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放課後児童クラブにおけるチーム支援の質の向上に関する研究 : 個と集団に着目して

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(1)

放課後児童クラブにおけるチーム支援の質の向上に関する研究

一一個と集団に着目して一一

A Study

on

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Improvement o

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Team Support

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Care Workers With

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Focus on t

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Unit

and

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Group

堀 美 鈴

Misuzu H

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関谷みのぶ

Minobu S

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a

はじめに

放課後児童クラブは,歴史的には昭和

3

0

年代初頭 から母親の就労の増加に伴って,放課後,保護者がい ない子どもの保障が社会問題として取り上げられ 「学 童保育」して全国的に広がったことに始まっている。 平成27年度からの,

i

子ども・子育て支援制度」の施 行を機に放課後児童支援員の資格化,職員の処遇改善 の方策等が実施されてきた 平成27年3月に発出 された 「放課後児童クラブ運営指針Jの実践的な目的 と意義にある①多様な人材によって運営される放課後 児童クラブ支援員等のアイデンティティの共有化②研 修と連動させることにより,職員の資質向上に資する ものとすること,を受け,研修が行われることとなっ fこ。 放課後児童クラブの支援員等 (支援員・補助員含む) の質の向上をどのようにして図っていくことがよいの かについて 「支援員の求められる力量として子どもが 学校に望むものを 「学習・仲間・安心

J

の3つに対し 児童クラブには 「遊び・仲間・安心」を求めるため, 専門的な力量が求められる

F

と述べている。児童ク ラブ支援員に求められるこれらの力量は, 一人一人の 質を高めることを重要ではあるが,支援員の資格,免 許等条件が違う中で,児童クラブ支援員としての集団 として,協働的に子どもの支援を行うことが必要とな る。個人を見ていくと,皆研修にも参加し,支援に対 して理解しているはずではあるが, 実践を見るとそれ ぞれに異なった姿が見られることが多い。なぜ,理解 していても実践では違った姿が見られるのか,共通理 解が難しいのはなぜか。 そこで,集団のまとまりとしての質を高めていくた めにはビデオ研修を繰り返し,

PDCA

サイクルを生 かすことが適切と考え,研修を繰り返した。実際支援 員は,研修時に同じものを同時に目にすることで,共 通理解が図りやすくなり,振り返り,少しずつ前進し ていく姿が見えてきた。また放課後児童クラブの困難 さである 「個」と 「集団」のバランスを個々がどのよ うにとっているのかが, ビデオ研修を繰り返す中で大 きくクローズアップされてきた。

1.目的と方法

〈研究の目的〉 より良い放課後児童クラブを目指すためには,環境 として子どもに最も影響を与える支援員・補助員 (以 下,支援員)の言動はとても重要であり,子どもを中 心に支援員の共通理解はなくてはならないものである。 そこで, ビデオ研修時の支援員の発言に着目し, 支援 員の内面を浮かび上がらせ,目に見えないものを言語 化し,共通理解を図る過程で見えてきた支援員の子ど も観を明らかし,協同的にチーム支援の質の向上をめ ざすことを目的とする。 本研究の目的である, 支援員が協同的に子どもを支 援していくことが促進されるために,以下の3点につ いて着目していく。

(2)

放課後児童クラブにおけるチーム支援の質の向上に関する研究 【表1】研修日程 年 度 児童クラブ名 A B c D E F G H ビデオ撮影日1回目 6月16日 5月26日 6月26日 7月 18日 6月20日 5月 12日 10月3日 6月19日 研修会 1回目 9月8日 9月7日 9月12日 9月14日 9月22日 10月23日 / / / / / / 9月11日 2017 ビデオ録影日 2回目 12月4日 11月27日 1月15日 12月11日 11月20日 12月12日 12月5日 研修会2回目(合同研修) 1月22日② 1月23日③ 1月24日④ 1月22日② 1月16日① 1月23日③ 1月24日④ 1月 16日① ビデオ儲影日 1回目 6月16日 6月 11日 6月16日 6月21日 6月8日 6月 15日 / / / / / / 6月8日 研修会2回目(合同研修) 7月 12日③ 7月12日③ 7月10日② 7月6日① 7月叩日② 7月10日② 7月6日① 2018 ビデオ娠影日 2回目 12月 17日 1月5日 12月19日 1月5日 12月12日 12月19日 1月5日 12月12日 研修会2回目(合同研修) 3月6日② 3月7日③ 2月5日① 3月7日③ 3月6日② 3月6日② 2月5日① 2月5日① 2019 ビデオ婦影日 9月12日 9月17日 9月30日 9月11日 9月20日 9月9日 9月10日 9月27日 研修会 1回目 10月29日 *研修会(合同研修)は、同番号が同じ研修に参加している (1) ビデオ研修による PDCAの効果 動しながら撮影)の後,研修会を実施し,再度ビデオ

(

2

)

共通理解を阻むもの 撮影を行い.

2

回目の研修会を行うサイクルを

2

年間

(

3

)

チーム支援としての考えかた 行った。

2

0

1

7

年度は全児童クラブにおいて,ほぼ同 じ時間帯を撮り (移動しながらと定点との2台使用). 〈研究の方法>

2

0

1

8

年度は,支援員と子どもが関わる場面をいくつ 1.研修日程 か撮り,その場面の言葉や行動の理由について考え,

2

0

日 年 度 よ り , 表

1

のように

A

市においてビデオ 意 見を出し合う事に重点を置いた。

2

0

1

9

年度は,ビ を利用した支援員対象の研修会を行っている。A市は デオ撮影後,全員研修を行った。 10の小学校区ごとに公立放課後児童クラブ(以下, 児童クラブ)が設置されており,そのうち8つの児童 3.倫理的配慮 クラブでの日常的な場面をビデオに撮り,研修に取り ビデオ撮影においては,研究協力者と研究協力館・ 入れている。 センター及びA市に事前に内容の確認を行ったうえで, 研究に使用することを説明した。あわせて,研究協力

2

.

