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小売業マーケティング論の視点からみたフルフィルメント・プロセスに関する考察 : マーケティング諸機能,流通諸機能との関連性

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Academic year: 2021

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小 売業 マー ケテイング論 の視 点 からみた

フルフィルメントプロセスに関する考 察

一 定ケティング諸機 能,流通 諸機 能との関連性

-新 潟経営大学 教授 片上 洋

Ⅰ.はじめに マーケテイング諸活動

-Ⅱ.

マーケテイング諸 活動とビジネス・プロセス,流通諸機 能

Ⅲ.

流通諸機 関と御 売業 ・小 売業の役割とフルフィルアント

Ⅳ.

むすびにかえて

(2)

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小売業マーケテイング論の視点か らみた

フルフィルメン ト・プロセスに関す る考察

マーケテ イング諸機能,流通諸機能 との関連性

新潟経営大学 教授 片上 洋 Ⅰ.は じめに- マーケテイング諸活動 消費者志向の立場 に立つ場合,マーケテイング活動の出発点,基礎的活動は消費者の欲 求を知 ることであ り,マーケテイング ・リサーチの意義は重要である。業務的マーケテイ ング ・プロセス,すなわちマーケテイング活動は,マーケテイング ・リサーチを出発点 と して次のように分類できよ う。 (Dマーケテイング ・リサーチ ・.市場把握 (参マーチャンダイジング :商品調整 (卦マーケテイング ・チャネル政策 ①セールス■・プロモーション政策 ⑤マーケテイング ・マネジメン ト (1)マーケテイング ・リサーチ :市場把握 市場把握は,マーケテイング諸環境,市場事情を明 らかにする活動である1。市場把握は, 一般 には市場調査 (

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を含 むマー ケテ イング ・リサーチ

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によって行われる。マーケテイング ・リサーチ とは,マーケテイングに関す るマ ネジメン トの意思決定に役立つデータを体系的に収集,記録,分析することである。 マーケテ イングに関す るマネジメン トの意思決定 として,製 品に関す る意思決定がもっ とも重要である。小売業にとっての製品は,販売環境形成的製品 としての小売パ ッケージ である。小売パ ッケージすなわち小売業の製品パ ッケー ジとは,品揃 え,店舗の立地,規 模, トレーデ ィング ・スタイル (ス トア ・デザイン, レイアウ ト,人的サー ビス,雰囲気 に関す るフォーマ ッ ト)である。ターゲ ットとする顧客を引き付ける小売パ ッケージを構 築す るための市場把握が必要 となる。 現今では街歩きや店舗-の立寄 りが レジャー として定着 してきているため,街歩き対象 としての商業集積が集客にとって重要な意義を持っているので,自店舗 の顧客を増大 させ る魅力ある商業集積パ ッケー ジを選択 し,自店舗 を出店するため,候補地域,候補商業集 積 に関するマーケテイング ・リサーチが必要 となる。 小売業をは じめとす る流通業が製造業 と同様の商品調整 (製 品計画 :プロダク ト・プラ ンニング)機能を果たすためには,後述するようなプライベー ト・ブラン ド (PB)戦略を -1

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85-行 うか,製販 同盟,す なわちプ ロダク ト・パイプラインのマーケテ イング ・チーム として の統合 によって,販売対象製品の設計計画をコン トロールする必要がある。 この場合 も市 場把握 が重要である。 POSシステムや人的販売による顧客 との直接的 コミュニケーシ ョンを通 じて,消費者の 情報 を得 られ ることが,小売業の強みであるか ら,それ を販売対象製品 (消費者 に手渡す 商品) の設計 に反映 させ ることができれ ば,顧客満足を獲得することにつながる。また, 市場把握は,製造業のプロダク ト・プランニングに相当す る,小売業本来の商品調整機能 であるマーチャンダイ ジング (商品計画)に関す るマネジメン トの意思決定に役立て られ る。 *. 商品調整のためには,消費者 の潜在的需要を把握す る必要がある。 このためには,消費 者 の家族のライフ ・サイクルの段階や生活様式,欲求 ・噂好 ・願望を事前に調査 し,市場 機会 を分析 しなければな らない。 さらに商品種類がすでに前提 されている場合には,購入 可能 な価格帯,潜在的需要 として消費者が求める機能 ・付加機能 ・性能,スタイル ・色彩, イ メー ジな どについて,統計的手法によって,客観的かつ科学的に解明 しなければならな い 。 マネ ジ リアル ・マーケテイングは,企業的な視点か ら消費者志向に基づいて企業利潤 を 獲得 しようとす る企業の管理活動である。 したがって,当然マーケテイング ・リサーチに ょって得 られた消費者 の大量 を占める社会的需要に関す るデータ と科学的に分析 されたイ ンテ リジ主ンスに立脚 して製品開発 ・マーチャンダイジングが行われるoこれのみならず, このマーケテ イング・イ ンテ リジェンスに立脚 して,マーケテイング ・チャネル政策,セー ル ス ・プロモーション政策が展開 され る。 また市場把握 は,マス ・マーケテイングのシステムにおいては,不特定の顧客を対象 と した フル フィル メン ト・プロセスの一部 として,製造業や卸売業に対 してライン・アイテム 別の生産調整 (増減)・在庫調整のためのデータを提供す る。 マーケテ イング情報 ソースには,一次データと二次デー タとがある。マーケテ イング ・ リサーチの中心的活動 は,市場調査

