2006/03/15 財団法人 国際情報化協力センター ◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆̶◆
第 7 回アジアオープンソースソフトウェア(アジア OSS)シンポジウム
-開催報告-
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第 5 回は国として OSS を振興している中国・北京で実施し、今後の方向性を見据え具体的 なアクションプランを盛り込み、Repository、Human Resource、Standard、Localization、 Code Fest の 5 分野における Beijing Statement に合意した。さらに、南アジアで初めての 開催となった第 6 回コロンボでは、アジア OSS シンポジウムを核とした 1 週間にわたる国 家 OSS 週間が実施され、国内外の OSS 認知度の向上と重要性を認識する機会となった。 <開催報告概要> 第7回を迎える今回のシンポジウムは、政 府が積極的にOSSを推進しているマレーシ ア・クアラルンプールで開催された。 アジア19カ国・地域から約70名が参加、ま たゲストスピーカとしてスペインエクスト ラマドーラ州の政府関係者並びに日本発の OSSであるRubyを開発しているまつもと氏、 他を招聘した。「アジアオープンソース・エ コシステムに向かって - OSSの持続的な 発展のために −、Towards Asian Open Source Ecosystem - for sustainable development of OSS -」をテーマに、アジ アにOSSが定着しつつある中で、産学官コミ ュニティなどのプレーヤにより、今後どの ように持続的・自立的な環境を具現化して いけるかについて、様々な立場で講演いた だき、またワーキンググループやラウンド テーブルで議論を行った。 また、今回はシンポジウム会場外に展示ス ペースを設け、日本企業・MIMOS・MAMPUの 展示を行った。日本企業は5グループ・7社 (ソニー&ルネサスソリューションズ、ミ ラクルリナックス、産総研&アルファシス テムズ、NEC、日本SGI(敬称略、順不同)) に展示いただいた。 最終日に、今回の会議趣旨を明記し、ワ ーキンググループのアウトプットをまとめ たKuala Lumpur Statementに合意した。
以下、各々の講演要旨、ワーキンググループ議論、並びに展示の様子をまとめる。 なお、これに先んじて開催された、今回で3回目を迎えるCodeFestは、LiveCD をテーマ とし、目標を設定し、グループをつくって、議論およびプログラミングを行った。活動の 詳細は、次のURL に記録されている。(http://projects.asiaosc.org/index.php/Codefest)
<開催報告詳細> 各々の講演要旨 各国における様々なOSS関連トピックスや事例などの報告をまとめた。なお、本講演要旨作 成にあたっては、今回ご出張された(株)三菱総合研究所 情報通信技術研究本部 主任研究員 飯尾 淳氏にご協力いただいた。
◆1日目
10:30 – 11:00 Presentation on “Establishment of OSS Center in Japan” by
Dr. Shuichi Tashiro, Chairman of Asia OSS Steering Committee General Manager, Open Source Software Center
Information Technology Promotion Agency (IPA), Japan, and
IPAの、OSSC (オープンソースソフトウェアセンタ)の紹介が田代センター長から行われ た。 持続的なIT社会の実現と次世代を担う人材育成にはOSSが適している。OSSセンタの目的 はOSSエコシステムを加速することであり、そのために開発、調査、情報公開を行う。具体 的には現在、性能評価、開発支援、実証実験などを実施している。将来の計画としてオー プンラボの実現もある。調査は、ベストプラクティス、法的問題、リスク分析などについ ての調査を実施している。情報公開としては、データベース(OSS iPedia)を構築。5月にサ ービスインの予定である。他に、セミナ、ワークショップ、コンサルテーション等を実施 する。
10:30 – 11:00 Presentation on “Overview of Co-Operative Benchmark Evaluation Project” by Mr. Tomomi Suzuki, Director of OSS Promotion
Open Source Software Technology Center, Software Division Hitachi, Ltd., Japan 性能評価のプロジェクトの紹介が行われた。1年半前から実施されたプロジェクトである。 この成果は日本OSS推進フォーラムのウェブサイトで公開されており、日本だけでなく世界 各国からアクセスがある。ぜひ参照してほしい。 性能評価TFメンバは日本の大手ハードウェアベンダからのメンバで構成されていた。そ のミッションは、OSSシステムデザイン、OSSシステム構築の知識を共有すること、トラブ ルシューティングについての知識を共有することである。結果だけでなく、ツールや方法 論を共有することで、追試を可能とした。これはベンダサイドからみたミッションである。 ユーザサイドからみれば、OSSはどれだけの性能を確保できるのかということは、本プロジ ェクトで得られた重要な情報である。また開発コミュニティとユーザをつなぐメディエイ ターとなることも本プロジェクトの役割りであった。
その後、Java AP Layer, DBMS Layerについて、簡単な性能評価の成果が報告された。
11:00 – 11:30 Presentation on “OSS Ecosystem in Malaysia “ by
Mr. Hemant Shah, IBM Asean/SA Strategic Growth Business Executive & IBM Asean/SA Linux Executive, Malaysia
マレーシアにおけるOSSエコシステムの現状が報告された。その内容は以下のとおりであ る。キーコンセプトとしては、ITビジネスモデルは変化しなければならないということが 挙げられる。「コントロール」を変化させる、すなわち、標準、カスタマーリレーション、 技術、価格を囲い込むことはもう古い。 ところで、コミュニティとエコシステムの違いをあげると、まず、コミュニティの性質 そのものが違う(エコシステムの構成員は、開発者だけではない)。OSSの成熟度も違う。た んに使うだけでなく、配備すること、そしてその上で創造していくことが必要だ。 OSSエコシステムへの参加は、コードのコントリビューション、テスト等、典型的なコミ ュニティへの参加に加え、OSSプロダクトを使い、要求を生み出し、プロモーションを行う ことが必要である。そしてOSSプロジェクトをスタートさせることも重要である。 エコシステムへの参加に関するビジネスモデルはまだ明らかになっていない。マーケテ ィングに課題があり、どの技術を採用して、どの標準に従うかといった問題が残っている。 重要なことは、OSSの鍵となる性質を見誤らないことであろう。 典型的なOSSプロジェクトリーダだけでなく、ISV、ベンダが混然一体となってプロジェ クトをサポートしていくこと。それには、構造化されていないやり方、構造化されたやり 方の双方がある。前者はこれまでの参加の方法で、後者はこれから強化してゆくべき方法 である。法的課題やビジネスモデル等もこちらに含まれる。このシンポジウムも、OSSエコ システムに対するひとつの構造化された支援といえる。
11:30 – 12:00 Presentation on “OSS at School, Local Government and Ministry of Economy, Trade and Industry (METI)” by
