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笑いが脳の活性化に及ぼす影響 (研究ノート)

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Academic year: 2021

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(1)人間看護学研究. 7:37-42(2009). 37. 研究 ノー ト. 笑 いが脳 の活 性 化 に及 ぼす 影 響. 畑野 相子 滋賀県立大学 人間看護学部 キ ー ワ ー ド 笑 い 、 脳 の 活 性化 、 か な ひ ろ い テ ス ト、 即 時 記 憶 、 集 中 力 、 注 意 分 配 能 力. 1.は. 能 の研 究 に お い て 、20歳 か ら62歳 ま で の19名 を対 象 に吉. じめ に. 本 興 業 の演 芸 場 で3時 間 に わ た り漫 才 ・落 語 ・喜 劇 な ど 「笑 う門 に は福 来 る」 と い う格 言 が あ る よ う に、 ユ ー モ アや 笑 い が、 人 間 に好 ま しい心 理 学 的反 応 を もた らす. を見 て も ら った あ とナ チ ュ ラル キ ラ ー細 胞 の活 性 状 況 を 測 定 した と こ ろ、 測 定 可 能 だ った18名 中14人 に上 昇 が見. ことや 、 怒 りや 悲 しみ な ど の マ イ ナ ス感 情 が 身 体 に害 を. られ た と報 告 して い る。 吉 野6)の 調 査 で は、 リウ マ チ の. 与 え る こ とに つ いて は、 古 くか ら知 られ て いた 。 笑 い の. 患 者 を対 象 に 落 語 を1時 間 聞 い て も ら っ た後 に血 液 検 査. 効 果 を世 に知 ら しめた の は、 ジ ャーナ リス トの ノ ー マ ン ・ カ ズ ン ズ氏1)で あ る。 彼 は、 膠 原 病 の 一 種 で あ る強 直. を した と ころ 、 リウマ チ に最 も関連 の あ る免 疫 指 標 で あ. 性 神 経 炎 を笑 い に よ って 完 治 して、 そ の 体 験 を ア メ リカ の医 学 雑 誌 に投 稿 し反 響 を呼 び起 こ した。 そ の 体 験 談 を. て い る。 この よ う に、 笑 い の効 果 に つ いて 、 様 々 な 実 践. ま とめ て 出版 した 「笑 い の治 癒 力 」 は有 名 で あ る。 そ の. 笑 う こ との 医学 的 効 果 は確 認 さ れ て い るが 、 身 体 面 と の関 連 に 関 す る研 究 が 多 く、 笑 い と精 神 面 と の関 連 に 関. 後 、 医 学 的見 地 か ら、 世 界 中 で笑 い に つ い て 研 究 が す す め られ 、 そ の成 果 が 報 告 さ れ て い る。 日本 に お い て は、 「日本 男 児 笑 うべ か らず 」 とい う風 習 が あ り、笑 う ことが 威 厳 を損 な う とい う偏 見 が あ った。 しか し、 笑 い の 効 果 が 着 目 さ れ る よ うに な り、1994年 に. る イ ン ター ロイ キ シ ン6が 有 意 に低 下 して い た と報 告 し や 研 究 が報 告 され て い る。. す る文 献 は 非 常 に 少 な い のが 現 状 で あ る。 笑 う こと と精 神 面 との 関 連 に つ い て は、 笑 う こ とで 心 が 軽 くな る こ と や気 分 が 晴 れ るな どの 経 験 を して い る人 は多 い と思 わ れ. は 日本 笑 い学 会 が 設 立 され 、 学 際 的 に笑 い に関 す る研 究. る。 ま た、1997年 に ボ ケ予 防 協 会 が 出 した 「ぼ け予 防10 力条 」 の第6に 「興 味 と好 奇 心 を持 つ よ うに」、 第10に. が 進 め られ る よ う に な つ た。 森 下2)は 、 笑 い の効 果 を. 「くよ く よ しな い で 明 る い生 活 を 」 と あ り 了)、 笑 い のあ. 生 理 的 効 果 、 心 理 的 効 果 、 社 会 的効 果 の 側 面 か ら述 べ て い る。 西 本3)9)は 自律 神 経 のバ ラ ン ス を整 え 、 免 疫 力 を. 認 知 症 の 発 症 につ い て、 金 子8)は 、 認 知 症 は前 頭 前 野 の. 高 めて 潰 瘍 性 大 腸 炎 を治 した 自 らの体 験 や 同 じ方 法 で 患. 