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1. z dr er r sinθ dϕ eϕ r dθ eθ dr θ dr dθ r x 0 ϕ r sinθ dϕ r sinθ dϕ y dr dr er r dθ eθ r sinθ dϕ eϕ 2. (r, θ, φ) 2 dr 1 h r dr 1 e r h θ dθ 1 e θ h

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Academic year: 2021

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(1)

解析学IB・IIA講義資料

球座標におけるベクトル解析

§1

線素ベクトル・面素ベクトル・体積要素

線素ベクトル

球座標では図1に示すようにr, θ, φの値を1組与えることによって空間の点(r, θ, φ) を指定する. ここで, r, θ, φの動く範囲は 0 ≤ r < ∞, 0 ≤ θ ≤ π, 0 ≤ φ < 2πであ る. このとき, θ, φが一定の曲線, φ, rが一定の曲線, r, θ が一定の曲線をそれぞれr 曲 線, θ曲線, φ曲線といい, これらを総称して座標曲線とよぶ. また, r が一定の曲面, θ が 一定の曲面, φが一定の曲面をそれぞれ θφ曲面, φr 曲面, rθ曲面といい, これらを総称 して座標曲面とよぶ. 与えられた r, θ, φの値についてr 曲線, θ曲線, φ曲線を描くと, これら3つの曲線は点 (r, θ, φ) で交わることになる. さらに, r 曲線, θ曲線, φ曲線の 正の向きを向く単位ベクトルer, eθ, eφ をこの点における正規直交基底として採用する. 直交座標の場合と異なり, 球座標の場合には空間の各点に付随する正規直交基底er, eθ, eφ を他の点に付随する正規直交基底 er, eθ, eφ に平行移動のみによって重ねることは 必ずしもできないという点に注意する必要がある. このため, 球座標をもちいて場の微分 を行うと計算が複雑になることがある. なお, 本来ならば点(r, θ, φ)に付随する正規直交 基底であることを明示するためにer(r, θ, φ), eθ(r, θ, φ), eφ(r, θ, φ)のように表すのがよ り正確であるが, (r, θ, φ)を省略して単にer, eθ, eφ と記すことが多いので注意する必要 がある. さて, 図2に示すように点(r, θ, φ)における線素ベクトルdr は点 (r, θ, φ)と点 (r + dr, θ + dθ, φ + dφ)を結ぶ微小変位であり, dr = hrdr er+ hθdθ eθ+ hφdφ eφ (1) と表される. ここでスケール因子 hr, hθ, hφhr = 1, = r, = r sin θ (2) と定義した. スケール因子も変数r, θ, φの関数であるので, 本来ならばこのことを明示す るためにhr(r, θ, φ), hθ(r, θ, φ), hφ(r, θ, φ)のように表すのがより正確であるが, 変数を 省略して単にhr, hθ, hφ と記すことが多いので注意する必要がある.

(2)

図1 球座標.

ϕ

dr

dr

e

r

r

sin

θ

d

ϕ

z x y 0

θ

r

dr

d

θ

d

ϕ

r

sin

θ

d

ϕ

r

sin

θ

r

d

θ

dr

=

dr

e

r

+

r

d

θ

+

r

sin

θ

d

ϕ

図2 球座標における線素ベクトル.

面素ベクトル

(r, θ, φ)における2つの線素ベクトル dr1 = hrdr1 er+ hθdθ1 eθ+ hφdφ1 eφ dr2 = hrdr2 er+ hθdθ2 eθ+ hφdφ2 eφ (3)

(3)

ϕ

z x y 0

θ

d

ϕ

r

sin

θ

d

ϕ

r

sin

θ

r

d

θ

dS

r

sin

θ

d

ϕ

dS

=

r

d

θ

x

r

sin

θ

d

ϕ

=

r

sin

2

θ

d

θ

d

ϕ

e

r

r

d

θ

図3 球座標における面素ベクトル(θφ曲面の場合). z x y 0

dV

=

r

sin

2

θ

dr

d

θ

d

ϕ

θ

r

d

θ

ϕ

d

ϕ

dr

e

r

r

sin

θ

d

ϕ

r

d

θ

図4 球座標における体積要素. からつくられる面素ベクトルは dS = dr1× dr2 = hθhφ 1 1 2 2 er+ hφhr 1 dr1 2 dr2 eθ+ hrhθ dr1 1 dr2 2 eφ (4) と表される. 座標曲面の場合を考えるとこの表式は特に簡単なものとなる. ここではθφ

