蕎麥の褐斑病に就いて-香川大学学術情報リポジトリ

11 

Loading.... (view fulltext now)

Loading....

Loading....

Loading....

Loading....

全文

(1)

53 第5巻第1号(1953)

蕎蓼の褐斑病に就いて

内 藤 中 人・故 安部忠孝

Ascochytaleaf spot of buckwheat

By Nakato NAITO and Tadat■aka ABE

(Laboratory of phytopatIlOlogy)

(ReceivedMay写0,1953)

Ⅰ 緒

筆者等は昭和27年10月25日香川県木田郡平井町に.於て森嶺の途次;転変の菓に月形,褐色の病斑を

多数形成しているのを見,瞼鏡の緒泉不完全菌領申のA脚吻ね爵蔚の1経である事を知った・従

● 釆本邦で余り報告されてない病零である様に思考したので,直ちに病原夢の分敵を行い,く薇稜試験其

他2,3の生理学的研究を行うと共に凍薗の学名の究名に努めた..蒙に其の堺暑を弔してこ同学諸氏の

参考に・供する次第である..病後ほ=九町,四国及び中国地方に於ける最も普通的な帯変の病啓とされて

いる斑点病(.P砂Jgoぶ砲ね毎ね示血uRA)と非常によく似でい′るのであもか,攣蓉重か当元方で

採集したものは何れもAよ血如あ責のものであった寄集等と併せ考え七,種来艶点病とされて小た

ものゝ中にも或は本病と混同されているものもあるのではないかと想像される.

本稿を草するに当り惣富な嘩本を分譲せられた詣岡県経済部香月像孝氏,文献に就き慣々紳配慮を

煩わした西承大学柱野「偲,大原農業研究所日滴蓬拾氏,常北農業試験場盛岡試験地平井億造氏等各

位の御好藩に潔甚の謝意を衰サ卑束帯である

Ⅱ 病

撒 最初薬の家面に針市大の丸い淡欝藤色の取組生じ∴庇の病斑ほ漸次大きぐなると共にヰ心細ほ鹿

ちた.赤褐色に変るか;病幾ゐ周辺は淡線色の帝で囲まれる審が多い..滴勤ま漸次拡大して円形,楕円

形の病斑となり,その直径は0..2∼1..5c血位である(第1図)..病熟ま次第に淡褐色又ほ赤褐色となり

且赤褐色の細い同心壌を有する事が多い.病斑上に濾小さい黒点女は褐息を散在せしやるに至るが,

之が本蔚の柄子殻である..病状が進むと多薮の柄舞が楯融合し七会琴を褐変枯死せしめる笹・至るl・廟

斑の寡面は次色又は淡褐色にして,周縁部ほ暗緑色,同心環は著しくない.

Ⅱ 病原菌の形態

柄子殻は其の上両案皮下に埋没して生じ,暑球形又は扁球形にして,大いさ87小5−150.0×87.5−

137“5〃ある(第2因)一.殻壁は黒褐色,偽組織をなし,円形のロ孔を有する.柄胞子ほ多くは楕円形

又は円筒形に.して,殆んど展直であるか叉ほ届かに屈曲し,両端は円形である.無色にして普通1ケ

の隔膜を有するが,単細胞のものも相当混在し,趣く稀に2ケの隔膜を有す

於て溢れを有するものが多いが,綴れのないものもある仙叉屡々数個の油滴を含んでいる£第3図)・

1 2細胞の胞子の大いさは8..7−17.5×3..7−・6..5〃で,普通10..0・鵬15‖0×3.7・−・5.5〟のもの最も多く,平

均13..2×5叫0〃であるり 単細胞のものは5‖0−10ル0×2..5−5..0〟である.

(2)

香川県立舜科大学学術報告 54

Ⅶ 病原菌の学名並病名

啓蒙に.寄生するA氾励妙ね「蔚としで従来発表されているものは英数比較的少く,』.凡才gqクツγg

BRES.(一,7・1J),A.PbgqbyriBRES.f.italicaTRAVERSO(13・1?),A。PbgqiyriBRES.var.tulensis

A.BoNDARZEW(14),A=旅即妙γ一方THtJM.牢寧OLL..(10)等がある.此の内A・旅g坤ブタ■言T‡祀M・

et BoLL.薗は蕎麦の墓に寄生する菌である尊から,後に.LINDAU(8)により Dゆlodina Fbgqタ.yri

と改められたもので,その分生胞子ほ太いさ8一.5−・10.0×3…0∵・4.5/上で,犀者等の菌に比し長さも幅も

小さく,筆者等の菌とほ明与力モに奥るものと思考する一.冬石山(当は樺本に於て採集した菌をA小旅卯− i,.yriBRES..f.italicaT女A寸申SOと最初同定し,轡2)forma