機 能 か ら低 下 す るの で 、 早 期 認 知 症 の段 階(前 頭 前 野 の. 者 を治 療 した成 果 を 著 書 に して い る。 そ の 中 で 、 免 疫 力 を高 め る方 法 の1つ と して 、 笑 い の大 事 さや 必 要 性 を述 べ て い る。 ま た、 呼 吸 法 の面 か ら考 え る と、 泣 く時 の呼. 機 能 は低 下 して い るが 、 大 脳 全 般 の機 能 は低 下 して い な い、 す な わ ち大 脳 が 機 能 低 下 を きた す前 段 階)で 発 見 し、. る生 活 が認 知 症 予 防 と関 連 して い る こ とを示 唆 して い る。. 吸 が 胸 式 呼 吸 で あ るの に対 し、 お腹 か ら大 笑 いを す る時. 脳 リハ ビ リを実 施 す れ ば 回 復 可 能 で あ る と報 告 して い る。 ま た、身 体 機 能 を使 わ な い と廃 用症 候 群 を き たす よ うに、. は腹 式 呼 吸 に な って お り、 それ が 免 疫 力 を 高 め る こ と に つ な が って い る と述 べ て い る4)。 伊 丹5)ら は笑 い と免 疫. 脳 も使 わ な い こ とに よ り認 知 機 能 は低 下 す る と いわ れ て い る9)。笑 い の 効 果 を経 験 則 に と どあ ず 、 科 学 的 に 明 ら か にす る こ とが で きれ ば 、 認 知 症 予 防 の一 翼 を 担 う こ と. 2008年9月is受 連 絡 先:畑. 野. 付 、2009年1月9日 相子. 滋賀県立大学人聞看護学部 住. 所:彦. 根 市 八 坂 町2500. e-mail:ahatano@nurse.usp.ac.jp. 受理. が 可 能 と な る。 認 知 症 が 前 頭 前 野 の機 能 か ら低 下 す る こ と に着 目 し、 前 頭 葉 機 能 で あ る集 中力 、 注 意 分 配 能 力 を 中 心 とす る脳 の活 性 化 に笑 いが ど の よ うに 関 連 して い る か 明 らか に し、 認 知 症 予 防 の 一 助 に した い と考 え た 。.

(2) 3 8. 堀野相子. 本研究では、認知症予訪の一助として、前頭前野の機 能を中心にした脳の活性化と笑いとの関連に視点を当て、 前頭前野の機能である集中力、注意分配能力、知的柔軟 性と記憶力に視点をおき、笑いとそれらの能力がどのよ うに関連しているかを明らかにしすることを目的とした。. 1 研究方法 1.調査対象:看護系の研修会受講生4 2名とした。 2 . 研 究 期 間 平 成1 8年 1 1月 , . . . ;1 2月 3 . データーの集積方法 前頭前野の機能と短期記穏能力に視点をおいた。本研 究では前頭前野機能として集中力、注意分配能力、知的 柔軟性に着目した。 集中力と注意分配能力の測定にはかなひろいテストを 用いた。かなひろいテストは、 2分間の隈られた時間の 中で、ひらがなばかりで書かれた物語の意味を把握しな がら読み、同時に母音を拾うテストである。 知的柔軟性の測定には言葉の想起テストを用いた。 1 分間で、「あ」のつく言葉や「か」のつく言葉などの 1 音を示し、その音から始まる単語を書いてもらった。提 示した 1音は毎回変えた。即時記憶の測定には 7桁数字 の記憶を用いた。 7桁数字を 3秒間で記 壊してもらい、 数分おいて回答してもらった。 第 1段階として、各テストを実施した。第 2段階とし て 、 2 0分関のお笑い番組を見てもらった。お笑い番組と して、毎週日曜日に放送されている「新婚さんいらっしゃ い」の録画を用いた。第 3設踏として、お笑い番組を見 た後、再度各テストを実施した。この 1段階から 3段階 の実験を 1クールとして、 1週間間隠で 2クール実施し J. f こO 笑いの程度は、表情選択法を用いた。表情は、 L o r i s hのFaceS c a l e法を簡略化したもので、図 1に示したよ うに 5段階の表情図形の中から笑いのレベルを選択して もらった。. 4 . 分析方法 L o r i s hのFaceS c a l e法を簡略化した 5段階の表情図形 のうち、レベル 1からレベル 3を笑いあり群、レベル 4 とレベル 5は笑いなし群として分類した。笑いの程度は レベル lを 5点、レベル 2を 4点、レベル 3を 3点、レ ベル 4を 2点、レベル 5を 1点として 5段階を点数化し た。笑う前と笑った後の各テスト結果の変化を比較分析 した。