Mr. Kazuo Hiyane
Research Director, Mitsubishi Research Institute, Japan
OSSデスクトップ(Linuxデスクトップ)実証実験の紹介が行われた。OSSデスクトップのシ ェアは非常に低い。1%にも満たないのではないか。まず2004年の秋から学校での実証実験 が行われた。岐阜とつくば、8つの小中学校で実施した実験では、3000名以上の児童・生徒 がLinuxデスクトップを利用した。 目的は3つ。OSSデスクトップは学校で実際に使えるのかを明らかにすること、OSSデスク トップの機能とユーザビリティを改善すること、OSSデスクトップ利用のサポートモデルの 構築である。実際の実験の状況について、ビデオ、事例を交えての紹介が行われた。また コンテンツ改修の状況や、クラスルームPC管理システム、アンケートによる評価等につい て報告された。
11:30 – 12:00 Presentation on “OSS at School, Local Government and Ministry of Economy, Trade and Industry (METI)” by
Mr. Kazuhiro Ooki
Manager, Linux Promotion Center, NEC Corporation, Japan
2005/11から2006/7まで実施されている自治体の実証実験を紹介した。北海道札幌市、栃 木県二宮町、大分県津久見市、沖縄県浦添市の4つの地域で実証実験が行われている。
その中で、大木氏が関係している二宮町の事例の紹介が行われた。現在、リナックスPC が配備され、職員向けに操作研修が行われた。OSS環境の管理コストを削減するために、管 理用PCからすべてのOSSデスクトップを管理するメカニズムを導入した。パッチ適用の強制 や、デスクトップの管理ポリシーを定める等を行っている。
11:30 – 12:00 Presentation on “OSS at School, Local Government and Ministry of Economy, Trade and Industry (METI)” by
Mr. Seiya Maeda
President, Good Day Inc., Japan
METIにおけるデスクトップOSSの実証実験の目的は、政府の端末としての実用性を検証す ることである。実験期間は2006年3月から5月である。Ubuntu上でFirefox、一太郎、 OpenOffice.org等を利用する予定である。機能性と操作性はMETI職員が使うのに十分と考 えられるが、まだ改善すべき点もある。実験はまだ始まったばかりで、課題も多い。
12:00 – 12:30 Presentation on “Implementation of OSS at Government” by Mr. Nam Il Kyu, Director, OSS Promotion Center
Korea IT Industry Promotion Agency (KIPA), Korea
eGovの採用に関してもっとも重要なのはコストパフォーマンスである。ウェブサーバに はキラーアプリがあり、高い可用性とセキュリティが確認されている。代表的な構成例は、 3層モデルである。 2004年には、8つのパイロットプロジェクトがあった。また、2005年には、11つのパイロ ットプロジェクトを実施した。サーバとデスクトップのふたつのグループに分けられた。 2006年には、3つの大きなプロジェクトが実施予定である。1) 37の政府プロジェクトがLinux ベースになる。2) NEIS (National Education Inforamtion System)では2331のLinuxサー バを導入。3) 全ての自治体(234)で、バックアップサーバ、ウェブサーバにLinuxを導入す る。
また、いくつかの市、大学でOSS化が行われている。公的機関のウェブページにクロスブ ラウジングを可能とする標準を推奨しているということもやっている。
12:30 – 13:00 Presentation on “Sri Lankan FOSS R&D Activity” by
Mr. Chamindra De Silva, Acting Director of Lanka Software Foundation, Lead Committer of Sahana FOSS Disaster Management Project, and Committer of Apache AXIS C++ engine, Sri Lanka
前回のAOSSはスリランカで実施し、National Sri Lanka FOSS Weekとして大々的に実施 した。共催のイベントとして、FOSSchool Event (中高校、大学向け),FOSSSL05 Conference (開発者向け), CxO Conference (経営者向け)といったイベントが行われた。またAOSSと共 にCodefestも実施された。
FOSSにおいてコントリビューションは重要、少しの寄与で全体から利益を得る。しかし アジアにおいては障害がある。英語、専門用語の問題、FOSS文化やエチケットの理解、保
守的で控えめな性格などが障壁となっている。
コントリビューションはコードだけではない。フィードバック、バグレポート、ローカ ライゼーション、ドキュメントを書くこと、使うこと、振興もコントリビューションにな り得る。
また、障害を解消するために地域のスポンサーを得ることも重要である。スリランカの 場合、LK-LUG、LSF (Lanka Software Foundation)、大学(UoP, UoM, UCSC-UoC)、いくつか の企業(hSenid, WS02, Virtusa, Thinkcubedなど)がFOSS R&Dのスポンサー団体となってい る。これらの支援によるいくつかのR&Dプロジェクトのリストと、代表的なプロジェクトと してSahanaプロジェクトが紹介された。
14:00 – 14:30 Presentation on “Report of Localization Workshop in Cambodia” by Mr. Takayuki Sato, General Director, CICC, Japan
2005年秋にカンボジアでLocalizationのワークショップを開催した。ローカライゼーシ ョンは重要だ、ローカライゼーションをやっている、という声をしばしば聞くが、本当の ところは実際どうなのか調査が必要だったためである。 以下のような、いくつかの明らかになった事実が報告された。 - ローカライゼーションには多くの定義がなされている - これ以上ローカライゼーションの重要性をアピールする必要はない - 初期レベルのローカライズ版Linuxは各国で存在するが、Linuxには既にOpeni18n標準 がある - ローカライズされた製品の情報が流通していない - ローカライゼーションの技術者は確信を持てない - I18nはまだ完成されていない - アップストリームへのリンクが貧弱である - どの国もビジネスモデルが確立していない また提言として、 - ディストリビューションチャネルを明らかにすること - ローカライゼーションとカスタマイズを明確に分離すること - ローカライゼーション技術者が議論する会議をこれからも開催すること - アップストリームへのコミュニケーションと標準への準拠を考えること などが挙げられた。
14:00 – 14:30 Presentation on “Report of Localization Workshop in Cambodia” by Presentation on “The Future of Asia OSS Training Program” by Mr. Toru Yamauchi, Managing Director, and