(4)

曲面を例として取り上げ, その上の面素ベクトルについて説明する. ただし, θφ曲面の表 をr 曲線の正の向きにとることにする. dθ, dφは正であるとして図3に示す2つの線素 ベクトル dr1 = hθdθ eθ = r dθ eθ dr2 = hφdφ eφ = r sin θ dφ eφ (5) を考えよう. これら2つの線素ベクトルからθφ曲面上の面素ベクトルは dS = hθdθ eθ× hφdφ eφ = hθhφdθ dφ er = r2sin θ dθ dφ er (6) となることがわかる. つまり, dS = n dS と書けば n = er, dS = hθhφdθ dφ = r2sin θ dθ dφである. 同様に考えて, φr曲面上の面素ベクトルは, 曲面の表をθ 曲線の正 の向きにとれば, dS = hφdφ eφ × hrdr er = hφhrdφ dr eθ = r sin θ dφ dr eθ (7) であり, また, rθ曲面上の面素ベクトルは, 曲面の表をφ曲線の正の向きにとれば, dS = hrdr er× hθdθ eθ = hrhθdr dθ eφ = r dr dθ eφ (8) である. ただし, dr, dθ, dφはすべて正であると考える.

体積要素

図4に示すように, dr, dθ, dφ はすべて正であるとして点(r, θ, φ)における3つの線素 ベクトル dr1 = hrdr er = dr er dr2 = hθdθ eθ = r dθ eθ dr3 = hφdφ eφ = r sin θ dφ eφ (9) を考えると, 球座標における体積要素は dV = dr1 · (dr2× dr3) = hrdr er· (hθdθ eθ× hφdφ eφ) = hrhθhφdr dθ dφ = r2sin θ dr dθ dφ (10) と表される.

(5)

§2

線積分・面積分・体積分

座標曲線に沿う線積分

球座標の座標曲線に沿う線積分の求め方について説明しよう. そのために, 例としてr

線に沿う線積分を考える. ベクトル場V は球座標の成分をもちいて

V = Vr(r, θ, φ)er+ Vθ(r, θ, φ)eθ+ Vφ(r, θ, φ)eφ (11)

と表されるとする. また, 積分経路として Γ = {(r, θ, φ) | a ≤ r ≤ b, θ = θ0, φ = φ0} (12) を考えよう. ただし, Γ は点(a, θ0, φ0)から点(b, θ0, φ0)へと向きづけられているとする. Γ 上ではθ, φは一定, つまり, dθ = 0, dφ = 0であるから, Γ に沿う線素ベクトルは dr = hrdr er (13) と表される. したがって, Γ 上の点(r, θ0, φ0)におけるVdr の内積をとると V · dr = Vr(r, θ0, φ0)hr(r, θ0, φ0) dr (14) となるから, Γ に沿うV の線積分を求めるには ∫ Γ V · dr =b a Vr(r, θ0, φ0)hr(r, θ0, φ0) dr = ∫ b a Vr(r, θ0, φ0) dr (15) を計算すればよいことがわかる. たとえば, ベクトル場として

V = r cos θ cos φ er+ r2sin θ sin φ eθ+ r3tan θ tan φ eφ (16)

を考えれば ∫ Γ V · dr =b a r cos θ0cos φ0dr = 1 2(b 2− a2 ) cos θ0cos φ0 (17) となる. ここでは例としてr曲線上の積分経路に沿う線積分の求め方について説明したが, θ曲線上の積分経路 Γ = {(r, θ, φ) | r = r0, a ≤ θ ≤ b, φ = φ0} (18)

(6)

に沿う線積分を求めるには ∫ Γ V · dr =b a Vθ(r0, θ, φ0)hθ(r0, θ, φ0) dθ = ∫ b a Vθ(r0, θ, φ0)r0 (19) を計算すればよい. また, φ曲線上の積分経路 Γ ={(r, θ, φ) | r = r0, θ = θ0, a ≤ φ ≤ b} (20) に沿う線積分を求めるには ∫ Γ V · dr =b a Vφ(r0, θ0, φ)hφ(r0, θ0, φ) dφ = ∫ b a Vφ(r0, θ0, φ)r0sin θ0 (21) を計算すればよい.

