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脆性材料の衝撃曲げ試験に関する基礎的研究 : セメントモルタル試験体による場合

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(1)

1

論  文

1

UDC ;691

53:620

1:620

178

7 日本建築 学会 構 造 系 論 文 報 告集 第 361 号

昭和 61 年 3 月

脆性 材料

衝 撃 曲 げ試

す る

基 礎 的 研 究

セ メ ン トモ ル タル

験 体

に よる

場 合

正 会 員 正 会 員 正 会 員

 

* 牌 ぴ   ネ   ネ

 

 

  §

1

 

本 研 究は 材 料学 的な立 場か ら搆 造 物 を構成す る各種 材料相互の衝撃性 能の比 較が可 能 な衝 撃 強さ試 験 法を確 立す ること を目的とし た もの である

ここで示 す衝 撃 試 験で は 験 体が受 ける力の大き さを表す尺度で あ る衝 撃 体の加 速度を測定対 象と して お り

将 来, 耐衝撃設計 を確 立す る際にも十 分 役 立つ の と考え る

 

こ れ ま で筆者らは

脆 性 材 料 を仮 定し た両端支持の は り状 模 型 試 験体に よ り

その申 央に衝 撃 体 を衝 突さ せ る 実 験から

脆 性 材 料の衝撃曲げ強さ の基 礎 的性 状の解 析 を試み てき た1 )

2}等 。

 

本研究は

これ まで の研 究に続く も の で, こ こ では

セ メン トモル タル によ る は り状 試 験 体 を用い

これら に 衝撃体に よ る衝 撃 曲げ を与え て破壊せ しめ

模 型 試 験 体 を用い た実 験から得 られ た結果と対比 しな が ら

セメン トモル タルぱ り試験 体の衝 撃 曲 げ強さ性状につ い て検 討 を行っ た

 

以 下, 筆者ら が

これ らの衝 撃 曲 げ試 験に おい て

基 本 とす る考え方の概 要を要 約 し て示す

 

衝 撃 体によ り衝 撃 曲げ を受け る試 験体はと して

材 料 自 身の強 度特性と して の衝 撃 曲 げ 強さ

Fs

と試験 体の 質 量 特 性 とし て の慣性 抵抗力 君 とに よっ て衝撃力に抵 抗する

これ らのを試 験 体の 衝撃す る曲げ耐 力

P

と し, 力 積に よっ て表 示する方 法 を提案し た。 す な わ ち

    

P

F

Fs …・

…・

…・

……・

………・

1−

1 ) こ こ に P :衝 撃 曲げ耐 力        君 :慣 性 抵 抗 力        凡 :衝 撃 曲げ強さ  衝 撃 曲げ耐 力P は

Mkg

衝 撃 体 が

速 度

V

m s で試験 体に衝 突し

試 験 体 を破 壊し運動を与えて速  本論 文の

部を昭 和60年の九州 支 部 研 究報告集で発表し てい る

  串 九 州 大 学 教授

工博  # 九 州 大 学 助 教授

工博  榊 1 州 大学 大 学 院 生

工 修     〔昭 和60年 7 月 8日原 稿 受 理 ) 度 Vi

M sでれ る まで に失わ れ る運 動 量で あ り

次 式 で示 され る

    P ;

M

Vo− Vi

9

 kgf

s

………・

一 ・

(1

2)       g :重 力加 速 度 式 中の (

V

− Vi

)は

衝 撃 体の 加 速度波 形を時 間 積 分 し て求め る。  慣 性 抵 抗 力 君 は

試 験 体の

運 動を剛 体の 回 転 運 動に置換して求め た (1

3)式に よっ て算 定す るz)

 

 

 

F

塩 (・・… )

…一 ・

一 ……

(1

3)

    

V

,. :加 速 度 波 形が ピ

ク に達し た時 点の衝 撃体         の速 度 (ms

    

At :衝 撃 体と試験体の接 触 時 間 (S     At、:衝 撃 体の加 速度波形がピ

ク に達す る ま で         の時 間 (s       1 :置 換し た 剛体部の 回 転 軸 回の慣 性モ

メ         ン ト (

kg・

m2      r :衝 撃 点 と支 持 点との距離 (m

 

こ こで は

試 験 体に局 部 曲げ等の現 象が生じる場合, 変形モ

ドに対 応 し て剛体 部を分 割して

適 宜

1

お よ び r を求め

(1

3)式 を適 用し た。

 

衝 撃曲げ強さ Fs は

材 料の強度 特 性を表す 尺度であ り

静 曲 げ試 験におけ る曲げ強さ に対 応 する

研 究で は,

Fs

は (1

2}式お よび (1

3 )式で求め た

P

と呂 の 差とし て求め る

 §

2.

試 験 方 法およ び 試 験体  

2.1

試験 方 法

 

試 験体は両端支持状 態に セ ッ ト し

その中 央に衝 撃 体 を衝突さ せ, 試験 体 を必 ず

打撃で破壊す る。 こ のとき の衝 撃 体の加 速度の経 時 変 化 を測 定して試験体の衝 撃 曲 げ耐 力P を算 定 し た

ま たこ のとき の試 験体の ひずみ 分 布 を測定し 試 験体の

ドを推 定し た

 

衝撃体の 加 速 度

衝 撃 体の重心軸上に設 置し た ひず み ゲ

ジ式 加 速 度 計 (

1000G

, 5000 

Hz

)で

また試 験 体の ひずみ は 衝 撃 点裏 側に貼 布し た ワ

レイ ン ゲ

ジ また は ク ラックゲ

ジで測 定し

動ひずみ計を

31

(2)

介 して

旦デ

タレコ

録 し た

こ れ ら の波 形 は

FFT ア ナ ライ ザ

に出 力し

マ イコ ンを介 し て フ ロ ッ ピ

ディスクに記録し

後の解 析に用い た

なお

加 速 度 波 形の ノイズ成 分は フ

リエ 変 換に よっ て除去 し た

 また

衝 撃 試 験 機は

破 壊後の試験体が各支持点回 り に回転す る ように制 御した 試 験体ホル ダ

を有す る振り 子 式 衝 撃 試 験 機31を用いた。 衝 撃速 度が速い範囲に対し て は

質 量 M

2kg の衝 撃体で衝撃速度

V

7

Om

/s を与え る こと が可 能な水 平バ ネ 式 衝 撃 試 験機4〕を 用

  2

2 試験体お よび試 験 内 容

 