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である。これにより得 られたデー タが一次デー タである。 これ に分析 ・加工を加 えて,マーケテイング ・インテ リジェンス を構築す る。最近では,インターネ ッ トやパソコン通信で市場調査が行われている。 二次データ とは既存のデー タである。 自店舗 ・自社チェーン ・自社チャネルのデータと しては,各店舗か らの報告, 自社の消費科学研究所 ・生活科学研究所ない しは消費者相談 塞,消費者窓 口などを通 じての消費者の意見 (使用品質),

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データ,インターネ ッ ト・ パ ソコン通信 における消費者か らの

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lやチャ ッ トな どがある。チャネルの外部か らのデ ータには,刊行物,他団体の調査資料,有料デー タベースなどがある。 (2)マーチャンダイジング :商品調整 マーケテ イングのコンセプ トは消費者志向であ り,その本質は

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のマ-ケティ

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ー186-ングである。マーケテ イングの 目的は,消費欲求の充足を通 じて 自己の商品-の選択的需 要を創造 し,生産 と消費を橋渡 しし,事業の存続 をはかることであるか ら,商品調整 はマ ーケテ イングにおける重要なプ ロセスである。 また商品調整は,小売業に とっては, 自己 の店舗 の製品 ともいえる小売パ ッケージの構成を決定する重要な活動である。 商品調整においては,市場把握による消費者欲求の質 と量に対す る把握が前提 となる2。 すなわち商品調整 とは,市場把握によって得 られたマーケテイング ・インテ リジェンスに 適合 した商品の計画,価格決定の諸活動である。商品調整 は,製造業の立場か ら一般 に製 品計画 (productplanning:プロダク ト・プランニング) といわれている。流通業者 の商品 調整はmerchandising:マーチャンダイジングとよばれ,商品計画 (品揃 え)・仕入計画 ・ 仕入活動を指す。

PB:

プライベー ト・ブラン ド商品 :自店商標品を開発す る場合 には,メ ーカ と同様に製品計画をおこな う。 プ ロ ダ ク ト ・プ ラ ンニ ン グ ・プ ロセ ス は , 市場機 会 分析 , 市場 細 分 化 (market segmentation),ターゲ ッ ト (標的)市場の選定,製品コンセプ ト (製品の概念 ・発想 ・着 想)の確定,機能 ・性能 ・スタイル ・イメージの計画,製品の開発 の順で行われる。また 製品差別化のためのブラン ド形成やネー ミングも同時に行われる。 自社製品-の需要の拡大は,漠然 とした欲求を潜在的需要に,潜在的需要を自社製品に 対す る選択的需要に変化 させ る製品開発によって得 られ る。 したがって製品計画は,情報源 としてのマーケテイング ・リサーチ と有機的に結びつい ている.また広義の製品計画は,技術的プ ロもス としての製品開発 を含んでいる. したが って製造業における商品調整の本質は,消費欲求 と生産技術 との調整である3。 さらに製品計画は,マーケテ イング ・チャネル政策やプ ロモー シ ョン (販売促進)政策 とも相互に関連 している。マーケテイング ・チャネル政策やプロモーション政策によって, 商品の構成要素であるブラン ドや製品イメージ,商品情報やサー ビスが形成 され るか らで ある。 (3)マーケテ イング ・チャネル政策 マーケテイング ・チャネル政策は,商品系列,品種,カテゴリー,品 目の特性,顧客セ グメン トの購買スタイルに応 じて,イメージ的特性 ・差別的特性 を効果的に形成 し,大量 販売を実現す るために最適なマーケテイング経路を設定す ることである。 メーカーや卸売業の視点か らとらえたマーケテ イング ・チャネル とは,具体的には,販 売地域 ・卸売商 ・小売商の決定,販売 目標数量の割 り当て ・派遣店員の派遣 ・取引先の開 拓 ・営業所や直営店の設置な どである。 小売 を中心 とする商業では,流通全体 をチャネル として とらえれば,マーケテ イング ・ チャネル とは製品のプ ロダク ト・パイプラインの上流であるから,マーチャンダイジング 計画の一環 としての仕入先の選定であろ う。また製品を中心にみれ ば, 自社の店舗がマー ケテイング ・チャネルそのものであるか ら,店舗の出店計画であ り,後述のよ うなエ リア ・ -18

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7-マーケテ イングによる出店地域選定や店舗デザイン,店舗 レイアウ ト計画であろ う。

