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バングラデシュ

平成 14 年 3 月

国際協力事業団

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国別障害関連情報 バングラデシュ 目次 図目次 ... iii 略語表 ... iv 1. 基礎指標... 1 1-1. 一般指標 ... 1 1-2. 障害関連指標 ... 3 2. 障害に関する概要... 9 2-1. バングラデシュにおける障害の定義 ... 9 2-2. 障害に関する現状 ... 10 2-3. 障害に関する調査・統計の整備状況 ... 13 3. 障害関連施策... 16 3-1. 障害関連行政 ... 16 3-2. 障害関連法律 ... 19 3-3. 障害者関連施策 ... 20 3-4. 施策の概要 ... 20 3-5. 障害分野専門家・ワーカー ... 29 4. 障害分野における活動の概況 ... 30 4-1. 障害関連団体による活動 ... 30 4-2. 国際機関・その他の機関の障害分野に関する援助実績 ... 31 5. 参考資料... 33

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図目次 図 1.障害種別割合 1999 年... 3 図 2.年齢別障害者数 1995 年 ... 4 図 3.都市・農村部別障害者分布 ... 4 図 4.都市部における障害種別割合 1999 年 ... 5 図 5.農村部における障害種別割合 1994‐1999 年 ... 5 図 6.身体障害者の程度別割合 ... 6 図 7.視覚障害者の程度別割合 ... 6 図 8.聴覚障害者の程度別割合 ... 7 図 9.知的障害者の程度別割合 ... 7 図 10.障害の原因別割合... 8 図 11.男女別障害者数 ... 8

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略語表 ABC Action for Blind Children ADL Activities of Daily Living

AIDS Acquired Immune Deficiency Syndrome

AWDP Association for the Welfare of the Disabled People BDF Bangladesh Drishtihin Foundation

BNSB Bangladesh National Society for the Blind CBR Community-Based Rehabilitation

CDD Centre for Disability in Development

CHAD Community Approaches to Handicap and Disability CRP Centre for Rehabilitation of the Paralyzed

CSID Center for Services and Information on Disability CUSO Canadian University Services Overseas

DFID Department for International Development DRRA Disabled Rehabilitation and Research Association

ESCAP Economic and Social Commission for Asia and the Pacific GDP Gross Domestic Product

GNP Gross National Product GOs Government Organizations

HICARE Hiroshima International Council for Health Care of the Radiation-Exposed

HIV Human Immunodeficiency Virus HKI Helen Keller International IFB Impact Foundation Bangladesh

JICA Japan International Cooperation Agency NCC National Coordination Committee NCSE National Center for Special Education

NFOWD National Forum of Organizations Working with the Disabled NGOs Non-Government Organizations

NORAD Norwegian Agency for Development ODA Overseas Development Assistance

SAHIC Society for Assistance to the Hearing Impaired Children

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UNESCO United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization USAID US Agency for International Development

USC Union Sub-Centre

VDDC Village Disability and Development Centre VHSS Voluntary Health Services Society

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1. 基礎指標

1-1. 一般指標 セクター別政府支出1 保健医療 (対 GDP 比) 1.6% 1996-98 年 教育   (対 GNP 比) 2.2% 1997 年 社会福祉 (対公共支出) N/A 軍事・防衛(対 GNP 比) 1.4% 1997 年 人口 1 総人口 129.8 百万人 2000 年 女性人口比率 49.6% 2000 年 都市人口比率 N/A 平均寿命2(全体) 58.9 才 1999 年 男性 58.9 才 1999 年 女性 59 才 1999 年 医療 医療従事者数2 医師 1 人あたりの人口 5,000 人 1990-99 年 看護師・助産師 1 人あたり の人口 20,000 人 1992-95 年

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教育 教育制度3 初等教育年数  5 年 義務教育年数 5 年 成人識字率 男 51% 1998 年 女 49% 1998 年 就学率 初等教育(純就学率) 全体 75% 1997 年 男 80% 1995-99 年 女 83% 1995-99 年 初等教育4(総就学率) 全体 72% 1990 年 男 77% 1990 年 女 66% 1990 年 中等教育(純就学率) 全体 22% 1997 年 男4 24% 1990 年 女4 12% 1990 年 高等教育4(総就学率) 全体 4% 1990 年 男 7% 1990 年 女 1% 1990 年

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1-2. 障害関連指標5 障害別統計 図1.障害種別割合 1999 年 身体障害 43% 視覚障害 23% 聴覚障害 21% 知的障害 8% 重複障害 5%

出典: Impact Foundation Bangladesh (IFB). Center for Services and Information on

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年齢別 図2.年齢別障害者数 1995 年 301 1745 1220 2344 2305 0 500 1000 1500 2000 2500 0-5 6-15 16-30 31-50 51+ 年齢 障 害 者 数 (10 ヶ所のプロジェクト地域を対象とした統計)

出典: Voluntary Health Services Society (VHSS), Action Bangladesh, Center for Services and Information on Disability (CSID), Impact Foundation Bangladesh

地域別 図3.都市・農村部別障害者分布 528 3529 612 3934 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 都市部 農村部 男性 女性

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図4.都市部における障害種別割合 1999 年 視覚障害 12% 重複障害 44% 聴覚障害 25% 身体障害 3% 知的障害 16%

出典: VHSS, Country Profile Study on Persons with Disabilities in Bangladesh, 2000

図5.農村部における障害種別割合 1994‐1999 年 視覚障害 7% 重複障害 49% 聴覚障害 26% 身体障害 4% 知的障害 14%

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障害程度別 図6.身体障害者の程度別割合 レベル1低度 レベル2中度 レベル3重度 レベル4 最重度

出典: VHSS, Country Profile Study on Persons with Disabilities in Bangladesh, 2000

図7.視覚障害者の程度別割合 レベル2中度 14% レベル3重度 5% レベル1低度 81%

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図8.聴覚障害者の程度別割合 レベル1低度 21% レベル2中度 64% レベル3重度 15%

