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トンネル出口側におけるトンネル微気圧波低減対策に関する一考察

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Academic year: 2022

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トンネル出口側におけるトンネル微気圧波低減対策に関する一考察

JR東日本研究開発センター 正会員 ○石川 聡史 JR東日本研究開発センター 正会員  柳沼 謙一   1.はじめに  

列車が高速でトンネルに突入すると,トンネル出口側で発破音が鳴ったり,付近の家屋の窓や戸が揺れたりする ことがある.この現象はトンネル微気圧波(以下,微気圧波)によるもので,微気圧波の放射面積が小さい坑口で は,放射面積が大きい坑口と比較して微気圧波が大きくなる傾向がある.そこで,微気圧波の放射位置を緩衝工の 設置(もしくは延伸)によって掘割(平地)区間から高架橋区間に移設した場合の微気圧波の低減量を確認するた め,緩衝工設置(延伸)前および設置(延伸)後の微気圧波を測定して,両者の比較を行った.

 

2.従来のトンネル緩衝工 

トンネル緩衝工(以下,緩衝工)は,微気圧波の地上施設での代表的な対策で あり,図1のようなトンネル入口に設置されるフード形状の構造物である.緩衝 工の効果は延長により決まるので,列車高速化に伴い延伸が必要となる.しかし,

従来型緩衝工は主に線路方向の長さによって微気圧波低減に一定の効果を発揮 しているものの,列車速度を向上させる場合には延伸が必要で,用地取得や線路 に近接した作業が多くなることから,設置費用が増大することが欠点となってい る.また,緩衝工長さが長くなるにつれて緩衝工延伸による微気圧波低減量が小

さくなるため,既に長大な緩衝工が設置されている坑口では緩衝工延伸による微気圧波低減量が小さくなる.

 

3.微気圧波の放射面積と微気圧波の関係  トンネル坑口が微気圧波の放射面積が小さい切 土(掘割)区間にある場合,微気圧波が大きくな る傾向にある.微気圧波の大きさは微気圧波が放 射される坑口付近の放射面積と反比例の関係にあ るため,従来の緩衝工やシェルターなどにより坑 口位置を放射面積が大きい高架橋区間に移行する ことによって微気圧波が低減できると考えられる.

4.微気圧波測定・評価 

微気圧波の放射位置を緩衝工によって平地区間から高架橋 区間に移設した場合の微気圧波の低減量を確認するため,表1 に示すトンネル坑口において緩衝工延伸前および延伸後の微 気圧波を測定した.なお,緩衝工延伸により放射面積が変化 しないCトンネル坑口においても測定および評価を行った.

4.1 検討概要 

微気圧波の評価位置は図3に示すとおり,緩衝工延伸前および延伸後の坑口から20m離れの点とした.微気圧波 の大きさは,微気圧波が放射される坑口から受音点までの距離と反比例の関係にある.したがって,緩衝工延伸前

キーワード トンネル微気圧波,トンネル微気圧波対策,トンネル緩衝工,トンネル微気圧波放射面積 連絡先    〒331-8513 埼玉県さいたま市北区日進町2丁目479  JR東日本 研究開発センター  TEL 048-651-2552

表1 微気圧波測定坑口

トンネル緩衝工 (坑口)地形条件 測定坑口名 既設緩衝

工延長

緩衝工

延伸量 延伸前 延伸後

Aトンネル坑口 0m 11m 平地 高架 Bトンネル坑口 10m 7m 平地 高架 Cトンネル坑口 21.5m 12.5m 掘割 掘割

<切土区間>       <高架橋区間> 

図2 トンネル坑口周辺状況

図1 トンネル緩衝工

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑263‑

Ⅶ‑132

(2)

トンネル または 既設緩衝工

緩衝工 延伸

20m 20m

緩衝工  延伸前 

図3 微気圧波測定位置

緩衝工 延伸後

列車退出 および延伸後の微気圧波の大きさが異なる場合は,放射位置の違

いにより微気圧波の大きさが変化したものと考えられる.

4.2 検討結果 

緩衝工延伸前および延伸後の微気圧波の測定結果を図4に示す.

(1)Aトンネル坑口

緩衝工延伸後の微気圧波は延伸前と比較して約 30%小さくな った.これは,緩衝工延伸に伴い微気圧波放射位置が平地から高 架橋区間に移設したため微気圧波が低減したと考えられる.

(2)Bトンネル坑口

緩衝工延伸後の微気圧波は延伸前と比較して約 35%小さくな った.これは,緩衝工延伸に伴い微気圧波放射位置が平地から高 架橋区間に移設したため微気圧波が低減したと考えられる.

(3)Cトンネル坑口

緩衝工延伸前と延伸後の微気圧波はほぼ同程度となった.当該 箇所の緩衝工延伸量は約 12mであるが,緩衝工を延伸しても放 射位置の地形(放射面積)が変化しないため,微気圧波の大きさ も変化しなかったと考えられる.

 以上の結果から,微気圧波の放射位置を緩衝工の設置および延 伸によって放射面積が広い区間に移設することにより,微気圧波 が低減できることが明らかになった.従来の微気圧波対策は列車 突入側の坑口に緩衝工を設置(延伸)することで列車退出側の微 気圧波の軽減を図っていたが,従来の緩衝工を微気圧波が放射さ れる坑口に設置して放射位置を変更することも微気圧波低減対 策の有効な手段であることが確認された.既に長大な緩衝工が設 置されている坑口において,さらなる微気圧波低減対策を必要と する場合は,微気圧波が放射される坑口での対策が有効と考えら れ,微気圧波対策の効率化向上およびコストダウンが可能になる ことが期待される.

5.おわりに

トンネル微気圧波の大きさは,微気圧波が放射される坑口の放 射面積と密接な関係があることが判明した.微気圧波の放射位置 を緩衝工の設置および延伸によって微気圧波の放射面積が広い 区間に移設することにより,微気圧波が低減できることが明らか になった.今後,微気圧波の放射面積と微気圧波の大きさの関係 について模型実験を行い,さらに精度を上げた調査を行う.

参考文献 

1) 小沢,内田,前田;入口緩衝工によるトンネル出口微気圧波の低減,鉄道技術研究資料,1978.2 2) 小沢智;トンネル出口微気圧波の研究,鉄道技術研究報告,№1121,1979.7

 

10 20 30 40 50 60

列車速度(km/h)

微気圧波(Pa)

J編成(延伸後)

R編成(延伸後)

P編成(延伸後)

J編成(延伸前)

R編成(延伸前)

P編成(延伸前)

10dB

250 200

150

 

0 10 20 30 40 50

列車速度(km/h)

トンネル微気圧波Pa)

J編成(延伸後)

R編成(延伸後)

P編成(延伸後)

J編成(延伸前)

R編成(延伸前)

P編成(延伸前)

250 200

150 10dB

 

0 10 20 30 40 50

列車速度(km/h)

微気圧波(Pa)

J編成(延伸後)

R編成(延伸後)

P編成(延伸後)

J編成(延伸前)

R編成(延伸前)

P編成(延伸前)

250 200

150 10dB

 

図 4 微気圧波測定結果 

(1) Aトンネル坑口

(2) Bトンネル坑口

(3) Cトンネル坑口

土木学会第65回年次学術講演会(平成22年9月)

‑264‑

Ⅶ‑132

参照

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