Mr. Venkataraman Narayanan, Consultant
Center of the International Cooperation for Computerization (CICC) Singapore Office
アジアのOSSシーンを考えるに、人的資源が不足している。そこでTrainers'Trainingプ ログラムを実施した。対象はDeveloperからEnd Userまで。トレイナーを教育することで、 その効果が指数的に増大する効果を狙っている。 5th AOSSの成果を受けて、2005年の3月にKLでパイロットプログラムを開催したことを皮 切りに、KL、シンガポール、コロンボ、バンコクと4回、プログラムを実施した。これまで 160人以上の人間がトレーニングを受けた。多数のフィードバックやリクエストを受けてい る。本プレゼンテーションでは、"OSS Essentials"カリキュラム、"Master trainers"プロ グラムが提案された。
14:30 – 16:00 Report on “Summary of Asia OSS Economy”
Presentation on “Open Source Software & Accessbility” by Mr. Lim Kin Chew, ,Manager , Centre for IT in Education & Learning, Temasek Polytechnic
これからの時代は、アクセシビリティサポートが重要になる。OSS上のアクセシビリティ 関連プロジェクトとして、KDE Accessibility Project,OpenOffice 2.0のアクセシビリテ ィサポート、KMouth, Festival, Atutor, GNOME accessibiliyt framework, Sphinx-4, Dasher, Orcaなど様々な試みが紹介された。
14:30 – 16:00 Report on “Summary of Asia OSS Economy”
今回のシンポジウムでは、各エコノミーからの報告の時間が大幅に短縮され、短い時間 の中で現在や将来のトピックについて報告された。なお、本エコノミーからの報告は、弊 財団アジアOSS振興室で取りまとめた。
1. バングラデシュ
UNDP や Open Forum を通じた支援について、また ICT 振興のためのプログラミングコ ンテストが開催されたことなどが報告された。 2. カンボジア カンボジアにおけるFOSSをめぐるエコシステムの全体像について、FOSSの研究と支援の センターの関係組織について、ICTトレーニングの重点領域について、FOSS 専門の認定 について、現在行われているトレーニングについてなどが報告された。 3. 香港 香港では2003年にLinuxリソースセンターが設立されて中小企業の支援が行われている こと、34% の企業でLinuxサーバを利用が利用されていること、Linuxを利用するメリッ トについてなどが報告された。
4. インド OSS のビジネスモデルを考えた時のインドの優位性について、インドにおけるFOSSのエ コシステムの全体像、インドにおける標準やシステムを含めた OSS のミッションや目的 や計画について報告された。 5. インドネシア インドネシアにおける違法ソフト問題、学校での ICT 教育の取り組み、調達プロセスな どについて報告された。 6. 韓国 韓国におけるFOSSのコミュニティ、政府、産業界のそれぞれの概要、KDE が韓国の人が メンテナンスされていること、より安定していることがOSSのメリットであるなどが報告 された。 7. ラオス ラオスでは、OSSは商用ソフトウエアと同じ価格であり、商用ソフトウエアの価格が安い ことから、OSSはあまり一般的ではない、という報告がされた。ローカリゼーションにつ いては、電子メールクライアント、Open Officeの現状が報告され、ローカリゼーション を進めるための開発者のトレーニングの取り組みなどについても報告された。 8. モンゴル 低価格デスクトップPC、 OpenOffice のローカリゼーション、などがモンゴルでの新し い取り組みとして紹介された。またローカリゼーションについては GNOME、KDE、Mozilla Firefoxなどの現状が報告されたが、一般的な認知度の低さや経済的な支援の欠如などの 問題が存在していることも合わせて報告された。 9. ミャンマー ローカリゼーションとLinuxを使ったサーバの現状、人材育成などについて報告された。 10. ネパール ネパールでマイクロカーネル・ベースのオープンソースの OS が開発されたこと、FOSS ネパール・コミュニティが2005年8月に結成されたこと、2005年12月には NepaLinux の 1.0ベータ版がリリースされたことなどが報告され、合わせて将来の計画も報告された。 11. パキスタン 主にオープン・ソース・リソース・センターでの取り組みが報告された。OSRCでは政府 や企業などに技術専門家を派遣したり、政府のデータ・センターにLinuxベースのサーバ を立ち上げるのを支援しており、OSSのマーケットを開拓するための中小企業の役割モデ ルの効果が期待されている。
12. フィリピン 政府職員のための低価格デスクトップPC、Bayanihan Linux サーバの開発終了、電子政 府のプロジェクトなどの現状が報告された。 13. スリランカ 新たな組織としてLinuxセンターが設立され、朝8時から夜8時までコールセンターの機能 をはたしていること、開発やカスタマイズや現地語化を進めるための FOSSter という組 織が設立されたこと、シンハラ語での入力メソッドや文字のレンダリングなどのローカ リゼーションの現状が報告された。 14. タイ OSS人材育成の一貫としてCICCのトレーニングがタイで行われたことを含め、OSS振興や 人材育成、研究開発、政府特別プロジェクト、OSS関係ビジネスなどについて報告された。 15. ベトナム OSSマスタープラン2004、ナショナルOSSセンターなど、OSSベースのエコシステムに向け て進めていることが報告された。 16. チャイニーズ台北 台湾の国家情報通信に関する取り組み、研究開発、政府の取り組み、OSSのライセンス・ ウィザード、OSSのコンサルテーション・センターなどについて報告がなされた。 17. Malaysia マレーシアの公的機関のマスタープランの重点領域について、オープンソースの資格機 関、研究開発、人材育成、大学におけるとりくみについてなどが報告された。 また、日本からは新部氏より、GPL3に関する発表があった。 2006年1月に草案が発表されたGPLバージョン3について、2007年3月に予定されている正 式版発表までのスケジュールを考慮にいれて、内容を検討するためのBOFをこのシンポジウ ムの期間中に設ける旨が日本の新部氏から提案された。GPLバージョン3で新たに追加され たものとしてはデジタル著作権管理(DRM)に関する条項があげられるが、これに関しては 様々な議論が巻き起こっている。 なお、日本のOSSをめぐる取り組みについては別途、初日に発表があった。
16:30 – 19:00 Working Group Meeting on Human Resource Chaired by
Mr. Lim Kin Chew, Manager
まずLim Kin Chew氏のイントロダクションに続き、MRI 飯尾氏から、アジアOSS教材開発 についてのプレゼンテーションが、CICCシンガポールNarayanan氏から、OSS Essentialsカ リキュラムの詳細についてのプレゼンテーションが、それぞれ15分程度の時間を使って行 われた。 本WGにおいて、議論の焦点として、3つの問題を明確にすることに絞られた。 - この議論を通じて各参加者が何を得たいと思うか? - OSS関連人材育成における主要課題は何か? - CICC(sg)とMRIが持つ教材をどう活用するか?