(4)セールス ・プロモー シ ョン政策

広義のプ ロモー シ ョン (promotion)とは顧客の購買を刺激するすべての方法であ り,人 的販売 (personalselling),広告 (advertisi叩 ),販売促進 (Salespromotion),パブ リシ テ ィ (publicity)等が含まれる。狭義のプ ロモーシ ョンは販売促進 (salespromotion:SP) であ り,恒常的でない陳列,展示,展覧会,実演その他の販売努力である4。 プロモーシ ョンは,広告調査 (advertisingresearch),販売促進調査 (salespromotion research),動機調査 (motivationresearch)などのマーケテイング ・リサーチ と結合 し, 消費者の購買動機や これ とプロモーション ・ミックス要素 ・広告媒体などとの関係 を調査 ・ 分析す ることによって,最 も効果的な方法が発見され実行 される。 商業 としての広告は,それによって店舗 の信頼性や知名度 を高めるにとどまるが,PB商 品の生産者 としての店舗広告は,製造業 と同様, 自社商品の信頼性や知名度 を高め,製品 ブ ランデ ィングを行 うものである。製品のイメージ特性や差別的特性 を最 も効果的に形成 し,あるいは補強す るために,販売促進の形態や方法,内容 を決定 しなければならない。 (5)マーケテ イング ・マネジメン ト 以上のマーケテ イング諸活動は,相互に有機的に結合 ・連携す ることによって,もっ と も効果的なマーケテイングが可能 となる。 しか しこれ らの諸活動は,相互に専門的な諸部 門あるいは独立 した諸機 関によって 「業務的」に行われている。そ こで,分業化 されたマ ーケテ イング諸活動 を, トップ ・マネジメン トによって統一的に管理する諸活動がマーケ テ イング ・マネジメン トである。

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コ トラーによれば,マーケテ イング ・マネジメン トとは,組織体がその 日的達成のた め,最終市場 との間に相互に利益 となる交換その他 の関係 を創出,構築,維持する計画 に ついて,分析,企画,実行,コン トロール を行 うことである5。 マーケテ イング ・マネ ジメン トとは,マーケテイングの諸活動を統一 した企業 目的や経 営理念の もとに効率的 ・合理的に統合 し,企業の一貫 したマーケテ ィング戦略 として展開 す る,分析 ・企画 ・実行 ・コン トロールである。 上記か ら,①市場把握 ,②商品調整,③プロモーシ ョン政策,④マーケテイング ・チャ ネル政策 は,⑤マーケテ イング ・マネジメン トによって有機的 ・統合的な管理が行われ る ことによって,マーケテ イング ・サイクル を描 く。

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-188-Ⅱ.マーケテイング諸活動 とビジネス ・プロセス,流通諸機能 (1)ビジネス ・プロセスの区分 とフルフィルメン ト・プロセスの位置づけ 事業体の諸活動すなわちビジネス ・プロセスを区分すれば,①受発注一原料調達一生産 一配送 ・納品 とい うフル フィルメン ト・プロセス :Ful以lm entprocess(充足過程),②市 場調査 一商品調整 (仕入計画,製 品計画,価格政策)-プロモーシ ョン政策 (狭義の販売 促進政策,広告 ・宣伝政策 を含む)-マーケテイング・チャネル政策 (取引,物流を含む) か らなるマーケテ イング ・プロセス (製品 ・市場創造過程),③技術関連 ・製品開発プ ロセ スに分類できる6。 しか し現実の事業活動 においては,相互に他の部分プロセスを包摂 してい る。業務的に 関連す る部分プロセスを各セクシ ョンが担当 している。例えば外商部 は大手の顧客を開拓 し,物流網の開拓 を行 うとともに,受発注や納品手配 を行 う。 このことか ら,市場把握,商品調整,プロモーシ ョン,取引,物流の 5つの活動をマー ケテイング機能 と定義7す る考え方 も生 じる。取引 ・物流は,マーケテ イング活動の結果獲 得 した顧客の需要 を充足す るフル フィルメン ト:fulfi1lm entといえるが,取引の成立や物 流 の実現が市場 ・製品の創造に結び付いてお り,この観点か らは広義のマーケテイング活 動 に含め られ よう。 取引 (商取引)とは,商品の所有権 を移転 させる活動すなわち商行為である。商業 とは, 商品を他か ら調達 し (仕入),購買者 に販売 して所有権を移転 させる商行為を事業 として行 う活動である。製 品の所有権は商業者を経て消費者 に移転す る。 物流 (物的流通)とは,取引による所有権の移転にともない,商品を生産者か ら商業者, 消費者- と空間的 ・時間的に移転 させ る活動である。生産者 と消費者 の空間的な隔た りを 架橋す る活動が輸送であ り,時間的な隔た りを架橋す る活動が保管である。 流通は生産 と消費 とを架橋する重要な社会的な機能である。商業は商取引を行 う事業で あ り,この行為 を通 じて流通機能 を遂行 している。取引は,生産 と消費を橋渡 しす ること によって消費者 と生産者 を ともに充足 させ るフル フィル メン ト・プ ロセス :Ful丘llment processである。 しか しこれはマーケテ イングの本質ではない。マーケテイングを流通 ・商業か ら区別す る特徴は,マーケテ イングが市場把握か ら出発 し,市場のニーズや ウォンツに基づ く商品 調整 ・商品計画,商品調整 ・商品計画に基づ くプロモーションとい う点である。 (2)流通概念 と流通機能 商品の生産 と消費を中 山とした,最 も基本的な流通は,生産段階か ら消費段階-の商品 流通 と,逆方向-の貨幣流通である。この商品流通は,商品に対す る所有権 の移転である 商取引流通 と,商品の場所的 ・時間的移転である物的流通 とに分けられ る。 商品は,事業者 によって産業ない し事業 目的に消費 され る生産財 と,消費者 によって最 -18

