Replication and contradiction of highly cited research papers in psychiatry: 10-year follow-up

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Title Replication and contradiction of highly cited research papersin psychiatry: 10-year follow-up( Abstract_要旨 )

Author(s) Tajika, Aran

Citation 京都大学

Issue Date 2016-03-23

URL https://doi.org/10.14989/doctor.k19584

Right 許諾条件により本文は2016-10-02に公開

Type Thesis or Dissertation

Textversion ETD

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京都大学 博士(医学) 氏 名 田 近 亜 蘭 論文題目

Replication and contradiction of highly cited research papers in psychiatry: 10-year follow-up

(精神医学領域における高被引用論文の結果の再現性:10 年間の追跡研究) (論文内容の要旨) 【背景】臨床家が論文を検索する際、各医学雑誌のインパクトファクター(IF) と各論文の被引用回数を参考にすることが多い。しかし、一般医学分野におい て、IF の高い雑誌に載って多数回引用された臨床研究であっても、その後に行 われたより良いデザインの研究と比較すると、結果が再現されたのは44%しか なかったという先行研究がある。精神医学領域においては、尺度得点などのソ フトアウトカムが用いられることが多く、その結果がさらに不安定であると推 測されるが、このことを検証した研究はない。 【方法】2000 年時点での IF の高いものから順に、一般医学雑誌3誌と精神医 学雑誌5誌を選択した。2000〜2002 年の 3 年間にこれらに掲載された論文の うち、何らかの精神科の治療を推奨しており、出版の翌年以降の 3 年間に 30 回以上引用されたものを「元論文」と定義した。次に、元論文と同じ臨床疑問 に関する論文で、元論文以降に出版され、以下の 2 つの条件(①より強い研究 デザインを用いている、②同じ研究デザインであるならば、よりサンプル数が 多い)を満たすものを検索し、最適な論文を「新規論文」と定義した。元論文 と新規論文それぞれの効果の大きさを Standardised Mean Difference(SMD) を用いて比較し、「効果確認」「弱い効果」「効果なし」に分類した。条件を 満たす新規論文がなかった場合は「新規論文なし」とした。新規論文が見つか ったもののうち、効果が確認されたものの割合を主要アウトカムとし、それに 関係する要因を副次アウトカムとして検討した。 【結果】元論文は83 本見つかり、これらの研究デザインはランダム化比較試験 (RCT)が 74 本、観察研究が 7 本、ケースシリーズが 2 本であった。それぞ れに対応する新規論文を検索したところ「新規論文なし」が 40 本、新規論文が 見つかったものが 43 本あった。この 43 比較のうち「効果確認」が 16 本、「弱 い効果」が11 本、「効果なし」が 16 本であり、効果が確認されたものの割合 は37%であり、先行研究よりもさらに低かった。元論文の SMD は 0.72±0.39、 新規論文は 0.31±0.32 であり、元論文の方が効果を 132%過大評価していた。 雑誌の種類、研究デザイン、診断名、治療方法についてのサブグループを検討 したが、これらには有意差はなかった。元論文が RCT であるものの中で新規論 文が見つかった 37 本について、サンプルサイズとの関係を調べたところ、「効 果なし」群はサンプルサイズの中央値が36、「弱い効果」群は 112、「効果確 認」群は 161 と線形性が認められた。ROC 解析を行ったところ、100 前後にカ ットオフ値が示唆され、サンプルサイズ 100 以下の RCT の結果はより不安定 であった。 【考察】精神医学分野のアウトカムは何らかの尺度得点を用いることがほとん どであり、死亡などのハードアウトカムは稀である。そのことが結果の不安定 性につながったと考えられた。また、サンプルサイズは結果の安定性に非常に 重要な要素であり、有効性の検証された元論文ほどサンプルサイズが大きい傾 向があった。先行研究で一般的な治療のメタアナリシスの SMD は 0.4 前後で あることが多いという報告があるが、それと比較して元論文の SMD は大きく、 新規論文はほぼ同程度だった。小さいサンプルサイズで大きな効果を報告して いる研究の結果は、後に覆る可能性が高いため、臨床家は注意しなければなら ない。また、研究者はサンプルサイズを大きくする工夫に加え、信頼性・妥当 性の保たれた尺度を用いる必要がある。 (論文審査の結果の要旨) 【背景】インパクトファクター(IF)の高い雑誌に載って多数回引用された臨 床研究であっても、その後に行われたより良いデザインの研究と比較すると、 結果が再現されたものは 44%しかなかったという先行研究がある。精神医学領 域において、このことを検証した研究はない。 【方法】2000 年時点の高 IF 雑誌を選択し、2000〜2002 年にこれらに掲載さ れた精神科の推奨治療に関する論文で、多数回引用されたものを「元論文」と した。元論文と同じテーマのその後の論文で、①より強い研究デザインを用い ている、②同じ研究デザインであるならば、よりサンプル数が多いという条件 を満たすものを「新規論文」と定義した。元論文と新規論文それぞれの効果の 大きさを Standardised Mean Difference を用いて比較し、「効果確認」「弱い 効果」「効果なし」に分類した。「効果確認」の割合を主要アウトカムとした。 【結果】元論文83 本に対応する新規論文は 43 本見つかり、「効果確認」16 本、 「弱い効果」11 本、「効果なし」16 本であった。「効果確認」の割合は 37% であり、「効果なし」「弱い効果」「効果確認」の順にサンプル数が多くなっ ていた。また、100 以下の RCT の結果はより不安定であった。 【考察】小さいサンプル数で大きな効果を報告している研究の結果は、後に覆 る可能性が高いため、臨床家は注意しなければならない。また、研究者はサン プル数を大きくする工夫に加え、信頼性・妥当性の保たれた尺度を用いる必要 がある。 以上の研究は、精神医学領域の高被引用論文の結果の再現性を明らかにし、臨床研究の 方法論と日常臨床に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成28年2月4日実施の論文内容とそれに関連した 試問を受け、合格と認められたものである。 要旨公開可能日: 年 月 日 以降

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