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JAIST Repository: 自主保安の促進のためのインセンティブ安全規制の在り方について((ホットイシュー) 安全・安心ための科学技術のマネジメント (2), 第20回年次学術大会講演要旨集II)

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Academic year: 2021

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 自主保安の促進のためのインセンティブ安全規制の在 り方について((ホットイシュー) 安全・安心ための科 学技術のマネジメント (2), 第20回年次学術大会講演 要旨集II) Author(s) 中島, 一郎; 福島, 章 Citation 年次学術大会講演要旨集, 20: 915-917 Issue Date 2005-10-22

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/6171

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

2D19

自主保安の促進のためのインセンティブ 安全規制の

在り方について

中島一郎 ( 東北大 ) , 0 福島 章 ( 産 総研 )

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(3)

国は事業者が 検査を行った 後に事業者の 自主保安体制 ( 検査実施体制 ) が適切 であ ったか否かを 審査 ( 安全管理審査 ) するという事後規制となった。 (2 ) 自主保安のインセンティブ 国が行 う 許認可や検査では 技術基準への 適合性が確認、 されていたが、 その 基 準は安全確保に 必要な具体的な 手段、 材料、 方法等を詳細に 規定した仕様規定 であ った。 許認可等の対象は 規模が大きい 等の点で重要度の 高い設備等に 限ら れており、 施設の安全水準をより 高める観点から 基準で要求される 事項だけで はなく広範な 安全対策を講じることが 奨励されたが、 法令上の要求は 安全基準 への適合性の 確保であ った。 規制緩和後の 制度においても 法律で求められているのは 技術基準への 適合 性の確保であ るが、 その技術基準は 事業者の技術革新のインセンティブを 高め るため、 仕様規定ではなく、 必要な性能のみを 規定する性能規定とされた。 ま た 、 検査については 事後に事業者の 検査実施体制を 審査することとなったので、 事業者が自主保安体制を 継続的に維持し、 安全水準の向上を 図るインセンティ プが 働くことを意図した 仕組みが設けられた。 具体的には、 検査実施体制につ いての審査結果が 優良であ った場合には、 インセンティブとして 審査頻度を軽 滅することとされた。 3 . 安全規制におけるインセンティブの 有効性と課題 ( 1 ) インセンティブ 活用の実情 技術基準の性能規定化によって 事業者の自由度が 高まり、 新技術や民間規格 の導入が促進されることが 期待されたが、 そのメリットを 感じている事業者は 半数程度に、 また、 継続的な自主保安体制を 構築し安全管理審査において 優良 と評定される 件数は 3 割程度にそれぞれ 止まっている。 3 ) また、 事業者と協力会社との 役割分担が不明確で 自主保安体制が 十分に機能 しなかったために 事故に至った 事例や、 事業者の行った 検査結果等が 正しく 記 録されていないことが 安全管理審査において 発覚するというた 事例が生じて いる。 これらは例外的な 事例ではあ るが、 この ょう な事例が続くと 事業者に自 生 保安の充実を 図るインセンティブを 与えるという 制度の趣旨が 生かされず、 却って一般の 人々の不信を 招くことが懸念される。 このように、 電気事業法の 改正で意図したインセンティブが 生かされている とは必ずしも 言えない状況にあ る。 (2 ) インセンティブ 制度の課題 インセンティブとして 安全管理審査頻度の 軽減に関する 事業者の意見を 例 に 挙げると、 優良で継続的な 自主保安体制を 構築し審査頻度が 軽減されても、 次回の審査時に 軽減された日の 検査も改めて 審査対象となるといった 運用上 0 間題や自主検査の 頻度は軽減されないといった 制度上の間 題 があ り、 インセ ンティ プ になっていないとしている。 一方、 検査体制が優良であ ると評定され なくても特段の 追加的な検査等は 通常求められず、 検査実施ごとに 審査を受け れば よい ため、 事業者は従前の 国の直接検査への 対応と同様に 毎回審査を受け 一 916 一

(4)

るというオプションをとることとなる。 事業者にとってのインセンティブは 、 自らの技術的判断により 安全確保を図 りつつ、 設備の運用時間を 延長したり、 検査頻度を低減したりする 自由度を得 ることによって 経済性を高めることであ る。 制度設計の意図は、 事業者がそれ に 必要な体制整備等を 行 う こと通じて保安レベルが 自ら向上することであ る が、 この例の場合には 検査の時期や 頻度は法令により 別途規定されており、 事 業者の自主保安体制に 関する規制制度と 連動していない。 この例からわかるよ う に、 事業者にとっての 明確なメリットが 示されなければ、 事業者に自主的な 保安体制の構築を 促すことは難しい。 また、 従来は規制の 対象は設備であ ったが、 現行規制では 設備を検査する 事 業者の体制が 規制の対象となっているにもかかわらず、 法令上、 規制対象が設 備 ( 種類、 規模等 ) で規定されるという 従来型の規制の 枠組みが残されており、 事業者の自由度を 狭める一因となっている。 (3 ) インセンティブ 安全規制の方向性 産業施設における 安全については、 一義的な責任を 有する事業者が 適切な保 女 体制を構築して 取り組むべきものであ る。 上述の火力発電施設の 例のように 制度上、 国の直接的な 関与 ( 許認可、 検査等 ) が小さい場合はもちろん、 国の関 与 が大きい原子力発電施設の 場合にも事業者の 自主保安への 取り組みを促進 することが重要であ り、 安全規制にインセンティ プ を付与する仕組が 検討され つ っあ る。 国の限られた 人的、 資金的資源を 考慮すると、 安全確保に国が 責任を持っこ との出来るのは、 国民の安全に 直接的な影響を 及ぼす恐れのあ る範囲に重点化 される。 しかしながら、 産業施設における 事故や不祥事等は、 それが直接の 影 響 を及ぼさないようなものであ っても、 頻発する事態となれば 一般の人々の 産 業界や安全規制全般への 不信を招き、 不安を高める 恐れがあ るので、 事業者の 自主保安の充実を 図る必要性が 高まっている。 このため、 事業者が自主保安に 積極的に取り 組むという視点からインセンテ イ ブ規制の有効性を 確認するとともに、 事業者が制度上のインセンティブを 活 用してメリットを 追求すれば、 自主保安体制の 充実と安全レベルの 向上に直結 することとなる 仕組みを、 どのように制度に 取り込むのかが 今後の課題であ る 0 。 その際、 個々の法令体系に 応じた制度設計を 行 うに 際して、 事業者の自主保安 に 委ねることのできる 範囲と国の関与のあ り方が論点となると 考えられる。 [ 参照文献 ] 1) 社会的規制研究会編「これからの 社会的規制」、 ( 財 ) 通商産業調査会 ( 平成 8 年 ) 2) 吉川華子 他 (2003) 、 「技術的安全と 社会的安心」、

社会技術研究論文集

Vol.1,1.8.oct.2003 3) 総合資源ェ ネ、 ルギ 一調査会 電力安全小委員会 中間報告及び 同報告 ( 平成 14 年 6 月 20 日、 15 年 5 月 30 日 ) 一 917 一

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