◆2日目
09:50 – 10:20 Presentation on “How FLOSS Helps Local Economic Growth and Business Development" by
Mr. Rishab Aiyer Ghosh
Senior Researcher, UNU-MERIT (United Nations University - Maastricht Economic Research Institute on Innovation and Technology), Netherlands
これまでに実施したFLOSS、FLOSSPOLSの各調査、および現在実施しているFLOSSworldに ついて、その概要が紹介された。 通常の経済活動において資源は有限だが、知財の場合、一度コントリビューションが行 われると全てのユーザが利益を享受することができる。FLOSS調査で明らかになったことは、 64%が個人のコントリビューションであるということ。なお場所的にはEU/USが多い。 FLOSSの利点はいくつかあるが、知識やスキルがあればすぐに貢献できることがひとつの 利点である。ソフトウェアにおいては、カスタマイゼーションは重要。フリーソフトウェ アであればカスタマイゼーションで価値を高めることができる。コードの再利用も同様で ある。FLOSSはスキルの向上にも有用であるが、誰もがプログラムを書くわけではない。た だしHTMLを書くこともプログラミングとすれば、エントリレベルからの技術向上に役立て るともいえる。 FLOSSPOLSプロジェクトでは、スキル調査を行った。FLOSSコミュニティを通じて、技術 的スキル、管理のスキル、法的スキルなどを学んでいることが分かった。その他、きちん とした講義で学ぶこととの対比や経験と対価の関係などが明らかになった。
10:20 – 10.50 Presentation on “Proliferation of OSS in the Malaysian Public Sector” by Dr. Nor Aliah Mohd Zahri
Deputy Director General ( ICT )
MAMPU, Prime Minister Department, Malaysia
2004年7月16日にアナウンスされたOSSマスタープランについての紹介が行われた。 OSSマスタープランは、フレームワークと戦略的指示、技術的案件に関する計画とロード マップ、OSCC (Open Source Competency Center)およびOSSポリシー、標準、ガイドライン を含んでいる。
ストレーションすること、技術を確立すること、TCOおよびOSSによる具体化の利点を研究 することを目的として実施されている。具体的な成果として、ライセンスコストにおいて 88%、開発コストにおいて58%、サポートコストにおいて7%のコストが削減されたとのこと である。
政府関連機関では、MOH、MOF、DOE、Ministry of Domestic Trade &Consumers Affairs, MAMPU, State Government of TERENNGGANUにおいて、OSS の採用が進んでいる。なおMANPU とMOSTIが政府関連の戦略的施策を率先している。その他、教育の状況、会議の開催による OSS振興等も実施されており、それらについての概要が紹介された。 2005年に実施された調査によると、マレーシアの公的機関においては74%の機関がOSSを 利用している。その詳細は、デスクトップで37%、インフラで62%、アプリケーションで54% である。理由の第一位はコストであり、OSSを採用しない理由の第一位はサポートの問題で あった。
11:20 – 11:50 Presentation on "Establishing the Community: the Ruby Case" by Mr. Yukihiro Matsumoto
Research Fellow, Fundamental Research Group
Network Applied Communication Laboratory (NaCl), Japan
数年来、Rubyを作ってきた。ひとりだけで作ったわけではなく、多くの人々に助けられ てきた。その経験を踏まえてコミュニティの重要性と、どうコミュニティを運営していく かについてのプレゼンテーションが行われた。 いくつものオープンソースプロジェクトがあるが、コミュニティが形成されず開発者だ けが開発しているものが多い。そのようなプロジェクトでは、開発者の興味が失せるとソ フトウェアが死んでしまう。
Ruby on Rails の例がある。これは非常に生産性が高く、人気が出た。JavaやPython、 Perl、PHP等でも同様のプロジェクトが続いた。Ruby自身は、1993年に開発が始まり、1995 年に公開、1997年に専属で従事するようになり、1999年に最初の書籍、2000年に英語の書 籍が出版、2003年にOSCONのトラックがあり、2005年にはRuby on Railsの影響でブレーク スルーが起こった。 コミュニティを作るためには、そのソフトウェアの特徴として、使いやすいこと、持続 的に開発が進められていること、開発者の自己満足でないことが必要。コミュニティを維 持する鍵は、人間関係である。友好的な態度をとり、偏見を持たず、事実にのみ基づいて 行動することが必要だ。
11:50 – 12:20 Presentation Address on “Successful Case Study in Implementing OSS Ecosystem in Extremadura in Spain” by
Mr. Luis Casas Luengo, Foundation for the Development of Science and Technology in Extremadura, Spain
エストラマドラ州はスペインの中でも貧しい地域である。情報社会へ転換するために、 OSSを活用した低コストの情報化戦略を2002年から始めた。誰でも使い易いGUIを持つ DebianベースのgnuLiExを開発し、中学校66,000、小学校21,000台のLinux PCを設置した。
地方政府、企業、大学、市民などが協力してエコシステムを構成し、エストラマドラの 情報社会化へ取り組んでいる。現在、民間企業がgnuLinuxを使ってシステムを開発し、情 報サービスが提供されるよう促している。
12:50 – 13:20 Presentation on “OSS-styled Knowledge Development System (KUI)” by Dr. Virach Sornlertlamvanich, Co-Director
Thai Computational Linguistics Laboratory (TCL) NITC, Thailand タイと日本で協調作業を行うプロジェクトの一環として「知識」を開発するシステムを 構築した。その概要が紹介された。 知識の開発には、話題、意見、ローカライゼーション、パブリックコメントの手順を経 る。そのためのシステムとして、アンケート、チャット、投票といった機能を備えている。 このシステムの特徴は、オンラインコミュニティベースの議論を行うこと、OSS式の協調作 業であること、多言語対応であることなどである。
12:20 – 12:50 Presentation on “CE Linux Forum (Embedded System) A Challenge to Establish an OS Development Community” by Mr. Satoru Ueda, Technical Marketing Manager
Sony Corporation, Japan
いまやLinuxは多くの家電製品で利用されている。例えばモトローラの携帯電話もLinux ベースである。ただし家電製品には特別な要求が多い。しかしながら、CE Linux Forumは、 「CE Linux」という特別なOSを作る活動ではなく、どのような要求があるかを論じている。 CE Linux の取組みを鮭の生態系になぞらえた紹介があった。小さなアイデアを持つユー ザがそれを川に放流すれば、関係者がそれを育て、収穫を得た結果、ユーザに利益がもた らされるというモデルである。 2003年の秋から、Technical Jamboreeというイベントが開催されている。CELFフォーラ ムメンバに限定されたイベントではなく、オープンなイベントである。最近では2006年の1 月に6回目のイベントが開催された。 日本の利点としては、狭いところに住んでいるので対面の会合をもちやすいこと。一方 で、英語の障壁や、OSS開発に対する意識がまだ高くないことなどの不利な点もある。メイ ンストリームとの協調として、OLS (Ottawa LinuxSummit) 2005に参加、出展した。CELF自 身が、オープンソースの開発コミュニティになっている。
