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県央の大学教育と企業に求められるもの

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Academic year: 2021

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県央の大学教育 と企業に求め られ るもの★

新潟経営大学教授 経営学博 士 片上 洋 目次 Ⅰ は じめに Ⅱ 社会人 コース (国際経営実践 コース) の必要性 Ⅲ 社会人 コース (製 品開発 ・経営実践 コース) の必要性

社会人 コース (タ ウンマネ ジメン トコース) の必要性 Ⅴ むすび にか えて

は じめに

大学がサー ビス業であるか否かについては、マーケテ イングや消費者間題 に関す る種 々 の学会で議論 されているところであるが、大学教育 をサー ビス商品 と見 る立場か ら各 ステ ー クホルダーを位置づけてみれば、学費 を父母 に支払 って もらっている学生の父母やアル バイ トによって 自活 している学生は顧客であ り、すべての学生は消費者である。マーケテ イングは市場の欲求や トレン ドを把握 し、それ を製 品化 し、プ ロモーシ ョンす ることによ って、製品を流通せ しめる活動であ り、大学発展のためにはMarket・inのコンセプ トによ り大学が経営 されなければ学生や学生 を支 える父母 を獲得できない とい うことになる。 2005年度、新潟経営大学では、学生生活実態調査 を行 っている。 日本私立大学連盟 も翌 年の2006年度 に同様の調査 を行 っている。ただ し、後者 はサンプル抽 出によって行 うため、 一部の総合大学が調査対象 となることが多い。これ と比較可能なDataを得 るため、極力同 様の調査項 目とした。同資料の 57ページにある 「本学の教育能力」な どをご参照いただき たい。現状で、以下に述べ る地元企業 に求め られ る人材 を育成できているか否 かを検討す るための参考になるであろ う。学生や学生の父母 (顧客 ・消費者) は、その大半が地元企 業に求められ る人材 を育成す る教育サー ビスを望んでいるであろ うか らである。 ★ 本論文の受理 月日は2007年10月27日で′審査完 了 日は2007年12月14日である○

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社会人 コース (

国際経営実践 コース)

の必要性

韓国マーケテイング科学学会2004年度 における片上の発表 『新潟県央地域の 自生的発展 と流通 ・サー ビス産業クラスター ・ネ ッ トワーク構想』、2004年度の蛇名教授 との共同研究 な どにおいて、すでに

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な産業クラスターにおけるコーディネーター としての 人材 を育成す る必要があること,その人的資源 は県央の大学に入学 した留学生であ り、あ るいは県央の企業にすでに勤務す る日本人であった りす ることについて述べた。 両者 に共通す る問題点は、①勤労体験 を通 じだ経営学の実践 と検証か ら、必要な知識 と その応用 について学び直 し、研究す る機会が無いこと、あるいは②県央企業に多 くみ られ るものづ くり志向、技術者、高度技術者 の重点的採用の傾 向か ら、経営学やサプライチェ ー ン、マーケテイングといった、経営に必要な実践的な学習,研究が欠如 していることで あろ う。 したがって、県央企業に とって必要な人材 を、理系の新卒者 に求め、一般的な社員教育 のみをす ることによって、 ミスマ ッチが生 じる。技術 と経営学を融合 させた実践的なビジ ネス教育の機会が無 ければな らない。また、中国語,韓国語, 日本語、英語が話せ るとい う留学生が企業体験が無いまま、 日本で講義の翻訳 と理解が精一杯で経営学 を学び新卒の 状態で就職 した ところで、通訳的な業務でのみ役立ち,数カ国にビジネスを展開す るコー デ ィネーター とはな りえない。 そ こで、就業後再教育の必要性 と有効性 を県央の企業は理解 し,共同で講座 を開設 し、 大学の卒業単位 として認定 され る制度 を設 け、あるいは県央の経営学の大学 と提携 して企 業内大学を開設 し、あるいは県央の大学を支援 して社会人 コースを発展 させ,一方大学は、 高卒者 を対象 としたカ リキュラム とは異なる、企業での実践を経て必要 とされ る知識 を学 問体系 として整理 しなお し、独 自の社会人 コースを設 けるための基礎的な研究 と企業-の リサーチをしなければな らない。 また社会人 としての生き方や生活態度 について、大学の卒業者 に対 して早急 に再教育す べ き内容は、企業での経営学の応用や語学力を生か した海外を対象 とするビジネスのため の知識ではな く、経営学の大学で一度は学んだはずのマーケテイングやモラルにあること が最近明 らかになった。た とえば県央の経営学の大学の卒業者の60%以上が流通業に勤務 し,あるいは残余の部分の大半がメーカーの営業マンとなっている。あるいは銀行や証券 会社 に就職 したものもいる。順風漫歩 とい うわけではな く、成績不振や同僚 との トラブル な どで再び母校 を訪れ、再就職の相談をす るものも多い。 その原因の一つがモー レツなセールス努力、 しか しプロモーシ ョンやプ レゼ ンテーシ ョ ンが先行 し、顧客に話をさせ、それを聴いて顧客が必要 とす る商品を把握す る、あるいは 顧客情報 を入手す るとい う態度が身についていないことにある。 これはエクスタ-ナル ・ マーケテ イングとしてのマーケ ッ ト・リサーチである。 -1

