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第 4 期中期目標期間中及び令和元年度業務実績の評価を行うに際し 特に検討が必要と考えられる事項資料 4-7 検討や確認が必要と考えられる事項の選定基準 :1 評価が A の項目について 平成 28~30 年度までの各年度の大臣評価が すべて B であるもの 2 主務課として評価を変更したもの 3S

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(1)

事項

中期計画

主な業務実績の概要

自己評価ページ (大臣評価案)

主務課のコ

メント

事項

年度計画

主な業務実績の概要

ページ 自己評価 (大臣評価案)

主務課のコ

メント

① 1-(2)ーイ 遺伝的能力 評価手法の 改善  乳用牛、肉用牛及び豚について、より精 度の高い遺伝的能力評価を行うため、学識 経験者等との意見・情報交換を行いつつ、 一塩基多型(以下「SNP」という。)情報を 活用した解析を進めるなど、必要に応じて 評価手法の改善等に取り組む。  乳用牛、肉用牛及び豚について、より精度の高い遺伝的能力評価を行うた め、畜種ごとに遺伝的能力評価技術に関する検討会を開催し、学識経験者 等との意見・情報交換を行いつつ、SNP情報を活用したゲノミック評価につ いて検討を進めるなど、評価手法の改善等に取り組んだ。  特に、これらの取組において、乳用牛における未経産牛の在群期間、体型 形質、気質・搾乳性等については、モデル変更により、より精度の高いゲノ ミック評価を公表できたこと、肉用牛の分娩難易についてゲノミック評価を試 行し、実用化に道筋をつけたことから、計画を上回る成果が得られた。 (資料4-1) 10ページ A (A)  乳用牛、肉用 牛及び豚につ いて、学識経験 者等との意見・ 情報交換を行 いつつ、SNP情 報も活用したゲ ノミック評価に 積極的に取り組 み、乳用牛、肉 用牛について、 着実な成果をあ げている。 1ー(2)-イー (イ)肉用牛の 遺伝的能力評 価手法の改善  肉用牛について、より精度の高い遺伝的能力 評価を行うため、遺伝的能力評価技術に関する 検討会を開催するなどにより学識経験者等との 意見・情報交換を行いつつ、遺伝的能力評価手 法の改善等に取り組むほか、繁殖性等に対する 新たな評価手法について検討する。  より精度の高い遺伝的能力評価を行うため、「肉用牛遺伝的能力評価技術 検討会」を開催し、学識経験者等との意見・情報交換を行いつつ、候補種雄 牛の産肉形質について手法の改善等に取り組んだほか、繁殖性等に対する 新たな評価手法について検討した。  具体的には、分娩難易に関するデータを収集・分析し、最適な評価モデル の結論が得られたことから、センター飼養の繁殖雌牛に対するゲノミック評価 を試行し、実用化に道筋をつけた。  また、同検討会において、育種改良上有用な種雄牛が各県間で共同利用 されるよう、県有候補種雄牛に対して行う同一基準での産肉形質の遺伝的能 力評価について、手法の改善に取り組んだ。 (資料4-2) 14ページ A (A)  年度計画で定 めた業務に加 え、分娩難易に 関するゲノミック 評価の試行を 行うなど、より精 度の高い評価モ デルの検討や 広域での利用 に向けた評価モ デルの検討など の取組を評価し た。 ② ー ー ー ー 1ー(4)ーアー (ウ)肉用牛超 音波画像診断 技術に関する 講習会等の実 施  肉用牛の受胎率向上に資する牛超音波画像診 断技術に関する講習会等について、技術指導者 等を対象として1回以上開催する。  なお、講習会の開催に当たっては、質疑応答等 により参加者の講習内容の理解度を把握するこ と、実技講習のための教材を十分準備すること 等により、講習内容の理解度の向上に努め、理 解度が80%以上となるよう取り組む。  肉用牛の受胎率向上に資する牛超音波画像診断技術に関する講習会につ いて、技術指導者等を対象として計画を上回る3回開催した。特に、本技術 は現場のニーズも高く、家畜人工授精師の利用を促すガイドラインも示され たことに伴い、新たに家畜人工授精師も対象者として拡充し、積極的に受け 入れた結果、参加者は36名と昨年より10名増加した。 講習会の開催に当たっては、事前に講師と講習内容を検討し、わかりやすい 内容になるよう努めた結果、講習会の理解度は100%を実現した。 (資料4-2) 23ページ A (A)  年度計画で定 めた講習会の 実施において、 受講希望者の 増加に対応する とともに、理解 度は計画で定 めた目標以上で あったことを評 価した。 ③ 1-(4)ーイ 生乳生産基 盤強化対策 の支援  生乳生産基盤強化対策を支援するため、 農場HACCP認証農場である岩手牧場に おける取組を踏まえた高度な農場管理技 術及び乳用牛の受胎率向上に資する牛超 音波画像診断技術に関する講習会等を毎 年度、2回程度開催する。また、労働負担 の軽減を図るため、搾乳ロボット等の省力 化機械を活用した飼養管理技術に関する 情報を収集し、高泌乳能力牛における搾乳 ロボットの活用の際の留意点等の情報発 信を行う。  なお、講習会の開催に当たっては、質疑 応答等により参加者の講習内容の理解度 を把握すること、実技講習のための教材を 十分準備すること等により、講習内容の理 解度の向上に努め、理解度が80%以上と なるよう取り組む。  農場HACCP認証農場となっている岩手牧場における取組を踏まえた高度 な農場管理技術に関する講習会について、技術指導者等を対象として毎年 度1回、計4回開催し、計117人の参加があった。  岩手牧場では、平成30年3月にJGAP認証農場も取得し、農場HACCPと ともに、JGAP(農場生産工程管理)でのアニマルウエルフェア、作業者の安 全確保、人権・福祉などについても、具体的な取組状況を踏まえた農場管理 技術の普及に取り組んだ。  乳牛での農場HACCPとともに、JGAP認証に関する取り組みや導入によ るメリットなどについて、現場での取組などを紹介することにより、中期目標期 間を通じた理解度は95%であった。  乳用牛の受胎率向上等に資する牛超音波画像診断技術に関する講習会に ついて、技術指導者等を対象として毎年度1回、計4回開催し、計47人の参 加があった。講習会の開催にあたっては、一般社団法人日本家畜人工授精 師協会から示された「家畜人工授精師における超音波画像診断装置の利用 のガイドライン」などについての講義、生殖器や生体を用いた実習を行い、質 疑応答の時間を十分設けるなどし、中期目標期間を通じた理解度は96%で あった。  搾乳ロボット等の省力化機械を活用した飼養管理技術に関する情報収集と して、搾乳ロボットと生乳自動分析器を用いて乳量、搾乳回数、生乳中のプロ ゲステロン等のデータを収集し、共同研究機関である東京理科大学におい て、収集したデータから酪農ビッグデータを構築し、AI技術を用いた個体状況 の判定と予測を行う高度な飼養管理システムの開発に取り組んでいる。 (資料4-1) 15ページ A (A)  農場HACCP や JGAPの取得及 び普及に積極的 に取り組み、農 場管理技術に関 する講習会及び 牛超音波画像診 断講習会をそれ ぞれ年1回の開 催し、参加者の 高い理解度を得 た。 搾乳ロボットを始 めとする省力化 機械について「労 働力軽減が期待 される機器の利 用状況」を公表 するなどの情報 発信に努めると ともに、搾乳ロ ボットから得られ るデータを活用 し、飼養管理技 術の効率化に活 かす情報の提供 を行なっている。 1-(4)ーイー (イ) 乳用牛超音波 画像解析技術 に関する講習 会等の実施  乳用牛の受胎率向上等に資する牛超音波画像 診断技術に関する講習会等について、生産者へ の技術指導者等を対象として1回以上開催する。  なお、講習会の開催に当たっては、質疑応答等 により参加者の講習内容の理解度を把握するこ と、実技講習のための教材を十分準備すること 等により、講習内容の理解度の向上に努め、理 解度が80%以上となるよう取り組む。  乳用牛の受胎率向上等に資する牛超音波画像診断技術に関する講習会に ついて、獣医師と家畜人工授精師を対象として、1回開催した。特に、本技術 は現場のニーズも高く、家畜人工授精師の利用を促すガイドラインも示され たことに伴い、新たに家畜人工授精師も対象者として拡充し、積極的に受け 入れた結果、家畜人工授精師を含む10名を受け入れた。 講習内容は、家畜人工授精師における超音波画像診断装置の利用のガイド ラインなどについて講義するとともに、生殖器及び牛を用いた実習に力点を 置くなど工夫した結果、講習会の理解度は100%を実現した。 (資料4-2) 27ページ A (A)  年度計画で定 めた講習会を実 施し、研修内容 を工夫したこと により、理解度 は計画で定めた 目標以上であっ たことを評価し た。