研修概要 者及び研究協力館・センター及び

A

市には,個人が特 表

2

のように.

2

0

1

7

2

0

1

8

年度はビデオ撮影(移 定されることのないよう配慮すること,また,得られ

(3)

た情報に関して,研究者が責任を持って管理すること を口頭にて約束した。さらに,ビデオ撮影については, 日常生活の妨げにならないように配慮、した。

I

I

. 研修の結果

1. 2017年度研修 初めてのビデオ研修会の抵抗をなくすために, 1回 目の研修会は児童クラブごとに行い, 2回目の研修は 2つの児童クラブが合同で行った。

0

ビデオ撮影 (1回目, 2回目とも) 時間:午後 4 時~5 時 内容:子どもたちが下校し,おやつまでの子どもと 支援員の姿 場所:各児童クラブ

O

研修の視点 ①ビデオ研修を2回行う事で,支援員が自らの言動等 を振り返り,自ら改善しようとする気持ちを持つ。 ②改善点を職員が共通理解する。 ③他の児童クラブ支援員の意見を聞く。 (1)2017年度研修会.内容 OB児童クラブ

1

回目

(

9

月研修) 2017年9月7日:B児童クラブ(参加者8名・助言者 2名)5月26日撮影 ① ビデオを見た感想 -子どもに声をかけているつもりだったが, もっと声 をかけた方がよいと感じた。 ・立って動きながら話をするので, 回線を合わせてい きたL、。 ・自分の知らないところで泣いている子に気ついた。 その子に声をかけたか心配になった。 ・トラブルがあった時,職員同士もっと連携を図って いくことができればよい。 ② 話し合い ・帰ってきた時に子ともが泣いていたら,どのように 対応するか。 (支援員 A)そのまま様子を見ておき,おやつが終わっ たころに事情を聴く。 (支援員 B)話を聞かないと気持ちがおさまらないため, 話を聞き,受け止める。 (支援員 C) 泣いている時は心の中が話せないため,用 件だけ聞き,あとでゆっくり聞く。 (支援員

D

)

1

たいへんだったね」と声をかける。話の 大筋だけ聞き, 1あとできくね」と言う。 ・出席確認場面,子ともたちは正座をしている。正座 がよいか。 (支援員 A) 家庭と同じなので正座は必要なL、。顔を 合わせ一人一人の健康状態がわかるとよい。 (支援員 B) 机のところにいて確認できればよい (支援員 C) 座っている子に申し訳ない思いで,座らな い子に声をかける。机のところに座るだけでよい。 (支援員 D) 元気に帰ってきて,おおよそ机のところ に座って入れたらよいと思う。 (支援員 E) 自分の時はもっと姿勢が崩れるので, もう 少し座れるといいなと思った。 2回目(1月研修) 2018年1月23日 B'F児童クラブ(参加者14名・ 助言者2名)11月27日撮影 ①ビデオを見た感想・変わったと感じる事 -子どもの様子をよく見ることを目標として,自分な りにできたように思う。 -子どもの回線で対応するようにしてきた。 ・学校での緊張感から解放される癒しの場として気を 付・けながらやることができた。 -子どもが帰ってきたら 「ただいま」と言える環境に なっている。 -泣いている子どもが, どうしてそうなったのか自分 で話したいところまで持っていくようにしている。 子どもを尊重し,関わりを大切にしている。 -子ともたちに緊張を与えず,今のままでよいと思う。 トラブルが起きること,問題が起きることも成長に つながるのではないか。 ・子どもたちが下校する前に職員が集まり 13時の会」 を行い共通理解を図っている。 .F児童クラブがB児童クラブのビデオを見て ・おやつの時は,みんな一緒に食べた方がよいのでは ないか ・ざわざわしても,事が進んでしまう。 ・部屋が広L、。活動の切り替えもざわついていて, も う少し静かにと思ったが,

1

静かに」と言う先生の声 も聞かれな L、。自由で伸び伸びしている。 -伸び伸びしていて,職員のストレスがない0 ・ロッカーの上に水筒が置いてあり,危ない。 OE児童クラブ l回目(9月研修) 2017年9月22日・ E児童クラブ(参加者12名・助言 者2名)6月20日撮影 ①自分の姿を見て ・職員がかたまりすぎている0 ・動きが荒く,丁寧ではなL、。

(4)

放課後児童クラブにおけるチーム支援の質の向上に関する研究

.

I

きちんとしましょう」などと子どもに声をかけすぎ ている。 ②全体の様子を見て .出席をとるまでの時間が長い -おやつまで待ち時聞が長すきる。待たせない工夫を したい。 ③気になった子どもの姿 -寛くことはよいが,寝転んでいる子への注意のし具 合はどうか。 -家とは違うので線引きはいるのか。皆がいるからちゃ んとしていないといけないのかと考えてしまう。 -騒いでいることは困るが,騒げることは気持ちがほ ぐれていることでもある。 ④今後 ・もっと, 子どもたちすべてと会話をしたし、0 .隅っこにいる子に声をかけていきたい。 ・子どもに厳しかった。もっとメ リハリをつけていき fこL、。 -柔軟に動きたい。「うるさ L、」も許せるようにしたい0 ・仕事をする中で, 自分がどうしたらよいかばかりで パニックになるので,子どもが何をしたら楽しくな るのか考えていきたい。 -家庭的とはいえ,締め付けているところもあるので, 許すところも持つようにしていく。 2回目(1月研修) 2018年1月16日 E'H児童クラブ(参加者13名・ 助言者2名)11月20日撮影 ・子どもたちを見渡せる位置につく。 ・職員が同じ位置にかたまらないように気を付ける . I静かにして」と言いがちだったのが待って子ども の話を聞くように心がけた。 -言葉を丁寧にしようと思っている。 -子どもの近くに行き出席を取るようにした -座って出欠を取っていると,子どもが身を乗り出し ている姿が見られ 「可愛い」と思える。 ・ビデオを見ることで,大人の動きを確認できる。 OH児童クラブ l回目 2017年9月11日 ( 参 加者8名・助言者2 名)6月19日撮影 ①自分の姿を見て ・じゃれ合っていた子どもに気が付かなかった。けん かに繋がりがちなので, 気を付けてみていきたL、。 ・回線を合わせてはいるが時聞が短L。、 ②全体の様子を見て ・子どもの話をゆったり聞くために,机の配置は部屋 の工夫など考えていきたい。 -職員がうまく,必要なところに動いていなし、0 .職員に無駄な動きが多かった。 -大人の目があることで,けがやケンカの防止につな がる。 ・職員がほとんど立っている。 ③気になった子どもの姿 ・高学年らしくない行動をする子が多い。 ④話し合い ・何のために学校から帰ってきたらおやつを食べるのか (支援員 A) ほっとする時間を作るため (支援員 B) おしゃべりしたり, リラックスしながらー 息つく 助言:

