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(1)

症例2

82歳、女性

主訴:膝関節疼痛

現病歴:

2008年4月 当院にて関節リウマチと診断される。(4/11 PT,APTT,Fib正常)

2008年12月頃 鼻出血が生じるようになった。

2009年12月15日 左膝の疼痛で近医受診。両膝関節穿刺で血腫確認。

2009年12月16日 血腫拡大と疼痛で歩行困難となり、近医入院。

疼痛は軽快したが鼻出血、耳出血、四肢の紫斑を繰り返した。

2009年12月25日 当院を紹介され入院となった。

既往歴:関節リウマチ、子宮筋腫手術、気管支喘息、高脂血症、高血圧

家族歴:血友病(-)

入院時所見:口腔・歯肉・鼻出血(-)、右上腕・右下腿に広汎な紫斑(+)

両膝関節内血腫(+)

(2)

入院時検査結果1

項目 項目 項目 項目 結果結果結果結果 WBC 7.1 ×103/μL RBC 313 ×104/μL Hb 9.6 g/dL Ht 30.7 % PLT 32.6 ×104/μL Seg 80.0 % Ly 13.0 % Mo 4.5 % Eo 1.5 % Ba 1.0 % 項目 項目項目 項目 結果結果結果結果 PT-sec 11.9 (12.3) sec PT% 106.9 % APTT-sec 118.2 (34.8) sec APTT% 20.3 % FIB 551 mg/dL FDP 2.3 μg/mL DD 0.82 μg/mL AT-Ⅲ 130.6 %

(3)

入院時検査結果2

項目 項目 項目 項目 結果結果結果結果 TP 6.7 g/dL ALB 4.2 g/dL UN 17.0 mg/dL Cre 0.78 mg/dL T-Bil 1.5 mg/dL AST 20 IU/L ALT 10 IU/L LD 346 IU/L 項目 項目項目 項目 結果結果結果結果 AMY 47 IU/L CK 79 IU/L Na 140 mEq/L K 3.7 mEq/L CL 104 mEq/L Ca 9.5 mg/dL CRP 4.42 mg/dL

(4)

質問

1)臨床症状と検査結果から疑われる

疾患名を挙げて下さい。

(5)

1)推定できる疾患

高齢の女性で

膝関節内出血

があり、

(6)
(7)

PTとAPTTの結果から

欠乏している凝固因子を推定できる

APTT APTT APTT APTT PTPTPTPT 欠乏が疑われる凝固因子欠乏が疑われる凝固因子欠乏が疑われる凝固因子欠乏が疑われる凝固因子 正常 延長 Ⅶ 延長 正常 Ⅷ Ⅸ ⅩⅠ ⅩⅡ 延長 延長 Ⅰ Ⅱ Ⅴ Ⅹ(複合異常) 正常 正常 ⅩⅢ PT,APTTの延長 凝固因子の不足 の他に阻害因子 の存在もある

(8)

1)推定できる疾患

高齢の女性で

膝関節内出血

があり、

凝固検査は

PT正常、APTT延長

している。

1)血友病A(第Ⅷ因子欠乏症)、血友病B(第Ⅸ因子欠乏症)、

ⅩⅠ因子欠乏症、ⅩⅡ因子欠乏症

2)フォンヴィレブランド病(VWD)

3)抗リン脂質抗体症候群(APS)

4)抗凝固因子抗体(インヒビター)

5)ヘパリン投与

(9)

追加検査

検査名 検査名 検査名 検査名 目的目的目的目的 混合試験 APTT延長の原因確認 凝固因子欠乏とインヒビターの鑑別 凝固因子活性測定 凝固第Ⅷ因子、第Ⅸ因子の活性確認血友病Aと血友病 Bの鑑別 凝固因子インヒビター測定 抗凝固因子抗体の力価を測定 VWF活性測定 VWF活性の確認 血友病とVWDの鑑別 ループスアンチコアグラント測定 APSの診断・除外

APTTが延長する疾患を鑑別するのに必要な検査

(10)

追加検査の結果と診断

検査名 検査名検査名 検査名 本症例の結果本症例の結果本症例の結果本症例の結果 混合試験 インヒビター型 凝固因子活性測定 第Ⅷ因子 0.7% 第Ⅸ因子 93.1% 凝固因子インヒビター測定 第Ⅷ因子インヒビター 5BU/mL< VWF活性測定 172% ループスアンチコアグラント測定 陰性

診断

第Ⅷ因子活性の著減と第Ⅷ因子インヒビターが認められ、血友病の家族

歴がなく高齢で発症していることより、後天性血友病Aと診断された。

(11)

血友病とは

• 第Ⅷ因子(血友病A)、第Ⅸ因子(血友病B)の

活性が先天的に低下し、出血傾向をきたす遺伝性疾

患である。(A:B=5:1)

