鉄共振を用いたけい光放電灯の試作について
著者
山口 純一, 前田 純雄
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
1
ページ
27-29
別言語のタイトル
ON TRIAL MANUFACTURE OF FLUORESCENT DISCHARGE
LAMPS
鉄共振を用いたけい光放電灯の試作について
著者
山口 純一, 前田 純雄
雑誌名
鹿児島大学工学部研究報告
巻
1
ページ
27-29
別言語のタイトル
ON TRIAL MANUFACTURE OF FLUORESCENT DISCHARGE
LAMPS
鉄 共振 を 用 いた け い光 放 電灯 の試 作 につ い て
山 口 純 一*・ 前 田 純 雄**
ON TRIAL MANUFACTURE OF FLUORESCENT
DISCHARGE LAMPS
Junichi YAMAGUCHI
Sumio MAEDA
The fluorescent lamp in question is that which is provided with series resonance for
lighting and with Bouchelot's circuit for keeping light after lighting are used making
use of the special character of the constant current essential for the discharge lamp.
Distinctive features attributable to the said lamp is as follows :
(1)
To be lighted momentarily above 85 V. of the power source pressure.
(2)
The power factor is approximately 100%.
(3)
After lighting, the lamp will not go out of itself even below 30 V. of the
power source pressure.
Especially what is mentioned in (3) is the point of advantage compared with the
fluorescent discharge lamp on the market.
The author states in this paper his design of each part of the said lamp and
ex-perimental results as well as theories with an aim to have the above mentioned special
characters provided.
Received May 31, 1961.
I.緒 言 筆者 等 は先 にBouchelotの 回 路 を 利 用 した 鉄 共 振 型交流 電弧 熔 接 機 の 試 作 と題 して 発 表 した が 1),今 回 この回 路 を け い 光 放 電 灯 回 路 に 利 用 した結 果,力 率 100%且 電 源 電 圧 が30V位 に低 下 して も消 灯 しな い 良好 な結果 を 得 た の で以 下 これ に つ い て述 べ る. II .回 路 及 び 理 論 Fig.1に 示 す よ うな回 路 に お いて 鉄 心 入 り コイ ル 7Lと けい光 放 電 灯 を 直列 に して 電 源 に 接 続 す る.ま た コンデ ンサ ーCは オ ー ム値 を増 大 させ る 目的 で 単 巻変 圧器Tcを 用 い,そ の 一端 は1/ωCo=ωL=ωM =XLと な る よ うにTゐ コ イル の 略 々 中 点 に 接続 す る.今Eを 電 源電 圧,ω を 角 速 度,CoをCのbc端 よ り見 た等 価容 量,π1,π2を それ ぞ れTcコ イ ルのbC 及 び め 部 分 の巻 数,Rは け い光 放 電 灯 の放 電 等 価 抵 抗 と して 各枝 路 の 電 流 をFigの よ うに 仮 定 す れ ぼ 次 の結 果 が得 られ る. ***電 気工 学 教 室 (1)式 に お い て 管 電 流 は 放 電 等 価 抵 抗Rに 無 関 係 で 一 定 で あ り非 常 に 放 電 灯 と して 好 ま しい 事 で あ る. ま た(3)式 に よ りI0は 回 路 全 電 流 で 常 に ノJ率 が100 %で あ る.こ の 回 路 の 電 圧 及 び 電 流 ベ ク トル 図 を 画 け ぼFig.2の よ う に な る. III.各 部 の 設 計 1.