I

お帰り

JI

ただいま」の声があまり聞かれなかっ た。名前を呼びながら迎えるとよい。子どもが 「先 生あのね」と話ができる場があるとよい。 ・部屋 の 配 置 (机)は横並びで全員前を向いている状 態であるが,ほかの設定は考えていないか。 (支援員C)人数の関係で,時には向かい合つての席を 作ることもある。 助言.並んでいる机の感覚を広げ,聞を通ることがで きると,より子どもの様子を把握しやすく,子ども たちも動きやすくなるのではないか。 ⑤ 今後こうしたい ・子どもたちが自信をつけ,成長できる場を作ってい きたL

0 ・異年齢交流の場を作っていきたい。 -子どもの言葉を待てず,色々言ってしまいがちなの で,子どもの声をしっかり聞きたL、。 2回目(1月研修) 2018年1月16日:

E'

H

児童クラブ (参加者14名・ 助言者2名)12月5日撮影 変化 ・机の配置,数を変えた。 -受け入れの体制

l

を変えた。 -立ち位置に気を付けて, 一人ひとりに目配せし,ゆっ たりと話を聞くように心がけた。 -挨拶を元気にすることを心掛けた。 ・高学年のために,静かに過ごせる場を設けた。 (感想)職員間で話し合い,子どもたちの様子に合わ せて改善しながら試行錯誤をしている段階でのビデオ 撮影であった。職員聞で話し合う機会が増えたことは よいことである。また目線を合わせることで, 子ども の話をよく聞けるようになったが,話したい子が多く 切り上げづらい時も多L、。 ※・話し合いのテーマ

(5)

(2)2017年度研修会:考察 1回目の研修はクラブ単位で行った。支援員は初め て自分の姿を映像で見て,

I

立っている

J

I

回線を合わ せていない

J

I

子どもたちへの個々の声掛けが少なLリ 「泣いている,喧嘩しそうな子に気がついていない」 「動きが雑である」なと、の感想が述べられた。ビデオ の画像を見ることで,

I

目の当たりに画像として突き つけられることで大きく短時間に自分の癖への気づき をさせてくれた

f

とあるように,自ら改善点として 挙げることができた。また, 全体の姿を見ると「出席 をとるまでの時闘が長い

J

I

おやつまで待ち時間が長 すぎる。待たせない工夫をしたし、」という自分たちが 動いている中では気づかなかった 「時間」について, ビデオを見ることで気が付 色 改善しようとしている。 「職員がかたまりすぎている

J

I

職員がうまく,必要な ところに動いていない」ことに対しでも,改善するこ とが必要だと感じている。それに比べ,室内の環境に 対しては職員自らの気づきは少なく,

2

クラブ合同の 2回目の研修会で他の児童クラブ、から指摘を受けたり, 助言者側からの助言により気づいた面があった。特に 環境面については机の配置,部屋の使い方について, 「すでにあるもの

J

という先入観の中で,改善の余地 があるという考えがないのではないかと感じる。

B

児童クラブで,出席を取るとき,子どもたちは静 かに正座をしていて, していない子に注意している職 員の姿があった。助言者が正座の意味を問うと,ほと んどの職員が「家庭と同じなので正座は必要なL、。出 席は顔を合わせて一人一人の健康状態がわかるとよい。」 と答えが返ってきた。他の児童クラブに共通する事で, それぞれに必要ないと思いながらも,今までの流れの 中で続けていることが,非常に多いのではないかと考 えられる。ドナルド・ショーン (2007)は実践という のはその中で「リフレクション行為」を意図して行わ ないとリフレクションしなくなるのとあるように,仕 事に慣れていく,時間を重ねることで,見たいものし か見ない,慣れていることしかしないという状態になっ ていく。このことを打破するためには,職員の話し合 いの中で行動の意味を確認し,話し合うことで,解決 につなげてL、く。ビデオ研修を繰り返すことによって, 行動の確認をできる機会としてL、く。 支援員の話を聞いた後の課題として,少し目線が異 なるセンター長は,以下のような感想を持った。 -子どもにとっての共通認識できたと思うが,個与に 受け取りの相違があることが否めない。 -職員の言葉やアンケートから,

