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Role and Practice of Corporate Governance

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Academic year: 2021

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■ 研究論文

コーポレー ト ガバナンスの実践状況 と課題

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神奈川大学大学院 経営学研究科 国際経営専攻 博士前期課程

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■キーワー ド コーポ レー ト・ガバ ナ ンス、 コーポ レー ト・ガバナ ンス原則、 日本企業、企業経営機構改革

1 は じめに

日本企業におけるコーポ レー ト・ガバナ ンスの 議論 は、企業不祥事の防止や企業競争力の強化 を 目的 としてい るものが多い と考 え られ る1。企業 程営において も、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの 目 的を企業 が定めてお り、企業の独 自性 が企業理念 や行動指針、そ して組織の戦略性 に準 じた内容へ と反映 されている。そ して、企業のコーポ レ- ト ガバナ ンスの実践 において も、公的機 関や私的機 関が提言 したコーポ レー ト・ガバナ ンスに関す る 報告書 を参照す る形で企業経営に導入 して、実践 している。 しか し、議論 を行 うことによって、企 業におけるコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの実践方法 が 日々模 索 されて いた と して も、企業 が個別 に コーポレー ト・ガバ ナ ンスの指針 を策定 し実践 し てい る例 は少 ない と考 えられ る。つ まり、企業が 不祥事 を起 こさないような仕組み を構築す るため には、企業が独 自の指針 を策定す ることが企業に 適合 した仕 組 み につ なが るで あろ うと考 え られ る。本論文では、 日本企業の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスを研究す る意義 を明 らかにす ることを目的 とし、企業不祥事 を背景 とした 日本企業の実践例 を通 じて、今後の課題 を考 える。 まず、第2節で は、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスを考 えるうえでの 先行研究 と、企業不祥事の特徴か ら考 えられ る議 論の範囲 を明確 にす る。 そ して、第3節では、 日 本企業において実践 されて きたコーポ レー ト・ガ バナ ンスが どのように機能 してい るのかを明 らか にす る。 さらに、第

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節では、 日本企業の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスを考 えるにあたって、必要 な 改革の見直 しと今後の課題 を明 らかに してい る。

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日本企 業の コーポ レー ト ・ガバナ ンス

に関す る議論

2-1 コ-ポ レー ト・ガバナ ンスに関す る先行研 究 日本企業において コーポ レー ト・ガバ ナ ンスと い う問題 が注 目され始 めたのは、1990年代 になっ

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222 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第14号 2010年3月 て か らで あ る と考 え られ て い る2. 特 に 日本 企 業 決算 や食 品偽装 、 そ して、 リコール 隠 しな どがみ の業績 な どに大 き く影響す る企 業不祥事 は、粉飾 られ、 日本企業 や企業 の経営者 に とって多大 な影 表1 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンスに関 す る先 行研 究 研究者 文書 コーポ レー ト.ガバナ ンスに関する提言や意見 阿部道明 阿部道明【2002】 経営陣 トップが自 らより良 きコ-ポ レー ト.ガバ ナ ンスを求め る意識 を持ち改革の真の狙いを しっか りと見据 えるとともに、 自社 に適 したシステム 42頁. を選び出 し経営陣全体 さらには全社 にその意識 を徹底 させて断固たる姿勢 で改革の実行 を リー ドしてい くことが求 め られ よう○ 石嶋芳臣 石嶋芳臣【2004】 コーポ レー ト.ガバ ナ ンス問題 を巡 る議論 は、経営者行動へのチ ェック&モニ タ リング .システムの強化 .補強の提言、および企業パ フォーマ ンス 1頁. の向上 と結びつ くようコーポ レー ト一ガバ ナ ンス構造が如何 にアレンジ さ れ得 るかが中心的課題 となっている○ 浦野倫平 浦野倫平38頁. 【2008】「経営者 ない しは企業 を規律づ けること」 とい うことかで きるo基本的に■こ のよ うに理解 され るコーポ レー ト.ガバ ナ ンスにおいて問われ る問題 は大 きく二つ あるo まずは、「誰が、誰のために、何 を目的に、経営者 ない し は企業 を規律づ けるのか」であるoいま一つの問いは 「いかなるシステム、 プロセスによ り経営者 ない しは企業 を規律づ けるのか」であるo 小島大徳 小島大徳i貢. 【2004】「ンブ ライアンス経営)と企業競争力の強化 とを目的 としなが ら、企業 に関わ所有 と経営が分離 してい る企業 において、経営者 が企業不祥事への対処 (コ る利害関係者の利害調整 を同時に達成 しようとす る企業構造 をい う」 海道 ノブチカ 海道 ノブチカ . 企業 を支配す るのは誰か、 あるいは社会的広 が りをもつ現代 の巨大企業 を 誰がどの ように規制す るのかとい うコーポ レー ト.ガバ ナ ンスの問題が、 風 間信隆編著 現在各国で活発に議論 されそい るo さらに今 日においては、単に出資者 と 【2009】1貢. 経営者の関係 だけではな く、 よ り広範 に利害関係者 と企業の関係 を視野 に 入れて議論が展 開 されてい るo 関孝哉 関孝哉246頁.【2006】 社長が率 いるコーポ レー ト.ガバ ナ ンスでは、企業 トノブみずか らが率先して株主 をは じめ従業員、取引先、地域社会 などの支持 を得 る リーダーシツ プを発揮す ることこそ、高 い実効性 を伴 うもの と思われ る○ 中村一彦 中村一彦【2003]第るo第1の見解は、 「2の見解 は、「経営者 に対す る統治 システムとは何 かを検討す るもので あ会社 は誰の ものか」 とい うテーマを改 めて問い直す も 19貢. のである○第3の見解は、第 1と第2の ミックス した ものであるoいわば、「会 社の主権者は誰か、あるいは、会社 は誰のために経営 され るべ きか」で あるo 平田光弘 平田光弘【2008】企業統治 には二つの意味 と二つの問題 とがあることが分か るO-つ は、 「企 業 と利害 関係者 との関係」 とい う意味であるo この意味で使 うとき、 「企業 は誰のために経営 され るべ きか」 が聞落 とされ るO もう一つの意味は、 「経 37頁. 営者の経営 を監視 .監督す る仕組み」で あるo この意味で使 うとき、「経営 者 の経営 に対す る監視 .監督 は誰の観点か らな され るべ きか」 が問題 とさ れ るo 光定洋介 光定洋介2頁. [20051系譜があるo企業の不祥事や突然の大型倒産の再発防止 とい う観点では、コーポ レー ト.ガバ ナ ンスの 目的には、説明責任論 と事業繁栄論の2つの 説明責任論が、競争力回復 とい う観点では、事業繁栄論が重要 となるo 李湘平 李湘平206頁.【2008] 不正 .不 当行為 を防止す るために、株主 が経営者 を制御す るメカニズムでコーポ レー ト.ガバ ナ ンスの中核 は、法律違反 .権力濫用 .無能経営など、 (出所)筆者作成。