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1ー(4)ーウー (イ)防疫対策 の自己点検の 実施  ヨーネ病防疫対策強化等のこれまでの取組を 踏まえて重点項目を設定した上で防疫対策の自 己点検を行い、PDCAサイクルに基づく防疫対策 の強化を行う。  ヨーネ病防疫対策強化等のこれまでの取組を踏まえて、牧場・支場毎に重 点項目を決定した上で、例えば、ウイルス性の口炎の症状を示す牛が複数 見られたことから、牛舎内で牛群を区分して洗浄・消毒を行うとともに、一時 的には収束したものの、後に散発したことから、さらに牛群を細分して管理す ることにより発生をなくしたなど、防疫対策の自己点検を行い、PDCAサイク ルに基づく防疫対策の強化を行った。 新冠牧場におけるヨーネ病については、PDCAサイクルに基づく防疫対策の 強化を図ったものの、清浄化は進まず、家畜の飼養を一時中断せざるを得な い状況となった。また取組を進める中、投与した薬剤の休薬期間が守られな い事案を発生させてしまい、家畜保健衛生所等から指導を受け、再発防止策 等のとりまとめを行った。なお、新冠牧場の業務については、OPU技術等を 用いた受精卵の確保と他牧場との連携により遺伝資源の継承と改良速度の 確保を図り、継続することとしている。 (資料4-2) 31ページ C (C) 年度計画におい て、ヨーネ病防 疫対策等に対し PDCAサイクル に基づく防疫対 策を実施してお り、新冠牧場に おけるヨーネ病 の発生、その対 策としての摘 発・淘汰を進 め、牛舎の洗 浄・消毒を行っ ているところで あり、清浄化に 至っていないこ とから自己評価 どおりとした。 1ー(4)ーウー (ウ)計画的な 防疫業務の実 施  ヨーネ病防疫対策強化等のこれまでの取組や 国内の家畜伝染性疾病発生状況を踏まえて家畜 伝染性疾病の発生の予防や検査に関する年度 計画を作成し、計画的に防疫業務を実施する。  センター業務を実施していく上で重大な支障となるヨーネ病をはじめとした 家畜伝染性疾病について、これまでの取組や国内の家畜伝染性疾病発生状 況を踏まえて、初乳殺菌、衛生管理区域に入場する際のヘルメットを含めた 着替えの徹底等の家畜伝染性疾病の発生の予防のための取組や検査に関 する年度計画を作成し、計画的に防疫業務を実施した。 (資料4-2) 32ページ B (C)  家畜伝染性疾 病の発生予防 や検査に関する 年度計画を作 成し防疫作業を 実施している が、新冠牧場に おけるヨーネ病 の清浄化には 至っておらず、 上記(イ)に連動 するものとして 評価した。 ⑤ 1-(4)ー ウー(イ)衛 生管理の改 善等への取 組  国や都道府県が行う防疫演習への参加・ 協力、国や大学が行う調査・研究への協力 等の依頼があった場合、防疫面を考慮の 上、通常業務に支障のない範囲で積極的 に参加又は協力する。また、センターにお ける野生動物対策や防疫ゾーンの設定に よる衛生管理区域における防疫対策の徹 底の取組等、国内の大規模・集約的な家畜 飼養における衛生管理の改善等に資するノ ウハウ等について、広く情報を提供する。  国や都道府県が行う防疫演習への参加又は協力を51件(令和元年度末現 在)行った。試験研究機関や大学等が行う調査・研究への協力等の要請に応 じ、データや材料の提供等により積極的に協力した。センターにおける疾病 対策等衛生管理の改善等に資するノウハウ等について、ホームページ、研修 会、会議等を活用して、畜産関係者に対し148件(令和元年度末現在)の情報 提供を行った。  さらに、これらの取組によりセンターが発信した技術情報は地域で大いに活 用されており、地域の指導者等による実践を通じ、めん羊牧場における線虫 対策やGAP取得チャレンジシステム確認済牧場の増加、各県における家畜 防疫マニュアルの作成・改正、全国的な豚熱防疫対策の推進に貢献した。 (資料4-1) 18ページ A (B)  国や県が行う 防疫演習に積極 的に参加・協力し た。また、農研機 構や大学等の調 査・研究への参 加・協力も行って いる。厳冬期の 消毒方法や野生 動物対策など現 場でのニーズが 高い衛生管理に 関する情報の発 信にも努めてい る。しかし、過去 の年度評価とも 併せて考えると、 B評価が妥当と 考える。 1ー(4)ーウー (カ)衛生管理 の改善等に関 する情報提供  センターにおける野生動物対策や防疫ゾーンの 設定による衛生管理区域における防疫対策の徹 底の取組等、国内の大規模・集約的な家畜飼養 における衛生管理の改善等に資するノウハウ等 について、センターホームページや研修、会議等 を活用して、情報の提供を行う。  センターにおける衛生管理の紹介、農場HACCPの取組、豚舎新設工事に 伴う防疫対応、疾病対策等衛生管理の改善等に資するノウハウ等につい て、ホームページ、研修会、会議等を活用して、畜産関係者に対し20件の情 報提供を行い、家畜飼養における衛生管理の改善等に貢献した。  さらに、これらの取組によりセンターが発信した技術情報は地域で大いに活 用されており、地域の指導者等による実践を通じ、めん羊牧場における線虫 対策やGAP取得チャレンジシステム確認済牧場の増加、各県における家畜 防疫マニュアルの作成・改正、全国的な豚熱防疫対策の推進に貢献した。 (資料4-2) 35ページ A (A)  年度計画で定 めた家畜飼養 の衛生管理の 改善に資するセ ンターのノウハ ウ等を、本所 ホームページで 集約的に閲覧 できるように更 新して利便性を 高めるとともに、 HACCPやJGAP などの情報発信 や指導などにも 取り組んでいる ことを評価した。 ④ 1-(4)ー ウー(ア)家 畜防疫の強 化への取組  国内外における家畜の伝染性疾病の発 生状況や最新の検査技術等に関する情報 収集に努め、防疫対策の不断の見直しを 行うとともに、発生の予防、早期摘発及び まん延防止に向けた取組を強化する。この ため、家畜伝染性疾病の予防や自主検査 について年度計画を作成し、実施するとと もに、初動対応を含む衛生管理に関する規 程の見直し及び整備並びに防疫対策の自 己点検を行う。 (資料4-1) 17ページ C (C)  情報収集・提 供に努め、サル モネラ、子牛下 痢、ヨーネ病、 白血病などにつ いて防疫対策 の見直しを行っ ている。また、 年度計画に基 づき予防対策 や検査を実施し ている。「独立 行政法人家畜 改良センター家 畜伝染性疾病 対策基本方針」 や防疫マニュア ルの改訂につ いても行ってい る。しかし、ヨー ネ病の清浄化 が進まず、家畜 の飼養を一時 中断せざるを得 ない状況となっ たことは大きな 課題であり、今 後の取り組み が重要である。  会議への出席等により国内外における家畜伝染性疾病の発生状況や最新 の検査技術等に関する情報を収集し、家畜伝染性疾病に対応するための防 疫措置の発動等の防疫対策の見直しに活用した。  これまでの取組等を踏まえて、毎年、牧場・支場毎に重点項目を決定した 上で、家畜伝染性疾病の予防や自主検査について年度計画を作成し、実施 した。  国内外における家畜伝染性疾病の発生状況、家畜伝染性疾病の検査結 果、防疫自己点検結果等を踏まえ、監視伝染病発生時の初動対応、ヨーネ 病・牛白血病等の防疫対策等に関する規程の整備及び見直しを行った。  センターの業務を実施していく上で重大な支障となる家畜伝染性疾病の侵 入防止を図るため、野生動物等の侵入防止柵の設置確認や外部車輌の消 毒記録確認等の防疫対策の自己点検を実施した。  しかしながら、平成28年に発生した新冠牧場におけるヨーネ病の清浄化は 進まず、家畜の飼養を一時中断せざるを得ない状況になった。また取組を進 める中、投与した薬剤の休薬期間が守られない事案を発生させてしまい、家 畜保健衛生所等から指導を受け、再発防止策等のとりまとめを行った。な お、新冠牧場の業務については、OPU技術等を用いた受精卵の確保と他牧 場との連携により遺伝資源の継承と改良速度の確保を図り、継続する。

