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Keiho NAMSA* and Tadao YOSHIDA* * Faculty of Engineering, University of Tokyo, (7-Chome, Hengo, Bunkyo-ku, Tokyo)

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★資

芳*・ 吉

雄*

Nitric Acid Oxidation .

Keiho NAMSA* and Tadao YOSHIDA*

 硝 酸 と有 機 化 合 物 と の反 応 は ニ トロ基 を 導 入 す る反 応,す な わ ち,C-,O-お よびN-ニ トロ化 反 応 と して , TNT,ピ ク リン酸 ,ニ トログリセ リン,ニ トロセル ロ ーズ,ヘ キ ソー ゲ ン等 の 爆 薬 そ の 他 の製 造 プ ロセ ス に用 い られ て きた 。上 例 はイ オ ン的 な機 構 に よ って反 応 が進 行 す る もの で あ るが,ラ ジ カル 的 な機 構 で進 行 す る ニ ト ロ 化 反 応 生 成 物 と して低 級 ニ トロパ ラフ ィ ン類 ,ニ トロシ ク ロヘ キ サ ンな どの製 造 も工 業 化 され て い る。   反 応 条 件 に よ って硝 酸 は酸 化 剤 と し て働 き,酸 化生成 物 を与 え る。 ニ トロ化 を 目的 と し た場 合 に は 副 反 応 と し て嫌 われ る が,硝 酸 酸 化 は脂 肪 族 お よび ア ル キ ル芳 香 族 化 合 物 の選 択 性 の よい 酸 化 法 と して か な りの意 義 を も っ てい る。 シ ク ロヘ キサ ノー ル お よびp-キ シ レン の 硝 酸 酸 化 に よ るア ジ ピ ン酸 お よび テ レフ タ ル酸 の製 造 は こ の 好 例 で あ ろ う。   残 念 な が ら硝 酸 酸 化 の工 業 化 は医 薬 品 の 一 部 を除 い て は わ が 国 で は 見 られ な か っ た が,今 後 は大 規 模 な 工 業 化 が 行 わ れ る気 運 も見 られ る。  硝 酸 酸 化 につ い て は,ニ トロ化 反応 を 主 体 と したTi-tov1),Topchiev2),Riebsomer3)の 総 説 が あ り,わ が 国 で は小 方 ら4)に よ る硝 酸酸 化 を主 体 と した優 れ た総 説 が あ る。 気 相 で の 二酸 化 窒 素 に よ る 酸 化 反 応 に つ い て は Thomas5)が ま とめ てい る。  当 稿 で は 炭 化水 素 お よ び そ の反 応 中 間 体 と硝 酸 お よび 二 酸化 窒 素 との反 応 を 中心 に紹 介 す る。 Ⅰ.パ ラ フ ィ ン類 お よ び ア ル キ ル ベ ン ゼ ン類 パ ラ フ ィ ン系炭 化 水 素 と希 硝 酸 と の液 相 反 応 は古 くは Konovalov2)に よ っ て 研 究 さ れ た が,必 らず ニ ト ロ化 と 酸 化 と が 併 起 す る 。 そ の 後 こ の 反 応 はTitovら6∼11)に よ っ て 詳 し く研 究 され,初 期 反 応 過 程 は つ ぎ の よ うに 示 さ れ た 。 NO+2HNO3〓3NO2+H2O………… 〔1〕 RH+NO2〓R・+HNO2……… 〔2〕 R・+NO2RNO2……… 〔3〕 R・+NO2RONO……… 〔4〕 R・+O2NNO2RONO+NO2点……… 〔5〕 R・+NORNO……… 〔6〕 濃 硝 酸,ま た は 五 酸 化 窒 素 と の 常 温 で の 反 応 はTitov ら12,13),Brandら14)に よ っ て つ ぎ の 機 構 が 与 え ら れ て い る 。 3HNO3〓N2O5+H2O・HNO3……… 〔7〕 N2O5〓NO3+NO2……… 〔8〕 RH+NO3R・+HNO3……… 〔9〕 R・NO2RNO2……… 〔10〕 R・+NO2RONO速いRONO2点…… 〔11〕 R・+N2O5RONO2+NO2……… 〔12〕 硝 酸 の分 解 反 応 〔7〕は希 硝 酸 に よ る酸 化 反 応 の誘 導 期 に 関 し て も重 要 で あ る が,説 が 分 か れ て い る現 状 で あ る15)。  気 相 で の 硝 酸 ま た はNO2と の反 応 は主 と して ニ ト ロ 化 合 物 の合 成(気 相 ニ トロ化)お よび 燃 焼 反 応 か ら興 味 を 持 たれ てい る の で説 明 を省 くが,そ の 機 構 はBachman ら16,17),Schayら18),Geislarら19),Albrightら20) , Topchievら21),Leeら22),Myersonら23) ,Titov1)に よ っ て提 案 され てい る。 問題 点 は 硝酸 か らの 活性 攻 撃 種 生 成 の機 構,水 素 引抜 き反 応 種 が何 で あ る か ,NO2と の反 応 で は開 始 反 応 が 水 素 引 抜 き か会 合 か,連 鎖 過程 が 含 まれ るか 等 の諸 点 で あ る。 一 次 生 成物 ま た は 中 間生 成 物 を と ら え に くい た めに 決 定 的 な結 論 を 出 す こ とが 困難

*東

京大学工学部燃料工学科(東 京都文京区本郷7丁

目)