出典: VHSS, Country Profile Study on Persons with Disabilities in Bangladesh, 2000

図9.知的障害者の程度別割合 レベル1低度 13% レベル2中度 58% レベル3重度 29%

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原因別 図10.障害の原因別割合 先天性 20% 病気 44% 事故 13% 無知・不注意・栄 養失調 9% 不明 14%

出典: VHSS, Country Profile Study on Persons with Disabilities in Bangladesh, 2000 ジェンダー別 図11.男女別障害者数 528 3529 612 3934 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 4500 都市部 農村部 人 男性 女性

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2. 障害に関する概要

2-1. バングラデシュにおける障害の定義 バングラデシュ政府は初の障害者の総合的法律である「バングラデシュ障害者福祉法 令 2001」を 2001 年 4 月に採択した。この法令には障害者の定義が記されている6 1. 障害者とは以下の人々を指す。 a. 生まれつき、または病気や事故の結果、身体的な障害を持ったり、虐待や その他の理由で身体的に不自由になったり、精神的バランスを欠いたりし た人。 b. このような障害や精神状態の低下の結果として、 ・ 部分的または、全体的に障害をもつ人。 ・ 通常の生活が送れなくなった人。 2. 以下に相当する障害を持つ人は上記の障害者の定義に入るものとする。 a. 視覚障害者 ・ 片目が見えない。 ・ 両目が見えない。 ・ レンズ で矯正 したよ く見えるほう の目が視覚検査の 6/60 または 20/200(Senellen)を超えない。 ・ 視野が限られており、その範囲が 20 度以下である。 b. 身体障害者 ・ 片手、または両手を失っている。 ・ 全体、または部分的に手の感覚を失っている。または、手の感覚が弱 く上記 1a.と 1b.で述べた状況に当てはまる。 ・ 片足、または両足を失っている。 ・ 全体、または部分的に足の感覚を失っている。または、足の感覚が弱 く上記 1a.と 1b.で述べた状況に当てはまる。 ・ 身体的な奇形がある。

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い。 d. 言語障害者 ・ 意味のある言語や音を発音する能力を、部分的または全部失ったり、 障害があったり、機能不全になっている。 e. 精神障害者 ・ 精神的成長が年齢に相応せず、知能指数が平均値よりもはるかに低い。 ・ 精神の均衡を部分的または全体的に失っていたり、損傷したりしてい る。 f. 重複障害者 ・ 上記の 2 つ以上の障害を持つ。 g. 調整委員会が定義するその他の障害を持つ者。

バングラデシュは世界保健機関(WHO: World Health Organization)の完全なメンバー であり、現在、WHO の理事会のメンバーでもある。バングラデシュは WHO による障 害の定義と分類を採択しており、その定義や分類は、国の考え方にもっとも関連性があ り、一致していると考えられている。 2-2. 障害に関する現状7 バングラデシュには多くの障害者がいると考えられ、それらの障害は人口過剰、極度の 貧困、知識・関心の欠如、そして何よりも医療とサービスの欠如に起因する。バング ラデシュにおいて、障害は当然のことながら大きな社会・経済的現象であるが、これに ついての信頼できるデータがほとんど存在せず、総合的な国の調査もない。バングラ デシュ政府の調査では、1982 年、1986 年および 1998 年の全国の障害者率はそれぞれ、 0.64%、0.5%、1.60%と推定されている。アクション・エイド・バングラデシュ(Action Aid-Bangladesh)と身体障害者のための社会的援助およびリハビリテーション(SARPV: Social Assistance and Rehabilitation for the Physically Vulnerable)は、全人口における障害 者の割合は 8.8%としている。一方、Bangladesh Protibandi Kalayan Samiti は 7.8%と記 録している。ジュリアン・フランシス博士は、イギリス政府 ODA 援助運営局の 1995

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年報告書において、障害者の人口は 900 万人でそのうち少なくとも 700 万人が地方に 住んでいると推定している。一方 WHO は世界的な推定として、人口のおよそ 10%が 何らかの障害を持っているとしており、国内調査による推定値はこれよりも低く見積 もられている。また、バングラデシュの農村においては障害者の割合が多い、という 情報もある8 近年、政府やそれ以外のレベルでの努力によって、改善の兆しが見られるようになっ てきたが、障害者の全体的な状況は依然として良いといえる状況からはほど遠い。事 実、障害者福祉はバングラデシュのサービス提供分野としてはは優先度が一番低く位 置付けられている。以下はバングラデシュの障害者に関する個々の問題の現況である。 1. 認識と教育 歴史を通して障害者は常に「無知、恐怖、迷信」と関連付けて考えられてきた。この ような思い込みの直接的な結果として、障害者は「無視」され続けてきた。このよう な無視が障害者を家庭内や地域におけるの通常の経済的、社会的、政治的活動から遠 ざけ、基本的サービスや教育などからも排除してきた。地域レベルにおいて、障害者 に対する認識を高めるための体系的な方策はとられていない。 2. 社会での厄介者扱い 多くの障害者が実りある生活を送ることができるにも関わらず、彼らは社会から無視 されている。バンクラディッシュの社会では多くの人々が障害者をその家族の呪いと 考え、彼らの状況に非同情的であるため、家族は当惑している。この国では、障害を 持つ女性は特に社会の差別に対して弱い立場にあり、無視されている。 3. リハビリテーション 数少ないデータによると、障害者人口の約 70%が医療リハビリテーションや社会的な 援助のような特別な対応を必要としている。バングラデシュにおいて、医療サービス の提供制度やその取り組みは、障害者への医療リハビリテーションを含んでいない。