妥当と・してA・旅僻め雨(T如Ⅴ・)率桓MAと命融/た∴栄藤富樫等(Ⅰ6)が岩予見に瀞て,又香 1

月(5)も九州に於てAl.飽g可沙γブ(TRAv.うⅠ畠HI寸A扇A、を壌集■目録に叡せているが,薗の形態的記載

はない. 第1表 既知菌と筆者等の菌との比較 日 ・・・二 部に. 蔚 」柄胞子の大きさ(〝) 病  ̄原 __ 有る 8:5−10×3こ.0−−4.5 筆者等の薗を之等既知の薗と比較すれば第1表の如くである∴第1表で判る棟に,筆者等の菌と全 く−一致するものほないが,A.劫劇竣γグ・よ1−BRES.に最も近い棟に思う.筆者等の胞子の長さ、,幅共に小 さいものもあるが,大きい胞子は大体一激しているし,隔膜部も溢れを有するに対し,筆者等の薗む羊 溢れを有するものが多いが綴れ?ないものも相当見られる等の見で窄干の産兵を認められるが,病徴 もよく似ているし,.之等近似薗の中では最も早く発表された薗七ある甲で,榎々のノ畠を考慮した結果 血の学名を襟用するのが最も適当の様に考え卑:本菌ほ1?92年独逸に於てJl・BRESADLA(1)により最 初記録されたものであるが,LEⅢK(6〉によればェスi主・アにも発生し,叉■SEYMOtJR(−5〉に・よれば 北米にも発生している.石山(2)は樺太た於そ療集した蘭は胞子が小きい尊と風車近藤れがない商冶で A・旅拶壊畔‖弛ESADOLAと明らかに区別出来,胞子の時に斡て多少巧い点を除けほA・・紬g唖γタ■言

BRES。f。i’talicaTRAVERSOによく一徹するが,寧ろ独立痩t’するを妥当とし,A..italica

(T由vERSO)・T.,ISHIYAMAとした事ほ.前述の如くである..然し筆者等の蘭が胞子の犬いさに非常 に変異があり,又経れの有るものも多いがないものも相当見られる点,叉胞子の大いさ,綴れ共に切 片の箇捌こより相当変化が見られる等のノ郎■りして,元来本菌は之等の点で相当琴異の牽い、薗では なかろうかと推察せられ筆者等は之・等類似菌の中では最も早く発表せられたA岬拘卯少γrZBRES† に石叫の薗も包含す可きものゝ楼に考ネる・・兎に角筆者等の菌は石山の記載した胞子の大いさに比鱒 して長さ,幅共に若干帝大,最小の範鱒が広くなっているが,最も普鱒?太いさは筆者等の歯が享0β −15..0×2.5・−5..0/上であるのに対し,石山の菌は一12.5・−14..0×3.5−4.0/上で大体−・致しているので,

(3)

第5巻笥1争(1953)

55

凝れ?点は本邸こ於ては余りに恩翠裸出来ぬのでほないかと云う上記の見解の下に,石山の菌と筆者 等?薗と.は同一瀾と考え,らかる..A.Pb朗紗riBRES.f“iPtalfbaTRAVERSO,A.Pbg吻・riPBRE畠. V聖・l・tulensisA”BoNDARZEWも凡て病後ほA・Pbgq夕.yriBkpsl・と・類似し,主として胞子の大い

さ,溢れの点でfoima或はVarietyとされているのであるが,胞子の大いさも筆者等の菌の測定

範囲内に属し,上述の見解よりしでA.砧都タ.夕γざB如S.虹統一・′して差支えない掛こ考えるのである か,原模本と比較対顔する機会を未だ持っていないので此処でげ一・応癖定を避けでおく事とするノ.,倍

SACCARDO&SYDOW(12)によれば,A.PbgpPyriBRES.:より

の方が先KI発表せられたのであるから,A.印朗妙riBRES.をA。Bresadola SACC・・etSYD・と改

める楼提唱しているが,前述の如く A.FbgqPyriTHむM”etBoLL.は後にDii,lodi72aFb

(THUM.etBoLL)に移されたのであるから,A」物卯如雨BRES∴をその儀筆者等の蘭の学名に使

用して差支え.ないものと考え去.倫富樫等の篠本と比較する磯は未だ得ていないが,香月の療本ほ同 氏の御好・意に・より比較検討する事が出来たが,筆者等の菌と金く同一であった. 倍石山(箋)は本病に対して褐政柄なる和名を・与え,富樫等(16)ほ.褐斑病なる和名を附しているが′,褐

