「マルチメディア通信と分散処理ワークショップ
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平成5年11月自律分散概念に基づく
分散環境マネジメントシステムの提案
森啓介車
布川博士料
丹 野 州 宣 *
白鳥則郎**
*山形大学工学部電子情報工学科
**東北大学電気通信研究所
分散環境は、分散システム上に構築された、ユーザにサービスを提供 する環境である。本稿ではこの分散環境上で提供されるサービスを柔軟に 管理し、要求にあったサービスを分散環境マネジメントについて考察し、 自律分散概念に基づシステム構成法を提案するo1
はじめに
ようなサービスを受けるためには、ユー 近年、コンピュータの小型化、高性能 ザ が 常 に 物 理 的 な コ ン ピ ュ ー タ ネ ッ ト 化 と 共 に 、 そ の 相 互 接 続 に よ る コ ン ワークを意識しなければならず、一般のt
ュータネットワークが普及し、大規模 エンドユーザには非常に難解で有効な利 な分散システムが形成されている。 用を行なうのが難しい。 こ こ で い う 分 散 シ ス テ ム と は 、 コ ン このような現状を解決するために、分 ピ ュ ー タ ネ ッ ト ワ ー ク 、 つ ま り コ ン 散環境[1]が提案されている。分散環境は ピュータ同士が接続された物理的なシス 近年の分散システム、ネットワークの拡 テ ム で あ る 。 こ の 分 散 シ ス テ ム 上 で は 大により非常に大きな系となっており、 メールやニュースなどのさまざまなサー サーピスも動的に提供されているダイナ ピスが提供されているが、現在ではこの ミツクな系である。そのため従来の分散 τheManagement System for D∞
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EnvironmentKeisukeMO悶*却roshiNUNOKA W A ** .Kuninobu T ANNO* ,Norio SHIRA TORI** *Deparnnent of Enginnering. Yamagata U niversity
システムの管理(ネットワークマネジメン トと呼ばれている)のみでなく、分散環境 自身を柔軟に管理し、環境としてユーザ に提供するシステムが必要となってきて いる。 本 稿 で は 、 そ の よ う な 分 散 環 境 上 の サーピスの管理、維持を行なう分散環境 のマネジメントについて、その必要性お よび対象について考察し、自律分散概念 に基づくシステム構成法を提案する。次
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く3Mシλテム{ヨン h ータキフ門-~)二〉 図1.分散環境[1] に、システムの具体的実現の例として、 これらのサーピスは相互に組み合わせ UNIXネットワーク上に構築した環境マ ることにより、より利用価値があるが、 ネジメントシステムについてその概観を そのような高度な利用を;コンピュータ 述べる。 の物理的なネットワークなどを意識せず に行なえるように、各種サーピスから得2
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分散環境問
られる情報を統合し、何らかの加工を行 分散環境とは分散システム上に実現さ な っ て ユ ー ザ に 提 供 し な け れ ば な ら な れている各種サービス(電子メール、ネツ ぃ。 トワークニュース、各種計算サーピス、 分散環境は、いくつかの情報ユニット データベースサーピスなど)を環境(注 とその聞の情報交換(コミュニケーショ 1 )としてユーザに提供するための系で ン)から構成される。情報ユニットとは ある。 サーピスを提供する主体であり、分散環 これらのサーピスは初心者から熟練者 境における(ユーザから見た時の)一つの まで、ユーザが利用できる形で提供され 情報の単位である。例えば、あるユーザ ることが必要であり、これをユーザを取 にとってはメール一つであったり、他の り巻く環境として機能させるものが分散 ユーザにとってはメールシステム(サ一 環境である。 ノイ)が情報の単位であったりする。この情 注1:ここでいう環境とは、人聞を取り巻き、人間 幸良ユニットが互いにコミュニケーション と相互作用をおよほしあう色ころの外界をい うo先に述べたように、本稿では特に、エンド を行ない情報を交換することによって、 ユーザを対象の人間としている。また、こ環境 を提供するものは分散システムで提供される各 サーピスを統合、加工することができ、 種サービスの統合体であるoさらに新たなサーピスの生成も可能であ となるo る。 しかしながら現在、ユーザの高度な利 情報ユニットは、多くの場合分散シス 用要求に対し、分散環境の提供するサー テム上のサービスから情報を取り入れ、 ピスを管理し提供するシステムが存在し 分散環境内に生成することができる。そ ないため、より高度なサーピスを提供し して、これらの情報を分散システム上の ようとするときの管理者の負担、利用す サーピスを利用して加工する場合もあ る時のユーザの負担、いずれも非常に大 る。さらに分散環境内で発生、加工され きいのが現状である。 た情報はユーザに提供され、また分散環 ネットワークマネジメントと呼ばれる 境はユーザから情報を受けとり、それに 従来の分散システムの管理は、分散シス 従って処理を行なうことが必要である。 テムのマネジメントを主たる目的として すなわち、分散環境は分散システム上 いる。例えば、ネットワーク上の隊害検 のサービスやユーザとの対話を行なうた 知や、ネットワーク全体のトラフイツク めのインターフェースを有していなけれ などの性能管理などが目的であり、また ばならない。 その管理対象はホスト、 Jレー夕、ゲート 分散環境の構成は以上のように表すこ ウェイといった物理的な装置と、その上 とができる。しかしその構成形態は固定 でのパケット数などの統計情報である。 ではなく、ユーザの要求の増大や変化と しかし、このような管理対象の情報 それに伴うサービスの変更、追加によっ は、分散システムの管理者には必要では て変化していかなければならない。つま あっても、サーピスを受ける一般ユー り分散環境の構成形態は動的に変更可能 ザーにとっては極めて重要というわけで であることが必要である。 はない。
