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土器川におけるカゲロウ類(Ephemeroptera)とトビケラ類(Trichoptera)の幼虫採集-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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36 香川生物 3:36爪38(1967) 土器川におけるカゲロウ類(Ephemeroptera)と トビケラ類(Tricl10ptera)の幼虫採集 川 旧 英 則 香川大学教育学部付属坂出中学校 昭和41年12月27 日受領 方四条付近で,急にその流路を北プチに変え,飯野山 ・音型吊lの西側を流れ,丸亀市東部において,瀬戸 内動こそそいでいる.その流路延長は,32・4lくm, 流域面積ほ140.51くm2で,下流平野部の河川勾配約 土器川は綾歌郡南西弧 徳島県境の竜王山(1057 m)付近にその源を発し ほぼ北西流して琴平町衆 1/140である. カゲPウ類 は,水生昆虫 の幼虫の中で もっとも,よ く生活環境に 適応してい る.彼らの中 図3 オオマダラカゲロウ には3m/sec ∬pんβ刑βヱエαわαβαヱ宜sImanishi の流速でもよ 幼虫の頭部,前胸お】よび右前肢 く石の表1帥こ 図1長炭橋付近(海抜120nl)の瀬 体を保持できるも のがあり,特にヒ ラタカゲロウ科 (Heptagenidae) q)幼虫は,代表的 なものである.そ の体は全体とし て,著しく背ノー如こ 扁平で,大きい日 は頭部の背面につ き,大きくて,扁 平な胸肢,小さい 腰部,尾ほ2本あ り,紙片も小さい ものが多い.胸肢 の爪は丈夫にでき m m ▲‖U ∧U J∵∫ . 図4 エルモソヒラタカゲロウ βpeoゥ∼l↓Sヱα£げ0ヱ豆祝刑Uるno 幼虫背面図 ていて,その内縁には数個の歯状突起がならんでい る.これらの特徴は,急流生活に適応していると考 えられる.つまり頭部が著しく扁平なのは,水の流 図2 土器川流域と採集地点 A:海抜10m B:海抜120m C:海抜300m

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土器川におけるカゲロウ類(Ephemeroptera)とトビケラ類(Trichoptera)の幼虫採集 37 れの方向に流される力を減じるし,石との問の狭い 隙間を通りぬけて,移動するのに適していると思わ れる.また,胸腋の爪の突起ほ石の表面にあるわず かな11!1凸に引っかかりやすくできている.このよう な特徴ほ,静水中のソウ類などの申にいるフタバカ ゲpウ,Cヱ0釣も0(洋が即・≠??t Linn昌などには認め られないものである. に対する抵抗を減少するものと考えられる.また, ヒゲナガカワトピケラなどは,自分の分泌物で,網 をつくり,流れに向って張り,ソウ類などの食物が ひっかかるのを 食べている.ト ビケラがカゲロ ウやカワゲラと ちがう最大点 は,幼虫が蛸の 時期を経過後羽 化することであ る.カゲロウや カワゲラには, 蛸の時期はな い. O .∵⋮...・︰・・” m m 囲8 ウルマーシマトビケラ //ノ/・イ「りノ▲・ヾJハ・ノノー・/I/仙バ Tsuda 幼虫側面図 図5 チャバネヒゲナガがフトビケラの捕獲網 トビケラ類はカゲ ロウやカワゲラと異 なり,ナカー■レトビケ ラやヒゲナガカワト ピケラのように,石 面や石間にれきや砂 粒で囲みをつくっ て,その中にいるも のを挽けば,すべて 砂粒やわら,木の葉 で筒状の巣をつくっ て,その中にほいり 生活している,筒状 の巣の形態は,属・ 株によって一定して 図9 ウルマーシマトビケラの筒状巣 採集は,1956年8月20∼1967年1月2日までに僕1 2のA・B・Cの採集地を中心に行ない,将脇目 Ephemeroptera5属・8棟,毛趨目Trichoptera 2属・3種を同定することができた. A地′・烹(丸亀市ニヒ器町) 将蛸目 Ephemeroptera l エルモンヒラタカゲロウ ∬peo†′▲祝SエαたげoZわ川IU昌no 2 フタ/ミコカゲロウ βαe左官¢∼£αJαpOブl宜cαImanishi 3 トラタニガワカゲロウ βcd封0ワ甘祝71ヱ↓S£′痛γ毎Imanislli 毛通日 Trichopter l ウルマーシマトビケラ 〝〝dγOpSyCんβ祝且っフlβγ五Tsuda 図6 チャバネヒゲナガ カワトピケラ ハ…トヾ/=什早ヤ/tイ/− sロ′lt£e?ノ・宜 Ulmer 幼虫側面図 いるが,急流で いるものほ,川 下の端で,次第 に緋くなり,全 休として流線形 をなしている. この流線形の巣 に入ることによ 図7 チャバネヒゲナガカワ って,水の流れ トビケラと巣室の一部

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川 田 英 則 38

3 フタバコカゲpウ

Baetzella laponzca Imanishi 4 トラタニガワカゲロウ ガcd財0?甘眈γ祝8亡五gγ・ぬImanishi 5 クロマダラカゲロウ βp九e刑eγe∼Jαれ・柏竹αt柁no 6 シPハラコカゲロウ βα邑£A8≠九eγ†花一乞c祝8Uるno 毛知日 TIichopteTa l チャバネヒゲナガカワトピケラ グαγα8£eれOpβy¢んβ8α≠feγ・仁UlmeI 2 ウルマ−シマトビケラ ∬甘dγOp8甘¢んe≠ヱ仇¢γ・宜Tsuda 今後,好蛎目・毛麹目の種の同定と,すみわけや 環境要素との関係を追求しなければならないと考え ている 文 献 津田松苗編(1962)水生昆虫学,北隆館 河田党ほか(1959)日本幼虫図鑑,北隆館 上野益三(1964)渓流の生物,遺伝18,4 松田松儲(1963)川の水生昆虫,科学の実験 14,54 B地点(満濃町長炭) 好妨目 EphemeropteIa l エルモンヒラタカゲロウ ガpeoγ祝8ヱα£げ0∼宜≠刑Uるno 2 フタバコカゲpウ βαef宜e∼ヱαJαpOウも宜¢αImanishi 3 オオ・マダラカゲロウ ガp九β刑βγeJ£αむαβαgi8Imanishi 4 トラタニガワカゲロウ ガcd財0ケ乙≠γ雛=煩けぬImanishi 毛麹日 Triehoptera l チャバネヒゲナガカワトピケラ グαγ・αβ£¢%O p8財C九ββα祝fβγj Ulmer 2 ウルマ一シ・マト ビケラ 茸摘γOp8財C九β祝∼刑eγ£Tsuda 3 ギフ・ンマ十ピケラ 月融かOpβ甘¢んe gげ伽α≠αUimeI C地点(琴南田丁明神) 蝉妨目 Ephemeroptera l ユ・ミモソヒラタカゲpウ ガpβ0γ・祝ぷ¢祝γγα£%∼祝βMatsumura 2 ウエノヒラタカゲロウ βpβ0γ≠8眈¢≠0宜Matsumur・a

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