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特定外来生物同定マニュアル(甲殻類)

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Academic year: 2021

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(1)

甲殻類

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アスタクス属

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ウチダザリガニ(タンカイザリガニを含む)

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ラスティークレイフィッシュ

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ケラクス属

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モクズガニ属(在来種モクズガニを除く)

(2)

アスタクス属

学名: Astacus Astacus (Linnaeus, 1758)

英名: Noble crayfish, Broad-fingered crayfish, European crayfish 学名: Astacus leptodactylus (Eschscholtz, 1823)

英名: Danube crayfish, Galician crayfish, Turkish crayfish 別名: スパニッシュロブスター

学名: Astasus pachypus (Rathke, 1837) 原産地と分布 : ヨーロッパ原産。 分類: エビ目(十脚目)ザリガニ上科ザリガニ科 未判定外来生物:ザリガニ科全種(Astacus属、ウチダザ リガニを除く) 種類名証明書添付生物:ザリガニ科、アメリカザリガニ科 、ミナミザリガニ上科全種。 特記事項 :日本国内には生息していない。海外では食用で養殖されているが、生きたまま国内へ持ち込むことはできな い。 形態的特徴:Astacus leptodactylus 細長いはさみ脚が特徴。体色は褐色・青・白系統などのバリエーションがある。体長約20cmまで。 JWRC

ピンセットのような細長いはさみ

(3)

ウチダザリガニ(タンカイザリガニを含む)

学名: Pacifastacus leniusculus

( Pacifastacus leniusculus trowbridgii (Stimpson, 1857) ) ( Pacifastacus leniusculus leniusculus (Dana, 1852) ) ( Pacifastacus leniusculus klamathensis (Stimpson, 1857) ) 英名: Signal crayfish, Californian crayfish, Pacific crayfish 和名:ウチダザリガニ 別名・流通名: レイクロブスター 原産地と分布: アメリカ北西部原産。移入によりヨーロッパ諸国、 日本に分布する。 形態的特徴: 第1胸脚(はさみ脚)の 可動肢の付け根に白い模様がある。体長約15cmまで。体型はがっしりしている。な お、同じザリガニ下目に属するアカザエビ上科は比較的よく似ているが、ザリガニ上科およびミナミザリガニ上科は淡水 産であるのに対し、アカザエビ上科は海産である。以下では、ウチダザリガニとアメリカザリガニの識別点を示す。 分類: エビ目(十脚目)ザリガニ上科ザリガニ科 未判定外来生物:ザリガニ科全種(Astacus属、ウチダザ リガニを除く)。 種類名証明書添付生物:ザリガニ科、アメリカザリガニ 科、ミナミザリガニ上科全種。 特記事項 :ウチダザリガニは日本国内では北海道および福島県小野川湖、滋賀県の淡海湖に生息している。淡海湖産 のものは特にタンカイザリガニと呼ばれ希少種として取り扱われることがあるが、分類学的にウチダザリガニと同種であ る。本州で採集されるザリガニはほとんどがアメリカザリガニで、これは規制の対象とはならない。アメリカザリガニの成 体はたいてい赤色なのですぐに見分けられるが、小さいものは褐色だったり成体でも色彩変異で青みがかっていたり 白っぽかったりすることがある。 北海道にはウチダザリガニのほかにニホンザリガニとアメリカザリガニが生息している。ウチダザリガニは特に阿寒湖 や釧路川流域に多く生息している。ニホンザリガニは在来種で、上流の水のきれいな場所にのみ生息し、アメリカザリガ ニは温泉排水が流出しているような冬でも水が温かい場所に生息している。 JWRC [ ウチダザリガニの頭部とはさみの形態 ] ・ 大きな額角棘が1対ある。尖角はやや長い。 ・ 眼後棘は2対(棘はなく隆起または管状の場合もある)。 ・ はさみの可動指の付け根に白い模様がある。 [ アメリカザリガニの頭部とはさみの形態 ] ・ 額角棘が1対ある。尖角(額角棘から先端までの突出部)は短い。 ・ 眼後隆起の前端に眼後棘が1対ある。 ・ はさみには赤色の疣が多数。 ウチダザリガニの 頭胸甲とハサミ アメリカザリガニの 頭胸甲とハサミ 尖角は長い 尖角は短い 大きい額角棘 額角棘 1対の 眼後棘が 明瞭 2対の 眼後棘は あるか、 不明瞭 両鰓間域が広い 両鰓間域が狭い 赤色の疣 白い模様 眼後隆起

白い模様

(4)

ラスティークレイフィッシュ

学名: Orconectes (Procericambarus) rusticus (Girard, 1852) 英名: Rusty crayfish 和名:ラスティークレイフィッシュ 別名・流通名: 原産地と分布:北米原産。移入によりヨーロッパ諸国に分布し ている。 分類: エビ目(十脚目)ザリガニ上科アメリカザリガニ科 未判定外来生物:アメリカザリガニ科全種(ラスティークレイフィ ッシュ、アメリカザリガニを除く) 種類名証明書添付生物:ザリガニ科、アメリカザリガニ科、ミナミ ザリガニ上科全種。 特記事項 :ラスティークレイフィッシュは日本国内には生息していない。アメリカザリガニ科は数種類がペットとして流通し ているが、飼育個体は野外に逃がさないよう特に注意する必要がある。