一般の曲線に沿う線積分

ここでは積分経路が一般の曲線上にある場合を考える. まず, 曲線Γ をパラメータ表示 する. つまり, パラメータpもちいて r = r(p), θ = θ(p), φ = φ(p) (22) のようにΓ 上の点(r(p), θ(p), φ(p))を表す. ベクトル場V は球座標の成分をもちいて

V = Vr(p)er+ Vθ(p)eθ+ Vφ(p)eφ (23)

と表されるとする. ただし, Vr(r(p), θ(p), φ(p))などを簡単にVr(p)などと書いた. この とき, dr = dr dpdp, dθ = dp dp, dφ = dp dp (24) であるから, Γ に沿う線素ベクトルは dr = { hr(p) dr dper+ hθ(p) dpeθ+ hφ(p) dpeφ } dp (25)

(7)

と表される. ただし, hr(r(p), θ(p), φ(p))などを簡単にhr(p)などと書いた. したがって, Γ 上の点(r(p), θ(p), φ(p))におけるVdrの内積をとると V · dr = { Vr(p)hr(p) dr dp + Vθ(p)hθ(p) dp + Vφ(p)hφ(p) dp } dp (26) となるから, Γ に沿うV の線積分を求めるには ∫ Γ V · dr =Γ { Vr(p)hr(p) dr dp + Vθ(p)hθ(p) dp + Vφ(p)hφ(p) dp } dp = ∫ Γ { Vr(p) dr dp + Vθ(p)r(p) dp + Vφ(p)r(p) sin θ(p) dp } dp (27) を計算すればよいことがわかる.

座標曲面上での面積分

球座標の座標曲面上での面積分の求め方について説明しよう. そのために例としてθφ曲 面上での面積分を考える. ベクトル場V は球座標の成分をもちいて

V = Vr(r, θ, φ)er+ Vθ(r, θ, φ)eθ+ Vφ(r, θ, φ)eφ (28)

と表されるとする. また, 積分領域として Σ ={(r, θ, φ) | r = r0, a≤ θ ≤ b, c ≤ φ ≤ d} (29) を考えよう. ただし, Σr曲線の正の向きに向きづけられているとする. §1で(6)とし て求めたように, θφ曲面上の面素ベクトルは dS = hθhφdθ dφ er (30) である. したがって, Σ 上の点(r0, θ, φ)におけるVdS の内積をとると V · dS = Vr(r0, θ, φ)hθ(r0, θ, φ)hφ(r0, θ, φ) dθ dφ (31) となるから, Σ上でのV の面積分を求めるには ∫∫ Σ V · dS =d cb a Vr(r0, θ, φ)hθ(r0, θ, φ)hφ(r0, θ, φ) dθ dφ = ∫ d cb a Vr(r0, θ, φ)r02sin θ dθ dφ (32)

(8)

を計算すればよいことがわかる. たとえば, ベクトル場として

V = r cos θ cos φ er+ r2sin θ sin φ eθ+ r3tan θ tan φ eφ (33)

を考えれば ∫∫ Σ V · dS =d cb a

r03cos θ sin θ cos φ dθ dφ

= 1 2r

3 0(cos

2

a− cos2b)(sin d− sin c)

(34) となる. ここでは例としてθφ曲面上の積分領域での面積分の求め方について説明したが, φr曲面上の積分領域 Σ ={(r, θ, φ) | c ≤ r ≤ d, θ = θ0, a ≤ φ ≤ b} (35) での面積分を求めるには ∫∫ Σ V · dS =d cb a Vθ(r, θ0, φ)hφ(r, θ0, φ)hr(r, θ0, φ) dφ dr = ∫ d cb a Vθ(r, θ0, φ)r sin θ0dφ dr (36) を計算すればよい. また, rθ曲面上の積分領域 Σ ={(r, θ, φ) | a ≤ r ≤ b, c ≤ θ ≤ d, φ = φ0} (37) での面積分を求めるには ∫∫ Σ V · dS =d cb a Vφ(r, θ, φ0)hr(r, θ, φ0)hθ(r, θ, φ0) dr dθ = ∫ d cb a Vφ(r, θ, φ0)r dr dθ (38) を計算すればよい.

