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食器用洗剤を用いた小型魚類透明骨格標本の作製

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研 究 資 料

食器用洗剤を用いた小型魚類透明骨格標本の作製

西川 洋史

ドルトン東京学園中等部・高等部

Nishikawa, H. (2020) Study to make transparent skeletal specimens in small fish by using dishwashing liquid. Jpn. J. Biol. Educ. 62(1): 23–28.

Glycerol of high purity is generally used in process of making transparent skeletal specimens for permeation and preservation. However, in the field of education, glycerol’s high cost could be a hindrance to its use. In this experiment, we tried to make transparent skeletal specimens using dishwashing liquid instead of glycerol. Medaka (Oryzais latipes) fixed in 10% formalin overnight at room temperature were put in five kinds of dishwashing liquids containing various concentrations of potassium hydroxide at 35°C for 2 weeks. Transparency of all fish specimens was enhanced by potassium hydroxide in dose dependent manner. We also treated the formalin-fixed fish in alizarine red S solution overnight followed by immersion in various dishwashing liquids as above. We found that two dishwashing liquids containing 1% potassium hydroxide could make skeleton transparent without decoloring of hard bone stained by alizarin red S. Dishwashing liquid is considerably inexpensive compared to glycerol of high purity, therefore this procedure will make it easy to use transparent skeletal specimens in schools.

Key words: dishwashing liquid, glycerol, potassium hydroxide, transparent skeletal specimens

Hirofumi NISHIKAWA, Dalton Tokyo Junior and Senior High School, Irimacyo 2-28-20, Cyofu city, Tokyo 182-0004, Japan

Ⅰ はじめに

透明骨格標本は,生体標本にアリザリンレッド S や アルシアンブルーなどの染色液を浸透させ,骨格を染色 後に周囲の組織を透明にした標本である.小型の生体で あれば,解体することをせずに製作できるので,その個 体が生存していたときの骨格の配列が保存される.その ため解剖学や分類学,発生生物学などの研究でしばしば 活用される(Pottoff 1984).特に微細な骨が多い魚類で は透明骨格標本の技術は有効である.例えばタツノオト シゴの一種であるクロウミウマ Hippocampus kuda 稚 魚では,尾部骨格の化骨に伴い正の走光性から正の走地 性への変化することが知られるが,骨格の発生について は透明標本技術が用いられている(岩谷ら 2013). アリザリンレッド S は硬骨を赤に,アルシアンブルー は軟骨を青く染色し,骨格が染め分けられる. 教材としての有効性を示す報告も多く,海洋環境教育 や 理 科 教 育 を 含 め る ESD(Education for Sustainable Development:持続的発展教育)での活用例がある.例 えば,透明標本の解剖と消化管内容物の観察を通した海 洋食物連鎖の学習(河野ら 2016)や,軟骨魚類と硬骨 魚類の顎を構成する骨格や魚類の顎周辺の骨格とヒトの 中耳骨格との関係を「相同」や「進化」の観点から学習 するプログラム(河野ら 2017)が挙げられる.又,河 野らは陸と海とを行き来する通し回遊魚であるアユの生 態とその食性変化に伴う歯系変化を,アユの仔稚魚の透 明骨格標本の観察を通して学ぶプログラムも作成してい る(河野ら 2018). 透明骨格標本はグリセロール中に保存されるため,容 器にはガラスビンを用いる必要がある.畑中らは透明標 本をプラスチック樹脂封入によって,授業で扱いやすく する検討を行ったが,硬化前の樹脂の臭気や扱いの難し さから児童・生徒を対象とした授業での封入作業は難し いと判断している(畑中 2013).しかし,紫外線硬化樹 脂による封入は作製時間が短く,一度に多種類の生物種 を比較できる標本を作製できるため,腕や翼での骨格の 相同性に着目してスケッチさせるなど進化生物学分野で の活用も示唆される(加藤 2016).そして現在,紫外線 硬化樹脂による透明骨格標本封入キットが商品化されて おり,理科教材として購入することができる(透明骨格 標本封入キット,株式会社ナリカ,カタログ No:G40-5303). 透明骨格標本には様々な作製方法があるが一般的に次 のようになる(川村ら 1991).まず,標本をホルマリン [連絡先]〒 182-0004 東京都調布市入間町 2-28-20 ドルトン東京学園中等部・高等部 西川 洋史 E-mail: [email protected]