紋病なる和名は之より兜既に申EEIl,沌充(9)に.よりCgrcosi,bra.舟gqゑyriNAKATAetTAK叩QTP

菌による蕎麦の病啓に与えられているし,褐斑病なる和名はよく病敏を表わしていると思うので本病 の和名には祐舞病を採用したい. Ⅴ 病原嵐の分散 昭和27年10月2叩香川県木田郡平井町で探集した帝鮮な病其の′ト片を1000倍の昇束水で1分間表面 殺菌後慣働こ澱菌水で洗催したものを2.%琴糖加馬鈴薯煎汁寒天培養基上に置き,280Cの定温掛こ約 めておいた,.4日役柄斑部より伸長して来た蘭継を移植し,簡単に本菌の純粋培養歯を得た.分部蘭 は窄易に∴培養基上七多数の胞子を形成するが,2細胞のものほ寧ろ少く,精々小型の1紬胸め杓子甲 もの戸ミ多かった・.筆者等ほキ軋申軋四国緒方虹鱒ける普違約な病啓とされている斑点病(印γgわ伊 才わねね都動粛)一が非常笹本病と柄轡が類似してい、革めで,或いは・P々γそg呼ざ?g甲,A・S・Cβ頭γ才αの両属 蘭が混在しているめでらま.ないかとめ疑問を生じたの、=で,単細胞めもの;一2細胞のものゝ両型の胞子㌧よ り単一・胞子の分離を行ったが,何かも同一・の菌叢に・して,然も単細胞の昭子よ り得声純粋培養菌も,2∵細胞の胞子より単一胞子分離旗㌢こより得た純粋培養蘭も何れも単細胞のもの と2細胞のものとの両型の胞子を生じ,且培養基上に於ては天然葉の場今と異り,寧ろ単細胞ゐもの が2細胞の胞子よりも数に於て造に優っていた.即筆者等の分離菌に於て見られる単細胞の胞ネは 月々γ加古オブcfα薗とは全く別啓のものであり,木㌫劾ね菌の1胞子型である.単細胞のものが2細 ′ 胞の胞子の未熟なものであ一るかどうかに就いでは明らかにし得なかったが,培黎後10日のものと培養 後40日のものとを比較すると,後者に於て2細胞のものが相当増加していた事実よりして,単細胞の ものは未然な胞子■ではなかろうかとも推定せらかるが,培賽直後形成せられた単細胞の胞子も極めて 良好な発芽カを有していた.

Ⅶ 接 種∴試 験

本病蘭の病原性を知る為ノ次の横な接種試験を行った一.即直径13cmの素焼の植木鉢に畑土及嶺宜 肥料を混じ,昭和27年11月25日に1鉢10粒宛播櫨し,其後5本を残して硝子壷に.於て健全に育成した.

12即4日草丈約10cmに達したもの

子懸濁液を噴劣し,直ちに碑子鐘で2日間覆い,以後は実験望の南の窓際に.静置した.伺標準として は敬菌蒸溜水を用い,接榛区と同様の処置を行った..按啓3日後には針頭大の淡次褐色の斑点を生じ,

6日後には此の病斑は綿々拡大して天然に見らかる棟な円形病斑となったか∴姦後は殆んど病勢の進

(4)