一般の曲面上での面積分

ここでは積分領域が一般の曲面上にある場合を考える. まず, 曲面Σ をパラメータ表示 する. つまり, パラメータp, qをもちいて r = r(p, q), θ = θ(p, q), φ = φ(p, q) (39)

(9)

のようにΣ上の点(r(p, q), θ(p, q), φ(p, q))を表す. ベクトル場V は球座標の成分をもち いて

V = Vr(p, q)er+ Vθ(p, q)eθ+ Vφ(p, q)eφ (40)

と表されるとする. ただし, Vr(r(p, q), θ(p, q), φ(p, q))などを簡単にVr(p, q)などと書い た. このとき, §1で与えた面素ベクトルの表式(4)において dr1 = ( ∂r ∂p ) q dp, 1 = ( ∂θ ∂p ) q dp, 1 = ( ∂φ ∂p ) q dp dr2 = ( ∂r ∂q ) p dq, 2 = ( ∂θ ∂q ) p dq, 2 = ( ∂φ ∂q ) p dq (41) と選べば, Σ 上の面素ベクトルは dS = { hθ(p, q)hφ(p, q) ∂(θ, φ) ∂(p, q) er+ hφ(p, q)hr(p, q) ∂(φ, r) ∂(p, q) eθ +hr(p, q)hθ(p, q) ∂(r, θ) ∂(p, q) eφ } dp dq (42) と表される. ただし, hr(r(p, q), θ(p, q), φ(p, q))などを簡単にhr(p, q)などと書いた. ま た, ヤコビアン ∂(α, β) ∂(p, q) = ( ∂α ∂p ) q ( ∂α ∂q ) p ( ∂β ∂p ) q ( ∂β ∂q ) p (43) をもちいた. したがって, Σ 上の点(r(p, q), θ(p, q), φ(p, q))におけるVdS の内積を とると V · dS = { Vr(p, q)hθ(p, q)hφ(p, q) ∂(θ, φ) ∂(p, q) + Vθ(p, q)hφ(p, q)hr(p, q) ∂(φ, r) ∂(p, q) +Vφ(p, q)hr(p, q)hθ(p, q) ∂(r, θ) ∂(p, q) } dp dq (44)

(10)

となるから, VΣ上での面積分を求めるには ∫∫ Σ V · dS = ∫∫ Σ { Vr(p, q)hθ(p, q)hφ(p, q) ∂(θ, φ) ∂(p, q) + Vθ(p, q)hφ(p, q)hr(p, q) ∂(φ, r) ∂(p, q) +Vφ(p, q)hr(p, q)hθ(p, q) ∂(r, θ) ∂(p, q) } dp dq = ∫∫ Σ { Vr(p, q)r2(p, q) sin θ(p, q) ∂(θ, φ) ∂(p, q) + Vθ(p, q)r(p, q) sin θ(p, q) ∂(φ, r) ∂(p, q) +Vφ(p, q)r(p, q) ∂(r, θ) ∂(p, q) } dp dq (45) を計算すればよいことがわかる.

体積分

空間の領域におけるスカラー場f の体積分を考える. §1で求めたように, 球座標にお ける体積要素は(10)によって与えられる. したがって, 球座標によって体積分を求める には ∫∫∫ f dV = ∫∫∫ f (r, θ, φ) hr(r, θ, φ)hθ(r, θ, φ)hφ(r, θ, φ) dr dθ dφ = ∫∫∫ f (r, θ, φ) r2sin θ dr dθ dφ (46) を計算すればよい.