15:50-16:10 Presentation on “Next Stage of OSS Promotion Policy” by Mr. Katsuhiko Kaji
Director, Commerce and Information Policy Bureau Ministry of Economy, Trade and Industry (METI), Japan
日本では、e-Japan戦略を進めてきたが、先日来、IT新改革戦略に移行した。2005年11月 に韓国で開催されたAPEC大臣会合においてOSSの重要性が認識されたということも、非常に 重要なことと考える。
日本では、OSS振興施策として、技術開発、国際協力、法的保護、利用振興といった4つ の側面で支援している。学校での実証実験、自治体での実証実験に加え、METI内部でもデ スクトップ利用を進めている。また法的問題に対する研究も進めている。 また新しいトピックとして、デジタルコンテンツの問題がある。デジタルコンテンツ市 場は拡大している。様々な課題がある。例えばIPRの正規利用の問題がある。また、DRMを 特定のシステムにバンドルして独占市場を形成してはならないということも大切である。
16:10 – 16:50 Presentation on “Malaysian Open Source Community - Past, Present and Future” by
Mr. Ditesh Kumar and Dr. Nah Soo Hoe Community Advocates for OSS, Malaysia
マレーシアのOSSコミュニティのメンバは、政府(MAMPU、MIMOS)、通商機関(PIKOM)、大 学、草の根メンバと幅広い。OSSの政策、普及・啓蒙、ユーザ・開発者コミュニティの構築 などの活動を行っている。月例会合を開催し、活発な質疑応答が行われている。RMSを招待 し、2つの大学で講演してもらった。今後このようなイベントも拡げてゆく予定である。ま た、FOSSマガジンを毎月発行し、2000名以上の読者がいる。 マレーシア国内開発者の数は小さいが、グローバルプロジェクトへ大きく貢献している。 開発者コミュニティは拡大しなければならないが、OSS等使えない等の誤認識、文化的障壁、 上達者と新参者に距離といった障害がある。 OSSの認定資格の必要性を感じ、LPIの協力を得て、低価格(120RM=約3,600円)でLPI試験 を実施し、60名が受験した。市場ニーズの高いMS資格に対し、OSS資格をどのように位置づ けるのかが今後の課題である。
16:50 – 17:20 Presentation on “CodeFest Asia and Local CodeFest --Our Experience of Free Software Developments” by Mr. Yutaka Niibe, Group Leader
Free Software Initiative Group, of National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Japan
Mr. Kwon Soon Son, Founder and Leader, Korean Linux Documentation Project (KLDP), Korea コードフェストとは何か、何のためにやるのか、歴史とバックグラウンド、今回のコー ドフェストをサンプルとして、どのように運営するのかの説明が行われた。 コードフェストとは、ハッカーが集まってコードを書くイベントであり、コミュニティ を形成するために行われる。2004年に韓国で発祥、これまでAsiaOSSに併設して3回実施さ れた。FLOSSはソースコードこそが命である。だからコードフェストを実施する。コードフ ェストでは、バグを潰す、ソフトウェアをリリースするなど様々な活動が行われる。 コードフェストを実施するには、会場、電源、テーブルを準備して、多少の食糧、水な どを用意すればよい。実施の様子を記録するためにWikiを用意したり、IRCを用意するとよ い。典型的には2日間、土日の開催がよい。 参加者に要求されることは、フリーソフトウェア等の基礎的な知識と、WikiやIRCを使う
知識、ハッキングで世界を変えようという熱意があればよい。先生がいるようなものでは なく、相互に助け合うイベントである。携帯電話を持ち込んではいけない。他の仕事や作 業をしてもいけない。アルコールもダメ。
今回のコードフェストは、3/4,5にMIMOSで開催された。テーマはLive CD。26人が参加し て、海外からの参加は8人だった。皆がエンジョイしたことが何よりである。
16:50 – 17:20 Presentation on “CodeFest Asia and Local CodeFest --Our Experience of Free Software Developments” by Mr. Rizal Mohd. Nor, Researcher, MIMOS Berhad, Malaysia
MIMOSで30時間のイベントとして、Live CDによる特別なLinuxディストリビューションの 作成をテーマに実施した。 コードフェストではとにかく前へ進むことが重要。考えてばかりで何もしないのはいけ ない。また相互に確認しあうことが効果的である。またコードフェストには、コミュニケ ーション、知識の共有、経験といった利点がある。ただし、ローカルの開発者にとっては、 言語の障壁がありアイデアの共有がうまくいかないことがある。またカーネルハッカーか らウェブアプリケーションのプログラマまで参加者の背景は多様で、技術的なギャップも ある。 その後、当日の写真を用いて3月4日、5日に実施された今回のコードフェストの様子が報 告された。
◆3日目
ワーキンググループ報告
09:15 – 10:45 Working Group Report on Human Resource by Mr. Lim Kin Chew, Manager
Center for IT in Education & Learning, Temasek Polytechnic Singapore
3つの主要課題を明らかにした。3つの主要課題とは、研修プログラム、資格認証、コミ ュニティである。 OSSに関する職種を分類することが重要で、それぞれについて、教育コースを編纂するこ とが必要であるとされた。OSS技術者には、エンドユーザ、システム管理者、開発者、ハッ カー(高度開発者)の4つのレベルがある。それぞれに対し、資格認定や認証、ライセンス等 が必要となるだろう。 まずは、OSS研修を開発して改善していくうえでの問題を検証する。また研修に関連した コミュニティを構築する。これらの活動の手段として HRD WGは、CICCシンガポールが実施 する研修のサポート、AOT (Asia OpensourceTrainer)コミュニティの構築等を実施してい く。
09:15 – 10:45 Working Group Report on Standards / Localisation by Mr. Aizat Faiz
on behalf of Mr. Takayuki K. Sato, General Manager & Chief Researcher, CICC
情報交換を密にする必要がある。とくにローカライゼーションの成功事例などについて。 ローカライズしたLinuxをどのように配布するか。ビジネスモデルも考えなければならない。 またフィードバックをユーザから得ることも必要である。レンダリングエンジン、印刷等 の国際化の技術開発も、もっと進めなければならない。
09:15 – 10:45 Working Group Report on Open Source Ecosystem
Chaired by Dr. Azman Firdaus Shafii, Founder Chairman & CEO Open Source System Sdn. Bhd, Malaysia
持続的な環境を維持するために政府、公的機関、大学、私企業、ユーザコミュニティ、 開発者全てが、革新的なサイクルをもって相互作用を行うべきである。 ポリシー、標準、リソースセンター、金銭的支援、教育、開発等、政府が環境を用意す ることは可能だが、政府に期待しすぎてはいけない。自らの問題である。公式な、また非 公式な形式で国際的協調を行うOSSネットワークを強化すること。まずは文化を共有するパ イロットプロジェクトを行うべし。
展示の様子 今回はシンポジウム会場外に展示スペースを設け、日本企業・MIMOS・MAMPUの展示を行 った。日本企業は5社(ソニー&ルネサスソリューションズ、ミラクルリナックス、産総研 &アルファシステムズ、NEC、日本SGI(敬称略、順不同))に展示いただいた。 以下、各社の展示概要を記す。 株式会社ソニー(上田理氏より報告) ・展示概要及び所感:株式会社ルネサスソリューションズの協力を得て、組込み開発環境 の展示を行った。具体的には組込用グラフィックスシステムの技術展示を行った。初日は あまり積極的な来訪者は見受けられなかったが、2日目は極めて強い関心を持つ訪問者が あり、アジア圏、特にインド、マレーシア、ベトナムの組込み領域に於ける開発潜在能力 を垣間見る思いが有った。今後アジア各国に於ける組込み系のエンジニアとの交流が盛ん になることを願う。