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響 を及ぼ した。 また、企業経営 を考 える学識者 に も、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの議論の重要性 が 認識 され、法学や経済学、 そ して、財務論 といっ たあ らゆ る分野 に広 がってい る。 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスは、 あ らゆる視点か ら提言や意見 が交 わ されてお り、研究者 によって コーポ レー ト・ガバ ナ ンスを捉 える視点が異 なっ てい る。 た とえば、浦野倫平

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1によると、コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンスは 「経営者 ない し企業 を規 律づ けること」 とし、 2つ の問題 が存在す ると提 言 してい る。 まず、 「誰 が、誰の ために、何 を 目 的に、経営者 ない しは企業 を規律づ けるのか」 と い う問題で、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの本質 に 関わ る問い と してい る。つ ぎに

、「

いかな るシス テム、プ ロセスによ り経営者 ない しは企業 を規律 づ けるのか」 とい う問題で、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンス実践 に関わ るもので あると してい る3。 小 島大徳

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】は、 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス の定義 を 「所有 と経営 が分離 してい る企業 におい て、経営者 が企業不祥事への対処 (コンプ ライア ンス経営) と企業競争力の強化 とを目的 としなが ら、企業 に関わ る利害 関係者 の利害調整 を同時に 達成 しよ うとす る企業構造 をい う4」と述べてい る。 関孝哉

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】によると、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンス をアカ ウ ンタビ リテ ィー5の観 点か ら考察 し、 「社長 が会社 を率 い るコーポ レー ト・ガバ ナ ンス では、企業 トップみずか らが率先 して株主 をは じ め従業員、取引先、地域社会 などの支持 を得 るリー ダーシップを発揮す ることこそ、高い実効性 を伴 うもの と思われ る6

」 と提言 してい る。 平 田光弘

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によると、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスは2つの意味 と2つの問題 が あるとされて い る。 1つ 目の意味 は、 「企業 と利 害 関係者 との 関係」とい う意味で ある。この意味で使 うとき、「企 業 は誰 の ため に経 営 され るべ きか」 が1つ 目の 問題 とされてい る。 2つ 目の意 味 は、 「経営者 の 経営 を監視 ・監督す る仕組み」 とい う意味で ある。 この意 味で使 うとき、 「経営者 の経営 に対す る監 視 ・監督 は誰の観点か らな され るべ きか」が 2つ 目の問題 とされてい る7。 以上 の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの先行研究 か ら考 えると、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスは、 まず、 企業 あるいは経営者 を規律づ ける仕組み を構築す ることが重要 な視 点で あ ると考 え られ る。 また、 企業不祥事の防止や企業競争力の強化 を達成 す る ために監視 や監督 を行 う対象 を明確 にす ることに よって、企業への監視機能 を強化で きると考 え ら れ る。 2-2 日本企 業 の不祥 事 とコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの議論の範囲

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年代 に 日本企 業 において続 発 した企 業 不 祥事 は、食 品偽装 や粉飾決算 に とどま らず、表2 の よ うな行為 が存在 した。 これ らの企業不祥事 は、 いずれ も経営者 もしくは社 内の従業員 による意図 的な行動 によって起 こった事件 が多 く、社会のな かで厳 しく倫理性 を指摘 された。企業 はこの社会 か らの不祥事 に対す る要請 を受 け、早急 に企業 と しての対応策の構築 を行 うよ うになった。 企業 が企業不祥事 の現状 を考 えた うえで実施 し た対策 には、図1の よ うに、 まず、 (1)情報 開示 の徹底 、が挙 げ られ よ う。上場企業 において は各 表2 日本企業に見 られる企業不祥事の特徴 年代 企 業不祥事の特徴

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年代に発生 した企業 価格カルテル、入札談合、贈収賄、業務上過失致死、私文書偽造 .行使、不正融資、 不祥事 内部者取引、利益供与、損失補填、粉飾決算など (出所)平田光弘

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「コンプライアンス経営とは何か

『経営論集』第

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号,東洋大学経営学部,115頁 を参 考に筆者作成。

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224 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第14号 2010年 3月 証券取引所への報告書の提出や コーポ レー ト・ガ バ ナ ンス報告書 などを通 じた経営対策の徹底 を記 した文書の公開が一般化 されている。 また、企業 の業績内容 に関 して もインターネ ッ トを通 じて一 般 に公開 され て い る企業 も存在 してい る。 した がって、企業の利害関係者がいつで も企業の経営 状態 を把握 し、適宜企業への情報提供がで きる仕 組みが備 わっている。 そ して、企業不祥事の原 因の1つ として考 えら れ るこ との なかには、 (2)企業理念 への意識 の 欠如、が挙げ られ よう。 これは、企業理念 が十分 に全社員に浸透せず認知 されていないことが考 え られ る。企業の理念 は、企業 としての経営の方向 性 と行動基準や行動原則 を示 しているものが多 く、 企業理念 に沿 った経営 を行 っている企業は多い と 考 えられ る。 しか し、その企業理念 は明確 になっ ている半面で抽象性が感 じられ ることもあ り、実 際のコーポ レー ト・ガバナ ンス改革のなかで重要 視 されているか否かは企業 に委ね られてい る。つ まり、企業があるいは経営者が全社員に対 して法 令順守意識 を もたせ、企業行動規範8の周知徹底 を促す ことが必要で あろう。 これ こそ、 日本企業 が積極的に実施す るコーポ レー ト・ガバナ ンスを 社員に意識づ ける手立て と考 えられ る。 企業がコーポ レー ト・ガバナ ンスを構築す るた めには、 (3)会社形態の見直 し、が挙げ られ よう。 日本企業は、おおよそ監査役設置会社か委員会設 置会社の形態 をとり、経営 を行 っている。一般 的 に、監査役設置会社の特徴 は、社外監査役が半数 以上の監査役会 において取締役 に対 して職務執行 の監査 を行い、個 々の監査役が独任制 をとってい ることが挙 げ られ よ う9。 また、委員会設置会社 の特徴 は、経営上の業務執行機能 と業務監督機能 を制度的に分離 し、独立 させてい ることが挙げ ら れ よう10。 この2つの会社形態の採用 は企業 に委 ね られてい るが、監査役会の無機能化や業務 と執 行が実際には明確 に分離 されていない ことなどか ら、 この2つの会社形態 にも互いに問題点がみ ら れ る。 したがって、経営者の判断によって移行 し ない企業 もあ り、 日本企業では、 日本独 自のコー ポレー ト・ガバナ ンスを構築すべ きであるとの意 識がな されてい ると考 え られ る。 企業 の会社機 関や形態の見直 しの他 には、 (4) \内部統制に関す る制度構築、が挙げ られ る。企業 の内部統制 は、業務の有効性や財務報告の信頼性、 そ して、法令順守 などを目的 としている。 さらに、 企業 は自社の経営活動が公正 にかつ透明性 を確保 した うえで実施 されているかをチェックす ること が要求 され る。また、実際には経営者が主体 となっ て、説明責任 を果 たす うえで 情報 を的確 に伝達 さ れ る仕組み を構築す ることが重視 され る。 くわえ て、企業全体 としての評価 が別途委員会11や任意 の委員会の機能 を通 じて実行 され るような独立 し た組織 を構築す ることも求め られている。ただ し、 内部統制に関す る議論 は、会計制度 との関連性か ら、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスとの議論 において 図1 日本の企業不祥事が発生 した場合の議論の一例 と範囲 (1)情報開示 の徹底 ①上場企業における各種報告書の提出と公開 ② 利害関係者への情報公開 (3)会社形態 の見直し ①監査役設置会社や委員会設置会社の問題点 ② 日本企業における独 自の経営改革 (出所)著者作成。 (2)企業理念 への意識 の欠如 ① 全社員に法令順守意書経 もたせること ② 全社員に対した企業行動規範の周知徹底 (4)内部統制 に関する制度構築 ①監査機首酔)充実や、有識者の採用など ②任意の委員会設置などの制度構築

