• 検索結果がありません。

「 不耕起栽培 」 が教 えて くれ る教育 ( その 2)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "「 不耕起栽培 」 が教 えて くれ る教育 ( その 2) "

Copied!
11
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

岡山大学紫数 ・数学教育学会誌

rパ ピルスJ 第12 (2005年)35見 ‑45頁

「 不耕起栽培 」 が教 えて くれ る教育 ( その 2)

岡山理科大学 洲 脇 史 朗

揺 らぐ教育界で地に着いた教育をす るためには,確かな 「教育理念」が必要である。

前回は,その理念の一つ と して厳 しい教育の堤 を設定す る r不耕起教育」 を提言 した。

そ して今回は,厳 しい教育の場 を殻定 しに くい学校現場の実憶 に即 した 「半不緋起教 育」を提言す る。

また,今年度不耕起教育の具体的事例を求めて訪問 した,小 ・中 ・高等学校 の中か ら3校の事例 を紹介す る。

1.は じめに

今ま さに教育界は揺 らいでい るO このよ う な時期 にこそ,我々教師は確 かな 「教育理念」 を持 ち,揺 るぎのない教育 を していかなけれ ばな らない。確かな 「教育理念」を持った教 師は,た とえその理念が実施 し難い状況にあ っても,その確か な自信 が子 どもた らに紫帖 らしい成長 を約束す る。つ ま り,今我 々教師 が何 をおいても取 り組 まなければな らない こ とは,確かな 「教育理念」の獲得であるOそ して前回, この理念の一つ として厳 しい教育 の場 を設定す る 「不耕起教 育」 を提言 した。

しか し,厳 しい教育の場 を設 定す ることが 困難 な学校は多い。 この よ うな現状 を考 え, 今回は実現が比較的容易 な 「半不耕起教育」

を提言す る。

また,今年度 は夏休 み を利 用 し

,

不桝 起

教育」 の参考 となるよ うな鞘例 を求めて数多 くの学校 を訪問 したが,今回はその中か ら小

・中 ・高 等学校 各1校 ず つ の事例 を紹介 す る。

2,前回のま とめ

前阻述べた" 「不桝起栽 」が教 えて くれ る教育日の概略は次のよ うなものであ,T)0

3 5

冷害 に強 い稲作 を 目指 していた稲 作研 究科 の岩滞 氏は,冷音 で大部分の稲が実 をつけな かった年 に東北地方 を訪問 し,畦 に近い稲 ∴

けが実 をつけているこ とを発見 Lた。 田んほ で畦の近 くは耕転機 の 地が入 らず耕 せ ていな いこ とが多い。 この ことか ら岩滞氏 は,苗は 耕 していない堅い田んぼに植 えることで.袷 音に強 くなるのではないか とい うヒン トを得 た。 その後の研究で,稲 は堅 い田んぼに根 を 張 ることで野生化 し,冷害や柄害 虫に強 くな ることが判 明 した。岩滞氏はこの耕 さない腰 法を 「不耕起栽培」 と名付 けた。

しか し意図的に,堅い田んぼに通 常の苗 を 柵 えてみ ると,植 えるの もや っかいな上 に, せ っか く苦労 して植 えた苗 も十分に根 を張 ら ない。 それ で もなん とか実 りはす るが収椎 が 半減す るo現在一般の頗家が使用 してい る苗 (稚苗) では歯が立たないのである。 そ こで 岩樺氏は,首の農家が使 っていた苗 (成‑HJ') に着 目したo Lか し,昔の成苗は確 かに稚 苗 よ りも勝 っていたが,まだまだ十分 とは言 え なか った。 目指す謀I‑の育成には大変 な努力 を 要 したが,やがて岩澗氏はこれ らの苦難 を乗 り切 って,堅い田んぼに根 を張 るこ とのでき る強 い苗 の育成 に成功 した。

この 「強 い苗 を作 り堅い田んぼで野生化 さ

(2)

せ る不耕 起栽塙」 は,人間の教 育に も多 くの 示唆 をJJ‑えてい る。 私は この示唆 に基 づいた 教育 を 「不耕起教 育 .Lf.付け,前【・J・]5.召介 し た。 そ こでは 田植 えu)時期 を中学校1句‑・七位 置づ けてい る。

・小柳 起教育 .)の骨子 は次の よ うの もので あ る。 まず 了 家庭 教育か ら保昔風,幼稚固, 小′'.]・F'榛 まで は,愛情 をそそ ぎなが らも しっか りと子 どもを鍛 えて,耕 していない堅 い 田ん :∫:ニ根 を張れ るだけの強い 品■にす る こと。 次 に,中学校1年 で多少 強引に整 い田んぼ‑移 植 し,中学2年以降は支援 はす るができ るだ けIrl助 けを控 えて,最終的 には 「全 部 自分た ちでやれ 」 と,堅 い 田んぼであ る厳 しい環境 に しっか りと相 を張 らせ ることである。 こ う

して,堅い 田んぼ に根 を張 った子 どもた ちは 野生化 し,予測で きない冷害や病害 虫に も強 いた くま しい成 人へ と成長 して い く。

3

.