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最低限のレベルの医療リハビリテーションサービスが NGO の取り組みを通して可能 になっているが、それらは都市部に集中している。 4. 限られた雇用機会 障害者は通常、政府・非政府の多くの開発プログラムから除外されている。障害者の 平等な権利を保護する国の政策(障害者への 10%の雇用割当てなど)にもかかわらず、 現実には、障害者は不平等な競争や無視の問題に直面している。推定によると、雇用 されている障害者の実際の数字は 1%以下であろうと考えられている9。いくつかの団 体による取り組みはあるものの、障害者の雇用機会はほとんどない。 5. サービス施設の不足 障害者へのリハビリテーション治療や医療援助のためのサービス施設が不十分である。 障害の種類や程度が様々なため、より細かな治療やそのための費用が必要であるが、 多くの障害者とその家族はそのようなサービスを受ける経済的余裕がない。 6. 訓練施設 障害者を援助する人々を訓練する施設は、専門家レベルでも初歩的なリハビリテーシ ョン治療のレベルでも不足している。 7. 政府、NGO、関連団体の協力 障害者関連の活動と障害者と共に働いている団体、特に政府と NGO の間の十分な協 力が不足している。 8. 農村部における障害者のサーブビスへのアクセス向上 農村部で生活する障害者数は、都市部の約 6 倍である。しかし、医療やリハビリテー ションサービスを提供する施設は都市部に集中しているため、サービスを受けられな い障害者は伝統的治療など、不適切あるいは不十分な治療しか受けていない。アクセ ス向上のためには、農村の障害者がアクセスしやすい施設分布を考慮した施設配置や、 障害者の施設利用を妨げていた交通手段、施設利用費の負担の問題を解決する支援が 必要である。さらに、施設によらない地域に根ざしたリハビリテーションによって、 可能な限り障害の予防、リハビリテーションに努めることも必要である。

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9. 障害者の地位向上 障害者は古くから災いのもと、恐れの対象、無知な者等、否定的なイメージをもたれ、 特に女性の障害者は社会的弱者となっている。政府は国民の障害に対する認識の向上 と障害者の社会参加を目指す目標は掲げているが、社会リハビリテーションの分野で 明確な政策は立案されていない。政策立案者がまず意識を向上させると共に、障害当 事者が積極的に政策立案に参加できることが望ましい。同時に、リハビリテーション や雇用促進活動を展開し、障害者が能力を発揮できるための支援も行わねばならない。 2-3. 障害に関する調査・統計の整備状況 国勢調査 政府による障害者関連の全国的な調査が行われておらず、国勢調査にも障害者関連の 項目は含まれていない。NGO などによる特定分野・地域についての部分的調査はある が、国全体の障害者の現状は見えてこない。政府のイニシアティブと NGO の協力に より、包括的な調査を行い全国的な統計・情報整備を行うことは、データに基づく障 害者政策を立案するために重要である。 前回の国勢調査は 1991 年に行われたが、政府の障害者に対する認識とプログラムの欠 如のため、障害者に関する設問はこの調査には盛り込まれなかった。 この 10 年間、政府や政策決定者の間で障害者に対する認識と動機付けが向上してきた ので、次回の国勢調査では障害者の問題が取り上げられることが期待される。最近の 国勢調査は 2001 年である10 【タイトル】 不明 【実施頻度/最新版】 通常 10 年毎 【障害者関連項目】 1981 年、1991 年に行われた国勢調査はあらゆる種類の情報を収集したが、障害者につ いての詳細は含まれていなかった。

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な情報として、特定の場所やプログラムのための活動を計画するために役立てられて いる。障害者の分布は社会的、経済的状況や、地理的状況により異なるので、これら の調査結果は国全体のデータとして一般化することはできない。

【タイトル】 ダッカ市におけるストリート・チルドレンの状況・ニーズ分析

Situation Analysis and need Assessment on Street Children with Disabilities in Dhaka City

【実施者】 障害サービス情報センター

(CSID: Center for Services and Information on Disability) 【障害者関連項目、目的】

障害を持つストリート・チルドレンの社会・経済的現状を調査し、彼らの生活に影響 を及ぼす問題点を探る。また、彼らの置かれている状況を改善するための適切かつ実 行可能な手段を提案する。

(詳細については右記の文献を参照。Center for Services and Information on Disability.

Street Children with Disabilities. Dhaka: CSID. 1999.)

【タイトル】 ジボン・タリ水上病院のサービス提供に関するニーズアセスメント

Hope for the Millennium: Need Assessment Survey on Delivery of Services from “Jibon Tari” Floating Hospital

【実施者】 インパクト・ファンデーション・バングラデシュ

(IFB: Impact Foundation Bangladesh ) 【障害者関連項目、目的】

IFB の水上病院プロジェクト、「ジボン・タリ(Jibon Tari)」の今後の方針を立てるため の人口統計学的および衛生関連の情報調査。

( 詳 細 に つ い て 右 記 の 文 献 を 参 照 。 Impact Foundation Bangladesh. Hope for the

Millennium: Need Assessment Survey on Delivery of Services from “Jibon Tari” Floating Hospital. Dhaka; IFB. 1999.)