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一部で区別 しなければな らない とも考 えられてい る12。

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日本企業の コーポ レー ト・ガバナ ンス

の実践状況

3-1 コーポ レー ト・ガバナンスへの意識付 け 日本企業のなかで、 コーポレー ト・ガバナ ンス における意識が経営者のなかで高 まったのは、企 業不祥事が続発 したことが理由であるといえよう。 そ して、 コーポ レー ト・ガバナ ンスの機能 を強化 し、議論 が展開 したのは企業 にその意識が浸透す る前 に各機 関が提言 したコーポ レ- ト・ガバ ナ ン スに関す る提言書 があるか らと考 えられ る13。 ま た、企業 は、その提言 を参照 し、企業 がコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの機能 を強化す るために何 が必要 かを考 えることになった。現在明 らかになってい る例 は、表3の よ うな提言で あ り、2つの性質 に 分類 されてい る。 まず、健全 な遵法経 営 を主 目的 とす る提言 に は、自由民主党の提言 (1997年、1998年、1999年、 2005年) が挙 げ られ る。 自由民主党の提言では、 企業不祥事の多発 を受 けて、監査体制における独 立性の確保 と株主代表訴訟制度 に関す る意見 を取 りま とめ、 そ して、2005年 において は、 内部統 制に関す る実効性のある機能 を求めるなどの提言 が織 り込 まれてい る12。 また、経済団体連合会の 提言 (1997年、2000年、2004年、2005年、2006年) は、監査体制や株主代表訴訟に関す る意見 を取 り まとめた。 そ して、2000年 において は、経営 の 効率性や透明性 と説明責任が重要 との見解 を示 し ている14。 さらに、 日本監査役協会 の提言 (1996年 か ら 2003年、2007年) は、主 に監査機 能の強化 に関 す る提言 を行 っている。 くわ えて、 日本監査役協 会 は、2000年以降 か ら監査機 能 の充実 の ため に 内部統制の強化 を促 してお り、経営者や社外監査 役 との意見交換 を通 じた意識向上が必要であると の見解 を示 してい る15。 そ して、社会経済生産性 本部 の提言 (1998年、2003年) は、主 に、企業 内部の監視 ・監督機能の強化 と潤滑 に運営で きる よ うな組織作 りが必要であると提言 している。 ま た、経営者や取締役会 に対す る監視機能の充実や 経営諮問委員会 などとの連携 が必要で あるとの認 識がある16。 つ ぎに、経営効率化 と企業競争力 を主 目的 とす る提言 には、経済同友会の提言 (1996年、1998年、 1999年、2003年、2009年) が挙 げ られ る。経済 同友会の提言では、主に、取締役会や監査役会 な どのあり方 を経営者の立場 か ら見直す必要 がある と考 えている。取締役会では、社外取締役の増員 や任意の委員会 との意見交換 が必要で あると し、 監査役会では、社内の人員によるチ ェック体制 を 見直す な どの見解がある17。 そ して、 日本 コーポ レー ト・ガバナ ンス ・フォーラムの提言 (1997年、 1998年、2009年) は、一貫 した監視 ・監督機 能 の強化 を主眼 としなが ら、社外取締役 を独立取締 役 にす るなどの提言 を行 ってい る18。 表3 コーポ レー ト・ガバナ ンスに関する提言 と性質 性質 コーポレー ト.ガバナンスに関する各種提言 健全な遵法経営を主 目 的とする提言 自由民主党の提 経済団体連合会の提言 (220000、2006) 104、2997、005、提言 (日本監査役協会の1996、1997、社会経済生産性本 言 (1997、1998、 1998、1999、2000、部の提言 (1998、 1999、2005) 20012007、2) 002、2003、2003) 経営効率化と企業競争 経済同友会の提言 (1996、1998、1999、 日本コーポレー ト ガヴアナンス.フォー (出所)平 田光 弘【2000汗 1990年代の日本における企業統治改革の基盤作 りと提言」『経営論集』第51号,東洋大 学,91-98貢を参照 し、一部加筆 し作成。

