大学生活1年を経験した看護学生の協同作業認識の変化 (研究ノート)
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(2) 米 田 照美. 52. 存 性 ・積 極 的 相 互 作 用 、 グ ル ー プ 目標 と個 人 の 責 任 の明. の認 識 に違 いが あ る可 能 性 が あ る。本 学 の場 合 、 看 護 師、. 確 化 、 小 集 団 技 能 の奨 励 と訓 練 、 グル ー プ の 改 善 手 続 き の5っ の原 理 を あ げ て い る4)5)。学 び合 う学 生 同 士 が 協. 助 産 師、 保 健 師 、 養 護 教 諭 な ど の 目指 す職 業 が 様 々 で あ る。 どの 職 業 も、 他 者 と協 力 して作 業 す る職 業 で はあ る。. 力 関係 に あ り、 学 習 集 団 の 目標 と学 習 活 動 にお け る個 人 の役 割 や 責 任 が 明 確 で あ る こ と、 そ して 、 生 産 的 相 互 交. しか しな が ら、 臨 床 と い う場 で 、 複 数 の 同業 者 、 他 の 専 門 職 と協 力 して働 く ことが 求 め られ る看 護 師 ・助 産 師 と、. 流 が促 が され る環 境 を整 え る こ とで、 学 習 効 果 が 大 き く. 同業 者 が比 較 的 少 な い養 護 教 諭 ・保 健 師 とで は、 協 力 す. 異 な って くる。 こ の学 習 法 は、 小 集 団学 習 の 中 で も中 核. る 内容 も程 度 も差 異 が あ る。 学 生 の志 望 職 業 に よ り、 協. 的学 習 指 導 法 と して 認 識 さ れ て い る。 代 表 的 な 学 習 技 法. 同作 業 に対 す る認 識 に差 が あ る可 能 性 が考 え られ る。. と して は、 ア ロ ル ソ ンの ジグ ソー学 習 法 や バ ズ学 習 法 が. 今 回、 大 学 生 活 を1年 間 経 験 した看 護 学 生 の 協 同 作 業 の認 識 の変 化 とそ の 属 性 ・本 学 へ の志 望 ・志 望 職 業 と の. 挙 げ られ る6)。 上 記 の学 習 の特 徴 を踏 ま え る と、 学生 同士 が学 び合 い、. 関 連 性 に っ い て 調 査 した。. 高 ま り合 う人 間 関 係 を べ 一 ス に して い るた め 、 学 生 同 士 が協 同 作 業 して 学 習 課 題 を達 成 す る とい う認 識 が 学 習 意 欲 に も影 響 す る こ とが 考 え られ る。 学 生 の 協 同 作 業 認 識. II.研 究 方 法. が低 い 場 合 、 学 習 効 果 や活 動 に も影 響 を 及 ぼ す 可 能 性 が. 1.対. 象 者:A看. あ る7)8)9)。学 生 の協 同 作 業 認 識 を 把 握 した上 で 、 教 育. 2.調. 査 方 法:平 成24年4月(1次. を行 う必 要 が あ る。 しか しな が ら、 高 校 卒 業 し間 もな い1年 生 が 、 協 同 作 業 に対 して どの よ う な認 識 を も って い るの か は不 明 で あ る。 他 者 と協 力 し作 業 す る経 験 は、 演 習 や 講 義 な ど学 習 の場 だ けで 、 培 わ れ る もの で な い。 部 活動 、 ク ラ ブ活 動 、 ボ ラ ンテ ィ ア活 動 、 ア ルバ イ トな ど 日々 の 生 活 の 中 で は 育 ま れ る可 能 性 も高 い。 ま た 、 希 望 す る職 種 の違 い に よ って 、 学 生 の 協 同 作 業. 表1.協. 同 作 業 認 識 尺 度18項. 目. 護 系 大 学 の看 護 学 生1年 生62名 。 調 査)と 平 成25年2. 月(2次 調 査) 1次 調 査 で は、 前 期 の 授 業(基 礎 看 護 技 術1)の. 調 査 目的 を学 生 に説 明 し、 質 問 紙 調 査 を行 った 。 