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分散環境マネジメントの提案
一般ユーザがさまざまなサーピスを利 用する上で必要となるのは、各種サーピ 前節で述べたように、分散環境では スを管理し、情報を統合・加工して一般 サービスが動的に提供されているダイナ ユーザが利用しやすい形で提供すること ミツクな系であり、従来の分散システム である。このような環境を提供するため の管理(ネットワークマネジメントと呼ぱ のシステムを分散環境マネジメントと呼 れている)のみでなく、分散環境を柔軟に ぷ。 管理、ユーザに提供するシステムが必要 すなわち、分散環境マネジメントの目的は以下の
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点である。 前述のように、分散環境上ではサーピ (1)分散環境を維持していく上で必要とな スは動的に追加、変更、削除が行なわれ る種々の作業の支援 る。また、ユーザに分散システムを意識 (2)(1)の延長としてユーザの要求に応じた させないように、分散環境上での耐故障 機能の環境内での生成 性も保証しなければならない。 分 散 環 境 マ ネ ジ メ ン ト で は こ の 2点 従来のネットワークマネジメントシス を、ユーザに物理的なネットワークを意 テムの構成では、管理指令を出すマシン 識させずにサーピスを提供することであ (マネージヤ)と管理対象装置との問に永 る。つまりユーザの要求に従って、すで 統的な主従関係が存在するため、マネー にネットワーク上に提供されているサー ジャの混乱によるシステム全体への影響 ピスを組み合わせ、さらに使利なサーピ が大きい。 スとして利用できるように、それぞれの また、構成モデルがオブジエクト指向 サービスを維持・管理することである。 型モデJレに従っているため、管理対象の 追加、削除といったシステムの動的変更4
.分散環境マネジメントシステムの
一 を行なう場合に、システム全体の変更をシステム構成法
メーJレ 1Q
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1
ログイン情報畏
ン
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-・園田園・ -ユーザのログイン情報を検索する .該当するユーザにメールを送る -以上の作業を各ws
上で繰り返す 必要とするために、プログラマ、管理者 図2:従来の分散システムでの要求解決 図3:分散環境マネジメントシステムの負担が大きい。 従って、分散環境マネジメントシステ ムを構成する場合には、このような問題 を解決するモデルに従ってシステムを構 築しなければならない。 分散環境マネジメントシステムの管理 対象は、分散環境上でサーピスを提供す る情報ユニットである。情報ユニット は、ユーザの要求に従って新たに生成さ れたり、 lつの情報ユニットだけでは解 決できない問題に対しては、複数の情報 ユニット同士で協調してグループを作 り、さまざまな情報の統合、加工を行な いながら問題解決を行なったりする。ま た問題解決の途中で協翻する相手が動的 に変更したりする。 さらに分散環境上で耐故障性を保証す るためには、システム中で永続的な主従 関係が存在せず、各々の情報ユニットが 互いに対等な関係になければならない。 このような動的側面を持つ情報ユニッ ト、つまり分散環境における計算主体の 性質として、以下に述べるような自律 性、分権性、協調性を持たなくてはなら ない。 自律性:計算主体が、自分自身で単独に 行動を決定できること 分権性:計算主体を統治する永続的な統 治者が存在せず、ずべての計算主体が 対等である. 協調性:周囲状況に合わせて、計算主体 自 身 に 存 在 す る 協 調 の メ カ ニ ズ ム に よって、自らの行動を変更することが できる. 次章で説明する分散環境マネジメント システムは、以上のような自律・分権・ 協調概念を持つマルチエージェント型計 算モデルである Kemari[2]に基づいてい る。情報ユニットは、 Kemariの基本構成 要素である Fc(FunctionaICell)により笑現 されている。
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分散環境マネジメントの例
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例題
以上のようなモデルに基づいた分散環 境マネジメントの実装例とじて、次のよ うな例を考える。 「昨日の18:00から20:00頃にワークス テーションのディスクが添れちゃってる んだけど、誰か心当たりのある人いない か、この時間にログインしていたユーザ に、メールで聞いてみたい。」 この場合のユーザの要求は、特定の時 間にログインしていたユーザを調べるこ と、そのユーザにメー Jレを出すこと、そ してそれを全てのワークステーション上 で行なうことである。従来の分散システ ム上では、このような要求を解決するた めには、ユーザが物理的なネットワーク の構造やシステムを意織し、自分で行なわなくてはならない。 装してみることにより、そのシステムが これに対し、分散環境マネジメントシ 有効であることを示した。今後は、分散 ステムでは、ユーザはこのようなサーピ 環 境 上 に さ ら に さ ま ざ ま な ア プ リ ケ ー スを提供する情報ユニットに対し要求を ションを実現していくことにより、ユー すると、そのユーザの要求を処理する情 ザが多種多様なサービスを簡単に利用で 報ユニットが生成され、他の情報ユニッ きるようになっていく必要がある。 トと情報をやりとりしながら分散システ ム上を動き回り、自律的に要求を処理し にいくのである。