* Faculty of Engineering , University of Tokyo, (7-Chome, Hengo, Bunkyo-ku, Tokyo)

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959 表1パ ラフ ィン系炭化水素 と硝酸 との反 応 A:ラ ジ カ ル,た と えば,・NO2,・NO3,HO・,=C1,O2等 で あ る。  パ ラ フ ィン系 炭 化 水 素 と硝 酸 ま た はNO2と の 反 応 の 反 応 過 程 はTitov1)に よ って 表1の よ うに与 え られ て い る。 こ の よ うに 多数 の生 成 物 が認 め られ て い る が,特 定 生 成 物 の収 率 を増 す こ とは 基 質,反 応 条 件,触 媒 等 を 選 ぶ こ とに よ って あ る程 度 可 能 で あ る 。 トル エ ン誘 導 体 図1 ト ル エ ン 硝 酸 化 の 選 択 率 ・時 間 曲 線 90℃,ア ンプ ル 中,PhCH3/HNO3=3,20wt%HNO3 図2 p-キ シ レ ン 硝 酸 酸 化 の 選 択 率 ・時 間 曲 線 90℃,開 放 容 器 中 か くは ん,HNO3(20)-H2SO4(10)-H2 O(70wt%),p-キ シ レ ン/HNO3=1/2 の希 硝 酸 酸 化 で は 図1,2に 示 す よ うな選 択 率 時 間 曲 線 31,32)が得 られ,前 掲 の機 構 と合 わせ て,つ ぎ の反 応 経 路 が考 え られ た。 〓 硝 酸 酸 化 に 対 す る反 応 性 を厳 密 に 論 ず る こ と は現 状 で は問 題 が あ るが,基 質 構造 と攻 撃 ラ ジ カル に分 け て考 え る こ とが で き よ う。 初 期 反 応 速 度 につ い て求 め られ た 活 性 化 エ ネ ル ギ ー を 表2に 示 し た。 これ らの値 は異 な る 条 件,試 薬,方 法 に よ って 得 られ た もの で同 じ基 質 につ

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960 有 機 合 成 化 学 第24巻 第10号(1966) (122) 表2パ ラ フ ィン 系炭 化 水 素の 結 合 解 離 エ ネル ギ ー(D) と硝 酸 酸 化 の 活性 エ ネ ル ギー お よび メ チ ル基 に よ る 水 素引 抜 きの 活 性 化 エ ネ ル ギ ー(E) い て も か な り異 な っ た 値 が 得 ら れ て い る。NO2と パ ラ フ ィ ン類 と の 反 応 で 反 応 を 左 右 す る 重 要 な 段 階 は 活 性 水 素 の 引 抜 き 段 階 と考 え ら れ る が,NO2は よ く 知 ら れ た 他 の ラ ジ カ ル に 較 べ て 水 素 引 抜 き 能 力 が か な り弱 い と 考 え ら れ る 。 た と え ばCH3・ に よ る シ ク ロ ヘ キ サ ン か ら の 水 素 引 抜 き の 活 性 化 エ ネ ル ギ ー は8.3,NO2に よ る そ れ は26.7ま た は33.1,・NO2に よ る そ れ は11.5kcal/ molが 得 ら れ て い る 。 ラ ジ カ ル に よ る水 素 引 抜 き 反 応 のEvans-Polanyi関 係 式 〔13〕36): △E=αdH……… 〔13〕 のα はRussell37)に よ っ て 重 水 素 同 位 効 果 か ら つ ぎ の よ う に 与 え ら れ てい る 。 ラ ジ カ ル(α);Cl・(0.08), (CH3)2CO・(0.43),Br・(0.44),ROO・(0.50),CH,・(0. 50),I・(0.91)38)。   NO2に よ る 水 素 引 抜 き 反 応 で はα=0 .5∼1.0が 期 待 さ れ,水 素 引 抜 き の 速 度 測 定 法 が 確 立 さ れ た 時 に は 〔13〕 式 が 成 立 す る 範 囲 で 結 合 解 離 エ ネ ル ギ ー 推 定 の 良 い 手 段 と な る も の と 思 わ れ る 。  ア ル キ ル ベ ン ゼ ン側 鎖 のNO2に よ る水 素 引 抜 き 反 応 の 置 換 基 に 対 す る 依 存 性 は 実 際 上 認 め られ て い る が ,定 量 的 に 取 り扱 わ れ る に 至 っ て い な い 。 ア ル キ ル ベ ン ゼ ン 類 側 鎖 の 硫 硝 混 酸 中 で の 反 応 性 は 図3,図446)で 示 さ れ る 。 こ の 他,p-NO2,p-COONの 導 入 に よ っ て トル ェ ン の 硝 酸 化 反 応 は 抑 制 さ れ る こ と か ら ・CCl339) ,ROO・40), Cl・41),Br42)に よ る トル エ ン水 素 引 抜 き 反 応 と類 似 の 親 図3エ チ ル ベ ン ゼ ン側 鎖 反 応 物 生 成 速 度 と硫 硝 混 酸 組 成 生成速度=側鎖反応生成物重量(%)/反応時間90℃,PhEt/HNO3=3 図4ア ル キ ル ベン ゼ ン硝 酸 酸 化 の 速 さ と混 酸 組 成 1%/hr等 生成速度 曲線90℃,RH/HNO3=3 電 子性 とHammett則 の な りた ちが 推 定 され る。   NO2の 電 子 構 造 は福 井 ら43)によ っ て分 子 軌 導 法 を 用 い て 計 算 され て い るが,そ れ らの結 果 を 表3に 示 し た 。 これ らの結 果 か らNO2がNの 位 置 で親 電 子 的 活 性 を有 す る ラジ カ ル と して挙 動 す る こ とが理 解 され る。 表3二 酸化窒 素の電子構 造   硝 酸 酸 化 に お け る攻 撃 ラ ジ カ ル は反 応 条 件,ま た は用 いる酸 化 剤 に よ って異 な る。 系 中 にHO・ ,Cl・,NO3等 が存 在 した り,再 生 し た りす る場 合 に は,こ れ らが・NO3