・CE Linux Forumに関する講演:シンポジウムの講演にて、CE Linux Forumの活動を紹介 したが、会場からの反応が良く、アジア地区に於けるこの領域でのオープンソース開発に 関しても高い関心が有ることを伺い知った。寄せられた質問も当を得たものであった。エ ンタープライズシステム系に比べて組込み系でのオープンソース活動は、民間を如何に動 機づけるかなど課題がまだまだ多いが、今回のセッションがそのアジア地区での活性化の 端緒になれば嬉しい。 株式会社アルファシステムズ(北川健司氏より報告) ・展示概要:IPA 2005年度上半期「オープンソースソフトウェア活用基盤整備事業」での 成果である、Accelerated-KNOPPIXを展示した。随時、同一スペックのPCで高速化した KNOPPIXとそうでないものの比較を行なった映像を流し、既存のKNOPPIXと高速化された KNOPPIXの起動時間の差を体感するという内容。 ・参加者の反応:多くの参加者が、KNOPPIXを認知し、その遅さも知っていたため、まず、 その高速起動に驚いていた。同時に、その高速化の仕組みについて関心を示していた。準 備していた配布用のCDはすぐに無くなったため、このURLからAccelerated-KNOPPIXをダウ ンロードできるということと、GPLで公開しているlcatというパッケージを使えば、既存の ライブCDを高速化できることを伝えた。また、Accelerated-KNOPPIXは標準で日本語環境と なるため、展示用PCの画面を見て、英語版はないのか?という質問が多かったが、これに 対してはbootオプションにて対処できることを伝えた。 ミラクル・リナックス株式会社(吉岡弘隆氏より報告) ・展示内容:Asianuxのデモとポスターの展示をおこなった。Asianuxとは、アジアを代表 するリナックスOSベンダである、日本のミラクル・リナックス株式会社(MIRACLE LINUX Corp.)、中国のレッドフラッグ・ソフトウェア(Red Flag Software Co., Ltd.)、および
韓国のハーンソフト(Haansoft Inc.)の3社によって共同開発された、Linuxプラットフォ ームである。 ・所感:参加者は主に各国政府関係者で民間からの参加者は日本とマレーシアをのぞくと ほとんどいないようであった。Asianuxについては名前だけでも知っているという人が何人 かいたのが驚きであったが、インドやベトナム、カンボジア等の政府関係者と名刺交換を したので、今後情報交換をしていきたい。 日本SGI株式会社 (高澤真治氏より報告)
・展示内容:Linuxサーバ上で稼動するCase Study紹介した。Video Clipから
1.NASA Columbia Project:10,240CPU/20TB Memory/Linuxによるコンピュータリソース をスペースシャトルの流体計算、地球環境や海洋循環モデル、ハリケーンの軌道計算など のシミュレーションのための膨大な計算処理とデータを処理に活用した事例を紹介、HPC分 野でのテクノロジーを支える基盤がLinux/OSSと紹介を行った。 2.1964年新潟沖地震のデータを下に、海中の震源地付近から津波が発生し、信濃川をさ かのぼるCGを紹介。さらに、2004年におきたスリランカ沖地震での津波をシミュレーショ ンし、被害のモデルを紹介。アジア各国が共通して取り組むべきプロジェクトとして独立 行政法人港湾空港技術研究所Videoを紹介した。 3.1923年関東大震災をモデルに、東京大学地震研究所でのシミュレーションを紹介。震 源地から地震の波が地中を伝播する様子を地下の構造に基づき計算した結果をモデル化し てVideoで紹介し地表での震度を実観測データと比較し、モデルの検証を説明した。 ・所感:OSS/Linuxを基盤した研究開発分野での適用事例として、CGモデルにより紹介する ことで、言語を越えて理解をして頂けたと思う。アジア各国が共通にR&Dで検証するプロジ ェクトとしては、自然災害への対策として、共通基盤をOSS/Linuxではじめる良い機会では ないかと思う。また、OSS/Linux上でのアプリケーションがビジネスモデル創出のヒントで あり、さらに、災害対策の周辺技術(災害予知と通知システム、GISシステムなど)への応 用を検討する契機になることを期待したい。
◆KL Statement(日本語訳)
Kuala Lumpur Statement 8 March 2006 Kuala Lumpur, Malaysia
Statements 2006年3月6-8日に開催された、第7回アジアOSSシンポジウムのラウンドテーブルに参加し た19カ国・地域(Appendix1)の参加者は、ここにKLステートメントに合意する。 3 日間渡って開催されたシンポジウムは、 アジアオープンソース・エコシステムに向かっ て ∼OSS の持続的な発展のために∼ というテーマのもと、参加者は、プレナリーセッシ ョン、ワーキンググループミーティング、ラウンドテーブルディスカッションを含む、知 識を高める活動に参加した。 ラウンドテーブルメンバーは過去 6 回のシンポジウムを通じて、各エコノミーの OSS 関係 者による情報交換、人的ネットワークの構築、参加各エコノミーにおける広く一般に対す るオープンソースソフトウェアの認知と啓蒙が出来たことを確認した。そして、このシン ポジウムがエコシステムをテーマとした新たなフェーズに入ったことを確認した。 OSS エコシステムの実現には、持続的なサイクルの中で、ステークホルダーが係わり合い、 協調し、影響しあう環境を作ることが求められる。ステークホルダーには、政府、民間、 大学、コミュニティセクターが含まれ、OSS エコシステムの中ではこれらのセクターが成長 することが期待される。 持続的な OSS エコシステムを高めるために、われわれは人材育成、標準化・ローカライゼ ーション、将来の実行に向けたステージに焦点をあてたい。 OSSエコシステム われわれは、知識社会を実現する戦略として、アジア地域にOSSを導入し展開を推進するリ ソースを育て供給することが可能となる、持続可能なOSSエコシステムを確立する必要を認 識した。このために、われわれは、政府の役割として、知識社会を実現するための戦略と して、アジアにおけるOSSを導入し展開するための環境を作ることを認識した。 人材育成 OSSスキルと資格について、現存するフォーマル及びノンフォーマルの研修プログラムや教 材の質を高め、専門性を高め、OSS専門家コミュニティを構築するため、さらなる努力が必 要である。
標準化・ローカライゼーション われわれは、既にローカライズされたOSSが存在することを認識し、このため、今後のOSS の展開には、現地語化製品の普及啓蒙のためのディストリビューションチャネルの必要性 を認識した。同時に、情報交換の場の提供(人的ネットワークの継続)の必要性を確認し た。また、OSSのさらなる開発のために、リサーチグループと開発者、政策決定者間で、継 続的にネットワークと対話構築の必要性を確認した。 CodeFest CodeFest は開発者の育成と開発を促進することが認識された。このため、われわれは OSS エコシステムの開発を強化するため、定期的に CodeFest イベントを開催することを支持す る。 今後の方向性と課題 今後、シンポジウムは年1回実施することで合意した。しかしながら、われわれはテーマ毎 のグループが、各々のOSSイニシアチブを拡大することを奨励する。 アジア地域でのOSSエコシステムの実現に向けて、われわれは、次の課題を認識した; クリティカルマスの創造、参加各国におけるフォーカルポイント、OSSの法的課題、定期的 な研修プログラムの実施、リソース・教材及び、特に国際的なコラボレーションやマルチ ステークホルダーパートナーシップを含むOSSプロジェクトの効果的開発の共有化 第7回アジアOSSシンポジウムのラウンドテーブルに参加した19カ国・地域(Appendix1)の 参加者は、OSSエコシステムの可能性実現に向けた第一歩を構築した。 Appendix 参加した 19 カ国・地域の名前(省略。中国・ブルネイは参加せず)
7th Asia Open Source Software (OSS) Symposium Kuala Lumpur Statement
8 March 2006
We, the participants of the Roundtable at the 7th Asia Open Source Software (OSS) Symposium, 6-8 March 2006, representing the 19 Asian Economies listed in Appendix, hereby agree to recognise the Kuala Lumpur Statement for the Asia OSS Roundtable.