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226 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第14号 2010年 3月 この よ うに、各機 関が コーポ レー ト・ガバ ナ ン スに関す る提言 を していることで、企業 の経営者 にその内容 を参照 し、企業 がコーポ レー ト・ガバ ナ ンス実践 に取 り入れてい る。 3-2 各機関の提言 と企業独 自に策定 した計画 前項 か ら、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスに関す る 提言 を行 って い る各機 関 が、企 業 の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの構築 に影響 を与 えてい ることが 分か る。 そ して、 その理由は、企業の経営者 によ るもので あると考 え られ、各種 団体 に経営者 が参 加、 あるいは発行物 を参照す る形 で企業 の行動指 針や行動規範 に浸透 してい くもので あろ うと考 え られ る。 さらに、各機 関で提言 され たコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの意見書19と企業 が独 自に策定 し たコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの改革計画 に関 して は、小島大徳【2004】によって定義 されてい る。 図2に よると、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンス原則 20は、広 義の原則 として、 「政党 や市場監督機 関、 省庁 などによる要綱やマニ ュアル」、 「企業法制度 や上場規則 に取 り入れ ることを前提 に した草案」、 「企業法制度 や上場規則 に関す る意見書 や提言」、 「企業 の独 自に策定 した企業経営機構 改革等 のプ ラン」 があるとした。 また、狭義の原則 としては、 「OECDコーポ レー ト・ガバ ナ ンス原則」、「ICGN コーポ レー ト・ガバ ナ ンス原則」、「JCGFコーポ レー ト ガバ ナ ンス原則」が該 当す ると した21。 各機 関の コーポ レー ト・ガバ ナ ンス原則22は、 国内機 関の原則 と捉 え、 それぞれの原則 の内容 が 企業 に浸透 してい る。 そのため、企業独 自の コー ポ レー ト・ガバ ナ ンスに関す る指針 も内容 の点で 類似す る箇所 もあ り、各機 関の原則 を参照 しなが らコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの構築 を行 ってい る。 さらに、各機 関は、企業 の健全で効率的なコーポ レー ト・ガバ ナ ンスを推進 してお り、 目的 と方向 性 が多少異 なってい る。 したがって、企業 は、 自 社の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの 目的 と方向性 に 合 ったコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの構築 を行 うべ きで あるとの考 えか ら、独 自の計画 を策定 してい るので あろう。 3-3 企業の コーポ レー ト・ガバナ ンス実践 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスにおける議論 が交 わ され て い るなかで も、企 業不 祥 事 は発生 して い 図

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コーポ レー ト・ガバナ ンス原則の概念的範囲 (出所)小島大徳【2004

『世界のコーポレー ト・ガバナンス原則一原則の体系化 と企業の実践-』 8頁を参考に 一部加筆 を加 えた。

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るこ とが現状 と して存在 す る。 日本 で は、主 に 2000年 以降 に発生 した企業不祥事 で あ る雪 印乳 業 の集 団食 中毒事件や 日本ハ ムの食 品偽装事件、 そ して、 ライブ ドアによる粉飾決算事件 などが挙 げ られ る。 また、 その頃アメ リカの企業 において も、エ ンロンや ワール ドコムといった企業が会計 不正 によって、社会 か ら強い批判 を受 けた23。 こ れ らの企業不祥事 は、企業の経営者 による不正や、 企業外部 による監視 が有効に機能 していなかった ことが原因であろう。 度重 なる企業不祥事 を受 け、企業の経営者 は自 社 の経営の見直 しを余儀 な くされた。それは、企 業の経営理念や監視 ・監督体制の見直 しか ら利害 関係者への情報開示 といった行動に着手 していっ た。 ここでは、企業 が参照 した各機 関の原則の内 容 を取 り入れた うえで、 日本の企業 がいかに して 自社の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスを見直 したのか を実践 した内容 に基づいて考察 したい。 また、取 り上げる企業 は、 日本 コーポ レー ト・ガバナ ンス 研究所 UCGR) の調査 によって、特徴 的なコー ポ レー ト・ガバ ナ ンス実践 を行っている企業 とし た24。 (表4) まず、オムロン株式会社 (以下 「オムロン」 と い う) は、会社形態 として監査役設置会社 を採用 している。オムロンがコーポ レー ト・ガバナ ンス 改革 を行 うきっかけとしたことが、権限委譲 と責 任 の明確化 によって事態 の打 開 を図 った。 また、 経営 と監督の機能 を分離す る試みが明確 になって お り、 コーポ レ- ト・ガバ ナ ンス改革 を行 う会社 形態が監査役設置会社 とい う点が独 自の施策 とし て注 目された。オ ムロンのコーポ レー ト・ガバ ナ ンス改革 の 目的 は、 (1)戦 略機 能 の強化 と支援 機 能 の効率化、 (2)企業 業績 に連 動 した責任体 制の確立、 (3)独 自の専門委員会の設置、である。 この 3つの 目的のなかで重要 な点は、 (1)戦略機 能の強化 と支援機能の効率化 と、 (3)独 自の専門 委員会の設置、であろうと考 えられ る。 (1) にお いてオムロンは、取締役会の機能強化の施策にお いて、監査役設置会社 による役割 として経営に対 す る課題提示や代表機能の実施 が記載 されている。 これは、社内取締役が取締役会 において、執行 と は離れた立場 において経営に対す る提言 を行 う姿 勢が重要であるとの認識か らで あり、経営者 によ る積極 的な行動が企業全体や、利害関係者 に対 し て も認知 されやすい として実施 されている。 そ して、 (3)の独 自の専門委員会では、業務執 行における監督機能強化のために、社 内の委貞会 組織 として、人事諮 問委員会25と報酬諮問委員会 26を設置 してい る。いずれの委員会 に も社長 と会 長 は出席 してお らず、社長や会長の人事 と報酬 を 本人がいない場で審議す るシステムが設 け られて い る。 このシステムは、委員会設置会社 とは異 な り任意で設置 した もので あるか らその決議 に関 し て拘束力はない27.ぁくまで、経営者の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスに対す る意識が高いか らこそ実効 力を発揮 しているといえよう。 次 に、海 人株 式 会 社 (以下 「帝 人 」 とい う) は、会社形態 として監査役設置会社 を採用 してい る。帝人がコーポ レー ト・ガバ ナ ンス改革 を行 う きっかけ とした ことが、「世界 で存在感 の ある企 業」 を基本方針 として1999年以来 コーポレー ト・ ガバ ナ ンス改革 を行 ってい る。 コーポ レー ト・ガ バ ナ ンス改革 の 目的 は、 (1)経 営 の透 明性 の確 保、 (2)経 営 の公正性、 (3)経 営 の独立性 で あ る。 この3つの 目的のなかで重要 な点は、 (3)経 営の独立性、であろうと考 えられ る。 日本企業の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスには、監査役設置会社 と要員会設置会社 とい う選択肢 が存在す るが、帝 人 は監査役設置会社 を採用 している。企業 として は、 どち らの会社制度 を採用 して も、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの必要性 を企業 として、 また経営 者 として認識 していない と企業経営機構 として健 全 に機能で きない としている。つ まり、監査役設 置会社 として企業が独 自に強化で きるような仕組 みづ くりが必要であると考 えられ る。 帝人 は、経営の独立性 を確保す るために独 自の 社 内専 門委員会 を設置 して い る。帝人 は、1999 年 に国内外 の有識者で構成す るア ドバ イザ リー ・ ボー ド28を設置 した。主 に取締役会 の諮 問機 関 と しての位置づ けにおいて機能 してい る。 ア ドバ イ