本論文の実 験に用いたモ ルタル試 験体の力 学 性 状 を表

2

1

示 す 。 各 値は, そ れ ぞ れの試 験に おい て 3体の試 験 体の平 均 値で あ る

静 圧 縮 強 度お よび静 弾 性 係 数は φ7

5×15cm の 円柱試 験 体に よっ て求めた

静 曲 げ 強 度は6×

6

×

40cm

の試験 体をスパ ン30 cm で 支 持し

中 央 集 中 載 荷によ る実験結果か ら

M

Z

Z

: 断 面 係 数 )に よっ て算 定 し た

ま た

動 弾 性 係 数は超 音 波 速 度 法に よっ て算定し た値で あ る。 な お, モ ル タル試 験 体E は

水セ メ ン ト比

w

C =30

%で, さ らに

真 空 脱 泡 練 り5 )で混 練りを行っ た もの で, 他の試 験 体に比 べ , 強 度 等が著 しく高く なっ ている

 次に

衝撃試験に用い た試 験 体の形 状お よ び支 持スパ ン等, 各 実験の諸項 目 を表

2

2

括し てし た

各 実 験におい て

50

の試 験 体 を 用 意し

実 験結果は そ れ ぞ れ の衝撃速 度に対し て 3体の試 験 体の平均値で表し た。 以 下

本 論文の各 節の内 容を要 約して示す

 

§3

で は, 試 験 体に ク ラックが生 じ る時 期, 衝 撃体 の加 速 度波形が ピ

クに達 する時 期 等

試験 体と衝 撃 体 表

2

1  試験体の 力学 性 状 試験体   緬 静圧縮 強 度 胸 f/鋤 静曲げ強 厦   〔kgf/循} 静弾性係数     x105 動弾 性 係 数    飜 x105

A

527

119

2

703

18

B

387

73

52

9

 

2

71

C

466

81

52

55

   

2

96

D

360

69

42

5

 

2

70

E1120180

3

69

 

451

2

2 実験 項目 と試験 体 実験 応 主左試 験内容 試験体 試鹸体 形 状 胃〉廻 い×さ鰄 支持ス バン  猷  ) 衝 撃 体 質量lkの 工 衝 撃 曲げ 耐刀等 A6 乂

6x4031010

夏 変 形モ

A6x6x402010

皿 慣 性 抵抗刀

A6x6x403010

X X

10

亙 支持ス パ ンの影 響

A

x  x

v

衝 鋸 体質 量の影 響

B6x6x222020

10,

5

皿 静田げ 強匿の 影 響

C ,D6x6x403010

皿 V >6

励 におけ る 性 状 E   4x4x16122 去試 験 体は 中 央 で折 半 との応 答に関して実 験 的に検 討し た

試 験 体の ひずみは ク ラ ック発 生に対して応答性の良いク ラ ックゲ

ジ を使 用 し た (実験

1

 §4

で は

衝 撃 試 験に おい て測定可 能な試 験 体の ひ ずみ分 布と試験 体の 変 形

ドの関 係につ い て弾性論に より検 討し

そ の結果か ら衝撃速 度や支持スパ ン の長さ が試 験体の変形

ドに及ぼ す影 響につ い て実 験 的に検 討 し た (実 験

1

且)。

 

§

5,

では §4

の 解 析

実 験 結 果か ら

試 験 体の 形に応 じて慣 性 抵 抗 力

F

,を簡 便に算定す る方法 を示し た。 まず, 試 験体を中 央で折 半し (

F

O)

,P

F

,の 状態で行っ た実 験 (実 験 【

m

に より

本 研 究に お け る

F ,

の 算 定 式 (1

3)の妥 当性を検 討し

さ らに実際の衝 撃 曲げ

験に お ける慣 性 抵 抗 力 F,につ い て検 討 し た (実験

1

 

§6

では

試 験 体の衝 撃 曲げ耐 力

P

に関し て

実 験 検討 を行っ た (実 験

L

 

ll

 

§

7.

で は

試 験 体の衝 撃曲げ強さ

Fs

につ い て討し た (実 験

LV

W

皿 )。  §

3.

衝 撃 時の試 験 体と衝 撃 体と の 応答  衝 撃 応 答の

例と して

実 験

1

で 衝撃速度

V

2

O m/s の場 合

試験 体の衝撃点 裏側の ひずみと衝 撃 体の加 速 度の経 時 変化を図

一3.1

に 示 し た

 図 中の ひずみ の経 時変化に関す る表示の う ち,

実 線は 試 験 体の破 断 位 置

点線は破 断 位 置 近 傍に お け るゲ

ジ の応 答であ る。 試験 体の裏側 に ク ラックが 入る と同 時に ク ラッ ク近 傍の ひずみ は解放され る の で, 破 断 位 置 近 傍 の ひずみ波形の ピ

クの時 点

te

は試 験 体 裏 側に ク ラッ クが 生 じ た時 点を表す

破 断 位 置の ゲ

ジは

これ よ り もわずか に遅れ て破 断して い る これ は ゲ

ジの び 能 力に よ る 遅 れ と推 察さ れる

 

衝 撃 体の加速 度は 試 験 体に最 初の ク ラ ッ クが発 生し た後 も上昇し

,tc

よ り も わずか に遅れて時 刻 煽 で ピ

クに達す る。 このことは

試 験 体に最 初の ク ラック が発 生 し た後も

試 験 体 は 衝撃 力に対し て抵 抗 力を持つ こと

, 時間, 囓 國 髯

Q

茸 鰤 善 ト め

e

量 蠡 雁

t

 

破 断位 置     ク ラツク発生時

  、

3

1  

k

   一  時間t        

O

lmsec,

衝 撃体と試 験体の応答

(3)

を示 してお り

定性的に は

衝撃体の加速度波形が ピ

クに達し減 少し始め た時 点で試 験 体の ク ラッ ク は進 展 可 能な状 態と なり

試 験 体の慣 性 抵 抗 力が減 少 し始 め る と   (b  局部 曲

4

1 仮 定し た変 形モ

ド (a) 全ス パ ン 曲げ 考え られ る

 

§

4.

衝 撃曲 げを受 ける試 験 体の ひずみ分 布と変形モ

      ド  

4.

1

 弾 性 論に よる解析  衝 撃 曲げ を受けた両 端 支持 状態棚 注1 試 験 体が

全ス パ ン どにわ たっ て変 形し た状 態 (以 下t 全ス パ ン曲げ と 呼ぶ を 図

4

1(a

局 部 曲 げスパ ン

t’

の み変 形し た状態 (以 下

局 部 曲 げ と呼ぶ を同図 (

b

)の変形モ

ドの よ うに仮定し た。 また

中 央で折半し二分さ れ た試 験 体が そ れ ぞ れ

片 持ばり の状 態で衝撃力を受け た場 合 の変 形モ

ド を図

4

2

(a)

b

)の よ う に仮定し た。

 

試験 体が そ れ ぞ れ上 記の よ うに仮 定し た変形モ

ドを 示す と きの ひずみ 分布を図

4

3に示す よ う に衝 撃 点か

9999P

 