「半不耕起栽培

しか し,稲 作で も困難な 「強 い苗 の育成

は,人間教 育では さらに困難 さを増す0 年ま れ てか ら,過剰 に手 取 り足取 りされ てきた現 在 の了 どもた ちを,強 く (耕 していない堅 い 田んぼに根 が張れ るまでに)鍛 えることな ど 不可能 に近 い こ とである。

それ では r/下耕 起教育」は現状 では照理 な 教育 なので あろ うか。 また,稲 作にお いて も 弱 い苗 では も う野生化 させ るこ とはできない ので あろ うか。私 は, この解答 を得 るために 平成17年5月,再 び千薬 県佐原 市の岩滞氏 を訪 れ た。 この とき.岩滞氏は弱 い苗 で もあ る程度野生 化でき る r半不耕起栽培 」 とい う 栽培法があ ることを教 えて くれ たO

それ は 田んぼの表 面を浅 く (5cmほ ど) 耕す農 法である。 これ だ と根 の一部は耕 した 蘇 らかい屈 ‑も伸 び るため,Ejfjい苗で も成長 でき る。 そ して堅 いTFIへ も根 を張 るこ とでい くらかは野生化す る。 まさに私 の 口指す とこ

ろであ る。

ただ しそ こには大 きな条件が あ る。 田植 え の際, 5cm以下の堅い層 に達す る よ うに移 植 しなければな らない と言 うことであ る。 そ れ よ り浅い と,根 は横着 を して柔 らかい屑 に 広 が るばか りで,下の喫 い層 には突 き進 まな い。 この ため野生化 しない どころか,実 りの 時期 には実の重 さに耐 えきれず倒伏 す る。 要 す るに,柔 らかい層 と堅 い眉 の両方 を用意 し た場合 ,放 ってお けば柔 らかい屑 に しか根 を 張 らないのだか ら,多少 強引であ って も堅 い 層 に も根 を張 るよ うに し向けなけれ ばな らな い。

そ こまで しないのな ら,深 く耕 して多輔 の 点 薬 を散布 しさえすれば ,耕 した ところまで は根 を張 り病富 虫 も近寄 らず, と りあえず 収 楼 で きるのだか ら,今 までの慣行 栽培 の方 が 安心であ る。 ただ し野生 化 は しない。

4.「半不耕起教育」

「半不耕 起栽 培 」 と同様 に

,

「半不耕 起 教 育」が考 え られ る。社会や多 くの家庭 で底 が 抜 けてい るのが現状であ るか ら,保 育園 ,幼 稚 【凱 小 学校 の教師がい くら頑張 って もそ こ には限界が ある。 したが って,ほ とん どの 中 学校はいま まの苗 を多 く受 け入れ るこ とに なる。 この よ うな状況では.い く ら野̲q=,化 さ せ るため とは 言え,子 ど もた ちを非 常に厳 し い教育環境に移植 して もあま り意 味 がない。

それ よ りも,や さ しい教 育環境 もJll意 して, ほ どほ どの野生化 を 目指 した力が 良い。 これ が 「半不耕起教育」 であ る。

稲 作では.田んぼの表 面 を5cm ほ ど浅 く 耕 してや り.その柔 らか い屑 に根 を張 らせ る こ とで,ひ弱な苗 に元気 をつ け, 同時 にそ の 下の墜 い屑 に根 を張 らせ ることで野生化 させ た。教育 で も同様 で,手 放 り足取 りす るや さ

しい部分 を設 けて,ひ弱 な生徒 に元 気 をつ け, 同時 に 「おまえた ちでやれ 」 と言 う厳 しい部 分 も設 けて野生化 させ るのであ る。耕 す深 さ

3 6

(3)

(手 を貸 す程度)は生徒 の実態 に合 わせれ ば よい。

ただ しそ こには半不耕起栽培 同様 大 きな条 件 が あ る。 最初 か ら,耕 していない堅 い (辛 を貸 さない厳 しい)屑 にまで苗 を差 し込ん で おか なけれ ばな らない ことであ る。 そ うしな けれ ば 苗は堅い厳 しい屑 には根 を伸 ば さず . 手取 り足取 りす る柔 らかい屑 にだけに根 を伸 ば し,や がて実 りの時馴 こ倒伏 して しま う.

この こ とを半不耕 起栽 培 は教 え て くれ て い る。

要 す るに最初 か ら

,

「自分 た ちでや れ 」 と い う厳 しい箇所 を,少 しでもよいか ら必ず作 ってお き,その箇所 だ けは緩 め るこ とな く強 要す る強 さが必要である。厳 しい環境 を用昔 したか らといって,それ を強要す る強 さがな けれ ば, ごまか しの成長 を促 し,か えってマ イナ スである。 それ な らば慣行栽培 同様 .今 までの =T‑取 り足取 りに徹 した似行教育 の方 が 無難 であ る。 ただ し野生化 は しない。

4.東京都足立区立弘道小学校 の事例 弘道小学校のあ る足立区は娼京都 北東部 に 位置す るベ ッ ドタ ウンで,学区域 は主 に住 宅 街 で あ り,同校 は各学年2クラスか らな る中 規模 の小学校 である。 また,弘道小学校 は水 戸の弘道館 の精神 を受 け継 ぎ,明治11年 開 校以来 ]28年の歴史 を持つ。 このため保 護 者 は,祖父 魁の代 か ら同校 に通 う家庭 と.新 しくや ってきた家庭 に二分 され てお り,学校 と地域 の人々 との交流 も探 い反 面,学校 教育 に無 関心な者 も多い。

弘道小学校 は平成15年度 か ら文部科学

の 「学力 向上 フロンテ ィアスクール」 に指 定 され ,地域 ,家庭 ,学校 ぐるみ で学力向上 に 取 り組 んでいる。私は平成17年'・9月13日 に同校 を訪 問 して,川上彰久校長 か らそれ ら の詳 しい話 を聞 くことができた。

弘道小学校 では,二学期制や 4年 生以上 の

‑3 7‑

教科担任 制,習熟度別授業. 20分間の朝学 管 (チ ャ レン ジタイ ム),夏休 み の学習相 軟 な ど数 々の取 り組 み を行 ってお り,地域や家 庭 の協力 を得 なが ら.学力向上 にllJJtナて El々 努 力 してい る。

(1)朝学習 (チ ャ レンジタイム)

弘道小 学校 の授 業 前20分 間 (8:20‑

8・40)は次 の よ うに定 ま ってい るO 月曜 児正 朝会

火曜 離字 ,計罪 ,英語活動 水曜 新聞活軌 読11.土F,ス ピーチ 木曜 児缶集 会

金曜 淡字 ,計昇 ,英語 括軌 他 特に火水金 の この時間 を 「チ ャ レン ジ タイ ム」 と呼んでい る。

漢字 と計算 は各学年 ご とに級 を設 けてテ ス ト形式 でチ ャ レンジ させ ている。 各級 は学年 の嘩元 と連動 してお り,単元終 了後 の役習が 主 な 目的 であ る。 6年 の場合添字 は1‑40 級 ,計算 は1‑ 20級 を設 けてお り,それ ぞ れ10問程度 のテス トを行 う。

