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400Gbit/s用光トランシーバに搭載可能な8ch集積光受信モジュール

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Academic year: 2021

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情報通信

1. 緒  言

近年、スマートフォン等の携帯端末の高機能化に伴い、 クラウド・テクノロジーを用いた動画・音楽配信サービス の普及が進んでいる。これらのサービスでは、端末~基地 局間の無線通信ネットワークだけでなく、それらにつなが る光通信ネットワークにおいても、高速化・大容量化が求 められており、光通信ネットワークを構成する光送受信モ ジュールも、小型化・高速化が必須となっている。 現在、伝送速度100Gbit/sに対応した、図1に示すCFP4※1 やQSFP28※2といった、MSA※3に対応した光トランシーバが 普及期に入っているが、次世代通信規格として、400GbEの 標準化がIEEEにて進められている。2015年には、伝送距離2 ~10km、変調方式としてPAM4※4を用いた、LAN-WDM※5 に対応した8波長による波長多重方式がIEEE802.3bs(1) 勧告され、2017年には、CFP MSA にて400Gbit/s に対 応した光トランシーバとして、CFP8が新たに策定されて おり、400Gbit/sに対応した光トランシーバへの期待は高 まっている。 当社はこれまでに、QSFP28に搭載可能な、100Gbit/s 用4ch集積光受信モジュール(2)、(3)や、200Gbit/s用4ch集 積光受信モジュール(4)を開発してきた。今回、8波長の分 波機能を1つのパッケージ内に集積することで、従来品と同 等な低挿入損失を実現した、CFP8に搭載可能な400Gbit/s 用8ch集積光受信モジュールを開発した。 高速・大容量通信が求められるクラウドサービスの普及に伴い、100Gbit/s用光トランシーバであるCFP4やQSFP28の普及が進ん でいる。次世代通信規格として、IEEEにて400GBASE-FR8/LR8の標準規格が定められ、CFP MSAにて400Gbit/sに対応した光トラ ンシーバとしてCFP8が新たに策定されており、市場ニーズが高まっている。当社がこれまで開発してきた4ch集積光受信モジュール の設計をベースとして、今回、8波長の分波機能を1つのパッケージ内に集積した、CFP8に搭載可能な400Gbit/s用8ch集積光受信 モジュールを開発した。本稿では、モジュール構造、8波長の分波特性、4値パルス振幅変調(4-level Pulse Amplitude Modulation, PAM4)信号を用いた変調速度26.56Gbaudにおける最小受信感度等の特性を紹介する。

With the growth of cloud services that require high-speed communication, CFP4 and QSFP28 optical transceivers have been commonly used for 100 Gbit/s transmission. Along with an increase in the market need for higher-speed transmission beyond 100 Gbit/s, the Institute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE) published 400GBASE-FR8/LR8 as the next-generation communication standards, and the CFP Multi-Source Agreement (MSA) defined the CFP8 form factor of an optical transceiver to support 400 Gbit/s interfaces. Against this backdrop, we have developed a new optical receiver module for 400GBASE-FR8/LR8 CFP8. Using the conventional design for 100 Gbit/s, the module has an integrated 8-ch optical de-multiplexer. This paper describes the module structure, optical characteristics, and sensitivity in 26.56 Gbaud PAM4 signal transmission.

キーワード:光受信モジュール、400G、光分波器、CFP8

400Gbit/s用光トランシーバに搭載可能な

8ch 集積光受信モジュール

Optical Receiver Module with Integrated 8-ch Optical De-multiplexer

for 400 Gbit/s Transceivers

川村 正信

三井 主成

中山 謙一

Masanobu Kawamura Kazuaki Mii Kenichi Nakayama

大森 寛康

中島 史博

原 弘

Hiroyasu Oomori Fumihiro Nakajima Hiroshi Hara

CFP4 92x21.5x9.5mm

QSFP28 72.4x18.5x8.5mm 図1 100Gbit/s用光トランシーバ

(2)