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⑥ 1ー(4)ー エー(ア)飼 養管理技術 向上への取 り組み  馬及びめん山羊について、人工授精技術 の普及・定着をはじめとした飼養管理技術 の向上を図るための講習会等を開催する。 特に、家畜人工授精師免許の取得に係る 講習会については毎年度、1回開催する。 なお、免許取得講習会の開催に当たって は、質疑応答等により参加者の講習内容 の理解度を把握すること、実技講習のため の教材を十分準備すること等により、講習 内容の理解度の向上に努め、修了試験の 合格率が80%以上となるよう取り組む。  馬及びめん山羊について、人工授精技術の普及・定着をはじめとした飼養 管理技術の向上を図るための講習会等を、すべての年度において10回程 度、計40回と精力的に実施した。特に、ニーズの高い人工授精に関する技術 情報の提供等を積極的に行うことにより、人工授精技術の普及・定着に取り 組んだ。  家畜人工授精に関する免許取得講習会は、馬、めん羊及び山羊を対象に した講習会で、センターがほぼ唯一の実施機関であり、着実に毎年度1回開 催し、すべての受講希望者を受け入れた。講習会では、質疑応答の時間を十 分にとり補完的な説明や技術指導を精力的に行うことで講習内容の理解度 向上に取り組み、馬については12名、めん羊については6名、山羊について は16名の合計34名の受講者全員が修了試験に合格した。すべての年度にお いて修了試験合格率は100%を実現し、目標達成率は120%を超えた。 (資料4-1) 20ページ A (B)  馬及びめん山 羊について、す べての年度にお いて飼養管理技 術の向上を図る ための講習会を 開催している。こ の他、関連する 情報をホーム ページで提供す るなどしている。 修了試験合格率 の計画も達成し ている。しかし、 過去の年度評価 はBが大宗を占 めており、B評価 が妥当と考える。 1-(4)ーエー (イ)めん山羊 の家畜人工授 精に関する講 習会の実施  家畜人工授精に関する講習会(めん羊・山羊) を開催する。  なお、家畜人工授精に関する講習会の開催に 当たっては、質疑応答等により参加者の講習内 容の理解度を把握すること、実技講習のための 教材を十分準備すること等により、講習内容の理 解度の向上に努め、修了試験の合格率が80% 以上となるよう取り組む。  茨城牧場長野支場において、山羊の人工授精に関する免許取得講習会を 開催し、飼養者等9名が受講した。センターがほぼ唯一の実施機関であり、 問合せも多い。そのため、実習が可能な人数を基準にでき得る限り希望者を 受け入れており、今回は、前回(28年度)の7名に比べ受講者が2名増加し た。  本講習会の実施に当たっては、質疑応答の時間を十分にとり補足説明を 行った。特に、山羊等の人工授精師資格は、一般者の取得希望も多く、畜産 系の履修者と比べ、科目の免除がなく、全ての科目を受講する必要があるた め、このような参加者には、理解を助けるため、職員が助言等の支援をより 一層行った。 このように理解度の向上に取り組み、9名全員が修了試験に合格した(合格 率100%)。 (資料4-2) 38ページ A (A)  年度計画通り 講習会を開催 し、特に畜産系 の履修をしてい ない受講生に、 職員が助言等 を行なうなどの 工夫により、合 格率が100%と 計画で定めた目 標以上であった ことを評価した。 ⑦ 2-(1)ー アー(ア)乳 用牛  ホルスタイン種について、乳量や泌乳持 続性を特に重視した改良に取り組むことと し、自らが有する多様な育種素材と国内外 から導入する多様な育種素材を用い、民間 では取り組み難い家畜生体の卵胞卵子を 活用した高度な繁殖技術等を活用しなが ら、優良な牛群を整備する。また、候補種 雄牛を作出するためのドナーの集合検定を 毎年度、実施する。  これらの取組を通じて、家畜改良増殖目 標の育種価目標数値(乳量60kg/年、乳脂 肪1.8kg/年、無脂乳固形分5.0kg/年、乳 蛋白1.6kg/年(平成26年度時点の評価方 法に基づく育種価目標数値))以上の遺伝 的能力を有する候補種雄牛や乳器、泌乳 持続性、血統等に特長を持つ候補種雄牛 を、ゲノミック評価値も活用し毎年度、概ね 50頭作出する。  ホルスタイン種について、乳量や泌乳持続性を特に重視した改良に取り組 むため、自らが有する多様な育種素材と国内外から導入した育種素材(精液 4,852本、受精卵1,339個)を用い、民間では取り組み難い生体卵胞卵子吸 引・体外受精技術(OPU技術)等の高度な技術を活用しつつ、後継牛を1,263 頭作出し、優良な牛群を整備した。  候補種雄牛を作出するため、以下のようにドナーの集合検定に取り組ん だ。  (ア)泌乳、体型能力等に優れ、生涯生産性が高い候補種雄牛を作出する ため、ドナーの初産次の集合検定をドナー候補となる1,182頭で、開始した。  (イ)泌乳持続性に優れ、生涯生産性が高い候補種雄牛を作出するため、 初産次の泌乳持続性に係る評価値が高いドナーについて、2産次までの集 合検定を116頭開始した。  候補種雄牛の作出においては、OPU技術も活用しつつ、通常の採卵が困 難な牛からも産子を生産するとともに、センターで評価したゲノミック評価値を 基に選抜した。  これらの取組を通じて、乳量60kg/年、乳脂肪1.8kg/年、無脂乳固形分 5.0kg/年、乳蛋白1.6kg/年以上の遺伝的能力を有する候補種雄牛や乳 器、泌乳持続性、血統等に特長を持つ候補種雄牛を、ゲノミック評価値を活 用し、平成28年度は51頭、29年度は51頭、30年度は50頭、令和元年度は36 頭と、中期目標期間を通じて年平均47頭)、候補種雄牛の作出を概ね計画ど おり実施した。 (資料4-1) 25ページ B (B)  国内外からの 育種素材の導 入を行うととも に、OPU技術も 活用し優良な牛 群整備に取り組 んでいる。ま た、ドナーの集 合検定に取り組 み、育種価目標 値を上回る能力 を有する候補種 雄牛をゲノミッ ク評価も活用 し、毎年度概ね 50頭作出する など計画を達成 している。 2ー(1)ーアー (ウ)候補種雄 牛の作出  ホルスタイン種について、上記の取組を通じ て、家畜改良増殖目標の育種価目標数値(乳量 60kg/年、乳脂肪1.8kg/年、無脂乳固形分 5.0kg/年、乳蛋白1.6kg/年(平成26年度時点の 評価方法に基づく育種価目標数値))以上の遺伝 的能力を有する候補種雄牛や乳器、泌乳持続 性、血統等に特長を持つ候補種雄牛を、ゲノミッ ク評価値を活用し概ね50頭作出する。  ホルスタイン種について、乳量60kg/年、乳脂肪1.8kg/年、無脂乳固形分 5.0kg/年、乳蛋白1.6kg/年以上の遺伝的能力を有する候補種雄牛や乳 器、泌乳持続性、血統等に特長を持つ候補種雄牛を、センターで評価したゲ ノミック評価値を活用し作出した。  しかし、新冠牧場におけるヨーネ病の清浄化は進まず、家畜の飼養を一時 中断せざるを得ない状況になったため、今年度の候補種雄牛の作出頭数は 36頭となった。 (資料4-2) 45ページ C (C)  ゲノミック評価 値を活用し、年 度計画で定めた 能力等をもつ候 補種雄牛を作 出してはいるも のの、新冠牧場 におけるヨーネ 病清浄化対策 のため、候補種 雄牛の作出頭 数36頭と目標を 下回ったことか ら自己評価どお りとした。

