講師: ⼤⾒康生
(⼤⾒技術⼠事務所 代表) IFPEX2014 日本フルードパワーシステム学会セミナー 2014.09.19油圧ポンプ/モータの最新技術動向
目 次
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒⾳化
4.最新の技術動向
5.まとめ
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒音化
4.最新の技術動向
5.まとめ
1.はじめに
フルードパワーと電動パワー
油圧モータ コントロールバルブ 油圧ポンプ 大型産業機械用 システム 電動サーボモータ 各種コントローラ 電動化製品 電油ハイブリッド機器 ⻑所・⽋点を補完 高パワーレート ⾼出⼒密度 制御性エネルギー変換の容易さ フルードパワー 電動パワー省エネ・⾼機能化・対環境性
省エネ・⾼機能化・対環境性
目 次
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒音化
4.最新の技術動向
5.まとめ
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒音化
4.最新の技術動向
5.まとめ
1) ピストン形
油圧ポンプ/モータの形式と分類
2.油圧の特徴 ラジアル形 回転シリンダ 固定シリンダ 単⾏程形 シリンダ回転形 カム回転形 多⾏程形 斜軸式 斜板式 ロッド駆動式 自在継手駆動式 アキシャル形 油圧 ポンプ・モータ油圧ポンプ/モータの形式と分類
2.油圧の特徴・ラジアル形
低速・⾼出⼒トルクモータ。⽤途によっては、減速機が不要。 トルク変動、回転変動等の大きいのが欠点。昔は、 油圧ショベルにも使用されたが、現在は使用されていない。・斜軸形
ピストンまたは、コネクティングロッドがシリンダを駆動。高傾角、 高速回転が可能。斜板形に⽐べ⾼効率と評価された 時代もあったが、現在、建機用では斜板形が主流。・斜板形
容量制御を斜板の傾角制御で⾏うため、制御性が良く 軽量でコンパクト。⾞載に有利なため、建機をはじめ、 産業分野でも広く使用されている。目 次
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒⾳化
4.最新の技術動向
5.まとめ
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒⾳化
4.最新の技術動向
5.まとめ
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒⾳化
・ 出⼒ - 質量
1.E-03 1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+041.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04
出 ⼒ P w ( k W ) 質量M(kg) ラジアル M 斜軸 M 斜軸 M BR 斜板 M 斜板 P ACモータ ∝ M4/3 ∝ M2/3 3.改良のポイント
・ 出⼒密度 - 質量
1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01
1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04
出 ⼒ 密 度 P d e n ( kW / K g ) 質量 M(kg) ラジアル M 斜軸 M 斜軸 M BR 斜板 M 斜板 P ACモータ ∝ M1/3 ∝ M-1/3
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒⾳化
3.改良のポイント・ 出⼒密度
0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.5 4.0 1960 1970 1980 1990 2000 2010 西暦(年) 相 対 比 ( 初 期 開 発 製 品 比 ) 容量/質量 定格圧力比 動力/質量 (A) (B) (C) (D) Pden : 出⼒密度(kW/kg) Pd : 吐出圧⼒(MPa) Qth : 吐出容量(cm3) N : 回転数(min-1) W : 質量(kg) Pden = Pd × Qth × N W × 60,000 斜板ポンプの シリーズ開発 バルブプレート 斜板支持台 軸受メタル シリンダブッシュ シリンダブロック α dp Dc Pd (吐出圧⼒)→ 高圧化 Qth(吐出容量)→ 高傾角化 N (回転数) → 高速化 W (質量) → 軽量化 2)⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒⾳化