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228 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第14号 2010年3月 表4 日本の コーポ レー ト・ガバナンス実践の 目的 企業 会社形態 目的 オムロン株式会社 監査役設置会社 ((1)2)戦略機能の強化と支援機能の効率化企業業績に連動 した責任体制の確立

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3

)

独自の専門委員会の設置 帝人株式会社 監査役設置会社 ((1)2)経営の透明性の確保経営の公正性

(

3

)

経営の独立性 コニカミノル タ

HD

株式会社 委員会設置会社 ((1)2)企業価値の向上企業業績の向上

(

3

)

経営の効率性 と透明性、そして公正性の確保 と実現 株式会社パルコ 委員会設置会社 ((1)2)企業業績の向上社員の理解と協力 (出所)若杉敏明監修 大和総研経営戦略研究所編著[2008

1

『コーポレー ト・ガバナンス・マニュアル (第2版) - 21世紀 日本企業の条件』中央経済社,119頁-165頁と、各企業の関連ホームページを参考に筆者作成。 ザ リー ・ボー ドは、法的権限 もな く取締役会 に助 言で きることか ら、帝人の企業経営のなかではな くてな らない存在であると考 えられ る。 そ して、 コニカ ミノル タホールデ ィングス株式 会社 (以下 「コニカ ミノル タ」 とい う) は、会社 形態 として委員会設置会社 を採用 してい る。 コニ カ ミノル タがコーポレー ト・ガバ ナ ンス改革 を行 うきっかけとしたことは、旧経営体制 において取 締役会が形骸化 し、合理的な意思決定がで きない とい う現状 か ら、新会社では統合 と同時に委員会 設置会社への移行 を決定 した。 コニカ ミノル タのコーポレー ト・ガバ ナ ンス改 革 の 目的 は、 (1)企 業価値 の向上、 (2)企業業 績の向上、 (3)経営の効率性 と透 明性、 そ して、 公正性の確保 と実現、で ある。旧経営体制にはな いような、組織の中で相互の意見交換の場所 を作 り、意思決定の迅速化 を図 っていることは持株会 社制 と委員会設置会社 として評価すべ き点の1

であろうと考 えられている。 また、コ-ポ レー ト ガバナ ンスを実施す るなかで重要 な点 として、内 部統制に も力を入れ、独 自にコンプライアンス委 貞会 を設置 している。 コニカ ミノル タのコンプラ イアンス委員会は、企業の行動憲章の理念に基づ き事業活動 などの社内規定 を明確化す るとともに、 全社的な法令順守への意識 を定著 させ るための施 策である。 そ して株式会社パル コ (以下 「パル コ」とい う) は、会社形態 として委員会設置会社 を採用 してい る。パル コがコーポレー ト・ガバナ ンス改革 を行 うきっかけとしたことは、バ ブル経済の崩壊 によ る業績低迷で、経営構造改革 に着手 したことであ るOパル コは、全社員 にコーポ レー ト・ガバ ナ ン スへの意識 を定着 させ、その過程で委員会設置会 社へ移行 された もの と考 えられている。 したがっ て、明確 な方向性 に基づいて戦略が立て られては いるものの、中身のある方向性のなかで築 き上げ られたため、全社的に実効力の ある企業であろう と考 えられ る29。 パル コのコーポ レー ト.ガバ ナ ンス改革の 目的 は、 (1)企業業績 の向上、 (2)社 員 の理 解 と協 力、 (3)社員の意識改革、である。パル コが行 っ たコーポ レー ト・ガバナ ンス改革で大 きな意味 を もた らしたことは、委員会設置会社への移行であ ろう。委員会設置会社 とい う会社形態が影響 した 点 も考 えられ るが、そ もそ も社内の改革のなかで、 取締役会の改革 は企業 としての透明性の向上 と社 外への情報開示 を含 めた改革であったため、社員 の意識 を変 えさせたことが大 きく影響 してい るで あろうと考 えられ る。 また、任意での委員会設置 は、企業の危機管理体制の構築 と利害関係者への

(9)

情報開示 の適正化 を図 ってお り、委員会設置会社 と して補 うべ き問題 を改善 しつつ あると考 え られ る。 この よ うに、企業 が独自に実践 したコーポ レー ト・ガバ ナ ンスは、 自社の経営の方 向性 に上手 く 適応 しなが ら、随時発生す る問題点の改善へ向け て機 能 してい る。 また、今 回取 り上 げた企業 は、 会社形態 とコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの 目的の観 点か ら考察 を行 った。 そ して、今後 これ ら以外の 企業の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスや独 自の原則 を 考 えるためには、 さらに異 なった観 点か らの考察 も必要で あろ う。前節で示 したよ うに、コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの議論の内容 を取 り上 げたとして も、 日々、議論の範囲が拡大 してい るため、 もは や、 あ らゆ る施策 を考 えることが必要 と思われ る。

4

日本企業の コーポ レー ト ・ガバナ ンス

の課題

4-1 企 業 の コーポ レー ト・ガバ ナ ンス実践 にお ける見直 し 日本企業 が従 来 か ら実践 して い るコーポ レー ト・ガバ ナ ンス構築 は、企業独 自の手法 によって 適合 して きた と考 え られ る。 また、コーポ レー ト ガバ ナ ンスの機 能 とされてい る監視 ・監督機 能の 強化や企業経営機構 の見直 しは、 もはや一般 的な 見方 として捉 え られつつ ある。 しか し、前節での 企業 の実践例 か らは、企業 の条件や形態 に関わ ら ず課題 が残 ってい る。各社 の検討状況 を考 えると、 表5の よ うな視 点 を もった うえで、表6の よ うな 方策 が とられてい ると考 え られ る。 企業 によるコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの見直 し の多 くは、取締役会の改革 を柱 と して意思決定の 表5 コーポ レー ト・ガバナ ンスの見直 しに向 けた視点 見直 しに向けた視点 (社) 意思決定の迅速化 77 投資家か ら見た分か りやす さ (ディスクロ■-ジャーの強化 とⅠR活動) 70 企業不祥事の予防と反省 58 制度の実効性の分析 と検討 57 一般株主 との対話の重視 24 現行制度の建前と実態のギャップの是正 18 (出所) 日本経済団体連合会【2003

