CHEMOTHERAPY

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全文

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6059-Sの

妊 娠 前 お よ び 妊 娠 初 期 投 与 試 験

小 林 文 彦 ・原

勝 巳

塩野 義製薬株式会社研究所

6059-Sの 妊 娠前 お よ び妊 娠 初期 投 与 賦験 をSprague-Dawley系 ラツ 卜を用 い て行 なっ た。1日 500,1,000,2,000mg/kgの6059-Sを,雄 ラ ッ トに は連 続9週 間 腹腔 内 投与,雌 ラ ッ トには14 日閥 静 脈 内投 与 したの ち,同 居 させ た 。検 体 投 与 は,同 居 期闇,さ らに 交配 成 立 雌 ラッ トには 妊 娠第 7日 ま で継 続 した。 す べ ての 妊 娠 ラ ッ トは,妊 娠 第21日 に曙 殺 剖検 し,胎 仔発 育を 含 む妊 娠 諸過 程 の検 索,さ らに 生存 胎 仔 につ き外 部形 態,骨 格 及 び 内臓 異 常の 有 無 を鯛 べ た. 6059-Sを 長 期投 与 した雄 ラ ッ トは,対 照 群 に比 し体 重増 加 の 抑制 が み られ たが. ,雌 ラ ッ ト体重 は 対 照 群 と差が な か った 。 同居 交 配成 績 は,対 照 群 と6059-S投 与 各群 の 間 に差 が な く,い ずれ も正 常 で あ った。 妊 卵 の着 床,着 床 妊 卵 の発 育 な ど に もなん ら異 常 はみ られ な か った。 ま た,全 生 存 胎仔 に つ き6059-S投 与 に起 因 した と思 わ れ る形 態 的 異 常 はま っ た く認 め られ なか った。 緒 書 6059-Sは 塩野義製薬研究所で合成 された新 しいOxacephem 系抗生物質 で,広 範囲な抗菌 スペ ク トラム,特 にグ ラム陰性菌 に対 して有効な ことが知 られてい る。今回,6059-Sの ラッ トを 用いた妊娠前 および妊娠初期投与試験を行な ったので,そ の成 績を報告する(実 験期間:1978年6月 ∼1979年4月)。 実 験材 料 お よ び方 法 1.検 体お よ び 投与 量:6059-Sは 用時 秤 量 し,注 射 用 蒸留 水 に25%(w/v)の 割 合で 溶 解 した 。本 実 験 の最 高投 与 量 で あ る2,000mg/kgの 場 合 は,本 溶 液 を8 m1/kg,さ らに低 用量 の場 合 は 投与 容 量 を 減 じて投 与 し た 。6059-Sの 臨 床投 与 経 路 は 静脈 内で あ るか ら,動 物 実 験 で も静脈 内投 与が 原 則 で あ り,本 実験 で も雌 ラ ッ ト へ は尾 静 脈 内投 与 を行 な ったが,雄 ラッ トへ の 投与 は長 期 に わ た るた め,静 脈 内 投与 に代 る方 法 と して 知 られ る 腹 腔 内投 与 を採 用 した。 本実 験 で 用 いた 投 与量 は,静 脈 内 投 与 に よ る ラ ッ ト悪 急 性 毒性 実 験 の成 績 を参 考 に して 決め た 。す な わ ち,軽度 の体 重 減少 を 惹 起す るが,6059-S の 最 大 耐量 は2,100mg/kg/日 と 明 らか にな って い るこ と よ り,2,000mg/kgを 本 実験 の 最高 投 与量 と して設 定 し,公 比2で 減 じた1,000お よび500mg/kgの3 用 量 を設 定 した。 対 照群 には,生 理 食 塩液 の み を6059-S2,000mg/kg投 与 群 の投 与 容量 にあ わせ8m1/kgの 割 合 で,雌 ラ ッ トに は尾 静 脈 内投 与,雄 ラ ッ トには 腹 腔 内投 与 した 。 雌 ラッ トへ の 静脈 内投 与 で は注 入 速度 を1 ml/minと 一 定 に した。本実 験 に 用 い た6059-Sは バ イア ル に分 注 され た凍 結 乾 燥 品で あ り,Lot No.ぼS 013 N, S015N,SO16Nお よびSO23Nで あ る。 2.実 験 動 物:Sprague-Dawley系 ラ ツ ト(JCL-SD: 日本 ク レ ア)を 使 用 した。 ラ ッ トは,実 験 期 間 中,室 温 25±1゜C,相 対 湿度50∼60%,午 前7時 か ら12時 間 照 明 に調 整 され た 空調 室 で 飼育 し,飼 料(CA-1,日 本 ク レア)お よ び水 道水 を 自由摂 取 させ た。 3.実 験 方法:雄 ラ ッ トは生 後4週 令 で入手 。2週 間 飼育 環 境 に適 応 させ,順 調 な発育 を 示 した ものを使 用 した。6週 令 よ り後述 の 雌 ラッ トとの 同居 開 始 まで9週 間,6059-Sを1日1回 連続 腹 腔 内投 与 した。 雄 ラッ トへ の検 体 投 与 は雌 ラ ッ トとの 同 居 期間 中,さ らに その 後の 諸 検査 終 了時 の 生 後21週 令 ま で,連 続15週 間継 続 した。 雌 ラ ッ トは8週 令 で入 手,そ の 後3週 間飼 育環境 に 適 応 させ る と共 に,膣 垢検 査 で正 常性 周期 を示 す ものの み を使 用 した。 生 後11週 令 よ り14日 間,交 配の た め の雄 ラ ッ トとの 同居 期 間 中,さ らに妊 娠成 立 ラ ッ トで は 妊 娠 第7日 まで,6059-Sを1日1回 尾 静脈 内に連 続 投与 した。 体 重測 定 は,雄 ラ ッ トで は毎 週1回,雌 ラ ッ トは全 期 間3日 ごとに 行 な い,こ の体 重 に 基 づ いて 投 与量 を 算 出 した 。 この間,一 般 状 態 の観 察 を ケ ージ交 換,体 重 測 定,投 薬 等 の作 業 時 に行 な っ た. 検 体投 与 を 継続 しつ つ,雄 ラ ッ トが15週 令,雌 ラ ッ トが13週 令 に達 した 時点 で 、同 一 投与 量群 の雌雄 ラ ッ トを ラ ンダ ムに組 合 せ,雄1匹,雌1匹 を 同一 ケ ージ に収 容 して 同 居 させ た。 同居 期 間 中は毎 朝 膣 垢 を調べ 、 精 子 の 有無 で 交 配の 確 認 を行 な った。膣 内 に精子 を 認め た 日を 妊 娠第0日 と し,こ の 日で同 居 を 中止 した。同一 雌 雄 ラ ッ トの 組 合せ に よる同 居 期 間 は最 高2週 間 とし, この 間 に交 配 しなか った雌 ラ ッ トの うち,規 則 的性 周期