2. 8ch集積光受信モジュールの構成

8ch 集積光受信モジュールの外観を図2に示す。今回、 開発した光受信モジュールのパッケージサイズは22.3mm ×12.0mm ×5.3mm と、CFP8に搭載可能なサイズを実 現している。また、従来の100Gbit/s用4ch集積光受信モ ジュールと類似の形状設計を採用することで、既存の量産 ラインとの親和性の高い設計としている。 光受信モジュール内の構成を図3に示す。波長多重化さ れた入力光信号は、コリメートレンズで平行光に変換し、 パッケージ内の1:8光分波器にて8波長の光信号に分波さ れ、ミラーにてパッケージ底面方向へ光軸を変えた後、レ ンズアレイによって集光されPDへ結合する。1:8光分波 器は図4に示すように、2つの対応する波長の異なる1:4光 分波器、ショートパスフィルタ(Short pass filter, SPF)、 ミラーで構成されている。1:8光分波器に入射した光信号 は、SPFにて短波側4波長群(1273.55nm~1286.66nm) と、長波側4波長群(1295.56nm~1309.14nm)に分波 したのち、各々に対応した1:4光分波器に入射する。1:4 光分波器は、所定の波長のみを透過するバンドパスフィル タ(Band pass filter, BPF)とミラーが対向するように構 成されており、各 Lane に対応した波長の光信号のみを透 過、その他の波長の光信号は反射、を繰り返すことで、波 長多重化された光信号を分波する。 IEEE802.3bsにて規定されている400GbEの規格では、 50Gbit/s 超の伝送速度を実現するために、従来の NRZ (Non-Return to Zero)信号ではなく、PAM4(4-Level Pulse Amplitude Modulation)信号を用いる変調方式 が採用されている。PAM4変調された8つの光信号は、 PD にて光電変換され、トランスインピーダンスアンプ (Transimpedance amplifier, TIA)にて増幅された後、 パッケージ及び、フレキシブル基板の高周波伝送線路を経 由して、光受信モジュールから出力される。

3. 開発目標仕様

表1に目標仕様となる、IEEE802.3bsで規定されている 400GBASE-FR8/LR8の規格を示す。

4. 光受信モジュール特性

4-1 光学特性 8ch集積光受信モジュールの分波特性を図5に、各Lane の受光感度、アイソレーション、反射減衰量を表2に示す。 CFP8 102×40×9.5mm 8ch集積光受信モジュール コリメートレンズ 光分波器 PD フレキシブル基板 レセプタクル TIA レンズアレイ 図2 400Gbit/s用光トランシーバと光受信モジュール 図3 光受信モジュールの構造 1:4光分波器 1:4光分波器 ショートパス フィルタ ミラー プリズムミラー 8波多重光信号 バンドパスフィルタ 図4 1:8光分波器の構造 表1 目標仕様 項目 400GBASE-FR8 400GBASE-LR8 変調速度 26.5625Gbaud 変調方式 PAM4 中心波長 Lane0 1273.55nm Lane1 1277.89nm Lane2 1282.26nm Lane3 1286.66nm Lane4 1295.56nm Lane5 1300.05nm Lane6 1304.58nm Lane7 1309.14nm オーバーロード(OMA) <5.7dBm 最小受信感度(OMA) >-5.3dBm >-7.1dBm 反射減衰量 >26dB

(3)

IEEE802.3bs で規定されている8波長は、短波側4波長 と長波側4波長の間に1波長分の空間を設けて規定されてい る。今回新たに設計した、SPFを用いた低損失な1:8光分 波器では、全Laneにおいて挿入損失1dB以下、アイソレー ション25dB以上、反射減衰量26dB以上の良好な特性が得 られている。 受光感度とアイソレーションの温度依存性を図6に示す。 パッケージ温度-20~+90℃の範囲で、受光感度変動は± 0.1dB以内、アイソレーション変動も±1dB以内と、安定 した特性が得られている。 4-2 周波数特性 8ch集積光受信モジュールに使用しているパッケージは、 高速伝送に対応するため、高周波伝送線路を最適化するに あたり、各Laneの特性差をなくすとともに、相互からのク ロストークを低減するよう最適化している。図7に示すよ うに、透過特性の-3dB帯域は20GHz以上得られている。 また、各Lane間のばらつきも少なく、フラットな特性が得 られている。 4-3 クロストーク特性 光コンポーネントアナライザを用いて、Lane6以外に該 当する波長の信号光(Lane0,1,2,3,4,5,7,)を入力した際 の、Lane6の電気出力の周波数特性を図8に示す。 隣接LaneであるLane5とLane7からの影響が、他Lane と比較して大きいが、クロストーク量は25GHzで-30dB以 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1270 1285 1300 1315 R esponsivity [A/W] Wavelength [nm] L0 L3 L4 L7 挿入損失 1dB 図5 分波特性 表2 光学特性一覧 受光感度 [A/W] アイソレーション[dB] 反射減衰量[dB] Lane0 0.658 長波側 27.7 43.4 Lane1 0.628 短波側 31.7 38.8 長波側 29.2 Lane2 0.641 短波側 28.6 40.7 長波側 28.4 Lane3 0.655 短波側 28.6 40.0 Lane4 0.642 長波側 29.3 38.9 Lane5 0.664 短波側 29.9 40.7 長波側 30.3 Lane6 0.726 短波側 29.8 40.5 長波側 30.1 Lane7 0.680 短波側 30.7 42.3 -1 -0.5 0 0.5 1 -25 0 25 50 75 100 ΔR esp onsivity [d B] Tcase [℃]