早年 香川県立産科大学学術報告

府を見ず,天然に於て見られる様な病斑の大いさに迄は亘らなかった一.之ほ恐らく低温の気憤り下で漢

琴試験を行った為と思われろ,備標準区に於ては何等の異状も認められず・且按隆区の病斑部よりは

帯分離にも成功した..次いで昭鱒27年12月24即こも同株め方漁により接種=試験を行ったが全く第1鱒

と同校の結泉を示した小吏に昭和28年5月18日草丈約25cmのものを軌、て同様の接種試験を癖返し

たが,此の場合ほ病勢の進展著しく早く,按曙2日後既に0..3∼0..7cm大の,淡緑色わⅠ・ingで由れ

た次鴇色円形病変と.なった.以上3回の模種試験により,ノ本菌が蕎麦の葬を侵す事は明らかにして,

潜伏期閤は大体2∼㌻日と推定せられる・

Ⅶ 病原薗の生疫学的研究

旦 培養基土の性質 本魔の培養基上の性質を知る為次の10種の培養基を牒恥、,菌の発育状態を検した・・窄盈2doccの3

角フラスコに各培養基共40cc宛を注入し,ペブトγ加何食威培巻基上に・250Cセ10日間培養したものよ

り作った本菌胞子腰濁液を′1−ccのピペットで1瀾宛滴下し,70−13?Cの濠内に45日間静讃して観察し

た..各培養基毎に.3ケのフタスコ、を使用したが,、本実験に使用tた培養基の処■方は次の如くである

第2表 各線培養基上に於ける蕎麦禍斑病菌の発育状簡

薗 革 表 面 の 模 様 薗叢の 厚 薄 柄胞子 形成皮 柄手数 形成度 囲 華 の 色 中央移植部附道ほTこeddisb印ack3Jで

rOSyWhite3周

滑 全基面perlgrey4 叩央部はdark chocolai:ebrown3で 椅辺部はViolet black4中央部の姦中 薗一級ほpurplish tinted wbitel′で周 i に白色薗 中央部ほ山南状に 隆起し,周辺の硝 子壁と接する部分 は薗継がよじ登る 全基簡1ilac91で,reddish、bl左ck 菌殻が点在 輪 五 rosywbite4の中央部菌葦以外は止血d・ derb工OWnlで,中央部の畠中薗聯は Durplish tinted whlte 1

存在する番がある 綿毛状の垂中歯錐 堪」__【−_− 中央部隆起し,周 じ登る トン加用合止 周辺の硝子壁と接する部分はT■eddisbbト ack3であるが他の全基面はred−brown lR垂中歯練はpurplishtinted whitel

..

アスパラギン加用合成 仝基面rosywhite4で基中歯練ほ purplish tintedwhitel ‡‡†佳ヰ‥十 蜘突起が多い +十+は寸ヰト++

DAUIEENAY著RepertoiredeCouleurs1905によった・

備 考:色の記戟は0βBRrE紬

(5)

57 第5巻第1号(1953) 第3表 属鈴薯煎汁培養基上に・形成せらかた柄子哉並柄胞子の大きさ 材

l靂姦l範 囲(〃)l最竿房個卜平・均(〝)極準偏差

柄 子 数 の 直 径 llOOl60.0∼300.Ol160‖O l158.74±3.13】46・38士2叫21 2維胞の胞子 単細胞の胞子 ユ〟69土0〟08 1.88土0..09 7.5′}15サ0 2.5′}10.0 10小47士0..11 6./13土0..12 柄胞子の長さ 3.99土0..07 2.89士0..06 1.01士0..05 0..8士0.04 2蒸郡毎の胸子 単細胞の胞子 2..6∼・5い0 14∼50 柄胞子の幅

第4表 帯麦褐匪病菌々廉の発育と温度との関係 (単位mm)

面河忘ま攣打率可150

200 1 250 1 280 1 300 1 320 1 350 腐 鈴音∵煎汁 稀 薄 皆 拍 ペブトソ加用合成 ソ加用合成 召上煎巨汁 皆 拍 ペプトン加用合成 薦 鈴馨庶子汁 稀 薄 醤 油 べブトソ加用合成 府 身‥仙は全然発育しなかったもの

液体培養基‥(1)爵鈴薯煎汁い‖て・・†馬鈴琴200g■,曹糖20g,蒸溜水1L(2)軍馬黍■煎汁州玉萄黍

粉20g,薦糖5g,蒸溜水1L(3)疎薄醤油∴・薗油50cc,忍頭煎汁100cc,薦糖50g,蒸溜水850cc

(4)ペプトン加用合嵐ぺブトン5g,硝酸アムモニヤ0・・25g,ト酸性燐酸和風0.25さ,硫酸マグネシ

ウム0”1g,塩化鉄2.%溶液数滴,庶繚12.5女ノ,蒸溜水50q甲(・5)アス′ミラギン加畢合成州ア女パラ

ギ㌣5g,酸性燐酸加鼻5g・,硫酸マグネシウム2.由,塩化鉄2%搭液数嘩,深糖5bg,蒸溜水1L

固体培養琴:上鱒5経の液体窄養基に1・7%の琴天を加用したものである・ 実験結果は第2表の如ぐであ志∴空中画廊の形成はアえバラギン最も良ぐて∴綿毛欺の長い垂中野

戯が密生したが,ペプトン之に.次ぎ,蕊濁黍に・於て最も患い.又液体培養基に於てほ固体培養基に比

し空中菌潅の発育ほ著しく惑い.基中歯執ほ濁黍に於て最も良く,分塵胞子及柄子叡の形成咋固体

培養基の方が良好で,ペプトン及ナ云パラギシに於ては著しく患いが,他のもめに離は大差は静め

られない.菌叢は稀蒋醤油革も硬く,玉萄黍が最も軟い.以上を要するに空中薗諦の発育ほ概して合

成培塵基に於て良好であるが,胞子及柄子敦の形成は植物■煎汁牢番基に於て良好な傾向を示すもの1ゝ 如くである.