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が継続 して い る例 では,同 一 投 与 量群 の既 に 交 配 した 雄 ラッ トと新 た に 組合 せ て 同居 交 配 を 行 な った 。 さ らに, この2回 の 試み で も交 配 しな い雌 ラッ トは,正 常雄 ラッ トと改 めて 同 居 させ,交 配 が生 ず るか 否か を 調 べ た。 一 方,同 一投 与 量 群 の雌 雄 ラ ッ ト同 居 に よ り交 配 しなか っ た雄 ラッ トおよ び交 尾 したが 雌 ラ ッ トを妊 娠 させ なか っ た雄 ラッ トは,正 常雌 ラ ッ トと改 め て 同居 させ,交 配, 妊娠が生 ず るか 否 か を調 べ た。 同一投 与量 群 同志 の 同 居 で交 配 した 雌 ラ ッ トは,そ の 後3日 ご とに体 重 測 定を 行 な う とと もに,妊 娠 経 過を 槻 察 した。 妊 娠 ラ ッ トはす べ て 妊娠 第21日 に エ ー テル 麻 酔下に開 腹,子 宮 内の 胎 仔 に つ き生 存,死 亡,浸 軟 。 吸 収を調べ,母 体 の 卵巣 黄 体 数 を算 定 した。 す べ て の生 存 胎仔は,さ らに性 別,体 重測 定 後,外 部形 態 異 常 の有 無 を調べた。 母 体 は 剖検 し、主 要臓 器 の 重 量測 定 後,そ れ らを10%中 性 ホ ル マ リン液 に 固定 保 存 した。 外形 観察 を おえ た 生 存 胎 仔 は1リ ッタ ーの 約 半 数 を ブアン液に 固定,残 りの 胎 仔 は 内臓 を 除 去 し,、70%ア ルコールに 固定 した。 ブ ア ン液 に固 定 した胎 仔 は,水 洗 後WILSONの 方 法1)に 準 じて 内部 諸 器官 の 巨視 構造 的 観察を実 体顕 微 鏡下 で行 な った。 一 方,ア ル コ ール に固 定 した胎 仔 は,常 法 に よ りア リザ リン レッ ド-Sで 染 色2) して骨格 透 明標 本を 作 製,骨 格 系 の 異 常 お よび 化骨 状 態 を調べ た。 雄 ラ ッ トは,生 後21週 令 の6059-S最 終 投 与 の 翌 日,雌 ラ ッ トと同様 剖 検 し,主 要 臓 器 の重 量 測 定 後,そ れ らを10%中 性 ホル マ リンに固 定 保 存 した 。 全成績 の統 計 学 的解 析 はstudentのt検 定3)で 行 な った。 実 験 成 績 1.検 体投 与 中 の一 般 症 状 6059-Sを 腹 腔 内投 与 され た雄 ラ ッ トで は,投 与 直 後 に用量 作 用 関係 の あ る,腹 部 伸展 が み られ た。 しか し, この 反応 は直 ち に回 復 した。 しか も,投 与 回 数 を重 ね る につ れ,高 用量 群 で も本 反 応 を示 す ラ ッ トが 減 少 した。 検 体 を 静脈 内 投与 した雌 ラッ トでは この反 応 は み られ な か った.ま た,雌 雄 ラ ッ トと も高 用 畳群 で軟 便 を星 す る ラ ッ トが 時 として み られ た が,そ の 他特 紀 す ペ き一 般 症 状 の異 常 は み られ な か った。 全 投 与 期 間を 通 じて の ラ ッ ト死 亡 は,雄 ラ ッ トで は6059-S2,000mg/kg投 与 群 で 投 与開 始 第8「1口 に1例 。 雌 ラ ッ トで は500mg/kg 投 与群 で 妊 娠 第1一 口目に1例 発 生 した。 これ ら ラ ッ トを 剖検 したが 。 いず れ も死 囚は 明 確 にで きなか った. 2.雌 雄 ラ ッ トの 体重 変 化 生 後6週 令 よ り21週 令 にわ た る全 投与 期間 中 の雄 ラ ッ ト体 重 をFig.1に,生 後11週 令 よ り2週 間 の 雌 ラ ッ ト交 配 前投 与 期 間の 体 重をTable 1に それ ぞれ 示 した。 雄 ラ ッ トで は,6059-S 2,000mg/kg投 与群 で 投 与 開始2週 後の8週 令 時 に,1,000岩 よ び500mg/ kg投 与群 で も10週 令時 に,対 照 群 に比 し有意 の 低 体 重 が み られ,こ の 変 化 は,以 後投 与 期 間 中継 続 した 。一 方 、Table1に 示 した 雌 ラ ッ ト体 重 は,2週 間の 測 定 期