このチ ャ レンジタイムに向けて子 どもた ち は家庭学習 して来 る。 単元 の進行 に合わせ て い るため先 の級 に進 む ことは しないが,不合 格 の級 は次回 に再挑戦 させ た り,夏休 みや冬 休 み を利 用 して遅れ を取 り戻 してい る。 この チ ャ レンジタイ ムの感 想 を保諸君 は次の よ う に寄せ てい る。

チ ャ レンジタイ ムの感想

・1段階ず つ 目標 が でき,学習が Lやす かった と思 う。

・子 ども臼身が個 々 に競争 心 を持 ち,令 格 に向か って前進 す ることはいい こ

とだ。

・友達 か ら遅れ る と,家 で頑 張 って練習 す るため,以前 よ り努力す るこ とが多

くな った。

(4)

・間逼 ってい る ところの直 しを しなけれ ば尖旭の効果 は無 い と思 う。

また この時rEIは学年 によって異 な るが,英 語活動,新聞活動 ,読;lit,ス ピーチな ども行 われ てお り,その感想 を保 護者は次の よ うに 寄せ てい る。

英語活動な どの感想

・朝か ら充実 した時間が過 ごせ て良いo

・少 しの時間で も.その活用法がす ごく 素晴 らしいo

一英語 を教 えていただいた 日は.家で も 学習 の話 を して くれ たo

・自分 のス ピー チの内容 を話 して くれ る

・自分 で新聞 を;r:‑:いた りして大変 良い と

横手や 計貴 の合格状況,新聞活動や ス ピー チの内容 な どはその都度 フ ァイル に して保 護 者 に連絡 され ると同時 に,後述 の 「基礎学習

カー ド」に も記録 され る。

(2)夏休みの学 習相談

同校 は家庭 との連供 を強 くす るた め,夏休 み を盛要 な時期 と捉 えてい るo 夏休み には家 庭Ia/3‑関 を行 うほか ,学習相 談 を設 けて,子 ど

ヰ)た ちの補助学習 を支援 してい る。 水泳教 等 な どは 多 くの学校 で実施 され てい るが.同校 では この ほか に,1・2・3年の学習相談 (各 8日), 3年 以 上 の 古道 教 室 (5日), 4年 以 ̲Lの演 字教 室 (10日)

,

Tl数 教 IiTtI.(10

日),理 科 ・社 会教 室 (9 日),図 工 ポス タ ー教室 (5日),全学年の読脊教室 (10日),

リコー ダー教室 (5日),健 康 質問教 室 (4 日) な ど多彩 なメニ ューが用意 され ているO 子 どもた ちは好 きな教室に 自主的 に参加す る のだが, これ も三者 面談で話 し合われ た史休 みの 目標 を,学校 ,子 ども,保 識者がはっ き

り意識 してい るか らこそできるこ とだ。

これ ま での変休みは家庭 が丸がか えだ った が,i,:成 15年度 か らは学校 も手助 け しよ う と様 々な学習体験 を用意 した。 学力 向上にl自二 按結び つかない もの もあ るが,学校 と して も

この子 に これ だけの ことを させ たい とい う思 いで,い ろい ろな もの を準備 した。

平 成 16年 度 の学 習 相 談 は延 べ8 7LeJ行 い,児恭 一人 当た り平均13日参 加 した.

(3)「家庭学習 のすす め

い く ら学校 が努力 して いて も,保護 者 の 協 力無 く しては成 り立たない。 平成 16年6月 に足 立区教育委員会 が実施 した調 査 で,同校 保護者 の r学校‑ の参加意識や家庭 の しつ け につ いて,十分 と言 えない状況 (足立区の 平 均 をやや 下回 る) が浮 かび上が った。

学 (ZE域 は,学校の教育 に対 して協 力的 な家 庭 と

,・

、冒父に任 せ き りの家庭 に二分 してい る 状 況が あ る。 「今 ,学校 と しての課題 は ,煤 護省 と どの よ うな協力 関係 を作 って行 けばい いのか ,家庭 に ど う投 げかけた らいいか とい

うこ とです。」 と川上校 長 は言 う。

そ こで川 上校長 は,平成16年度 か らA 3 判3つ折 りの 「家庭学習 のすす め」 とい うパ ンフ レッ トを作成 し,全家庭 に配布 した。 こ こには

,

「教 育 の茶盤 は家庭 で あ る。 学 力向 上の施策 をさらに進 めるために,家庭 と地域 社会 ,学校 が教育の役割 を分担 し,その機穂 を果 た して こそ充実で きる」 とい う川 上校長 の メ ッセー ジが'Ltかれ てい るO さ らに,家庭 での学習時 間の 目安や ,託苦・倹牛 ・計第 ・ 心づ く り .健康 と言 った項 目につ いて.家庭 での学習 のポイ ン トや 生活習慣 のア ドバイス も示 され てい る.保護者 か らよ く寄せ られ る 質問はQ&Aと してま とめ,分 か らない こと があれ ば担任 が個別 に対応 してい る。

また学年 ごとに ・,学 力向」・.のための取 り組 み」 とい うパン フ レッ トをタイ ム リー に配布 してい る。 そ こには

,

「弘道小 学校 では学力

3 8

厚 璽

(5)

向上 をrXlるために,次の よ うに取 り組み ますD つきま しては,参考に しなが ら,お子様 の実 態に応 じて家庭学習 を充実 させ ていただきた い と思い ます。」 と して,学力棉塵 の結果 の 分析,学校での学習の進 め方、家庭 での学習 の進 め方を教科 ご とに説明 している。