【タイトル】 バングラデシュ沿岸地帯の災害と障害に関する状況調査

Unveiling Darkness: Situation Analysis on disaster and Disability Issued in the Costal Belt of Bangladesh

【実施者】 障害サービス情報センター

(CSID: Center for Services and Information on Disability) 【障害者関連項目、目的】

沿岸地帯に住む自然災害による障害者の状況を調査し、障害の予防とリハビリテーシ ョンに関する適切な政策へ影響を与えることを目的としている。

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【タイトル】 災害と障害:サトゥリアにおける障害者状況

Disaster and Disability: A Look into the Situation of the Long Term Disabled in Saturia

【実施者】 Rahman, Atiur (BIDS), M. Shahidul Haque (SARPV), et.al. 【障害者関連項目】

災害による障害者に関して調査を行い、災害が彼らにどのような影響を及ぼしたか、 家族やコミュニティの対応はどのようなものであるか、また彼らの社会、経済的リハ ビリテーションのために何ができるかを探る。

(詳細については右記の文献を参照。Rahman, Atiur, M. Shahidul Haque, et al.. Disaster

and Disability: A Look into the Situation of the Long Term Disabled in Saturia. )

【タイトル】 障害罹患率のベースライン調査

Four Baseline Surveys on Prevalence of Disability

【実施者】 アクションエイド・バングラデシュ、障害/エイズ調整ユニット

Disability & AIDS Coordination Unit, ACTIONAID Bangladesh 【障害者関連項目】

障害者の分布、障害の原因、障害者のニーズを把握し、リハビリテーションのための 社会、経済的資源を認識する。

(詳細については右記の文献を参照。Kabir, Nazma, Nefeesur Rehman. Four Baseline

Surveys on Prevalence of Disabilities. Dhaka: The Disability & AIDS Coordination Unit,

ACTIONAID Bangladesh. 1996.)

【タイトル】 障害:バングラデシュ農村、ナルシンジ 4 村の調査

Disability: A Profile in Rural Bangladesh: Study on 4 Villages at Narsingdi

【実施者】 医療サービス・ボランティア協会

(VHSS: Voluntary Health Services Society ) 【障害者関連項目】

障害者の分布を把握し、彼らが属するコミュニティの社会・経済的状況を評価する。 ナルシンジ(Narsingdi)の 4 つの村における地域に根ざしたリハビリテーション・プ ログラムの可能性を探る目的で行われた調査。

(詳細については右記の文献を参照。Voluntary Health Services Society. Disability A Profile

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3. 障害関連施策

3-1. 障害関連行政 中央政府行政 【中央政府行政組織図】 下記の資料を参照のこと。 【障害者福祉担当機関】11 【機関名】 【概要】 保健・家族福祉省 (Ministry of Health and Family Welfare)

国家レベルの保健医療行政の最高機関。政策の立案とマクロ 計画を担当。保健医療サービス総局(Directorate General of Health Services)と家族計画総局(Directorate General of Family Planning)の 2 つの独立した総局がある。 社会福祉省 (Ministry of Social Welfare) 障害者の保護、ケア、教育、訓練、リハビリテーションの各 種プログラムの立案、実施。 社会サービス局 (Department of Social Services) 障害者の保護、ケア、教育、訓練、リハビリテーションの各 種プログラムの立案、実施。 施設サービス局 (Directorate of Institutional Services) 障害者の保護、ケア、教育、訓練、リハビリテーションの各 種プログラムの立案、実施。 障害者の発展のための 国家基金 (National Foundation for the Development of the Disabled)

障害者問題に取り組む政府や NGO を指導・支援するために 設立された。

【国内援助調整委員会設置状況】設置されている

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【行動課題と実施状況】 1993 年に社会福祉省の大臣が議長となり、宣言を支持するために設定された。NCC は 52 のメンバーからなり、バングラデシュ政府、NGO、自助団体の女性や障害者を含む 代表で構成されている。委員会の設定以来、7 回の会議が開かれた。NCC はバングラ デシュの NGO の調整役的な機関である NFOWD と緊密な協力と双方的交流を図って いる。 NCC の目的は相互理解と協力に向けての政府と NGO の開かれた対話の場を提供する こと、また、政府と NGO の協力を妨げる問題を特定し話し合うこと、政府と NGO 協 力のためにより良い政策や制度的な環境を整えること、国の開発において NGO の介 入をより促進する手法を提言することなどである。 地方政府行政 【障害者福祉担当機関】12 省(Division)にはそれぞれ副長官(Deputy Director)が置かれている。その下には、 県(District)の保健サービスの長として、民間外科医(Civil Surgeon)がいる。民間 外科医は、医学校と病院を除いて、県の全ての保健活動に関する責任を持っている。 ウポジラ13ではウポジラ保健・家族計画担当官(UHFPO: Union Health and Family Planning Officer)がウポジラ以下での保健サービス責任者となっている。ユニオンの レベルでは保健家族福祉センター(UHFWC: Union Health and Family Welfare Centres) /サブセンター(USC: Union Sub-Centre)がある。

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【地方政府行政組織】14 保健行政組織 副長官 補佐官 医務官 上級家族福祉訪問員 家族福祉訪問員 医務補佐 医務官 専門医 衛生監視員 民間外科医 (Civil Surgeon) ウポジラ保健複合施設 家族計画担当官 ウポジラ保健・家族計画担当 上級監視員 家族計画補佐 家族福祉センター 地方診療所 衛生監視員補佐 家族福祉専門員 医務官補佐 薬剤師 医務官 医務官補 薬剤師 家族福祉補助員 区レベル・チーム 保健補助員 県レベル ウポジラ・レベル ユニオン・レベル     管轄 (選挙) 区レベル

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3-2. 障害関連法律

【法律名】 バングラデシュ障害者福祉条例 2001

(Bangladesh Persons with Disability Welfare Act 2001)

【施行年】 2001 年

【目的】 障害者の機会均等と福利の提供

【概要】

障害者に対し、平等な機会と福利、恩恵などを提供する。

【法律名】 障害者に関する国家政策

(National Policy Concerning the Disabled Persons)

【施行年】 1995 年 【目的】 障害者のすべての権利と施設提供を保障する政策の編成 【概要】 以下の 14 章から構成されている。予防、発見と対策、早期発見、補そう具、教育、リ ハビリテーション、人的資源の開発、雇用、研究、移動のためのアクセシビリティー と設備、情報、レクリエーション、自助の取り組みの実施・調整。 【法律名】 障害者の平等な機会、権利、社会参画に関する法案

(Draft Legislation on equal opportunity, rights and full participation of the disabled persons)