P

引 張 ひ ず み 圧 稲

      ひ ず み   ノ

  実綟

算 定 位 置 :t   点 線

実 測 位 置

ゲ 圧 縮

張     ひ ず み (司 全ス パ ン曲げ          図

4

4 解析さ れ た ひずみ分 布 実線

算 定 位 置

点線

哭測 位 置 圧 境 界 工   (b〕 局部 曲げ 図

4

2 仮 定し た変形モ

ド        (中央で折半さ れ た試 験体 )

衝撃 刀 αL

境界1 引 

1

張    図

4

3 ひずみ の算定位置  

200  r100     0 { 100

叩 

Cl’

境 界 1

、 ⊇

1

 

1

 

 

 

1

 

 

 

1

 

 

 

1

 

 

1

 

 

 

1

 

 

 

  

 

 

 

1

 

1

 

1

 

1

  1 

[                                               

1

  「      

 

張         (a ) 全ス パ ン 曲げ       (b ) 局鄙 曲げ  図

4

5 解 析さ れた ひずみ分 布 (中央で折 半さ れ た実験 体 )

99

9

              !”鏑

       /弓ノ亀鴇届 α12鵬

  

/ づ二/ al5nt          

atO         ク ラツ ク発 生 陰筮雇    (a) Ve

1

3q /S 図

4.

6 衝撃時の ひずみ分 布の経 時 変 化 (ス パ ン

30cm

99

甲 ?

100

Ψ 中

  ノ γ  

 

” o

一一

一冒

A

眠 100qo ●

φ ト3αDO コ0応 b 0 臥勘隈 ク ツクb 〕

33 の/日 こ OOTmlL

b

di

      娼09m     ク ラツ ク発 生         図

4

7  衝撃 時のひずみ 分布の経 時変化         (スバン20cm >       (b}V』

3

5M/

4

8 ひずみ分布の経 時 変 化 (中 央で折 半さ れ た試 験体

1

櫓 田 本 試 験 機験体 支持 部

試 験 体 を ホル ダ

に よっ て     固定し て 回転す る た め

試 験 体は半 固 定の支持 状 態

に あ     る

一 33 一

(4)

ら片 側の験 体につ いて 要素法5 )に よ り弾性解 析 を行っ た

境 界 条 件 として は, 境 界

1

にっ い て は, 図

4

1(a)

b

)お よび図

4

2(a)

b

)に示 す よ うな変 形

境 界

ll

につ い て は

本 研 究に用い た試 験 機の試 験 体 支 持 条 件 と 同等に な る よ うに材 軸 方 向の 外 力が 0と して半 固 定 支 持 状 態とした

ま た

4

3に示す衝 撃

裏 側の 点 

  の 8ケ所につ い て ひず みの算 定を行っ た

  図

4

1(a

bよ うに変 形し た場 合

解 析され た ひずみ分 布 をそ れ ぞ れ図

4

4 (a

b

に示す。 同 図 (aは全ス パ ン曲げ変 形の場 合で

そ の ひずみ分 布 は試 験 体の中 央 部  で引 張ひずみ が最 大 値 を示し

支持 点 側に近づくに従っ て引 張ひずみ は減 少し  付 近で圧 縮 ひずみ と な り 支 持 点 近 傍の  で圧縮ひずみ は最 大値を 示す

さ らに支 持 点 側に近づ く と圧 縮ひずみ の絶 対 値は 著しく小 さ くなる

  図

4

4(b)は局 部 曲げ変 形の場 合で

圧縮ひず み が 最 大 となる の は局 部 曲 げス パ ン

1’

の支 持 位 置に相 当す る  付 近であり

局 部曲げス パ ン外の変形し ない位置 

  は 圧み が て いるが

そ れ ら は  よりも ノ\さ く なっ ているQ  次に

試 験体が 図

4

 2(a), 〔

b

)の よ うに変 形 し た 場 合の ひずみ分 布を そ れ ぞ れ 図

4

5(a)

b

)にす。 同 図 (aは全スパ ンげ, (

b

)は局 部 曲げの場 合で

両 者の ひずみ 分布が定 性 的に異なっ て い る点は

4

4(a

b

)と 同様に最 大 圧 縮ひずみ の位置の違い で あ る。

1

 

以 上の よ う に

両端 支 持 状の は り および片 持 支 持状の は りの い ずれ におい ても

全ス パ ンげ と局部曲 げの と きの ひずみ分布の違いは 最 大圧縮ひずみ を 示 す位置の 違い に現れ る

し たがっ て

実 験におい ては実測さ れ た ひずみ 分布に よっ て試 験 体の変 形モ

ドを推定す るこ と がで きる 曲 げ現 象が 生 じ る場 合

試 験 体 が変形 す る部分の長さを局 部 曲 げスパン

1’

と定義す れば,

1

2

ほ ぼ 圧縮ひずみ の最 大 値 を示す位 置と衝 撃点との距 離と してめる こと がで き る。  

4,

2

 ひずみ 分布の測 定 結 果   (

D

 ひずみの測 定 位 置  試験体の ひずみ は 試 験 体の衝 撃 点 裏 側におい て中 央 よ り片 側 方 向に 4cm 間 隔で測 定し た。 表

2

2で示し た実 験

1

IV

で は図

4

3

に お け る算定 点  ,   ,   ,   に対 応する位 置

実験 皿では  ,   ,   , 実 験

ll

V

V

では 

 

  に対 応するに お い て ひずみ を測 定 し た

な お,本節の実 験 結 果 と比 較する ため

4

4a

b

)お よび 図

4

5(a)

b

)におい て本 節の ひずみ 測 定 位 置の ひずみ分 布を点 線で示 し た

  (の  両端 支持ば り型の試 験 体の ひずみ分 布  実 験

1

で は

断 面が 6×

6cm

の試 験体をスパ ン 30 cm で支 持し

ひずみ分布 を測 定し た。

 

衝 撃 速 度

V

。が遅い場 合の例とし て V。

1

3m /s

速 い 場合の例と して V。

3

 3 rn/sの と きの試 験体の ひず み分 布 をそ れぞれ図

4

6

(a

b

に示す

図 中の数 字は衝 撃 開始 時か ら の経 過 時 間を 示 し

実 線は試 験 体 裏 側 中 央 部に ク ラ ッ クが発生 する以前, 点 線は ク ラッ ク発 生 以 後の ひずみ分 布を示す

衝 撃 速 度 が遅い場 合には

4

6(aに示す よ うに クラッ ク発 生 以 前の試 験 体 の ひずみ分 布は

4

4 (a中の点 線と 同様の ひずみ 分 布 を示 しており

4

1

(aと ほ ぼ 同 じ全ス パ ン曲 げの変 形モ

ドとな っ て いる。 クラ ッ ク発生後も

全ス パ ン曲げの状 態であり

以 後

ひずみ は 徐々 に小 さ く な る

 衝 撃 速 度が速い場 合 (図

4

6(

b

))