3.調 査 内 容 1)長. 濱 ・安 永 らの 開 発 した協 同作 業 認 識 尺 度18項 目完. 全 版(表1参. 照)。. 完 成 版(質 問 紙 調 査 の 内容). 項. 目. 内. 容. 協同効用因子 1)た くさん の仕 事 で も、 みん な と一 緒 に や れ ば 出来 る気 が す る。 2)協 同 す る こ とで 、 優 秀 な人 よ り優 秀 な成 績 を得 る こ とが で きる。 3)み ん なで 色 々 な意 見 を 出 し合 う こ とは有 益 で あ る。 4)個 性 は多 様 な人 間 関 係 の 中 で磨 か れ て い く。 5)グ ル ー プ活 動 な らば、 他 の人 の意 見 を聞 く こ とが で きる の で 自分 の知 恵 も増 え る。 6)協 同 は チ ー ム メ ー トへ の信 頼 が 基 本 で あ る。 7)一 人 で や る よ り も協 同 した方 が 良 い成 果 を得 られ る。 8)グ ル ー プ の た め に 自分 の力(才 能 や技 能)を 使 うの は楽 しい。 9)能 力 が 高 くな い人 た ち で も団 結 す れ ば良 い成 果 を 出せ る 個 人 志 向因 子 10)周 り に 気 づ か い し な が ら や る よ り一 人 で や る 方 が 、 や り 甲 斐 が あ る 。 11)み. ん な で 一 緒 に 作 業 す る と、 自 分 の 思 う よ う に で き な い 。. 12)失. 敗 し た 時 に 連 帯 責 任 を 問 わ れ る く ら い な ら、 一 人 で や る 方 が 良 い 。. 13)人. に指 図 され て 仕 事 は した くな い。. 14)み. ん な で 話 し合 っ て い る と時 間 が か か る 。. 15)グ. ル ー プ で や る と必 ず 手 抜 き す る 人 が い る 。. 互恵懸念因子 16)協 同 は仕 事 ので き な い人 の た め に あ る。 17)優 秀 な人 た ちが わ ざ わ ざ協 同す る必 要 は な い。 18)弱 い者 は群 れ て 助 け合 うが 、 強 い者 に は そ の必 要 は な い。 引 用:長. 濱 文 与 ・安 永 悟 ・関 田 一 彦 ・甲 原 定 房:協. 初. 回 に調 査 目的 を学 生 に説 明 し、 質 問紙 調 査 を実 施 した。 2次 調 査 で は、 後 期 の 最 終 授 業(基 礎 看 護 技 術II)に. 同 作 業 認 識 尺 度 の 開 発,教. 育 心 理 学 研 究,57.24-37,2009..
(3) 大学生活1年 を経験 した看護学生 の協 同作業認識 の変化. 協 同 効 用(9項 (3項. 目)の3因. 目),個 人 志 向(6項. 目),互 恵 懸 念. 子 か ら構 成 され る。3因. 子18項 目が. 適 正 あ モ デ ル で あ るか は、 確 証 的 因 子 分 析 が 行 わ れ 、. 53. 法 人 滋 賀 県 立 大学 研 究 に関 す る倫理 審 査 会 の承 認 を 得 た。. 皿.研. 究結果. 十 分 な 適 合 度 が 示 さ れ て い る。 学 生 の 抱 く素 朴 な認 識 を考 慮 して 、 具 体 的 に作 成 さ れ た もの で あ る。 調 査 に. 有 効 回 答 率58名(97%)。. 用 い た 質 問 項 目 に対 し、 ど の程 度 同意 で き るか を5件. の 属 性 は 、 年 齢 が18∼19歳. 法 で評価 す る もの で あ る(1:全. で あ った。. くそ う思 わ な い∼5:. とて も そ う思 う)。 協 同 作 業 認 識 尺 度 は 、 協 同 効 用 (協 同 作 業 が 効 果 的 で あ る と認 識)を. 高 く評 価 し、 個. 名(88.3%)が. 1)協. 年 齢18∼19歳. 、 性 別 は 女 性56名 、 男 性4名. 同 作 業 認 識 尺 度 の 下 位 尺 度:協. 1次 調 査 時(入 (1年. 