】「

-

『会社機関のあり方に関するアンケ- ト』結果概要 一 商法改正 をきっかけとしてコーポレー ト・ガバナ ンスの見直 しが加速 され る」日本経済 団体連合会,2頁を参考に筆者作成。 表6 コーポ レー ト・ガバナ ンスの見直 しに向 けた方莱 見直 しに向けた方策 (社) 取締役数の減員 .常務会などの設置 .開催頻度の増加など意思決定の迅速化 79 デ ィスクロージャーの強化 (ⅠR活動 .自主開示) 73 総会運営の工夫 (映像の活用など) 73 招集通知の工夫 (早期発送、資料や文面等などの工夫) 60 (出所) 日本経済団体連合会[2003

1「

-

『会社機関のあり方 に関す るアンケー ト』結果概要 一 滴法改正 をきっかけとしてコーポレー ト・ガバナンスの見直 しが加速 され る」日本経済 団体連合会,2頁を参考に筆者作成。

(10)

230 神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第14号 2010年 3月 迅速化や情報開示機能の強化 に着手 している。 そ して、企業 が取 った方策には、株主 などの利害関 係者か らみて も企業の方向性 が理解 されやすいよ うにす るための質の向上が挙 げ られている。いず れの視点 も、企業不祥事がなぜ起 きたのかを考 え た うえでの反省 を考慮 に加 えていると考 えられ る。 また、調査 された企業30の半数が制度の実効性 の 分析 と検討 を視野に入れ、その制度が、本当に自 社 にとって実態の改善 に向かっているかどうか と い う是正 に も積極的である。 したがって、ほぼ9 割近い企業 がコーポ レー ト・ガバナ ンスを見直す 際に企業経営機構の見直 しを視野に入れているこ とが推測で きよう。 4-2 企 業 にお けるコーポ レー ト・ガバナ ンス改 革への検討 企業が実践 したコーポ レー ト・ガバナ ンスの見 直 しは、 コーポ レー ト・ガバナ ンスの改革 の必要 性 において一定の基準 を示 していると考 えられ る。 そ して、 日本企業 に取締役会への監視機能 を重視 す る意見が多かった ことか ら、社外の人員 を増や す ことや専門家 を取 り入れ ることによって欠点 を 補強 していた。前節において検討 した企業のなか には、比較的コーポ レー ト・ガバ ナ ンスへの意識 が高い企業 もあるため、独 自に策定 した原則や行 動指針 を活用 し、法定外の委員会 を設置す るなど していることが考 えられ る。では、実際に企業の 方策 を踏 まえた うえで、制度面で体制強化 には何 を優先 しているのであろうか。 企業 が監視 ・監督機能 を強化す るためには、ほぼ 9割 が企業経営機構 の見直 しを してい る。表7に もあるように、84社が取締役会 に関す る体制の強 化 を行 ってい る。 また、社長直属 に監視体制 を強 化で きる機 関を設置 し、社外の人員によって客観 性 をもった経営 を促す ような兆 しもみ られ る。 ま た、内部通報制度の構築や取締役会内委員会、そ して、各専門委員会の設置 を法定外の任意制度 と して活用 しなが ら構築 していることで、 自律 した コーポ レー ト・ガバ ナ ンス構築 を行 っていると思 われ る。 日本のコーポ レー ト・ガバナ ンス改革 には、実 践例 にもみ られたように企業が独 自に策定 した企 業の行動指針や原則 が活用 されていた。その指針 には、企業 が自律的に行動すべ きコーポ レー ト・ ガバ ナ ンスへの課題が明記 され、企業 に適合 した コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの構築が必要であると の考 えがある。 これは、日本企業がコーポレー ト・ ガバナ ンスを改革す る際には、 もっとも適合 した 体制 を自社で構築すべ きであるとした視点 と、 よ り企業や経営者がコーポ レー ト・ガバ ナ ンスを意 識すべ きであるとい う視点があることだろう。 し たがって、 この2点が少 な くとも、今後のコーポ レー ト・ガバ ナ ンス改革 において必要 なことなの ではないか と思われ る。 表7 経営の監視 ・監督機能強化へ向 けた体制 経営判断や執行を監視する体制 (社) 取締役相互による監視 と取廓役会による監視 84 監査役によるチェック体制の充実 69 社長直属の内部監査室などを設け、チェックする体制を設ける 42 内部通報制度を設ける 40 委員会などによりチェックを受けている 15 外部コンサルタン トなど社外者によるチェックを受けている 5 (出所) 日本経済団体連合会【2003

】「

-

『会社機関のあり方に関するアンケー ト』結果概要 一 商法改正 をきっかけとしてコーポレー ト・ガバナンスの見直 しが加速 される」3-11頁を 参考に筆者作成。

(11)

4-3 日本企 業 にお け るコーポ レー ト・ガバ ナ ン スの必要性 と課題 日本 の企業が コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの改革 をす るためには、 自社で適応可能 な行動原則や行 動指針 に基づ いた経営 が必要で あると考 えられ る。 ここでは、 日本企業 におけるコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの必要性 と、視野 に入れ るべ き課題 を考 え てい きたい。 日本 企業 は、企業 不祥 事 を背 景 と した コーポ レー ト・ガバ ナ ンスを、 (1)情報開示の徹底、 (2) 企業理念への意識 の欠如、(3)会社形態の見直 し、 (4)内部統 制 に関す る制度構 築、 な どの議論 と して考 え られていた と思われ る。 そこで、各機 関 が策定や提言 を行 った報告書 を参照す る形で、企 業へ とその効果 が浸透 していったので ある。 これ は、 日本 だけでな く海外の標準的な原則 に参照す る形 とも考 え られ る。 また、 日本企業の独 自の指 針の内容 が、海外 の内容 を取 り入れた ことによっ て、一部で 日本の独 自の内容 が少 な くなって きて い るとの見方 もある31。 この よ うななかで も、 日 本企業 は参照すべ きところは参照 し、独 自で策定 すべ きところは独 自で策定す るといった流れ にあ る。 日本 の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスは、研究者 や 実務家 による議論 が交 わ されてい るなかで も、「我 が国におけるコーポ レー ト・ガバ ナ ンスに関す る 昨今の議論 は、 とか く目先の表面 的な事象に捉 わ れ、各国の文化、風土、制度、商慣習、資本市場 における取引実態等の違い を十分 に認識 してい る とは考 え難 い議論 が行 われ が ちで あ る32