ク ラ ック発 生 以 前は図

4

4(b)の点 線と同様の ひずみ 分布を 示 してお り, 試 験 体の変 形モ

一4,1

b

の よ う な げの状 態と なっ て い る。 局 部 曲げス パ ン

1

’ の長さは 20 cm 前 後と推 察さ れ る。 ク ラッ ク 発生後

衝撃開始 時よ り0

22msec 経 過し た時点で, 支持点に近い位置  の圧 縮ひずみ が  の ひずみ よ り も大きい値 を示す よ うにな り

全 スパ ン曲げ状 態の ひずみ分布に移 行する

さら に 時間が経過 す る と, すべて の測 定位置に おいて引 張ひず み と な るD す な わ ち

試 験体は局部曲 げの 状態 が試 験 体 中央 に ク ラッ ク が 発 生 す る 直 後 まで続 き

その後は全ス パ ン曲げの形モ

ドと な る

局部 曲 げか ら全スパ ン曲 げに移 行す る時 点は

試 験 体の ク ラックが 進 展 可 能 とな り, 二分 され た試 験 体がそれ ぞれ支持 点 回りに回転 可 能 と な る と き, す な わ ち, 衝 撃 体の加 速 度 がピ

ク に達 す る時 点 tmとほ ぼ

致してい る。

 

な お

実 験に よれ ば

衝 撃 速 度 Vo≦2

 6 m s の囲 で は定性的に図

4

4(aと同 様の ひずみ分 布を示し, 試 験 体 に局 部 曲 げの 現 象は生じ ない。

V

=2.6〜4.O

m /s の範囲で は

同 図 (

b

)と同様の ひずみ分布を示し

局部曲 げの状 態で破 壊 する。  実 験

ll

で は, 断 面が

6

×

6cm

の試 験 体をス パ ン 20 cm で支持して衝撃曲 げ試 験 を行っ た

 図

4

7

速 度

V

3

2m /s の場 合, 試 験 体の ひ ずみ分布の経 時変化を示す

ひずみ分 布は, ク ラック発 生 以 前は試 験 体 中 央に おいて引 張ひずみ が最 大で

支 持 点に近づ くにっ て圧 縮ひずみが増 加し て お り

定 性 的 に は全ス パ ン曲 げの ひみ分 布 (図

4

4 (aと同様の 傾 向を示 して い る

本実

駿

に お け る 衝撃 速 度

V

,〈4

2 m s の範 囲で は

試 験 体のひ ずみ分布は図▽ 4

7と同様 であ る

 以 上の結果 よ り, 断 面 形 状が 6×6cm の モ ル タル試 験 体の場合

スパ ン 30cm で支 持し た とき に は V。>2

6 m /s の範 囲では 局 部曲げ 現象が生じた の に対し

ス パ ン 20cm で支 持し た場 合

衝 撃 速 度

V

。= 4

2m /s に達 し て も 全スパ ン曲げの変 形モ

ドで破 壊する こと がわ か る。

(5)

 

iii

> 中央で折 半 され た試験体の ひずみ分 布

 

実験皿は

中 央で折 半さ れ

そ れぞれ片 持 ばり の状態 で支持さ れた試 験 体に衝 撃 力 を与えた

衝撃速

V

が 遅い場 合の例 とし て

V

=1.

3m /s

速い場合の例と して

V

=3.3m

/sの と きの試 験体の ひずみ分布の経時 変 化を そ れぞ れ図

4

8 (a

b

に示す

図 中

実 線は衝 撃 体の加 速 度が ピ

ク に達す る時 点 tmよ り以前, 点線は tm以 後の ひずみ分布を表す。

 

衝 撃 速 度が遅い場 合

衝撃開始 直 後は支 持 点に近い 置の ひずみ の絶 対 値はさいが

時 間が経 過す る に従っ て図

4

5(aの点 線 と定性的に は同 様の ひずみ 分布を 示す よ う に な る

し たがっ て この場合

試 験 体の変形モ

ドは全ス パ ン曲 げの と きの

4

2aほ ぼ る。  衝 撃 速 度が速い場 合

衝 撃体の加 速 度が ピ

クに達 す る時 点 tmよ り以前の ひずみ分 布は

一4.5

b

)の点 線と定 性 的に は同様の傾 向を示してお り, その変形モ

ドは局 部 曲げの状 態と なっ てい るこ とが推 察さ れ る

し か し

t

”以降

試 験 体が そ れ ぞ れ各 支 持 点 回りに回転す る状 態に な る と

ひずみ分 布は 図

一4.5

(a) と同 様の傾 向 を示し

全スパ ン曲 げの変 形モ

ドの状態へ 移 行す る

 

な お

実験に よれ ば 衝撃速 度 純2

5m /s の で は

4

8

a

,V

2

5m

sの範囲で は同 図 (

b

)と 同 様の ひずみ分 布の経 時 変 化 を示してお り,

V

。>

2.

5 m /s では衝 撃 体の加 速度が ピ

クに達 するまで は, 試験 体は部 曲げ変 形 となっ ている。   §

5。

慣 性抵抗 力P,  5

1 慣 性 抵抗 力の算 定 法

 

本 研 究に おい て

試 験 体の性 抵 抗 力 F

1−3

式に よっ て算 定す る

た だ し , 同 式におい て

1 お よ び r は衝 撃 時の 試験 体の変 形モ

ドに対 応して求め な け れ ばな ら な い

 

試験 体が全スパン曲げ お よ び局 部 曲 げの

ドを 示す状態をそ れ ぞ れ 図

5

1(a)お よ び (

b

)に示す 剛 体部 分の回 転 運 動置換る。 同 図 (a)に おい て

剛 体部分の 支 持 点 回 り の慣 性モ

メ ン ト を ∬ と すれ ば

全ス パ ン曲げの と きの試 験 体損性抵抗 力

F

1−3

式で与 え ら れる

 

な お, 前 節で述べ た よ う に

試 験 体に局 部曲げが生 じ       図

5

1 剛体モデル る場合で も衝 撃 体の 加 速 度 波 形が ピ

クに達 する時 点   以 後は 試 験体は全スパ ン曲 げの 変 形モ

ドを示す。 しかし, (

1−3

拭 は

  tm以 前の慣 性 抵 抗 力

に全 接 触 時 間

At

と t”以 前の接 触 時 間

At 、

の比

At

At

、を 乗じ て慣性抵抗力

F

,を算 定する式で あ る た め, 島の前 後において衝 撃 体の加 速 度 波 形が な め らか に変 化す る な ら ば

試 験 体に局 部 曲 げが生じる場 合でも同式は適用で き る

したがっ て 試験体に局 部 曲 げ現 象 が 生じ る場合 , (1

3)式に お い て

1 =1

5

1

b

に示す 剛体部 分 ・ ・点 回・・慣 性モ

… )・・び ド

耀 点・ 局部 曲げス パ ンの支 持 点に相 当する位置との距離

5

1(

b

) 参 照 ) とし て

F

,を算 定 することがで き る

  5

2 慣 性 抵 抗 力と衝撃速度の関 係  (

i

) 中 央で折半さ れ た試 験 体

 

実 験 皿でられた慣 性 抵 抗 力

F

,(

衝撃 曲げ耐力

P

) と衝 撃 速 度

V

。 の 関係を図

5

2に 示す

衝 撃 速度 V。≦2

5m /s の範囲で は F,は V。に比例して大き く な り

両 者の関係は ほぼ次式で近 似で き る

   

F,

aVo

 

 

kgf・

s)

 

(5

1) 最 小 自 乗 法に よっ て 求 めた 比 例 係数 a は

O.