Lane0 Lane1 Lane2 Lane3 Lane4 Lane5 Lane6 Lane7

-4 -2 0 2 4 -25 0 25 50 75 100 ΔIsolation [dB] Tcase [℃]

Lane0 Long Lane1 Short Lane1 Long Lane2 Short Lane2 Long Lane3 Short Lane4 Long Lane5 Short Lane5 Long Lane6 Short Lane6 Long Lane7 Short

-18 -12 -6 0 6 0 10 20 30 O E R es ponse [ dB ] Frequency [GHz] Lane0 Lane1 Lane2 Lane3 Lane4 Lane5 Lane6 Lane7 図6 分波特性の温度依存性 図7 周波数特性

(4)

下となっており、クロストークの影響は非常に小さい特性 が得られている。 4-4 最小受信感度 変調速度26.56Gbaud(PRBS231-1)、PAM4変調した光 信号を入力した際の、符号誤り率特性を図9に示す。前方 誤り訂正前では、最小受信感度は-13dBm(符号誤り率= 2.4×10-4)、前方誤り訂正後でも最小受信感度は-13dBm (符号誤り率=1×10-12)と、400GBASE-FR8/LR8双方の 規格を満たす良好な特性が得られている。

5. 結  言

次世代400Gbit/s 用光トランシーバ CFP8に搭載可能 な8ch 集積光受信モジュールを開発した。8波長の分波 機能を1つのパッケージ内に集積することで、挿入損失 1dB以下と、従来品と同等な低損失を実現した。変調速度 26.56Gbaud (PRBS231-1)、PAM4変調した光信号を入力 した際の符号誤り率特性は、前方誤り訂正前では、最小受 信感度は-13dBm(符号誤り率=2.4×10-4)、前方誤り訂 正後でも最小受信感度は-13dBm(符号誤り率=1×10-12 と、安定した400Gbit/s伝送が可能な特性を示している。 用 語 集 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ※1 CFP/CFP4/CFP8 C Form-factor Pluggable:100~400Gbit/s用トランシー バの業界標準の一つ。CFP8では、50Gbit/s の光信号を 8Lane束ねることで、400Gbit/sの伝送速度を実現する。 ※2 QSFP28 Quad Small Form-factor Pluggable:100~400Gbit用 トランシーバの業界標準の一つ。QSFP28では、25Gbit/s の光信号を4Lane束ねることで、100Gbit/sの伝送速度を 実現する。 ※3 MSA Multi Source Agreement:モジュールサプライヤーによ る、部品仕様の共通規格。 ※4 PAM4変調方式 4-level Pulse Amplitude Modulation:1シンボルあたり 2ビットの情報を伝送可能な、4値パルス振幅変調方式。 ※5 LAN-WDM Wavelength Division Multiplexingの方式の一つ。LAN-WDMは800GHz間隔で波長多重する。 参 考 文 献 (1) http://www.ieee802.org/3/bs (2) 川村正信、「40G/100Gbit/s用光分波器集積光受信モジュール」、SEI テクニカルレビュー第186号(2015年1月) (3) Fumihiro Nakajima, “100 Gbit/s Compact Receiver Module with the Built-in Optical De-Multiplexer,” IEEE Photonics conference 2013, TuG3.1 (4) 中島史博、 「高速(100G/200G/400G)高感度 APDチップ搭載4ch 集積受信デバイス」、SEIテクニカルレビュー第192号(2018年1月) -80 -60 -40 -20 0 0 10 20 30 Cross ta lk [ dB ] Frequency [GHz]

from Lane0 from Lane1 from Lane2 from Lane3 from Lane4 from Lane5 from Lane6 from Lane7

図8 クロストーク特性 -20 -18 -16 -14 -12 -10 -8 -6 -4 -2 0 B it E rr or R at e

Input power OMA [dBm]

Lane4 pre FEC Lane5 pre FEC

Lane6 pre FEC Lane7 pre FEC

Lane4 post FEC Lane5 post FEC

Lane6 post FEC Lane7 post FEC

10-4 10-5 10-6 10-2 10-7 10-8 10-9 10-10 10-11 10-12 10-3 Criteria=-7.1dBm @2.4x10-4 ≧5dB 図9 符号誤り率

(5)

執 筆 者 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 川 村   正 信* :伝送デバイス研究所 主査 三 井   主 成 :伝送デバイス研究所 主査 中 山   謙 一 :伝送デバイス研究所 大 森   寛 康 :伝送デバイス研究所 主席 中 島   史 博 :住友電工デバイス・イノベーション㈱ 博士(科学) 原       弘 :伝送デバイス研究所 グループ長 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー *主執筆者

参照

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