」 との 指摘 が ある。この ことか ら解釈す ると、日本の コー ポ レー ト・ガバ ナ ンスは、独 自の指針や考 え方 を もってはい るものの、いまだにはっきりとした方 向性 が見出せていない と考 えられ る。 これは、 日 本企業の今後の課題 として認識すべ きことで あ り、 よ り日本企業 が自社 に適合 した コーポ レー ト・ガ バ ナ ンスを検討す る機会 として考 えるべ きで あろ うと考 え られ る。

5

おわりに

日本企業の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスを意識付 けるきっかけは、企業不祥事の多発で あった。 そ の後、各機 関がコーポ レー ト ・ガバ ナ ンスに対す る意識 を企業の経営者へ向 けて促すために、各報 告書 を通 じて提言 を行 った。 それに準 じて、 日本 企業 は、企業不祥事 の防止や企業競争力の強化 な どをEl的に、コーポ レー ト ガバ ナ ンス実践 を行 っ た。 そ して、 日本企業 には、企業理念や行動規範、 組織の戦略性 によって異 なるコーポ レー ト・ガバ ナ ンスを展 開 した。 この影響 は、他 の企業 に も同 じことが考 え られ るとの推測 もな された。 この よ うな 日本 の コーポ レー ト・ガバ ナ ンス改 革 は、主 に企業経営機構 における取締役会の機 能 強化や、取締役会 に対す る監視 ・監督機能の強化 に焦点が当たった。 それ は、社外 の人員の機 能 を 強化す る策や委員会設置 による外部監視 の強化 と い う策 とい った形 で具体 的 な方 策 が実施 され て いった。 しか し、実情 として、一般 的 な取締役 に 対す る策では、 コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの機 能 を企業 ごとに強化で きるとい った断言 が され るこ とが少 なかった。 これは、企業 の経営方針や慣行 によって左右 され ることが考 え られ るのでは とい う見方 か ら、 自社 において 自律 した行動指針 を策 定 し、体制 を構築すべ きとい う考 えがで きた。 本論文では、 日本企業 の コーポ レー ト ・ガバ ナ ンスの実践 か ら考 え られ る特徴 と課題 を分析 しな が ら、今後の 日本企業 に必要 な コーポ レー ト ・ガ バ ナ ンス改革 はいかなるものか を考察 した。 しか し、 日本企業 の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスにはい まだ不十分 な点があるため、 よ り具体 的に企業の 事例 に 目を向 けなが ら、展 開 を考 えてい くことが 必要で あると考 えてい る。 注 1 コーポ レー ト ・ガバ ナ ンスに関す る定義 は多 くされてい るが、い まだ定 まった ものはない と考 え られ る。 ここで は、先行研究 よ り、小

(12)

2

3

2

神奈川大学大学院経営学研究科 『研究年報』第

1

4

2

0

1

0

3

月 島大徳

2

0

0

4

1

『世界の コーポ レー ト・ガバ ナ ンス原則一原則の体系化 と企業の実践-』文 英堂,

i

頁の定義 を参考 に してい る。

2

日本 におけるコーポ レー ト・ガバナ ンスに関 す る議論 は

、1

9

9

0

年代 か らで あ る と考 え ら れてい る。詳 しくは、浦野倫平

2

0

0

8

「近年 における日本のコ-ポレー ト・ガバ ナ ンスの 動向一外部監視 と内部統制の視点か ら

-

」九 州産業大学 『経営学論集』第

1

8

巻第

3

,3

7

頁 と光定洋介

2

0

0

5

1

「日本 における企業 ・株式 価値 向上のためのコーポレー ト・ガバナ ンス の運用

『産能大学紀要』第

2

6

1

号,産業能 率大学

,1

-

2

0

頁などを参照 した。

3

浦野倫

乎【

2

0

0

8

「近年 における日本のコーポ レー ト・ガバ ナ ンスの動向一外部監視 と内部 統制の視点か ら-」九州産業大学 『経営学論 集』第

1

8

3

,3

8

頁 を参照 した。

4

小島大徳

2

0

0

4

『世界の コーポ レー ト・ガバ ナ ンス原則一原則 の体系化 と企業 の実践-』文 英堂,

i

頁 を参照 した。

5

関孝哉

2

0

0

6

]

『コーポ レー ト・ガバ ナ ンス と アカウンタビリテ ィー』商事法務

,3

3

-

3

5

頁 を 参照 した うえで、会計における責任 と説明責 任 との区別 を指 している。

6

関孝哉

[

2

0

0

6

『コーポ レー ト・ガバ ナ ンスと アカウンタビリテ ィー』商事法務

,3

3

-

3

5

貢 を 参照 した。

7

平田光弘

2

0

0

8

『経営者 自己統治論 社会 に信 頼 され る企業の形成』中央経済社

,3

7

貢 を参 照 した。

8

企業行動規範 とは、企業がコーポ レー ト・ガ バナ ンスに関す る報告書 などを通 じて作成 し た規定であり、企業独 自の原則 と賃似 してい る。

9

監査役設置会社 には、社内の人員が多い とい う問題点 もあり、取締役会への監視 ・監督機 能 が機能 してない企業 な どが存在 してい る。 また、李湘平

2

0

0

8

1

「コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの視点 か らみた監査役 の位置づ け

『経 済学研究』第

5

7

4

号,北海道大学

,2

0

5

-

2

2

0

頁 を参照 した。

1

0

委員会設置会社 には、取締役への監視機能の 強化など委員会 を通 じた機能が充実 している が、 日本企業のほ とん どが監査役設置会社で あることか ら、一概 に双方の選択が企業に委 ね られているのが現状である。 11 ここでい う別途委員会 とは、企業経営機構 に 設置 されてい る委員会であ り、CSR貝会や企 業倫理委員会、そ して内部統制委員会 などが 該 当す る。特 に専門家や社外の有識者で構成 されている。

1

2

内部統制 とは、①統制環境、① リスク評価 と 対応、③統 制活 動、④ 情 報 と伝 達、(9モニ タ リング、(むIT対応、か らなる.内部統制 は、 企業の情報 をいかに効率的にかつ公正 に伝 え るか とい うシステムに焦点が当て られ る。

1

3

自由民主党

2

0

0

5

「実効性 ある内部統制 シス テム等に関す る提言」 を参照 した。

1

4

日本経済団体連合会

2

0

0

0

]

「わが国公開会社 におけるコーポ レー ト・ガバナ ンスに関す る 論点整理 (中間報告)骨子」 を参照 した。

1

5

日 本 監 査 役 協 会

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lを参 照 した。 (最 終 ア クセス 日

9

1

2

日)

1

6

社会経済生産性本部

2

0

0

3

「わが国における コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの変容 をふまえて」 を参照 した。