§3

勾配・回転・発散

勾配

スカラー場f の勾配∇f∇f · dr = df (47) を満たすベクトル場として定義される. ここで, drは任意の微小変位である. dr = t ds をもちいると ∇f · t = df (48)

(11)

と書ける. (48)をft方向についての方向微分係数という. 勾配の定義(47)から, 球座 標(r, θ, φ)における∇f の表式は ∇f = 1 hr ( ∂f ∂r ) θφ er+ 1 ( ∂f ∂θ ) φr eθ + 1 ( ∂f ∂φ ) eφ (49) すなわち ∇f = ( ∂f ∂r ) θφ er+ 1 r ( ∂f ∂θ ) φr eθ+ 1 r sin θ ( ∂f ∂φ ) eφ (50) であることが導かれる. (49)の導出はこの項目の最後で行う. この表式のf としてr, θ, φを考えると ∇r = er hr , ∇θ = eθ , ∇φ = eφ (51) を得る. したがって, 勾配についての連鎖律 ∇f = ( ∂f ∂r ) θφ ∇r + ( ∂f ∂θ ) φr ∇θ + ( ∂f ∂φ ) ∇φ (52) が成り立つことがわかる. さて, 球座標における ∇f の表式 (49) を導こう. 球座標 (r, θ, φ)をもちいると ∇f · dr = hrdr∇f · er+ hθdθ∇f · eθ+ hφdφ∇f · eφ (53) と書ける. これをf の全微分の表式 df = ( ∂f ∂r ) θφ dr + ( ∂f ∂θ ) φr dθ + ( ∂f ∂φ ) (54) とくらべると, たとえば, rについて ∇f · er = 1 hr ( ∂f ∂r ) θφ (55) であることがわかる. したがって, θ, φについても同様に考えると, 球座標における∇f の表式として(49)が得られる.

回転

ベクトル場V の回転∇ × V は (∇ × V ) · ∆S =∂σ V · dr (56)

(12)

を満たすベクトル場として定義される. ここで, σ は任意の微小曲面であり, ∆S はその面 素ベクトルである. ∆S = n∆S をもちいると (∇ × V ) · n = 1 ∆S∂σ V · dr (57) と書ける. (57) をVn 方向についての渦度という. 回転の定義 (56) から, 球座標 (r, θ, φ)における∇ × V の表式は ∇ × V = 1 hθhφ {( ∂Vφhφ ∂θ ) φr ( ∂Vθhθ ∂φ ) } er + 1 hφhr {( ∂Vrhr ∂φ ) ( ∂Vφhφ ∂r ) θφ } eθ + 1 hrhθ {( ∂Vθhθ ∂r ) θφ ( ∂Vrhr ∂θ ) φr } eφ (58) すなわち ∇ × V = 1 r2sin θ {( ∂Vφr sin θ ∂θ ) φr ( ∂Vθr ∂φ ) } er + 1 r sin θ {( ∂Vr ∂φ ) ( ∂Vφr sin θ ∂r ) θφ } eθ + 1 r {( ∂Vθr ∂r ) θφ ( ∂Vr ∂θ ) φr } eφ (59) であることが導かれる. (58)の導出はこの項目の最後で行う. これを ∇ × V = er hθhφ eθ hφhr eφ hrhθ ∂r ∂θ ∂φ Vrhr Vθhθ Vφhφ (60) と書くと覚えやすい. この表式と勾配∇f の球座標における表式(49)から重要な性質と して ∇ × (∇f) = 0 (61)

(13)