【施行年】 1997 年 【目的】 障害者に関する国家政策を実施するための法律 【概要】 バングラデシュの障害者のために働いている団体や行政機関の努力の結果として、障 害者と働く団体の国家フォーラム(NFOWD)が調整役となって起草した。 法案は以下の表題に関する 32 の章から成る。定義、予防、発見、相互教育、重度障害 者や複合障害者のための教育、政府の役割、保健サービスやリハビリテーション、リ ハビリテーションセンター、人的資源の開発、雇用、研究、移動のためのアクセシビ リティーと設備、情報、レクリエーション、複合障害者のためのサービス団体、社会(財 産)保障、政府の様々な役割、自助団体の強化、障害者のための福祉団体、登録証明書、 国家調整委員会(NCC)、障害者に関する理事会、政策の実施と調整。

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3-3. 障害関連施策 国家開発計画の概要 【計画名】 第 5 次 5 ヵ年計画(1997−2002) 【施行年】 1997 年 【障害者福祉関連政策の内容】 直接障害者に関する項目はないが、最も社会的に弱い立場にある人々に関するいくつ かの記述はある 。 3-4. 施策の概要 1971 年の独立以来、適正な保健治療や交通規則、社会保障の欠如により、多くの人々 が障害を持ったり、社会的な弱者になったりした。身体的な不自由の結果、これらの 人々は、教育、雇用、リハビリテーション、その他の生活の側面で法律的保護や機会 に制約があり、社会において無視され、尊厳を持って生きることが困難である。障害 者問題への取り組みは、国連や多くの団体による障害者のために何かをしようという 意思によって、推し進められてきた。しかし、適切な法律や行政措置、注意や認識が ないために、十分な対策が立てられていない。 障害者のニーズや権利についての認識が高まるにつれ、総合的な特別法を導入する期 待が強まった。1972 年に制定された憲法は、障害者の生きる権利や基本的ニーズを保 障しているが、現実には適切な指導力や資源の不足によりこれらは実現されておらず、 その結果、障害者は生活のあらゆる面で適切な生活環境を得ることができていない。 このような障害者のニーズをふまえて、国家政策は以下の項目について網羅している。 ・ 障害の予防・早期発見・療育 ・ 障害者に関する義務教育、特殊教育または障害者の義務教育への統合 ・ 政府・NGO による社会サービス(技術支援、アクセシビリティーなどの 重要課題) ・ 医学・職業リハビリテーション(在宅ケア、施設におけるケア) ・ 障害者の雇用促進(保護作業所、ワークショップ、その他での雇用)

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障害の予防、発見、早期療育 【現状】 バングラデシュ障害者福祉条例 2001 では、障害の予防と認識に関する活動について以 下のように言及されている15 障害の予防 1. 障害を引き起こす要因および障害の予防に関する民衆の意識向上を目的に、マス メディアを通じたキャンペーンを行う。 2. ソーシャル・ワーカー、ボランティア組織の障害予防プログラムへの参加を促す。 3. 障害予防のための予防接種プログラム実施に向けた協力を促す。 4. 障害の原因となる事故の予防に関する情報を提供する。 5. 出産前後の母子ケアに関する情報を提供し、また将来母親となる女性に必要な補 そう具を提供して障害を予防する。 6. 障害を引き起こす要因、治療に関するデータの収集、調査を行う。 7. 騒音公害の予防を支援するプログラムを行う。 8. 欠陥のある乗物の使用を阻止するプログラムを行う。 サ医療サービス・リハビリテーション 【現状】

インパクト・ファンデーション・バングラデシュ(IFB: Impact Foundation Bangladesh) は民衆の認識、障害の予防、リハビリテーションの分野に従事している。主な取り組 みは水上病院(Jibon tari)建設のプロジェクトである。これは河沿いの遠隔地に住む 障害者に、一般的な治療や特別な外科手術のサービスを提供するものである。1999 年 4 月に建設以来、この病院は河岸の最貧層の人々のために眼科手術を 500 例、耳鼻咽 喉科の手術を 210 例、整形外科手術を 340 例行い、9540 人に特別な治療を施した。

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団体があり、視覚障害者に対して直接・間接的に支援をするプログラムを実施してい る。BNSB は世界盲連盟(World Blind Union)のメンバーであり、国の代表でもある。

運動障害者のための補そう具はほぼ現地生産されているが、一般的にその質は低い16 ここ数年間に障害者整形外科病院で義足、義手が作られるようになり、また車椅子、 トロリー車(trolley)、三輪車、歩行器、カリパス(calipers)、矯正器、松葉杖を生産 する起業家も現れてきた。補そう具の輸入には関税が免除され、富裕層は主に中国、 インド、ノルウェー、シンガポール、イギリス、アメリカから輸入した補そう具を利 用している。地元固有の補そう具の生産を除くと、バングラデシュ国内の補そう具の 需要のうち 15%が先進国や NGO からの輸入および寄付によるものである。バングラ デシュ国内で生産される近代的補そう具は資金、技術的支援、技術者が不足している ため需要に追いついていない。 教育 【現状】 現在、バングラデシュの教育、訓練、リハビリテーションのプログラムは、主に施設で 行われている。特殊教育、インクルーシブ教育、統合教育の機会の不足は、通常の教育 サービスにおける施設・人材の不足、低い識字率、両親や保護者の貧困などが原因と なっており、政府と NGO は障害者の教育、訓練、リハビリテーションの分野で活発 な活動を始めている17 バングラデシュ障害者福祉条例 2001 では、教育に関する活動について以下のように言 及されている18 1.障害児のニーズを満たす特殊教育機関を設立し、特別なカリキュラム、テキストを 作成し、必要であれば特殊試験制度(Special Examination System)を導入する。 2.18 歳以下の全ての障害児に無償で教育を提供し、無料または低価格で本や備品を

16

Economic and Social Commission for Asia and the Pacific. Production and distribution of assistive devices for people with disabilities: Part Two. Retrieved February 8, 2002 from