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961 に優 先 し て水 素 引抜 き を行 う。 し た が っ て,こ の場 合 は 基 質 問 の反 応 性 の差は 縮 少 され る。 ま た硝 酸 とパ ラ フ ィ ン系 炭化 水 素 との 高 温 で の反 応 で は 硝酸 の熱 分解 が律 速 とな る とい わ れ てい る19,20)。  硝 酸酸 化 の 位 置 選 択 性 はNO2が 水 素 引 抜 き剤 と して 働 くと き は前 述 の 理 由 に よ っ て高 く保 た れ る。 た とえ ば,エ チ ル ベ ン ゼ ン の希 硝 酸 に よ る酸 化 で は実 際 上 側 鎖 エ チル 基 のα-位 だ け が 水 素 引 抜 き を受 け る。 ま た,グ ル コ ー ス の酸 化 で は6-位 の炭 素 のみ が 反 応 を受 け る。 後 者 の場 合 は他 の位 置 の 水 素 は 立体 障 害 でNO2に よ っ て は攻 撃 を 受 け 難 い もの と考 え られ る。  初 期過 程 で 生 成 した ア ル キ ル ラジ カ ル は 液 相 硝 酸酸 化 の 条 件 下 で は 〔3〕,〔4〕,〔5〕,〔6〕お よび 〔14〕の 反 応 を行 う。 R・+R'H〓RH+R'・……… 〔14〕 R'H:周 囲 の 活 性 水 素 キ ャ リヤ ー 反 応 〔3〕∼ 〔6〕 の 割 合 は 生 成 物 の 選 択 率 と 関 連 し て 重 要 で あ る 。k3/k4は 生 成 物 分 布 か ら 通 常2程 度 と 考 え ら れ て い る 。 メ チ ル ラ ジ カ ル とNO2と の 反 応 で は つ ぎ の よ う な 速 度 常 数 比(90℃)が 与 え られ て い る47)。 CH3・+NO2→CH3NO2……… 〔15〕 CH3・+NO2→CH3O・+NO……… 〔16〕 CH3・+NO→CH3NO……… 〔17〕 CH3O・+NO→CH3ONO……… 〔18〕 CH3O・+NO2→CH3ONO2……… 〔19〕 k15/k17=1.7,k16/k17=3.3,k18/k19=1.8 こ れ ら の 結 果 の 一 部 は 従 来 知 ら れ て き た 値 と 一 値 し な い 点 も あ る が,メ チ ル ラ ジ カ ル の 特 殊 性 か 否 か は 明 ら か で な い 。k6に つい て は い く つ か の 測 定 値 が 得 ら れ てい る50∼52)。  反 応 〔5〕は 選 択 的 に 酸 化 生 成 物 を 与 え る 反 応 で 重 要 で あ る 。 こ の 反 応 の 割 合 は 実 際 問 題 と し て は 〔N2O4〕/ 〔NO2〕 比 に よ っ て 影 響 を 受 け る 。 〔M2O4/〔MO2〕=0. 25{(1+16CT/KC)1/2-1}……… 〔20〕 CT:〔N2O4〕+1/2〔NO2〕 Kcの 値 は 表4の よ うに 与 え ら れ てい る48)。  た と え ば,シ ク ロ ヘ キ サ ン とN2O4と の 反 応 で は 生 成 物 組 織 に お よ ぼ すN2O4濃 度(CT)の 影 響 は 表5の よ う に 示 さ れ て い る49)。  シ ク ロ ヘ キ サ ン を あ る条 件 下 でN2O4と 反 応 さ せ る と ア ジ ピ ン 酸 が 得 ら れ る 。 こ の 反 応 に 対 す る反 応 変 数 の 影 響 に つい て はKobeら31)が 検 討 し てい る 。50℃ で43hr さ せ る と下 の 量 論 式 で 示 さ れ るN2O4に 対 し て98%の 収 率 で ア ジ ピ ン酸 が 得 られ る こ と を 示 し た 。 表4四 酸 化 窒 素 解 離 の 平 衡 定 数:Kc(mol l-1)= 〔NO2〕2/〔N2O4〕(20℃)に お よぼ す 溶 媒 の 効 果 表5酸 化 物/ニ トロ化 物 生 成 比 に お よぼ すN2O4濃 度 の効 果(標 準 状 態,60日) C6H12+5/2N2O4-C4H8(COON)2 +5NO+H2O……… 〔21〕 収 率 はAgNO3水 溶 液 で沈 殿 す る二 塩 基 酸 をす べ て ア ジ ピ ン酸 と して 計 算 した 。 安 積 は同 様 の 研 究 を シ ク ロ ペン タ ンに つ い て 行 い,高 収 率 で グル タル 酸 の 得 られ る こ とを示 した。 こ の 中 でV5+が 二 塩 基 酸 収 率 の 向 上 に 有 効 な こ と を示 し てい る。V,Ca,Baな どの存 在 が ア ジ ビ ン酸 の収 率 向 上 に 有 効 で あ る とす る研 究54∼56)および 特 許59∼60)が存 在 す る。 こ の反 応 の選 択 性 は温 度 の影 響 を 強 く受 け,高 温 で は ニ トロ化 合 物 の生 成 割 合 が 多 くな り,ま た低 級 二 塩 基酸 の 生 成 も増 大 す る。 こ の こ とは希 硝 酸 と シ ク ロヘ キサ ン との 反 応 で もい え る61)。  アル キル ベ ンゼ ンの 硝 酸 酸 化 も テ レ フ タル 酸 の 合 成 法 とし て注 目 され て き た が,こ の方 面 の研 究 は原 料 収 率, 品質,安 全 お よび そ の他 に分 け て考 え る こ とがで き る。 目的製 品 と して は テ レフ タ ル酸 が最 も注 目さ れ て い る が,パ ラキ シ レ ン以 外 の原 料 を用 い て テ レフ タ ル酸 を得 る 試 み が な され てい る。 ク ロル メチ ル誘 導 体62∼65)は酸 性 媒 体 中で 容 易 に 加 水 分 解 され て ヒ ドロオ キシ メチ ル誘 導 体 とな り,結 局 アル コー ル の硝 酸 酸 化 を行 うこ とに な り,よ り温 和 な条 件 で酸 化 が進 行 す る66)。  メチ ル 以外 の ア ル キ ルベ ンゼ ン誘 導 体 を硝 酸 酸 化 して テ レ フ タル 酸 そ の他 を得 る方法 も多 数 提 案 され てい る 67∼74)。 た とえ ば,ベ ン ゼ ン,ト ル エ ンま た はC8ア ル キ ル ベ ンゼ ンに 対 す る フ リー デ ル クラ フ ツ反 応 で アル キ ル化 し た ポ リアル キル ベ ンゼ ンを 硝酸 酸 化 す る。 こ の場 合 はC-C結 合 の 切 断 が必 要 で,V,Mn,Cuな どが触 媒 と して 有効 に働 く とい われ る69,72,73)。ポ リカル ボ ン酸 が で き る場 合 は 加 熱 して部 分 脱 炭 酸 し て ジ カル ボ ン酸 とす