検定は、 X 2検定、 Wilcoxon 検定を行い、有意水 準は 5%未満とした。解析には、 s p s s 1 4 . 0 jf o r windo wsを用いた。 5 . 倫理的配農 研究の目的、研究参加は自由であること、研究参加を 拒否しでも不利益を被ることはないこと、研究参加を途 中で中止できること、結果を研究目的以外に利用しない こと、論文として発表するに当たっては個人が特定され る記載は一切しないこと、研究終了後は情報を破棄する ことを文書で伝え、同意を得た。個人の結果を照合する ために、テストには、ペンネーム(暗号)を記入しても らい、個人が特定できないようにした。. i l l .結 果 1.対象者は男性 3名、女性3 9名の合計4 2名、平均年齢 は4 3 . 1 2土 4 . 5 5歳であった。 2 . 笑いの状況 (1)笑いの有無 表南側定法による笑いレベルの測定結果は表 1に示 した。 1回目実験で笑いレベル 1' " ' '3 (以下笑いあり とする)は 4 0人 、 2回目実験で笑いありは 3 6人であっ た 。 1回目実験で笑いレベル 4と 5 (以下笑いなしと する)は 2人 、 2 @]目実験は 6人であった。 1田昌実 験で笑いなしの人は、 2回目実験でも笑いなしであっ た。表 1. 表 1 表情測定法による笑いレベル. Q②G G G. 笑いレベル. 2回目. 9 2 3. E. 剛 、 , 圃 剛 、 、 , , ,. 4一 一 人. 一一位 一一単. 欄 欄 , , 、 、 山内丘町. 一 砧. 合計. 22. 5 41 一A. 圭星ム. 1 3. 1 7 1 4. 4 5. D i s t r i b u t i o no fl e v e l so fI a u g h t e ra s s e s s e d byt h es u b j e c t st h e m s e l v e su s i n gt h ef a c es c a l e .. 図1 F aces c a l e. 1由自.

(3) 39. 笑いが脳の活性化 に及 ぼす影響. (2)笑. い の程 度. 表6. 1回 目 の 笑 い と2回. 1回 目 の 平 均 は3.88±0.54点. 、2回. (巣位. 目 の 平 均 は3.28± サ. 0.72点. 1目 実験 嚢裂 後. で 有 意 な 差 が み られ た 。. へ. ・ 回膿 験 郵 惣 表2. 7桁 数 字 の記 憶. 目 の笑 い を 点 数 化 した と こ ろ、 人数. 正解者. 人). 間違つた者. 40. 26. 14. 40. 37. 3. 36. 25. 11. 36. 29. 7. 有意 確 率 p=a.oa1. 笑 い の程 度 の 比較. 平均点 標準偏差 有意確率 1回 目 2回 目. .. 3:28. 0.754 0.724. '111. N.考. 察. 一 般 的 に、 ヒ トは楽 しいか ら笑 う と思 いが ちで あ る が 、 3.か. 必 ず し もそ うで はな い。 笑 い に は、 「快 の笑 い」 「社 交 上 の笑 い」 「緊 張 緩 和 の笑 い」 な ど い くつ か に分 類 で き る。. な 拾 い テ ス トの 結 果. 回 目実 験 と も に 笑 う前 よ り笑 つ た 後 の 方 が 多 く、 有 意. 今 回 の実 験 に お け る 「笑 い ・笑 顔 」 は、 録 画 を 見 て 面 白 い と思 つた結 果 と して 起 き た笑 い で あ り、 快 の 笑 い 、 か. 差 が見 られ た。. つ認 知 的 な 笑 い と いえ る。. (1)拾. っ た か な の 数 は 表3に. 表3. 示 し た 。1回. 目 実 験 、2. か な ひ ろ い テ ス ト結 果(拾 った か な の数) へ. 掘 醸 験 養裂 後 サ も ・m実 験 郵 惣. 人数(人)最 小 値 最 大値 40 23 58 36 36. 35 24. 60 61. い. 今 回 の実 験 に 使 つた テ レ ビ録 画 は番 組 の タイ トル は同 じで あ るが 、慣 れ を防 ぐた め 内 容 は異 な る ものを 用 い た 。. 平均 値 膝準 偏差 有意 確率 43.58 9.198 .00240 30 -.:: 7 .488 49:69 7.793 52.72 7.324. 笑 い の結 果 は、i回 目実 験 で は レベ ル1の 大 笑 いが9人 、 p=0 レベ いが17人 だ った が、2回 目実 験 で は レ ベ ル 60 ル2の 笑 1の 笑 い が1人 111、 レベ ル2の 笑 い が13人 と大 笑 いが 少 な くな つた上 に 、 レベ ル4の 笑 い が5人 あ った 。 