I

主体性」のとらえ方 の遠いを感じた。 上記のように,個々に戻ると,理解はしているが受 け取り方の違いから行動の違L、が出てくるとみている。 第

2

回の研修会は,

2

児童クラブ合同で行った。各 児童クラブ支援員は, 1回目のビデオ研修を受け,そ れぞれの児童クラブで話し合い改善してきた。「子ど もの受け入れの仕方を変える

JI

机の数,向きを変え る

J

I

部屋の使い方を考える」などそれぞれに工夫が 見られた。また,他の児童クラブと合同のため,自分 の児童クラブでは当然行っていることが行われていな かったり,施設そのものの環境の違いであったり,子 どもの姿が異なっていることが,感想として挙げられ た。第1回の研修時にあまり気が付かなかった環境に ついては,他のクラブを見たことで,参考にすること も多くあった。ビデオ研修の要点として 「自ら慣れっ こになっていなL、か問い直す。部外者からの何げない 言葉等から"熟知している"と思い込んでいることな どをあえて疑うJ5)と指摘しているように,同じ場面を 見て他者からの意見を聞くことができることは, ビデ オ研修の利点と言える。また,支援員は他の児童クラ ブのビデオを見て,意見を言う時,自分たちが今回改 善したところを中心に見る傾向にあり,自分の児童ク ラブに比べ,他の児童クラブは「あまりできていない」 とみることが多L、。それは,数か月の問,課題につい て支援員が改善を図るために話し合い,試行錯誤を繰 り返したことの表れて、ある。それだけ,第1回の研修 会で, 自分たちがビデオを見て気が付いたこと,また 助言者等によって指摘されたことは,自分たちの目や 耳で共通に理解され,改善への意欲が高まったのであ る。さらに数か月後にビデオ撮影が行われるというこ とは,否が応でも改善せざるを得ない状況となる。 こ のことは, ビデオを見ることで, 目の当たりに画像と して突きつけられ,自ら改善点を知ることができ, 2 回日のビデオを撮影する時にはほとんど実際に改善で きていた。また,同じ場面を見て, 自分の行動の意味 を個々に考えることによって,それぞれの相違が見え, 共通理解をしようという気持ちが見られた。しかし, 目に見えないもの, たとえば 「子どもの主体性をどの ように」などは,これまでの経験や価値観の相違があ り,研修会での発言と実際の行動とでは違いがみられ る。この違いをなくすためには,支援員の言葉や行動

(6)

放課後児童クラブにおけるチーム支援の質の向上に関する研究 が子どもたちにどう映り,どのように感じ取るのかな ど,子どもの側に立って考える必要がある。同じ場面 を全員で見ながら, 言葉や行動の理由について考えて いく。共通理解を進めていく方法が望ましいのではな いかと考える。 そ れ ぞ れ の 児童クラブの特色として 「整 理 整 頓

J

「手洗い・消毒

J

I

静かに待つ

J

I

きちんと座る」 等に 支援員等の言動が多い児童クラブと 「話を聞く

J

I

ほっ とする

JI

癒しの場」の言葉を多く上げている児童ク ラブとの違いが多く見られた。このことが,児童クラ ブのそれぞれの特色になっている。

2

.

2

0

1

8

年度研修会 2回とも 3つの児童クラブが合同で行った。

O

ビデオ撮影(1.

2

固とも) 時間:午後

5

-6

時 内容

I

子どものあそびと支援員の姿 場所:各児童クラブ

O

研修の視点 -子どもの主体性を育むために環境,支援員のかかわ りを考える。 この視点は,児童クラブの育成支援の内容の中に, 「子どもが発達段階に応じた主体的な遊びゃ生活がで きているか

J

I

子どもが自分の気持ちゃ意見を表現で きるように援助し,放課後児童クラブの生活に主体的 に関わることができているか

J

(放課後児童クラブ運 営指針第3章1.⑤,⑥)に沿って設定した。 前年度の研修会では,見えるものについては,ほぼ 修正することができたが,見えないものについては, これまでの経験や価値観の相違から,発見と行動との 違いがみられるという課題があった。このことを解決 するために,子どもの側に立ち,考える必要があり, ビデオの同じ場面を見ながら考え,共通理解を深めて いくことを課題とした。

(

1

)

2

0

1

8

年度研修会 :内容 高学年への対応 ①

2

0

1

8

3

6

:A.E.F

児童ク ラ ブ ( 参 加 者

1

7

名・助言者

2

名) 事例l 居場所づくり (A児童クラブ)

1

2

1

7

日撮影 ・1階は低学年, 2階は4年生以上が使用している。2 階の廊下のスペースは4年生以上が使うことになっ て大きな机を置いている。机の上は好きなことを自 由に行うスペースである。 ・高学年は限られた時間の中で宿題や自分のやりたい 遊びを優先するため,おやつを食べないという選択 をする子がいる。 (A児童クラブ意見) ・ビデオに映っていた,たくさんの折り紙は,毎年高 学年が低学年を招待しているクリスマス会の景品で あり,みんなで考え2-3か月かかり作っている。こ のことが低学年と高学年をつなげることになり,モ デルとして低学年に伝わっていっているようだ。 但 ク ラ ブ意見)

.

E

児童クラブは比較的広い室内,広い運動場がある。 子どもが時折ロッカーの隙間や狭いところにいるこ とがあり,自分たちの居場所を求めているのではと 思った。

.

A

児童クラブは外遊びができないと聞いていたが, その中での工夫がすごいと感じた。同じ室内で,ボー ル遊び,工作,ブロックといろいろな遊びを工夫し ている。 事例

2

6年生への対応 (E児童クラブ)1

2

1

2

日 撮影 .6年生の男児が男性支援員に 「児童クラブにシャー プペンシルを持ってきてよいのか」と尋ねている場 面。以前児童クラブには持ってこない約束をしたが 男児はその場面にいなかった為,経緯を指導員に聞 いた。男児は小学校に持っていっていると言うので, 「小学校に確認する」と支援員は応えた。

(

2

0

分程度 話している) (E児童クラブ意見) -高学年が対象となってから, 1対 1で話す機会が増 えた。子どもたちが理論的に話すので,対応、に時聞 がかかる。一人だけ時間をかけるわけにもいかない し,中途半端にしてもいけないので,対応について 悩むところである。 (A児童クラブ意見) ・口も達者で大変だが,