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962 有 機合 成 化 学 第24巻 第10号(1966) (124) る70)。 収率 向上 の面 で は前 述 の触 媒 の使 用 が これ に該 当す る が,硝 酸 の損 失 を少 な くす る た め にい くつ か の 方 法 が 提 案 され て い る。p-キ シ レ ンの 硝 酸 酸 化 は 二 段 階 に 進 む と考 え られ てい る が(図3参 照),第 一 段 で はHNO3は N2Oま た はN2に まで 還 元 され る と され た75,76) 〓…… 〔22〕 〓……〔23〕 こ の た め に二 段 階 に反 応 を行 い,第 一 段 を空気 酸 化 ま た はゆ るや か な条 件 とす る方 法76∼78),大過 剰 の 硝 酸 を 用 い て ゆ るや か な条 件 下 で 一段 で反 応 を 行 う方 法79)な どが 堤 案 され て い る。 た とえ ば77),p-キ シ レ ンを 酢 酸 溶 媒 ,中で 臭 化 コバ ル ト/臭化 マ ンガ ン触 媒 の 存 在 下 で ,200℃ 315p.s.i.g.で 空 気 酸 化 す る と90%の 収 率 で テ レ フタ ル 酸 が単 離 され る。 母 液 を循 環 再 使 用 す る と鉄 そ の他 の 不 純 物 が 蓄 積 す るの で,そ の ま ま 濃 縮 して酢 酸 を 留去 す る。 濃 縮 母 液 に30%硝 酸 を 加 え て 加 温 し,留 出 す る =Br2を 回 収す る。 混 合 物 は 最終 的 に は180℃ で30min 加 熱 して か ら冷 却 す る 。総 収率97%で テ レフ タル 酸 が 得 られ る。Co,Mnは 残 査 か ら硝 酸 塩 と し て回 収 され る。 溶 媒 お よび 触 媒 を用 い たNO2に よ る一 段 酸 化80),無 溶 媒 で は テ レフ タル 酸 へ の転 化 率 が 高 くな る と固化 して そ れ 以 上 転 化 率 が上 らな い の で溶 媒 を 用 い て 転化 率 を高 め る方 法 な どが 提 案 され て い る81)。 芳 香 族 アル デ ヒ ド の 段 階 で収 率 よ く止 め る方 法 がい くつ か提 案 され て い る。 こ の場 合 の出 発 物 質 と し て は, ク ロル メチ ル化 合物 を用い る65,66,82)。こ れ に 関連 して 〓 Peterson83)は ア ル キ ル芳 香 族 のNO2酸 化 に お け る触 媒 SeO2の 作 用 に つい て上 の よ うな経 路 を示 してい る   製 品 の 品質 を 向上 させ る こ と は工 業 的 プ ロ セ スに と っ て は非 常 に重 要 で あ る が,テ レフ タル 酸 関 係 で は,ト リ ル 酸,異 性体,ニ ト ロ化 合 物 の混 入 の 少 な い こ とが望 ま れ る。結 晶 化 工 程 で 大 結 晶 をつ く って 精製 す る方法84,85), 高 温 で の 水 か らの 再 結 晶 法(ト リル酸 の 除 去)86,87),安 息 香 酸 中 で の再 結 晶88),NaOH,NaOCl処 理 に よ るN, S化 合 物 の除 去89),Ca塩 の溶 解度 差 を 利 用 し た トリル 酸 の 除去go)な どが出 され て い る。 テ レフ タル 酸 中 に 含 ま れ る金 属 の除 去 法 と し てK2CO3水 溶 液 処 理(Fe灰 分 除去)95)お よ び流 動 層 処 理(Ba,Co,Mn,Fe除 去)96)な どが 提 案 され て い る 。 異 性 体 分 離 法 と して は,MCl,M2SO4,M2CO3(M: ア ル カ リ金 属 ま た はNH4)で 処 理 す る方 法91),メ タノ ー ル92),エ タノールおよび水93)に対す る溶解度の差,結 晶速 度 の差 を利 用 す る方 法 な どの特 許 が見 られ る。 テ レ フ タル 酸 ジ メ チル の精 製 法 とし て は,ア ル デ ヒ ドの選 択 還 元97),MgOと の 蒸 留(酸 の 除 去)98),グ リコ ール と の 蒸 留99)などが 主 張 され て い る 。  ア ル キ ル 芳香 族 の硝 酸 酸 化 で ジ カル ボ ン酸 を得 る場 合 に 芳 香族 環 ニ トロ基 が導 入 さ れ る と 製 品 の 色 調 を害 す る。 基本 的 に は環 ニ トロ化 と側 鎖 反 応 の競 争 の 問 題 で あ る が31,46),た とえ ば,NO2-SeO2を 酸 化 剤 と して用い て 環 ニ トロ化 を お さ え る こ とも で き る63,64)。ニ トロ化 合 物 の 除 去 に対 して,V,Ta,Nbの 酸 化 物 と330℃ に 加熱 蒸 留 して分 解 す る方 法100),ニ ト ロ化 合 物 の再 結 晶 除 去 法 101) ,途 中 で ア ル カ リで処 理 してN化 合 物 を分 解 させ る 方 法115)などが提 案 され てい る。 安 全 の 問題 は硝 酸 酸 化 を採 用 す る場 合 に そ の 採 否 を左 右 す る重 要 な要 素 で あ る。 こ の問 題 は4つ の は ん ち ゅ う に分 け られ る。1)危 険 な爆 発 性 ポ リニ トロ化 合 物 の 副 生,2)窒 素 酸 化 物 と危 険 な 爆 発性 混合 物 の生 成,3)反 応 の暴 走 に よ る爆 発 の危 険,4)腐 食 に よ る装 置 の 破 壊 で あ る 。 硝 酸酸 化 に伴 うgem-ジ ニ トロ化 合 物 の 生 成 に つ い て はTitov1)が 詳 し く論 じてい るが,そ の機 構 と して つ ぎ の経 路 が示 され てい る。 〓 McIntyre98)は ア ル キ ル ベ シ ゼ ン 類 の 硝 酸 酸 化