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00-またそのような場合,殆ん ど同僚,上司 と円満ではない。その原因が、自己主張や上司 ・ 先輩か らの忠告に対す る反発であった り、同僚 との討論 における聴 く態度の欠如であった りである。相手の話を聴 くことによって 自分 自身の知識 を豊富にす ると同時に,相手に満 足感 を与えることで、 自分 との仕事 を楽 しいもの とし、モチベーシ ョンを強化す ると同時 に職場の同僚や上司か ら、 自分に求められてい る役割 を リサーチす ること、すなわちイン ターナル ・マーケテ イングである。その両面の欠如は、マーケテイングの学習以前の、人 の生き方に関する矯正 と訓練である。 企業に就職 し,実践を経て必要 とされ る知識 は、単に知 るとい うことではな く、それ を 応用 し、人格的に向上 させ る知恵であることが多い。 また、せっかく顧客や上司 ・同僚か ら本人にとって役立つ知識や知恵 を得 られ る機会は、 一言の反発や 自己主張のプ レゼンテーシ ョンによって途絶 えて しま う.失敗の事実 を教え、 体験か ら学ばせ、再びそれ を導入 とした経営学の教育は、現在企業が必要 とす る人材 を育 成す るために必要なことである。 そのよ うな生き方やモラルの矯正 と経営学の実践的学習 を基礎 に、商談の手順、新規市 場 の開拓、現有技術の応用 による顧客が求める製品の開発、そのための思考法などを、現 在 の経営学の教育の体系に組み込んでい く必要がある。 どのよ うなタイプの リーダーシッ プが有効か、モチベーシ ョン向上のために何 を与えるか、マーケテ イングのプロセスはい かなるものか、経営組織の効率的な再編成は、企業の効率的な情報 システムはいかなるも のか、な どな どの公式的な理解ではなく、それ をどの よ うに実践す るか、そのための どの よ うな生き方、思考法が必要か、我々が ともすれば研究者 自身の専門知識や研究分野 と考 えてきたもの以前の、実践す る段階で欠落 している部分を補充 した教育を準備す る必要が ある。

社会人 コース (

製品開発 ・経営実践 コース)の必要性

新潟県央の企業の大半が OEM生産あるいは部品やプ ロセスの生産に携わる、独 自製品を 持たない企業である。当然、独 自製品開発の志向は無 く、製品開発 に対す る意欲 をもって 就職 した新卒者が数 ヶ月、あるいは一年後に仕事に対す る意欲 を無 くす原因の一つであろ う 。 また、そのような企業にとっても、下請 け ・OEM生産の状態では、親会社以上の安定 と成 長 を望めない。 自社製品の開発 とブランデ ィング、マーケテ イング ・チャネルの開拓によ る自社流通チャネルの開拓によって、自社市場を持つ必要がある。 さらに、自社新製品の開発、自社マーケテイング ・チャネルの開拓のためには、顧客 (卸 売業者 ・小売業者)の要望を把握 した うえでの提案営業が必要である。 このためには、新製品開発-の意欲のある人材 と、まず顧客の話を聞 く態度 を常にもち、