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で固定してから余計な臓器を取り除き,過酸化水素で色 素の漂白を行う.その後,アルコールで脱水をしてから アルシアンブルー溶液に漬けて軟骨染色を行い,水酸化 カリウム溶液で透明化する.脊椎骨がうっすらと見える 段階でアリザリンレッド S による硬骨染色を行い,脱色・ 脱水の後,キシレンに漬けて脱脂を行う.脱脂を 2 時 間程度行った後,アルコールによるキシレン抜き及びグ リセロール置換を経て完成となる.このように透明骨格 標本の作製に用いる試薬の種類は多く,また作業工程が 多いため,学校教育現場で実践できるよう簡略化の検討 がされている.表ら(2015)は脱脂処理を行わずに透 明化標本作製を検討し,タイリクバラタナゴやマタナゴ, アジ,ジンドウイカなどの脂肪分が少ない生物では生徒 観察に十分利用できる標本が作製できることを報告して いる. 理科教育実験では,試薬や機器のコストについても意 識しなければならない.透明骨格標本作製に使用される アルシアンブルーやトリプシンは単価が高いため,安価 な薬品に代替したときの費用削減効果は高い.例えば透 明化処理で用いられるトリプシンは酵素反応を用いるた めインキュベーターが必須となるが,水酸化カリウムで 代替することも可能である(表ら 2015).軟骨染色に用 いられるアルシアンブルーは教育現場の感覚からすれば 非常に高額であるが,もともとはより安価なトルイジン ブルーから変更されたものである(Ojeda ら 1970).ア リザリンレッド S とアルシアンブルーによる二重染色 標本は,関節における硬骨と軟骨の位置関係や機能を理 解することや,軟骨魚類と硬骨魚類との比較などでは有 用である.しかし,骨格の内臓保護機能や運動支持機能 を学習する上では,染め分けは必ずしも必要ない.この ようにコストパフォーマンスを意識して教育目的に即し た作製方法へと手順を変えていくことが可能である.現 在,透明骨格標本の透明化や保存には高純度のグリセ ロールが用いられているが,その代替物については検討 されてない.そこで本研究では,家庭用食器洗剤がグリ セロールに代替可能かどうか検討した.その結果,いく つかの洗剤は水酸化カリウムを添加することで児童・生 徒が観察するのに十分なレベルで,標本を透明化するこ とが示された.本手法は透明骨格標本の学校現場での活 用をさらに促進することが期待される.

Ⅱ 研究・実践方法

1.試薬・器具及び供試魚 35%ホルムアルデヒド液,酢酸,アリザリンレッド S (試薬特級,富士フイルム和光純薬,大阪),水酸化カリ ウム(特級,関東化学株式会社,東京),チャーミー・ マジカ酵素プラス(ライオン株式会社,東京),キュキュッ ト(花王株式会社,東京),食器洗い石鹸(ミヨシ石鹸 株式会社,東京),ヤシノミ洗剤(サラヤ株式会社,大阪), 食器用洗剤(株式会社カインズ,埼玉),ミナミメダカ Oryzais latipes(全長 2.5 ~ 3 cm). 2.溶液の調製 イオン交換水を用いて 0.1,0.5,1 g/mL 水酸化カリ ウム溶液を調整し,これを各洗剤で 100 倍希釈して 0.1, 0.5,1%水酸化カリウム含有洗剤を調整した.水酸化カ リウム添加後に白濁する洗剤もあったが,均一分散して 使用した.また,水酸化カリウム溶液と反応して固化し た洗剤は,上澄み液を使用した.硬骨染色液は,0.15 g のアリザリンレッド S を酢酸 10 mL,水 120 mL の混 合液に溶解し,溶液が青紫色になるまで水酸化カリウム を加えた. 3.固定及び透明化処理 10%ホルマリン溶液 200 mL にメダカ 100 匹を入れ, 室温にて一晩の固定を行った.これらを流水に 2 時間 漬けてホルマリンを除去し,カバーガラスで鱗をはがし た.硬骨の染色時は,ホルマリン固定したメダカを硬骨 染色液 130 mL に移し,室温にて一晩漬けた.処理後の メダカを 15 mL 遠心管に 4 匹ずつ入れ,全量が 14 mL となるように原液及び各濃度の水酸化カリウムを含む洗 剤を加えた.1%水酸化カリウムを溶解したヤシノミ洗 剤の粘性は非常に高く,遠心管に移すことが困難であっ たため,5 cm ディッシュに固定されたメダカを置き, 全身が浸るまで洗剤を入れた.これらのメダカをイン キュベーターにて 2 週間 35°C に保った.対象区として, イオン交換水中にもメダカを浸漬した.