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9-終消費 され る消費財 とに区分 され る。生産財は,生産段階,流通段階,消費 (生産的消費) 段階 の順 に流通す る。 また消費財は,生産段階,流通段階,消費 (最終消費)段階の順に 流通す る。 生産財が原材料 として生産的に消費 され,消費財が生産 され る場合,物的な素材 を基準 に とらえれば,人の手が加 え られない 自然状態 を出発点 として,生産財流通 と消費財流通 とは一つの流れ として とらえることができる。すなわち,生産財 の生産段階,流通段階, 生産財 の生産的消費-消費財の生産段階,流通段階,消費段階の順である。 流通 とは,生産 と消費 との,人格的 ・場所的 ・時間的懸隔を架橋する経済活動である。 また流通 とは,生産プ ロセス全体の結合 を媒介 し,かつ生産 と消費 との結合を媒介す る経 済活動 であ り経済的機能である。また流通が有用性 (役立ち)を創造す るサー ビス機能で ある とす る視点か らみれば,流通 とは,場所的有用性,時間的有用性,所有の有用性 を創 造す る経済活動,経済的機能であるといえる8。 事業体の諸活動すなわちビジネス・プロセスを区分すれ ば,前項で述べたように①フルフ ィル メン ト・プ ロセス :Fulfillmentprocess(充足過程),②マーケテイング ・プロセス (製 品 ・市場創造過程),③技術関連 ・製品開発プロセスに分類できる。 これか ら流通機能のみを抽出すれば,すなわち流通分野の事業 におけるビジネス・プロセ ス として再構成すれば,①受発注一仕入 一配送 ・納品 とい うフル フィルメン ト プロセス : Ful丘llmentprocess(充足過程),②市場調査一商品調整 (仕入計画,商品計画,価格政策) -プ ロモーシ ョン政策 (狭義の販売促進政策,広告 ・宣伝政策を含む)-マーケテイング・ チャネル政策か らなるマーケテ イング ・プロセス (製品 ・市場創造過程)である。 しか し 現実の企業活動 においては, この二者 は相互に他の部分プ ロセスを包摂 している。マーケ テ イング・プ ロセスは 「市場」「戦略」対応のプ ロセスであ り,フルフィルメン ト・プロセ スは 「顧客」 「売買」対応のプロセスである。 したがって実際の経営組織では,これ ら両プ ロセスの うち業務的に関連する部分プロセ スを各セ クシ ョンが担 当 している。例 えば営業部はマーケテイング ・プロセスに含まれ る マーケテ イング ・チャネル政策 としてフランチ ャイジーや顧客,取引先 を開拓 し,物流網 の開拓 を行 うとともに,フルフィルメン ト・プロセスに含 まれる受発注や納品手配 を行 う。 す なわち流通 を生産 と消費 との懸隔の架橋を中心に とらえた場合においても,流通機能 には,事業体の事業活動の性格 としては,マーケテ イング機能 とフルフィルメン ト機能 と を含 んでいる。流通機能には以下のよ うなものがある。 (la)需給調整結合機能 生産 と消費 との人格的懸隔 を架橋す る流通機能の うち,最 も中心 となる機能である。需 給調整結合機能 とは,商品を消費者の欲求に適合す るよ うに調整す る機能である。 需給調整結合機能 は,マーケテイング諸機能 としての①市場把握 ・②商品調整 ・③販売 促進 と,フル フィル メン ト機能 としての商取引行為である④売買に分けられる。また需給