黒い帯状の模様

生殖突起 形態的特徴:第1歩脚(はさみ脚)に黒い帯状の模様が入る。先端はオレンジ色になる。頭胸甲にサドル(鞍)模様がある。 はさみ脚は滑らかで、可動肢(内側にある動くほうの爪)の形はゆるやかなS字型。

S字型

先端がオレンジ色

サドル(鞍)模様

(5)

ケラクス属

学名: Cherax destructor Clark, 1936 英名: Yabby

流通名: パープルブルーロブスター、ブルーロブスター、ブルーヤビーなど 学名: Cherax plebejus / C. glaber / C. preissi

英名: Koonac

流通名: ニュージェットブラックロブスター、ブラックヤビー、ブラックロブスター 学名: Cherax quadricarinatus von Martens, 1868

英名: Red-claw, Tropical Blue Crayfish

流通名: ブルーロブスター、カリマンタンブルー、イリアンジャヤブルーなど 学名: Cherax tenuimanus Smith, 1912 / C. cainii

英名: Marron 流通名: ブルーマロン、ブラウンマロン、エレクトリックブルーロブスターなど など全44種 原産地と分布:オーストラリア、ニューギニア原産。 分類: エビ目(十脚目)ミナミザリガニ上科 未判定外来生物:ミナミザリガニ科全種(Cherax属を除く)。 種類名証明書添付生物:ザリガニ科、アメリカザリガニ科、 ミナミザリガニ上科全種。 特記事項 :以前にはペットとして多く流通していた。現在ケラクス属を飼育している場合は、適切な飼育設備において飼 養許可を得て最後まで飼育することが望ましい。複数個体を飼育している場合は特に、繁殖させないような注意も必要で ある。 ケラクス属はブルーロブスターなど様々な流通名があるため、飼育個体の種名がわからない場合があると思われるが 形態的特徴: Cherax destructor (ヤビー) 基本色はくすんだ青褐色だが、色彩変異が多い。 体長約15cm程度だが、28cmに達することもある。

形態的特徴: Cherax tenuimanus / C. cainii (マロン) 体色の青いブルーマロンがペットとして人気が ある。他に、体色が茶色ではさみの黒いブラウ ンマロンがなどある。体長は30cm以上になる。

形態的特徴: Cherax quadricarinatus (レッドクロー ) 体色は青を基調としたレインボーカラー。①オスの 成体にははさみに朱色のパッチが入る。触角が長 い。体長約25cmまで。

形態的特徴: Cherax plebejus / C. glaber / C. preissi (クーナック) 体色は全身黒色で、触角は赤または黒い。体長約 20cm。体型はヤビーに酷似し、ヤビーの黒色個体と は識別が困難。 JWRC JWRC JWRC JWRC レッドクロー メス ブルーマロン

(6)

モクズガニ属(在来種モクズガニを除く)

学名: Eriocheir sinensis H. Milne Edward 1854 英名: Chinese mitten crab

和名: チュウゴクモクズガニ

別名: シャンハイガニ、シナモクズガニ

原産地と分布: 朝鮮半島西岸から中国北東部、黄海沿岸部、 シナ海沿岸部、香港原産。移入により、ヨーロッパ諸国および 北米に分布する。

学名: Eriocheir hepuensis Dai 1991 英名: Zhujiang mitten crab

和名: なし 別名: なし 原産地と分布: 中国南部(江西省、広東省、広西壮族自治区)原産。 形態的特徴:腕節の外面末端から掌節の外面および、内面上方にかけて軟毛を密生する。軟毛は大型になるほど発達 し、雌より雄で発達する。稚ガニの時期には軟毛を欠く。はさみ脚の腕節内縁に鋭い1歯がある。額の幅(眼と眼の間)は 甲幅の1/3より大きくならない。甲長と甲幅の比率は1:1.1。 甲幅8cmまで。 チュウゴクモクズガニは甲羅の凹凸が強く、額域の棘が突出している。前側縁に4歯が明瞭で、第4歩脚の長節がやや 棒状に細い。 E. hepuensisは甲羅の凹凸がやや弱く、額域の棘が突出しているがチュウゴクモクズガニほどするどくない。前側縁に4 歯が明瞭だがチュウゴクモクズガニほどとがらない。 分類: エビ目(十脚目)モクズガニ科 未判定外来生物:なし。 種類名証明書添付生物:モクズガニ属全種(Eriocheir sinensis, E. hepuensis, E. japonica)。 特記事項 :チュウゴクモクズガニは中華料理の高級食材として利用され、上海ガニと呼ばれている。日本国内では許可 を得た料理店でのみ生体を取り扱うことができるが、小売での生きたままでの販売や購入は禁止されている。中国では 購入することができるが、日本国内に生きたまま持ち込むことはできない。 日本国内には在来のモクズガニが生息しており、特に秋から冬にかけて川の上流から河口へ移動するのが見られる。 形態はチュウゴクモクズガニと非常によく似ているが、甲羅側面のトゲの数が3つであること、目と目の間がトゲ状に突出 しておらず波状であることなど、注意深く観察すれば識別が可能である。チュウゴクモクズガニは野外には定着していな いため採集されることはあまりないと考えられるが、今後とも注意が必要である。 甲幅 甲 長 JWRC JWRC

チュウゴクモクズガニ

裏側

前側縁に4歯 額域の棘が突出 腕節内縁に鋭い1歯 軟毛を密生 甲羅の凹凸が強い 第4歩脚の長節がやや棒状に細い

参照

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