セ ン タ ー だ よ り
2006年度第 3号 2007年 3月 10日
O
受託研究
今年は、次の二件の受託研究にとりくみました。
( 1 )三重県・いなべ市住民意識調査
2006年度三重県・いなべ市から、「いなべ市住民意識調査Jの研究テーマで受託研究を受け(受
託研究者・梅田修)、『豊かなくらしとお互いを尊重するまちづくりに関する調査報告書~ (2007年
3月)としてまとめました。
調査では、対象を住民の意識に限定しないで、住民の生活実態や生活要求をも把握しながら、
まちづくりの一環として、人権教育・人権啓発に関わる課題を検討するという方法をとりました。
調査結果は、次のような観点で整理しました。
1.まちづくりの前提となるのは住民の生活要求である。
2
.
まちづくりの主体となるのは、住民自身の地域活動である。
3. 民主主義や地域問題に対する考え方は、まちづくりの在り方に影響を及ぼす。
以上の整理をふまえて、人権教育・人権啓発に関わる課題を検討しました。くわしくは報告書
を参照ください。(梅田修)
(2 )滋賀県の公民館事業と高齢者の人材養成に関する調査
我が国では現在、超高齢社会を目前に控え、また、いわゆる f2007年問題」が国民の重大な関
心事となっています。団塊の世代、中でもこの世代でもっとも多い昭和 22年生まれの労働者たち
が、平成19年に 60歳となり、定年退職を迎えるのです。その結果、これから多くの高齢者が職場
での仕事を終え、地域に戻ってくることになります。彼らには、まだ 20年以上の人生が残されて
いる。この人生をいかに充実させていくのか。これは、高齢者個人の問題だけでなく、社会全体
にとっても大きな課題となっているといえるでしょう。
これまで会社一筋で生きてきた高齢者が、会社人聞から地域人間へとスムーズに転換し、そし
て地域の中で新たな生き甲斐や居場所を見つけるためには、まずは一度立ち止まってじっくりと
自分自身を見つめ直し、そして地域という新しい舞台の上でどう生きるのかを考えることができ
るような学びの機会が必要だと考えます。こうした高齢者の学びの場として、地域の中心的な生
涯学習機関である公民館が果たす役割は、これからますます大きくなるでしょう。では、今公民
館は、高齢者にどういった学習機会を提供し、その成果を地域の中でどう生かしているのでしょ
うか。この調査では、これからの高齢者の人材養成と活用のあり方を検討するための基礎資料と
して、公民館(公民館類似施設を含む)における高齢者の学習機会と学習成果の活用の実態につ
いて明らかにしました。(神部純一)
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研究プロジェクト「公民館活動の調査・研究」の推進
大津市の公民館関係職員と研究プロジェクトを組織し、公民館研究を2年計画で立ち上げまし
た。
-78-第1回研究会 (9月5日)は、「大津市公民館の現状と課題」をテーマにして、公民館の実情と
当面している課題について自由に論議しました。第
2
回研究会
00
月18日)は、
f
2
0
0
7
年問題(団
塊世代の大量退職)と公民館講座J をテーマに、今後焦点になってくる
2007
年問題を中心に公民館
としての課題を検討しました。ほとんどの公民館が対応について検討できていないとのことでし
た。なお、これに関係した全県調査の内容についても意見交換しました。
2007
年度には、一定の
まとめをおこなう予定です。
0
大津市社会教育担当職員研修会
今年も、大津市教育委員会と共催で、大津市社会教育担当職員研修会を実施しました。研修内
容・日程は、次の通りです。
第一回
(
9
月
2
2
日)
第二回
(
1
0
月
2
6
日)
第 三 回 (
1
2
月
5
日)
第 四 回 (
1
2
月
2
1
日)
第 五 回 (
1
月
2
5
日)
理論研修
理論研修
理論研修
演習講義
事例発表
「これからの社会教育、大津の公民館」
「子どもが育つ豊かな体験活動とは」
「大津での人権学習への取り組みについて」
「ワークショップ公民館講座を作ろう」
「公民館先進地事例に学ぶ」
第三固までは講師の講義が中心でしたが、第四回は実際に「公民館講座」を企画するワークシ
ョップでした。テーマは、「団塊世代を対象にした講座を企画しよう」です。地域の取り組みにい
かに参加してもらうのかという観点からの企画が中心でした。
第五回は「先進地事例に学ぶ」ということで、尼崎中央公民館の高野さんの報告でした。これ
は、公募して集まってもらった市民と共に講座「いい人、いい街、あまがさき」を企画・実践し
たという内容でした。市民との協働という点で貴重な取り組みでした。
o
r
淡海生涯カレッジ
J
研究発表会
1月14日(土)、「淡海生涯カレッジ」の研究発表会がありました。この発表会は、 10月8日よ
り滋賀大学で行われてきた「理論学習講座Jの一環であり、受講生がいくつかの研究グループに
分かれて自分たちなりに環境問題に関する研究を行った成果を発表しあい、評価しあう会です。
例年、「淡海生涯カレッジ」の最後を飾るにふさわしい質の高い研究発表がなされてきました。
今年は、 6グループの発表がありました。各グループの発表テーマは以下のとおりです。
-美味しい水を訪ねて
-いかにゴミを減らすか
-リサイクルで廃棄物の排出量減少の重要性と一般市民の問題意識の高揚
・びわ湖からアオコをなくそう!