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-190-1 芦ワ1 調整結合機能は,商業においてマーケテイングが行われ る場合の商取引流通機能である0 ①市場把握 商品調整 (商品計画あるいは仕入計画)のために,消費市場を調査 ・分析 し,市場 ・需要 を把握す ることである。また この結果 を,より上流の流通機関または生産者に伝達す る情 報伝達機能を消費者情報伝達機能 とい う。 ②商品調整 消費者の欲求を充足するために;商品計画 (品揃計画や仕入計画),陳列計画 を行 な う。 この商品調整 は,需給調整結合機能の うち中心的な機能である。 これは,需要に合致 した 機能 ・性能 の商品の品揃えや仕入,陳列 レイア ウ ト,棚割 りを計画する活動であ り,需給 の質的お よび量的調整 を行 う機能である。 この商品調整 は,仕入や品揃 えを行 うた めの仕 入先 となる卸売業や製造業な どの供給源 を探索活動す る活動を含み,供給源の有無,仕入 の可能性の有無によって,商品計画は変更を受 ける。また製造業に対 して生産を誘導す る 活動 によって,供給源 を確保す る場合 もある。 生産段階や よ り上流の流通段階での取扱商品の商品系列,品種,カテ ゴリー,アイテム 等の商品種類 ・数量,および よ り下流 の流通段階での取扱商品の種類 ・数量,消費者の購 買商品種類 ・数量 とい う,流通段階間の質的お よび数量的調整の機能は,商品の製造か ら 最終販売までのプロダク ト・パイプライ ンにおける関連企業間における相互のマー ケテ イ ングによって行われ,また相互間がパー トナーシップに基づ くマーケテイング・チームとし て統合 されている場合は,マーケテイング・チームの機能 として行われ,そ うでない場合あ るいはマーケテイングが不在の場合は④売買の実行の結果 として実現する。 ③販売促進 商品調整に したがって生産 され,あるいは仕入れ られた商品について,消費者 に商品情 報を提供 し,消費者の需要を喚起す る活動である。 これによって需給調整結合が促進 され る。 これは需要を創造する活動であ り,購入説得活動でもある。 ④売買 仕入計画に したがって,仕入先に商品を発注する発注活動, PB商品の場合は生産調整 活動 を含み,商品や資本財の購買活動,顧客か らの受注活動を含んでいる。生産者や卸売 業者か ら仕入れた商品が消費者- と所有権が移転 し,この所有権移転機能 によって最終的 な需給調整結合が行なわれる。 (lb)商取引流通機能 マーケテイングが存在 しない場合の この機能は,戦略的にではな く,業務的に実行 され る商取引すなわち④売買 とそれ を促す③販売促進のみであ り,商品が売れなけれ ば③販売 促進が うま く行われなかった結果的であることにな り,倒産す る。売れればその商品を仕 入れ る。 この結果,売れる商品を品揃 えす る店舗のみが生き残 り,需給調整結合機能が実 現す る。

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-191-このよ うな場合 には,店舗 自身が果たす機能は③販売促進 と④売買のみ とな り,これ を 独 立 した機能 として表現す ると,結果的に生産者か ら消費者-の商品の所有権移転が行わ れ,人的懸隔の結合が実現す るので,商取引流通機能 とい うことになる。 この場合は, フ ル フィル メン ト・プ ロセスのみ実行 された とみるべきであろ う。 (2)物的流通機能 物的な商品を場所的,時間的に移転する活動である。 この機能は,①輸送機能 と②保管 機 能か らなってい る。輸送機能は,仕入輸送活動,販売配送活動,事業体内移動活動 に区 分 され る。 また保管機能は,保存 ・貯蔵活動,在庫活動,在庫管理活動 に区分 される。 また物流 と製造の一部,あるいは商的流通 と製造の一部を兼営す る事業を機能 として表 現す る場合 に,流通加 工機能 として挙げるとらえ方 もある。 これ 自体は,フル フィル メン ト・プロセスであろ う。 (3)促進的機能 需給調整結合機能や物的流通機能を円滑にす る機能であ り,流通諸機 関 ・事業体の立場 か らみた場合,流通諸機能 の中でもフルフィル メン ト・プロセスの性格 を持つ。 ①金融機能 製造業者,卸売業者,小売業者 に対する金融機関か らの,あるいは相互の信用供与,潤 費者 に対す るクレジ ッ トや ローンとよばれ る信用供与である。 ②危険負担機能 価格変動 な どの経済的危険,火災や事故,天災 ・戦争 ・革命 ・暴動等, 自然的 ・社会的 危 険による損害に対す る補償である。 Ⅲ.流通諸機関 と卸売業 ・小売業の役割 とフル フィル メン ト 流通機能またはその一部 を事業 として行 う事業体を流通機関 とい う. これはいわゆる流 通業者である。流通機関,流通業者 は,受給調整結合機鹿ない し商取引流通機能 と物的流 通機能 との両者ない しその一方を担 当する。 流通機構 とは,複数の流通機関によって構成 され,あるいは複数の流通機能 を担当す る 事業体が構成する,商品流通の社会的システムである。9 (1)卸売機能 と小売機能 商取引流通あるいは商的流通 (商流 と略す場合もある)の機能は,小売 と卸売 とに段階 的 に分化 している。小売 とは最終消費者-の商品の販売であ り,その事業または事業者 を 小売業 とい う。また小売は最終消費の一歩手前の段階であ り,最終流通段階である。卸売