Fig.1 Effect of 6059-S on body weight changes in male rats

Table 1 Effect of 6059-S on body weight changes in female rats

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間 中,対 照 群 と6059-S投 与各群 の閥 に差 はみ られ なか っ た。 3.雌 ラ ッ トの 性 周 期 に及 ぼ す 影 響 6059-S投 与開 始 前3週 間,投 与 中,さ らに交 配 成立 ま での 雌 ラ ッ トの性周 期 を 鯛 べ たが,対 照 群 お よ び6059-S投 与 各群 と も規則 正 しい性 閥 期 を示 し,6059-び6059-S投 与 に よ る性周 期の 不 規則 化,中 断 な ど は生 じなか った。 4,雌 雄 ラ ッ トの 交配,妊 娠成 績 雌雄 ラ ッ トに6059-Sを 投 与 しつ つ,同 一 投 与量 群 内 で 同 居,交 配 を賦 み た。 結 果 をTable2に 示 した。各 群 の 交配 率,妊 娠 率 は いず れ も 高値 を示 し,対 照群 と 6059-S投 与 各群 の 閥 に豊 は み られ な か った。 卵巣 黄体 数,妊 卵輸 床 数 な ど も正 常 範 囲 であ っ た。着 床 妊 卵 も吸 収 さ れず,正 常に 発 育 して い たが,妊 娠 末期 の 平均生 存

Table 2 Reproductive findings of rats treated with 6059—S

Copulation index:(No.of rats copulated/No.of males or females)•~100 Fertility index:(No.of males impregnate/No,of males mated)•~100 Pregnancy index:(No.of pregnancies/No.of females mated)•~100 + :Mean•}S.E.