が成り立つことがわかる. つまり, 保存場は渦なしである. ベクトル場V が保存場である とき, スカラー場ff (r, θ, φ) =r r0 Vr(r′, θ0, φ0)hr(r′, θ0, φ0) dr′ + ∫ θ θ0 Vθ(r, θ′, φ0)hθ(r, θ′, φ0) dθ′+ ∫ φ φ0 Vφ(r, θ, φ′)hφ(r, θ, φ′) dφ′ (62) によって定義すると, VV =∇f として与えられる. さて, 球座標における∇ × V の 表式(58)を導こう. そのために, 定義(56)のσとして図5に示す γ1 : A → B, γ2 : B → C, γ3 : C → D, γ4 : D → A (63) を4つの辺とする微小曲面を考える. このとき, σの境界は∂σ = γ1+· · · + γ4 と表せる. まず, γ1, γ3 に沿う線積分をあわせて考える. このとき, γ1においてはt = eθであるのに 対し, γ3 においてはt = −eθ であることに注意すると ∫ γ1 V · dr +γ3 V · dr = ∫ θ0+∆θ θ0 {vθ(r0, θ, φ0)− vθ(r0, θ, φ0+ ∆φ)} dθ (64) と書ける. ここで, vθ = Vθhθ とおいた. さらに, vθ(r0, θ, φ0+ ∆φ)∆φについてテイ ラー展開し2次以上の項を無視すると vθ(r0, θ, φ0+ ∆φ) = vθ(r0, θ, φ0) + ( ∂vθ ∂φ0 ) r0θ ∆φ (65) であるから ∫ γ1 V · dr +γ3 V · dr = −θ0+∆θ θ0 ( ∂vθ ∂φ0 ) r0θ ∆φ dθ = ( ∂vθ ∂φ0 ) r0θ0 ∆θ∆φ = ( ∂Vθhθ ∂φ0 ) r0θ0 ∆θ∆φ (66) となる. ただし, 2 番目の等式においては ∆θ が微小量であることから被積分関数を θ = θ0における値で置き換えて積分を評価した. 次に, γ2, γ4 に沿う線積分をあわせて考 える. このとき, γ2 においてはt = eφ であるのに対し, γ4 においてはt = −eφ であるこ

(14)

とに注意すると ∫ γ2 V · dr +γ4 V · dr = ∫ φ0+∆φ φ0 {vφ(r0, θ0+ ∆θ, φ)− vφ(r0, θ0, φ)} dφ (67) と書ける. ここで, vφ = Vφhφ とおいた. さらに, vφ(r0, θ0+ ∆θ, φ)∆θについてテイ ラー展開し2次以上の項を無視すると vφ(r0, θ0+ ∆θ, φ) = vφ(r0, θ0, φ) + ( ∂vφ ∂θ0 ) φr0 ∆θ (68) であるから ∫ γ2 V · dr +γ4 V · dr =φ0+∆φ φ0 ( ∂vφ ∂θ0 ) φr0 ∆θ dφ = ( ∂vφ ∂θ0 ) φ0r0 ∆θ∆φ = ( ∂Vφhφ ∂θ0 ) φ0r0 ∆θ∆φ (69) となる. ただし, 2 番目の等式においては ∆φ が微小量であることから被積分関数を φ = φ0 における値で置き換えて積分を評価した. 以上から, 微小曲面σ の境界∂σに沿う 線積分は ∫ ∂σ V · dr = {( ∂Vφhφ ∂θ0 ) φ0r0 ( ∂Vθhθ ∂φ0 ) r0θ0 } ∆θ∆φ (70) と書けることがわかる. 一方, この微小曲面σ についてはn = er, ∆S = hθhφ∆θ∆φで あるから, (57)によって, (∇ × V ) · er = 1 hθhφ {( ∂Vφhφ ∂θ0 ) φ0r0 ( ∂Vθhθ ∂φ0 ) r0θ0 } (71) が得られる. したがって, (∇ × V ) · eθ, (∇ × V ) · eφ についても同様に考え, r0, θ0, φ0 をあらためてr, θ, φとおくと, 球座標における∇ × V の表式として(58)が得られる.

発散

ベクトル場V の発散∇ · V∇ · V ∆V = ∫∫ V · dS (72)

(15)

C

D

A

z x y 0

S

S

=

r

sin

2

θ

∆θ

∆ϕ

e

r

B

A=( r

0

,

θ

0

,

ϕ

0

) B=( r

0

,

θ

0

+

∆θ

,

ϕ

0

)

C=( r

0

,

θ

0

+

∆θ

,

ϕ

0

+

∆ϕ

) D=( r

0

,

θ

0

,

ϕ

0

+

∆ϕ

)

ϕ

0

r

0

θ

0

∆ϕ

∆θ

図5 球座標における回転∇ × Vr成分を求めるための積分領域. z x y 0

ϕ

0

r

0

∆θ

θ

0

∆ϕ

σ

2

σ

1

σ

3

σ

4

σ

5

σ

6

r

図6 球座標における発散∇ · V の表式を求めるための積分領域.

