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都市水辺における水難事故の要因分析 Factor Analysis on Water Accident in City Waterside

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Academic year: 2021

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都市水辺における水難事故の要因分析

―安全センサネットワークシステム構築を目指した― Factor Analysis on Water Accident in City Waterside

EC19 中野 賢 指導教員 吉田将司 1.はじめに 都市部の水辺環境は、多くの子供に自然体験 の場として活用されている。しかし子供が水辺との 関わりを積極的に持つと水難事故の危険性も増大 する。 このような背景から、都市においても子供が積極 的に親しめる水辺環境整備と、安全性を両立させ る研究が従来から行われてきた[1][2][3][4]。 過去の研究においては「なぜ事故が起きたの か」という体育学の見地からの事例研究、「どのよう に防ぐか」という社会学もしくは土木工学的な環境 設備の視点が多い。そこで本研究では「事故をで きるだけ未然に防ぐこと、または発見すること」を目 的とし、安全センサネットワークシステムの構築を目 指し、そのために子供の水難事故に関する調査を 行った。 2.水難事故の分析 2.1 水難事故対策・分析に関する論文調査 過去の水難事故対策もしくは水難事故の事 故分析の論文を CiNii の論文検索で「水難事 故」「海難事故」「水難対策」などのキーワードで 過去 10 年間の論文を 30 程度調査した。その結 果、事故が発生した原因を分析している論文と 事故対策についての論文が多く、事故の早期発 見や未然に防ぐための論文などは少ないことが わかった。 2.2 実際に発生した水難事故について調査 過去の水難事故を事故発生時の状況別で分 析した結果、事故の多くは海と河川で起きている ことと、水泳中と釣り・魚取りをしている時に事故 が多く起きていることがわかる[5]。 しかし、この統計には身近に起きる軽いケガな どは含まれていない。そこでアンケート調査を行 い実際に起きているケガや事故についての実態 を調査した。 2.3 アンケート調査 上記で述べたことから水難事故の発生要因を 「行動」・「施設.設備」・「環境」の三つをキーワ ードにし、アンケート項目を決める。 アンケートの発送先を都市部にある小学校と郊 外にある小学校の高学年(5年生)と低学年(2年 生)の児童を対象とした。アンケート内容は、利用 する環境・頻度・内容・時間帯・過去に体験したケ ガ・事故などの全6項目にまとめて作成した。 回収したアンケートの項目ごとに都市部にある 小学校と郊外にある小学校の児童・高学年と低学 年のそれぞれを比較した。 その結果、都市部の小学生はプールや親水公 園を多く利用しているのに対して、郊外の小学生 は海水浴場や河川を多く利用していることがわか った。低学年と高学年で比べた場合では、水辺で の行動が高学年の児童は、大半が水泳・水遊び・ 釣りなど目的が明確化している。それに対し、低 学年は水泳と水遊びも多いがその他の行動も多 くみられた。 3.まとめ 水難事故に関する調査を行った結果、水難事故 の発生要因として環境・行動・設備の三つがポイン トとして上げられ、子供の水辺環境の利用状況は、 環境・年齢で異なることがわかった。 4.今後の発展 今後、小学校に対するアンケート調査は継続する 一方で、またその小学校の児童の保護者や水辺 環境の管理者などにもアンケート調査を行い、視 点を変えて水難事故の要因分析をする。そして双 方の調査・分析結果を基に安全センサネットワーク システムの構築と提案に生かす。 文 献 [1]水辺にみられる子供の活動特性に関する研究,田中,畔 柳,日本建築学会学術講演梗概集,2000, [2]海水浴場の環境設備に関する研究―その2 人間の行 動範囲と行動内容の多様さの把握―,中村,畔柳,近藤, 日本建築学会学術講演会梗概集,1990, [3]こどものための水遊び空間と事故防止対策のあり方に 関する提案―都市の自然的な空間に関する研究(2)-, 都 市 計 画 学 術 講 演 会 梗 概 集 計 画 系 5 9 ( 計 画 系),2085~2086,社会法人日本建築学会,1984, [4]相良海水浴場における安全管理システム,堀口,松本,中 見,東海大学紀要 海洋学部一般教養 26,25~39,東 海大学海洋学部編,2000, [5]平成21年夏季における水難・山岳遭難発生状況につい て,警察庁生活安全局地域課統計資料,2009, この研究は科学研究費補助金、若手研究(B)、課題番号 21700725 の一部を利用して行われた。

参照

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