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-192-∼.. ..I . -.. 1、. 。二 .1 ..i とは最終消費者以外の商品使用者 (生産的消費者,業務的使用者)-の商品の販 売であ り, その事業または事業者 を卸売業 とい う。また卸売は中間流通段階である。 流通機 関 ・流通業者の うち,小売を担当す る商的流通機関 (商業機 関)を小売商ない し 小売業者 とい う。また同様 に,卸売を担当す る商的流通機関を卸売商ない し卸売業者 とい う。主 として小売 を事業 とす る商業機関が例外的に卸売を行 う場合がある。 この場合 も, やは り機 関・事業者 としての区分は小売商であ り,その例外的な事業が卸売なのである。そ の逆に,卸売商が例外的に小売事業 を行 う場合がある。例えば,文具店が企業や学校,病 院な どの事業者 に事務用 として文房具を販売 した場合,文具店は小売商であるが,この場 合 の行為は卸売である。 最終消費者は, 自分 自身又はその家族による消費,あるいは個人の消費を予想 した贈答 を 目的に商品を購 買す るため,小売商の取 り扱 う商品は消費財 に限定 され る。 また消費財 と等 しい商品であっても,生産的あるいは業務 目的で消費す る場合 は生産財であ り, この 区分は商品 自体の形態的属性 によるものではない。 卸売業の介在による流通機能の段階的分化は,流通機構の合理化 をもた らした。卸売業 の流通上の機能について,マーガ レッ ト・ホールは二大原理 を挙げてい る10。

その第-は総取引数最小化の原理 (principleofminimum totaltransaction)である。 商

品の一定数量の流通に必要な総取引数は,生産者 と小売商 との直接取引よりも,卸売商が 介在 した場合のほ うが少な くな り,流通費用が節約 され るとい う原理である。 第二は集 中貯蔵の原理 (principleofmassedreserves)である. 商的流通機関において常 時必要な在庫は,生産者 と小売商 との直接取引よりも,卸売商が介在す る場合 のほ うが少 な くな り,在庫維持費用が節約 され るとい う原理である。 商的流通機関が小売商のみの場合 には,消費者の不意の購買に応 じるため,各小売商が 各々在庫 を雑持 しなければな らない。これに対 して卸売商が介在する場合には,卸売商は, 自店の取引先である小売商が不意 に必要 となる在庫の一定割合 を,集 中的に代行 して維持 す ることで,不意の購買に備 えるための必要性が不確実な在庫が減少す るので,卸売商 1 店舗 当 りと取引す る小売商の店舗数が多いほ ど,維持 しなければな らない在庫 は,小売商 のみが在庫 を維持す る場合 よ りも少 なくてすむ。 したがってこの原理 は不確実性プールの 原理 (principleofpoolinguncertainty)ともい うO しか しマーケテ イングの普及の過程で,あるいは流通の近代化やシステム化 をめざす過 程で,卸売業が流通費を膨張 させ る要因であるかのごとく考え られ,流通経路の短縮化や 産地直送等,中間商人排除,卸売業排除の動きは絶 えず存在 してきた。 また今 日では,イ ンターネ ッ トのサイバー空間におけるバーチャル ・シ ョップやバーチャル ・モールな ど,デ ジタル・ネ ッ トワークを媒体 とした通信販売が拡大 しつつあ り,メーカー,卸売業,小売業 とい う流通段階や業態を越 えたボーダ レスの競争が展開されつつある0 このよ うな状況 のもとで,卸売業のなかには,従来の流通段階における卸売商 としての 事業に固執せず,あらゆるメディアを通 じて小売等,多様な流通事業 を行 う流通 コングロ ー1

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93-マ リッ トとしての要素を持つ ことによ り,消費市場の動向を一層把握 し得 る位置 を確立す る方 向 もある。 しか し,本来の卸売商 としての事業において存続するためには,消費欲求 の個性化 ・多様化に対応 したパー ソナル ・マーケテイングを実現す るために必要不可欠な存 在 になる必要がある。 このためには,マス・マーケテイングにおける商取引流通機能をマーチャンダイズマー ト に集 中させ,物的流通機能 を卸センター, トラ ック ・ター ミナルに集中 させ,商物分離に よる効率化 を図る必要がある。 この二大機能について,同業他社や他分野卸売業 との共同 化 ・集団化 も必要である。 ま た製造 業や小 売業 とともに情報 ネ ッ トワー ク を構 築 し,EDI:ElectronicData Interchange(電子データ交換)を通 じて,オンラインでの リアルタイムの受発注 と納品を ロー コス ト オペ レーシ ョンで迅速に行 う必要がある。 さらに,パー ソナル ・マーケテイン グの拡大に備 え,小売業か らの個客対応 のカスタマイズ商品に対 して最適の製造業 を手配 し,個客対応 のプロダク ト パイプラインを開拓 し,マーケテ イング・チームを構築す るコ ーデ ィネー タ としての機能をはたす必要がある。中間流通の担い手 として,製造業 と小売 業 を結び,かつ両者 に商品情報,消費者情報,・企業情報 を提供す るデータベース機能をは たす 必要がある。 これに加 えて,情報武装によって,′J、売商に対する業態,小売パ ッケー ジに関する指導を行い, リテール ・サポー ト システムによるサー ビスを充実 させ る必要が ある。 この小売パ ッケージ,すなわち小売業の製品パ ッケー ジとは,店舗,陳列,品揃 えやサ ー ビス,雰囲気,環境,立地条件の総体である.小売パ ッケージについて,一般的な特徴 によって区分 した小売業の形態分類を業態 とよんでい る。 (2)/J、売業の社会的 ・経済的役割 ′J、売業は,消費財 を消費者 に対 して最終的に販売す る流通業である。小売業に とっての 製品 とは,主 として工業を示す製造業や農林水産業の生産物である消費財だけを指すので はない。 もしこれ らの生産物が唯一の製品であるとすれば,小売業は不要であ り,消費者 は直接生産者か ら生産物を購入すればよい。 小売業は,消費者 に対 して製造業な どの生産 した販売対象製品を提供 している。 このこ との意義は,′J、売業の製品を販売対象製品に限定する視点によっては見出す ことができな い。 実はこの活動を通 じて生産者 と顧客 との人格的懸隔を橋渡 しし,製造時 と購買時 との 時間的懸隔を調整 し,商圏の顧客を対象 に生産地 と消費地 との場所的懸隔を架橋す るとい う流通機能 を果た しているのである。 またそれ のみに とどまらず,これ らの 「架橋」は, 小売業がその社会的 ・経済的役割 (機能)を果たす とい う形で行われる。 この社会的 ・経 済的役割は,消費者 に対す るものと販売対象製 品の調達先 (供給部門ない し仕入先)に対 す るものとに大別す ることができる。消費者に対する社会的 ・経済的役割 とは,①正 しい 商品 を提供す る役割,②適切 な品揃 えを整える役割,③必要な在庫を維持す る役割,④商