• 遺伝形式は伴性劣性遺伝であるが1/3は孤発例で

あり、家族歴を認めない。

• 頻度男性10万人に当たり血友病Aが6.7人、血友病

Bは1.5人である。

• 幼児期から深部組織(関節、筋肉)に出血が起こる。

• 血小板正常、出血時間正常、APTT延長、

PT正常のとき血友病を考える。

• 診断は家族歴、臨床症状および止血・凝血学的検

査により行われる。

• 治療は補充療法が中心である。

(12)
(13)

日本国内の血液凝固異常症総数

病名 病名 病名 病名 男性男性男性男性 女性女性女性女性 計(%)計(%)計(%)計(%) 血友病A 4132 27 4159(65.3 ) 血友病B 908 7 915(14.4 ) Von Willebrand 病 396 473 869(13.7 ) 類縁疾患 232 190 422(6.6 ) 計 5668 697 6365(100) 後天性血友病A 32 23 55 後天性血友病B 2 0 2 後天性Von Willebrand病 6 1 7 血液凝固異常症全国調査の平成19年度(2007)報告書から引用 遺伝的には保因者が多い

(14)

女性血友病

1)真性女性血友病

• Homozygote

血友病保因者と血友病男性の結婚により、その女児

がHomozygoteになる可能性ある。

• 頻度は極めて低い(計算上10億人に3人)

2)保因者

• Heterozygote

• X染色体のライアン現象により 第Ⅷ、第Ⅸ因子がしば

しば低レベル(30~50%)になり、自然に出血するこ

とはないが、大手術の後で出血することがある。

(15)

血友病の重症度と診断

重症度

• 血友病の出血症状の程度は血中第Ⅷ因子活性濃度とよく相

関している。

診断

• 診断は家族歴、臨床症状および止血・凝血学的検査により

行われる。

• 第Ⅷ因子活性(第Ⅸ因子活性)が40%未満の場合に血友

病と診断される。

重症度 重症度 重症度 重症度 血中第血中第血中第血中第ⅧⅧⅧⅧ因子活性濃度因子活性濃度因子活性濃度因子活性濃度 割合割合割合割合 重症 1%未満 約60% 中等症 1%以上~5%未満 約20% 軽症 5%以上 約20% (White、Thromb Haemost 85:560、2001)

(16)

血友病の出血症状

(17)

血友病Aの鑑別診断

(吉岡 章、1990) 鑑別点 鑑別点 鑑別点 鑑別点 血友病A血友病A血友病A血友病A 血友病A保因者血友病A保因者血友病A保因者血友病A保因者 von Willebrand病病病病 先天性Ⅴ先天性先天性先天性ⅤⅤⅤ・・・・ⅧⅧⅧ因子合Ⅷ因子合因子合因子合 併欠乏症 併欠乏症 併欠乏症 併欠乏症 遺伝形式 伴性劣性 男性 伴性劣性 女性 常染色体優性(劣性) 男性・女性 常染色体劣性 男性・女性 出血症状 重篤 関節・筋肉 無し 軽~中等度 皮膚・粘膜 血友病型 中~軽症 Ⅷ因子 著明低下 低下 低下 低下 vWF 正常 正常 著明低下 正常 Ⅴ因子 正常 正常 正常 低下 出血時間 正常 正常 著明延長~延長 正常 PT 正常 正常 正常 延長 APTT 著明延長 延長 延長 延長 Ⅷ因子輸注効果 期待値まで上昇  ̄ 期待値以上または 長時間の上昇 期待値まで上昇

(18)

後天性血友病とは

• 血液凝固第Ⅷ因子に対する抗体(自己抗体)

が発生し、第Ⅷ因子活性の低下により、血液

が固まらなくなり、広範な出血が生じる疾患で

ある。

• 乳幼児から発症する先天性血友病Aとは異な

高齢者

女性

にも認められる。

• 先天性血友病Aの治療で補充療法を行うと第

Ⅷ因子に対する同種抗体が出現することが

あるがこの場合は後天性血友病とは言わな

い。

(19)

後天性血友病の疫学

1.発症率は、年間 1.5人/100万人(英国)。

2.発症率には男女差はない。

3.発生年齢は20~30歳と60~70歳に2大

ピークがある。

4.死亡率は7.9~25%と高い。

5.出血は皮下、筋肉内、消化管に多い。

(20)

後天性血友病A患者の年齢・性別分布

発生年齢は20~30歳と

(21)
(22)

初発症状の出血部位

先天性血友病患者では関節内 出血が特徴的であるが、後天性 血友病では関節 内出血は少なく 皮膚下、筋肉内、消化管の出血 が認められる。

(23)

後天性血友病Aの診断

第Ⅷ因子活性測 定の前に混合試 験を行う。インヒ ビターの確認と力 価を推定できる。

(24)

混合試験

(クロスミキシングテスト)