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アイデアを提案す る柔軟思考でイマジネーシ ョン豊かな人材が必要である。また、開発技 術 とコミュニケーシ ョンカ を同時に持つ人材 を育てる意味で、工学 と経営を同時に関連 さ せ て教育す ることが必要 となる。そのよ うな意味で とは、現在の経営工学の多 くが生産管 理論 の分野の科 目であ り、上記の意味でのマーケテイング的工学、マーケテイング ・コミ ュニケーシ ョンと工学 (開発技術) との結合ではないか らである。

社会人 コース (

タウンマネ ジメン トコース)の必要性

中心市街地 『まちの顔』 -新潟県活性化検討委員会 活性化-の報告書 と題 して、三条 新聞 (平成 19年 4月 18日)は、次のよ うな記事を第一面に掲載 している。 「中心市街地の 活性化 を検討 してきた新潟県中心市街地活性化検討委員会 (相沢健二座長)は十七 日午後、 泉 田裕彦知事に昨年九月か ら六回にわた る会議 と県民の意見を踏まえた検討結果に基づい て報告書を提出 した。 報告書では、少子高齢化、消費低迷、公共施設の郊外移転な どの社会環境の変化にあっ て も、中心市街地の 「まちの顔」の果たす役割 は大きく、公共交通ネ ッ トな ど、多様なア クセス と機能的なまちの形成 とにぎわい を取 り戻すまちづ くりは重要 として、大規模集客 施設 の適正立地、大型店の地域貢献、にぎわい回復のための方策な どを示 した。・・・大型 店の地域貢献では、あ らか じめ地域貢献計画を示 し、地産地消の推進 - ・を求めている。 にぎわい回復に向けては、・・・まちづ くりリーダーの育成が重要だ とした。」 上記の記事か ら理解 しうることは、人材育成に関 しては、第-に、県民の意見、具体的 にはまちづ くりを行 う地域住民の意見を リサーチ し、公共交通ネ ッ ト、大規模集客施設の 適正立地、大型店 と商店街 との適正なコーデ ィネー ト、にぎわい回復のための方策 を企画 し、地産地消を推進す るため、地場産業 と小売店舗 とを結びつける流通ネ ッ トワークを企 画 し、提案 し、人 と人 とを結び付 けてい くことのできる、いわゆるタウンマネジメン トを 行 う能力のある人材 を育成す る必要がある。

むすびにかえて

上記のコースの必要性は、新潟県央のすべての大学あるいは経営学を ドメインとす る大 学に求められているとい う特定を行 うものではない。例えば理工系の大学が都市工学や建 築学 とい う立場か ら、都市設計を行い、その基軸 となる根拠 にマーケテ イングを取 り入れ た場合 には、経営学はタウンマネジメン トのお株 を奪われて しま うし、製品開発は経営学 よ りも工学部のほ うがアプ ローチ しやすい分野である。国際経営に関 しては、語学を主 と す る大学で経営学を開講 して必要な人材 を養成するほ うが容易かもしれない。

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-102-個々の大学で学部 ・学科 ・科 目の構成 は特性があ り、属人主義 (大学の教員 -人の構成 の現状によってカ リキュラムを決 めるとい う考え方 :現に勤務 している教員 の身分保全 と い うことを前提 とす る場合が多い)に傾 く傾 向が大半の大学で伺 える面 もある。 また現実 に、カ リキュラムを改革 していこ うとす る場合、事業体 としての維持 ・発展 を 目的 として 行 う限 り、極力既存の人材 を活用す ることが望まれ るため、企業 ・社会の需要に応 じる場 合、 どのセグメン トに応 えるか、あるいは どのようなカ リキュラムの変更によってそれ を 実現す るかは、現行の学部 ・学科 ・既存のカ リキュラムに関す る大学間の相違 によって様 々 であろ う。 近隣大学の相互乗 り入れ、Consortium大学の実現によって最終的には解決 され るであろ う。 この記述については、これまでの姥名教授 との共同研究、韓国人的資源管理学会での 発表や論文で既に述べた ところである。

参照

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