さらに,教科担任通信 も頻繁に出 され てお り,教科担任制のメ リッ トや授業の進 め方, 子 どもの反応 な どが詳 しく締介 されている。

(4)基礎学習カー ド 「かがや き

また夏休み前に三者面款を行 い.夏休みの 過 ご し方について家庭 と話 し合 っている。 こ こで使われ るのが 「かがや き」 とい う基礎学 習カー ドである。 同校 では二学期制を実施 し てい るため,前期 の通知票が渡 されるのは1 0月である。 その間の学習状況 を保護者に知 らせ るために,また夏休 み を視野に入れた学 習指導 を行 うために, この基礎額種カー ドを 補助的に使 ってい る。基礎学習カー ドは, 6 月, 10月, 12月, 3月の年4回保護者 に 渡 され る。週3回の朝学習の時間 (20分) で行 っている ミニテス トの 「漢字マスター カ ー ド」

,

「計 罪 マ ス ター カー ド」 の進級 状況 や生活面での 自己評価 , さらに水泳や託潜 な どの記録や 目標 を子 ども自身が記入す るよ う に欄 が設 け られ ている。 結果 を知 らせ るだけ が基礎学習 カー ドの狙いではない。カー ドは 教師 と保誰者 ,子 どもが共 に話 し合い, 目標 を決めて ど う生活 していった らいいかを意織 づけるためのものであ り,学習や生活の情報 をもとに家庭 と交流す るための もの と して活 用 している。

(5)子育て支援委員会

同校は128年の歴史 を持つだけに,学校 の取 り組みにm心 を持 っている地域の方々も 多 い。祖 父母や父母 も同校 に通い、 「自分 た ちの始 った学校 をよ くしたい」 とい う気持 ち が強い。 そ こで平成14年度か ら 「子育て支

‑3 9

控委員会」 とい う組織 を立 ち上げた。 これは 家庭 と地域 と学校 の三者 で健 全な子 どもを育 てる とい う発想 で組織 され た活動 である。学 習支援 ,図苔な どの校 内活動のほか,問題 を 抱 える子 どもの相談な どあ らゆ る場面で,也 域 の人たちがボランテ ィアで活動 している。

例えば,学習支援ボ ランテ ィアには,総合的 な学習の時間や家庭科 ,英会話な どの授業支 援,花位 の世話や育て方の指導をす る花結び 宿動 ,和太鼓や ブラスバ ン ドな どの文化交流 活軸 な どがあるO 図11,t;ボランテ ィアは担任 と 共 に子 ども‑の読み聞かせや図古 のア ドバイ スのほか.図昔室の整理まで引き受 けるO い ずれ も,地域の人たちが 自分の得意 な分野で.

自分o)や りたいことを行 ってい く自主活動 で ある。

子育て支援委員会 は,子 どもが教育 を受 け られ る条件や環境整備 を してい く上で,非常 に大 きな役割 を果た している。今 日の学校教 育は,地域の教育力を総合的に ど う高 めるか, 学校 と家庭,地域 とが一体 とな って子 どもを

どう育ててい くかが大 きな課題 であ る。 その 点 で弘道小学校は非常に うま く行 ってい る事 例であ る。

5.東京都府 中市立府 中第3中学校 の事例 府 中第3中学校 のある府 中市は東)京都 の西 部 に位 置 し,人 口は約23万人で.建武 の中 興 で清純 した新 田氏 とゆか りの あ る市 で あ

る。

府 中第3中学校 では,中学 1年の1学期に, 学習習慣 と生活習慣 を確 実に定着 させ る精薄

を展開 してい る.私は平成17年8月3日に 同校 を訪れ,渋谷政夫校長 と消水準教務 主幹 か ら詳 しい話 を聞 くこ とがで きた。

中学校へ入学 して くる子 どもた ちは,我 々 教師が思 っている以上に小学校 と中学校 との ギャ ップに悩まされている。 不耕 起教育では 中学校1年 を田植 えの時期 と定 め.強引に厳

(6)

しい環境 ‑移植 す るため, この ギ ャ ップは さ らに大 き くなる。 しか し,入学前 か ら指導 を 始 め るこ とで, このギャ ップ をあ る程度埋 め ることも可能 であ り.府 中第3中学校 ではそ の よ うな取 り組み を行 ってい る。

(1)新 入生説 明会

府 中第3中学では毎年2月に. 4月 に入 学 して くる小学校 (4校)の児童 と保 吉塵者 を同 校 に無 め,「新入生説明会」を実施 してい る。

新入生向 けの説 明会は, どこの 中学校 で も行 われ てお り,特 に珍 しい もので はないo Lか し,同校 の説 明会 が他校 と異 な るのは,説 明 会 のbi),・で生活指導 を開始す ることと,春休 み の宿勉や ,家庭学習の状況 を記録す る 「学習 マ ラ ソン記錬衷」まで課 してい るこ とで あ る。

高等学校 のそれ も普通科 では.入 学前に宿題 を課 す こ とはむ しろ普通 であろ うが,公 立 の 中学 校ではほ とん ど閃かない。 ま して 「学習 マ ラ ソン記録表」の よ うな物 まで秋す 中学校 はない。

宿 怨 の教科は国語,算倣 .作文 であ るが .

