ 電流は流れない。 SiO2
n-チャネル エンハンスメント型MOSFETの説明
n+-Si 3-30 p-Si SiO2 S G D Sに対して、Gに相対的に正の電圧を加えると - ----- p-SiとSiO2の界⾯に電⼦が誘起される。 n-チャネル エンハンスメント型MOSFETの説明 n+-Si n+-Si 3-31 p-Si SiO2 S G D - ----- SからDへ電⼦が流れる。 DからSへ電流が流れる。 電流の⽅向 n-チャネル エンハンスメント型MOSFETの説明 n+-Si n+-Si 3-32VDS ID VGS=0 VGS>0 p-Si n+-Si S G D 電流の⽅向 n-チャネル エンハンスメント型MOSFETのソース接地静特性 n+-Si 3-33
M2
p-MOS
M4
n-MOS
G D S p型 反転層:n型と等価MOSFETの回路記号
G D S 3-34 MOSFETの性能を表す指標:相互コンダクタンスgm]
[
tanS
V
I
g
t cons V GS D m DS
論理回路素⼦
•論理回路とは? •論理回路は2進数の計算などデジタル回路の基礎となる回路 •現在の集積回路は基本的にはこの回路で構成されています 3-35デジタル信号:
※ 東芝HPより 3-36MOSFETの重要性
•集積回路におけるMOSFETの重要性 ⇒ Complementary MOS(CMOS)が主流 ⼤規模LSI中にはMOSトランジスタが 1億個以上使われている. 集積回路の例 相補的 3-37CMOS(集積化のメリット)
• CMOSでは論理が反転する際にしか電流が流れないので、消費電⼒(発熱)が少ない • 微細化することにより、単⼀のMOSFETをスイッチングさせるのに要する電⼒量を減少 • 微細化することにより、動作速度を向上させることが可能 ⇒集積度を向上させるだけで、⾼速化と消費電⼒の低減も同時に得られる ⇒ムーアの法則 半導体ICの集積密度は18〜24ヶ⽉で倍増する 出典;インテル社ホームページ 10-38論理回路
•電⼦回路で扱うデジタル信号の⼊⼒と出⼒の関係が⼀定の理論 に従って⾏われることをいい、その動作を⾏う電⼦回路を論理 回路と呼びます。マイコンは⾮常に複雑な論理回路で構成され ていますが、どのような論理回路も、次に⽰す6種類(厳密に いうと3種類)の基本論理素⼦の組み合わせで構成されている 3-39論理回路素⼦
• AND • OR • NAND • NOR • NOT • XOR(Exclusive OR) まずは各素⼦の動きを理解しましょう 3-40A
B
A
B
Y
0
0
0
0
1
0
1
0
0
1
1
1
真理値表
Y
論理回路
AND回路(論理積)
⼊⼒ 出⼒ ⼊⼒ 出⼒ 3-41A
B
A
B
Y
0
0
0
0
1
1
1
0
1
1
1
1
真理値表
Y
論理回路
OR回路(論理和)
⼊⼒ 出⼒ ⼊⼒ 出⼒ 3-42A
B
A
B
Y
0
0
1
0
1
1
1
0
1
1
1
0
真理値表
Y
論理回路
NAND回路(否定論理積)
⼊⼒ 出⼒ ⼊⼒ 出⼒ 3-43B
A
B
Y
0
0
1
0
1
0
1
0
0
1
1
0
真理値表
Y
論理回路
NOR回路(否定論理和)
⼊⼒ 出⼒ ⼊⼒ 出⼒A
A
B
Y
3-44NOT回路(否定)
A out
0
1
1
0
真理値表
⼊⼒ 出⼒ NOT回路は別名:インバーター回路とも呼ぶ 3-45A
B
A
B
Y
0
0
0
0
1
1
1
0
1
1
1
0
真理値表
(XOR回路)
Y
⼊⼒ 出⼒ ⼊⼒ 出⼒Exclusive OR回路(排他的論理和)
3-46 http://homepage2.nifty.com/kirislab/chap6_qr/elenicCct1.htmlCMOS回路
3-47 • MOS-FETを組み合わせることによって実現する ⇒CMOS回路 n-Si VDD=+5V S G D D G S ⼊⼒ +5Vまたは 0V p-Si この素⼦は、どのような動作をするか? 出⼒ N-MOSとP-MOSを直列につなぐ -CMOSの動作原理- 3-48E-nMOS D D G G S S E-pMOS ⼊⼒+5Vまた は 0V 出⼒ VDD=+5V 回路記号 ⽮印の向きに注意! 基板上 ⽐較:シャーシ、 接地等 N-MOSとP-MOSを直列につなぐ -CMOSの動作原理- 3-49 E-nMOS D D G G S S E-pMOS ⼊ ⼒ +5V ま た は 0V 出⼒ VDD=+5V E-pMOS E-nMOS Sに対してGに 負電圧で、Sか らDに電流(Sと Dは導通) Sに対してGに 正電圧でDから Sに電流(SとD は導通) n-MOSとp-MOSを直列につなぐ -CMOSの動作原理- 3-50 n-MOSとp-MOSを直列につなぐ -CMOSの動作原理- 3-51 D D G G S S ⼊⼒0V のとき 出⼒ VDD=+5V D D G G S S ⼊⼒5V のとき 出⼒ VDD=+5V
⼊⼒
出⼒
0V
+5V
+5V
0V
+5Vを1、0Vを0に対応させると、 →論理素⼦のNOT回路(インバーター回路) n-MOSとp-MOSを直列につなぐ -CMOSの動作原理- 3-52⼊⼒+5Vまたは0V A B VDD=+5V 出⼒X 演習:下の回路はどのような論理演算をする回路か? 3-53 ⼊⼒ 出⼒ [V] A [V] B [V] 0 0 5 5 0 5 0 5 5 5 5 0 NAND