* :Statistically significant against control at P<0.05

a)

:Per pregnant rat

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胎仔数 の比 較 で,対 照 群 に比 し6059-S 1,000お よび 2,000mg/kg投 与 群 で 有意 な減 少 が み られ た。 しか し, この生 存胎 仔 数 は いず れ も正 常範 囲 に入 る もの で,薬 物 の影響が あ った とは いえ な い。 従 って,ラ ッ トの交 配 。 受精,妊 卵 の初 期 発生,分 化,着 床 な どに6059-Sは 影 響 せず,霜 床 以 後 の胎 仔 発育 も正 常 とい え る。 5.妊 娠 ラ ッ トの 体量 変化 交 尾 の 認 め られ た 雌 ラ ッ トの 妊 娠 第21口 まで の体 重 は,対 照 群 と6059-S投 与各 群 の 間 に ま った く差 が 、1忍め られ な か っ た。

Appendix:Fetal anomaly list in individual mother rats

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Appendix:Fetal anomaly list in individual mother rats

()

:No.of anomalous fetuses/No.of

examined

6,胎 仔 観 察成 績 各 群 と も妊 娠 第21日 に,母 ラ ッ トを屠 殺,胎 仔 を取 り出 し,全 胎 仔 につ き外部 形 態 異常 の 有無 を 調 べ た後. 骨格 系 お よ び内 部諸 器 官 の異 常 観察 の た め 固定 した。 全 胎 仔 に つ き,外 部 形 態異 常 の 観察 成 績 を,母 ラ ッ ト 毎 に ま とめ,骨 格 異 常,内 臓異 常 の成 績 と と もに示 した の がAppendixで あ る。 外部 形 態 異 常 と して。 対 照群 で前 指 の欠 指 お よ び膀 帯 ヘル ニ アの 合 併例 が1例,6059 - S 1,000mg/kg投 与 群 で腹 壁 裂 が1例 み られ た。 こ れ ら外形 異 常 の 出現 頻 度 は極 あ て低 く,6059-Sに 起 因 す る と考 え られ な い偶 発 的な もの とい え る。 (6-1)胎 仔 骨格 系 の 異 常 生 存 胎 仔 の約 半 数 につ き,骨 格 系 の変 化 を化 骨度,骨 微 細 変異,奇 形 につ い て調 ペ,Table 3に 示 した 。第1 ∼第3頸 椎体.胸 骨,胸 椎体 の 化骨 度 は,対 照群 と 6059-S投 与 各群 の 間 に 差が な か った が,第4∼ 第7頸

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Table 3 Effect of 6059-S given intravenously to mother rats before mating and early pregnancy on the ossification and skeletal anomalies in fetal rats

a)

:No.of fetuses(Incidence:%)

+ :Mean•}S.E.

* Statistically significant against control at p<0.05

椎体 で は,む しろ,対 照群 に比 し6059-s投 与 各 群 で 化 骨度 の促 進 傾 向 が み られ た。 また,尾 椎 骨 数 も6059-S 2,000mg/kg投 与 群 胎 仔 で,対 照群 に比 し有意 の 増 加 を示 した。 骨 微細 変 化 と して は,腰 肋 痕,第14肋 骨, 仙椎 骨 の腰 椎 化 ま た は腰 椎 骨 の仙 椎 化,第1頸 椎 弓 の 左 右 不対 称 な どが 観 察 され たが,そ の発 現 頻度 は対 照群 と6059-S投 与 各群 間に 差 が み られ なか った。 骨 格 系 の 奇形 は全群 で 出現 しなか った0 (6-2)胎 仔 内臓 系 の異 常 残 り約 半 数 の生 存 胎仔 に つ きWILSON法 に 準 じて 内 臓

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Table 4 Effect of 6059- given intravenously to mother rats before mating and early pregnancy on the incidence of visceral anomalies in fetal rats