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2-(1)ーイー (イ)直接検定 の実施  黒毛和種について、候補種雄牛を作出するた め、有用なSNP情報や、民間では取り組み難い 家畜生体の卵胞卵子を活用した高度な繁殖技術 等を活用するとともに、直接検定を実施する。  黒毛和種について、雄子牛の直接検定を実施するため、採卵が困難な繁 殖雌牛に対するOPU技術の活用や、センターが開発した血中成分から栄養 状態を測定する繁殖雌牛の代謝プロファイルテスト法の実践により、繁殖雌 牛の繁殖成績を向上させ、産子を得るとともに、センターが開発した不飽和 脂肪酸に関する遺伝子FASN等の遺伝子型情報を予備選抜に活用して、遺 伝的多様性の確保や高い増体性等が期待される44頭について直接検定を 実施した。  直接検定牛44頭のうち、12頭については、OPU技術を活用することにより 生産した。 資料(4-2) 48ページ A (A)  年度計画通 り、生体から卵 胞卵子を採取す るOPU技術や、 体重等の増加 に関連するSNP 情報を活用して 候補種雄牛を 作出するととも に、繁殖雌牛の 代謝プロファイ ルテストの実践 により繁殖性を 向上させて産子 を確保し、かつ 予備選抜に FASN遺伝子の 有無を確認し て、直接検定を 実施したことを 評価した。 2-(1)ーイー (ウ)候補種雄 牛の作出  黒毛和種について、上記の取組を通じて、遺伝 的多様性の確保に必要な系統の維持に係る候 補種雄牛や増体性等に特長を持つ候補種雄牛 を概ね30頭作出する。  遺伝的に特徴ある雌牛群から生産した雄子牛(160頭程度)について、希少 系統の遺伝子保有確率に加え、令和元年度から開始した枝肉形質に係るゲ ノミック評価による選抜を行い、遺伝的多様性の確保に必要な系統の維持や 増体性等に特長を持つ36頭を候補種雄牛として作出した。  このうち、増体性等に特長を持つ鳥取県系統群に属する13頭は、直接検定 時の1日当たり増体量の平均値が1.38kgと平成30年度全国平均(1.19kg)を 大きく上回った。 (資料4-2) 49ページ A (A)  年度計画通 り、遺伝的多様 性の確保等に 必要な候補種 雄牛を36頭作 出し、このうち増 体性等に特長を 持つ系統群か ら、全国平均を 大きく上回る増 体能力が期待さ れる候補種雄 牛を作出したこ とを評価した。 2-(1)ーイー (オ)褐毛和種 の候補種雄牛 の作出  褐毛和種について、多様な育種素材の導入を 行うなど遺伝的多様性の確保に配慮しつつ、直 接検定を行い、候補種雄牛を1頭以上作出する。  自らが有する多様な育種素材に加え、新たな育種素材(精液190本、受精 卵15個)を導入し、遺伝的に特徴ある70頭の雌牛群を整備した。  候補種雄牛の作出については、センターが開発した繁殖雌牛の代謝プロ ファイルテストの実践により、生産頭数を増加させ、遺伝的多様性の確保にも 配慮しつつ、4頭について直接検定を実施した。  直接検定を実施した雄子牛のうち、3頭を後代検定候補種雄牛として熊本 県肉用牛改良推進委員会に提示した。 (資料4-2) 51ページ A (A)  地域と協力し て育種素材を導 入し、代謝プロ ファイルテストを 実践して、能力 の高い雌牛から の種雄牛生産 に取り組み、年 度計画より多い 4頭の候補種雄 牛を作出し、3 頭を熊本県の 肉用牛改良推 進委員会に後 代検定候補種 雄牛として提示 したことを評価 した。 ⑧ 2-(1)ー アー(イ)肉 用牛  黒毛和種について、その基礎となる4系 統群・5希少系統の活用や増体性を特に重 視した改良に取り組むこととし、自らが有す る多様な育種素材と新たに導入する多様な 育種素材を用い、遺伝的に特徴ある優良な 牛群を整備する。また、候補種雄牛を作出 するため、有用なSNP情報や、民間では取 り組み難い家畜生体の卵胞卵子を活用し た高度な繁殖技術等を活用するとともに、 直接検定を毎年度、実施する。  これらの取組を通じて、遺伝的多様性の 確保に配慮しつつ、増体性等に特長を持つ 候補種雄牛を毎年度、概ね30頭作出する。  さらに、飼料利用性の向上による生産コ ストの低減を一層推進する観点から、黒毛 和種の肥育牛における飼料利用性等に係 る形質データを収集するとともに、学識経 験者等の参画を得て検討会を毎年度、開 催するなどにより、検定手法の開発に向け た検討を行う。  このほか、褐毛和種について、多様な育 種素材の導入を行うなど遺伝的多様性の 確保に配慮しつつ、直接検定を行い、候補 種雄牛を毎年度、1頭以上作出する。  黒毛和種について、その基礎となる4系統群・5希少系統の活用や増体性 を特に重視した改良に取り組むため、自らが有する多様な育種素材に加え、 外部からの育種素材も積極的に導入し、遺伝的に特徴のある牛群を整備し た。  候補種雄牛の作出に当たっては、OPU技術の活用のほか、センターが開 発した繁殖雌牛の代謝プロファイルテストの実践により、繁殖雌牛の繁殖成 績を向上させるとともに、センターで評価した枝肉形質に関するゲノミック評 価値やセンターが開発した不飽和脂肪酸に関する遺伝子FASN等の遺伝型 情報を選抜に活用し、候補種雄牛の作出に実用化する段階にまでこぎ着け、 黒毛和種では目標を2割上回る149頭(年平均37.3頭)作出したことから、計 画を上回る成果が得られた。  さらに、他機関では得難い肥育牛1頭ごとの飼料採食量の測定により、種 雄牛ごとの飼料利用性に係る形質データを収集するとともに、学識経験者の 参画を得て検討会を開催し、検定手法の開発に向けた検討を行った。  このほか、褐毛和種については、自ら有する多様な育種素材に加え、新た な育種素材の導入を行い、遺伝的多様性に配慮しつつ、直接検定を行い、目 標数を大きく上回る頭数の候補種雄牛を作出した。 (資料4-1) 26ページ A (A)  黒毛和種につ いて、基礎とな る4系統群・5 希少系統と外 部から導入した 育種素材を活 用し、遺伝的に 特徴のある優 良牛群を整備し ている。直接検 定を毎年度行 い、計画を上回 る候補種雄牛を 作出している。 肥育牛の飼料 利用性に関す るデータを収集 し検定手法開 発に向けた検 討を進めてい る。また、褐毛 和種について、 計画を上回る候 補種雄牛を作 出している。