Ⅲ 結果

1.洗剤の界面活性剤 今回使用した洗剤に含まれる界面活性剤の成分一覧を 表1 に示す.本研究で用いた各々の洗剤に含まれる界 面活性剤は 1 ~ 7 種類であり,その濃度は 16 ~ 41% であった. 2.非染色標本における透明化 洗剤 A は,水酸化カリウムを入れなくてもある程度 メダカを透明化することができ,1%では脊椎全体の様 子を観察できるほどになった(図 1A).洗剤 B による 透明化は弱く,水酸化カリウム濃度が 1%のときでも体 側の筋肉はほとんど透明化しなかった(図 1B).洗剤 C の原液に漬けたメダカにおいては表面に白い付着物が生 じ,全体的に白濁した.しかし,水酸化カリウムを加え ることで付着物の発生は解消し,濃度依存的に透明度が 上がり,1%ではほぼ完全に透明化した(図 1C).洗剤 Dは水酸化カリウムに依存せずに透明化をすることがで きたが,他のものに比べると透明度が低かった(図 1D).洗剤 E は原液でもかなり透明化することができた が,水酸化カリウムの濃度依存的に透明度が増し,1% における透明度は今回の洗剤の中では最も良好であった (図 1E).一方,イオン交換水では透明化せず,水酸化 カリウム濃度が 0.1 および 0.5%では脊椎骨がやや見え るようになったが,1%では腹部が破裂した(図 1F).

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3.硬骨染色標本における透明化 洗剤 A は水酸化カリウムの濃度に応じて透明化が進 み,0.5%から脊椎骨が見え始め,1%では観察に十分な 透明度に達した(図 2A).洗剤 B は水酸化カリウム濃 度が 0.5%までは透明化が進まなかったが,1%では脊 椎骨が見えるようになった(図 2B).洗剤 C は 0.1%の 時点で透明になりはじめたが,0.5%以上では鰭が崩壊 し,1%ではピンセットでつまみ上げただけで胴体が裂 けるほど脆くなった(図 2C).洗剤 D は水酸化カリウ ム濃度が 0%及び 0.1%ではアリザリンの赤色が抜けて しまった.0.5%では赤色が保たれたものの透明化しな かった.また,1%においては標本が溶解した( 図 2D).洗剤 E も同様に,水酸化カリウム濃度が 0%及び 0.1%ではアリザリンレッド S による染色が脱色された. 図1 ホルマリン固定後の洗剤による透明化.メダカを 10%ホルマリン溶液で室温にて一晩固定した後,各濃度の水酸化カリウムを 添加した各種洗剤(A ~ E)およびイオン交換水(F)に入れて 10 日間 35°C でインキュベートした.各写真は試料 4 個体のうちの 代表である.水酸化カリウムによって白濁した洗剤は均一に分散して使用した.また,水酸化カリウム溶液によって固形物が生じた 洗剤については十分に撹拌して上清を使用した. 洗剤 成分 A 社 31% 界面活性剤(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステルナトリウム,ジア ルキルスルホコハク酸ナトリウム,アルキルヒドロキシスルホベタイン,アルキルグリコ シド,アルキルグリセリルエーテル,アルキルアミンオキシド),安定化剤(プロピレン グリコール,ブチルカルビトール,トルエンスルホン酸ナトリウム,塩化マグネシウム, 亜硫酸ソーダ),香料,除菌剤(硫酸亜鉛) B 社 42% 界面活性剤(アルキルアミンオキシド,アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム, ポリオキシエチレンアルキルエーテル,アルキルスルホン酸ナトリウム界面活性剤,直鎖 アルキルベンゼンスルホン酸),安定化剤(p- トルエンスルホン酸,エチルアルコール, クエン酸,スルファミン酸),pH 調整剤(水酸化ナトリウム),香料,除菌剤 C 社 脂肪酸カリウム(28%) D 社 16% 界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム,脂肪酸アルカノールアミド) E 社 18%界面活性剤(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム,アルキルエーテル硫酸 エステルナトリウム),安定化剤 表1 洗剤の成分一覧

