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Academic year: 2021

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(1)

「 家 庭 の 教 育 力 の 低 下 」 の 観 点 か ら み た 校 内 に お け る 中 学 校 の 生 徒 指 導 上 の 問 題 の 分 析 及 び 家 庭 と の 連 携 を 深 め る 教 員 組 織 の 構 築

高度学校教育実践専攻 学校・学級経営コース

藤 井 貴

第 1部 実 践 編

1 .研究の目的

平 成19年度までの7年 間 , 勤 務 校 に お いて進路指導主事と学年主任を務めたO

この間生徒指導や進路指導において個々 の教師や学校だけの力では解決できない 様々な問題に直面するようになった。

勤 務 校 の 課 題 の 中 心 は 生 徒 指 導 で あ るO 生徒指導の事例には 学 校 の 指 導 方 針 が 保 護 者 に 十 分 伝 わ ら ず 理 解 さ れ て い ないという事例が多く,生徒指導上の問 題 の 解 決 を 困 難 に し て い る 背 景 に は 「 家 庭 の 教 育 力 の 低 下 」 が あ る の で は な い か と考えた。学校には問題を起こしがちな 生徒やその保護者に対して効果的に働き かけていくことが求められているO この ことから,家庭との連携を図りつつ生徒 指 導 上 の 問 題 解 決 を 組 織 的 に 取 り 組 ん で いく必要があるととらえた。

実 践 研 究 課 題 解 決 に 向 け て , 仮 説 1 学 校 が 組 織 と し て 十 分 な 対 応 が で き れ ば 保 護 者 の 意 識 が 変 わ る , 仮 説II:保 護 者 の 意 識 が 変 わ り 「 家 庭 の 教 育 力 」 が 向 上 す れ ば , 学 校 に お け る 生 徒 指 導 上 の 問 題 に効果的に対応できる,の二つの仮説を

実 習 責 任 教 員 兼 松 儀 郎 実 習 指 導 教 員 大 西 宏

立てたO この仮説より 実践研究課題を

「生徒指導J,

r

家 庭 の 教 育 力J,

r

学 校

組 織 」 の 観 点 か ら と ら え , 次 の3点を明 らかにすることを研究の目的とした。

(1)生徒の実態をとらえ,学校生活に目 標 を 持 た せ る こ と は 生 徒 指 導 の 効 果 を上げるのではないか。

(2) 

r

家庭の教育力」の観点から,子ど もの問題に対する保護者の関心を高 め,家庭と連携した生徒指導を行う

にはどのような取り組みが必要か。

(3)生 徒 指 導 の 問 題 に 対 す る 効 果 的 な 対 処方法や家庭との連携を深める方策

を学校組織としてどう考えていくか。

2.先 行 研 究

先行研究による知見を次の 5つの観点 からまとめた。

(1)生徒指導をめぐる状況

一部の教師の力に頼った組織ではな く教師の専門性をいかした,協力体 制 の あ る 組 織 で な く て は な ら な いO (2)進 路 指 導 と 生 徒 指 導 の 連 携

進路の目標を失った生徒の指導が難 しいことから,進路指導との関連よ り生徒や保護者との接点を見つける

4EE 

(2)

ことが必要であるo それは子どもの 問題に対する保護者の関心を高め,

進路の目標を明確にさせることにつ ながるo

(3)家 庭 の 教 育 力 の 低 下

家庭の教育力が低下している主な理 由として,過保護,授や教育に対す る無関心,外部の教育機関に依存す る保護者の増加等があげられるO 家 庭において,人格形成の基礎を培う

「秩序感覚J,

r

現 実 感 覚J,

r

美的感 覚」の 3つ の 感 覚 を 育 て る こ と が 重 要であるo

( 4 )

保 護 者 対 応

クレームへの対応について,そのク レーム発生の経緯,保護者と学校の 信 頼 関 係 の 構 築 , 校 内 体 制 の 整 備 の 3つの観点からとらえることができ るo 保 護 者 と の 信 頼 関 係 構 築 は , 教 師の行為・態度が決め手となること を認識する必要があるo

(5)生 徒 指 導 計 画 の 作 成

生 徒 指 導 計 画 の 作 成 に お い て は , 教 職 員 と 児 童 生 徒 に よ る 白 校 の 課 題 の 共有, 目 指 す 児 童 生 徒 像 や 指 導 方 法 の 明 確 化 , 指 導 ・ 援 助 の 系 統 性 と 累 加 性 の 確 保 , 協 力 体 制 の 構 築 , 関 係 機 関 や 専 門 家 と の 連 携 に つ い て 留 意 することが重要である。