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提供する。 3.障害児を普通学校の授業に統合する機会を設ける。 4.障害者に職業訓練を提供するプログラムを行う。 5.障害者と共に働く教師やその他職員に対し訓練を行う。 6.障害者の生活様式や彼らが直面している問題に関する民衆の認識を高めるために、 初歩的な社会科学分野の教科に関連事項を盛り込む。 8. 障害を持つ学生の通学を容易にするため、交通機関を整備する。 特殊教育 バングラデシュ政府は「2000 年までにすべての人に教育を」というスローガンを掲げ、 公教育、ノンフォーマル教育においてこの目標を達成しようとしてきた。障害者のた めの行政機関は次の 5 タイプの教育プログラムを実施している。 1. 特殊教育プログラム 特殊学校や特殊施設において特別なクラスをつくり、特殊教育を行う。 2. 家庭での教育プログラム 特殊訓練を受けた教師による障害児のための移動型教育システム。 3. 統合教育 一般の教育システムの中で特別な調整をして、障害児を教育する。 4. 遠隔教育プログラム マルチメディアと印刷教材を使った遠隔教育システム。 5. インクルーシブ教育 障害児に特別な調整をしない総合的、統合的教育システム。いくつかの NGO が非 公式な教育プログラムにおいてこの方法を始めた。 これら 5 つのすべてがバングラデシュで行われており、特に知的障害児には特殊教育 が適用されている。インクルーシブ教育システムは満足のいくレベルには至っていな い。

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ーは 1 件のみである。

また、NGO が以下のような活動を行っている。

・ バングラデシュ聾唖連合(Bangladesh Deaf and Dumb Federation) 都市部に 3 件の施設を設立。

・ HICARE

聴覚障害者のための学校を全国各地に設立。

・ 聴 覚 障 害 児 を 支 援 す る 会 ( SAHIC: Society for Assistance to Hearing Impaired Children)

1992 年に就学前教育プログラムを開始。

・ サルベーションアーミー(Salvation Army)とワールドコンサーン(World Concern) 聴覚障害児のために 1988 年から学校教育プログラムを運営。

・ 障害リハビリテーション調査協会(DRRA: Disabled Rehabilitation and Research Association)

障害児のための学校教育プログラムを運営。

・ ボランティア保健サービス協会(VHSS: Voluntary Health Service Society) アドボカシーやロビー活動によって聴覚障害児を通常の学校プログラム統合。

知的障害者のための教育プログラム

バングラデシュの社会福祉事業庁は国立特殊教育センター(NCSE: National Center for Special Education)を首都のダッカ(Dhaka)に設立している。NCSE は知的障害者、視 覚障害者、聴覚障害者のための教育と訓練プログラムを運営している。1977 年には、 障害者の両親とソーシャルワーカーにより「バングラデシュ知的障害者の介護と教育 の会(SCEMRB: Society for the Care and Education of the Mentally Retarded Bangladesh)」 が設立された。この団体は現在、バングラデシュ知的障害者の福祉の会( SWID Bangladesh: Society for the Welfare of the Intellectually Disabled, Bangladesh)として知ら れている。SWID Bangladesh は全国に 38 の支部を持っている。国家特殊教育(National Special Education)とバングラデシュ・プロティボンディ基金(Bangladesh Protibondhi Foundation)は知的障害児の教育のための施設を運営している。

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れている。この特殊教育システムの下には 5 校の公立校を含む 7 校の学校があり、視 覚障害者のための教育を行っている。公立校は全国 6 省のうち 5 省の町に配置され、500 人の生徒を教えている。その他の 2 校はバプティストミッション女子盲学校とサルベ ーションアーミー視覚障害者の家で、NGO による住居型施設である。 政府と NGO は視覚障害児や生徒のために統合教育を行っている。政府は国の 64 の地 域で統合教育システムを運営しており、NGO は 5 校を運営している。バングラデシュ では教材としての点字本、点字作成枠とシラバス、点字作成用の上質/・普通紙、算数 /・数学を教えるためのボード、白い杖、そして最も重要である経験を積んだ教師が不 足している。 教育省の下、政府は社会福祉省、教育省、UNESCO の代表と共に特別委員会を設け、 通常の学校での障害児教育に取り組んでいる。

国立特殊教育センター(NCSE: National Center for Special Education)は、1991 年にス タッフの訓練、障害者の訓練とリハビリテーションのニーズ調査、補助器具・指導法・ カウンセリングの開発などに取り組むために設立された。開発における障害者センタ ー(CDD: Center for Disability in Development)は障害者のために働く団体の人的資源 の開発に取り組んでいる。CDD は経験豊富な指導者によりスタッフの訓練を行ったり、 訓練教材やコース開発を地域開発団体の人材/・組織強化のために提供している。CDD の主な訓練の分野は運営、社会コミュニケーション、初歩的リハビリテーション治療、 教育、早期発見と予防、トレーナーの訓練(Training of Trainers)である。1999 年 9 月 までに、CDD は様々なパートナー団体からの 1350 名の参加者に 3 日から 90 日の期間 の訓練コースをとり行ってきた。 社会サービス 【現状】 バングラデシュ障害者福祉条例 2001 では、交通機関に関する活動について以下のよ