業 に よ る利 益 を得 る こと が難 しい とい う認 識)を 低 く. <0.01)。. 評 価 す る ほ ど、 協 同 作 業 に対 す る認 識 が 肯 定 的 で あ る. (16.5±3.4点)が1次. 個 人 志 向 の 得 点 は 、2次 調 査 時(入. よ り 、 有 意 に 高 か っ た(p〈0.05)。. 性:部 活 ・サ ー ク ル の所 属 ・ボ ラ ンテ ィア活 動. で は 、2次. 3)希. 望 職 す る職 種(看 護 師、 保 健 師 、 助 産 師 、 養 護 教. 査 時(入. 調 査 時(1年. 2)大. 析方法. SPSS19.0を. 用 い て 分 析 実 施(ノ. 定Mann-WhitneyのU検. 定)し. ンパ ラ メ ト リ ッ ク 検. た。. 満 足 の比 較 で は、 協 同 効 用 に お. 3)1年. 間 の 地 域 貢 献 の 経 験 有 群/無. 4)臨. 床 希 望 群(看. 護 師 ・助 産 師)/非. 健 師 ・養 護 教 諭)の1年. 評 価 に は不 利 益 が な い こと、 得 られ た デ ー タ は研 究 目的. は 、 非 臨 床 希 望 群(5.9±0.4点)が. 以 外 に使 用 しな い こ と、 守 秘 義 務 な ど につ い て 説 明 し、. ±0.3点)よ. 同意 と協 力 を 得 た。 こ の調 査 の実 施 に あ た り、 公 立 大 学. 参 照). 有 群(5.04±. 臨 床 希 望 群(保. 後 の互 恵 懸 念 に お け る比 較 で 臨 床 希 望 群(5.00. り 、 有 意 に 高 か っ た(p<0.05)。(表3. 学生 活1年 後 の協 同 作業 認 識 尺 度 の 変化. 協同作業認識尺度. 時 期. 有意差 1年 後. 入学 時 協同効用. 39.6ア4.1. 36.9ア6.2. 0.001. * * *. 個人志向. 15.1 ア3.4. 16.5ア3.4. 0.003. * * *. 互恵懸念. 5.0 ア 1.5. 5.4ア . 表3.1年. 群 の比 較 で は、 互. り、 有 意 に 高 か っ た(p〈0.05)。. 本 調 査 の 目的 ・方 法 ・内容 、 参 加 の 自由 、 個 人 の成 績. 表2.大. 不 満 足 群(34.8±3.1. 恵 懸 念 に お い て 、 無 群(5.6±1.5点)が. 理的配慮. 1.8. 後 の 希 望 職 業(臨 床 希 望 群/非 臨 床 希 望 群)間. 0.69. **p<0.05 . ***p<0.01. **p<0.05 . ***p<0.01. で の比 較. 職 種. 協同作業認識尺度. 臨床希望群 非 臨床希望群. 有意差. 協同効用. 38.3ア0.7. 34.8 ア 1.7. 0.146. 個人志向. 16.2ア0.6. 17.0ア0.6. 0.391. 互恵懸念. 5.0ア0.3. 5.9 ア 0.4. 0.046. 調. り、 高 い傾 向 に あ っ. り、 有 意 に 高 か っ た(p<0.05)。. 2.1点)よ. 5.倫. 互 恵 懸 念 の得 点. 照). 学 生 活 に 満 足/不. 点)よ. 後). 後)(5.4±1.8点)が1次. い て 、 満 足 群(40.0±3.3点)が 4.分. 調 査 時(1年. 学 時)(15.1±3.4点). 学 時)(5.0±1.5点)よ. た(p<0.1)。(表2参. 調査 時. り 、 有 意 に 低 か っ た(p. 2)属. 学 が 希 望 大 学 か ど うか 、 大 学 生 活 の満 足 度 な ど。. 同 効 用 の 得 点 は、. 学 時)(39.6±4.1点)が2次. 後)(36.9±6.2点)よ. と判 定 され る8)。. 4)本. 中 の53. サ ー ク ル ・部 活 に 所 属 し て い た 。 対 象 者. 人 志 向(個 人 作 業 を好 む傾 向)と 、 互 恵 懸 念(協 同 作. 諭). 、58名. * *.
