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Endogenous adenosine may be related to left ventricular dysfunction, dilatation, and wall thinning in patients with heart disease

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Academic year: 2021

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Title

Endogenous adenosine may be related to left ventricular

dysfunction, dilatation, and wall thinning in patients with heart

disease( 内容と審査の要旨(Summary) )

Author(s)

木野村, 祐二朗

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学) 甲第1072号

Issue Date

2018-03-25

Type

博士論文

Version

ETD

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/75211

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与要件 学位論文題目 審 査 委 員 木野村 祐二朗(岐阜県) 博 士(医学) 甲第 1072 号 平成 30 年 3 月 25 日 学位規則第4条第1項該当

Endogenous adenosine may be related to left ventricular dysfunction, dilatation, and wall thinning in patients with heart disease (主査)教授 中島 茂 (副査)教授 永井 宏樹 教授 土井 潔 論 文 内 容 の 要 旨 アデノシンは虚血再灌流障害に対する心臓の保護効果の内因性誘発因子である。しかしながら,心疾 患患者におけるその役割は明確となっていない。本研究では, 心疾患患者のアデノシン血漿濃度と左 心室機能及び左室リモデリングの間の関連性を調査する目的で,初めて親水性相互作用クロマトグラ フィー(HILIC)カラムを用いた高感度液体クロマトグラフィータンデム質量分析法 (ESI-MS/MS method)を用いて血中アデノシン濃度を測定し,解析を行った。 【対象と方法】対象患者を前向きに登録する前に,研究内容,意義と危険性及び個人情報の保護に配 慮することなど十分にインフォームドコンセントを行い,文書で同意署名を得た。外来通院及び入院 中を含めた 97 名の心疾患患者(冠動脈疾患:狭心症及び陳旧性心筋梗塞 74 名,弁膜症 14 名,心筋 症:拡張型心筋症 7 名,肥大型心筋症 2 名を含む)及びコントロール群として外来患者で精密検査に て疾病を有さず,心臓超音波検査で正常所見であった 11 名を対象に行った。 この研究においては,血 漿アデノシン濃度を上昇させる可能性のあるジピリダモールやジラゼプを内服する患者は含まれて いない。採血は肘前静脈より行い,EDTA を含む試験管へ加え,15 分間 1,000×g で遠心分離した。その 後,血漿は測定までの間-83℃で冷凍保存した。心疾患患者間で BNP 値や NYHA 分類,年齢や性別,基礎 疾患の有無,左室機能やリモデリングの程度でアデノシン血漿濃度に有意差が出るかを確認した。 <アデノシン血漿濃度測定>アデノシン測定を目的とした採血においては,従来アデノシンの分解を 防ぐために EDTA に加え,ジピリダモールと 2’-デオキシコホルマイシンを加えた試験管が用いられ ていた。今回事前に同じ血液サンプルにおいて,EDTA(500 mM)20 μl のみの試験管を用いて測定し たアデノシン濃度(A)と EDTA(500 mM)20 μl に加えジピリダモール(0.02%)500 μl, 2’-デオキ シコホルマイシン(0.1 ng/nl)100 μl を含んだ試験管を用いて測定したアデノシン濃度(B)を回帰 分析した。その結果,相関係数 r=0.773 と高い相関が認められたため,EDTA のみの試験管で採取した。 また多くの他の研究がアデノシン血漿濃度測定を放射免疫測定(Radioimmunoassay)で行われたのに 対し,本研究では蛋白除去や限外濾過を含む処置をした後に 親水性相互作用クロマトグラフィー (HILIC)カラムを用いた高感度液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(ESI-MS/MS method)を 用いて測定した。 <心機能,リモデリング評価>左心室収縮能・拡張能の指標である E/e’・左室拡張末期径・左室後壁 厚・心室中隔壁厚は心臓超音波検査(PHILIPS 社の iE33 を使用)にて測定した。測定においては研究 主旨を知らない 2 人の循環器内科医が行った。 【結果】アデノシン血漿濃度値はコントロール群,冠動脈疾患群,弁膜症群,心筋症群間で有意差は認 めなかった。NYHA 分類や BNP の値にも相関しなかった。また,年齢や性別,高血圧・糖尿病・脂質異常