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2.鉄道のコンパートメント、船、バスターミナル、待合室に障害者のためのトイレを 設置する。 3.都市の主要な横断歩道に音声信号を取り付ける。 4.障害者の安全な移動のために適切な標識を取り付ける。 5.車椅子利用者が容易に移動できるようにカーブや傾斜を設計し、また公共建造物や トイレにスロープをつける。 6.身分証明書を保持する障害者は、電車、バス、船、飛行機の旅に割引価格で付添い 人を伴い、また手荷物を持ち込むことができるようにする。 職業・雇用 【現状】 機密性の高い陸軍、海軍、警察などの仕事を除いて、政府雇用の最低 10%は障害者の ために確保されることになっている。 バングラデシュ障害者福祉条例 2001 では、障害者の雇用に関する活動について以下の ように言及している20 1. 障害者に適切な職業を確認し、雇用機会を整備する。 2. 政府省庁、国家機関、地方機関は適格な障害者を雇い、また障害者の雇用機会均 等を保障する。 3. 政府省庁、国家機関、地方機関の障害者の雇用に関する年齢制限を緩和するよう な政策を作成する。 4. 政府省庁、国家機関、地方機関に障害者のための雇用ポストを設ける。 5. 障害者の雇用機会に関する情報を提供する。 職業訓練に関する活動としては、障害者の職業訓練についてのマニュアル作成、お よび同マニュアルに基づく職業訓練プログラムの実施がある。21 地域に根ざしたリハビリテーション(CBR) *リハビリテーション関連施設(特殊学校、医学・職業リハビリテーション施設)につ いては Annex 1-3 を参照。

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【現状】22 アジア太平洋障害者の 10 年は、基本的に CBR を地域におけるリハビリテーション活 動実施のための特別な戦略として位置付けている。バンクラディッシュでは CBR の手 法はますます受け入れられてきており、近年では医学療法と作業療法サービスは一般 的に CBR に含まれている。多くの NGO や政府の機関は現在、全国規模でこの手法に 沿った様々なプログラムやプロジェクトを実施している。 65 の民間団体と少なくとも 3 つの政府の機関が直接、障害者のためのリハビリテーシ ョンプログラムを実施しており、そのほとんどが CBR を実践している。中でも IFB、BNSB、AWDP、HICARE、DRRA、CDD、VHSS はこの国の障害者へのリハビリ テーションサービスの提供に多大な貢献をしている。

CDD は「障害者へのコミュニティー・アプローチ(CHAD: Community Approaches to Handicap and Disability)」を通して、障害者をメインストリームに統合しようとしてい る。CHAD は CBR を実施するための戦略で地域全体のニーズに焦点をあて、障害者 問題を様々な開発の問題に取り込むことによってこれらのニーズに答えていこうとす るアプローチである。CDD は団体に能力強化や組織開発、専門性強化のための指導者 研修(TOT)を行っている。同時に、予防やリハビリテーションの教材(本、会報、 ポスター、紙芝居、カードなど)の作成や、地方と海外の機関の教材や文書の交換を している。 これに加えて、多くの団体が知的障害者の福祉のためのプログラムを含む CBR プログ ラムを実施している。

視覚障害児のためのアクション(ABC: Action for Blind Children)とバングラデシュデ ュリシュティン(Drishtihin)基金(BDF: Bangladesh Drishtihin Foundation)は視覚障害 の予防とリハビリテーションに従事しており、病院経営、アイ・キャンプ、CBR プロ グラムなどのサービスを提供している。それぞれの団体は毎年 1000 人以上の障害者を

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障害児の家(The Pangu Shishu Niketan)は障害者の分野でもっとも大きな団体の一つ である。設立以来、16 回のアイ・キャンプ、2 回の歯科キャンプ、2 回の聾唖キャン プを開催し、2500 人の障害者を治療してきた。また CBR プログラムを持ち、300 人の 障害児や肢体麻痺の人々を治療している。この団体は、整形外科医による電気療法や 水素療法、作業療法など様々な種類の治療を施している。同様に、障害者福祉協会 (AWDP: Association for the Welfare of the Disabled People)、地方障害発育センター (VDDC: Village Disability and Development Centre)という団体も大勢の障害者を支援 しており、前者は都市のスラム地域で、後者は地方の共同体で活動をしている。

麻痺リハビリテーションセンター(CRP: Centre for Rehabilitation of the Paralyzed)は、 シャバール(Savar)にある大きな NGO で、様々な種類の治療や療法のための充実し たリハビリテーション・プログラムを実施し、優れた後方支援設備と多様な治療に対 応できるセンターを備えている。最近では、必要な時にいつでも海外の医療専門家や 外科医と連絡が取れるように、特別な遠隔リンクシステムを導入した。このオンライ ンシステムはこの国では新しく、医学治療のサービスにおいて新しい可能性を開いた といえる。CRP はベッド数 100 床、近代的な手術室、物理療法や作業療法科、その他 の基本的な科を備えた病院も経営している。ここでは職業訓練も行われ、マイクロク レジットや保健教育を障害者に提供している。CRP は 49 のタナ(Thana)において政 府の社会福祉事業庁による支援の下で、CBR を行っている。 情報とコミュニケーション 【現状】 該当情報なし

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3-5. 障害分野専門家・ワーカー 障害者福祉従事者の人材育成は以下の通りである。 【職種名】 【養成制度】 【養成期間】 【資格】 1. トレー ニング ・ マネージャー 2. 人材育 成スタ ッ フ 3. トレー ニング ・ オフィサー 4. フィー ルド・ ト レナー 1. 施設における養成 2. 地域における養成 (特殊教育、統合教育、 インクルーシブ教育) 3 日間∼ 3 年間 1. 大 学 院 で の 特 殊 教 育 、 医 学、経営、栄養などの専攻 2.教育、物理療法、MBBS な どの学士 3.物理療法、作業療法士、人 材開発などのディプロマ 4. 短 期 コ ー ス や オ リ エ ン テ ーションコース バングラデシュでは障害者の訓練や人材育成をする支援スタッフをトレーニング・マ ネージャー、人材育成スタッフ、トレーニング・オフィサー、フィールド・トレーナ ーなどに分けることができる。 支援スタッフの資格はトレーニングの種類やシステムの考え方によって異なる。彼ら は障害者に関する学問的ではない簡単なオリエンテーションを受けている人もいれば、 高度な学位を持っている人もいる。 バングラデシュでは特殊教育、物理療法,医学、経営の専攻で大学院や大学の学位を とることができる。また、様々な分野の専門家が、専門分野を越えて人材開発スタッ フとして貢献している。多くの団体が通常のトレーニング・オフィサーとフィールド・ トレーナーを雇っており、トレーニング・オフィサーはいくつかのトレーニングプロ グラムを運営する上でトレーニング・マネージャーを支援する。フィールド・トレー ナーはフィールドレベルでトレーニングやオリエンテーションを実施する。彼らはさ らに障害者に個別訪問のカウンセリングも行う。 バングラデシュでは 2 つの主な障害者の訓練システムがある。1 つは施設におけるリ ハビリテーションであり、もう1つは CBR である。すべてのシステムは障害者の特殊