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⑨ ー ー ー ー 2-(1)ーウー (エ)実験用小 型豚の精液、 胚の凍結保存  実験用小型豚について、令和2年度末までの 民間への移管に向け、精液や胚の凍結保存に取 り組む。  実験用小型豚について、令和2年度末までの民間への移管に向け、受精卵 を54個(サクラメヒコ・リヘーロ34個、サクラメヒコ・ペローン20個)作成し、生体 でのけい養を中止し、民間へ移管した。 (資料4-2) 56ページ A (A)  実験用小型豚 の受精卵生産 に取り組み、年 度計画より1年 前倒しで民間へ の移管が実現 できたことを評 価した。 2-(1)-エー (エ)肉用の白 色プリマスロッ ク種の選抜等 の実施  国産鶏種のうち、肉用の白色プリマスロック種 (30系統)について、産卵率(31~35週齢)推定育 種価の概ね2%改善に向け、遺伝的能力評価結 果に基づく選抜、交配を行う。  国産鶏種のうち、肉用の白色プリマスロック種(30系統)について、平成31 年鶏の産卵率(31~35週齢)データを収集して育種価を算出し、約1千羽から 選抜した約4百羽の交配を行った。  肉用の白色プリマスロック種(30系統)の平成31年鶏の産卵率(31~35週 齢)の育種価は、平成28年鶏に比べ2.64%改善した。 (資料4-2) 61ページ A (A)  年度計画で定 めた、肉用の白 色プリマスロッ ク種(30系統)の 産卵率推定育 種価2%改善 は、2.64%向上 したことを評価 した。 2-(1)ーエー (オ)肉用の白 色プリマスロッ ク種の新系統 造成に向けた 選抜等の実施  国産鶏種のうち、肉用の白色プリマスロック種 について、産肉性等を改善するため、新たな系統 の造成に向けた選抜、交配を行う。  肉用の白色プリマスロック種(30系統)の後継なる白色プリマスロック種 (1330系統)について、遺伝子解析技術を活用し、赤色羽装の地鶏等と交配 した際に、その後代が必ず赤色となるよう羽色を固定することについて、計画 を前倒しして達成した。これに加え、産肉性の改良のため、令和元年度は、 ムネ肉割合の大きさを加えた総合指数を用いて、選抜、交配を行ない、より 効率的な改良が実施できるようになった。 (資料4-2) 62ページ A (A)  年度計画通 り、産肉性を改 良するため、総 合指数を用いた 選抜・交配を行 なった。また、遺 伝子解析技術 を活用して、後 代が必ず赤色と なるよう羽色を 固定することに ついて、計画を 前倒しして達成 したことを評価 した。 2-(1)ーオー (ア)ブルトン種 等の選抜等の 実施  純粋種農用馬であるブルトン種及びペルシュロ ン種の雄の1歳馬について、けん引能力を特に 重視した改良に取り組むこととし、人工授精技術 を活用した効率的な繁殖を行うとともに、繁殖及 び発育ステージに応じた飼料設計技術の活用に より繁殖馬や生産馬の適切な飼養管理を行いつ つ、けん引能力に関連のある馬格をもとに3分の 1程度を選抜する。  人工授精技術を活用した効率的な繁殖を行うため、種雄馬7頭から採精 し、雌馬83頭に人工授精を行い、雄の当歳馬29頭を生産した。  発育ステージに応じた飼料給与を行うため、飼料設計については、軽種馬 のボディコンディションスコアを基にして,センター独自で開発した農用馬のボ ディコンディションスコアに基づき実施し、これにより適切な繁殖馬や生産馬 の飼養管理を行うことができた。  人工授精技術を活用した効率的な繁殖や適切な飼料設計により馬格の優 れた雄の当歳馬が多く生産され、2分の1程度の高い割合で選抜でき、1歳 馬候補として14頭を選抜した。 (資料4-2) 65ページ A (B)  人工授精技術 を活用して当歳 馬を生産し、か つ独自のボディ コンディションス コアを活用し適 切な飼養管理を 行うなどの取組 みが行われて いるが、過去3 年もほぼ同様の 成績でB評価で あったことから、 B評価が妥当と 考える。 2-(1)ーオー (イ)ブルトン種 等の種雄馬候 補の作出  純粋種農用馬であるブルトン種及びペルシュロ ン種の雄の2歳馬について、けん引能力を特に 重視した改良に取り組むこととし、人工授精技術 を活用した効率的な繁殖を行うとともに、繁殖及 び発育ステージに応じた飼料設計技術の活用に より繁殖馬や生産馬の適切な飼養管理を行いつ つ、けん引能力に関連のある馬格をもとに種雄 馬候補を概ね6頭作出する。  人工授精技術を活用した効率的な繁殖を行うとともに、発育ステージに応じ た飼料給与を行うため、飼料設計については、軽種馬のボディコンディション スコアを基にしてセンター独自で開発した農用馬のボディコンディションスコア に基づき実施し、これにより適切な繁殖馬や生産馬の飼養管理を行うことが できた。  適切な飼料設計により馬格の優れた個体(体高:ブルトン種150cm、ペル シュロン種160cm:)の2歳馬を多く生産でき、雄の2歳馬から種雄馬候補を7 頭作出した。 (資料4-2) 66ページ A (B)  けん引能力に 関連のある馬格 をもとに種雄馬 候補を概ね6頭 作出するという 年度計画の目 標を達成してい るが、過去3年 もほぼ同様の成 績でB評価で あったことから、 B評価が妥当と 考える。 ⑩ ⑪  国産鶏種について、センターで飼養する種鶏について評価を行い、産卵性 や産肉性に関する育種価に基づく選抜、交配を以下の5系統について行っ た。  卵用の横斑プリマスロック種(XS系統)の後期産卵率は目標を大きく上回 り、8.02%改善した。  卵用のロードアイランドレッド種(YA系統)の卵殻強度は27年鶏に比べ 0.20kg重/㎠改善した。  肉用の白色コーニッシュ種(60系統)の4週齢時体重は28年鶏に比べ45.6g 改善した。  肉用の白色プリマスロック種(30系統)の産卵率(31~35週齢)は目標を3割 上回り、2.64%改善した。  遺伝子解析の活用により、羽色を固定した肉用の白色プリマスロック種 (1330系統)について、計画を前倒しして産肉性を改良するため、産卵性等に ムネ肉割合の大きさを加えた総合指数により、選抜を行うなど、計画を上回 る成果が得られた。  都道府県等が行う新たな地鶏等の銘柄開発のため、センターが保有する国 産鶏種を利用して、平成28年度から、多様な品種・系統を用いて、10系統14 組の組合せ検定を行った。 (資料4-1) 29ページ A (A)  国産鶏種のう ち具体的な数 値目標を示した 5系統につい て、いずれも計 画を達成してお り、一部鶏種に ついては計画を 上回る改良効 果が得られてい る。組合わせ検 定についても計 画を上回る組数 の検定が行わ れている。ま た、白色プリマ スロック種 (1330系)につ いて計画を前倒 した改良が進め られている。 2ー(1)ー イー(ア)鶏  鶏について、遺伝的能力評価結果に基づ く選抜、交配を行いながら、次の取組を行 う。  国産鶏種のうち、卵用の横斑プリマスロッ ク種(XS系統)については、後期産卵率の 推定育種価を概ね2%改善し、ロードアイラ ンドレッド種(YA系統)については、産卵率 等主要形質の改良を考慮しつつ卵殻強度 を高めるための選抜を行う。  国産鶏種のうち、肉用の白色コーニッシュ 種(60系統)については、4週齢時の体重の 推定育種価を概ね50g改善し、白色プリマ スロック種(30系統)については、産卵率 (31~35週齢)の推定育種価を概ね2%改 善する。  また、国産鶏種に関する組合せ検定を毎 年度、概ね4組実施する。 (資料4-1) 30ページ A (B)  純粋種農用馬 2種について、 人工授精技術 を活用してけん 引力を特に重 視した改良に取 り組み、独自に 開発したボディ コンディションス コアを用いた飼 養管理を行い、 計画を上回る頭 数の種雄馬候 補を作出するな ど計画は達成さ れているが、過 去の年度評価 を踏まえるとB 評価が妥当と 考える。  純粋種農用馬であるブルトン種及びペル シュロン種について、けん引能力を特に重 視した改良に取り組むこととし、人工授精技 術を活用した効率的な繁殖を行うとともに、 繁殖及び発育ステージに応じた飼料設計 技術の活用により繁殖馬や生産馬の適切 な飼養管理を行いつつ、けん引能力に関連 のある馬格をもとに種雄馬候補を毎年度、 概ね6頭作出する。 2-(1)ーイ (イ)馬  人工授精技術を活用した効率的な繁殖を行い、185頭を生産した。  発育ステージに応じた飼料給与を行うため、飼料設計については、軽種馬 のボディコンディションスコアを基にしてセンター独自で開発した農用馬のボ ディコンディションスコアに基づき実施し、これにより適切な繁殖馬や生産馬 の飼養管理を行うことができた。  馬格の優れた種雄馬候補として目標を2割上回る計29頭(年平均7.3頭)を 作出した。