I

ここは違う

JI

こうだと思う」 と子どもたちから意見が出て助かることも多い。高 学年が多ければ子どもたち同士話すことができるが

(7)

人数が少ないならば,職員が話し相手になるなどフォ ローが必要である。 -高学年になるとトラブルがあっても謝れない時もあ り , もやもやした気持ちのまま保護者に返さなくて はならない時は, こっそり保護者に伝え,家庭でフ ォローしてもらうことカ五ある。 ①2018年2月5日:C・Q.H児童クラブ(参加者16 名・助言者l名) 事例3 支援員に甘える子ども (H児童クラブ)12月 12日撮影 ・遊んでいる子どもたち, 一人の子どもが支援員に突 然おぶさった。支援員はびっくりしたが顔を見てにっ こりして、その子と話し始めた。 (H児童クラブ意見) -子ども一人一人の気持ちをゆったりと接したい。 -児童クラブは家庭的雰囲気の中で,個々の気持ちを 受け止める役割があるから子どもの気持ちを受け止 めたいと思う。 (C児童クラブ意見) ・危険なので,おぶさることなどは禁止している。 (G児童クラブ意見) ・一人一人の甘えを受け止めてやりたいが, 一人だけ すると不公平になるのではないか。 放課後児童健全育成事業の対象になる子どもは平成 24年の児童福祉法の改正により平成27年4月から, それまでの 「おおむね10歳未満」から 「小学校に就学 している子どもJとなった。そのためA市においても, 図lのように高学年は平成24年度までは支援の必要な 子ども数名だけであったのが,平成27年度以降受け入 れることになり,支援員等が戸惑いながら支援を行っ てきている。人数も低学年ほど多くなく,平成31年度 4月時点で, 一番多いA 児童クラブが4年 生 以 上 15 名,他の児童クラブでは 6 年生は 2~3 名で子ども自身 も 「保護者の都合で」本人の意思ではなく利用してい ることもあり,支援員が対応に悩むことが多L、。今回, ビデオを見る中で高学年の対応で 「居 場 所」について どのように考えるかが課題として挙がった。 250 150 _ _ _3年 1曲 -+<・4年 ...修-5王手 50

.・

-・

6年 三;..<...:..1

.

.

.

H24H25H26H27H28H29H30H31 【図1】犬山市児童クラブ在籍児童の推移 (H24~) 事例 1の A 児童クラブでは,①高学年しか使えな L、場所,机がある。②高学年は,おやつを食べる食べ ない選択ができる。③高学年は,低学年のために行事 を準備する。 A児童クラブは,町中にあり,外遊びのスペース は な し 非 常 に 狭 い 施 設 で あ る。その中で,高学年の 場所を確保していることは,高学年の成長段階を理解 していることに他ならなL、。高学年が勉強している様 子はとても明るく伸び伸びしていることは,他の児童 クラブの指導員にも,画面上から受け取ることができ fこ。

1

:

h-1年 2年 3年 4年 5年 6年 【図2】A児童クラブ学年別人数 (H31) A児童クラブの「限られた時間の中で,宿題や, 自分のやりたい遊びを優先するために,おやつを食べ ない選択もあるようにしている。」 の 発言には 「その ようなことができるのか。

J

1

子どもの気持ちもわかる が,難しい。」 との声が大半であった。A児童クラブ 指導員の言葉によると,

1

この形になるまで3年かかっ た。大切にしてきたことは子どもとの会話であり,子 どもたちで,また職員と子どもで意見を戦わせながら 作り上げてきた」と言う。 学習についても様々な意見 が出た。 事例2のE児童クラブの高学年の事例については, どの児童クラブでも同じような出来事があるという。 少ない人数の高学年はビデオを見ると,部屋の隅で本 を見ている姿が多く見られた。このような姿を支援員 等が見ながら,

1

主体性を育てるとしたら, どんな環 境,どんな支援が必要なのか。」 と悩んでいた。 事例3のH児童クラブの事例では,児童クラブの 「個々の気持ちを受容する

J

1

家庭的雰囲気の中で」と 言う言葉を受け止め,子どもたちの甘えたい気持ちを どのように受け止めていくのかに迷っている姿が見受 けられた。

(8)

放課後児童クラブにおけるチーム支援の質の向上に関する研究

2

0

10

1年 2年 3年 4年 5年 6年 【図3】E児童クラブ学年別人数 (H31) (2)2018年 度 研 修 会 . 考 察 事例 1 ルール -必ず机に向かつて学習する。 -家庭と同じ,宿題はするものである。 -保護者と子どもの意向で一定時間は学習の場 としている。 -学習が早く終わっても,そのまま静かに本を 見ている。 集 団 事例2 平等 ・どうしても対応に時間がかかる。 ・一人だけ時聞をかけるわけにもいかないし, 中途半端にしてもいけないので,対応につい て悩むところである。 集 団 事例3 安全 -背中におんぶは危険なのでしないという約束 をしている。 -急、に飛びつかれたりすると怪我をするので禁 止にしている。 平等 -全員にやってやれないから。 -みんながやってほしいと言ったら困るからや れないことにしている。 集 団

:

z

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20

イー 10

-

.

t

.

.