観 察 を行 な い,結 果をTable4に ま とめ た。 水 腎症 が 対 照 群,6059-S500お よ び1,000mg/kg投 与 群 で ご く少 数 例 出現 したが,2,000mg/kg投 与 群 で は 認 め ら れ なか っ た。 ま た,外 部 形 態 異常 と して み られた対 照 群 の 膀 帯 ヘル ニ ア,6059-S1,000mg/kg投 与 群 の 腹 壁裂 各1例 も内 臓異 常 と して示 した。 内臓 の 微細 変 異 と し て は,膀 帯 動脈 の 左側 走 行 が6059-S2,000mg/kg投 与群 を除 く各群 で少 数 例 み られ,対 照 群 の膀 帯 ヘ ル ニ ア 症 を呈 した胎 仔 で は,両 側睾 丸 の 変位 と膀 帯 動 脈 左側 走 行 が合 併 して お り,6059-S1,000mg/kg投 与 群 の腹 壁 裂 を呈 した胎 仔 で も奇 静脈 の 右 側走 行 と膀 帯 動 脈左 側 走 行が 合 併 して い た。 しか し,い ず れ の 発現 頻 度 も極 め て 低 く,用 量 作 用 関係 の な い 散 発 的 な もの で あ る こ とか ら,6059-S投 与 に 起 因す る とは考 え られ な い。 7.雌 雄 ラ ッ トの 解剖 成 績 (74)雄 ラ ッ トの 解剖 成 績 投 薬群 同 志 お よ び正 常 ラ ッ トとの交 配 で,雌 ラ ッ トを 妊 娠 させ た 雄 ラ ッ トを21週 令 で 屠 殺剖 検 した。 剖検 所 見 と して は,6059-S各 投 与群 と も 著 明な 盲 腸 肥 大 を示 した のが 特 徴 的で あ った 。他 の 臓 器 に は特記 す べ き異 常 を 認 めな か っ た。 各 臓器 の 湿重 量 を示 した のがTable5 で あ る。 腎臓 重 量 は,6059-S投 与 各 群 で絶 対 重量,相 対 重 量 と も対 照 群 に比 し増加 して お り,用 量 作 用 関係 も 認 め られ た。 一 方,肝 臓 重量 は 減少 して い たが,投 与 用 量 との 関 係 は一定 でな か った 。 この 他,心 臓,肺,胸 腺 の 絶 対 重量 が,6059-S1,000ま た は2,000mg/kg投 与 群 で対 照 群 に比 し有意 の 減少 を 示 したが,こ れ らは い ず れ も相 対 重量 で は 対照 群 と差が な く,む しろ重 量 増加 傾 向を示 した 。 (7-2)雌 ラ ッ トの 解剖 成 績 6059-S投 与 雌 雄 ラ ッ ト同志 の交 配 で 妊 娠 し,生 存 胎 仔 を 得 た雌 ラ ッ トの 剖検 時 臓器 重 量 をTable6に 示 した。6059-S投 与各 群 は妊 娠 第7日 目まで 検 体を投 与 され,以 後 は 無処 置で あ った に もか か わ らず,剖 検 時,対 照群 に比 し盲 腸 肥大 が 観 察 され た。 雌 ラ ッ トで も6059-S投 与 に よ り腎 臓 重量 の 有意 な 増加 また は その傾 向が, 絶 対 お よび 相対 重 量 につ い てみ られ た。 ま た,肝 臓,肺 の 重量 も6059-S投 与 群 で増 加 ま たは その 傾 向を示 した が,用 量 作用 関 係 はま った くみ られ な か った。 その他 の 臓器 に 関 して は,対 照群 と6059-S投 与 各 群 との 間 に差 が み られ なか っ た。 8.交 尾 ま た は妊 娠 不成 立 ラ ッ トに つ いて の検 討 Table2に 示 したよ うに,対 照 群 およ び6059-S投 与 各 群 の雌 雄 ラ ッ トの 同居 交 配 で は高 率 の妊 娠成 立 がみ ら れ た が,各 群 に同 居 期 間中 ま っ た く交尾 しなか った例, 交 尾 したが 妊娠 しな い,い わ ゆ る交 尾不 妊 例が 少数 例 な が ら認 め られた 。 そ の原 因 が雌 雄 ラ ッ トい ずれ に あた る か 調 べ る 目的 で,そ れぞ れ 正 常 ラ ッ トとの 追加 交配 実験 を 試 みた 。交 尾 不成 立 雄 ラ ッ トを 正 常雌 ラ ッ トと同 居 さ せ た成 績 を示 した の がTable7で あ る。 この 組合 せ で も,対 照 群 の1例 お よび6059-S2,000mg/kg投 与群 の1例 の 各雄 ラッ トは 交 配 しなか った。 この2例 の ラ ッ トは,剖 検 所見,睾 丸 の組 織 所見 で も性 腺 系 には特 に異 常が な く,交 尾 不成 立 の 原 因 は 明 確 に で きなか っ た。 ま た,交 尾不 成 立 で あ った対 照 群 の 雌1例 を 正 常 雄 ラ ッ トと 同 居 させ て み た 成 績 を 示 した のがTable8