3.研 究 の 方 法

第3学 年 に 所 属 し 研 究 を 行 っ た 。 研 究 の方法については次のとおりである。

(1)進路指導アンケートを実施し,アン ケート結果より学年の指導目標を設

定し生徒指導に取り組んでいく o (2)進 路 指 導 ア ン ケ ー ト の 結 果 を 保 護 者

に 伝 え る こ と に よ り , 学 校 と と も に 子 ど も の 問 題 に 関 わ っ て い く よ う 働

きかけるo

(3)保 護 者 ア ン ケ ー ト を 実 施 し , 保 護 者 の意識をとらえ,生徒指導や進路指 導の取り組みにいかす。

(4)学年組織として事例研究を行うこと により,生徒指導の問題の背景を共 通理解し効果的な対応策を検討するo

具 体 的 な 取 り 組 み の 内 容 等 と 時 期 は 次 のとおりである。

①進路指導アンケート 1(平成21年3月)

②進路指導アンケート 2(平成21年9月)

③ 保 護 者 ア ン ケ ー ト ( 平 成21年6月)

④学級担任への聞き取り(平成21年5月)

⑤ 事 例 研 究 ( 平 成

2 1

1 0 ‑ ‑ ‑ 1 1

月)

⑥進路指導だより

(平成

2 1

4 ' " ' ‑ '1 0

5

回)

4.研究のまとめ (1)取り組みのまとめ

①進路指導アンケート l

生 徒 の 意 識 の 変 革 と 学 年 の 生 徒 指 導 の 立 て 直 し を 意 図 し , 質 問 項 目 を 作 成 し た 。 生 徒 に 生 活 面 ・ 学 習 面 で の 振 り 返 り を さ せ , ア ン ケ ー ト 結 果 を 分 析 す る こ と に よ り 指 導 目 標 の 設 定 を す る こ と が で き たo 全32項 目 中 平 均 値 が3.

0 0

未 満 の 項 目 が , 生 活 面 に おいて 9項 目 , 学 習 面 に お い て11項

目 あ り , 全 項 目 の 過 半 数 を 占 め た こ とから, こ れ ら の 項 目 を 学 年 の 指 導

目 標 と し て 設 定 し , 新 学 期 か ら の 指

/

ω

(3)

導にいかしたO 指 導 目 標 は 「 進 路 指 導だより」を通じて保護者にも伝え,

家 庭 か ら の 協 力 も 得 る こ と が で き

︒た

②進路指導アンケート 2

進路指導アンケート lの結果と比較 し,第3学年の指導の効果を検証し た。生活面においては11項目が平均 値を上回り,生活面での指導の効果 を確認できたo 学習面においては,

6項 目 が 平 均 値 を 下 回 り , 家 庭 学 習 の不足や,学力テストに対する取り 組 み の 弱 さ 等 の 新 た な 課 題 を 見 つ け

ることにつながったo このことから 学 習 面 で の 指 導 に 力 を 入 れ て い く 必 要 性 を 認 識 し , 後 期 か ら の 指 導 に い かすことができた。

③保護者アンケート

子どもが精神的に不安定なときどう 接 し て い い か 迷 う な ど の 保 護 者 の 悩 み や , 学 校 か ら の 進 路 情 報 の 提 供 な ど 保 護 者 の 意 識 や 学 年 に 対 す る 要 望 を 把 握 す る こ と が で き た 。 特 に 教 科 以外の道徳、や,人間的な成長につな が る 内 容 を 取 り 入 れ て ほ し い 等 の 要 望 が あ る こ と も わ か り , 教 師 が 保 護 者 の 意 識 を ふ ま え て 教 育 活 動 に 取 り 組む契機となったo

④学級担任への聞き取り

3年 間 で 生 徒 指 導 が 困 難 で あ っ た 生 徒 の 保 護 者20名 に つ い て の 傾 向 を 把 握することができたo 問題発生時に 緊 急 の 連 絡 が と り に く く 家 庭 訪 問 も で き な い , 子 ど も の 問 題 に 対 す る 関 心 も 弱 く 家 庭 で の 指 導 力 も 発 揮 で き

な い な ど , 問 題 を 持 つ 生 徒 の 保 護 者 へ の 対 応 の 難 し さ に つ い て 共 通 理 解 したO 各 学 級 担 任 に こ れ ま で の 生 徒 の 生 活 面 や 学 習 面 に つ い て 記 録 す る 記 入 簿 の 活 用 を 提 案 し , 三 者 面 談 や 家 庭 訪 問 時 の 対 応 に い か す こ と が で きたo ま た , 保 護 者 と の 信 頼 関 係 構 築 に つ い て の 教 師 の 意 識 を 高 め る 契 機となったO

