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アクロレイン/Acrolein(107-02-8)

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Academic year: 2021

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急性曝露ガイドライン濃度 (AEGL)

Acrolein (107-02-8) アクロレイン Table AEGL 設定値 Acrolein 107-02-8 (Final) ppm

10 min 30 min 60 min 4 hr 8 hr

AEGL 1 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 AEGL 2 0.44 0.18 0.1 0.1 0.1 AEGL 3 6.2 2.5 1.4 0.48 0.27 設定根拠(要約): アクロレインは、常温、大気圧下において無色~帯黄色の液体である。鼻にツンとくる刺 激臭があり、粘膜、特に上気道と眼に対して強い刺激性がある。臭気閾値は0.1 ppm未満で ある(Beauchamp et al. 1985)。アクロレインは、プロピレンの空気酸化によって製造され、 アクリル酸製造の中間体として使用される。また、除草剤、殺藻剤、殺真菌剤、皮なめし におけるコラーゲンの架橋結合、組織標本の固定液として使用されたり、香料の製造でも 使用される。アクロレインは、軍用毒ガスの成分として使用されたこともある。ヒトでは、 アクロレインへの最大の曝露源は、有機物質の不完全燃焼(都市火災、森林火災など)、 タバコの煙、脂肪含有食品の燃焼である(Beauchamp et al. 1985)。 AEGL-1値は、ヒトを対象としたWeber-Tschoppら(1977)の試験に基づいた。この試験では、 0.09 ppmのアクロレインに曝露した被験者において、非常に軽微な眼刺激と「癪気」や不快 感が起きている。種内不確実係数3を適用した。軽微な眼接触刺激は、個人差がそれほど大 きくないと予想されるため、種内不確実係数は3で十分であると考えられる。軽微な刺激は、 一般的に閾値をもつ影響であり、曝露時間が長くなっても大幅に増強されることはないと 予想されるため、AEGL-1値は、10分間、30分間、1時間、4時間、8時間の各曝露期間で同 じ値とした。 AEGL-2値は、Weber-Tschoppら(1977)の試験に基づいた。この試験では、健康な被験者を アクロレインに0.3 ppmの濃度で1時間曝露したところ、呼吸数の10~15%の減少が認められ ている。米国材料試験境界(ASTM)(1991)によれば、呼吸数の12%~20%の減少は軽微 な刺激に相当し、呼吸数の20%~50%の減少は中等度の刺激に相当する。このことから、出 発点は、中等度の刺激に関する無毒性濃度(NOAEL)とした。種内不確実係数3を適用した。

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2 験群内に明らかな変動の証拠がみられないこと、(3) 曝露濃度が2倍になっても呼吸数の減 少がわずかであること、によっても支持されている。また、デフォルトの不確実係数10を 適用して得られるAEGL-2値は、ヒト対照試験で軽微な刺激しかみられなかった濃度範囲の 値になってしまう。Cn

× t = k(ten Berge et al. 1986)の式を使用し、n = 1.2として、出発点 の値を10分間と30分間の曝露期間に外挿した(指数nの値は、アクロレインに1~4時間曝露 したラットの致死データから求めた)。刺激は、一般的に閾値をもつ影響であり、曝露期 間が長くなっても大幅に増強されることはないと予想されるため、1時間AEGL-2値の0.3 ppmを、4時間と8時間のAEGL-2値にも採用した。 10分間、30分間、1時間の各AEGL-3値は、1時間の曝露でラットが死亡しなかった最高濃度 (14 ppm)に基づき、4時間と8時間の各AEGL-3値は、4時間の曝露でラットが死亡しなか った最高濃度(4.8 ppm)に基づいた(Ballantyne et al. 1989)。種内不確実係数と種間不確 実係数に、それぞれ3を適用した(総不確実係数は10)。刺激作用が種内および種間でそれ ほど大きく異ならないと予想されるため、適用する不確実係数は3で十分であると考えられ る。また、種内と種間のどちらかの不確実係数に10を適用する(総不確実係数は30)と、 得られる値は、総データベースに合致しない。例えば、アクロレインの各AEGL-3値は2.1 ~0.09 ppmになるが、アクロレインに0.09~0.6 ppmの濃度で最大40分間曝露したヒトでは、 眼・鼻・咽頭への刺激と呼吸数減少がみられているのみである(Weber-Tschopp, et al. 1977)。 上述の範囲の濃度のアクロレインに10分間~8時間曝露したヒトには、AEGL-3で定義され た影響が現れるものと予想される。Cn

× t = k(ten Berge et al. 1986)の式を使用し、n = 1.2 として、値を外挿した(指数nの値は、アクロレインに1~4時間曝露したラットの致死デー タから求めた)。

Table に、導出した AEGL 値を一覧にして示す。

---

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国際化学物質安全性カード

アクロレイン

ICSC番号:0090

アクロレイン

ACROLEIN

2-Propenal

Acrylic aldehyde

2-Propen-1-al

CH

2

=CHCHO

分子量:56.06

CAS登録番号:107-02-8

RTECS番号:AS1050000

ICSC番号:0090

国連番号:1092

EC番号:605-008-00-3

災害/

暴露のタイプ

一次災害/

急性症状

予防

応急処置/

消火薬剤

火災

引火性が高い。 裸火禁止、火花禁止、禁煙。「化学的危険性」参照。 水溶性液体用泡消火薬剤、粉末消火薬剤、二酸化炭素。

爆発

蒸気/空気の混合気体は爆発 性である。アルカリ、酸、強力な 酸化剤と混合すると、火災や爆 発の危険性がある。 密閉系、換気、防爆型電気お よび照明設備。防爆用工具を 使用する。 火災時:水を噴霧して容器類を 冷却する。安全な場所から消 火作業を行う。