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でqem-(125)

963 ジ ニ トロ化 合 物 が か な り生 成 す る こ とを示 した。Wilm ら103)はメジ チ レ ンの 硝酸 酸 化 で の 爆 発 を報 告 し,α,α', α"-ト リニ トロ メ ジ チ レ ンの生 成 が こ の爆 発 の 原 因 で あ ろ う と した。ICI社 のDerbyshire104)はp-キ シ レン の 硝酸 酸 化 に よ る テ レフ タル 酸 製 造 工 程 で気 相 部 分 の爆 発 性 を解 析 し,対 策 を述 べ てい る。du Pont社 のBurrows

ら75)はp-ジ ア ル キ ル ベ ンゼ ン硝 酸 酸 化 の 特 許 の 中 で全 圧 を水 の 蒸 気 圧 の3.5倍 以 内 と規 定 して 気 相 の 爆 発性 に 対 す る安 全 を考 慮 し てい る。  パ ラ フ ィン の硝 酸酸 化 反 応 は 自触 反 応 で,ま た 加 圧 下 に 行 な わ れ る こ とが 多 い の で,反 応 の制 御 に注 意 を要 す る。 た とえ ば,エ チ ル ベ ンゼ ンの 変 化 率-時 間 曲線 は 図5の よ うに 示 され,誘 導 期 を 持 つ こ とが あ る46)。完 図5エ チ ルベ ンゼン 硝 酸 酸 化 の 反 応率-時 間 曲線 80℃,開 放容 器中か くはん30%HNO3 全 なバ ッチ反 応 で,昇 温 し て反 応 を開 始 させ る方式 で は 反 応 が開 始 され た時 に は制 御 不 能 とな り爆 発 す る こ とが あ る。 この対 策 と して,硝 酸 を仕 込 ん だ とこ ろか らただ ち に 反応 し未 反 応 硝 酸 の蓄 積 が少 な く暴 走 に至 らない よ うな工 夫77,81,105),酸化 反 応 の進 行 に応 じて硝 酸 が 仕 込 ま れ る よ うな工 夫106),大 過 剰 の硝 酸 を 用 い て顕 熱 を大 き くす る79)などの工 夫 が み られ る。  そ の他 アル キル ベ ンゼ ン硝 酸 酸 化 に つ い て,連 続 法79 ,106,107),基 質 と収 率99,100),環ニ トロ化 を伴 う酸 化 反応74 ,111,114),特 殊 な例 で は殺 草 剤 とし て用い る2,3,6-ト リク ロル 安 息 香酸 の 合 成 に硝 酸 酸 化 を用 い,触 媒 と して リン 酸 と強 可 視 光線 を用 い る方 法116)などが提 案 され て い る 。 Ⅱ.ア ル コ ー ル  ベ ンジ ル アル コ ール の硝 酸 酸 化 機 構 は最 近 ジ オ キサ ン -水 系 で の 均 一反 応 に つ い て,小 方,沢 木 ら66)によ って つ ぎの よ うに与 え られ た。 NO3-+H+〓HNO3……… 〔24〕 〓…………〔25〕 〓…〔26〕 〓………〔27〕 〓………〔28〕 〓…………〔29〕 〓………〔30〕 こ の機 構 か ら反 応 速 度 は 〔31〕の よ うに表 わ され る。 d〔PhCHO〕/dt=k29K24K25K26K28 〔PhCH2OH〕 〔NO-〕3〔H+〕2/〔H2O〕 この機 構 は測 定 され た反 応 速 度 が 〔PhCH2OH〕,〔HN O3〕T,〔H+〕2に 対 し て 各1次 で あ り,置 換 基 効 果 は Hammett則 に した がい ρ の値 が大 き な負 値 で あ り,初 期 に誘 導 期 を持 ち,NaNO2の 添 加 に よ っ て 消 失す る と い う実 験 事 実 を よ く説 明 す る。 異 相 系117)で の反 応 は よ り複 雑 な要 素 が入 るが,反 応 の 律 速 段 階 が 酸 相 中 に存 在 す る とい う実 験 事 実 は上 の 機 構 を支 持 す る。 アル コー ル の硝 酸 酸 化 で は硝 酸 濃 度 に よ っ て異 な る が平 衡 量 の 硝 酸 エ ス テ ル が生 成 す る場 合 が あ る。  アル コ ール 類 のN2O4に よ る硝 酸 酸 化 はCohenら118), Langenbeckら119),Fieldら120),井 上 ら121)に よ って検 討 され た。 井上 らはO2の 存 在 下 で の アル コ ー ル 類 と N2O4と を反 応 させ つ ぎ の知 見 を得 た。 ROH+N2O4〓RONO+HNO3……… 〔31〕 RONO+ROH〓RONO・ROH………… 〔32〕 〔31〕の平 衡 は 非常 に速 く達 せ られ る。 〔32〕の付 加 物 は 図6か ら予想 され た もの で あ る。酸 素 吸 収 曲線 はS字 図6 BuOH-N2O4初 期反 応物 とNO2/-OH比 型 を示 す が,吸 収 率50%付 近 で は ほぼ 直線 で,こ の時 のO2吸 収 速 度 は遊 離N2O4濃 度 の0.6∼0.7乗 に 比例 す る。 こ れ か ら見 た基 質 反 応 性 の順 序 は,ベ ンジ ル ア ル コー ル,脂 肪 族 第 二 級 アル コール>脂 肪 族 第 一 級 アル コ