 

220

kg

s2m )とな り

験 式と し図 中実 線し た

 

衝 撃 速 度

V

,>

2.5m

/s の範 囲で は

慣 性 抵 抗 力

〔5

1)式で算 定し た値よ り も小さ くな る この こと は

前 節で述べ た よ う に

,V

。>2

5m /s の範囲 で は

試 験 体 が局 部 曲 げの

ドと な り, 慣 性 抵 抗力とし て作 用 する試 験 体 質量の減 少に よる影 響で あ る。

 

また (1

3 }で算 定 され る君 を理論 式と して図

5.

2

にPtし た

全ス パ ンげの変形モ

ドを示す衝 撃 速 度の範 囲 V<2

 5 m /s で は図

5

1(a 部 曲げ 変 形 す る場 合 (V。>2

5m /s)に は同 図 (

b

)に示す剛 体 部 分 につ い て (1

3) 式 を 適 用し た

(1

3 )式は そ れぞれ の領 域に おい て実 験 値の傾 向 を よく表し てお り

慣 性 抵 抗 力の定式とし て妥当で あ る と言える

R

     

0

       

1。

0

    

2

」:}    

3

ρ     

4JD

            衝 撃 速 度 V』 【皿/s , 図

52  慣 性 抵抗 力P

と衝 撃速度 V (中 央で折半さ れ た試 験        体〉

35

(6)

0

。・

R

5

3

1

0

   

20

   

30

   

4.

0

  衝 撃速度 ▽。 (皿/s 慣 性 抵抗 力F,と衝 撃速度 V

 

なお 変 形モ

ドが 全スパ ン曲 げか ら局 部曲げに移 行 す る衝 撃 速 度 付 近では実験 値は や や ば らつ き がら れ 試 験 体の慣 性抵抗力が不 安 定な領 域であ る。  (

ii

) 両 端 支 持 ばり型の試 験 体

 

衝 撃 曲 げ 試 験に お け る試 験 体の慣 性 抵 抗 力

Fr

試 験 体を衝 撃 破 壊 した と きの衝 撃 体の加 速度波形よ り算 定 し た

V

,冩を代入 して

衝撃 破 壊 時の試 験 体の変形モ

に対 応して (1

−3

)式に よ り算定 する。

 

実 験

1

に関して

慣 性 抵 抗 力

F

,と衝撃 速 度

V

。の関 係を 図

5

3に示す

同 図の定性的な傾 向は図

5

2と 同様で あ る

ただし

V

。≦1

0m /s の遅い 範囲で は図

5

2に比べ

F

は か な りさ く なっ てい る

これ は実 際の衝 撃曲げ試 験で は

衝撃速 度が遅い範 囲において衝 撃体の失っ た運 動 量は試 験 体を破壊する ことに主に消 費 さ れ

試 験 体には ほ と ん ど運 動を与え ない ため と推 察さ れ る

 §

6.

衝 撃曲 げ耐 力P

 

衝撃 曲 げ耐 力の速 度 依存性に関し て, 実 験

1

で得られ た衝 撃 曲 げ耐 力P と衝撃速度

V

。の関 係 を 図

6

1にPt す。

 

衝撃速度

V

。が約 1

em /s以 下の遅い範 囲では衝 撃曲 げ 耐 力

P

V

。の増 加に従っ て減少し,

V

。≒LOm /s の 』

oQg

08Q706G5

03

   

唱 童

R

蔭 卦 田

α1

0

     !  P

MVOffg

kgf

e,

i

   

   

i

 

t 図

1  1

0

     2丿

D

    

3.

0

    

4JD

 衝 撃速度 V』 (叫/β 衝 撃 曲 げ耐 力P と衝 撃速 度 V。 と き最 小となる。 こ の衝撃速 度の範囲を領 域

1

とする

V。

Le

2

6m /s の範 囲で は

P

V

。の増 加に比 例 し て直線的に増 加す る傾 向を示す

こ の範 囲 を領 域

H

と す る

さ らに V。が速い速度の範囲 で は

領 域

ll

よ りも V。 の増 加に対し て P の増 加 す る割 合が緩やか に な る領域 に移 行 する。 これ を領域皿と する

他の モ ル タ ル試 験 体 につ い て衝 撃 曲げ試験を行っ た結果でも

P −V

。曲 線は定 性 的に は図

6

1と 同 様の傾向を示してい る

以 下

各 領 域につ い て検 討す る。   (a ) 領 域

1

 

衝撃曲 げ耐 力を力積で表 示し た 場合, 衝 撃 速 度が遅い 範 囲では

P

Ve

の増 加に従っ て減少し, 実 験

1

にお ける

V

1

Om /s付近 に相 当す る衝 撃に対 し て最 も抵 抗 力の小さ い衝 撃速度が存在す る

実 験

1

に おいて

衝 撃 体の加 速 度が立ち 上っ て 0に戻る ま で の時 間, す な わ ち衝 撃 体と試 験体の接 触 時 間

At

と 衝 撃 速 度 V。の 関係 を図

6

2に実 線で示 す

実 験 的に求めた試 験 体の 1次 振 動の 固 有 周 期 丁。

=O.

 84 msec であっ た

こ の周 期で 試 験 体が振 動 する と き

試験体が静 止の状 態か ら最 大変 形し て元の状態 に戻る まで の時間は T。/2

o

42msec で あ る

。At

と比 較 するた め図

一6.2

に点 線で

T

。/

2

の値 を示し た

6

2におい て

領 域

1

の範囲 で は

At

V

。が 増 加 する に従っ て減 少し

P が最小 値 を示 す 衝 撃 速度

Vo

 ・

 L O msの と き

At

To

2

と等しく な る

す な わ ち

試 験 体の衝 撃に対す る耐 力が最も低 下 するの は

衝 撃 体が試 験 体の 1次 固有周期に相 当する衝 撃 速 度

V

。 で衝突する場 合であ る

こ の と き, 試 験 体は衝 撃 力に対 して共 振し

最 も破 壊し や すい状 況にある。

 

したがっ て領 域

1

試 験体の 1次 固 有 周 期に相当す る撃 速 度より遅い速 度 で 衝撃 体が試 験 体に衝突す る領 域である

U。≧1

Om /sの範囲 では, 

At

は ほぼ

定 値 を示す

 