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0.5%では標本が溶解し始め,1%では崩壊した(図 2E).イオン交換水に漬けた標本は,水酸化カリウムが ない場合は全く透明化されず,0.1%では破裂した.ま た 0.5%以上では標本が溶解した(図 2F).

Ⅳ 考察

組織の透明化は生体内の主な光散乱体である脂質を除 くこと,および生体組織と溶媒の屈折率差をなくすこと により,組織の内部・表面で可視光線が透過することで 実現できる.透明骨格標本の作製における脂質の除去は アセトン(畑中 2012)やキシレン(川村 1991)などの 有機溶媒を用いた例がある.しかし,これらの有機溶媒 はいずれも臭気が強くまた引火性が高いことから生徒が 扱う際の指導はかなり気を使わなければならない.有機 溶媒を使用せずとも,水酸化カリウム溶液だけである程 度の透明化はできるが,脂肪量の多い生体では白濁する こともある.本研究でも水酸化カリウム溶液だけでは完 全に透明にすることはできないことを確認した.一方, 溶媒として洗剤を用いた標本では児童・生徒の観察に十 分な透明度を得ることができた.洗剤に含まれる界面活 性剤は,脂質をミセル化する乳化作用とこれを水中に溶 出させる分散作用がある.これらの作用により組織中の 脂質が除去されたものと考えられる.未染色標本では, 洗剤 A,C 及び E において水酸化カリウムの濃度依存的 に透明化したが,界面活性剤の濃度や成分などとの相関 は見られなかった.しかし,硬骨染色を行った場合,洗 剤 A と洗剤 B において硬骨の染色性を保ったまま透明 化された.洗剤 B における非染色標本と染色標本での 透明度の違いは,硬骨染色液に含まれる酢酸が影響して いると思われる.洗剤 A と洗剤 B に含まれる界面活性 剤の濃度は他よりも高い.このことから,硬骨染色後の 標本を透明化する際は,界面活性剤の濃度が 30%以上 の洗剤に 0.5 ~ 1%水酸化カリウムを溶解して用いるこ とが適していると思われる. 透明骨格標本は教材として優れた特性を有している が,作業工程が多いことや試薬コストが高いことが授業 での活用を妨げる要因となりうる.例えばメダカ 20 ~ 30匹あるいは体長 3 cm のカエル 5 ~ 6 匹規模の標本 作製キットの価格は数万円であり,クラスで 1 つ使用 した場合でもかなりの金額になる.本研究ではコストを 図2 硬骨染色後の洗剤による透明化.硬骨染色溶液に一晩漬けたメダカを各濃度の水酸化カリウムを添加した各種洗剤(A ~ E)お よびイオン交換水(F)に入れ,10 日間 35°C でインキュベートした.水酸化カリウムによって白濁した洗剤は均一に分散して使用し た.また,水酸化カリウム溶液によって固形物が生じた洗剤については十分に撹拌して上清を使用した.各写真は試料 4 個体のうち の代表であり,他 3 個体は同様の染色・透明度となっていた.本図では色が濃い部分が赤く染色されていることを示す.