(4) 正. p53の 表2の. 表2.大. 誤. 数 値 に誤 りが 有 りま した の で訂 正 い た します. 学 生 活1年 後 の協 同作 業 認 識 尺 度 の変 化. 協同作業認識 尺度. 時 . 期 後. 協 同効用. 39.6ア4.1. 36.9 ア 6.2. 0.001. ***. 個人志向. 15.1 ア 3.4. 16.5 一1一 3.4. 0.003. * * *. 互 恵懸念. 5.0 ア 1.5. * * p<0.05 . 表2.大. 0.069. 5.4ア1.8. * * * p<0.01. 学生 活1年 後 の協 同作 業 認 識 尺 度 の 変 化. 協同作業認 識尺度. 時 入 学 時. 正. 有意差 1年. 入 学 時. 誤. 表. 期. 有意差 1年. 後. 協同効用. 39.6ア4.1. 36.9ア6.2. 0.001. * * *. 個人志向. 15.1 ア 3.4. 16.5 ア 3.4. 0.003. ***. 5.4ア 1.8. 0.69. 互恵懸念 **p<0.05 . ***p〈0.01. 5.0ア1.5.
(5) 米 田 照美. 54. 5)本. 学 が 希 望 大 学 の 有 群/無. 群 との 比 較 で は、 協 同 効. 用 に お い て 、 有 群(37.6±4.0点)が 点)よ 6)サ. あ り方 を も変 化 を 及 ぼ して い る。PCや 携 帯 端 末 か ら. 無 群(36.0±8.0. や り取 りさ れ る ラ イ ンや チ ャ ッ トに よ る会 話 や 情 報 交. り 、 高 い 傾 向 に あ っ た(p<0.1)。 ー ク ル ・部 活 動 の 有 無 の 有 意 差 に っ い て は 、 ほ と. ん ど の 学 生 が 何 らか の 部 活 動 ・サ ー ク ル に 所 属 して お. 1.協. 係 の トラ ブル へ と発 展 して い る こ と も少 な くな い。. 察. 情 報 化 の影 響 で 近 年 、 情 報 ネ ッ トワー クを 活 用 した. 同 作 業 認 識 と発 達 的 特 徴 ・社 会 化 と関 連 につ いて. 本 調 査 で は、 大 学 生 活1年. 換 が 人 間関 係 を形 成 ・維 持 す る上 で重 要 な ツール に な っ て い る。 個 人 の 自由 意 思 に よ り、 容 易 に っ な が り、 容 易 に離 れ られ る ネ ッ ト社 会 は、 希 薄 な 関係 性 を 象 徴 し て い るよ うに 見 え る反 面 、 そ の ッー ル が新 た な 対 人 関. り、 比 較 が 出 来 な か っ た 。. IV.考. わ れ て い る12)。ま た 、 情 報 化 の波 が 学 生 の対 人 関 係 の. 学 習 方 法 に学 生 の 関 心 が 高 ま って い る。 遠 隔 授 業 や 電. の経 験 で 協 同 効 用 が 有 意. 子 媒 体 を介 在 と した授 業 の導 入 が以 前 に も増 して い る。. に低 下 し、 個 人 的 志 向が 有 意 に高 くな り、 互 恵 懸 念 が. 学 生 の グ ル ー プ ワ ー クの 作 業 状 況 を観 察 して い る と、. 高 い 傾 向 に あ っ た。. 出題 さ れ た課 題 を 役 割 分 担 し、 個 々 で作 業 す る場 合 が. 発 達 的 な 特 徴 か ら考 察 す る と、 協 同 効 用 は、18∼19. 見 られ る。 課 題 に必 要 な知 識 は イ ン ター ネ ッ トか ら検. 歳 の 年 齢 層 と20代 ∼30代 年 齢 層 との 比 較 で は18∼19歳 の年 齢 層 が有 意 に低 い とい う報 告 が あ る7)。青 年 期 は、. 索 す る傾 向 が 否 め な い。 そ の よ うな形 の学 習 方 法 の ほ とん ど が協 同 学 習 と呼 べ な い もの が多 い と言 わ れ て い. 同一 性 形 成 の 時 期 で あ り、 役 割 拒 否 が 生 じや す い と言 わ れ て い る。 こ の発 達 的 特 徴 が協 同作 業 認 識 の 低 下 に っ な が った 可 能 性 も否 め な い。. る14)。PC・ 携 帯 端 末 か ら学 習 者 が 情 報 提 供 者(物). . 大 学 組 織 へ の社 会 化 と い う側 面 か ら考 え て み る 。 組 織 の 社 会 化 に は、 在 籍 期 間 の長 さ が 所 属 組 織 へ の. か ら情 報 を 得 るだ けの 学 習 方 法 は、 協 同学 習 と は程 遠 い学 習 方 法 で あ る。 ま た、 学 習 過 程 に お い て 、 相 手 が 自分 を高 め て くれ て い る と い う実 感 が持 ち に くい。 異 な る他 者 が お 互 い 意 見 を交 わ し、 議 論 し合 い 、 高 め合. 