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MRI-Based Risk Factors of Hepatocellular Carcinoma in Patients With Chronic Liver Disease: A Prospective Observational Study 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 清水 辰哉 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工農博4甲 第 6 号 学 位 授 与 年 月 日 令和 2 年 3 月 19 日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 先進医療科学専攻

学 位 論 文 題 名 MRI-Based Risk Factors of Hepatocellular Carcinoma in Patients With Chronic Liver Disease: A Prospective Observational Study (慢性肝疾患患者において肝細胞癌発生のリスク因子となる MRI 画像所見:前向き観察研究) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 近藤 哲夫 委 員 准教授 横道 洋司 委 員 准教授 佐藤 公

学位論文内容の要旨

(研究の目的) 慢性障害肝には肝細胞性造影剤を取り込まない乏血性結節が生じることがあり、これらは進行肝細胞 癌の前段階である早期肝細胞癌に相当することが、これまで多くの研究で示されている。そのような 結節を有する肝臓(Non-clean liver)はそうでない肝臓(Clean liver)よりも進行肝細胞癌の発生 率が高いことが予想される。またMRエラストグラフィーにより計測した肝弾性率(Liver stiffness) も肝細胞癌発生のリスク因子であることが知られている。過去にそれらを証明した研究はいずれも後 ろ向き研究であり、それを前向き研究で証明することが本研究の目的である。

(方法)

2012年3月から2014年5月の間に肝細胞性造影剤を用いてMRI撮影をした慢性肝障害の患者110名を対 象とした。患者を上記乏血性結節の有無により2群(Clean liver群とNon-clean liver群)に分け、 また肝弾性率の結果に応じて2群(Stiff liver群とSoft liver群)に分けた。各群の肝細胞癌発生率 をカプランマイヤー曲線により比較した。また乏血性結節の有無と肝弾性率の他、各患者の年齢、性 別、肝硬変、脂肪肝、アルコール多飲歴、糖尿病、高度肥満、慢性ウイルス性肝炎の有無について調 べ、それらが肝細胞癌発生の有意なリスク因子となるかCox回帰分析を用いて検討した。

(結果)

Clean liver群が76名、Non-clean liver群が34名となった。またStiff liver群は53名、Soft liver 群は45名であった(12名はMRエラストグラフィー未施行)。観察期間中、16名の患者に肝細胞癌が発 生した。Non-clean liver群はClean liver群に比して有意に高い肝細胞癌発生率を示した(3年後の 肝細胞癌発生率はそれぞれ50.4%と5.7%; P<0.05)。Stiff liver群とSoft liver群との間では有意差

(2)

は見られなかった(3年後の肝細胞癌発生率はそれぞれ29.7%と12.6%; P=0.07)。Cox回帰分析の単変 量解析では、高齢(65歳以上)であること、Non-clean liver、Stiff liverがリスク因子となった。 これらを多変量解析した結果、高齢とNon-clean liverが有意なリスク因子として示された。 (考察)

Clean liver群の患者53名には、観察開始から18ヶ月の間、肝細胞癌の発生が1例も見られなかった。 この群のうち50名は肝硬変と診断されており、26名はStiff liver群に入る(従来、肝細胞癌発生の 高リスク群と見なされるべき患者である)。Stiff liver群とSoft liver群との間で結果に有意差が 出なかったのは、セレクションバイアスが関与している可能性がある(外来医師によりMRI検査が必 要と判断された患者は全体的に肝弾性率が高い傾向にあると思われる)。 (結論) 肝細胞性造影剤を取り込まない乏血性結節の存在は、その後の肝細胞癌発生の重要なインジケーター である。

論文審査結果の要旨

1.学位論文研究テーマの学術的意義 肝細胞癌の多くは慢性障害肝を背景に発生する。特に B 型慢性肝炎、C 型慢性肝炎、肝硬変は肝細 胞癌の高危険度群であり、本邦では肝細胞癌の早期発見と予後予防効果を目的として肝細胞癌のサー ベイランスが行われている。肝細胞癌のサーベイランスは定期的な間隔の腹部超音波検査と腫瘍マー カー測定が中心となり、dynamic CT や dynamic MRI も併用される。近年、Gd-EOB-DTPA 造影 MRI(以 下 EOB-MRI)によって肝細胞機能と血流動態の評価が同時に行えるようなり、肝結節性病変の質的診 断技術が著しく向上した。また MR エラストグラフィによって肝臓の線維化を高い感度と特異で評価 することも可能となった。EOB-MRI で検出される“肝細胞性造影剤を取り込まない乏血性結節”は進 行性肝細胞癌の前段階である早期肝細胞癌や異型結節に相当することがこれまでの研究で示唆され ているが、進行肝細胞癌発生のリスク因子であるかについては十分な証明がなされていない。また肝 硬変は肝細胞癌の発生のより高いリスク因子として知られているが、MR エラストグラフィによる肝 線維化の評価が肝細胞癌発生を予測できるかについても課題となっている。本研究は慢性肝障害患者 を対象として EOB-MRI で検出される“肝細胞性造影剤を取り込まない乏血性結節”と MR エラストグ ラフィによって評価される肝弾性率 liver stiffness が進行肝細胞癌のリスク因子となるか前向き 研究で証明を試みている。 2.学位論文及び研究の争点、問題点、疑問点、新しい視点 本研究は “肝細胞性造影剤を取り込まない乏血性結節”を有する慢性肝障害患者群は結節のない 群よりも高い進行肝細胞癌発生率を示した。さらに結節のない群には肝硬変患者が多く含まれている にも関わらず観察期間中に進行肝細胞癌の発生を認めなかった。これらの結果は EOB-MRI による“肝 細胞性造影剤を取り込まない乏血性結節”の存在は治療対象となる肝細胞癌発生の重要なリスク因子 となることを証明している。本研究は肝細胞癌のサーベイランスにおいて新たなリスク層別化の重要 なエビデンスになるものと予測する。

一方、MR エラストグラフィによる肝線維化の区分(soft liver と stiff liver)は肝細胞癌発生 予測の因子として有意差のでない結果となった。MR エラストグラフィを施行された患者のセレクシ

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ョンバイアスが原因の一つと考えられるが、今後も継続して検討すべき課題として残された。 3.実験及びデータの信頼性 申請論文に材料と方法が適切に記載されている。図表に示されている結果は明快で、その結果の解 釈も妥当である。審査時の質疑応答、自己担当報告書から申請者が主たる解析を自ら行っていること、 指導者、共同研究者らに適切な助言を受けていると判断され、本研究のデータには十分な信頼性があ ると評価する。 4.学位論文の改善点等: 提出された論文の書式、内容、図表、英文は学位論文としての十分な水準にあり、修正、加筆の必 要なしと判断した。

参照

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