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964 有 機 合 成 化 学 第24巻 第10号(1966) (126) ール >多 価 アル コー ル>第 三 級 ア ル コー ル の順 で あ る 。 井 上 らは さ らに 亜 硝酸 エ ス テ ル のO2存 在 下 で のN 2O4に よ る酸 化 を速 度論 的 に研 究 し,つ ぎ の よ うな過 程 を考 え た 。 RCH2ONO+HNO3 〓 RCH2OH+(N2O4)……… 〔33〕 RCH2OH+HNO3+(N2O4) →RCHO+(2HNO2)+HNO3… … … 〔34〕 〓…〔35〕 この 実験 は0℃ 付 近 で 行 われ た が ,生 成物中にはN-化 合 物 が存 在 す る。 大 部 分 は硝 酸 エ ス テル の形 で 存 在 す る が,第 二 級 アル コール の場 合 は ニ ト ロ化 合 物 が 含 ま れ る。 これ は シ ク ロヘ キサ ノー ル の 硝 酸 酸 化 に 見 られ る不 安 定 中間 体 に 相 当す る もの で あ ろ う。  気 相 で の アル コー ル と硝酸 と の 反 応 で は ニ ト ロ化 分 解 が 起 り,低 級 ニ トロ 化 合 物 が限 られ た収 率 で得 られ る122)。Ⅲ .ア ル デ ヒ ド,ケ ト ン  小 方,沢 木,手 塚123)は ベ ンズ ア ル デ ヒ ド類 の均 一 系 で の硝 酸 酸 化 の速 度 論 的 研 究 を行 い,つ ぎの機 構 を提 案 し た。 〓……… … 〔36〕〓 ………〔37〕〓………… … 〔38〕〓…… … 〔39〕 〓……〔40〕 〓………〔41〕 〓………〔42〕 こ こに,水 素 引抜 き の活 性 試 薬 とし てイ オ ン ラジ カル HNO2+が 登 場 す るが,観 測 され た速 度 式 お よ び置 換 基 効果 を説 明 す る た め に提 案 され た もの で あ る。 異 相 系 で のベ ンズ アル デ ヒ ドの 硝 酸酸 化 で は反 応 の律 速 段 階 は酸 相 中 に存 在 し,見 掛 け上 ベ ンズ ア ル デ ヒ ド濃 度 に つ い て一 次,硝 酸 濃 度 に つ い て0次 で反 応 が進 行 す る。 また,NO2と ベ ンズ アル デ ヒ ドとの液 相 反 応 はそ れ ぞ れ の 濃 度 に 対 して 各1次 で反 応 が進 行 す る117)。   気 相 で のNO2と アル デ ヒ ドとの反 応 は多 数 の 研 究 が あ る。 ホ ル ム アル デ ヒ ド との反 応 の 初 期 過 程 を 会 合反 応 〔43〕124,125)また は 水 素 引 抜 き 反 応 〔44〕126,127)とす る 両 説 が 提 出 さ れ て い る 。 RCHO+NO2→(RCHO・NO2) 生 成物……… 〔43〕 RCHO+NO2→RCO+HNO2……… 〔44〕 現 在 の とこ ろ水 素 引抜 き過 程 が よ りも っ とも ら しい と考 え られ てい る5)。Barton127)は 重 水 素 同位 体 効 果 を 測 定 しつ ぎ の結 果 を得 た。 d〔CH2O〕/d〔CD2O〕=13.5±1.5……… 〔45〕 〓………〔46〕 こ れ らの結 果 か ら,従 来 の 機 構 を参 照 して つ ぎの機 構 を 提 案 してい る。 CH2O+NO2→HCO+HNO2……… 〔47〕 CH2O+HNO2→HCO+H2O+NO… … 〔48〕 HCO+NO2→HCO2+NO2……… 〔49〕 HCO2+NO2→CO2+HNO2……… 〔50〕 HCO+NO2→CO+HNO2……… 〔51〕 HCO→CO+H・……… 〔52 〕 H・+NO2→HNO2……… 〔53) CH2O+NO2不 活 性 生 成 物……… 〔54〕 反 応 速 度 式 とし て 〔55〕を 与 え た 。 〓……… 〔55〕 ア セ トア ル デ ヒ ド128∼130),グリオ キザ ー ル131),ギ 酸132) とNO2と の気 相 反 応 に つ い て も研 究 が行 われ て い る。 カ ル ボ ニ ル基 のα-水 素 は 活性 化 され て い て上 述 の 反 応 とは別 の反 応 をす る。 希 酸 中 で の 亜硝 酸 とカ ル ボ ニル 化 合 物 との反 応 に 対 し てつ ぎの機 構 が 出 され て い る133)。 HNO2+H+〓NO++H2O……… 〔56〕 〓…〔57〕 〓………〔58〕 〓…………〔59〕 〓…………〔60〕 〓………〔61〕 こ の種 の機 構 の含 まれ る反 応 として は含 亜 硝酸 硝 酸 に よ る ア セ トアル デ ヒ ドの グ リオ キザ ー ル へ の 酸 化134)が 考 え られ る。