「学習マ ラ ソン記録表」‑ は.3月初 めか ら 春休 みにかけて,国語,第 数,理科 ,社会 の 各教科 を毎 日どれ くらい勉強 したか記録 す る よ うに指導 してい るC記録表 は入学時 に提 出 させ ,拍 任が チ ェ ックす る。 「こ う した入 学 前 か ら家庭学習の記録 をつ ける こ とで,学習 +'IJtrrの形成に大 きな効 果が あが ってい ます。.」

と渋谷校 長は明言 す る。

また,生活指導 もこの時点か ら始 めて い る。

説 明会 に出席 した児亜たちは落 ち着 かず,並 ぶ こともできないO そ こで,列 の作 り方やお 辞儀 の仕 方か ら指 導す る。保識 者か らは,「ま だ中学生にな らない子 どもたちに,なぜ 中学 校 が生活指導 を し,家庭学習の時間 まで記録 させ るのか?」 と言 う疑問が多 く寄せ られ る が, 「子 どもたち に生活 面や 学習 面 で 自己管 理 ができるよ うになって もら うための もので す。」と説 明 し,とにか く強 引に進 めてい る。

ー 40‑

ここでの強 引 さが後 々良い結果 を引 き出す こ とを,府 中第3中学校 の教師 たちは体得 して い る。

同校 が この よ うな初期指導 に力 を注 ぐきっ かけは, 7年 ほ ど前 「学校 の荒れ 」に直面 し たか らであった。 オー トバイで校庭 を走 り回 った り,授業 が ほ とん ど成 り立たないケー ス もあった とい うo どこの';'・松 で も共通 して .; えることであ るが,荒れ てい る生徒 の多 くは, 学力面 と生活面 の両方 に問題 を抱 えてい るO 学力不 足 と生活 の乱れ が互いに作用 しなが ら 悪循環 に陥 り,荒れ をますます 大 き くしてい る。 したが って ,荒れ を克服す るには,学習 習脚 と生活習trIの両方の確立が必要 であ る。

「です か ら新入 生説 明会 でも,学習 マ ラ ソン な どの学習指鱒 と同時に,生活指碑 もス ター

トさせ るの ですO」 と渋谷校長 は言 うO さらに渋谷校 長は,「かつ ての 中学校 の荒 れ は,中学校2年生が ピー クだ といわれ ま し たが,今 は小学校 で も学級崩壊 が頻繁 に起 こ る時代 ですか ら,中1か らで も荒れ は始 ま り ます。 また学習面 で も.小学校 との授某 の ギ ャ ップ を感 じて授業 に乗 り遅れ て しま う生徒 が,釦牛必ず 出 てきます。 生徒 が落 ち着 いて 勉強や 中学校 生活に取 り組 め る環境 を作 り出 す ためには, この入学前指導 と中1の1学期 の初期 指導 が非 常に重 要 にな っ てい ます。」

と言 う。

(2)宿 泊オ リエ ンテー シ ョン

初期指導 の中 で瓜 も大 きなイベ ン トが ,入 学式が終わ ってrJd]もない4月20日前後 に行 われ る, 2泊3日の山梨 県八 ヶ岳 「新入生宿 泊オ リエ ンテー シ ョン」であ る。八 ヶ岳には.

府 中市が所有す る宿泊施設があ り,格安 で宿 泊す る ことがで きる。府 中第3中学校 は この イif泊オ リエ ンテ ー シ ョンに,一般的 な体験学 習o)他 に,同校独 自の学習智爪や 生活習慣 の 確 立 を 目的 と した メニ ュー を組 み 込 ん で い るC 中学 1年 の4月に, しか も宿 泊先で学習

(7)

会 まです るケー スは珍 しい。 しか し,「この オ リエンテー シ ョンを通 じて誠の府 中第3中 生になる」 と渋谷校 長は明言す る。

生活面では,外部 の人 と接す るときのあい さつや礼儀 の大切 さ,そ して集団行動や時間 を守 ること, さらには掃除の仕方まで徹底的 に指導す る。学習面では家庭学習 を想定 し, 各教科の勉強法につ いての説明を受 けた後, 静かに黙 って課題 に取 り組む ことが求め られ る。 レク レーシ ョン的な要素はゼ ロとい うこ の行串 を通 じて,生徒 は基本的な生活習性tや 自己管理能力,学習習慣 な ど,中学校生活 で 必要 とされ るもの を身 につ け る。 「宿 泊オ リ エンテー シ ョンの前 と後 では生徒 は見違 える よ うに変わ ります。入学当初は,授業 に対す る考え方や心の準備 が不十分 な生徒 も多い。

しか しオ リエ ンテー シ ョン後は, どの生徒 も 授業 を集 中 して聞け るよ うにな りますD」 と 渋谷校長は胸 を張 る。

(3)学習マ ラソン記録表

もちろん宿泊オ リエ ンテー シ ョンの後 も, 学習 面 と生活 面の両 方での指 導 は拭 け られ る。新入生説明会で配 った 「学習マ ラ ソン記 録表」は入学後 も引き続 き記録す る。記録 肉 体は,その 日家庭 で学習 した教科 ごとの時間, その合計.4月か ら通 した家庭学習時間の累 計,そ してその 日の簡単な反省だけであ り, それ ほ どの負担はない。

4月か らの累計 で,ユ年生は年間 700時 間, 2年生はユ000時間, 3年生は120

0時間の家庭学習 をこなす ことが 目標 と して 設定 され ている。ユ年生の年間700時間は,

1日平均2時間であ り,かな りハー ドルが市 いが,半数以上の生徒が 目標 をク リアす ると い う。篠 目の朝会で記録表 を提 出 させ ,担任 が個別 に フォロー していることも,生徒 のや る気 を高める効果 を発揮 している。 日々増 し てい く累積時間が,「さらに威 張 りたい」 と い う意欲 を引き出 してい るよ うである。

‑41‑ 1

(4)学年便 り

一方生活面で も 日々の細かい手だての連続 である。今の生徒は人間閲係 づ くりが下 手で, ち ょっ とでも不愉快 な ことがあると,す ぐに 暴言 を吐 く。 それがい じめや トラブル の原 因 となる。 そ こで,乱暴 な言寮 を吐 く生徒がい ると徹底的に指導す る。 スター ト時 に強い指 尊 で,荒れや い じめの耳 を摘 んで,落 ち着 い た状態 を作 り出す。 そ こで初めて生徒 は余裕 ができ, 自分 と同 じよ うに,悩み を持 ちなが らも頑 張 ろ うと してい る仲 制 の存在 に気 付 くQ