培養基上に形成される柄子殻は黒色′ト粒ノ点として密生環右耳琴草し,白金線で容易や採集する事が出

● 釆,瞼鏡した場合は通常黒褐色,稀に黒色で,下部は薗諦が錯綜している.柄胞子は通禽柄子穀内に

年じ,孔口より粉状の塊となって螺旋状に噴出する.然し培養初掛こ於て柄子殻の全然形成されてこな

いにも拘らず胞子が見られろ寄から考えて,直接菌轟より胞子が形成される場合もあると想像される.

胞子は日本繭型,楕円形,円歯形女は卯円形にして,贋直であるか叉ほ僅隼琴曲する…無色にして,

単細胞のものゝ・方が2細胞のものより造に多く,然して2細胞のものほ隔膜部虻於て溢れを有するも

のと有しないものとが略一々相半ばする.然し塔婆10日のものに比し培養朝日のものは2細胞のものが

(6)

由 香川県立兵科大学学術感奮

相当増加していたのみならず,隔膜は見えないが,中央部に拓かを生じ,明らかに隔膜形成直前のも

のと推定さかる単細胞の胞子が培養朝日のものには多数見られた事実よりして,単細胞のものほ未熟

な胞子の様にも考えられるが,然し単細胞のものも頗る発芽カほ旺盛であった一.愉70∼130Cの室蘭

で45日間培挙した馬鈴薯煎汁培養基上に・形成せられた柄手数並柄胞子の太いさは第3表の如くで,天

然菓のものに比し柄子殻は精々大きく,柄胞子・は若干小さい傾向が見られる・

B 薗赫の発育と温度と.の関係

2%庶糖加馬鈴薯煎汁,弊藤氏処方稀薄醤油及ペプトン加用合成の夫々寒天培養基を使用し,各培

養基約20cc宛をシャーレに分渡し,之控濃厚・な胞子懸濁級を1白金耳宛(直径2mm)移植し,50∼

90Cの窒内及15920ヲ 25?_28ヲ309329350Cの定温器内に5日間陳ち,菌叢の直径を測定した・各区

3偶のシヤT}を使用し,3回実験を繰返したが,実験結果は第4表の如くである・・即何れの培養基

に於ても25◇Cに於て最も菌薪ゐ伸長良好・にして,続いて馬鈴薯煎■汁及稀薄醤油に廉ては28ヲ209309

159320Cの隠であったが,ペプトン加用合成に・於ては20?28915930ヲ320Cの順であった・菌糸の

伸長する最高眼界濁度は350C附近にり最低限界温度ほ100C以下にLあるもの・ゝ棟である・倫3接の培養

基申では稀薄箇漁最も発育良好忙して,馬鈴薯煎汁之ケ≠・次ぎ、,・づプトン加用合成が最も劣った.

第5麦 飯菌蒸溜水中に・ぬけける蕎麦視療病歯柄

胞子の発芽と.温度との関係

C 柄胞子の発芽と温度との関係

殺菌蒸溜水及ペプトン加用合成培養 液を使用し,本菌柄胞子の発芽と湿度 と.の関係に就き実験を行った.即ペプ トン加用合成寒天培養盈上々こ250cで 10日間培養した胞子で懸濁液を作り, 精洗したスライドグラス上にり点滴とし たものを,シヤ・・−・レを逆に.して少量の 水を入れたものゝ中にU字管を台とし て約め,飽和湿度に保った∴之を70⊥′

100cの窒温及15?20925ミ30?32ヲ

350cの定温終に15時間保づた後取出 して検鏡した」実験結果は第5,第6琴 の如くである.本菌胞子は発芽に廃し ては第5図の示す如く,単細胞の胞子 に.於ても2細胞の胞子に.於ても各細胞 から1乃至3本の発芽管を出して発芽 するが,第5,第6表中の発芽管長は 之等凡ての発芽管の長さの合計を以て 変わした..第5表に・示す如く,本薗の分 生胞子は殺菌蒸溜水に.於ては大体150