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Table 7 Reproductive findings of male rats which failed to copulate with females given 6059-S with intact female rate

a) Sec Table 2 for the explanation of index,

Table 8 Reproductive findings of female rats which failed to copulate with males given 6059-S with intact male rat

a) See Table 2 for the explanation of index.

で あ る。 この実 験 で も,対 照群 の雌1例 は 正 常性 周 期 を継 続 したに もか か わ らず 交 尾 しな か った。 この ラ ッ ト て も,剖 検 所見 で性腺 系 には 異 常が み られ ず,交 尾 不 成 立 の 原 因を 明 確 にで きなか った。 次 に,雌 ラ ッ トの 交 尾 不 妊 を き た した雄 ラ ッ トを正 常雌 ラ ッ トと同 居交 配 させ た結 果 を示 した のがTable9で あ る。6059-S1,000mg /kg投 与 群 の1例,2,000mg/kg投 与 群 の2例 いず れ も交 配 し,妊 卵着 床,胎 仔 発育 な どは すペ て正 常 であ っ た。 この よ うに,投 薬群 同 志 の交 配 で 交尾 不 成立 や交 尾 不 妊 とな った 各群 の 少 数例 に つ いて,そ の原 因 の解 明 を試 み た が,交 尾不 成 立 ラ ッ トは 雌雄 と も正常 ラ ッ トと の 間 に も交尾 が 成立 せ ず,剖 検 で は特 に異 常 を認 め なか った。 しか し,こ の よ うな例 は対 照群 に もみ られ,検 体 投与 量 との 関係 もな い こ とか ら,偶 発 的な 現 象で あ った と推察 され る。 9.雌 雄 ラ ッ トの血 液検 査 所 見 6059-Sを 速 続 投与 した雄 ラ ッ ト,妊 娠 第7日 まで3 週 間以 上 連 続投 与 した 雌 ラ ッ トにつ き,そ れ ぞ れ剖 検 前 に血 液学 的 検査 を 行 な っ た。 結 果 を 示 した のがTable 10で あ る。6059-Sを 長 期連 続 投与 した 雄2,000mg/kg 投 与 群 のRBC,HGB,HCTな どが 軽 度 に減 少 したが, MCV,MCHが 軽度 上 昇,MCHCは 減 少 を示 して い る こ とか ら,特 異 的な もの で はな い。 また 雌 群 で は,こ れ

Table 9 Reproductive findings of male rats which failed to impregnate females given 6059-S with intact female rats

a)See Table 2 for the explanation of each index.

らの変 化 は み られ なか った。 考 察 Oxacephem系 の 新 抗生 物 質 で あ る6059-Sに つ き, 雌雄 ラ ッ トを 用 いて 妊 娠 前 お よび妊 娠 初 期投 与試 験 を行 な っ た。6059-Sを 雄 ラ ッ トに 長期 間投 与す ると用量 作 用 関係 を もっ た体 重増 加 の抑 制 が 観察 され た。 この よ う な 所見 は,静 脈 内 投与 によ る ラ ッ ト亜 急 性 毒性 実験 で も み られて お り,こ の 変化 に 符合 した摂 餌 量 の減 少 もみ ら れ て い る。 雌雄 ラ ッ トと もに6059-S投 与全 群 で盲 腸 の 肥大 が 剖検 時 観 察 され た。 この変 化 は,他 のCephalos。 porin系 薬 物 や 合成 ペ ニ シ リンな どの投 与 で も見 られる こ とが報 告 され て お り`},そ の原 因 は腸 内細 菌叢 の 変化 に よ る とい われ て い る。今 回の 所見 も まっ た く同様 の現 象 と考 え られ る。従 って,体 重 や 盲腸 にお け る変化,さ らに剖 検 時 の主 要 臓器 重 量 の 変化 な どか ら,6059-S500 mg/kg/日 以上 を 軽度 な が ら母 体 に 毒性 を示 す 量 と考 え て 繁殖 能 に及 ぽす 影響 を 調 べ たが,最 高2,000mg/kg 投 与 で も雌 雄 ラ ッ トの交 尾 能,受 精,妊 卵 の 初期 発生, 妊 卵着 床 な どに影 響 を 与 えず,着 床 後 の胎 仔発 育 も正 常 で あ った。 た だ,妊 娠 末 期 の生存 胎 仔 数 は高 用量 投 与 に よ り軽 度 な減 少傾 向 を示 した。 しか も,こ れ に伴 な う胎 仔 体 重 増加,化 骨 化 の促 進 傾 向 な どが み られ た。 後者 の