(16)

を満たすスカラー場として定義される. ここで, ω は体積∆V の任意の微小領域であり, ∂ωωの境界を表す. 発散の定義(72)から, 球座標(r, θ, φ)における∇ · V の表式は ∇ · V = 1 hrhθhφ {( ∂Vrhθhφ ∂r ) θφ + ( ∂Vθhφhr ∂θ ) φr + ( ∂Vφhrhθ ∂φ ) } (73) すなわち ∇ · V = 1 r2sin θ {( ∂Vrr2sin θ ∂r ) θφ + ( ∂Vθr sin θ ∂θ ) φr + ( ∂Vφr ∂φ ) } (74) であることが導かれる. (73)の導出はこの項目の最後で行う. この表式と回転∇ × V の 球座標における表式(58)から重要な性質として ∇ · (∇ × V ) = 0 (75) が成り立つことがわかる. つまり, ベクトル場の回転は湧き出しなしである. さて, 球座標 における∇ · V の表式(73)を導こう. そのために,定義(72) のωとして図6に示す σ1 : (r0+ ∆r, θ , φ ) σ2 : (r0, θ , φ ) σ3 : ( r , θ0+ ∆θ, φ ) σ4 : ( r , θ0, φ ) σ5 : ( r , θ , φ0+ ∆φ) σ6 : ( r , θ , φ0) r0 ≤ r ≤ r0 + ∆r, θ0 ≤ θ ≤ θ0+ ∆θ, φ0 ≤ φ ≤ φ0+ ∆φ (76) を6つの側面とする微小領域を考える. このとき, ωの境界は∂ω = σ1+· · · + σ6と表せ る. まず, σ1 とσ2 の上での面積分をあわせて考える. このとき, σ1 においてはn = er で あるのに対し, σ2においてはn =−er であることに注意すると ∫∫ σ1 V · dS + ∫∫ σ2 V · dS = ∫ φ0+∆φ φ0 ∫ θ0+∆θ θ0 {vr(r0+ ∆r, θ, φ)− vr(r0, θ, φ)} dθ dφ (77) と書ける. ここで, vr = Vrhθhφとおいた. さらに, vr(r0+ ∆r, θ, φ)∆rについてテイ ラー展開し2次以上の項を無視すると vr(r0+ ∆r, θ, φ) = vr(r0, θ, φ) + ( ∂vr ∂r0 ) θφ ∆r (78)

(17)

であるから ∫∫ σ1 V · dS + ∫∫ σ2 V · dS =φ0+∆φ φ0 ∫ θ0+∆θ θ0 ( ∂vr ∂r0 ) θφ ∆r dθ dφ = ( ∂vr ∂r0 ) θ0φ0 ∆r∆θ∆φ = ( ∂Vrhθhφ ∂r0 ) θ0φ0 ∆r∆θ∆φ (79) となる. ただし, 2番目の等式においては∆θ, ∆φ が微小量であることから被積分関数を θ = θ0, φ = φ0 における値で置き換えて積分を評価した. σ3とσ4, σ5とσ6 の上での面 積分についても同様に考えると ∫∫ ∂ω V · dS = {( ∂Vrhθhφ ∂r0 ) θ0φ0 + ( ∂Vθhφhr ∂θ0 ) φ0r0 + ( ∂Vφhrhθ ∂φ0 ) r0θ0 } ∆r∆θ∆φ (80) となる. 一方, ∆V = hrhθhφ∆r∆θ∆φであるから, r0, θ0, φ0 をあらためてr, θ, φとお くと, 球座標における∇ · V の表式として(73)が得られる.

(18)

ラプラシアン

球座標におけるラプラシアンの具体的な表式は 2 f = 1 hrhθhφ {( ∂r hθhφ hr ∂f ∂r ) θφ + ( ∂θ hφhr ∂f ∂θ ) φr + ( ∂φ hrhθ ∂f ∂φ ) } = 1 r2 ( ∂rr 2∂f ∂r ) θφ + 1 r2sin θ ( ∂θ sin θ ∂f ∂θ ) φr + 1 r2sin2 θ ( 2f ∂φ2 ) (81) である.

図 1 球座標 . ϕ drdrerrsin θ d ϕ e ϕz x y0θrdrdθdϕ r sin θ d ϕrsinθrdθeθ dr = dr e r + r d θ e θ + r sin θ d ϕ e ϕ    図 2 球座標における線素ベクトル

参照

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