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⑫ 2-(3)ーイ 多様な遺伝 資源の活用  黒毛和種について、近交係数の高まりを 抑制する種畜生産を行うため、遺伝資源の 探索を行い基礎となる4系統群・5希少系 統に関係する多様な育種素材を導入し、遺 伝的に特徴ある優良な牛群を整備する。ま た、当該牛群を活用し、増体性等に特長を 持つ候補種雄牛の作出に取り組む。  黒毛和種の基礎となる4系統群・5希少系統に係る遺伝子保有確率、血統 等を考慮し、自ら有する多様な育種素材に加え、新たな育種素材(精液6,953 本、受精卵391個及び雌牛58頭)を導入し、遺伝的に特徴ある900頭規模の 雌牛群を整備した。  遺伝的に特徴ある優良な牛群を活用し、種畜作出用として生産した雄子牛 (600頭程度)の中から、遺伝子保有確率、遺伝的能力評価等により選抜した 遺伝的多様性の確保や増体性等に特長を持つ149頭(年平均37.3頭)を候補 種雄牛として作出した。  このうち、増体性等に特長を持つ鳥取県系統群に属する54頭は、直接検定 時の1日当たり増体量の平均値が1.29kgであった。 (資料4-1) 35ページ A (B)  黒毛和種につ いて、基礎とな る4系統群・5 希少系統群に 関連する育種 素材を導入し、 遺伝的に特徴 のある牛群を整 備し、これを活 用した候補種雄 牛の作出に取り 組んでいるが、 過去の年度評 価を踏まえると B評価が妥当と 考える。 2-(3)ーイ多 様な遺伝資源 の活用  黒毛和種について、近交係数の高まりを抑制す る種畜生産を行うため、遺伝資源の探索を行い、 基礎となる4系統群・5希少系統に関係する多様 な育種素材を導入し、遺伝的に特徴ある優良な 牛群を整備する。また、当該牛群を活用し、遺伝 的多様性の確保に必要な系統の維持に係る候 補種雄牛や増体性等に特長を持つ候補種雄牛 の作出に取り組む。  黒毛和種の基礎となる4系統群・5希少系統に係る遺伝子保有確率、血統 等を考慮し、自らが有する多様な育種素材に加え、新たな育種素材(精液 1,640本、受精卵107個及び雌牛13頭)を導入し、遺伝的に特徴ある900頭規 模の雌牛群を整備した。  遺伝的に特徴ある雌牛群から生産した雄子牛に対し、希少系統の遺伝子 保有確率に加え、令和元年度から開始した枝肉形質に係るゲノミック評価に よる選抜を行い、遺伝的多様性の確保に必要な系統の維持や増体性等に特 長を持つ36頭を候補種雄牛として作出した。  このうち、増体性等に特長を持つ鳥取県系統群に属する13頭は、直接検定 時の1日当たり増体量の平均値が1.38kgと平成30年度全国平均(1.19kg)を 大きく上回った。 (資料4-2) 80ページ A (A)  年度計画通 り、多様な育種 素材の導入に 積極的に取り組 み、基礎雌牛群 を整備したこと に加え、雄子牛 に対して希少系 統の遺伝子保 有率やゲノミッ ク評価も加味し た選抜を行い、 特徴ある候補種 雄牛を作出した ことを評価した。 ⑬ 3-(1)ーイ 飼料用稲種 子の生産  飼料用稲種子について、都道府県による 生産供給を補完し、全国における種子の安 定供給を確保するため、関係機関と連携し つつ需要に応じた生産を行うこととし、毎年 度、概ね6品種以上を生産対象とする。  飼料用稲種子について、都道府県による種子供給体制の補完を担う(一 社)日本草地畜産種子協会等との連携を通じて得られた需要情報に応じ、飼 料価値が高いものの新品種のため栽培技術が確立していない極短穂品種 等、毎年度、6品種以上を生産対象として、今中期目標期間中(令和元年度 末まで)に122.9トンの種子を生産した。  耐倒伏性に優れ、かつサイレージの発酵品質に優れる極短穂の飼料用稲 新品種については、採種が難しいことから、遅植え栽培や低い密度の栽培に より、穂を大型化させる工夫を行いながら種子増殖に取り組み、これまでの センターにおける極短穂品種の増殖実績が評価され、令和元年度は、3品種 の増殖を行い、飼料用稲の栽培農家に供給するための十分量を確保するこ とができた。 (資料4-1) 39ページ A (B)  飼料用稲種子 については、全 国における種子 の安定供給を 確保するため、 関係機関と連 携して毎年度6 品種以上の生 産が行われて いるが、過去の 年度評価を踏 まえるとB評価 が妥当と考え る。  仮に、極短穂 品種の増殖実 績をA評価の根 拠とするなら、 当該成績は単 年度のものであ り、複数年継続 した成績が必要 と考える。 3-(1)ーイ飼 料用稲種子の 生産  飼料用稲種子について、関係機関と連携しつつ 需要に応じた生産を行うこととし、生産対象品種 を、概ね6品種以上とする。  飼料用稲種子について、都道府県による種子供給体制の補完を担う(一 社)日本草地畜産種子協会等との連携を通じて得られた需要情報に応じ、令 和2年に販売が開始される「みなちから」(粗玄米収量が800kg/10aと多収)な ど、計画の6品種を上回る9品種について、5.5haの採種ほ場を設置し、25.8ト ンの種子を生産した。  耐倒伏性に優れ、かつサイレージの発酵品質に優れる極短穂の飼料用稲 新品種(たちあやか、たちすずか、つきすずか)については、採種が難しいこ とから、遅植え栽培や低い密度の栽培により、穂の大型化させる工夫を行い ながら種子増殖を行った。これまでのセンターにおける極短穂品種の増殖実 績が評価され、令和元年度は、3品種・約1.2トンの種子の増殖を行い、飼料 用稲の栽培農家に供給するための十分量を確保することができた。 (資料4-2) 86ページ A (A) 年度計画通り、 生産対象品種 を6種類以上生 産したことに加 え、種子増殖の 難しい極短穂品 種について、遅 植え栽培などの 工夫を行い、増 殖を行ったこと を評価した。