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変 化 は休 重 増加 を 反 映 した もの と考 え られ る。 し か し,こ れ らの 変 化 は いず れ も正常 値 の範 囲 に 人 る もの で あ り,6059-S投与 に 起因 した と は 考 え 難 い糧 度 な もので あ った。 妊 娠 末期 胎 仔 に関 して も,そ の 外 形,骨 格,内 臓 な どに6059-S投 与に 起 因 し た と考 え られ る奇形 や 異常 は全 く出現 しな か った。 本 実験 で は,対 照 群 も含め た 各投 与 群 で 極 く少 数 例 の交 尾 不成 立や 交 尾不 妊 ラ ッ トが み ら れ たが,対 照群 に も出現 して い ろ こ と,な らび に 用 量作 用 関 係 のな い ことな どか ら,偶 発 的な 結 果 で あ っ た と考 え られ る6木 実 験で は,投 与 開始 後 比 較 的早 期 か ら体 重 増 加 抑制 の 生 ず る2,000mg/ kgを6059-Sの 最 高 用量 と したが,雌 雄 ラ ッ ト の 繁殖 能 に対 して は,こ の 用 量 で もな ん らの 影 響 もみ られ ず,雌 ラ ッ ト性 周 期 も正 常 で あ った 。 従 って。 繁 殖 能 に対 す る6059-Sの 最 大 無作 用 量 は 2,000mg/kg/日 ま た はそ れ以 上 と結 論 で き,本 化 合物 は繁 殖性 に関 して極 め て安 全 性 の高 い もの と評 価 す る こ とが で きる。 謝 辞 本実験 に御協 力いただいた佐々木和則,金 森 進,安 東正則,伊 藤道雄,村 中理一の各氏に厚 く御礼申 し上げ ます。 参 考 文 献

1) WILsoN, J. G.: Teratology-Principles and Tech-niques.(WILSON, J. G. & J. W. WARKANY)pp.

251•`277, Univ. Chicago press, Chicago and

Lon-don, 1965

2) DAwsoN, A. B.: A note on the staining of the skeleton of cleared specimens with alizarin red

S. Stain Techn. 1: 123•`124, 1926

3) ARMITAGE, P.: Statistical methods in medical research. pp.116•`131, Blackwell science

publi-cations, 1973

4) MINESITA, T.: Pharmacological aspects of germ-free animals. Journal of germfree and

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FERTILITY

STUDY OF 6059-S

IN RATS

FUMIHIKO KOBAYASHI and KATSUMI HARA

Shionogi Research Laboratory,Shionogi

& Co.,Ltd.

6059-S,a new oxacephalosporin,was

daily injected intraperitoneally

to male rats for 9 weeks and

intra-venously to female rats for 14 days prior to cohabitation at the doses of 500,1,000

and 2,000 mg/kg/day.

The administration

regimens were continued for males and females during cohabitation

for mating

and,ad-ditionally,for

the mated females during early pregnancy

until day 7 of gestation.All

pregnant

females

were necropsied

for cesarean section on day 21 of gestation to investigate their fetal growth.In

male rats

given 6059-S for long period of time,slight

but significant inhibition of growth was observed after the

con-tinuation of administration

for 4 to 6 weeks.No

parental defect was apparent

in the fertility and

gesta-tion phases of the study.Fetal

parameters

such as morphological development,viability,body

weight and

sex distribution

were normal in all animals.No

defects were also observed for visceral and skeletal

spec-imens of the fetus.Consequently,6059-S

has no effect on the reproductive

performances

of rats at the

daily doses as high as 2,000 mg/kg,and

all progeny appeared normal.

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参照

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