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4. 障害分野における活動の概況

4-1. 障害関連団体による活動23

*関連団体のリストは Annex 1 を参照のこと。 公的団体

1989 年 、 VHSS は カ ナ ダ 大 学 海 外 サ ー ビ ス ( CUSO: Canadian University Services Overseas)と協力して、2 日間の障害者についてのセミナーを行った。これがきっかけ となり障害者運動へと発展し、政府に様々な提言をするまでになった。このセミナー の結果、障害者の分野で働く団体の共通プラットフォームの必要性が強く認識され、 障害者団体国家フォーラム(NFOWD: National Forum of Organizations Working with the Disabled)が組織された。 NFOWD は障害者の権利と特権を主張すると同時に、既にある権利や特権の侵害に対 する保護を目指している。NFOWD の重要な活動は以下の通りである。 1. ロビー活動、アドボカシー活動、関係政府機関とのネットワーキングによって 障害者の権利を拡大するための国家障害者政策、国家活動計画、障害者法、ア クセシビリティーとコミュニケーションそして、同様な文書の準備に携わる。 2. 国際的に、または国ごとに障害者週間のような日を設けることで、障害者問題 の重要性に対する人々の意識向上のためのプログラムや、マスメディア(新聞、 ラジオ、テレビ)によるキャンペーンを行う。 3. 課題ごとの調査(例えば、NFOWD の会員団体における障害児マッピングの報 告)を行ったり、情報、文書、出版物、教材の提供や交換・共有をしたりする。 4. 会員団体や政府機関に技術的、事務的サービスを提供する。 5. トレーニング、フォローアップ、逆転防止(backstopping)のためのサービス を行う。 また、障害者の開発のための国家基金が障害者問題に関する政府や NGO に必要なガ 23以下の文献を参照のこと。

a. Information on network between GOs and NGOs: Haque, Shahidul, Shahnaz Begum. Feelings on

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イドラインと支援を提供するために設立された。 NGOs NGO による障害者運動は未だに初期段階にある。独立戦争後の荒廃した時代以降、多 くの地元ボランティア団体は NGO が障害者問題や CBR プログラムに取り組み、この 国の障害者の状況を改善し、政府の努力を補完しようと尽力している。 障害者問題と CBR の分野において、政府と NGO 間の協力は重要な側面である。今日 では、開発分野において NGO の重要な役割が政府によって強く認識されるようにな ってきた。過去 20 年間において、バングラデシュでは多くの NGO が生まれたが、障 害者問題や CBR の分野では NGO の数はそれほど増えていない。このような状況にお いて、政府組織と NGO の間の効果的な協力や関係を作るために、様々な取り組みが 折に触れ行われてきた。例えば、障害者問題と CBR の分野における政府と NGO の協 力は 1993 年の国家調整委員会の形成によって進められた。 4-2. 国際機関・その他の機関の障害分野に関する援助実績 国際機関・その他機関による援助実績 多国間・二国間援助機関による障害分野での援助に関する情報は数少ない。米国国際 開発庁(USAID)は、ソーシャルマーケティング・プログラムの一環として、乳幼児 死亡率を低下させるために経口補水塩の提供や、ポリオワクチンの完全投与を含む予 防接種を実施し、障害の予防に貢献しているものと思われる 。24英国国際開発省 (DFID)は、1992-1995 年に実施されたジャマルプール総合農村開発計画(Jamalpur Integrated Rural Development Project)において、障害者の自信と技術の向上をねらいと

したトレーニング・プログラムを行った25。最近では、DFID は障害分野を専門とする

国際 NGO、ヘレン・ケラー・インターナショナルに委託して、1999-2001 年のバングラ

デシュ農村部における災害と生活についての報告書を作成した 。26

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日本による援助実績 日本は主に研修コースを通して、予防接種キャンペーン、ポリオ撲滅、ヨウド欠乏症 の対策に支援した。過去には青年海外協力隊がポリオ対策の活動を行った27 26 バングラデシュの情報源として、世界銀行の貧困関係の事業の1つである以下の資料が参考

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5. 参考資料

この報告書は、主にローカルコンサルタントによる調査報告書に基づいている。

ローカルコンサルタント調査報告書:

VHSS. Country Profile Study on Persons with Disabilities in Bangladesh. March 2000

その他の資料:

国際協力事業団 医療協力部 『国別医療協力ファイル バングラデシュ』

中西由起子『アジアの障害者』現代書館、1996 年

Disability World ホームページ [引用 2002 年 2 月 6 日、http://www.disabilityworld.org]

Economic and Social Commission for Asia and the Pacific. Production and distribution of assistive devices for people with disabilities: Part Two. [引用 2002 年 2 月 8 日、 fromhttp://www.dinf.org/doc/intl/z15/z15002p2/z1500204.htm]

ESCAP. Asian and the Pacific Decade of Disabled Persons: mid-point – Country Perspective, UN. 1999

ESCAP 開発研究と政策分析部(Development Research and Policy Analysis Division ; DRPAD)[引 用 2002 年 2 月 1 日、http://www.unescap.org/drpad/publication/toc/ldc6_2174.htm]

参照

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