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3-(2)ーア地 域に適した飼 料作物優良品 種の育成・普 及  地域に適した飼料作物優良品種の育成・普及 を図るため、草地管理技術や飼料生産技術等に ついて、関係機関等と連携しつつ、講習会の開 催等を概ね2回行う。  ISTA(国際種子検査協会)の国際規程に基づく高度な種子の検査技術の 普及を図るため、民間種苗業者等を対象としたISTAの国際規程に基づくマメ 科牧草種子の発芽検査技術に係る講習会(14名参加)を茨城牧場長野支場 で開催した。マメ科牧草の発芽の正常性確認については、子葉の異常を正 確に判定する必要があることから、マメ科牧草種子に係る講習会の開催要望 を踏まえて開催し、アンケート結果では「種子の発芽率等に関する検査手順 や詳細な判定方法についての理解が深まった」、「発芽評価での迷う際の見 方が分かった」、「発芽判定の確認を、センター職員と目線を合わせることが できる機会となった」などの高い評価を得た。  地域に適した飼料作物優良品種の育成・普及を図るため、都道府県、農 協、生産者等を対象とした草地管理技術及び飼料生産技術に関する講習会 を計10回実施した。特に、奥羽牧場では、各地で問題となっている有害雑草 の防除対策として、近年増加している雑草の「ハルガヤ」、「ハルザキヤマガ ラシ」などの繁殖力が旺盛な雑草について、牧場での更新前および更新後の 草地を利用して、県関係指導者、農協職員等への講習会を開催し、アンケー ト結果では「具体的な草地管理技術等が実用的に紹介され有意義であっ た」、「除草剤の利用時期が分かった」、「現地を見ながら、雑草ごとの対策が 分かった」などの高い評価を得た。  なお、講習会には、都道府県や生産者等から計260名の参加があり、アン ケート結果では、9割強の参加者が理解したと回答し、具体的な草地管理技 術等が実用的に紹介され有意義であった、種子の発芽率等に関する検査手 順や詳細な判定方法についての理解が深まった等の高い評価を受けた。 (資料4-2) 88ページ A (A) 地域に適した飼 料作物優良品 種の育成・普及 を図るための講 習会を地域の ニーズに応じて 多数回開催する など、年度計画 以上に地域等 に貢献している ことを評価した。 3-(2)ーイ地 域適応性等検 定試験の実施  精密データの測定手法等の高度な技術や豊富 な種苗生産基盤を活用し、育成機関と実施系統 の調整を行い、地域適応性等検定試験を実施す る。  地域適応性等検定試験について、新品種育成機関との間で草種及び系統 数の調整を行い、業務の効率化を図りつつ本所及び8牧場・支場において、 イネ科牧草16系統、青刈類39系統の合計55系統を対象に実施した。  特に、今年度は、地球温暖化が進む中、早期に夏枯れし易くなっている永 年牧草のオーチャードグラスについて、熊本牧場近隣の九州有明海沿岸に 自生していたオーチャードグラスを母材として、夏期の気温が高い熊本牧場、 宮崎牧場で選抜した「那改1号」((国研)農業・食品産業技術総合研究機構と 共同育成)について、奥羽牧場(青森県)以南の6牧場における、過去3か年 分の地域適応性検定の試験結果を系統の選定及び新品種登録審査用等の 資料として育成機関に提供し、広域適応性であり、既存品種より高越夏性で あることが認められ、家畜改良センターのフィールドで育種した品種として初 めて品種登録するに至った。  試験は、生育項目(発芽の良否、病虫害程度、草丈等)及び収穫項目(生 草収量、乾物率等)の精密データの測定等を行い、緻密な評点法、観察法、 統計分析法等の高度な技術を用いた。  試験結果は、系統選抜及び品種登録審査用の資料として新品種育成機関 に提供した。 (資料4-2) 89ページ A (B)  年度計画通 り、地域適応性 等検定試験を 実施。なお、3ヵ 年かけて初めて 品種登録するに 至った「那改1 号」の取組は評 価できるもの の、その他の業 績は、過去3年 間の成果と同等 の成果であり、 B評価が妥当と 考える。 3-(2)ーウ優 良品種に係る データ提供 優良品種に係るデータベースを更新して概ね600 品種のデータを都道府県等に提供する。 都道府県等の試験場の協力を得て、令和元年度における奨励品種選定試験 等で得られた飼料作物の品種特性等に関する生育項目や収穫項目等の データを延べ723品種について収集し、データベースへの入力を行った。 今年度は、95品種を削除し、58の新品種を新規に追加した結果、723品種に ついて最新の情報が閲覧可能となり、都道府県における奨励品種の選定や 試験研究機関における新品種開発のための参考情報として、都道府県、試 験研究機関及び関係団体55か所に情報の提供を行った。 なお、この中には、センターが(国研)農業・食品産業技術総合研究機構と連 携し、育種から評価まで係わったオーチャードグラス「那改1号」に関するデー タも含んでおり、地域の気候風土に適した品種の開発等に貢献した。 (資料4-2) 90ページ A (B) 優良品種に係る データを723品 種について提供 し年度計画で定 めた目標よりも 多いが、過去3 年間の成果と同 等の成果であ り、B評価が妥 当と考える。 3-(2)ーエ実 証展示ほの設 置等 関係機関等と連携しつつ、20か所程度の実証展 示ほの設置及び設置への協力を行う 優良品種を普及するため育成機関、都道府県、市町村、農協等と協力して実 証展示を行う候補予定ほの選定のための現地調査を実施し、公共牧場等に 60か所の飼料作物実証展示ほを設置した。このうち令和元年度は、新たに 23か所を設置した。例えば、近年流通が始まった品種について、イタリアンラ イグラスでは、低温伸張性が高くて青刈りや稲WCSの収穫後の遅播きでも 多収な「きららワセ」やいもち病抵抗性があるため晩夏播き可能な「Kyushu 1」、チモシーでは、再生が良好で2番草の収量が高い「なつぴりか」につい て、早期普及に向けた展示を行い、これらの品種を農家に配布するため、増 殖が計画されているところである。 また、すべての実証展示ほに、適期収穫のタイミングや品種利用者への飼料 生産技術、肥培管理技術等の現地指導を行うなど、品種特性を生かしたほ 場管理のための協力を行った。 (資料4-2) 91ページ A (B) 実証展示ほを 60カ所設置し、 年度計画で定 めた目標よりも 多いが、過去3 年間の成果と同 等の成果であ り、B評価が妥 当と考える。 ⑭ 3-(2)飼料 作物優良品 種の普及支 援  地域に適した飼料作物優良品種の育成・ 普及を図るため、関係機関等と連携しつ つ、草地管理技術や飼料生産技術等に関 する講習会の開催等を毎年度、概ね2回行 う。また、精密データの測定手法等の高度 な技術や豊富な種苗生産基盤を活用し、地 域適応性等に関する検定試験を実施し、優 良品種に係るデータベースを毎年度、更新 して概ね600品種のデータを都道府県等に 提供する。さらに、毎年度、20か所程度の 実証展示ほの設置及び設置への協力を行 う。  都道府県等の関係機関と連携しつつ、各地で課題となっている草地管理技 術や新たな知見に基づく飼料生産技術に加え、国際規程に基づく高度な種 子検査技術の普及を図るための講習会を今中期目標期間中(令和元年度末 まで)に33回開催し、生産者や民間種苗会社等の参加者から高い評価を得 た。  都道府県、試験研究機関及び関係団体等に品種の情報提供を行うため、  (1)緻密な評点法、観察法、統計分析法等の高度な技術を経験が少ない 職員に習得させ、検定技術の高位平準化を図りつつ、今中期目標期間中(令 和元年度末まで)に延べ253系統の地域適応性等検定試験を実施し、優良品 種にかかるデータを収集した。  (2)都道府県等の試験場の協力を得て、奨励品種選定試験結果等のデー タを入手し、データの確認、整理等を行い今中期目標期間中(令和元年度末 まで)、毎年600品種の目標を上回って、延べ3,019品種の品種特性情報の データベースを更新した。  なお、これらの中には、センターが(国研)農業・食品産業技術総合研究機 構と連携し、育種から評価まで係わったオーチャードグラス「那改1号」に関す るデータも含まれているなど、地域の気候風土に適した品種の開発に貢献し た。  優良品種を普及するため育成機関、都道府県、市町村、農協等と協力し て、市販されている優良な品種及び耐病性や環境適応性の高い新品種等に ついて、早期に普及させるため、今中期目標期間中(令和元年度末まで)に 延べ269か所の実証展示ほを設置するとともに、設置した実証展示ほを用い て、品種利用者への技術指導や講習会を開催し、参加者からは、アンケート 結果から貴重な技術情報であるとして高い評価を得た。 (資料4-1) 40ページ A (B)  草地管理や飼 料生産技術等 に関する講習 会については、 計画を上回る回 数開催されてい る。また、地域 適合性等検定 試験を実施し計 画を上回る件数 の品種特性情 報のデータベー スを更新し、情 報提供を行って いる。実証展示 圃の設置につ いても目標を達 成している。た だし、「那改1 号」の取り組み は評価できる が、過去の年度 評価を踏まえる と、特に取組み が増えた状況 ではなく、B評 価が妥当と考え る。