身体への暴露

作業環境管理を厳密に! いずれの場合も医師に相談! 吸入 灼熱感、咳、息苦しさ、息切 れ、咽頭痛、吐き気。 症状は遅れて現われることが ある(「注」参照)。 換気、局所排気、または呼吸 用保護具。 新鮮な空気、安静。半座位。医 療機関に連絡する。 皮膚 発赤、痛み、水疱、皮膚熱傷。 保護手袋、保護衣。 汚染された衣服を脱がせる。多 量の水かシャワーで皮膚を洗 い流す。医療機関に連絡する。 眼 発赤、痛み、重度の熱傷。 顔面シールド、または呼吸用保 護具と眼用保護具の併用。 数分間多量の水で洗い流し(で きればコンタクトレンズをはずし て)、医師に連れて行く。 経口摂取 喉と胸部の灼熱感、痙攣、吐き 気。 作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。 口をすすぐ。吐かせない。 医 療機関に連絡する。

漏洩物処理

貯蔵

包装・表示

・危険区域から立ち退く! ・すべての発火源を取り除く。 ・専門家に相談する! ・漏れた液をふた付き容器に集める。 ・残留液を砂または不活性吸収剤に 吸収させて安全な場所に移す。 ・この物質を環境中に放出してはなら ない。 ・自給式呼吸器付化学保護衣。 ・耐火設備(条件)。 ・強力な酸化剤、強塩基、強酸、食品 や飼料から離しておく。 ・涼しい場所。 ・床面に沿って換気。 ・安定化した状態でのみ貯蔵。 ・破損しない包装。破損しやすい包装 のものは密閉式の破損しない容器に 入れる。 ・食品や飼料と一緒に輸送してはな らない。 ・海洋汚染物質。 ・EU分類 記号 : F, T+, N R : 11-24/25-26-34-50 S : 23-26-28-36/37/39-45-61 Note : D

・国連危険物分類(UN Haz Class): 6.1

・国連の副次的危険性による分類 (UN Subsidiary Risks):3

1/3 ページ

国際化学物質安全性カード(WHO/IPCS/ILO)

2012/01/06

http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0090c.html

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・国連包装等級(UN Pack Group):I

重要データは次ページ参照

ICSC番号:0090

Prepared in the context of cooperation between the International Programme on Chemical Safety & the Commission of the European Communities © IPCS CEC 1993

国際化学物質安全性カード

アクロレイン

ICSC番号:0090

重 要 デ | タ 物理的状態; 外観: 刺激臭のある、黄~無色の液体。 物理的危険性: この物質の蒸気は空気より重く、地面あるい は床に沿って移動することがある;遠距離引火 の可能性がある。 化学的危険性: 爆発性過酸化物を生成することがある。重合 することがあり、火災、爆発の危険を伴う。加 熱すると、有毒なフュームを生じる。強酸、強 塩基、強力な酸化剤と反応し、火災や爆発の 危険をもたらす。 許容濃度: TLV:0.1 ppm (天井値);(皮膚);A4(人における 発がん性が分類できていない物質) (ACGIH 2004) MAK:発がん性カテゴリー:3B (DFG 2004) (訳注:詳細は DFG の List of MAK and BAT values を参照) 暴露の経路: 体内への吸収経路:蒸気の吸入、経皮、経口 摂取。 吸入の危険性: 20℃で気化すると、空気が汚染されてきわめ て急速に有害濃度に達することがある。 短期暴露の影響: 催涙性。眼、皮膚、気道を重度に刺激する。高 濃度を吸入すると、肺水腫を引き起こすことが ある(「注」参照)。 これらの影響は遅れて現われることがある。医 学的な経過観察が必要である。 長期または反復暴露の影響: 物理的性質 ・沸点:53℃ ・融点:-88℃ ・比重(水=1):0.8 ・水への溶解度:20 g/100 ml(20℃) ・蒸気圧:29 kPa(20℃) ・相対蒸気密度(空気=1):1.9 ・20℃での蒸気/空気混合気体の相対密度(空 気=1):1.2 ・引火点:-26℃(C.C.) ・発火温度:234℃ ・爆発限界:2.8~31 vol%(空気中) ・log Pow (オクタノール/水分配係数):0.9 環境に関する データ ・水生生物に対して毒性が非常に強い。 注 ・肺水腫の症状は 2~3 時間経過するまで現われない場合が多く、安静を保たないと悪化する。したがって、安静 と経過観察が不可欠である。

(5)

・ ICSCホームページへもどる 国立医薬品食品衛生研究所 ・医師または医師が認定した者による適切な吸入療法の迅速な施行を検討する。 ・添加された安定剤や抑制剤がこの物質の毒性に影響を与える可能性があるので、専門家に相談する。 ・許容濃度を超えても、臭気として十分に感じないので注意すること。 ・蒸留前に過酸化物をチェックする。検出された場合は除去する。

Transport Emergency Card(輸送時応急処理カード):TEC(R)-61S1092 NFPA(米国防火協会)コード:H(健康危険性)3;F(燃焼危険性)3;R(反応危険性)3 付加情報

ICSC番号:0090

更新日:2001.03

アクロレイン

© IPCS, CEC, 1993

3/3 ページ

国際化学物質安全性カード(WHO/IPCS/ILO)

2012/01/06

http://www.nihs.go.jp/ICSC/icssj-c/icss0090c.html

参照

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