1

7

経済同友会

1

9

9

6

1

「日本企業の経営構造改革 -コーポレー ト・ガバ ナ ンスの観点 を踏 まえ た取締役会 と監査役会のあり方

-

」 を主 に参 照 した。他 に は、 第

1

3

回企 業 自書、第

1

4

回 企業 自書、第

1

5

回企業 白書、第

1

6

回企業 自書、 を参照 した。

1

8

日本 コーポ レー ト・ガバ ナ ンス ・フ ォー ラ ム

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f

を参 照 した。 (最終 ア クセ ス 日

9

1

2

日)

1

9

3

1

項 で示 した よ うな コーポ レー ト・ガ バ ナ ンスに関す る意見書や報告書の ことをさ す。

(13)

2

0

小 島大 徳

[

2

0

0

4

]

『世界 の コーポ レー ト・ガバ ナ ンス原 則一 原則 の体系 化 と企 業 の実践- 』 文具堂

,8

-

9

頁 を参照の こと。

2

1

小 島大徳

[

2

0

0

4

]

『世界 の コーポ レ- ト ・ガバ ナ ンスー 原則 の体系化 と企業 の実践- 』文 具 堂

,6

-

8

頁 を参照 した。

2

2

挙 げた原則 以外 に も、随時更新 で きる内容 が あるため、適宜更新 してい きたい。

2

3

社会 か らの批判 は、 コ ンプ ライア ンス意識 の 欠如や倫理意識 がなか った ことが挙 げ られ る が、企 業 の内部 の慣行 が問題視 され ることも ある。企業 によって は、事実上 の倒産 も考 え られ る。

2

4

事例 対象 と した企業 は

、J

CGR

に よって、コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンスに積極 的 と考 え られ た 企業 を取 り上 げてい る。詳 しくは以下 を参照 の こ と。若 杉敏 明監修 大 和 総研 経営戦 略研 究所編 著

2

0

0

8

『コーポ レー ト ガバ ナ ンス ・ マニ ュアル <第

2

>-2

1

世紀 日本企業 の 条件』

1

1

9

-

1

6

5

頁 を参照 した。

2

5 1

9

9

6

年 に発足 し

、2

名 の社 内取締 役 と

2

名 の 社外取締 役で構成 されてい る。委員長 は社外 取締役 で ある。主 に、取締役 の選任 に関す る 答 申 と諮 問機 能 が ある。

2

6 2

0

0

3

年 に発足 し

、2

名 の社 外 取締 役 と

3

名 の 社 内取締役で構成 されてい る。委員長 は社外 取締役 で ある。主 に、役員報酬 の体系 や報酬 額 の決定機 能 が ある。

2

7

現在 で は、各機 関の要請 によって、法定外 の 委員会 の設置 が進 んでい る。 しか し、拘束 力 がないため、普及 に時間がかか ってい る。

2

8

経営諮 問委員会 な どと呼ばれてい るシステ ム で あ る。一概 に定義 が されてい ない。

2

9

企業 に よって は、個 々の条件 の なかで会社形 態 を変 える企業 もあるため、理念 や規範 な ど の意識 で企業 の方 向性 が変 わ る。

3

0

調査対象 は、 日本経済団体連合会 によって行 われ た ア ンケ ー トに よ る もの で あ る。 調 査 対 象 は、 経 済 法 規 委 員 会 委 貞 ・コー ポ レー ト ・ガバ ナ ンス部会 委員会社

(

1

8

2

社) で あ る。 期 間 は

、2

0

0

2

1

1

1

9

日か ら

2

0

0

2

1

2

2

0

日まで。 回答 数 は

9

9

社 で あった。 (回収 率

5

4

.

4

%) 上場

8

3

社 と非上場

1

6

社 で、海 外 上 場 を含 む。 取締 役 数 は平 均

1

5

.

9

人 で、最低

4

人 か ら最高

5

8

人 で実施 して い る。

3

1

浦 野倫平

2

0

0

8

「近年 におけ る 日本 の コーポ レー ト・ガバ ナ ンスの動 向一 外部監視 と内部 統 制 の視点 か ら

-

『経営学論集』第

1

8

巻3号, 九州産業大学

,5

8

頁 を参 照 した。

3

2

浦野倫平

2

0

0

8

]

「近年 におけ る 日本 の コーポ レー ト ・ガバ ナ ンスの動 向一外 部監視 と内部 統 制 の視 点か ら

-

『経営学論 集』第

1

8

巻3号, 九州産業大学

,3

7

-

61

,5

8

頁 を参 照 した。 邦語文献 阿部道明

2

0

0

2

「執行役 員の意義 につ いての考察 : 執行役 の法制化及び コーポ レー ト・ガバ ナ ン ス改革 へ の考 察 と合 わせ て

『法 政研 究』第

6

9

1

号 ,九州大学

,1

-

5

8

頁. 石 嶋芳 臣

2

0

0

4

1

「コ - ポ レー ト ・ガバ ナ ンス構 造 と企業 諸理 論 」:株 主利 益 最大 化 とステ ー クホル ダー ・アプ ローチの可 能性

『北海 学 園大 学 経 営論 集』第2巻1号 ,北海 学 園大 学,

6

1

-

8

0

頁. 石嶋芳臣

[

1

9

9

9

]

『経営者支配』 とコーポ レー ト ガバ ナ ンス構造 の再構築 :経営者 の 自律性 と 規 律 付 け に 関す る 日米 比 較

(

2

1

世 紀 の企 業 経営)

『経 営学論集』第

6

9

号, 日本経営学会 ,

9

2

-

9

8

頁. 市古勲

2

0

0

4

「日本企業 の コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス分析へのエ ン トレンチ メ ン ト概 念 の適 用 可 能 性 :コーポ レー ト ・ガバ ナ ンス,コー ポ レ- 卜・フ ァイナ ンスに関す るア ンケー ト調 査 デ ー タに よ る分析

『東海 学 園大 学研 究紀 要.経営 ・経済研究編』 第9号,東海 学 園大学,

1

2

5

-

1

4

4

頁. 浦 野倫平

2

0

0

8

「近年 におけ る 日本 の コーポ レー ト ・ガバ ナ ンスの動 向一 外 部 監 視 と内部 統 制 の視 点 か ら

-

」 『経 営学論 集』 第 18巻3号, 九州産業大学

,3

7

-

61

頁.

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1991 年 10 月  桃山学院大学経営学部専任講師 1997 年  4 月  桃山学院大学経営学部助教授 2003 年  4 月  桃山学院大学経営学部教授(〜現在) 2008 年  4

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