なお

6

1におい て

線と

P =

MV 。/g (

kgf・

s) の点 線 との交 点が

衝 撃 体が試 験体を破 壊した直 後に停 止する と き

す な わ ち試 験体が丁 度

打 撃で破 壊す る と きの衝 撃 速 度お よ び衝撃曲げ耐 力で ある

 (

b

) 領域皿, 皿

ζ

d

0

    10    20    30   

40

     

衝撃 速 度 V・

Cm

/s )  図

6

2 接 触 時 間At と衝 撃 速 度 V。

(7)

 

 

NR

圉       衝撃 速 度

V

。 (m/s , 図S

3 衝 撃 曲 げ耐力 P と衝 撃 速 度 Vo  衝 撃 速 度が試 験体の 1次固有周期にす る速 度よ り 速い範 囲 (領

Of

 

ll

, 皿 )で は

試 験体の衝撃 曲げ耐 力 P は衝 撃 速 度 V。に比 例して増 加す る傾 向を 示 す

 

実 験

1

に お い て 測 定 さ れ たひず み分 布は 領 域

H

で は図

4

4(a), 領 域皿で は同 図 (

b

)と同様の傾 向 を示 し てい る。 し た がっ て領 域 皿で は

試 験体は図

4

1(

b

) の ような局 部 曲 げの変 形モ

ドで破壊す ること が明ら か で ある。 な お, 局 部 曲 げス パ ン

1’

は約

20cm

で あり

巨 視 的に は

領 域 皿は試 験体をスパ ン

1’

20cm で支 持 して衝 撃 曲 げ試 験 を 行っ た 場合の衝 撃 曲げ耐 力P に対 応 して い る

領 域 皿に おい て, 衝 撃速度

Vo

の増 加に対 す る衝 撃 曲 げ耐 力

P

の増 加す る割合が減 少して い る の は

領 域 皿で は試験 体の局 部曲げ 現 象によっ て

見 掛上 支持スパ ンが短く な り, 慣 性 抵 抗 力と して作 用す る試験 体質量 が減 少す ることに よる もの と 思 わ れ る。

 

実 験

IV

では

断 面 (6×6cm )の試 験体を局 部 曲 げ現 象の生 じ ないス パ ン (

1;

20crn,

12cm

)で支 持し て衝 撃 曲 げ耐 力を求 めた。 図

6

 3に衝 撃 曲 げ耐 力 P と衝 撃 速 度

Ve

の関係を示 す

衝 撃 速 度

V

。〈

2.

21n

/s の 範囲 で はスパ ン 12cm で支 持 し た試 験体の衝 撃 曲げ耐 力

P

が大きい値を示してい る

し か し

V

。≧2

2m /s の 範 囲で はこ の 関係は逆 転し て お り, 静 曲げ試験と は逆の 結 果を示す。 これ は支 持ス パ ン の長い試 験体の方が慣 性 抵 抗 力が大き く な る た めで あ り

実 験

1

(図

6

1 )に おける領 域

H

(ス パ ン

1=

30cm )と領 域皿 (見 掛 上の ス パ ン

1’

≒20cm )の

P

大 小 関 係 と

し てい る

 §

7.

衝 撃 曲 げ強 さ

Fs

 

試 験 体の衝 撃 曲 げ強さ

Fs

衝撃曲げ耐 力P と慣性 抵 抗 力

F

,の差 と して与え ら れ る

 

実 験

1

して

試 験 体の 衝 撃 曲 げ 強さ

Fs

は図

6

1と図

5

3の差と して求め ら れ る

7

1に

上 記の 方 法で求めた試 験 体の衝 撃 曲げ強さ凡 と衝 撃 速 度 V。の関 係 を 示 す

衝 撃 曲げ強さ Fsは 試験体の 固有周 期に相 当す る速 度よ り も 遅い衝 撃 速 度 V。く1

Om /s の  

o

6

晶 o

α

Sl

 

Q

圉 α

1

   

o

領 域 工 領 域 皿 ●      ●

啗 馬 図

 

』 切 懃

b

7

1

0,

0

0.

0

0

 

1.

0

   

2D

   

30

   

40

 衝 撃 速

es

 Vo 項/s ) 衝 撃 曲 げ強 さFsと衝 撃 速 度 V。

0

     1

0    2

0   

3.

0

    4

O        衝 撃 速 度V

国 /s  図

7

2 衝 撃 曲 げ 強さFsと衝撃 速度VD 範 囲で は

Ve

の増 加に従っ て減 少する (領 域

1

衝撃 速 度

V

。≧1

Om /sの範囲で は Fs は

V

。に依 存せず, ほ ぼ

0.

180kgf

s を示して いる(領 域皿

 

m

, 各 領 域につ い て検 討す る

  (a ) 領 域

1

 モ ル タ ル試 験体

B

を局部曲 げ現 象 が 生 じ ない ス パ ン 20cm で支 持し, 質 量の異な る衝 撃 体 を用いて行っ た実 験

V

につ いて

7

2

に衝 撃 曲げ強さ

Fs

と衝 撃速度 V。の関 係 を 示す

図 か ら明ら か なよ うに 試 験体の衝 撃 曲 げ強 さ

Fs

は衝撃体の質量に影 響 されない単

Fs

V 。曲 線で示さ れ

その 定 性 的 傾 向は図

7

1と同じで ある

図 中,

A

, 

B

, 

C

は各 衝 撃 体に よっ て 丁度

打撃 で破 壊 するときの衝 撃 曲げ強さ お よ び衝 撃 速 度 を表す

これ ら の値 も

Fs−Ve

曲線にの ること が明らかで あ る

す なわ ちA

−C

間は衝撃を 20kg か ら5kg まで順 次変 化さ せ た と き

丁 度

打 撃で破壊す る と きの衝 撃 曲 げ強 さ と衝 撃 速 度の関係 を表す曲線と なっ て い る

領 域

1

に お け る

Fs−V

。関 係 曲 線は, 各衝撃速度に対 する丁 度

打 撃で破 壊す る と きの衝 撃 曲 げ強さを表す曲線と言え よ う。   (

b

) 領 域

n

皿  筆 者ら が行っ た模 型 試 験体を 用いた実 験で は

試 験 体 の 固有周期に相 当す る衝 撃 速 度よ り速い衝 撃速度の範 囲 で は

Fsは

V

。に依存 して変 化し

材 料の衝 撃曲げ 強 さ

37

(8)

 

0

56

0

Q3

α

2

租 謡 α

1

0

7

3

1.

0

    

2.

0

    

3.