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⑮ ー ー ー ー ー 5-(1)ーアー(エ)鶏  約300羽の軍鶏系種サンプルとその羽色情報を 収集し、羽色遺伝子型を解析する。また、経済形 質のデータを収集し、遺伝子型との関連を検討す る。  軍鶏系種834系統339羽の血液サンプルを収集し、339羽を含む集団の羽色 パターンを確認した。羽色遺伝子を解析するために、これらのDNAを抽出し た。経済形質として雄雌の6週齢時体重と雌の31~35週齢時産卵率データを 収集した。黒色及び赤褐色羽装に影響を与えるMC1R遺伝子は地鶏固有の 羽色を発現させるために重要な遺伝子の一つである。本調査では、MC1R遺 伝子において好ましくない黒色羽装と関連する遺伝子型が集団内に存在す るか、赤笹羽装と関連する多型が存在するか、834系統の雄で見られる赤笹 様タイプが赤笹羽装品種で見られる赤笹羽装と共通するものであるかを調査 した。その結果、黒色羽装と関連する遺伝子型は834系統339羽に存在しな いことを確認したほか、赤笹羽装品種においてMC1R遺伝子の5’上流領域 に赤笹羽装との関連が考えられる一塩基多型(SNP)が存在し、その遺伝子 型は全てGホモ型を示すという新しい知見を見出した。しかし、834系統の赤 笹様タイプ及び選抜鶏の雄の遺伝子型は全てAホモ型を示した。このことか ら、MC1R遺伝子の5’上流領域のSNPは834系統雄の赤笹様タイプと関連 がないことを確認した。次に雌の羽装とMC1R遺伝子の関連を調査した。雌の 羽装は赤褐色様羽装の他に褐色の薄いタイプ、頭部の黒いタイプが見られ た。これらの違いを調べるためにMC1R遺伝子の多型の組み合わせ(ハプロ タイプ、H1、H2)を確認したところ、頭部が黒い2羽のハプロタイプはH2H2 であった。また、赤褐色様羽装でH2型を保有する個体は翼羽や尾羽におい て黒色を占める割合が多い傾向であった。そのため、834系統の雌のうちH2 型を保有する個体は頭部、翼羽、尾羽等の末端部において黒色が多くなる可 能性が考えられた。また、これらのハプロタイプと経済形質との有意な関連は なく、経済形質に影響を与えないことを確認した。 (資料4-2) 102ページ A (B)  羽色遺伝子型 を解析し、羽色 と遺伝子型の関 係を解明すると ともに、経済形 質には影響を与 えないことを確 認できたこと は、計画通りの 成果であり、過 去の評価からも B評価が妥当と 考える。 ⑯ 5-(1)- イー(ア)新 たな食肉の おいしさの指 標等の検討  食味に関連する官能評価と理化学分析 の関連性について、特に風味を重視して調 査し、新たなおいしさの指標に関する検討 を行うとともに、食肉成分の簡易測定装置 を用いた調査を行い、食肉のおいしさに関 連する簡易な分析方法を開発する。これら の結果を踏まえ、家畜の選抜への利用に ついて検討する。  牛肉については、新たなおいしさの指標として、黒毛和牛肉で強い「甘い香り」は 不飽和脂肪酸の酸化物が関与していることが分かった。また、官能評価における 「うま味」は「多汁性」、「好ましい香り(甘い、脂っぽい)」及び粗脂肪含量が高いほ ど強く感じやすく、グルタミン酸やイノシン酸などの水溶性呈味物質だけでなく、脂 肪に由来する要因も関与していることが示された。牛肉における簡易な分析方法の 開発に向けては、簡易測定装置(近赤外光ファイバー装置)による検量線を作成 し、一般成分の光学推定値と理化学実測値の相関係数は水分含量0.88、粗脂肪含 量0.88、粗タンパク質含量0.84と高い数値を得た。社会実装の目安は相関係数0.8 以上であるため、枝肉段階で簡易に分析する方法を開発できた。脂肪交雑基準(B MS No.)はNo.12まで判定されるが、本開発により、脂肪交雑の改良においてBM Sとは異なる客観的な数値として粗脂肪含量の把握が可能となり、家畜の選抜利用 への環境を作り出すことが期待される。  また、豚肉については、新たなおいしさの指標として、(公社)日本食肉格付協会 と共同でPMS(豚脂肪交雑基準)を策定し、普及させるとともに、粗脂肪含量及び 脂肪酸組成が有力候補となることが明らかとなった。豚肉における簡易な分析方法 の開発に向けては、一般成分(水分含量、粗脂肪含量、粗タンパク質含量)に対す る簡易測定装置による検量線を作成し、一般成分の光学推定値と理化学実測値の 相関係数は水分含量0.83、粗脂肪含量0.92、粗タンパク質含量0.73と高い数値が 得られ、水分含量と粗脂肪含量は社会実装の目安である相関係数0.8以上である ため、枝肉段階で簡易に分析する方法を開発できた。簡易測定装置による皮下脂 肪内層の脂肪酸組成の光学推定値と理化学実測値との相関係数は、検体数はま だ少ないがオレイン酸0.86、リノール酸0.90、飽和脂肪酸0.93と良好な数値が得ら れ、実用可能性が高いことが示された。前述したように、豚肉の新たなおいしさの指 標の有力候補として明らかにした粗脂肪含量及び脂肪酸組成を、枝肉段階で簡易 に分析する方法を開発できたことは、計画を上回る成果である。 (資料4-1) 51ページ A (A)  牛肉・豚肉につ いて、官能評価 と理化学評価の 関連性を調査 し、不飽和脂肪 酸等新たなおい しさの指標の検 討が行われてい る。また、一般成 分の光学推定値 と理化学実測値 の相関を調査 し、牛肉・豚肉と もに枝肉段階で 簡易に分析でき る方法を開発し ている。豚肉につ いて民間と共同 で新たな指標 (PMS)を作出し、 普及させるなど、 これらの結果の 家畜の選抜への 利用に向けた取 組を進めている。 ⑰ 5-(1)- イー(イ)外 国人の黒毛 和種牛肉に 対する嗜好 性に関連す る調査  欧米人等の外国人の黒毛和牛肉に対す る嗜好性の調査及び官能評価を実施し、早 期にとりまとめを行う。  平成30年度までに欧米人等の外国人の黒毛和牛肉に対する嗜好性調査 及び官能評価を実施し、合計81ヵ国、1,454名のデータが得られ、そのうち1 つの国で35名以上の回答者数が得られた16ヵ国の1,013名分のデータについ て、論文として取りまとめ、肉用牛研究会報に発表した。さらに畜産コンサル タント(2020年1月号)に記事を投稿し、掲載された。また、調査に当たっては 日本畜産物輸出促進協議会の協力を得るとともに、その成果を同協議会主 催の牛肉輸出部会定時総会において講演した。  外国人の黒毛和種牛肉に対する嗜好性を調査した研究は前例がなく、調 査結果を公表したところ様々な機関から問い合わせがあり、日本食糧新聞 (2019年11月18日1面)及び日本農業新聞(2020年1月29日1面)等のメディ アにも取り上げられ、中国市場への輸出を計画している商社や(独)日本貿 易振興機構(JETRO)等からの問い合わせがあり強い関心が寄せられるな ど、計画を大きく上回り、かつ顕著な成果が得られた。 (資料4-1) 52ページ S (S)  欧米人等の外 国人の和牛肉 に対する嗜好 性の調査結果 等が令和元年 に論文公表さ れ、我が国が力 を入れている牛 肉の輸出につ ながる成果をあ げていることを 高く評価した。 5-(1)ーイ食 肉の食味に関 する客観的評 価手法の開発  食味に関連する官能評価を実施するとともに、 食味に関与する理化学分析項目の調査を行い、 食味に関連する評価指標を取りまとめる。 また、食肉成分の簡易測定装置による測定値と 官能評価及び理化学分析との関連性を調査し、 食味に関連する検量線を作成する。 更に、これまで実施した外国人の黒毛和種牛肉 に対する嗜好性について、取りまとめた結果を公 表する。  牛肉については、新たなおいしさの指標として、黒毛和牛肉で強い「甘い香 り」は不飽和脂肪酸の酸化物が関与していることが分かった。また、官能評 価における「うま味」は「多汁性」、「好ましい香り(甘い、脂っぽい)」及び粗脂 肪含量が高いほど強く感じやすく、グルタミン酸やイノシン酸などの水溶性呈 味物質だけでなく、脂肪に由来する要因も関与していることが示唆された。牛 肉における簡易な分析方法の開発に向けては、簡易測定装置(近赤外光ファ イバー装置)による検量線を作成し、一般成分の光学推定値と理化学実測値 の相関係数は水分含量0.88、粗脂肪含量0.88、粗タンパク質含量と高い数値 が得られた。社会実装の目安は相関係数0.8以上であるため、枝肉段階で簡 易に分析する方法を開発する目途がついた。脂肪交雑基準(BMS No.)は No.12まで判定されるが、本開発により、脂肪交雑の改良においてBMSとは 異なる客観的な数値として粗脂肪含量の把握が可能となり、家畜の選抜利 用への環境を作り出すことが期待される。  また、豚肉については、新たなおいしさの指標として、粗脂肪含量及び脂肪 酸組成を有力候補として絞り込んだ。豚肉における簡易な分析方法の開発に 向けては、一般成分(水分含量、粗脂肪含量、粗タンパク質含量)に対する簡 易測定装置による検量線を作成し、光学推定値と理化学実測値の相関係数 は水分含量0.83、粗脂肪含量0.92、粗タンパク質含量0.73と高い数値が得ら れ、水分含量と粗脂肪含量は社会実装の目安である相関係数0.8以上である ため、枝肉段階で簡易に分析する方法を開発する目途がついた。皮下脂肪 内層の簡易測定装置による測定値と脂肪酸組成の相関係数は、検体数は少 ないがオレイン酸0.86、リノール酸0.90、飽和脂肪酸0.93と良好な数値が得ら れ、実用可能性が高いことが示された。前述したように、豚肉の新たなおいし さの指標として提示した粗脂肪含量及び脂肪酸組成を、枝肉段階で簡易に 分析する方法を開発する目途がついたことは、計画を上回る成果である。  外国人の黒毛和牛肉に対する嗜好性調査については、昨年度まで実施し たデータを取りまとめ、論文として肉用牛研究会報に発表するとともに、畜産 コンサルタント(2020年1月号)にも投稿した。また、国の輸出戦略に貢献する ため、日本畜産物輸出促進協議会と緊密に情報交換し、その成果を同協議 会主催の牛肉輸出部会定時総会において講演した。外国人の黒毛和種牛肉 に対する嗜好性を調査した研究は前例がなく、調査結果を公表したところ 様々な機関から問い合わせがあり、日本食糧新聞(2019年11月18日1面)及 び日本農業新聞(2020年1月29日1面)等のメディアにも取り上げられ、中国 市場への輸出を計画している商社や(独)日本貿易振興機構(JETRO)等か らの問い合わせがあるなど強い関心が寄せられた。 (資料4-2) 103ページ A (A)  牛肉のおいし さの指標につい て、BMSに代わ る指標の検討 が進められると ともに、豚肉に ついても粗脂肪 含量等を新たな 指標として絞り 込み、さらに簡 易測定装置によ る検量線を作出 するなど社会実 装の目途をつ け、年度計画以 上の業績であっ た。また、外国 人の黒毛和牛 肉に対する嗜好 性調査について も結果を公表 し、普及活動を 実施したことを 評価した。

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