患者血漿と正常血漿を下記の割

合で混和し、APTTを測定する

グラフの形 グラフの形グラフの形 グラフの形 APTT延長の原因APTT延長の原因APTT延長の原因APTT延長の原因 下に凸の曲線 凝固因子欠乏 直線 低力価インヒビター 上に凸の曲線 高力価インヒビター 被検血漿中の 被検血漿中の 被検血漿中の 被検血漿中の 正常血漿の割合(%) 正常血漿の割合(%) 正常血漿の割合(%) 正常血漿の割合(%) 0000 20202020 50505050 80808080 100100100100 正常血漿 0 20 50 80 100 患者血漿 100 80 50 20 0

(25)

第Ⅷ因子インヒビターが疑われる場合の

混合試験

抗第Ⅷ因子抗体は時間と温度依存性にその活性 を阻害するため、混和直後よりも37℃で2時間加 温することより、はっきりしたインヒビターのパター ンを示すようになる。

(26)

血友病のまとめ

• 女性にも血友病はある。

• 先天性血友病の他に後天性血友病がある。

• 血友病は筋肉内、関節内出血が特徴である。

• 軽症および中等症血友病ではAPTTが正常値を示す場

合がある。

• 混合試験は凝固因子欠乏とインヒビターを鑑別できる。

• 第Ⅷ因子インヒビターの反応は時間依存性である。

• 後天性血友病は死亡率が高い。

(27)

第Ⅷ因子インヒビターの分類

)タイプⅠインヒビター • 反応時間の経過とともに直線的に 第Ⅷ因子活性が不活化される。 • 先天性血友病で補充療法をうけた 患者に発生する同種抗体。 • インヒビターを中和する以上の第Ⅷ因子を加え れば、余分な第Ⅷ因子は活性を保持しうる。 2)タイプⅡインヒビター • 反応初期は直線的に第Ⅷ因子の 不活化がみられるが、その後反応時間 を十分とっても完全には第Ⅷ因子が 不活化されない。 • 後天性血友病の自己抗体。 • 血漿中に第Ⅷ因子活性が認められるのに、 第Ⅷ因子を加えるとまた抑制がかかる。 いったん結合した複合体が解離す るためか複合体そのものが若干の 活性を有すると考えられている

(28)

APTT試薬と第Ⅷ因子活性

APTT試薬により第8因子測定値にばらつきが見られる。

特に軽症血友病Aの場合にばらつきが大きくなるので注意が必要である。

(29)

凝固インヒビター測定

インヒビターの測定はベセスダ法

ベセスダ法

ベセスダ法

ベセスダ法で行い、ベセスダ単位(BU/ml)で表す。

1 BU/mlは等量混和した患者血漿が正常血漿中の凝固因子を50%阻

害することを意味している。

Bethesda法法法法 検体(検体(X)検体(検体( ))) 対照(対照(対照(対照(Y)))) 等量混合液 患者血漿+正常血漿 緩衝液+正常血漿 加温 37℃、2時間 第Ⅷ因子活性測定 15% 47% 残存因子活性(Z) =X/Y×100 15/47×100=32% グラフからベセスダ単位を求める または、logZ=-log2XBU+2 (BU:ベセスダ単位) 抗体価 1.7 BU/ML 抗体価の予測がつかないときは患者血漿を原 液、3、10、30、100、300、1000倍の希釈 列を作り測定する。 残 存 活 性

(30)

タイプⅡインヒビター測定上の注意点

後天性血友病A(タイプⅡ) 血友病A(タイプⅠ) タイプⅡインヒビターでは希釈倍率を高くするほどインヒビター力価が高くなる。 残存活性比率が25~75%の間に2~3ポイント入るように希釈を行うのが望ましく、残存活性 比率が50%に最も近く、はじめて50%を超えたポイントの希釈で算出する。(天野景裕) 天野景裕:臨床病理 2009;57(10):999-1003

(31)
(32)

血友病Aと von Willebrand病の比較

血友病A 血友病A 血友病A 血友病A von Willebrand 病病病病 原因 第Ⅷ因子の量的・質的異常 vWFの量的・質的異常 血小板数 正常 正常 出血時間 正常 延長 第Ⅷ因子活性 低下 低下 vWF 正常 低下 APTT 延長 延長 PT 正常 正常 遺伝形式 伴性劣性遺伝 常染色体優性遺伝 出血の特徴 深部出血を繰り返す 皮下出血(紫斑)や粘膜出血 (鼻出血)を繰り返す 注意: PT正常、APTT延長で第Ⅷ因子活性が低下していれば血友病Aではない。 必ず、vWFが正常であることを確認すること。

参照

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F1+2 やTATが上昇する病態としては,DIC および肺塞栓症,深部静脈血栓症などの血栓症 がある.

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混合液について同様の凝固試験を行った.もし患者血

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②  A  A  A  B  B of A  × . ③  B  B  A  B 

山口 友実

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