管理教育だ と批判す る見方 もあったが,浮 かない表肺 を した生徒がいた ら,す ぐに先生 方で対応策 を話 し合 い,不登校 の生徒 につい て も,教師全体で情報や方針 を共有 して,生 徒一人ひ と りをきちん と見ているか ら.生徒 も分かって くれ るo教師の思いが生徒や保

者 に伝われば管理教育だ と言 う者 もいない。

その思いを伝 えるのが学年便 りで, ど うし よ うもな く荒れ た ときか ら出発 し,生徒に要 求 したいこと,保鍵者 に伝 えたいこ とを包み 隠 さず発信 しよ うと思 って始めた。 今学校 で 何が起 きているのか,学校 を どうしたいのか を正直に普 くのだか ら勇気 がいったが,や っ てみ ると不思議な くらい問題行動がな くなっ た とい う。

文章は下手でもいいか ら

,i i

Lほ 続 けること が大 切である。発行 し始めて半年 ぐらい経 っ た とき,授業は落ち着 き,廊下か ら菓子袋や チューインガムが消 えた。今は どの学年 も「学 年便 り」を精力的に発行 してお り,教師 と生 荏,学校 と保護者 を結ぶ コ ミュニケー シ ョン ツールの役割 を果 た している.

中学1年の一学期 とい う忙 しい時期 に,坐 徒 に対 して細 かい指導 を してい くのは教師 に とって大 きな負担 にな るのは渉実だoLか し, この時期 に どれだけ生徒 の指掛 こ力 を注げ る かが,ノト学校 か ら中学生‑ とスムー ズに移行 させ る鍵 になることを,府 中第3中学校 の実

(8)

銭 が証 明 してい る。

6.鹿児 島県立川 内高等学校 の祁例

川 内高等学校 の あ る川 内 市は鹿児 島県北西 部に位 置す る人 口約73000人の中堅的 な 市 であ り,川 内高 等学校 は生徒数 が1000 人弱の普通科 のみ の大学進学 を中心 と した高 等学校 で ある。

鹿 児島県立川内 高等学校 では, 10年 ほ ど 前か ら生徒の 自宅学習の充実 を 目指 した取 り 組み と して,「学習方法習得体験学習」と 「放 課後 自主学習」を行 ってい る。 私は,平成 1

7年7月25日に同校 を訪れ,進路指噂部 主 任 の海江 田教諭か ら散番 な意見 を聞 くことが できた,

同高校 の取 り組 みは.文科省や教育委員会 等 の指定 を受 けた もの では な く,「進 学校 で あ りなが ら学習に対す る意 欲が希将 な生徒 が 多 く,それ らの生徒 をなん とか しなけれ ば」

と言 った,教師た ちの 自然の要求か ら生 まれ た ものである。 それ だけに継続性 の強い取 り 組み となって確 実 な成果 を挙 げてい る。

(1)川 内高等学校 の現状

川 内高校 の大 き な課題 は,生徒の学力の二 極化現象 であった。偏差値57‑ 58辺 りと 45‑ 4 6辺 りに大 きな集 団ができてい る。

これ ら喋団 の間には,学力 もさるこ となが ら, 学習 に対す る惹弧 の差 があ る. 下位集団の生 徒 には, 自ら学ぼ うとす る姿勢 が乏 しく,そ の まま放 っておけば,漫然 と した高校 生活 を 送 って しま う。 こ うした生徒が入学 して きて い る背荒 と して r塾 」の存在 を挙げ てい る。

中学校時代 に学習 が身に付 いていない/]=.徒 で ち,中3生になれ ば川 内高校 への入学 を 目指 して塾に適 うよ うにな り,入試 をク リアでき るだ けの 受験 学 力 を身 につ けて進 学 して く る。 しか し,塾では与 え られ た教材 をこなす 学習 を中心 に して きているためか.本来最 も

大 切であ る自学 自習力が礎 われ に くい。 そ し て入学後 は,再び勉強 しな くな る。

この よ うな傾 向は,全 凶 の同様 なLP聖的 な 進学校 が抱 えて る悩みで あ る。 しか し,入学 時 に この よ うな生徒 を受 け入れ る川 内高 校 は,進学校 として大変 な実績 を上 げてい るだ けでな く,人間 と して も素晴 ら しく成長 した 生徒 を数 多 く送 り出 してい るC そ の背光 には 生 徒を榔 庵的に学びへ と向かわせ るための取 り組み,「学習方 法習得 体験 学 習 」 と 「放 牧 後 自主学習」 とがある。

(2)学習方法習得体験 学習

同校 では毎年4月,新入生 を対 象 に 「草習 方法習得 体験学習」 を実施 してい る。 1年 生 の多 くは, 各教科 をどの よ うに勉 強すれ ば よ いのか, まだその方法 を身 につ けていない。

そ こで学習方法習得体験 学習 に よって,高校 で必要 と され る授 箕の受 け方 ,予 習 ・復習 の 仕 方を説 明 し,実際に体験 させ る こ とで,学 習方法 を体得 させ てい る。

平成17年度 の学習方法習得体 験学習 は, 4月11日, 12El, 13日の3日間に渡 っ て行 われ ,国語 .数学 ・英語 に各110分, 地歴 ,公 民,理科 には各50分の時間が割 り 振 られ た。教科 ご とに,生徒 には まず ノー ト の取 り方や辞退の引き方 ,予習 .復 習の仕 方 を レクチ ャー し,その後 ,実際 に予習 を して もらい.それ を基 に模擬授 英 を実施 す る。 さ らに模擬授業の後 には復 習 を させ る。 この よ うに,予習,授業 ,復習 のサ イ クル を ミニ体 験 させ る ことで,生徒 は どの よ うに学習 に取

り組 めば よいか を理解 し,体得す る.