愛 着 や メ ンバ ー間 の相 互 作 用 に影 響 す る と言 わ れ て い る1°)。 入 学 して1年 で は、 大 学 と い う組 織 へ の 愛 着 も. え る関 係 性 を つ く って こ そ、 協 同学 習 の 意 味 が あ る。. 学 生 間 の相 互 作 用 も少 な い 状 態 で あ る と考 え られ る。 入 学 後 、 学 生 は、 大 学 と い う組 織 の 社 会 化 の 作 用 を一. 従 来 の若 者 と比 較 す る と現 代 の学 生 に は、 難 しい現 状 に あ るの か も しれ な い。. 方 的 に 受 けて い る存 在 で は な い。 自 ら大 学 組 織 に馴 染. 大 学 に お け る成 績 評 価 お よ び単 位 の規 定 に関 す る変. も う と人 間 関 係 の構 築 に励 ん だ り、 必 要 な 情 報 を収 集. 化 か ら 考 察 す る 。 昨 年 度 よ り、 本 学 で は 、GPA. した り、 環 境 を解 釈 した りす る こ とで 組 織 へ の 適 用 に. しか しなが ら、 そ の よ うな関 係性 を構 築 で き る環 境 が、. (Grade Point Average)制. 度 が 導 入 され た こ とが. む けて 主 体 的 に行 動 しよ う とす るプ ロ ア ク テ ィブ行 動. 挙 げ られ る。 従 来 の 成 績 評 価 に関 係 な く、 全 学 部 生 が. (個 人 の 先 取 り的 な 自 己 社 会 化 行 動)を 発 揮 して い る と思 わ れ るn)。一 般 的 に看 護 系 大 学 の学 生 は、 学 業 と. 保 健 師 課 程 を 履 修 で き た が 、GPA(Grade Point Average)制 度 導 入 後 で は、1∼2年 次 の成 績 評 価 の. 職 業 に っ な が りが あ る た め、 基 礎 教 育 期 間 中 に職 業 的. 高 い 学 生 が 優 先 的 に選 抜 さ れ る。GPA導. 社 会化 を促 す機 能 が働 く傾 向 に あ る と言 われ て い る12)。. 入 が、学 生. 中 で も看 護 系 の 学 生 が 専 門職 と して意 識 や 規 範 を最 も. 間 の人 間 関 係 を 助 け合 うべ き関 係 か ら、 競 争 関 係 と し て い る可 能 性 が 考 え ら れ る。GPA以 前 の研 究 デ ー タ. 効 果 的 に内 在 化 させ る教 育 形 態 は 臨 地 実 習 で あ る と言. が な い た め、 明 言 は で き な い が 、 そ の よ うな 現 状 が、. わ れ て い る13)。. 入 学 後 の1年 間 で 個 人 志 向 が 強 くな った可 能 性 は否 め. しか しなが ら、 入学 後 ∼1年 目 は、教 養 科 目(語 学 、 人 間 学 な ど)の 履 修 が 多 く、 臨地 実 習 は、3∼4年. 生. に な らな い と履 修 で き な い。 そ の た め 、 入 学 ∼2年. 目. で は、 学 業 と職 業 的 なっ な が りが感 じられ な い学 年 で. な い。 本 調 査 の 結 果 にお いて 、 協 同効 用 も低 く、 互 恵 懸 念 が高 くな った 背 景 に は、 協 同 学 習 に必 要 な互 恵 的 な協. あ る と も考 え られ る。 学 業 と職 業 の つ な が りが 感 じに. 力 関係 や生 産 的 相 互 交 流 の不 充 分 さ が考 え られ る。 そ の た め学 習集 団 の 目標 の 認 識 を弱 く、 学 習活 動 にお け. くい と、 自分 の 目標 ・興 味 ・手 段 な どの 理 解 や 把 握 が. る個 人 の役 割 や 責 任 を 不 明 瞭 に して い る可 能 性 が 考 え. 困 難 に な り学 業 意 欲 が 低 下 す る傾 向 が あ る と言 わ れ て い る14)。. られ る。 人 と人 、 人 と学 校(大 学)と. の交 流 を 積 極 的. に行 い、 お互 い に学 習 情 報 を共 有 し、 学 習活 動 を 支 援. 学 生 を取 り巻 く社 会 的 環 境 の 変 化 か ら考 察 す る と、. し合 え る信 頼 関 係 を 作 り上 げ、 学 び の共 同体 と い うべ. 現 代 の 若 者 は、 ラ イ フ ス タ イ ル、 家族 形 態 、 人 間 関 係 な ど個 人 の 自 由 な選 択 が 認 め られ る 「個 人 化 」 が 広 が. き環 境 を作 る と こ ろ に協 同 学 習 の意 義 が あ る と言 わ れ. り、 対 人 関 係 の 結 びつ き が以 前 よ り も希 薄 で あ る と言. 今 回 の結 果 か ら学 生 同 士 が 学 び合 え る関係 、 環 境 に. て い る15)。.