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-194-2,r▲Tl 11,一t,一J .Il一.II t.'l l一._ll,1 壬 -1っt,,う つ.t.t.Jl ]一一t一」「 tl1.,一ユ ー一1・l ■,-・JJp -・・・l ・lユ.T q j」っ︼ '︼J、.■一寸 ︼JrJt︼ ︼'1一t JJtユ一丁 ュJ一9-1 ■「11リ一一 Jlr,ri r=i..I.1 」l一︼1 リ.1,1.- 1日「■・-・-1葺 十lI︼︼ 一1一一■ '1一ユ 一■-I一 ・ヽ・1一・1 1-■・・1 1-1さ1 -.,l ‡コロ71 11日「 .ーJJlJI 一,j lI▲「一 .」イl 1一一11一 J」.J一 J一.り1 」1「1 11・T l←11 一ユー」一・l 一ー一17.一 ...︼ .IT∃ Ll一一「.T 品情報 ・流通情報 ・生活情報 を提供す る役乳 ⑤買物の場 を提供す る役割 (買物位 置提供 機能),⑥買物 の楽 しさを提供す る役割 (買物環境提供機能),⑦買物の便利 さを提供す る 役割 (買物便益提供機能)である。またこれ らの社会的 ・経済的役割によって,小売業は, 顧客 ・消費者 と上流の機 関に対 してその存在意義をもっているのである。 「正 しい商品を提供す る役割」 とは,最終販売を行 う流通機関 としての適正商品のチェ ック機能であ り,生産管理の視点で表現 した 「品質」,すなわち素材 ・構造 ・動作 ・安全性 な ど測定可能な機能的側面の基準を充た し,その条件 としての形態的属性 を具備 している とい う,商品学的に表現すれば 「品位」 といえる事項に対する最終確認である0 品質 とは消費者か らみた商品 としての好 ま しさである。 なぜな ら消費者 によって実現 さ れ る役立ち,すなわち使用 目的適合性や有用的機能は,消費する人間の生活スタイルや知 識,好みや素質 との有機的な関係 によって発現す るものだか らである。 この視点での 「品 質」に対するマーチャンダイジング活動のチェック機能は,「適切な品揃えを整える役割」 にあるといえる。なぜ な ら, この 「適切 な品揃 え」 とは,ターゲ ッ ト顧客 としての消費者 にとっての適切 さであ り,顧客か らみた好 ましさである。 この よ うに顧客にとって魅力的な品揃 えで現実空間上に店舗を設立 し,あるいはイ ンタ ーネ ッ トやパ ソコン通信のサイバー空間上 にバーチャル ・シ ョップを開設 し,も しくはカ タログ通信販売な どの形態を設 けて,「買物の場を提供す る役割 (買物位置提供機能)」 を 果た し, しか も欠品を防止す るために 「必要な在庫を維持する役割」を果たす。 これ らの 諸機能によって 「買物の便利 さを提供す る役割 (買物便益提供機能)」 を果たす ことができ る。 さらに小売業は,自店舗だけでな く,商業集積全体 として,「買物の楽 しさを提供す る役 割 (買物環境提供機能)」を果た さなければならない。この楽 しさが重要な購買動機 とな り, 生産 と消費 とを架橋す る要因 となる。最近では街歩きや店舗巡 りが レジャー とな り, レジ ャー としての街歩きが購 買行動か らの独立性を強め,街歩 きそのものが 目的化 している。 このため小売パ ッケージや 「ついで」の立寄 りによる依存効果が購 買動機 となる場合 もあ り,商品 自体に関する市場調査がかな らず Lも購 買行動 を予測 し得 る市場把握 とはな らな い。 小売パ ッケージとは,品揃え,店舗の立地,規模, トレーディング ・スタイル (ス トア ・ デザイン, レイアウ ト,人的サー ビス,雰囲気に関するフォーマ ッ ト)である。 街歩 きの対象 としての商業集積-の顧客の行動要因 としては,顧客セグメン ト別 の①買 物行動圏 としての空間的な利便性や②店舗構成,③各店舗 の品揃 えといった購買行動動機 要因に加 えて,顧客セグメン ト別 に次のよ うなシ ョッピング地域-の行動動機がある。そ れは①デモンス トレーシ ョン効果 による移動の快適性,②