The 3-day long symposium has adopted the theme, “Towards Asia Open Source Software Ecosystem - for sustainable development of OSS”. As planned, participants engaged in several knowledge-enriching activities which include plenary sessions, working group meetings and roundtable discussions.
We confirmed that the previous six symposia have facilitated information exchange among Asia OSS members in each economy, established human networks, and have led to the widespread acknowledgement and understanding of open source software by the general public. Now, we acknowledge that Asia OSS is entering a new era of development that focuses on the OSS ecosystem.
The OSS ecosystem is envisaged to be an environment in which the stakeholders interact, collaborate and leverage on one another in a continuous cycle. The stakeholders include organisations from the public, private, academic and community sectors and symbiotic growth is encouraged among these organisations in the OSS ecosystem.
Towards enhancing a sustainable OSS ecosystem, we want to give attention to human resource development, standardisation, localisation, and future implementation strategies.
OSS Ecosystem
We recognise the need to establish a sustainable OSS ecosystem that is able to nurture and provide critical resources to drive the adoption and deployment of OSS in Asia as a strategy towards achieving a knowledge society.
We recognise that governments can create an enabling environment to drive the adoption and deployment of OSS in Asia as a strategy towards achieving a knowledge society through formulating appropriate policies, legislations and support infrastructure.
Human Resource Development
With regard to OSS skills and certification, greater efforts are needed to improve existing formal and non-formal training programmes and materials, enhance professionalism and build a community of OSS professionals.
Standardisation and Localisation
We recognise the prevalence of localised OSS, and therefore it has become imperative to identify the distribution channels to promote these products.
We also duly recognise the need for a regular forum for information exchange among members.
It is also vital for research groups and development practitioners as well as policy formulators to continuously build network and dialog sessions in order to develop the OSS further.
CodeFest
CodeFest has been proven to motivate developers and accelerate development. Therefore, we support the setting up of periodic CodeFest events to strengthen the development of the OSS ecosystem.
Future Direction and Challenges
We agree that future OSS symposia to be held once a year. However, we encourage interest groups to spearhead their own OSS initiatives.
Towards realisation of OSS ecosystem in Asia, we are fully aware of challenges such as creating critical mass, focal point in participating economies, legal aspects of OSS, instituting regular training programmes, sharing of resources and materials and effective deployment of OSS projects especially involving international collaboration as well as multi-stakeholder partnership.
We, the participants of the 7th Asia OSS Roundtable have laid the groundwork for realisation of the full potential of the OSS ecosystem.
Appendix:
7
thAsia Open Source Software Symposium Member Economies
Bangladesh, Cambodia, Hong Kong China, India, Indonesia, Japan, Korea, Laos, Malaysia, Mongolia, Myanmar, Nepal, Pakistan, Philippines, Singapore, Sri Lanka, Chinese Taipei, Thailand, Vietnam
◆プログラム
PROGRAMME FOR CodeFest March 4-5, 2006
MIMOS, Kuala Lumpur, Malaysia
Day 1: March 4th, 2006
08:30 – 09:30 Registration : Arrival of all participants. 09:30 – 10:00 Briefing by Mr. Yutaka Niibe and Mr. Rizal 10:00 – 10:30 Coffee/Tea Break
10:30 – 11:00 Ice breaking session and Self introduction from participants. Selection of team members and interest area. Sharing of PGP key signing.
11:00 – 13:00 Brainstorming Session for each teams. 13:00 – 14:00 Lunch
14:00 – 16:00 Collaborative development environment setup for development preparations.