O

衝 撃 速

ge

 Vo 皿/8 丿 衝 撃 曲 げ強さFsと衝 撃 速 度 Ve 表

7

1 各試 験 体の衝 撃 試験結果

40

(断 面 寸 法はすべ 6×6cm

塩 姦 (k

s)   丸 (k  

  孟 珊 Fb  A 岡

A

α

18001

261

71

80

150o1

051

06

C0

16701

171

17

D0

14301

001

00

Fb

静 曲げ強 匿 陶 f舗 , 凡 と

V

。の関 係 は次 式で与えられ た。      

Fs=

k

,十

ht

 

V

……・

……・

……・

…・

………

7−1

)  図

7

3に

静曲げ強 度がわずか に異なる試験体を 用 い て行っ た実 験

W

につ い て

,Fs

V

。の関 係を示す。  

Fs−Ve

曲線は定性 的に は, と も に図

一7.1

と同様の傾 向を示して い る。 衝撃速度

Ve

が本試 験の範 囲では, 衝 撃 曲 げ強 さFs は

試 験 体

C

の方が試験 体

D

よ り も大き い 値を示してお り

先の表

一2.1

に示し た静曲げ強さの 大 小 関 係に対 応して いる。 衝撃速度

V

。>

LOIn

/s の範 囲 に おい ては

Fs

は ほ ぼ

定 値を示し てい る。 (

7−1

)式の 係 数

k

,k

,は

モ ル タル試験体

A ,

 

B .

 

C

, 

D

で は表

7

1に示す と おり で あ る

ただし

すべ て の試 験につ い て断 面 寸 法は

6

×

6cm

で あ る。 試 験体

D

を基準とし た係 数

h

,の 比

h

、【n/

hun

i

A

, 

B

, 

C

)は試 験 体B

 C につ い ては静 曲 げ強 度の比

Fqn

Fqm

と よく

致して い る。 た だ し静的強 度が著し く大きい試 験 体A につ い ては や や小さい値となっ て い るが

静 曲げ強 度の大 小 関 係と は対 応した傾 向を示 してお り

7−1

)式の係数

h

,は, 試 験 体の静 曲げ強 度に依 存す る係数であ るこ と が 明 らか であ る。

 

ま た

速 度 依 存 係 数

h

,は, 静 曲 げ 強 度にか か わ らず 0 と なり

モ ルタル 試 験 体 を試 験 体の固 有 周 期に相 当す る速 度 以上の衝 撃 速 度で破 壊する場合

本実 験の 範囲で は, 凡 は

V

。に無 関 係に な る

 また

7

1の領 域 皿

領 域 皿に おいて

衝撃曲げ 強さ

Fs

の差 は ほ と ん ど 認 め られ ない

こ の ことは

衝 ( の O 船 曾

訂        

0

   

1.

0

 

20

 

30

 

40

 

50

 

60

 

7S

〕 

ao

              衝 撃 速 度 v

(m /臼

7

4  衝 撃 曲げ耐力 P お よ び 慣 性 抵 抗 力 P

と 衝 撃 速 度 V

m      

o

  己 爵

1

“・

一一

・・L ・

t

 

0

 

102030

ω

50607Pao

        

衝 撃 速 度 Vo(坦/s }     図

7

5 衝撃 曲げ強さFsと 衝撃 速 度 V。 撃 曲げ強さFs は

力 積で表 示し た場 合

固有周期に 当 する速 度 より速い範 囲では, 支持ス パ ンに ほ と ん ど影 響さ れ ないこ と を示し ている

先に示し た, スパンを変 化さ せて行っ た実 験

1V

結 果に おいて も

衝 撃 曲 げ強さ

Fs

は領 域 ∬におい て は

スパ ンのさに ほ とん ど影響 さ れ ない

 

実験 粗で は 衝 撃 速 度 Vo>4

Om /sの さ らに速い 場 合につ い て検 討した。 図

7

4に

P −V

。お よ び

F

 

V

。の 関 係, 図

7

5

Fs−V

。の関係を示す

な お

支 持スバ ン 1

12 cm で行っ た本 実験で は

試 験体に局部 曲 げ現 象は生じ な かっ た。 図

一7.

5よ り, モ ル タル の材 料 特 性 と して

衝撃曲げ強さ

Fs

試 験 体の固 有 周 期に相 当 す る速 度よ り速 い衝撃 速 度

Vo

で は

 Vo≒7

Om /s まで は ほぼ

定 値を示す こ と が明ら か となっ た

  §

8.

結 び  筆 者ら は

汎 用 性のあ る衝撃試 験 方 法と して 衝 撃 時 の衝 撃 体の加 速 度の変 化 を 測定し

こ れ を解 析し て試 験 体の衝 撃曲げ耐力を力積で表す方 法 を提案 し た。

 

本論文は上 記の解 析 方 法によっ て

モ ルタル試験 体の 衝 撃 曲げ性 状につ い て検 討 し た もの で あ る

まず

モ ル タル試験 体が 衝撃 曲げを受ける とき の変 形 性 状につ い て 検 討し

変 形モ

ドにじて試 験体の性 抵 抗 力を算 定 す る方 法を示し た

実 際の衝 撃 曲げ試 験では

モ ルタル

(9)

試 験体の衝 撃曲げ耐 力

そ し てこれを構成す る慣 性 抵 抗 力と衝撃 曲げ強さの各 要因ごと に 基礎 的な性 状につ い て 考 察し た。   本 論で得ら れ た主な結果を以 下に示 す

 

(1 )衝 撃 曲 げを受け るモ ルタル試験 体は 衝撃速 度 や 支持スパ ン の長さ に応 じて ス パ ン曲 げ また は局部 曲げの

ドで破 壊す る

衝撃速 度が速い程

また 支持ス パ ンが 長 い程

局 部 曲げ 現象は生 じ やす く 局部 曲げス パ ン の さは衝 撃 速 度に かか わ らずほ ぼ

定であ る

 

(2 )試 験体は

そ の衝 撃 点 裏 側に最 初の ク ラ ック が 発 生し た後も

し ばら く は慣性抵抗力によ る対 衝 撃 抵 抗 力 を持つ

 

3

) 試験 体に局 部 曲 げ現象が生 じ る場 合で も, 試 験 体の加速 度 波 形 が ピ

ク に達し た後は

試 験 体は全ス パ ン曲 げの

ドに移 行する

 

(4) 試 験体の慣 性 抵 抗 力は

試験 体の

運 動を 変 形モ

ドに応 じて分 割した剛体の転 運動に置 換 する ことに よ り,剛体の運動 理 論 より算 定す ること がで き る

 

(5) モル タル試験 体の衝 撃 曲 げ耐 力は以下の よ うな 性状を示す

 