笑 い の程 度 を点 数 化 して 比 較 した結 果 、1回. (2)見. 落 と し た か な の 数 は 、 表4に. 験 、2回. 示 した 。1回. 目実. 目実 験 共 に笑 った 前 後 で ほ と ん ど差 は な く、. 有 意 差 は見 られ な か つた。. 目の方 が 笑 い点 数 が. 有 意 に高 か った 。 この こ と か ら、1回. 目実 験 に用 い た録. 画 の方 が笑 い を 誘 う レベ ル は高 か つた と思 わ れ る。 笑 い の ポ イ ン トは人 に よ って 異 な る。 全 員 を 同 時 に同 じ よ う に笑 わ せ る こ と は難 しい。. 表4. か な ひ ろい テ ス ト結 果(見 落 と したか な の数) ヘ リれ. 人数(人)最 小値 最 大値 40 40 36 36. 1醐 実験 郵 惣 へ ヘム. ・ 回醸 験 郵 惣. 4.言. 1 0. 平均 値 漂準 偏差. 34 21 24 19. 10.13 9.18 6.89 6.36. 有 意確 率. 7.474 5.373 4.857 4.35. 笑 い が あ った 人 を 対 象 に、 笑 い の前 後 と集 中 力 、 注 意 分 配 能 力、 言 語 の 想 起 数 、 短 期 記 憶 の 関連 か ら、 笑 い が 脳 の活 性 化 に 及 ぼ す 影 響 につ い て考 察 す る。 1.笑. い と集 中 力 ・注 意 分 配 能 力. か な ひ ろ い テス トに お いて 拾 った か な数 は1回 目実 験 、 2回 目実 験 共 に 笑 った 後 の方 が有 意 に多 か った 。 か な拾 い テ ス トは2分 間 と い う限 られ た 時 間 の 中 で、 ひ ら が な. 語 の想起結果. 言 語 の 想 起 結 果 は 表5に. 示 し た 。1回. 目実 験 で は、 笑. う前 の 言 葉 の 想 起 数 は11.60±2.93で. あ っ た が 、2回. 実 験 で は13.48±3.07で. 目実 験 で は有 意 な. あ つ た 。1回. 差 が 見 られ た が 、2回. 目. 目 実 験 で は差 は認 め られ な か つ た 。. ば か りで書 か れ た 物 語 を 読 み、 意 味把 握 しな が ら母 音 を 拾 うテ ス トで あ り、2つ. の作 業 を 同 時 に正 確 にで き る能. 力 を見 るテ ス トで あ る。 こ の機 能 を司 つて い る と こ ろ は 前 頭 前 野 で あ り、 か な ひ ろ い テ ス トは前 頭 前 野 の機 能 を 測 る テ ス トと して位 置 づ け られ て い る8)。拾 つた か な の. 表5 の. 1回醸 験 郵 惣 ヘル. ・m実験 郵 撫. 言葉の想起数. 人数(人)最 小 値 最 大値 平 均値 標準偏 差 有意 確率 40 71711.62.933 1111 40 6 20 13.48 3.072 36 36. 47911.083.351 7 16. 11.44. 数 が 笑 った後 の方 が 増 え て い る の は、 笑 う こ と によ つて 意 味 把 握 しな が ら母 音 を 拾 う作 業 能 力 が 向上 した こ とで あ り、 そ れ は 、集 中 力 ・注 意 分 配 能 力 が高 ま った結 果 で あ る と い え る。 他 の 研 究 で も漫 才 等 で笑 つた 時 に、 脳 が. 2.667. 賦 活 され る こ とが明 らか に され て お り、 今 回 の実 験 で も、 5.即. 時記 憶. 笑 った こ とで前 頭前 野 が 賦 活 さ れ た とい え る. 7桁 数 字 の 記 憶 の結 果 は表6に 示 した 。1回 目実 験 で は、 笑 う前 の 正 解 者 が26人 で あ つた が、 笑 つ た後 の正 解. 録 画 を見 て の笑 い は認 知 的 な笑 い で あ る。 認 知 的 な笑 いが 前 頭 前 野 の機 能 と どの よ うに関 連 して い るの か 考 え. 者 は37人 と多 くな り、 有 意 な差 が み られ た 。2回 で は変 化 が み られ なか った。. て み る。 認 知 的 な笑 い は、 様 々 な経 験 や記 憶 を基 礎 に し. 目実 験. た後 天 的笑 い で あ る。 時 々 、 刻 々入 力 さ れ る視 覚 性 ・聴.