∼320cの範囲で発芽するが,3回実

験共250cに於て最高の発琴率を示し, 300cが之に次ぎ,20,0320c“は略々等

259329209150Cの順である.ペプト

_

予∵∴

発芽 管 長(〝) 湿 度 CO懐数回数 最長1最短】平均 1 86 2228 回国回均 123 第第第平 1001 5555 2222 3333 203⊥ 5309 回国回均 123 第第勢乎 7708 5503 ュ 4442 2ウ]27 2226 5555 2222 回富国均 123 第第第平 5220 2227 2440 122﹁▲ 2007 5005 痴1由 224 250 224 224 18ア 672 廃1回 300 第2回 3 第回 平均 回回回均 123 第第第平 0 3050鋤53 0003 0003 3.一D54. 遁1917Ⅳ 7103 9㍊紬蛇 l13 n38朝鮮 お52併51

2226 5555 2227

320 回回固均 123 第第第平 0000 0000 0000 0000 350 しく,150℃では不良である.発芽管長は300cに・於て最大で,

(7)

第5巻第1骨(1953) 第6表 ペプトン加用合成培養液中に於ける蕎麦 褐醍病菌柄胞子の発芽と温度との関係

59

ンカ岬合成培養液中に・於ける発芽も琴 6表の奉す如く蒸溜水中に.於けも場合 と大体同株の傾向を示し七いるが,32ム Cの場合以外はペプトン加用合成の方 が蒸溜水に・比し発芽が精々良好であつ た・此の場合・も250Cで最高の発芽率を

示し,300,200,150,320C(別贋に億下

しセいる..発芽管長は250∼300Cに於 で最大で200,150,320Cの順である.侍 350,70∼100Cに於ては15時間後に於 て全く成ほ殆んど轟芽していないが,

60−80cの室温及350Cの定準器笹4日

間保ったものに/於ても1全然発芽しなか

った点より考えて,胞子の発芽する最

高限界温度は35?C附近,最低限界温度 は100C以下にあるものゝ如ぐである・ 叉ペプトY加用合成培養液中でほ蒸溜 水の場合に・比し発芽に際して胞子?容 積が著しく膨大し,甚しい場合は2∼ 3倍の大きさに達しているものも検鏡 せられた.

D 歯林の発育とpHとの関イ象

ペプトン加用合成培養液にHel或は NaOHを加えて各棟階級の水素イオン 濃度に・調節したものを作り,200ccの3角フラスコに40cc宛注入殺菌した後,ペプトン加用合成培養基

上に250cで10日間培養の本歯胞子懸由敵を1ccのピペットで1滴宛滴下し,250Cの定温器内に5日

聞納め,菌麻を濾過して数回洗源後 IO50Cの乾燥器に於で一億蚤畳を得る

迄乾燥して菌薪の雷∴畳を瀕げ定L

たい各区毎に.3 ケ宛のフラスコを 用い,実験は2同行ったが,その結果 は第7表の如ぐである..2回の実験を 通璧するに.,本薗ケ挿は大体に於てpH 3一.6∼8い8で発育するが,培養前pH 4..8∼7一.8に於て最も発育が良好であ る..培蕃前pH3..6及び8.8に於てはそ の発育は極めて微弱である 第7家 督変褐変病菌々諌の発育とpHと.の関係 第 1 回 実 験 】l 第 2 回 英 験 2・・012巾0 二: : 芸::喜巨 石:蓋 9.0 88 00161 0.2272 0ニ4370 0.4010 0.4299 0小4095 0ヤ2090 0,.0165 0−.2420 0.4214 0小4172 0..4045 0..4006 0..4151 備 考:■・−ほ全く発育しなかったもの

E 柄胞子の発芽とpHとの関係

ペプトン加用合成培養液にHCl或はNaOHを加えて痙々な水素イオン濃度に調節したもので柄胞子

(8)

香川県立兵科大串学術報膏 60 ?懸濁液を作り,柄胞子の発芽と塩慶との関係を調査する場合使用したものキ河−−・の装置を280cの定 串静と・15時間約めた後発芽率衷発芽管長を測定した・・柄胞子はペプトン培養基上に250Cで10日間培 養したものである.一笑験結県は欝8表の如くである仙 即木蘭分生胞子ほpH2“4一一12・・6の相当広範囲に 豆、つて轟芽し,pH3.4∼11仙2に於て良好である.最適pHは6.2∼8..0僻近にあぁ棟である.pH2“4及 I2庇於セほ僅か転発摩するが,発芽してない胞子の約2−3割の胞子ほ膨大し,発芽■直前の鹿相を 翠㌧ているが,pH2い0及13糎なると此の様な胞子の膨大も金然見らかなかった・・発芽管長はpH7・4 タこ凍て最大で∴之を還きかる笹・従い短くならている・侍発芽管長の測定法は柄胞子の発芽と温度七の 関係の場合述べキのと同様である.