3.改良のポイント高圧化 高傾角化 高速化 軽量化 摺動部の耐焼付き性向上(材料・表⾯改質技術) 部品寸法精度向上(幾何公差・表⾯粗度・形状) ロータリーの油圧バランス設計 球面バルブプレートによる自吸性能向上 斜板⽀持構造の改良 シリーズ (A) シリーズ (C)(D) 技術課題 対 策 ロータリー部の改良 斜板⽀持構造の改良 シリーズ (A) シリーズ (B) シリーズ (C)(D)
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒⾳化
3.改良のポイント・ 2005年頃より、燃費向上・省エネ志向が強まる
ポンプ効率= 容積効率 × 機械効率 容積効率:損失流量(外部漏れ・内部漏れ・圧縮損失)の低減 機械効率:損失トルク(摺動部摩擦・撹拌抵抗)の低減 解析モデルの構築 実現象の把握 改良案 検証 性能向上 計測技術 損失量の詳細計測 解析技術 損失量の理論的説明⾼出⼒密度化
・
⾼効率化
・低騒音化
3.改良のポイント・ 効率予測
バルブプレート 斜板支持台 軸受メタル シリンダブッシュ シリンダブロック α dp Dc 80 85 90 95 K3V63 K7V63 K3V112 K5V140 K7VG265 ポ ン プ 効 率 [% ] 予測値 実測値 ポンプ(A) (B) (C) (D) (E)⾼出⼒密度化
・
⾼効率化
・低騒音化
3.改良のポイント ロータリー構成部品の諸元から、 効率予測が可能 斜板形ポンプの最⾼効率:90%以上 損失トルクと損失流量は、相互に影響 モータでは、高速性能にも影響 75 80 85 90 95 0 10 20 30 40 有効差圧 [MPa] ポ ン プ 効 率 [ % ] 2011年 2010年 現行 ホ ゚ ン フ ゚ 効率 η 現在 2010年 2005年 ポンプ容量(qth)固定 qth=f (dp,Dc) シリンダの強度他の限界 → 実現可能な dp,Dcの範囲 ポンプ運転条件(回転数他)固定 最⾼ポンプ効率ηpの推定 ηp=g (dp,Dc) 騒音の計測方法 音響パワーレベル(SPL)の計測 振動計測 レーザードップラー振動計 による構造体の振動解析 昇降圧シミュレーション 構造体、ロータリーの振動解析 レーザードップラー振動計 3.改良のポイント・ ⻑年の課題
ポンプ周辺の音場 f=900Hz マイク計測点 20ヶ所 P 1.2m P マイク計測点 20ヶ所 P 1.2m P P 1.2m P SPLの計測 (JIS Z 8732 に準拠) 振動解析 剛性解析 3)⾼出⼒密度化
・
⾼効率化
・
低騒音化
目 次
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒音化
4.最新の技術動向
5.まとめ
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒音化
4.最新の技術動向
5.まとめ
小型化・⾼速化・⼤容量化
4.最新の技術動向・ 出⼒ - 質量
1.E-03 1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+041.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04
出 ⼒ P w ( k W ) 質量M(kg) ラジアル M 斜軸 M 斜軸 M BR 斜板 M 斜板 P ACモータ ∝ M4/3 ∝ M2/3 1.E-03 1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04
1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04
出⼒ Pw ( k W ) 質量M(kg) ラジアル M ラジアル P/Mnew 斜軸 M 斜軸 M BR 斜板 M 斜板 M new 斜板 P 斜板 P new ACモータ 斜板 P マイクロ ∝ M4/3 ∝ M2/3 斜板形 小型ポンプ 斜板形 高速モータ 斜板形 大型ポンプ ラジアル形 超大型モータ
4.最新の技術動向
・ 斜板形小型ポンプ
従来から、⼩型領域での 油圧ポンプ/モータ開発への期待 があった。 下図小型ポンプシリーズが、 2006年 上市された。 球面V/Pを採用 質量(kg) 2.3, 1.9, 0.96, 0.43, 0.27 (0.4cmTFH-0403)小型化・⾼速化・⼤容量化
4) 5) 4.最新の技術動向・ 斜板形小型ポンプ
小型化・⾼速化・⼤容量化