(4) 4 0. 畑野椙子. 覚性情報をカテゴリー化して処理し、一時的に保持して、 過去の記憶情報と結合し、刺激の'情動的意味を認知的に 判断し、その結果を笑いの出力として発信する O 一種の ワーキングメモリー機能であり、前頭前野がその鋤きを になうことが知られている 10)。したがって、入力される 情報が多いほど、出力としての笑いは大きくなる。 1回 目実験の方が 2回目実験より大笑いだったことは、 1回 目実験の方が入力された情報が多く、前頭前野がより働 いたことになる。笑った後に拾ったかなの数が、 l回目 実験も 2回目実験も有意に多かったのは、笑いによって 前頭前野が活性化したためといえる O さらに、大笑いだっ た 1岡田実験の方がより有意確率が高かったことから、 大笑いの方が前頭前野を活性化させることにつながるこ とが示唆された。. W. 人には、かな拾いテスト 前頭前野機能が低下して を何回実施しでも学習効果による差はないと言われてい るヘしかし、今回の対象は健康成人であることから、 かなひろいテストの方法については慣れがあったとも えられる。したがって、笑った後の点数がよかったのは、 笑いの効果だけでなく、かなひろいテストの回数を重ね たことによって学習効果が影響していることも考えられ る 。 かなひろいテストの学習効果を排除した環境での介入 研究が必要である。 2 . 笑いと知的柔軟性 限られた時間の中で、言葉を想起する課題は、 1回目 実験では笑う前より笑った後の方が省意に多かった。し かし、 2四目実験ではやや笑った後の方が多かったが、 有意な差はみられなかった。言葉を想起することは、記 憶の貯蔵庫の中から lつの範鳴の単語を機敏に選択して 想起することであり、これは前頭前野の機能であるが、 その中でもかなり高次元のものと考えられている 100 笑 うと頬の表情筋が頻繁に働き、その奥にある顔面動脈が 伸縮し、脳から心臓へ戻る自流が増加する。これにより 新鮮な血液が脳にどんどん送られ、脳細胞への栄養供給 が増え活性化する O 大笑いは内臓のジョキングとも言わ れ、適度な運動に匹敵するような効果があるといわれて いる 12)0. l回目実験は大笑いであり、それにより脳血流量が増 加し、前頭前野が活発に機能し、言葉の想起数が増加し たと考えられる O しかし、 2回目実験では笑う前後で言 葉の想起数に差が見られなかった。これは、 l四日実験 に比し、 2回目実験では大笑いが少なかったことが関連 していると思われる。このことから、高次元の前頭前野 の機能を活性化させるためには、心からの感情を伴った 大笑いが必要であるといえる O 大脳は作り笑いと本当の 笑いを選別できないので、作り笑いでも効果があるとい われているが山ヘやはり心からの大笑いの方が前頭前. 野の活性化には効果的であることが示唆された。 3 . 笑いと即時記憶 7桁数字の正解者は、 1司自実験では笑う前より笑っ た後の方が有意に多かった。しかし、 2回呂実験では、 笑う前より笑った後の方がやや多かったが、有意な差は 見られなかった。記 憶をつかさどるのは海馬である。海 馬を活性化させるためには、脳出流量を多くすることが 必要である。笑いと血流量の研究については、次のよう な実験結果が報告されている。 2 2名を対象に落語を開い てもらい、その後、脳血流量を測定した結果 63%の人が 増加し、 23%の人が減少した。増加した人は、落語をお もしろいと感じた人で、減少した人は、おもしろいと感 じなかったので笑わなかった人であった 8)0 J. 前述したように、笑うと頬の表構筋が頻繁に働き、そ の奥にある顔面動脈が伸縮し、脳から心臓へ戻る血流が 増加する O これにより新鮮な血液が脳にどんどん送られ、 脳細胞への栄養供給が増え活性化する。 1田自実験は大 笑いであったが、 2回目実験では大笑いがすくなかった。 