この学習方法習得体験学習 を通 して多 くの 生徒が実感す るのが 「高校 の授業 は, q「学校 まで とは ま るで違 う」 とい うことだ。 この体 験 学習の一番の 目的は,高校 で必 要 とな る学 習方法 を身 につ け させ る ことだが ,同時 に意 職 改革の昔味合い も持 ってい る0 号 IB方法習 得体験学習 をスター トさせ てか ら,生徒 たち

ー4 2‑

(9)

の 自宅学習時間が確実に増 えた。 これは 「勉 必 しなければJ とい う意識が腐まったことが 坪 山だ と思われ るが,体験学習 を通 じて予習 や復習のや り方が分かったか ら,勉 強に取 り 組みやす くなった とい う面 も大 きい。何 をや って良いか分か らなければ 自宅学習 しよ うと

しないのは当然 である。

宿題 も同様 で,楢原 を課 して ヰ)してこない 生徒が多 くいるが,これはや る気がないかL;., だけではな く,問題 の解 き方が分か らないか ら宿題 に取 り組 めない場合が多

。、そこで川 内高校 では宿題 を出す ときに,必要な生徒に 対 しては,問題への取 り組み方 について, ヒ ン トを昏いた補助 プ リン トを配布 している。

同校 では平成

15

年度か らは

, 2

年生に対 しても,そ して平成17年度か らは3年生に 対 して も学習方法習得体験学習 を実施 した。

ここでは,学ぶ内容の高度化 に沿って, より レベルの高い予習 ・復習の方法 を身につけさ せ ることを目的 と している。例 えば, 2年生 の国語の予習の場合,語句の意味や用法を朗 べてお くだけでな く,段落 に分 けて文章の展 開を整現 した り, 200字程度 に要 旨をま と めてみ るといった, 1年生 とはまた違 う学習 が求 め られ る。最初に身につけた学習方法を ず っと続 けていると

,2,3

年生になって成 績が伸 び悩む生徒が多 く,生徒 の学習段階に 合わせて,教師が適宜学習方法につ いてア ド バイスをす ることも大切 である。

次に,学習方法習得体験学習 を終 えた後の 生徒 と担 当教師の感想 を紹介す る。

「第1学年の感想」

・改めて 自分は川内高校生 なんだ と感 じ ると同時に,中学校時代 に どれだけ勉 強 していなか ったが分か った。

・中学までは 「復習」が大事だ と言われ たが.高校 では r予習」が蕊要である ことが よくわかった。

43‑

・ノー トの取 り方 な ど細か く指導 して も らい分か りやすか った。

・授業 のス ピー ドが とても速 く,緊張感 があ ることに発 いた。

「第2学年 の感想」

・シ ラバス を用 いて分か りやす く説明 し て もらい.なにか初心に戻 ったよ うな 気が した。

・正 担1 2年 生の授業 を甘 く見ていた部 分が あったが,そ うでないことを痛感 した。 1年次の学習方法や学習蕊では と うていついていけない と思った。

I1年生の時 に崩れ かけた習慣が立て直 せ る気が した。 がんばろ うと思 う。

「第3学年 の感想」

・学習 方法習得体験学習を受 けて改めて 感 じたのは, 自分 自身の弱 さである。

学習方法 ・学習時間不足の原因は 自分 自身 の中にあったO いつ もや る気ばか りが空回 りしてい る自分の殻か ら抜 け 出せそ うだ。

・自分 は柵 は劫 を引退 してか らでも十分 間に合 うと思 っていたが, とんでもな い ことに気 がつ いた。

・今 までの よ うないい加減 な気持 ちでは いけない とい う熱 い気持 ちが先生方か ら伝 わってきた。

「学習指導係 教師 の感想」

教師 の側 には,学習方法習得体験学習 の取 り組み に関 して共通理解ができてい るとは青い難 い状況がある。「改めてこ

(10)

の よ うな場 を設 定 しな くて も,各教科 の 最初 の授業 でやれ ば同 じことではないか

」 とい う意 見 もあ る。 また,年度 当初の 慌 ただ しい時期 の実施 とい うことで教科 に よっては指導 内容 が統 一 され ていない こ とが ある。

一方 ,生徒 の反省 を見 る限 り,新年度 の 当初 に, 自分 の学習 の在 り方 を再度振 り返 り,気持 ちを切 り替 えることは良い きっか けになってい る し,生徒側 の学習 方法習得体験学 習に対す る懲孤 は全体的 に定着 しつつあ るよ うに思 う。

年度 当初の慌 ただ しい時期 ではあ るが 新 たな高校 生活 ・新 しい学年 を迎 えるこ の時期 に,学習方法習得体験学習 を通 し て,学習方法や 学習 内容 を可能 な限 り早 い時期 に擬示 してや るこ とで,生徒 の不 安が解 消 され ,その後本格的 に授業が開 始 され るまでに,予習 を進 め る時隅J的 な 余裕 も出て くる。

(3)放 課後 自主学習

川 内高校 の も う一つの取 り組みに,習得 し た学習方法 を 自学 自習 カ‑結びつ け る 「放課 後 自主学習」があ る。 これ は,下位層 の生徒 が 自学 自習力 を身 につ けるために設 けた もの であ る。 学習方法習得体験 草創 こよって学習 の仕方 を身 につ けた生徒 が,実際に 自主 的 に 勉 強す るための場 である。部活抽引退後 の3 年生は全員参加 が義務づ け られ てい るが, 1

・2年生 も部活動兼加入者 の多 くが 自主的 に 参加 す る。 1 ・2年 生には補助教室が毎 日1

8時まで開放 され る。

放 況後 自主学習 では 自学 自習の姿勢 を身 に つ け させ るために,生徒 に 自分 で勉 強す る内 容 を任せ ている。 初期 には1時間 目にプ リン トを配 って生徒 に取 り組 ませ, 2時 間 目に解 説 を していた。す る と生徒 はその場 では一生 懸命勉強す るが,それ だけで勉強 した気 にな