Ⅷ 摘

要 (1)本報告ほ蕎麦の褐変病を原因す るA5CO¢々〆α旅g¢ゑγダガBRES.の形 態学的及生理学的性質に就いで述べた ものである.従来我国に於て啓蒙に寄 生するものと.して報告せらかていた

A.italica(TRAVERSO)廿.IsHIYAMA

は本菌と河−・のものと㌧思考する. (2)病斑は普通円形,楕円形で同心 壌を有し,淡鴇色叉ほ.赤褐色である. 病舞上には′ト黒ノ点叉ほ褐点を生ずるに 至る.

第8表 蕎麦褐麹病菌柄胞子の発芽とp打との関係

発 芽 管 長_(二〝) ∴∴ ̄ ̄、−∴ 戯髄禰弼脚補間椚描郁禰欝榔 l l 。7の捕雅樹憫膵禰579656珊17。

0444ウ〟240064268

2234567899仏工11213 (3)柄子殻略表両性で球形,偏球形 をなし,その大きさは87小5−1弧.0×87.5−・137.5耳であろ..柄胞子ほ楕円形又げ円筒形で,その大き さげ鼠7一一17..5不3.7′−−6.5〃あり,普通1ケの隔膜を有しているが,単細胞のものも奉り,嶺く稀に2 ケの隔膜を有するものがある.隔晩部で綴れを有するもの.が多いが,ないもの、もある・ (4)ペプトン加用合成増蕃基上に形成せられた柄胞子の懸濁液を撒布して接種試験を行ったが,2 ∼弓日の潜伏期を経て英ヤこ容易に感染せしめた (5)馬鈴薯煎汁,稀薄醤油,玉筍黍煎汁寒天増蕃基の上でほ極めて容易に多数の柄子殻と柄胞子を 形成した (6、)本菌々瀦の発育並柄胞子凝芽の最適温度は250C,最高限界温度は350C附道,最低温度は100C以 下であった巾 (7)本薗々轟の発育と.水素イオン濃度との関係を見るに,p鱒3.6からpH8.8進発育し,pH4.8− 7.8に於て最適柁あった. (8)本菌柄胞子の発芽と水素イオン濃度との関係を見るに,pH2一.4からpH12小6の相当広範囲に 亘って発芽するが,pH6..2一−8..0附近が最適であった. 引 用 文 献

1.BRESAl)OLA,,.:Fungialiquot saxoninovilectia cIW小ⅩRIBGERりHedwigia,31,Pl・40,1892・ 2..IsEIYAⅦA,T.:New or noteworthyfungiparasiticagri.culturalplantsin Southern Saghalien.Trans.

Sappoz・Onat.HistいSoc.,VOI..14,pt.4,p.297,1936・

写.石山嘗爾‥樺太産袋作物寄生菌猥日録,札幌凝林学会軌28巻,1丸昏,9乱昭和11年・ 4.石山哲爾:樺太に於ける轟作物の新持寄【ニ第2勘(垂線),盛業及園芸∴㍑巻,山号よ2949貴,昭和12年.

(9)

81 L.第5巻第1・号(1953) 第2図 柄原菌の柄子殻及柄胞子 (×300) 第4図 蕎麦褐斑病菌の各榛培養基上に於ける発育状態

上段液体培養基、下段 固体培養基

l馬鈴薯煎汁 二Ⅱ 玉萄黍煎汁 :肛 稀薄醤油 Ⅲ ペプトン加用合成

Ⅴ アスパラギン加用合成

(10)

香川鼎立虔科大学学術報告

第5図 柄胞子のペプトン加用培養液中に於ける

発芽状態(300C,15時間後)×500

車3図 病原菌の柄胞子(×1170)

第6図 蕎麦褐頻病菌の発育とpHとの関係

上段左よりpH6一.8,7.8,8い6,9い0

下段左より 2.6,4“0,4..8,5い8

(11)