(6) 大学生活1年 を経験 した看護学生 の協 同作業認識 の変化. 55. 多少 の 変 化 を 生 じ、 協 同学 習 の認 識 に 何 らか の 影 響 を. 否 め な い。 保 健 師 ・養 護 教 諭 は看 護 師 と比 較 す る と、 同. 及 ぼ して い る可 能 性 が 考 え られ る。 今 後 の学 生 の 協 同 作 業 認 識 の 変 化 にっ い て 述 べ る。. 職 種 の人 数 が 少 な く、 同 職 者 間 で の協 同作 業 の 頻 度 は少 な い可 能 性 が 考 え られ る。 中 で も養 護 教 諭 は学 校 と い う. 大 学 修 学 シ ス テ ム に協 同 的 な手 法 を 用 い た 学 習 が 多 い. 組 織 の 中 に1人. 場 合 は、 協 同 作 業 を肯 定 的 に捉 え る学 生 が 否 定 的 に捉 え る学 生 よ り も大 学 に お け る学 習 に 適 応 的 で あ る。 協. 会 は極 め て少 な い 。 そ の 分 、 個 人 の力 量 や責 任 に仕 事 が. 同作 業 を 肯 定 的 に捉 え る学 生 は、 否 定 的 な 学 生 よ り も. 相 互 独 立 的 自己 観 が 高 い学 生 が 希 望 して い る可 能 性 が 否 め な い。. 内 発 的 動 機 づ け られ 、 協 同作 業 に 否 定 的 な 学 生 は、 肯. しか 存 在 せ ず 、 同業 者 と協 同作 業 す る機. ゆ だね られ て い る。 したが って 、個 人 作 業 を重 視 し好 み、. 定 的 な 学 生 よ り も外 的 に動 機 づ け られ 学 習 して い る と い う報 告 が あ る9)。看 護 系 大 学 で は、 実 習 ・演 習 を始. 以 上 の よ うな 職 業 的 特 徴 を ど の程 度 、 イ メ ー ジ し、 理. め、 修 学 シ ス テ ムが 学 生 参 加 型(実. 職 種 の 臨床/非. 践 的)で. あ り、 協. 同 的 な 手 法 を 用 い る授 業 の割 合 が他 学 部 と比 較 す る と 多 い 。 今 後 、 学 年 を重 ね、 看 護 系 大学 と い う組 織 に長 期 間 、 所 属 す る こ と で、 看 護 専 門職 と して 社 会 化 され る。 さ ら に、 協 同 的 な学 習 を受 け る機 会 が 増 し、 学 生 間 の 関 係 性 が 深 ま り、 協 同 して学 び 合 う高 め 合 う こ と の効 果 を 学 生 自身 が 体 験 的 に理 解 す る こ とで 、 協 同 作. 解 して い た か は、 今 回 の 調 査 で 明 らか で はな い が 、 希 望 臨 床 に よ る協 同 効 用 の違 い は、 各 職 種 の. 作 業 内容 の特 徴 を 多 少 な りと も反 映 して い る可 能 性 は否 め な い。 最 後 に本 学 が 希 望 大 学 の 有 群/無 群 との比 較 で は、 協 同効 用 に お い て 、 有 群 が 無 群 よ り、 高 い 傾 向 に あ っ た。 希 望 大 学 へ入 学 で きた か ど うか とい う動 機 付 け も協 同 効 用 に影 響 して い る可 能 性 が 考 え られ る。. 業 に 否 定 的 な 学 生 の協 同作 業 認 識 が好 転 す る可 能 性 が 考 え られ る。 2.互. V.結. 恵 懸 念 と職 業 志 望 と の 関連 に つ い て. 語. 臨床 希 望 群(看 護 師 ・助 産 師)と 非 臨 床 希 望 群(保 健. 今 回、A大 学 看 護 系1年 生 の協 同 作 業 認 識 の変 化 と そ の属 性 につ いて調 査 した結 果、 以 下 の ことが 明 らか とな っ. 師 ・養 護 教 諭)の 互 恵 懸 念 に お け る比 較 で は、 非 臨 床 希. た。. 望 群 が 臨 床 希 望 群 よ り、 有 意 に高 か った 。 