コ ン デ ン サ ー 容 量 の 設 計 け い 光 灯 の 定 格 電 流 す な わ ちIγ=0、35A,電 源 電 圧 E=90V,周 波 数f=58∼ とす れ ぼ,(1)式 よ りXゐ= 128Ω,Co=21.4μFが も と ま り,さ ら にC=8μFの も の を 採 用 す れ ぼ,η1=850T,η2=550Tと 決 定 さ れ鹿 児 島 大 学 工 学 部 研 究 報 告 第1号 る. 2'リ ア ク タ ーの 設 計 リア ク ターTLの 鉄 心 は普 通 の 珪 素 鋼 板 をFig.3 に示 す よ うに 短冊 形 に 切 り,空 隙 を2δmと す れ ぼ (但 し鉄 心 の磁 気 抵 抗 は 構 造寸 法 上 無 視す る)次 式 が 成立 す る. A :鉄 心 断面 積(m^2) I:励 磁 電 流 (A) n :巻 数 μ_0:4π・10^{-7} け い光 放 電灯 の起 動 発 弧 電 圧(こ れ は共 振 電 圧 に該 当す る)の 実 測値 は120Vで,こ れ がTLコ イル の 半分 巻 回 数 の 誘起 電 圧 に該 当す るの で全 巻 数 間 で は240V を 誘 起 しな け れ ぼ な らな い.こ の場 合 鉄 心 が 飽 和 して い て は鉄 心 の透 磁 率 μの値 に よつ て 共 振 が外 れ て 目的 が 達 せ られ な い ので 全 巻 数 で240V誘 起 した 場 合鉄 心 は飽 和 の直 前 に あ る事 が 望 ま しい.ま た は る か に飽 和 前 に あ る と高 電 圧 を 誘透 起 して ブ イ ラメ ン トを 損 壊 す る恐 れ が あ る.(5)式 にV=240V,f=58∼,A=8・2 ×10-4m^2,-8=1.4wb/m^2を 代入 す れ ぼ,n=800T,ま た リア ク タン スXは 巻 数 の2乗 に比 例 す るの でX= XLn^2 =512Ω,以 上 の 結 果 を(7)式 に代 入す れ ぼ2δ= 0.468mmと な る.コ イ ル はDS.C,0.45mm(正 味 外 径0.53mm,定 格電 流0.35A)単 位 長 の オ ー ム値, 0.112Ω/mの もの を 用 い た.ま た ブ イ ラメ ン ト電 圧 は 直列 共 振 時1個 に つ き 15V印 加 す れ ぼ よ い (実測 値) 3.コ ンデ ンサ ー 回 路鉄 心 の 設 計 Tcコ イ ル鉄 心 は2の 項 で述 べ た リア ク ター寸 法 と 同一 の もの を 用 い た.こ の際 注 意 す べ きは鉄 心 の励 磁 電 流 が コ ンデ ンサ ーCの 正 味 電 流 よ り大 き くな る と, この 使 用 の 意 味 が な くな るの で な るべ く低 下 して 使 う 必 要 が あ る.こ の 目的 で 前 記 磁 束 密 度 を半 分 の値 と
山 口 ・前 田:鉄 共 振 を 用 い た け い 光 放 電 灯 の 試 作 に つ い て し,先 に述 べ たn1n2の 値 が 決定 され るが,鉄 心回 路 は理 論 的計 算 値 よ り実 験 的 に考察 す る方 が有 理 な場 合 が多 いの でab部 分 で は適 当 に タッ プ を 設 け た. IV.実 験 結 果 Fig4は 今 まで に述 べ た設 計 試 作 品 をFig.1の 回 路構 成 と し,電 源電 圧Eを 漸 次 増加 した場 合 の 通 電 々流及 び点 灯 後 漸 次 減少 した場 合 の,け い光 放 電灯 の 放 電 々圧 及 び放 電 々流 の 関係 を 示 した もの で あ る,ま た力率 を 測定 した 結 果 ほ ぼ100%の 値 で あ り,85V以 上で は瞬 時点 灯 が で きる.共 振 時 の 回路 のQ≒3内 外 で あ る(計 算値). V.結 言 以 上鉄 共 振 を用 いた け い光 放 電 灯 の 試 作 と題 して 述 べ たが,ほ ぼ所 期 の 目的 を 達成 した と思 うす な わ ち瞬 時点 滅 高力 率 の もの で あ る.市 販 の もの に比 較 して点 灯 後 は 電 源 電圧 の変 動 に対 して 消灯 しな い 特 長 を有 し て い るす な わ ち30Vに 低 下 して漸 く消 灯 す る.点 灯 後 は定 電 流 に近 い特 性 を 有 して い る,一 方 鉄 心 を2個 必 要 とす る が市 販 の もの と大 差 ない 大 き さの ものが 設 計 可 能 で あ る と思 わ れ,経 済 的 に はほ ぼ 同一 の ものが 得 られ よ う.ま た 寿 命 の 問題 が残 され るが この点 も解 決す るよ うに進 め た い と思 う.終 りに御 指 導 載 いた 前 当 校 後藤 田先 生 に厚 く御 礼 申上 げ る. 交 献 1)山 口,前 田:鹿 大 工 学 部 紀 要,第8号,p.83 (昭和34年). 付 記:本 研 究 は 昭 和35年10月 電気 四学 会 九 州支 部 大 会 に て発 表 し た も の に 加 筆 した もの で あ る.