介護機器、医療機器 ロボット、産業⾞両分野 などへの適用が期待される。 仕様上、高速側回転数 には 余裕あり。 1.E-03 1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+041.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04
出⼒ Pw ( k W ) 質量 M(kg) ラジアル M ラジアル P/Mnew 斜軸 M 斜軸 M BR 斜板 M 斜板 M new 斜板 P 斜板 P new ACモータ 斜板 P マイクロ ∝ M4/3 ∝ M2/3 斜板形 小型ポンプ 斜板形 小型ポンプ 1.E-03 1.E-02 1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04
1.E-01 1.E+00 1.E+01 1.E+02 1.E+03 1.E+04
出⼒ Pw ( k W ) 質量 M(kg) ラジアル M ラジアル P/Mnew 斜軸 M 斜軸 M BR 斜板 M 斜板 M new 斜板 P 斜板 P new ACモータ 斜板 P マイクロ ∝ M4/3 ∝ M2/3 斜板形 小型ポンプ 小型HMAとしての適用 小型アキシャルポンプユニット 8)
4.最新技術動向
・斜板形高速モータ
従来、高速回転が必要な用途には、斜軸形モータの使用が一般的。 ⽣産量で優位にある、斜板形ロータリーを用いた高速モータが開発 されている。 高速仕様への対策 ・ 新設計ロータリーによるシリンダ姿勢の安定化 ・ 放熱に配慮した設計 高速仕様への対策 ・ 新設計ロータリーによるシリンダ姿勢の安定化 ・ 放熱に配慮した設計小型化・
高速化・⼤容量化
8) 斜板形高速モータの仕様 4.最新技術動向・ 大型鍛造プレス/産業機械用 大型斜板ポンプ
従来、大型産業機械向けには、斜軸形ポンプが使用されてきた。 最新の設計技術を駆使し、大型設備の過酷な使用条件下でも ⻑寿命と⾼い信頼性を持つ⼤型斜板ポンプが開発された。 タンデム化や、両傾転での使用 も可能で、適用範囲の拡大が 期待される。 主要仕様 ・容量 : 500cm3 ・定格圧⼒ : 45MPa ・最⾼圧⼒ : 50MPa ・定格回転数 : 1200min-1 主要仕様 ・容量 : 500cm3 ・定格圧⼒ : 45MPa ・最⾼圧⼒ : 50MPa ・定格回転数 : 1200min-1小型化・高速化・
⼤容量化
大型斜板ポンプ 6)4.最新技術動向
・ 風⼒発電設備⽤ 超大型ラジアル形P/M
増速機と発電機、昇圧トランスを用いる 増速機方式 が、一般的。 大型化のネックとなっていた増速機やインバータを使用しない 油圧ドライブ方式 の開発が進⾏中。小型化・高速化・
⼤容量化
(DDT) (DDT) (DDT) DDT:デジタル可変容量制御動力伝達機構 風車とナセル 7) 4.最新技術動向・風⼒発電設備⽤
超大型ラジアル形P/M
NEDO・三菱重⼯が、7MW級の風⾞を開発中。 超大型ラジアルポンプ/モータから成るシステム (Digital Displacement P/M)小型化・高速化・
⼤容量化
油圧モータ(DDM) 油圧ポンプ(DDP) DDT:デジタル可変容量制御動力伝達機構 7)目 次
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒音化
4.最新の技術動向
5.まとめ
1.はじめに
2.油圧の特徴
油圧ポンプ/モータの形式と分類・特徴
3.改良のポイント
⾼出⼒密度化・⾼効率化・低騒音化
4.最新の技術動向
5.まとめ
・油圧ポンプ/モータの形式分類と特徴、その改良の要点を
述べた。
・各形式の油圧ポンプ/モータは、用途別 に、使い分けられて
いるが、今⽇、量的には、斜板形が主流となっている。
・油圧技術は、歴史も古く、枯れた技術ではあるが、変化する
社会ニーズに応えるべく、新発想による新製品も生まれ
つつある。
・⾼度な計測技術と解析技術を駆使し、油圧技術の本質を
掘り下げ、 他技術とのハイブリッド化を⾏えば、更に⼤きな
付加価値の創造が期待できる。
まとめ
1)JFPA:実用油圧ポケットブック 2)⼤⾒康⽣,建設機械⽤油圧ポンプの⾼出⼒密度化,油圧技,Vol.47,No.7, (2008) 3)⼤⻄正貴他,建機用油圧ポンプ K7Vシリーズの開発,川崎重工技報,168号, 2009年2月 4)田中豊,フルードパワー機器の小形,⾼効率,省エネ,環境に関する動向, フルードパワーシステム,39巻,5号,(2008) 5)⼩曽⼾博,超小形ポンプ・モータ,油空圧技術,Vol.50,No.12 6)桑野博明,超大型鍛造プレス油圧システムの概要,JFPSウインターセミナー,2014年2月 7)NEDO資料, 洋上風⼒発電技術研究開発に係るNEDOの取り組み, 2013年 1月 8)三菱重⼯業 (株)HP,(株)タカコ HP, 川崎重工業(株)HP等