海馬が活性化するためには、大笑いが必要であることが 示唆された。. v .結 語 1.かな拾いテストにおいては、笑う前より笑った後の 方が拾ったかな数は有意に多かった。このことから、 笑うことで前頭前野が活性化され、集中力・注意分配 能力が向上することが示唆された。 2 . 一定の課題に基づく言葉を想起する機能は、前頭前 野の高次元の機能である。大笑いする前より大笑いし た後の方が言葉の想起数は有意に多かった。しかし、 大笑いでない場合は、笑った前後で有意な差が見られ なかった。前頭、前野の高次元の機能を活性化させるた めには笑いの程度が関連していることが示唆された。 3 . 笑いと即時記憶の関連においては、笑う前より笑っ た後の方が正解者は有意に多かった。しかし、大笑い でない場合は、笑う前後で有意な差は見られなかった。 海馬の活性化には、大笑いが関連していることが示唆 された。 4 . 大脳は作り笑いも快の笑いも区別できないので、作 り笑いも効果があるとされているが、今回の実験では、 快の大笑いが脳の活性化と関連していた。. V I .謝 辞 本研究を進めるにあたり、 2田にわたる実験に快くご 協力いただきました認定看護管理者制度ファーストレベ ル教育受講者の皆様、福井県看護協会の関係者の皆様に 深く感謝いたします。.

(5) 4 1. 笑いが魁の活性化に及ぼす影響. 参考文献 1) ノーマン・カズンズ、松田鉄訳、笑いと治癒力、岩. 9 9 6 波書店、 1 2)森下伸也、もっと笑うためのユーモア学入門、新曜 0 0 3 社 、 2 3)西本真司、潰虜性大腸炎が治る本、マキノ出版、. 8)金子満雄、生き方を変えればボケは必ず治る、海竜 社 、 2 0 0 3 9)吉野横一、楽しい笑いの生理学、 OTジャーナノレ 4 、2 0 0 7 1(1): 8 1 3 1 0 )脊田秀穂、「笑い」と「泣き」の生理学的背景 OT ジャーナノレ 4 1 ( 1 ) : 1 ι 2 32 0 0 7. 5)伊丹仁朗、昇幹夫、手嶋秀毅、笑いと免疫能、心 9 9 4 1 0 第3 4 巻第 7号 身医学、 1. 1 1 ) 船津桂子、金子満雄前頭葉障害に対する評価と機 能司1錬の試み、日本早期認知症学会論文誌、 Vo l 1 . No1 2 0 0 7 T h a n k s T h e r a p y ) 1 2 ) 橋元慶男、笑いと健康、 TT( 研究会出版部刊、 2 0 0 8 .2 0 0 7, 1 3 )昇幹夫、笑いと長寿の健康科学、大月書居、 2. 6 )w w w . m a i n i c h i . c o . j p / b o k e y o b o u / 7)山口晴保、認知症予防、協同医書出版社、 2 0 0 8 .9. 1 4 )井上宏、笑い学のすすめ、世界思想社、 2 0 0 5. 2 0 0 4. 4)西本真司、潰蕩性大腸炎 医師も 0 0 7 治した、マキノ出版、 2. もこうして.

(6) 42. 畑野. 相子. (Summary) Influence. on. Laugh. for. Activity. Hatano. School. Key. Words. centration,. Laugh, Careful. of. Activity Ability. Human. of the. Nursing,. Brain,. The. of. the. Brain. Aiko. University. Kana-Picking. Test,. of. Shiga. Immediate. Prefecture. Memory,. One's. Powers. of Con-.

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参照

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