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.

o

γ-

1年 2

-一一〆

年 3年 4年 5年 6年 【図4】H児童クラブ学年別人数 (H31) 選択 -一定時間静かにしていれば,どの場所にいて もよL、。(学習したい子どもの迷惑にならな いように) 子どもの主体性 -限られた時間で,何が優先すべきか子どもた ちで判断させる。 イ 固 気持ちの受容 ・話をゆっくり聞いてやりたL、。 -小学校から帰ってきたらゆっくり一人一人話 を聞いてやりたL、。 イ 固 気持ちの受容 -さびしい思いはあるのだろうが,沢山の子ど もたちが L、るので,対処に悩む。 -支援員の背におんぶのようにもたれかかって いる姿は,ほほえましく思えた。 -その時の子ともの気持ちはどうなのか,考え ることが必要ではないか。 イ 国

(9)

研 修 会 で の 発言は,

I

ルール

J

I

平 等

J

I

安 全」と 「子どもの主体性

J

I

子どもの気持ちの受容

J

I

選択」 に分類され,前者は「集団

J

,後者は「個」を重視し ていると考えられる。 学校を「集団」とすると家庭は 「個」であり,その間にある児童クラブは,子どもに とって,どちらも併せ持った居場所となる。居場所は 「①大人によるもの(物理的条件の整備,心理的な安 心感を基盤とした受容的な大人の関わりを含む)②子 どもによるもの(子どもたちの意見表明や自己決定子 ども同士の承認や心地よい"対等平等な関係")によっ て創造されるが,この2つは常に両者の関係性の中で 行われるという意味において「子どもの自発性と大人 の指導性の統一」 によって成立される」九 また,

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居 場所を支援員等の受容的共感的な安心感を基盤とした 人間関係と,具体的な生活や遊びの経験を通した子ど もたち相互の人間関係によって構築される」九 児童ク ラブは 「保護者が昼間家庭にいないものに,適切な遊 び,及び,生活の場を与え健全な育成を図るJ9l。家庭 に代わる場と考えると,支援員の多くは「個人の気持 ちを受け止める」ことを大切にしたいと考える。しか し集団である以上,平等やルールも大切である。どち らにウエイトを置くかによって,子どもへの関わり方 の違いが表れ,支援員が揺れ動くところである。児童 クラブは,小学校とも家庭とも違う機能を持っている。 「集団」と「個」を併せ持った 「居場所」である。 3. 2019年度研修会 全体研修会

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ビデオ撮影 時間:午後 5 時 ~6 時 内容:子どものあそびと支援員の姿 場所:各児童クラブ

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研修の視点 ・子どもの主体性を育むための環境, 支援員のかかわ りを考える。 ①ビデオ視聴後,グループにて意見交換 ②エピソード検討 (1)2019年 度 研 修 会 : 内 容 2019年 10月 29日 (参加者37名・助言者1名) 意見交換 環境について ・机がほしい,外で遊ぶ広い場所が欲しいなどと考え ていたが,他の児童クラブの話を聞くとそれはそれ で大変だということが分かった。 ・皆それぞれの場所で工夫していることがよくわかっ た,参考にしたい0 ・高学年のスペースがそれぞれ工夫されて作られてい ~. ,~。 -それぞれが子どもたちのために知恵を出し合い,工 夫している0 ・小学校に児童クラブを移設することが始まったので, すでに小学校に移設している様子や話を聞くことが でき,とても参考になった。安全面に不安はある。 支援員と子どもとのかかわり -他の児童クラブの話で,子どもたちの自主性に任せ, 子ども達の話し合いの中で活動を進めていたことを 聞き,素晴らしいと思った。 -子どもの自主性を認め温かく見守るということを自 分に言い聞かせている。支援員が最大の環境である から0 ・まだ, 高い視線から子どもを見ている支援員もいる ので, 気をつけていきたL、。 ・高学年のかかわりについては見守りつつ,子どもが 必要としたらというような,近い位置にいたいと思 つ。 -見守る,寄り添う事のむずかしさを感じた。 研修を終えて ①学べたこと・今後生かしたいこと 安全安心 -子どもたちが安全に楽しく過ごせるように,少ない 支援員で効率よく見守りができるように他の児童ク ラブを参考にしたL、。 -子どもたちがもめないように声をかけ,楽しく怪我 のない環境づくりをしてL、く。 見守り ・監視にならないような見守りをしてL、く0 ・研修などの機会に一度立ち止まって考えていくこと が大切だと感じたO ・工夫はしているが人手が足りない。 子どもの自主性 ・スムーズにいくことだけがベストではない。対立す ることで,お互いの気持ちの違いに気づく良い機会 であると考える。 ・自主性が育っていないのは支援員に要因があるので,

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放課後児童クラブにおけるチーム支援の質の向上に関する研究 もう一度子どもたちと向き合い,話し合っていきた い。職員間でも同様に,話し合って毎日の支援を考 えていく。 チームとして -子ともに対しての言葉がけや,職員同士のコミュニ ケーションが大切だと思うので,支援員同士の話し 合いを多く持っていきたい。 ・支援員自身が環境と言う言葉が心に残った。 ・支援員にいろいろな考えがあることがあり,それぞ れが何を優先しているのか,どこに気を付けている のかなどを話し合い,いろいろな考え方を知ってい こうと思う。 ②課題 見守りとは . 1"見守る」ことの大切さはわかるが子ども理解の後 にどうしていくかが今後の私の課題である。 ・見守る→その子の個性をどう見るか。 ・見守りながら見極めることのむずかしさ。 ・見守るということにそれぞれの考え方があることが 分かった。職員で話し合い統一の考えを持つことが 大切だが難しいことだと思う。 -子どもたちの自主性を伸ばすために見守る。そのた めに支援員はとうしたらよいか。 -主体性に重きを置いて行動することのむずかしさ。 チームワーク ・支援員のチームワークは大切なことだと認識してい るが,支援員により目安の異なりがあるとどこの重 点を置くかが違ったりする。 ・支援員同士あまり話す機会がない(時間的に難しし、) ・子どもの居場所となることは必要だが,やることが 多すぎてこなしていかないと滞ってしまう。 るだけでよいのか,見守るということはどういう事な のか,主体性が育つのかなど多くの意見が出た。 この 2点を見ても,一つ目の見えることについては 非常に明確に意見が出てくるが, 二つ目の見えないも のについては,意見が出にくいことに加え,強 L、意見 になびきがちであることがグループ検討会の中で見て 取れた。これは,顔見知りであるとはいえ, 他の児童 クラブ職員との合同であるため, 自分の意見を言いに くいことからであろうと推測されるが,常に顔を合わ せる自分の児童クラブで,多様な支援員がいる中で自 分の思いを話すことができるかが大きな課題であると 感じた。 研修を終え振りかえりシートの自由記述に 「職員が しっかり話し合う

