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アルツハイマー病に対する新規創薬ターゲット分子検索のための、APPシグナル伝達機構の解析

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Academic year: 2021

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学 長  殿 2018(平成30)年度 北陸大学特別研究助成金【 奨励・若手・女性・挑戦的 】成果報告書  北 陸 大 学 代表者 所属 医療保健学部 職位 教授 氏名

中山 耕造 

 脱リン酸化活性の測定に使う基質として、HEK293細胞にFLAGタグを持つAICD発現ベクターを導入し てリコンビナントFLAG-AICDを発現させP32でメタボリックラベルした。その後、抗FLAG抗体カラムを 用いてリコンビナントFLAG-AICDを精製した。  脱リン酸化酵素の精製は、1回の実験について約100匹のリタイアマウスの脳(約50g)を用いた。 約50mlの脳のライセートを得て、これを20mlのDEAE sepharoseカラムに添加した。カラムからの溶出 は、NaClの濃度勾配によっておこなった。さらに、AICD脱リン酸化酵素活性を持つDEAE sepharoseフ ラクションを20mMリン酸カリウムバッファーに対して透析し、2mlのCreamic Hydroxyapatiteカラム に添加しリン酸の濃度勾配によっておこなう。  その後ゲルろ過とクロマトフォーカッシングを行い、電気泳動によってAICD脱リン酸化酵素活性と 相関するバンドを検出しようとしている。 研究課題名 アルツハイマー病に対する新規創薬ターゲット分子検索のための、APPシグナル伝達機構の解析 交付額 1,200,000 円 研究成果の概要 研究目的 研究開始時の背景・着想に至った経緯などを含めて目的を記入して下さい。 研究の方法  我々は、NotchやDeltaの解析から、γ-セクレターゼ本来の生理機能は1型膜蛋白質のシグナル伝 達の制御にあり、それがAPPのシグナル伝達を通してアルツハイマー病(AD)の発症に何らかの形で関 係している可能性を考えている。実際我々は、γ-セクレターゼで細胞膜から切り出されたAPPの細 胞内ドメイン(AICD)が核へ移行し、遺伝子発現を大きく変化させ、神経細胞選択的にアポトーシ スを引き起こす事を示している。本研究開発の目的は、AICDの核移行を制御するAICD脱リン酸化酵 素を同定し、AICDの神経毒性の分子機序を明らかにすることにある。  本研究の目的は、AICDの核移行に伴う神経毒性の分子機序を解明する第一歩として、この核移行の 過程を分子レベルで解明することにある。  γ-セクレターゼによって細胞膜から細胞質内に切り出されたAICDが核に移行するには、アダプ ター蛋白質Fe65と結合することが必須であることが知られている。しかしながら、APPは膜に存在す る状態で既にAICDの部位が構成的にリン酸化されており、リン酸化されたAICDはFe65に結合できない ために核に移行できない。核に移行できないリン酸化AICDは、細胞質内で速やかに分解される。従っ て、通常ではAICDは核へ移行せず、神経細胞死は起きない。 ところが、リン酸化AICDが脱リン酸化されるとFe65に結合できるようになり、核に移行し転写因子に 結合して遺伝子発現を変化させ、その結果としてアポトーシスが誘導されるようになるのではないか と我々は考えている。  AICDをリン酸化する酵素としては、cdk5、JNKやGSK-3β等が知られているが、脱リン酸化酵素に関 しては全く報告がない。 したがって本研究の直接的な目標は、AICDの核移行を調節する脱リン酸化酵素が実際に存在するかど うかを確かめ、それを生化学的に同定することにある。 (1)

(2)

引用文献は文末に<引用文献>として記入して下さい。

論文・学会・HP等の発表があれば、項目ごとに記入して下さい

1) Nagase H. & Nakayama K: Present and future therapies for Alzheimer’s disease. Immunoregulatory Aspects of Immunotherapy, ed. by Seyyed Shamsadin Atthari: Chapter8,177-197, Intech Publishers, Inc., Croatia, 2018.

(2) 研究成果 主な発表論文等  リタイアマウス脳のライセートをDEAE sepharoseカラムで分画した場合、225-300mMのNaClで溶 出したフラクションに強いAICD脱リン酸化酵素活性が認められた。  これらのフラクションをさらにヒドロキシアパタイトに吸着させ、リン酸濃度を上げる事により 蛋白質を溶出した。その結果、幅広い範囲(150mMから300mM)のフラクションがAICD脱リン酸化活 性を示した。なお、脳に多量に存在するカルシニューリンにはAICD脱リン酸化活性がないことを確 認している。  現在さらに精製を進めており、 MALDI-TOFMS法を用いて同定し、その情報を基にcDNAをクローニ ングする予定である。さらにクローニングしたcDNAを培養細胞に発現して、実際に AICDの核移行 を制御しているか検証する予定である。   前述したように、AICDの核移行にはFe65との結合が必須であるが、AICDは構成的にリン酸化さ れている。我々はAICDが核移行するにはそれ自体の脱リン酸化が必要だと考えており、AICD脱リン 酸化酵素が存在することを想定している。  本研究において、実際にAICDを脱リン酸化する酵素活性を検出しており、この仮説が正しいこと を示唆していると考えている。  前述したよに、AICDの核移行は神経細胞特異的にアポトーシスを誘導するので、ADの発症に関係 している可能性が高い。  このことから、APPのシグナル伝達におけるAICDの核移行のステップ、特に今回同定しようとし ているAICD脱リン酸化酵素は新しい観点からのADに対する創薬のターゲットとなる可能性が考えら れ、研究を進めるつもりである。

参照

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