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(127) 硝酸酸化 965 〓…………〔62〕 〓……〔 63〕 ま た,メ チ ル フ ェ ニ ル カ ル ビ ノ ー ル お よ び ア セ トフ ェ ノ ン を 希 硝 酸 で 処 理 す る と 比 較 的 高 収 率 で ジ ベ ン ゾ イ ル フ ロ キ サ ン が 得 ら れ る135)。 こ の 反 応 の 初 期 過 程 も類 似 の 機 構 が 含 ま れ る も の と 考 え ら れ る 。 こ の 反 応 の 過 程 はAlexanderら 136) ,Boyerら137)に よ っ て 提 案 さ れ て い る が, 後 者 は つ ぎ の 機 構 を 示 し た 。 〓 Boyerら134)は さ ら に オ キ シ ム とN2O4と の 反 応139)に つ い て つ ぎ の 経 路 を 示 し て い る 。 〓 (高 温) 〓(低 温)  カ ル ボ ニル 化 合 物 と亜 硝 酸 との 濃 硫 酸 中 ま た は 発 煙 硫 酸 中 で の反 応 は ス ニ ア法149)と して ε-カプ ロ ラ ク タム の 合 成 に利 用 され て い る が,希 酸 中 とは異 な った機 構 が提 案 され てい る141)。 〓〔64〕 〓〔 65〕 〓〔66〕 〓〔6 7〕 〓 〔68〕 ア ル コー ル,ケ トンの硝 酸 酸 化 で工 業 的 に用 い られ て き た 反 応 は ア ジ ピ ン酸 の 製 造 で あ る142)。 こ の 反 応 の 完 全 な機 構 は 確 立 さ れ てい ない が,重 要 な 経 路 がGodtら 144)に よ っ て 示 さ れ てい る。 ま た,Asseltら143)は そ の 相構 に 触 媒 の 働 き を 加 え て い る 。 〓(Ⅱ) (Ⅱ)の ジ カル ボ ン形 へ の 分 解 はV5+が 存 在 す る と選 択 的 とな り89%の 収 率 で ア ジピ ン酸 が得 られ る。Cu〓 は 不 安 定 中 間体 の分 解 と環置 換 ニ トロ ま た は ニ トロ ソ化 合 物 の生 成 を防 ぐ 作 用 を もつ とい わ れ る143)。この他 に こ の反 応 に つい て はい くつ か の 説11,145)が提 案 され てい る。   工 業 的 酸 化 反 応 の問 題 点 は テ レフ タル 酸 の 場 合 と同 様 で あ る。 多数 の反 応 例144∼158)が報 告 され てい る中 で 特 徴 的 な もの は つ ぎ の よ うで あ る。 メ タバ ナ ジ ン酸 ア ンモ ニ ウム143,144)が収 率 の 向上 に 有効 で,銅 塩143,146)の添 加 は さ らに これ を助 け る。Du Pont社 の特 許151,152)はつ ぎ の反 応 の利 用 を述 べ て い る。 〓 この 他 循 環HNO3を 希 釈 して 固 体 副 生 物 濃 度 を10∼ 18%に 保 つ こ とに よ り 副 生 物 を抑 制 す る 方 法154),ピ ク リン酸 副生 とそ の 除 去 法150 ,158)な どが あ る Ⅳ.オ レフ ィ ン  オ レフ ィン と硝 酸 との反 応 は通 常 イ オ ン機 構 の反 応 で 始 ま る。 二 酸 化 窒 素 との反 応 は 条 件 に よ っ てイ オ ン機 構 ま た は ラ ジ カ ル機 構 で進 行 す る。 イ オ ン機 構 に よ る反応 は シ ク ロヘ キ セ ンの硝 酸 酸 化 に よ