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支援員が環境

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支援員同士出来 事を共有

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職員同士のコミュニケーションの大切さ」 「いろいろな考え方を知っていこう」が挙がり,課題 として 「見守るということにそれぞれの考え方がある ことが分かった。職員で話し合い統一の意見にするこ とが理想だが難しい

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チームワークは大切なことだ と思うが,支援員により目安の異なりがある。どこに 重点をおくか」が挙げられた。それぞれの考え方の相 違を理解するため,共通認識を持つために話し合うこ とに必要性を感じている。しかしいろいろな考え方を 一つにすることは難しいと感じている。それに加え 「工夫はしているが人手が足りなLリ「少ない支援員で 効率よく

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支援員同士話す時間がなし、

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やることが 多すぎて,こなしていかないと滞ってしまう

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などの 職場環境としての問題点も多くある事が分かった。

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総合考察

(2)2019年度研修会.考察 以下,研究の目的に沿って考察する。 研修会のテーマである環境と支援員のかかわりにつ (1) ビデオ研修による PDCAの効果 いてだされた意見より,以下のように考察する。 初年度l回目の研修はl回目のビデオを見て研修を 一つ目の環境については,自分の施設に対しての要 行い,半年後,同じ時間帯をビデオ撮影し2回目の研 望や不満があったが,他の児童クラブの様子を見て, 修を行ったことは,まさにPDCAそのもので効果的 それぞれの場で工夫や知恵を出して頑張っている,自 であった。自分たちの姿を皆で目の当たりにすること 分たちも頑張らなくては,と前向きに考える発言が多 で,課題を見つけその課題解決のために話し合い, 6 くあった。また,近年中にすべての児童クラフーが小学 か月後のビデオ撮影時には課題とされていたことは, 校に移転することを受け,すでに小学校に移転してい おおむね解決されていた。3年間繰り返すことで,自 る児童クラブの姿を参考にしつつも,不安を訴える姿 分たちの姿がどのように見られているか,子ども達に も多くあった。 どのように写るのか,環境はどうなのかなど他のクラ 二つ目の子どもとの関わりについては 「子どもの自 ブの映像を見る機会もあり,ビデオ研修は効果的であっ 主性・主体性」について「子どもたちの話し合いに任 た。「ビデオ研修を継続すると,継続性の重 要性とし せる

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見 守る」の言葉が多く出てきた。任せること て,ビデオに収録され,研修会で公開されることの大 について肯定的にとらえる意見が多くあったが,任せ 変さが軽減され,それより多くのことを学べる楽しさ

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に変っていく

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lO)と述べている。このように,回を重 はなL、かと考える。 ねるごとにビデオ撮影への抵抗はなくなっていった。 3年間のビデオ研修を続ける中で,最初の頃は, 1自 (3)チーム支援としての考え方 分の児童クラブ,自分の姿を客観的に見る」から始ま 「児童クラブが個人で行う実践というよりも,常に り,

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年目の全員研修の中で 「丁寧に見る

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子ども チームで行う実践という性格から職場の同僚とのカン の姿や支援員の姿を分析しようとする

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力を発言や自 ファレンスを通して,子ども理解と分析を共有し共同 由記述シートで見ることができた。また,佐伯らの で実践を展開しながら専門性を高める 「同僚性Jの能 「何かしら放っておけない気つeきをやりすごさなL、。 力が必要である」同 と述べているように,支援員はチー 感覚的にひっかかったことを改めて見直し,本当の問 ムとして動いており,個々の思いとは別で,発言には 題が見えてきたりする

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と指摘しているようにそこ 揺れ動いている気持がよく表れている。「気持ちをう で述べられている 「感覚的にひっかかった」を深めて けとめたい

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不公平にならないように

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選ばせてい 言語化していくことが今後必要である。このような内 たら時聞がかかり,進んでいかない

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もめごとは図 面的なところについては,映像だけでは難しいところ る,必要なことはわかるけど

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ゆったりさせたい」 があり,その後の話し合い,つまり,映像の意味を言 「学習もしっかりやらせたい

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甘えさせたL、」など毎 葉にする作業が必要となる。同じ場面を見ながら,自 日悩みながら支援している。この揺れ動く中で,

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大 分はこのように考えるなど自分の気持ちを明らかにす きな声の支援員」 や「多数の人の考え方」でほぼ運営 ることで,お互いの気持ちが理解できる。同じ場面を されているといっても過言ではない。 共有できること,繰り返し見ることができることが利 研修会での発言は,

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Jレール

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平等

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安全」と 点といえる。

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子どもの主体性

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子どもの気持ちの受容

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選択」 に分類され,前者は「集団

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,後者は「個」を重視し (2)共通理解を阻むもの でいると考えられる。学校を 「集団」とすると家庭は 共通理解を阻む理由のーっとして,児童クラブは

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個」であり,その間にある児童クラブは,子どもに 保育土・小学校教諭・幼稚園教諭等様々な免許,資格 とって,どちらも併せ持った居場所となる。児童クラ を持った職員が支援員となって子どもたちを支援して ブを家庭に代わる場と考えると,

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個人の気持ちを受 いく。幼稚園であれば幼稚園免許,小学校であれば教 け止める」ことを大切にしたいと支援員の多くは考え 員免許と同じ免許をもった人たちで子どもと対応する。 る。しかし集団である以上,平等やルールも大切であ 児童クラブのように支援員のこれまでの経験のみでな る。どちらにウエイトを置くかによって,子どもへの く,これらの免許資格が異なることが,共通理解を困 関わり方の違いが表れ,支援員が揺れ動くところであ 難にしていることも考えられる。このことについては る。そこで共通理解が必要となり,話し合いが必要と 「放課後児童健全育成事業の設置及び運営に関する基 なるのである。このように多様なメンバーが集まった 準」の中で放課後児童クラブ職員の配置基準と資格を 児童クラブだからこそ,見えていることに対しては, 「従うべき基準」し,