吾 欝5巻第1骨(1953) 63 5.香月繁孝:鰐同県に於ける覿増穂物病害の調査報告第1苛,謂岡県経済部弟果敢良課,7貫,昭和24年1月. 6..LEPIE,Eり:Phytopathblb岳ischeNotizenlO,Bull.phytopath.Exp.Sta.Vniv.43,213−215,1938.〔in ReⅥ.Appl..Myc。.,叩1.1.7,p‖58料58ア,ユ鎗8∴〕 7.LINDAU:Rabenhorst’sKryptogamen−FloraⅥ,p・I64芦,1901・ 8.LINDAU:Rabenhor$t’sKryptogamen−FloraⅥ,P.686,1901・ 9・中田 質五郎,俺衷情琴:朝鮮作物痛撃目録,昭和3年1月・ 10.SA(】OARl)0,P..A.:Syll.Fung.10,pい306,ユ.892. 11.SACCARDO,P.A..:Syll‖Fung..11,P.525,1895. 12.SACCAR】)0,P。A.&Sydow,P..:Syll.Fung.14,p.948,1899. 13。SACCARDO,PいA.&SACCARDO,D小:Syll.,Fung小18,P345,1906. 14.SACCARDO,P.A..:Syll.Fung.25,P.337,1931,.

15いSEYMOUR:Hostindexof the fungiof NozthAmerica.CaTnl)ridge U.Press・

16.富樫海曹,川村正三‥岩手県に放ける栽培植物病害の基礎自勺調査第1報,岩手県立壌寄試験場彙報,弟8骨,5乱

昭和1ア年.

17.TRAVERSO,G.B.:Primo elenco dimicromicetidiSaltellina.Annal$Mycologicil,nOA,P,312,1903.

Rるs u m占

1.Morphologicalandphysiologicalstudiesweremade ontheleafspot of the buckwheat c去used by ASCOCゐ〆¢旅g∂♪γグg BRエヨS.

2.Spotsonfoliageareroundtoellipsoidal,mOStlyconcentricinfigure;theyarelightbrownorredq dishbrownin colour.,The spotsvaryfromO。2tol.5cmindiameter,・andadjacent spotsoftenfuse. Pycnidiaareusuallyvisibleasrnumerousblackorbrowndotsonthe,upper SuraCeS Of maturもd$pbt琴.

3・The pycnidia are globose or sub・lglobose,meaSuring from87け亭tol50いQby87‖5to137・・5FL・The

pycnosporesar/e:?Vaitooblopg,Straight tpslightlycurved,PlOStlycpnstricted at.the septum;;tbey measure・from8。7to17.5by′3小7to6‖5p,andare usuallyl−Septate・

4・工noculatione甲erimentsbymeaヮsof pycnospores produced on sァnthetic peptoneagarwere Carriedout successfully on1eaves:of host plants.Theincubation period of thisdi軍eaSe WaS apOut 20r3daysin the experiment which was carried outin the room・

5LTheculturalcharacter$Ofthefunguswerestudiedontendiffereht甲edia.Abundantpycnidii よndpycnosporeswer・eformedonpotatodecoctionagar,岳oyagatandcorn−mealdecoctionagar.

6.iherelationof覇temperat。retOthegrowthofthemyceliumwasstudiedonpotatodecoctionagar,

sby agar andsyntheticpeptoneagar.Itwasfoundthat the optimumtemperature for the mycelial

growthwas25つC,theminimlユmbelowlOOC andthe maximlユm about35OC.

7.The relat・ionof temperattire tothe germinationfrompycnospor6swasstudiedbysowin蜜them On the distilled waterazld synthetic peptone soln‖ne Cardinalpointsfor、temperature for the ger・ minationof pycnosporeswere almostthe same a占苫thatforthemycelialgrowth.

8ハ The relation of hydrogen−ion concentration to themycelialgr・OWth was studiedon synthetic peptone soIn.of the different hydr・Ogen−ion concentrationswhichwere prepared us王ng caustic・SOda

andhydrochloric acid.The growthoccurred onmediafromp‡王3.6to8.8,and’the most favourable growthwasobservedintherange frqm:4..8to7.、8・

9.The relationof hydrLogen−ion concentr・ation to the germinationof pycnosporesby sowing them On Synthetic peptone soln‖ Of different hydrogen−ion concentrations,Whichwere provided by ca11・

Stic soda andhydrochloI・ic acid.The germination took place overthewide range from pH2,.4▲tO 12.6and the optimalvalue was at pH6.21叫8い2∴

Updating...

参照

Updating...

関連した話題 :