○通や△△セ ンターに行 く (または行った)」 とい うことをコミュニケーシ ョンの相手や 自分 自身に対 して当然のこと として納得 させ ることができるポジシ ョンにあること (普遍性),③施設や店舗に関す る娯 楽性に加 えて,建造物の構造,各施設の機能・デザイン,店舗の構成 ・レイアウ ト・デザイン・

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-195-品揃 え,他 の顧客 の行動 な どがコーデ ィネー トされた雰囲気 としての娯楽性 ,快適性 ,④ さ らに(9-③が合成 されたデモンス トレー シ ョン効果 である。 さらにこれ らの行動動機 に よる行動 が購 買行動動機要因の一つ として存在する. 商業集積 が単な る小売商業団地 としてで はな く,商業集積パ ッケー ジ として顧客 に対す るサー ビスや娯楽性 (買物 の楽 しさ ・便利 さ)を提供す る機能 を持つ場合は,顧 客 ・消費者 に対す る小売業の社会的機能 を商業集積 として果た していることになる。 商業集積 パ ッケー ジ とは,商業集積施設 ・コ ミュニティ施設 の構造,デザイ ン ・色彩 , レイ ア ウ ト,店舗構成,全体 の取扱 商品構成,立地条件,周辺環境,複合的集積状況 (他 の業種や 商業集積 との位置 関係や最 寄交通機 関か らのアプ ローチ として機能す る諸施設 を 含 む),便利 な決済 システムやポイ ン ト カー ド,店舗案内等サー ビス・システム,デモ ンス トレー シ ョン効果,普遍性 ,快適性,娯楽性,雰囲気等の諸要素の ミックスである。 Ⅲ.むすび にかえて 取 引や物流,流通諸機能 における需給調整 を含まない売買,促進的機能 と,市場把握 に 基 づ く需給調整,業態 ・小売パ ッケー ジの開発,商業集積パ ッケー ジの開発 ・活用,プ ロ モー シ ョン政策,説得的な人的販売 とを,市場創造活動,購 買動機 の促進活動 としてのマ ー ケテ イング ・プ ロセス と顧 客欲求充足 としてのフル フィル メン ト・プ ロセス とに,同様 のセ クシ ョンが同時に行 う諸活動 の うちか ら,事業体 のマネ ジメン トの視点か ら,各 々の 性 格 に よって分類す ることに よって,マー ケテ イングの対象 が よ り明確 にな り,流通即マ ー ケテ イングとい う通俗的誤解 を解決す ることがで きる。 また,マーケテ イングとフル フ ィル メン トは,諸活動の性格 による区分で あ り,流通 は,製 品 ・サー ビスに関す る狭義 の 生産,消費 との価値連鎖上の段階区分である。 l久保村 隆祐 ・関根孝 ・住谷宏共著,『現代マーケテ イング入 門』ダイヤモン ド社,p.6. 2 同書,p.107. 3 同書,p.7,p.107.

4 おおむねAMA (AmericanMarketngAi s sociation)の定義 による。

5

P.

Xotler,MarketingManagement:analysisplanming,andcontrol[FourthEdition],

1980.フィ リップ ・コ トラ-著,相 即昭治監修,小坂恕 ・疋 田聡 ・三村優美子訳 『マーケ テ イング ・マネジメン ト [第4版]』 プ レジデ ン ト社 (1983)前掲訳書,p.13. 6 松 島氏 は, ビジネスプ ロセ スを商品開発プ ロセス とカス トマ一 ・フル フィル メン ト ・プ ロセスの2つ としてお られ る。(松島克守『CALS戦略 とEC(電子商流)』生産性 出版,1995 年 6月,pp.190-192.) 7久保村 隆祐 ・関根孝 ・住谷宏共著,前掲書,p.6. 8 有用性 と効用 とは,本質的 に異な る。有用性 は,何 らかの 目的のための役立 ちを さすが, -1

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96-効用 は有用性 の発揮 (使用) によって,消費 ・使用 した人間の心理 にもた らす満足感 であ る。経済活動 は心の働 きではないので,消費 ・使用できる状態を創造す るとい う視 点で流通 活動 を捉 えた場合 は,有用性 の創造であって,効用の創造ではない。

9 本項の以上の考察 は,『流通読本』p.14等参照.

10M.Hall,DistributiveTrading:An EconomicAnalysis, Hutchionson'sUniversity

,N

o

.42,1948,pp.79-84.

参照

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