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966 有機合成化学 第24巻 第10号(1966) (128) る ア ジ ピ ン酸 の 合 成 法159),イ ソ ブ チ レ ン のN2O4酸 化 に よ る メ タ ア ク リル 酸 の 合 成 法160)と し て,ま た ラ ジ カ ル 機 構 に よ るN2O4と オ レ フ ィ ン と の 反 応 は オ キ シ ム の 合 成 法 と し て 用い 得 る 可 能 性 を も っ てい る161,162)。 Knowlesら159)に よ れ ば,シ ク ロ ヘ キ セ ン のN2O4,V5+ 存 在 下 で の 硝 酸 酸 化 の 反 応 経 路 は つ ぎ の よ うで あ る 。 H+H2O(CH2)4(COOH)2+VO+2 VO+2+HNO3→VO+2NO2+H+ こ の 反 応 で は ア ジピ ン酸(60∼65%),グ ル タ ル 酸(10∼ 20%),コハ ク酸(3∼6%)が 得 ら れ る163)。 イ ソ ブ チ レ ン の 酸 化 はGardnerら160)に よ っ て つ ぎ の よ う に 示 さ れ て い る 。 〓 こ の他 硝 酸 とオ レ フ ィン との イ オ ン反 応 に は プ ロ トンの 攻 撃 お よび ニ トロニ ウム イ オ ンの攻 撃 に始 ま る反 応 が存 在 す る。 〓 Frejacques177)はAg+の 存 在 下 で エ チ レ ンを硫 硝 混酸 で 処 理 して ニ トロエ チ ル ナ イ トレー トとジ ニ トロ グ リ コー ル とを得 た。 上 述 とは別 の機 構 を含 ん で い る もの と思 わ れ る。 オ レフ ィン と二 酸 化 窒素 とはエ ー テ ル,エ ス テ ル,四 塩 化 炭 素 等 の溶 媒 中 で は ラ ジ カル 機 構 に した が って反 応 す る。Titov1)に 従 え ば この機 構 の反 応 過 程 は つ ぎの よ うで あ る。 〓こ の可 逆 性 はマ レイ ン酸,オ レイ ン酸 の シ ス 異 性 体 が NO2存 在 下 で は 急 速 に トラ ンス 体 に 転 化 す る こ とで証 明 され てい る164∼66)。 〓 こ の 反 応 はLercyら167)に よ っ て 実 験 的 な 基 礎 が 与 え ら れ,Shechterら168∼190),Brandら171),Stevens ら172∼176)によ っ て 詳 し く検 討 さ れ た,こ れ ら の 研 究 で こ の 反 応 の 配 向 性,立 体 化 学,ニ ト リ ル 化 合 物 と の 反 応 な ど が 明 ら か に さ れ て い る 。 反 応 速 度 は160∼280℃ でCottrellら178)に よ っ て 研 究 さ れ,5℃ で の 反 応 に つい て は 〔N2O4〕 の 減 少 速 度 をStevens172)が 測 定 し てい る 。NO は オ レ フ ィ ン と は 直 接 反 応 し な い と い わ れ て い る が,NO,が 接 触 し て オ レ フ ィ ン と反 応 し て 酸 化 生 成 物 を 与 え る179)。 Ⅴ.お わ り に 主 と し て パ ラ フ ィ ン お よ び オ レ フ ィ ン 炭 化 水 素 と そ の 反 応 中 間 体 の 硝 酸 酸 化 に つ い て 紹 介 し た が,ア セチ レ ン と硝酸 との反 応 もテ トラ ニ トロ メタ ンの 合 成 反 応 として重 要 で あ り,ま た 多数 の研 究 が知 られ て い る。 しか し,紙 数 の 都 合 で省 略 させ て い た だ く。 硝 酸

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967 酸 化 の 機 構 も近 年 よ うや く明 らか に され つ つ あ るが,上 記 の 外 に 酸 化 剤 の挙 動,ニ トロ化 合 物,ニ トロ ソ化 合 物, 硝 酸 エ ス テル,亜 硝 酸 エ ス テル お よび そ の他 の 中間 体 の 挙 動 も重 要 で あ る。 私 見 が 多 く入 っ て い る の で,独 断, 誤 解 が あ れ ば ご 叱正 を い た だ け れ ば幸 い で あ る。 (昭 和41年5月16日 受 理)

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