-琵琶湖の風土と伝統漁法に学ぶ
.楽しい里山活動の提案
毎年、発表をしたグループのメンバーからは、「これで自分たちの研究を終わらせるのはもった
いなしユ」との声がでてくることも少なくなく、これまでもカレッジ修了後、自主学習グループを
結成し、継続して研究をしているグループがいくつもあります。今年の受講生からも、そうした
グループがいくつも生まれることを期待したいものです。
-79-0
環境学習支援士
2年前から始まった、「環境学習支援士」養成プログラムですが、この 3月に初の「環境学習支
援士Jが誕生することになりました。
「環境学習支援士」養成プログラムとは、 4年の聞に、大学の授業を11科目受講するとともに、
地域の環境教育機関での実習、そして課題研究を行い、厳密な資格審査を経た後に、滋賀大学よ
り「環境学習支援士」という大学独自の資格を授与する、というものです。
今回、現職教員コースから2名、学生コースから
8
名、計10名の受講生が資格審査を受け、無
事全員が「環境学習支援士」の認定を受けることができました。認定証の授与式は、 3月20日に
滋賀大学にて行われます。
これから、彼らが「環境学習支援士」という資格を、地域において、どう生かしていくのか。
これから、この資格の真価が問われることになるでしょう。
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滋賀大学石山キャンパス IS014001認証取得に寄せて
滋賀大学石山キャンパス ISO環境保全委員会 堀越昌子
平成19年1月24日滋賀大学石山キャシパスは、 IS014001認証を取得することができま
した。 2月6日には、認証伝達式と記念講演会、懇談会を開催しました。本学の環境総合研究セ
ンターの中村正久教授に、湖沼の水について世界的な視野で講演を頂きました。
滋賀大学の中期計画には fIS014001認証取得に向けての体制づくりを図る」とあげら
れており、石山キャンパスでは、平成16年度に IS014001認証取得に向けて準備を始めま
した。取得大学の見学や ISOの学習が中心でした。平成17年には 1S 0準備会議、 ISO学生
W G、施設管理課、教育学部事務局態勢が整えられ、本格的に動き始めました。平成18年1月に
全学の ISO推進チームができ、教育学部に 1S 0推進作業チームが組織されました。平成18年
4月にキックオフ宣言、 1 S 0 1 400 1規格にのっとって、環境側面の抽出、目的目標の絞り
込み、法的要求事項の整理、マニュアルの作成など、滋賀大学教育学部の環境マネージメントシ
ステムを構築してきました。そして8月1日に運用を開始し、 10月に内部監査を実施、 11丹、 12
月に審査機関M S Aによる本審査を受けました。そして平成19年1月24日にめでたく認証取得で
きました。
1 S 0セミナーでは、 1 S 0学生W Gのメンバーが講師を務めてくれ、とても好評でした。 1
S O学生W Gのメンバーの多くは内部監査員としても参加してくれ、 ISOの強力な推進力とな
ってくれました。滋賀大学が独自につくった環境学習支援士制度も順調に動き出し、平成19年3
月には、初の環境学習支援士10名が誕生します。 ISOを取り組む中で、内部環境監査員資格を
持った学生も50名近くになりました。学生たちは、琵琶湖を守り、地球の環境を守っていく大き
な戦力になってくれています。環境マインド ・環境スキルを持った学生を世の中に送り出すこと
で、将来何倍にもなって成果が返ってくることと期待しています。
環境負荷を減らして行く努力については、コピー紙やエレベーター使用、電気の節減などの面
で顕著に効果が出てきています。いよいよこれからが本番です。自分たちでプランし (p)、実践
し
(0
)、点検し
(
C
)
、さらに新しくアクション
(
A
)
を起していきたいとd思っています。石山
キャンパスに留まらず、附属学校、彦根キャンパスでの全学的な展開も含めまして皆様のご支援
を今後ともどうぞよろしくお願いします。
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