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上げうる試薬の一つグリセロールに着目して代替法を検 討した.透明骨格標本の透明化及び保存に用いられるグ リセロールは,試薬特級レベルでは 100 mL あたり数百 円する.グリセロールは他の試薬に比べると安価ではあ るが,保存溶液として使用するため使用量が多くなる. そのため標本数が増えたり標本サイズが大きくなったり すると総コストを押し上げる.本研究で使用した食器用 洗剤は 100 mL あたり数十円であり,コストはグリセ ロールの 10 分の 1 に抑えられることになり,スケール アップ時の削減効果は大きい.また,本実験ではトリプ シンの代わりに水酸化カリウム溶液を使用したことやア ルシアンブルー染色を省いたこともコストの大幅な削減 に寄与した.実際に今回の実験の初期準備に必要となっ た経費はホルムアルデヒド液(500 mL,700 円程度), 酢酸(500 mL,1000 円程度),アリザリンレッド S(25 g,9000 円程度)及び水酸化カリウム(500 g,2000 円 程度)であり,この分量で染色可能なメダカは計算上数 千匹になる.試薬用の高純度グリセロールは標本の封入 液として必要となるため,この代替によるコスト削減の 効果は教育現場としては高いと思われる.また,界面活 性剤による脂質除去及びタンパク質除去効果によって, 優れた透明性を実現することが可能となり,透明標本を 教材として作製しやすくするだろう.なお,結果には示 していないが,本手法によって作製した標本は少なくと も 1 年間,室温保存の状態で染色性を保つことができた. このことから洗剤による組織の透明化は,透明骨格標本 の学校現場での活用をさらに促進することが期待され る.

文献

畑中恒夫(2012)透明骨格標本の有効利用について. 千葉大学教育学部研究紀要 60: 447–450. 畑中恒夫(2013)透明骨格標本の樹脂封入法について. 千葉大学教育学部研究紀要 61: 421–425. 岩谷厚志・金子 誠・秋山信彦(2013)クロウミウマ Hippocampus kuda稚魚の成長に伴う骨格形成と走光 性の変化.水産増殖 61(2): 145–151. 加藤陽一郎(2016)透明骨格標本プラスチックの開発 と授業での活用.早稲田大学高等学院研究年誌 60: 92–98. 川村功一・細谷和海(1991)改良二重染色法による魚 類透明骨格標本の作製.養殖研究所研究報告 20: 11– 18. 河野 博・谷田部明子・加瀬喜弘・齊藤有希(2016) 魚類骨格透明標本は海洋環境教育―海の中の「食う・ 食われる」を覗いてみよう―に有効である.東京海洋 大学研究報告 12: 4–11. 河野 博・植原 望(2017)魚類骨格透明標本を用い た理科教育の例―顎の骨の変化を観察して魚と私たち との関係を探ろう―.東京海洋大学研究報告 13: 16– 35. 河野 博・デイビッド エリック アンマリサン・石川  新・新城遥己・小野寺暁・手良村知功(2018)魚類 骨格透明標本を用いた ESD の例.東京海洋大学研究 報告 14: 38–57.

Ojeda, J.L., Barbosa, E. and Bosque, P.G. (1970) Selec-tive skeletal staining in whole chicken embryos; a rapid Alcian blue technique. Stain Technology 45(3): 137–138.

表 潤一・斉藤千映美(2015)身近な動物個体を用い た透明骨格標本の作製.宮城教育大学環境教育研究紀 要 17: 31–38.

Pottoff, T. (1984) Clearing and staining techniques. Moster, H.G., Richards, W.J., Cohen, D.M., Fahay, M.P., Kendall Jr., A.W. and Richardson, S.L. (Eds.) “Ontogeny and Systematics of Fishes” pp.35–37. Allen Press, Lawrence, USA.

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食器用洗剤を用いた小型魚類透明骨格標本の作製

西川 洋史 ドルトン東京学園中等部・高等部 研究用高純度グリセロールは透明骨格標本作製時において透明化や保存のために必要である.しかし,学校教育現場 では高いコストとなる.本研究ではグリセロールの代わりに家庭用食器洗剤を用いて透明骨格標本の作製を試みた.ミ ナミメダカ(Oryzais latipes)を 10%ホルマリンに入れて室温下一晩の固定を行った後,各濃度の水酸化カリウムを 溶解した 5 種類の食器洗剤に移し,35°C で 2 週間インキュベートした.その結果,水酸化カリウムの濃度に応じて透 明化が促進され,数種類の洗剤では脊椎骨を明確に観察することができた.次に,ホルマリン固定後にアリザリンレッ ド S で一晩染色した標本を同様に洗剤に漬けたところ,界面活性剤濃度が高い洗剤において硬骨染色を保った状態で の透明化を確認した.食器用洗剤はグリセロールに比べると安価であり,ゆえに学校教育現場での透明骨格標本の活用 が促されると思われる.

参照

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