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症の有無にも有意差は認められなかった。左室機能評価においても左室駆出率が低下するほどアデノ シン血漿濃度が高値となる傾向は認められたが,相関は示されなかった(p=0.249)。しかし,駆出率を 47%未満(n=11)と 47%以上(n=86)で比較すると,アデノシン血漿濃度は 47%未満で有意に高値を示し た(p=0.027)。拡張障害の指標となる E/e’では有意な相関は得られなかった(p=0.482)。正常上限で ある E/e’=8 を基準として 8 未満(n=15),8 以上(n=76)で比較したが,両群に有意差は認めなかった (p=0.512)。リモデリング評価においても左室拡張末期径が大きいほどアデノシン血漿濃度は高くな る傾向は認められたが,相関は示されなかった(p=0.270)。しかし,左室拡張末期径 50 mm 未満(n=50) と 50 mm 以上(n=47)で比較すると,50 mm 以上で有意に高値示した(p=0.030)。また心室中隔壁厚及び 左室後壁厚が薄くなるほど,アデノシン血漿濃度は高くなった(心室中隔壁厚 p=0.0033,左室後壁厚 p=0.0007)。心室中隔壁厚を 8 mm 未満(n=14)と 8 mm 以上(n=83)で比較した場合も 8 mm 未満で有意 に高かった(p=0.015)。左室後壁厚でも 8 mm 未満(n=16)と 8 mm 以上(n=81)で比較した場合には 8 mm 未満で有意に高かった(p=0.020)。 【考察】アデノシンが心保護作用を示すことは広く受け入れられており,心筋虚血でアデノシン遊離 が促進されることも報告されている。アデノシン血漿濃度が慢性心不全の重症度に相関して血漿濃度 が上昇するとされている報告もあれば,否定的な報告もある。本研究ではアデノシン血漿濃度は慢性 心不全の重症度とは相関しない結果となった。また,臨床にて心不全の診断や重症度判定に使用され る BNP とも相関せず,アデノシンは心不全の診断や重症度のマーカーには不適である可能性が示唆さ れた。一方,左室機能に関しては左心室収縮能の低下した群で有意な高値が認められ,アデノシンは収 縮能低下の指標であると考えられた。また左室拡張末期径拡大例,左室心筋菲薄化例において有意な 高値が認められた点から左室拡張や心筋菲薄化の指標ともなり得ると考えられた。アデノシンの心機 能改善への効果に関しては,既に動物実験においてアデノシン A₁受容体作動薬が進行した心不全の左 室機能やリモデリングを改善した報告や,A2A 受容体作動薬が心筋梗塞後の心筋菲薄化を予防した報 告があるのに加え,ヒトを対象に治療としてジピリダモールによりアデノシン血漿濃度を上昇させる ことで,左室機能やリモデリングを改善し慢性心不全の重症度を低下させた報告もある。今回の研究 は左室収縮能低下例, 左室拡張末期径拡大例,左室心筋菲薄化例でアデノシンが高値となり,その改 善に寄与している可能性が示された。 【結論】内因性アデノシンが心疾患患者における左室機能不全,左室内腔拡大,左室壁菲薄化を軽減 する方向で関与している可能性がある。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 申請者 木野村祐二朗は,心保護作用を示すアデノシンが,心疾患患者の中でも特に左室収縮能低 下例, 左室拡張末期径拡大例,左室心筋菲薄化例において有意に高値を示すことを高感度分析法を用 いて初めて明らかにした。本研究の成果は,循環器病学の発展に少なからず寄与するものと認める。 [主論文公表誌]

Yujiro Kinomura, Toshiki Tanaka, Takuma Aoyama, Masanori Hatasa, Shingo Minatoguchi, Masamitsu Iwasa, Yoshihisa Yamada, Takahide Nawa, Hiromitsu Kanamori, Masanori Kawasaki, Yukihiro Esaka, Bunji Uno, Kazuhiko Nishigaki, Shinya Minatoguchi

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参照

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