‑ 44‑

り, 自宅学習 を しな くな る傾 向が見 られ た。

これ では本来最 も重要 で ある授業 の予習や復 習 がお ろそかになって しま う。 そ こで生徒 に 自分 でや るべ きことを決 め させ る こ とで,宿 願や予 習 ,復習 に取 り組 める時間 に したo 生 徒 に た だ教 材 を与 えてや らせ て い るだ け で は,受 け身の学習 か ら脱却 で きない一 年̲徒 自 身 が 学 習 に 向 か う環境 作 りが大 切 な の で あ る。

さらに,放 .探後 日主学習 にお い ては

,

「生 徒 に 自分 の力で勉強 させ る」 とい う姿勢 を徹 底 してい る。時剛内は私語は もち ろんの こ と, 教師に対す る質問 も受 け付 けない。 自宅 で勉 強 してい る とき と同 じ条件 を設 定 してい る。

しか も周 りに勉 強 して い る ライバ ル が い る 分 , 自宅 とは違 って緊張感 があ る。 こ うして 見てい くと同校 では,受 け身 の学 習 にな りが ちな下位 屈の生徒 に対 して, まず学習 の仕 方 を教 えて (学習方 法習得体験学習 ),次 に実 践 させ る (放課 後 自主 学習) ことで,受 け身 か ら自ら学ぶ学 円へ生徒 の 自立 を促 そ うと し ている ことが分 か る。

また放 課後 自主学習で安心 して 自宅学習 を しな くな る心配 もある。 それ を防 ぐために, 同校 では高等学校 と しては珍 しく, 学習の記 録 をJLLiEjつ けさせ てお り, 1週 間分 を担任 に 提 出 し,担任 の指 導 をあお ぐこ とに してい る。

この よ うに,学年初 めの取 り組 み だけでな く, 日々の地道 な努力が川 内高校 を今 日の 姿 に高めてい ることを実感 した。

(4)帰 りのバ スの中で

同校 を訪問 した帰 りのバ スの中で,偶然 出 会 ̲.た同校 の2年 生3人 (男2,女 ユ) か ら 生の話 を拙 くこ とができた。彼 らは川 内席校 生 と しての誇 りを持 ってお り,初 め て出会 っ た私に 「厳 しい教育方針 に最初は戸 惑 い,敬 師 に対 して反感 も持 ったが,学校 の教育方 針 が理解 でき,教師たちの熱意 が分 か るよ うに なって, 自分か ら努力す るよ うに な ったO 今

(11)

は先生方 に感謝す る と同時 に,川 内高等学校 参考文献

に来 て本 当に良か った と思 って い る」 と川 1)「不耕起栽培 」 が教 えて くれ る教育 洲 内高等学校 を熱 く語 って くれ た。彼 らの笑顔 脇史 朗,岡山大学算数 ・数 学教育 学会誌 が川 内高等 学校 の現状 を物語 っている。 パ ピルス第1 1号 (2004)

4.今後 の課題 とま とめ

今回は 「不耕起 教育Jの事例 と して,小 中 間か ら各 1校ずつ の取 り組 み を紹介 したo L か しいずれ も,私 の 目指す 「不桝起教育 」 か らはやや離れ てお り,む しろ 「半不耕 起教育

の事例で ある。社会情勢か ら苗 を確 実には鍛 えきれ ない小学校 .鍛 え られていないひ弱 な 苗 を野生化 させ なけれ ばな らない中学校や高 等学校。 この よ うな現状の中で,今回紹介 し た3校 の事例は,それ ぞれすぼ らしい取 り組 み であった と思 う。

l'不耕 起教育」は,全体 としては 1つの素 晴 らしい教育理念 である と確 信す るが,複雑 な社会情 勢の中,保啓者 の協力や校碓 間の連 携 が難 しく.多様 な児丑 ・生徒が入学 して く る学校現場 では,その実I削こ合 った取 り組み にな らざるを得 ないのは当然である。しか し, その実情 に合 った取 り組みの根底 に,莱帖 ら

しい教育理念 がなけれ ばな らない ことも確 か である。

今回,せ っか く多 くの学校 を訪問 したので あるか ら,機 会があれ ばできるだけ多 く

岬 例 を紹介 してい きたい と思 っているa これ ら の市 例を参考に され て,個 々の学校 に合 った 取 り組 み を していただけれ ば率いである。

2

)不耕起 でよみ が え る :岩 滞信 夫 ,創森祉 (2003)

3) VJEW 2 1小 中学校版 :ベネ ッセ教育 総研 (2005.1)

4)研 究紀要他 :足立区立 弘道 小学校 (2004, 2005)

5)V JEW 2 1中学校版 :ベ ネ ッセ教育総 研 (2005.3)

6)学習 ノー ト他 .府 中市 立府 中第3中学校 (2005)

7) V IEW 2 1両等学校 版 ・ベネ ッセ教育 総研 (2004,9)

8)学習方法習得 体験学習総括 他 ・鹿 児島児 立川 内高等学校 (2005)

(20 0 5. 10. 1 1日受理)

‑4 5

参照

関連したドキュメント

6 する活動や命の大切さを呼びかける活動などの生徒の主体的な取組が推進できる機会 を持つように努めます。

団として構成されているが、その中には、保険集団としての規模が相当縮小している

情報分類 対象情報 加工方法 家電情報  削除(見える化サービスでは必要性が薄いため) 家族の人数  1、2、3、4 人以上 (4 区分) 家族構成 

加振周波数帯域の確認

お客様各位

「iスカウト」提供開始 バイトル・バイトルNEXTに ハローワーク求人の掲載を開始 多様な求人情報から仕事探しが可能に  2018年7月22日 よ り「 バ イト

Arch Replacement With Elephant Trunk Procedure for Retrograde Dissection. 4) Hirata M, Bando K, Kobayashi J, Sasako Y, Tagusari O, Niwaya K, Kitamura S: Effect of Maze

ハイタイプ 内装ドア 内装引戸 機能ドア 機能引戸 可動間仕切 その他開口部材 クローゼット 内部収納 収 納 扉 玄関収納 壁厚収納・他 腰 壁 カウンター あ