⑤事例研究

事例研究のポイントとして家庭・保 護 者 の 様 子 , 問 題 行 動 の 背 景 , こ れ までの学年の対応についての検討,

指 導 が 困 難 で あ っ た 理 由 , 今 後 の 対 応、等を設定し,学年できわめて指導 が困難であった生徒の事例研究を行

った。事例研究のポイントについて 第3学年でまとめる中で, これまで の 対 応 や 学 年 の 生 徒 指 導 体 制 の 課 題 に つ い て 検 討 す る こ と が で き た 。 事 例 研 究 を 行 う こ と に よ り , 関 係 機 関 と の 連 携 が 円 滑 に で き な か っ た 面 が 明 ら か と な る な ど , 生 徒 指 導 計 画 に課題があることがわかった。

⑥進路指導だより

「進路指導だより」によって生徒の 学校での様子,進路指導アンケート

・保護者アンケートの結果,学年の 指 導 方 針 な ど を 保 護 者 に 伝 え , 従 来 か ら あ っ た 「 学 年 だ よ り 」 を 補 完 す る役割を果たしたo 学校のホームペ ー ジ に も 掲 載 さ れ , 学 校 か ら の 有 効 な情報発信の手段となった。

(2)取り組みの成果

進路指導アンケートは,生徒の学校生

円 べ

U

(4)

活 を 振 り 返 ら せ る と と も に , 学 年 の 指 導 目標の設定,指導効果の検証等,学年の 生徒指導の推進において役割を果たすこ

とができたと考えられるO

保 護 者 ア ン ケ ー ト は 初 め て 実 施 し た が,これまでとらえる機会が少なかった 保 護 者 の 意 識 に つ い て 教 師 が 考 え る 契 機

とすることができたO

そ れ ぞ れ の ア ン ケ ー ト は , 質 問 の 設 定 から結果の活用までの過程を通じ,アン ケートの有効性についての教師の意識を 変える効果があったO

事例研究においては,事例の背景やこ れ ま で の 対 応 , 今 後 の 指 導 に つ い て の 共 通 理 解 を 図 る 効 果 が あ っ た 。 ま た , 関 係 機 関 と の 連 携 に つ い て 生 徒 指 導 計 画 の 中 に明確に位置づけようとする提案が出る など,事例研究を通じて生徒指導体制の 構築について考えることができたO

(3)全 体 の 考 察

本実践研究から. 2つの仮説について 次の結論が得られた。

仮説 Iについて ①アンケート結果の 活 用 に よ る 生 徒 や 保 護 者 に 対 す る 働 き か け , 学 年 で の 三 者 面 談 や 家 庭 訪 問 時 の 対 応 の 検 討 , 事 例 研 究 に よ る 問 題 へ の 対 処 方法の検討等,組織的な取り組みにより,

生 徒 の 学 校 生 活 の 状 況 が 改 善 さ れ た 。 ② この生徒の状況の改善の背景には,家庭 の 協 力 が あ っ た と 見 ら れ , 保 護 者 の 意 識 の変化によるものと考えられるO

仮説Eについて,①保護者の意識の変 化 に よ り , 問 題 発 生 時 の 連 絡 や 随 時 の 家 庭 訪 問 が で き な い , 学 校 の 指 導 方 針 に 対 して理解がないなど,連携が難しい保護

者 と の 関 係 が 改 善 で き た 。 ② 保 護 者 と の 関 係 が 改 善 で き た こ と に よ り 「 家 庭 の 教 育 力 」 が 向 上 し 生徒指導が軌道に乗る

ようになったO

学 校 の 組 織 的 な 取 り 組 み に よ る 保 護 者 の 意 識 の 変 化 と 「家庭の教育力」の向 上 が , 学 校 の 生 徒 指 導 体 制 の 構 築 に つ な がると考えられるO

5.今 後 の 課 題

今後の課題は次の 3点であるO

(1)指導目標に対する個々の教員の取り 組 み の 効 果 を 学 年 組 織 と し て を 考 え る必要がある。

(2)事 例 研 究 に よ っ て 得 ら れ た 関 係 機 関 と の 連 携 等 に つ い て , 生 徒 指 導 計 画 の中に反映させていく必要がある。

(3)学 校 か ら の 情 報 発 信 に つ い て は , 学 校 か ら の 一 方 通 行 で は な く , 保 護 者 からの意見も取り入れた方法を考え る必要がある。

第2部 省 察 編

教 職 大 学 院 で の 授 業 や 異 校 種 実 習 , 学 校 視 察 な ど の 取 り 組 み に つ い て そ の 成 果 を ま と め た 。 そ し て 「 教 育 的 人 間 力J,

「教育実践指導力J.

r

学校改善指導力」

の3つの領域から自らの成長と関連付け られる観点について考察し.

2

年間の振 り返りを行った。教職大学院での実践研 究によって学校教育をとらえる上で新た な視点を得ることができたといえるO

‑4 ‑

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