16:00 – 16:30 Coffee/Tea Break
16:30 – 19:00 Code Marathon: Each Team concentrating on their objectives. 19:00 – 21:00 Dinner
21:00 – onward Code Marathon
Day 2: March 5th, 2006
Prev. Day – 10:00 Code Marathon 10:00 – 10:30 Coffee/Break 10:45 – 12:30 Code Marathon 12:30 – 14:00 Lunch
14:00 – 16:00 Group Presentation and prove of concepts. 16:00 – 17:00 Closing Remark, Present Token of
Appreciation. 17:00 End
PROGRAMME FOR 7th ASIA OPEN SOURCE SOFTWARE SYMPOSIUM March 6-8, 2006
Nikko Hotel, Kuala Lumpur, Malaysia
Day 1: March 6th, 2006 (Closed Session)
08:00 – 09:00 Registration
09:00 – 09:30 Address from Co-Chair by
Dr. Shuichi Tashiro, Chairman of Asia OSS Steering Committee, General Manager, Open Source Software Center, Information Technology Promotion Agency (IPA), Japan, and
Ms. Rohani Ismail, Acting Lab Director, MIMOS Berhad, Malaysia
09:30 – 10:00 Presentation on “Towards Asia Open Source Software Ecosystem for Sustainable Development” by
Ms. Raja Noor Ainin R. Zainal Abidin
for President & CEO of MIMOS Berhad, Malaysia
10:00 – 10:30 Coffee/Tea Break
10:30 – 11:00 Presentation on “Establishment of OSS Center in Japan” by
Dr. Shuichi Tashiro, Chairman of Asia OSS Steering Committee General Manager, Open Source Software Center
Information Technology Promotion Agency (IPA), Japan, and
Presentation on “Overview of Co-Operative Benchmark Evaluation Project” by
Mr. Tomomi Suzuki, Director of OSS Promotion
Open Source Software Technology Center, Software Division Hitachi, Ltd., Japan
11:00 – 11:30 Presentation on “OSS Ecosystem in Malaysia “ by
Mr. Hemant Shah, IBM Asean/SA Strategic Growth Business Executive & IBM Asean/SA Linux Executive, Malaysia
11:30 – 12:00 Presentation on “OSS at School, Local Government and Ministry of Economy, Trade and Industry (METI)” by
Mr. Kazuo Hiyane
Research Director, Mitsubishi Research Institute, Japan
Mr. Kazuhiro Ooki
Manager, Linux Promotion Center, NEC Corporation, Japan
Mr. Seiya Maeda
President, Good Day Inc., Japan
12:00 – 12:30 Presentation on “Implementation of OSS at Government” by Mr. Nam Il Kyu, Director, OSS Promotion Center
Korea IT Industry Promotion Agency (KIPA), Korea
12:30 – 13:00 Presentation on “Sri Lankan FOSS R&D Activity” by
Mr. Chamindra De Silva, Acting Director of Lanka Software Foundation, Lead Committer of Sahana FOSS Disaster Management Project, and Committer of Apache AXIS C++ engine, Sri Lanka
13:00 – 14:00 Lunch at Junior Ballroom, Nikko Hotel
14:00 – 14:30 Presentation on “Report of Localization Workshop in Cambodia” by Mr. Takayuki Sato, General Director, CICC, Japan
Presentation on “The Future of Asia OSS Training Program” by Mr. Toru Yamauchi, Managing Director, and
Mr. Venkataraman Narayanan, Consultant
Center of the International Cooperation for Computerization (CICC) Singapore Office
14:30 – 16:00 Report on “Summary of Asia OSS Economy”
16:00 – 16:30 Coffee/Tea Break
16:30 – 19:00 Working Group Meeting on Human Resource Chaired by
Mr. Lim Kin Chew, Manager
Center for IT in Education & Learning, Temasek Polytechnic Singapore
Working Group Meeting on Standards / Localisation Chaired by
Mr. Takayuki K. Sato, General Manager & Chief Researcher, CICC
Working Group Meeting on Open Source Ecosystem Chaired by
Dr. Azman Firdaus Shafii, Founder Chairman & CEO Open Source System Sdn. Bhd, Malaysia
19:30 – 22:30 Dinner at Mandarin Oriental Hotel, Kuala Lumpur Hosted by CICC
Day 2: March 7th, 2006 (Open to Public)
08:00 – 09:30 Registration
09:30 – 09:40 Welcoming Address by Ms. Raja Noor Ainin R. Zainal Abidin for President & CEO of MIMOS Berhad, Malaysia
09:40 – 09:50 Welcoming Address by Mr. Akio Kanaya Executive Director, CICC, Japan
09:50 – 13:20 Plenary Session
Chairperson :
Y.Bhg Dato' Dr. Raja Malik Raja Mohamed
President, Malaysian National Computer Confederation, Malaysia
09:50 – 10:20 Presentation on “How FLOSS Helps Local Economic Growth and Business Development" by
Mr. Rishab Aiyer Ghosh
Senior Researcher, UNU-MERIT (United Nations University - Maastricht Economic Research Institute on Innovation and Technology), Netherlands
10:20 – 10.50 Presentation on “Proliferation of OSS in the Malaysian Public Sector” by Dr. Nor Aliah Mohd Zahri
Deputy Director General ( ICT )
MAMPU, Prime Minister Department, Malaysia
10:50 – 11:20 Coffee/Tea Break
11:20 – 11:50 Presentation on "Establishing the Community: the Ruby Case" by Mr. Yukihiro Matsumoto
Research Fellow, Fundamental Research Group
Network Applied Communication Laboratory (NaCl), Japan
11:50 – 12:20 Presentation Address on “Successful Case Study in Implementing OSS Ecosystem in Extremadura in Spain” by
Mr. Luis Casas Luengo, Foundation for the Development of Science and Technology in Extremadura, Spain
12:20 – 12:50 Presentation on “CE Linux Forum (Embedded System) A Challenge to Establish an OS Development Community” by Mr. Satoru Ueda, Technical Marketing Manager
Sony Corporation, Japan
12:50 – 13:20 Presentation on “OSS-styled Knowledge Development System (KUI)” by Dr. Virach Sornlertlamvanich, Co-Director
Thai Computational Linguistics Laboratory (TCL) NITC, Thailand
13:20 – 14:30 Lunch at Junior Ballroom, Nikko Hotel
14:30 – 16:10 Official Opening
14:30 Arrival of invited guests
14:50 Arrival of YB Dato' Sri Jamaludin Jarjis
Minister of Science, Technology and Innovation (MOSTI) Malaysia
15:00 Speech by Mr. Katsuhiko Kaji
Director, Commerce and Information Policy Bureau Ministry of Economy, Trade and Industry (METI), Japan
15:20 Speech and Official Opening by YB Dato' Sri Dr Jamaludin Jarjis Minister of Science, Technology and Innovation (MOSTI), Malaysia
15:40 – 16:10 Refreshments & Press Conference
16:10 – 17:20 Plenary Session ( cont'd )
16:10 – 16:50 Presentation on “Malaysian Open Source Community - Past, Present and Future” by
Mr. Ditesh Kumar and Dr. Nah Soo Hoe Community Advocates for OSS, Malaysia
16:50 – 17:20 Presentation on “CodeFest Asia and Local CodeFest --Our Experience of Free Software Developments” by Mr. Yutaka Niibe, Group Leader
Free Software Initiative Group, of National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, Japan
Mr. Kwon Soon Son, Founder and Leader, Korean Linux Documentation Project (KLDP), Korea
Mr. Rizal Mohd. Nor, Researcher, MIMOS Berhad, Malaysia
17:20 – 19:20 Working Group Meeting (cont'd)
20:00 - 22:30 Dinner and Malaysian Cultural Show, Saloma Bistro Kuala Lumpur, Hosted by MIMOS Berhad, Malaysia
Day 3: March 8th, 2006 (Closed Session)
09:15 – 10:45 Round Table 1 - Report from each Working Group
10:45 – 11:15 Coffee Break
11:15 – 12:00 Round Table 2 - Kuala Lumpur Statement
12:00 – 12:15 Closing Address by CICC/MIMOS
12:15 – 14:00 Lunch at Junior Ballroom, Nikko Hotel & Hotel Check-out
14:00 – 18:00 City Tour (Registered Participants Only)
- Visit to The Malaysian Government Open Source Competency Centre Hosted by MAMPU, Prime Minister Department, Malaysia - Visit to Cyberjaya, Putrajaya and Kuala Lumpur