臨 床 群 が 非 臨. 1.大. 床 群 と比 較 して 協 同 作 業 意 識 が高 い こ とが 示 され た。 臨. 高 い。 大 学 生 活1年 で は、 学 生 間 の相 互 交 流 ・関 係 性. 床 群(看. の構 築 が 不 十 分 で あ る た め、 協 同学 習 時 の互 恵 的 な協. 護 師 ・助 産 師 群)が 非 臨床 群(保. 健 師 ・養 護 教. 学 生 活1年. 後 で は、 協 同 効 用 が低 く、 互 恵 懸 念 が. 諭 群)と 比 較 す る と、前 者 の方 が チー ム医 療 と して 連携 ・. 力 関係 に影 響 す る可 能 性 が あ る。 そ の要 因 と して 学 生. 協 働 して 作 業 す る と い う印象 を学 生 が 持 って い る可 能 性 が考 え られ る。. の社 会 的背 景 や 青 年 期 の 発 達 的 特 徴 が影 響 して い る可. 職 業 的 な 特 徴 か ら、 臨 床 で働 く看 護 師 ・助 産 師 は複 数 の 同業 者 や 医 師 ・薬 剤 師 ・理 学 療 法 士 、 栄 養 士 ・看 護 助 手 ・ク ラ ー クな ど多 くの他 職 種 と連 携 ・協 働 して 、 チ ー ム で作 業 す る こ とが多 い。 ロ ー テ ー シ ョン ・退 職 な どで 、. 能 性 が否 め な い 。 2.臨 床 希 望 群(看 護 師 ・助 産 師)と 非 臨床 希 望 群(保 健 師 ・養護 教 諭)の 互 恵 懸 念 に お け る比 較 で は、 非 臨 床 希 望 群 が 臨 床 希 望 群 よ り、 有 意 に高 か った 。 希 望 職 業 が協 同作 業 認 識 に影 響 を及 ぼす 可 能 性 が あ る。. 職 員 も流 動 的 で あ る。 そ の 中 で 関係 性 を 作 り、 協 力 して 作 業 して い く必 要 が あ る。 他 者 と協 力 して 作 業 す る こ と を好 む 学 生 が 希 望 して い る可 能 性 が考 え られ る。 しか しな が ら、 す べ て の学 生 が他 者 との 協 同 作 業 を重. 謝. 辞. 視 し、 好 ん で い る と は限 らな い。 協 同作 業 の 効 果 を理 解. 本 研 究 は、 ご く一 部 の 限 られ た大 学 で の調 査 で あ る た め、 結 果 の一 般 化 に は限 界 が あ る。 本 研 究 を ま とめ る に. して い る こ と と、 学 生 自身 の性 質(向. あ た り、 調 査 に 協 力 して 下 さ い ま した看 護 学 生 の 皆 様 に. き不 向 き)と は別. で あ る。 学 生 の 中 で も、 相 互 独 立 的 自己 観 を 強 く もっ 者. 感 謝 申 し上 げ ま す 。. は、 自己 評 価 が 高 く、 承 認 さ る こ とで動 機 づ け られ る た め、 個 人 作 業 を 重 視 し、 好 む傾 向 が あ る と言 わ れ て い る 15) 。 そ の 場 合 、 他 者 と協 力 して作 業 す る こ とよ り も、 個. 文. 献. 人 で作 業 し、 個 人 が 評 価 さ れ る こ とを 望 む た め 、 互 恵 懸 念 が 高 くな り、 協 同 作 業 の効 果 の認 識 は低 くな る傾 向 に. 1)杉. あ る。. 2)杉. 学 生 の 看 護 師 の イ メ ー ジや保 健 師 の イ メ ー ジか ら、 協. . 授 業 改 善 教 育 心 理 学 年 報 vol.45, p156-165,. 同作 業 を 行 う イ メ ー ジに多 少 な り と も差 が あ る可 能 性 も. . 2004.. . 江 修 治:協. 同 学 習 入 門 、 ナ カ ニ シ ヤ 出 版,2011,. 29-64. 江 修 治,教. 育 心 理 学 と実 践 活 動 協 同学 習 に よ る.
