多面的な自由民権運動像の構築に向けて -「五日市憲法草案」作成過程の授業構想を通して-
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第63巻 第2号 JournalofHokkaidoUniversityofEducation(Education)Vol.63,No.2. 平成25年2月 February,2013. 多面的な自由民権運動像の構築に向けて −「五日市憲法草案」作成過程の授業構想を通して−. 囲同 僚・鈴木 哲雄* 北海道恵庭南高等学校(2012年3月本学大学院社会科教育専修修了)・北海道教育大学札幌枚実地指導講師 *北海道教育大学札幌枚. FortheestablishmentofmultipleimagesofFreedomandPeople’srightmovement −Throughtheworkshopabouttheenactmentprocessof“ItsukaichiDraftConstitution”− KUNIOKATakeshiandSUZUKITetsuo* HokkaidoeniwaminamiHighschool. *sapporocampus,HokkaidoUniversityofeducation. 概 要 本稿は,高等学校日本史の授業において,「五日市憲法草案」作成に関わった人々の言動から,生徒が多 面的な自由民権運動像を構築できるよう授業を構想したものである。これまでの反政府的・対抗的側面を強 調した民権運動とは異なる歴史像を構築するため,近年の歴史学における「国民国家論」,「民衆史論」の観. 点からの民権運動研究を活用し,「五日市憲法草案」作成に関わる史資料をとらえ直すことを通して,生徒 が主体的に思考し,新しい自由民権運動像を描けるよう構築主義的な授業とした。. はじめに. 自由民権運動は,戦後の民主化や冷戦卜における日本国内の反動化の中で,日本近代史における民衆によ る本格的かつ大規模な民主主義運動と位置付けられ,常に省みられるべき輝かしい歴史として高く評価され てきた1。しかし歴史学においては,1990年頃にこれまでの民権像が「国民国家論」「民衆史論」「政治文化論」 からの批判を受けた結果,停滞ないし沈滞した研究状況となり今日に至っている。これは,批判を受けた側 が新たな活路を見出せていないからであろう。しかし,民権運動は多様な経歴と価値観を持った人々による 時代の転換期における社会運動であり,その広範性・重層性・錯綜性に限を向けることにより新しい民権像 を描くことができる。 一方,歴史教育においても自由民権運動は,民主主義社会の担い手としての市民を育成する格好の教材2. 217.
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