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緑化樹木の病害虫防除

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Academic year: 2021

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植 物 防 疫  第69 巻 第 10 号 (2015 年) ― 70 ― 1 住宅地などの農薬散布に対して,住民などが不安を訴 えたり,苦情やトラブルになることが見られる。なかで も緑化樹木への農薬散布は厳しい状況が継続している。 農耕地とともに当分野での農薬の適正使用推進活動をし てきた体験を踏まえ,緑化樹木の病害虫防除について 現状や課題と私の望むことを述べてみる。 関係法令および通知等 農薬取締法の改正(平成15 年 3 月施行)により,農 薬使用基準の遵守が義務付けられ,農薬の使用が厳格に なったことはご承知の通りである。住宅地などでの農薬 使用については,省令「農薬を使用する者が遵守すべき 基準を定める農林水産省・環境省 令第五号」および通 知「住宅地等における農薬使用について」(農林水産省・ 環境省両局長(平成25 年 4 月 26 日付)発出)に基づく 指導がされる。実践場面では環境省の示す「公園・街路 樹等病害虫・雑草管理マニュアル」が活用されている。 現状と課題 ●防除の基本は 早期発見・早期防除 であるが,発 生初期を見逃すことが多く,被害が拡大して薬剤使 用量が増え,背丈の高い樹木では農薬飛散問題につ ながりやすい。日常の巡回見回りと即対処できる 小回り が可能なことが求められる。 ●IPM(総合防除)実践例では,樹木が混みあう部 位の整枝・剪定,病害虫の早期発見とともに発生部 位切除などの 物理的防除 で一定の成果を得ている。 ●緑化樹木の 病害虫発生予察情報 とか 要防除水準 の設定 は見られない。公園,街路樹,学校,保育 所,病院等での防除は,病害虫の発生程度に基づく 防除要否の判断方法,住民の安全を確保する諸条件 を検討する時点から,住民代表者を加えて協議して いる事例がある。地域住民との 良い関係 を構築 して欲しい。 ●農薬の飛散防止措置が特に必要な上記施設の防除で は,事前に住民への お知らせ 立て看板 で告知。 散布時は 見張り役 など保安専任者をおく。モノ に触れ口にする幼児の行動を配慮し,公園などでは 散布区に 囲い をするなど。これら実施内容は「公 園・街路樹病害虫・雑草管理マニュアル」に詳しく 解説されている。実施事項 チェックリスト を作 成し確認するようにしたい。 ●農薬の適正使用を確実なものとするため,公共施 設・道路等での防除委託業者の入札資格要件に,当 該業務の実施責任者は「緑の安全管理士」「農薬管 理指導士」等の資格を有すること。植栽管理の委託 契約は,委託先責任者は,地方公共団体の開催する 防除講習会を受講した者であること。防除委託仕様 書には,農薬の適正使用,防除の記帳と保管等を業 務内容に入れることを規定している。 ●農薬散布に対する住民などからの 相談窓口 が地 方自治体の農林・環境部局・公共施設に設置され た。こうした リスクコミュニケーション活動 の 成果に注目したい。 農薬散布に限らず,住民等への挨拶や対応で マ ナーの欠如 が苦情になると聞く,作業者は心して 貰いたい。 改めて農薬の安全性・適正使用 住宅地などの農薬使用について防除関係者などからは 以下の要望や質問が出る。 ①農薬の必要性と安全性を一般市民に知らせ,理解を 得るよう努めて欲しい。②農薬は一般市民が怖がるほど 危険なものか,散布作業者の安全はどうなのか?と。 農薬を適正に使用する限り心配はない。農薬への不 安・不信は,適正使用の継続なくして解消されない。今 農薬の適正使用が強く求められている住宅地等での防除 である。 *緑化樹木とは,住宅地などの緑地に植栽される樹木(庭木, 植木,生垣,街路樹,都市の公園樹,庭園樹等)を一括して指す。

コラム

予察灯

(公社)緑の安全推進協会 前農薬相談室長

緑化樹木の病害虫防除

千野 義彦

(ちの よしひこ) 緑化樹林への農薬散布作業

参照

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