(7) 米 田 照美. 56. 3)安 4)ジ. 永 悟:協. ョ ン ソ ン,.D. J.:学. Johnson,. W/ジ. お け る組 織 適 応 タ イ プ に 関 す る実 証 分 析,日. 本 教. 学 会 誌,Vol . 育 心 理 学,vol48,163-172,2009.. ク,E. . 5). 同 学 習 に よ る 大 学 授 業 へ の 展 望,日. ョ ン ソ ン, R. T/ホ. 習 の 輪,二. ル ベ ッ. 瓶 社,7-28,2010.. D. W. , &Johnson,. R. T, Instructional. 11)小 川 憲 彦:組. 本経営. 29,54-67,2012.. 織 社 会 化 戦 術 とプ ロア クテ ィ ブ行 動 の. 相 対 的影 響 力,経 営 行 動 科 学 学 会 年 次 大 会 発 表 論 文 集,Vol.14,366371,2011.. gole structure: cooperative, competitive, or indiv idualistic. Review of Educational Research, 44, 2 13-240, 1993. 6) Aronson, E. , Blaney, N. T. , Sikes, et. al. Busing and racical tension : The jigsaw route to learning and liking. Psychological Today, Feb. , p43-59, 1975.. 12)長. 7)長. 接 続 に対 す る意 識 と大 学 適 応 一 自己不 一 致 理 論 の 観. 濱 文 与 ・安 永 悟,(2008).協. 同作 業 の 認 識 が 学 習. 谷 川 美 貴 子:看. 護 学 生 に お け る職 業 社 会 化 と 職 業. 意 識 の 関 係 性,淑. 徳 短 期 大 学 紀 要,No.51,167. 184, 2012. 13)白. 鳥 さ っ き:看. 護 大 学 生 が 看 護 職 を 自己 の 職 業 と決. 定 す る ま で の プ ロ セ ス の 構 造,日 誌,Vol.32 14)半. 本看護 研究学会雑. No.1,113-123,2009.. 澤 礼 之 ・坂 井 敬 子:大. 学 生 に お け る学 業 と 職 業 の. 意 欲 に 及 ぼ す 影 響.日 本 教 育 心 理 学 会 第50回 総 会 論. 点 か ら一,進. 路 指 導 研 究,Vol.2,1-9,2005.. 文 集,2-31,2008.. 15)杉. 育 心 理 学 と 実 践 活 動,教. 8)長. 濱 文 与 ・安 永 悟 ・関:: 彦 他:協. の 開 発,教 9)長. 10)尾. 育 心 理 学 研 究,57.24-37,2009.. 濱 文 与 ・安 永 悟,大. の 変 化,南. 同作業認識尺度. 学 生 の協 同作 業 に対 す る認 識. 山 大 学 紀 要,35-42.2009.. 形 真 美 哉:プ. ロ フ ェ ッ シ ョナ ル の キ ャ リア初 期 に. 江 修 治:教. Vo1.43,156 16)阿. 育 心 理 学 研 究,. 165,2004.. 形 亜 子 ・釘 原 直 樹:相. 互 独 立 的 自 己 観 ・協 調 的 自. 己 観 が 社 会 的 手 抜 き に 及 ぼ す 影 響,対 研 究,Vol.8.71-76,2008.. 人社 会心理学.
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