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専門委員会で支援員の資格につ お互いに理解できるとすれば 「見えるようにする」こ いて,有資格者であって知事が行う研修を修了した者 とが必要で,見えていないものを言葉に起こして伝え とした」問。 その研修受講を要件とした理由として あい,話し合うことがチームとして成り立っていくー 「子ども観や援助観が異なる多様な基礎資格を有する 番大切なことである。 者が,放課後児童支援員としての共通認識を持ってチ- A児童クラブは, 1回目のビデオ研修会の後, ど ム運営をしていくため」ωと述べられている。このよ のようにしたら共通理解を図ることができるかについ うに,共通認識を持つための施策は掲げられているが, て皆で考え

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時の会」を行うことにした。もちろん 実際の現場では,共通理解を図るために必要な 「話し それまでも事前にその日の打ち合わせを行ってはし、た 合う場」を持つことが困難で,全員研修会であげられ が,皆で理解し合うことを丁寧にするために

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時の た,

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人手が足りなLリ 「少ない支援員で効率よく

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と名前を付けたという。この時間に子どもの状況 「支援員同士話す時聞がなしづ 「やることが多すぎて, や,その日に行うこと,そして疑問に思うことなど, こなしてL、かないと滞ってしまう

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などの職場環境と 話し合うことを始めたという。話しでもなかなか共通 しての問題点も多くある事が分かった。加えて支援員 理解は進まないことも多いと聞くが,話あう機会を持 と補助員という立場の違いも,共通理解を阻むもので つことが一番大切なことであることを,支援員は理解

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放課後児童クラブにおけるチーム支援の質の向上に関する研究 している。 3年間のビデオ研修会を通して,何度となく児童ク ラブを訪問し,子どもの姿に一喜一憂する支援員等の 姿は暖かく,子どものためにという気持ちは変わらな い。ただ一方で.

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時代についていくことができない 個人が根性論や感情論を子どもに押し付ける。また, 闇雲に大人にとって「良L、」を押し付ける」問。 とい うことが全くないわけではなL、。その気持ちをどのよ うな言動で示していくかはそれぞれ違うかもしれない。 しかし 「これでよかったのだろうか」と振り返り考え ること,その振り返りをチームとして行うことは資質 向上のために必要である。「子どもは未だ確固とした 自己を確立していないため,周囲の評価や態度,とり わけ重要な他者の評価や態度がそのまま自己評価に反 映し自己イメージとなるJ16)と述べているように,自 分たちは子どもたちの一番の環境であることを理解し, そのためにビデオ研修会を継続して行うことはとても 有意義である。

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おわりに

3年間,児童クラブの活動ビデオを撮り,話を聞く 中で,多様な人材で構成される児童クラブ支援員が子 どもたちと一緒に過ごしながら,どのようにしたら子 どもたちが児童クラブの中でより良く過ごすことがで きるか,工夫し,皆で知恵を絞っている姿を見てきた。 環境も決して十分ではない中で,工夫には驚かされる ことも多くあり,皆子どもたちのためにと頑張ってい る。今,放課後児童クラブ運営指針が策定され,子ど も主体の 「子どもの権利を保障する」場として,今ま で以上に子どもが意見表明する機会を保障する内容に していくことが求められている。「支援員の求められ る資質として意図的なかかわりが,子どもの自主性・ 主体性に関係しているJl1)0

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見守る」はどういうこと かと研修後の課題に多く挙がっていたように,ただ見 ているだけでは「見守る

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ことにはならなし、。"意図 的なかかわり"を行うためには様々な知識,そして, チームとしての協同が不可欠である。そのための 「話 し合う時聞がなし、」というのが支援員の正直な声であ る。資質向上,協同と支援員に一方的に求めるのでは なく,これからも必要とされている児童クラブとして, 支援員の質の向上のためにも支援員等の待遇の改善と, 環境の整備を望む。 引用文献 1) 6) 9) 12)厚生労働省放課後児童クラブ解説書 (2017) 2) 14)船越勝 (2018)I学童保育指導員の成長と慣 習体制の構築」和歌山大学クロスカル教育機構生涯 学習部門年報16(25) 3) 10)名須川・藤井・池田・法回・合田 (2003) 「保育者の資質向上に関する研究(1I)

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日本保育学 会大会発表論文集 (715) 4)ドナルド・ショーン 佐藤学・秋田喜代美 訳 (2007)

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専門家の知恵」ゆみる出版 (76-128) 5) 11)佐伯俳・刑部育子・苅宿俊文 (2019)ビデオ によるリフレクション入門 東京大学出版会 (51 55) 7 )神 谷栄司 (2001)

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子どもの遊びについて考える」 学童保育指導専門性研究会編「学童保育研究2Jか もがわ出版 (30-41) 8 )代田盛一郎 (2019)

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居場所づくりと学童保育」 学童保育研究20 (86) 13)柏女霊峰 (2019)

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放課後児童支援員の専門性と 認定資格をめぐって」学童保育研究20(8.9) 15)玉木博章 (2019)

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学童保育指導員研修における 講師活動の報告 (2)J瀬木学園紀要14(65-66) 16)住田正樹 (2004)

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子どもの居場所と臨床教育社 会学」教育社会研究第74集 (102) 17)代田盛一郎 (2015)

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学童保育における遊びとそ の意図的かかわりに関する考察」大阪健康福祉大学 紀要14号 (3-11) (本稿は, 日本社会福学会第66回秋季大会,第67回 秋季大会におけるポスタ一発表を加筆修正したもので ある)

参照

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