口 ) モ ル タル試 験体の衝 撃 曲 げ 耐 力

P

試 験体 の 1次 固 有 周 期に相当する度で衝 撃 体が衝 突す る と き に最 低とな り

衝 撃 力に対 して最 も抵 抗 力が小さい。 こ の 速 度 よい衝撃速度

V

。の範 囲で は

P

V

。の増加 に従っ て減 少し 速い場合に は V。の増 加に従っ て

P

も 増加する傾 向を示す

 

ii

 モ ル タル試験 体が衝撃 曲げ破 壊 され る と きの試 験体の 慣 性 抵 抗 力F

衝 撃速度 Veに比 例 して増 加 す る傾向を示す。 た だ し, 試 験体に局 部 曲 げ現象が生じ る

慣 性 抵 抗 力 とし てす る試 験 体質 量減 少 す る た め,君 が

V

。に比 例して増加する割 合は減 少す る

その

衝 撃 曲げ耐 力の増 加す る割 合 も減 少す る

 

iii

> 試 験 体の衝 撃 曲げ強さ

Fs

試 験体の 固有周 期に相当す る速 度 以 下の衝撃速度 V。の範囲 で は

,V

。の 増 加にっ て減 少し

そ れ 以 上の範 囲で は ほぼ

定値を 石 す。 前 者の 領 域は, 各衝撃速度に対して試 験 体が 丁度

打 撃 破壊す る と きの衝 撃 曲げ 強 さ を表す

後 者の領 域は

試験 体の静 曲 げ耐 力に対 応して変化す る。

 

qV

 

衝撃 速 度が速い範 囲で は 慣性抵抗力が試 験 体 の曲 げ耐 力に大き く影響す る ため, 曲げスパ ンが長い方 が衝 撃 曲げ耐力

P

が大きく な る とい っ た

静 曲 げ試 験 とは異なる結果 を得た。 な お

衝 撃 曲 げ強さ

Fs

支 持ス パ ン の長さに はほ と ん ど影 響さ れない値 と なる

 

衝撃 曲げ試 験 法の標準 化の立場か ら見れ ば モ ル タル 試 験 体の衝 撃 曲 げスパ ンは

局 部 曲 げの生 じない範 囲で 試験を行 うこと が好 ましい。 その場 合

局部 曲げス パ ン の長さ を検討す る必要が な く

慣 性 抵 抗 力の算 定が容 易 と な る。 断 面 が

6

×

6cm

の試験 体 を 用い る場 合

衝 撃 速 度

V

。<4

Om /s の範囲で は ス パ ン 20cm 以下

断 面 が4x4cm の場 合

衝 撃 速度

V

。〈7

Om /s の範 囲で は

12cm

より短い ス パ ンで支持す れ ば

試 験体に局 部 曲 げ 現象は生じなか っ た

 

以 上

本 論 文は

セ メ ン トモ ルタル試 験体を用い て行っ た験 的 研 究であるが, こ こ で得ら れた衝 撃 曲 げ耐力に 関わ る諸性 状は

セ メ ン トモ ル タル の み な らずその の 脆 性 材料におい ても適用 可 能であり

脆 性 材料の衝 撃 曲 げ強さ試 験 法の確 立に寄 与す るもの と考え ら れ る

 

本研究に は

本 学 大 学 院 生

勝 木啓 介 君の協 力を得た

ここ に謝意を表す

 参考文献

 

1) 佐 治 泰 次

松 藤 泰 典

大 久 保孝昭

田 中 正 浩 :各 種 材料    を相 互 比 較す る 衝 撃 曲 げ試 験 方 法の確立関 する研 究

   日本建 築 学 会 大 会 学 術 講 演梗 概 集

S59

10  2) 佐 治泰次

松藤泰 典

大 久 保孝昭

勝 木 啓 介 :衝 撃 曲げ    試 験 法の確 立に関す る基 礎 的 研 究 (モ デル試験 体 〉

日本    建 築 学 会 研 究 報 告, 九 州支部

S60

3 3) 佐 治 泰次

松 藤 泰 典

吉 岡 俊二 :ぜい性 材 料の衝 撃 曲 げ

  

性 能の評 価に関 す る 基礎 的研 究 〔コ ンク リ

トの場 合 ),    材料

Vo 且

29

 No

318

 Mar

1980 4) 佐 治 泰 次

松藤 泰典

田口茂 久:水平バ ネ 式衝 撃 曲げ試    験 機の試 作 とこれ に よ る基礎的 研 究

セ メ ン ト技 術年 報     36

昭57 5) 佐 治 泰 次

松藤 泰典

中 武 幹 男 :空脱泡練り混ぜによ    るセ メ ン ト硬 化 体の強度 性 状

日本 建築学会研究 報告

    九州 支 部

S60

3 6) C

A

ブレビア ;境 界 要 素 法入 門

神 谷紀生

田 中 正 隆

    田 中喜 久 昭

共 訳

培風館

一 39 一

(10)

SYNOPSIS

UDC:691.53:62D.1:620.17e.7

J

A

BASIC

STUDY

ON

THE

IMPACT

BENDING

TEST

FOR

BRITTLE

MATERIALS

In

case Qf cement-mortar specimen

by Dr.TA"I SAJL PTofessorof Kyushu University.Dr.YASU

NORI MATSUFUJL AssociateProfessorof Kyushu

versity, TAKAAKI OHKVBO,

GTaduate

Studentof

shu University,Members of A.I.

J.

We

have

proposed

the methocl of measuring the acceleration of the

hammer

as a standardized testing method of the

impact

bending

strength of

brittle

materials. The specimen resists the impact

load

by

the strength of the material and the

body

force

of the specimen.

The

former

is named "Impact Bending

Strength

(E.}",

the latteris

"Inertia

Resistance

(F,)"

and sum of these

is

named "Impact Bending

Toughness

(P)".

In

thispaper,theimpact

bending

propertiesof cement-mortar specimen are examined.

In

54,

the

deformation

of the specimen under

impact

bending

load

isinvestigated

by

the elastic analysis and some expenments,

In

S

5,the calculation methed of the "Inertia Resistance

<F,)"

is

described.

The

method

is

based

on the theory that substitute the

deformation

and movement of thespecimen

for

the revolution movement of a reged body and

thetheoreticalcalculated results almost coincides with the experimentai results

in

the experiments to

deterrnine

whether the assttmption used inthistheory isgood or not. "Inertia

Resistance

{E)"

increasewith the

hammer's

speed

being

faster

and when the specimen shows

localized

bending

defor-mation

{E,)

is smaller than the

(E)

when the specimen

deforms

in

the whole span.

In

g6

and

S7,

the values of

(E.)

and(P) of the specimens are

investigated

by several impact

bending

test,

It

was clear thatthespecimen

has

least

"Impact Bending

Toughness

(P)"

when the hammer strikes the specimen at the speed that corresponds totheperiod of

first

normal mode of the specimen.

'

"Impact

Bending

Strength

(E.)"

decrease with the

hammer's

speed

Vo

being

fasterinthe slower

limits

than the speed that corresponds tothe period of

first

normal mode of thespecimen, but

(F.)

isconstant inthe

higher

speed than that

参照

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