GALOIS TRISECANT
LINE
FOR ACOMPLETE
INTERSECTION CURVE OF TWO CUBIC SURFACES
新潟大学大学院自然科学研究科 高橋 $\mathbb{R}|$」 (Takeshi Takahashi)
Graduate School of Science and Technology, Niigata University
Niigata 950-2181, Japan
$\mathrm{E}$
Address:
[email protected]
基礎体を複素数体$\mathbb{C}$ とし、簡単のため$k=\mathbb{C}$ とおく $\mathrm{L}$ 非特異射影的代数曲線 $C$ の関数 体$K=k$(C) について考察したい.特に,
超越拡大$K/k$ に注目したい. 次の定理が基本と なる. 定理1(リューローの定理).
$k$を無限体とし,
$M$ は$k$ の純超越拡大体とする. このとき$M$の部分体 $N$が$M\supset N\supset k,$ $\mathrm{t}$
r.degk
$N=1$ならば
,
$N$ も $k$ の純超越拡大体である.拡大$K/k$
.
の極大有理中間体をK
。とする
.
$[]$ユーローの定理を動機にして,
拡大K/K。の考察を試みることにする, 次に定義するゴナリティは古くから知られている
,
代数曲線の重要な不変量である.
定義 1. 曲線$C$ のゴナリティ$\mathrm{g}\mathrm{o}\mathrm{n}(C)$ を次のように定義する.
$\mathrm{g}\mathrm{o}\mathrm{n}(C)=$
面 n{[K:
$M]|$M
は$K/k$の有理中間体
}
( $= \min\{\deg\phi|\phi$ は全射正則写像 $\phi$
:
$Carrow \mathrm{P}^{1}\}$)
吉原久夫氏は$C$が平面曲線のときに
,
$[K : K_{m}]=\mathrm{g}\mathrm{o}\mathrm{n}(C)$ となる拡大K/K。に注目し
てガロア点というものを定義している. 本稿の目的はクリフォード次元
3
の曲線に対して,
ガロア点の研究と同様の研究を試みることである.\S 1.
平面曲線の点射影とガロア点この節では非特異平面$d$次曲線$C\subset \mathrm{P}^{2}‘(d\geq 3)$ とその関数体$K=k$(
C)
について考え る. 曲線上の点 $P\in C$ 中心の射影$\pi_{P}$:
$Carrow \mathrm{P}^{1}$ に対して, 関数の引き戻しによって,
関数 体の拡大$K/k$(P1)
が得られる. この体の拡大は点$P$のとり方に依存するので,
$K_{P}=k(\mathrm{P}^{1})$とお$\text{く}$ . 拡大$K/K_{P}$ の次数は$d-1$ 次である. 平面曲線のゴナリティに関して次の結果が
ある.
定理
2([14, p. 372]).
非特異平面曲線$C\subset \mathrm{P}^{2}$ の次数を$d=\deg C(d\geq 3)$ とする. このとき
,
曲線のゴナリティは$\mathrm{g}\mathrm{o}\mathrm{n}(C)=d-1$ である. さらにゴナリティを与える拡大$K/k(\mathrm{P}^{1})$は
,
ある点$P\in C$ 中心の射影$\pi_{P}$ : $Carrow \mathrm{P}^{1}$ により得られる.この定理によって
,
$[K : k(\mathrm{P}^{1})]=\mathrm{g}\mathrm{o}\mathrm{n}(C)$ となる拡大$K/k$(P1)
の研究として,
平面曲線の射影の考察が重要になる.
定義
2(
吉原久夫
).
非特異平面曲線の射影$\pi_{P}$:
$Carrow \mathrm{P}^{1}$ から得られる代数拡大$K/K_{P}$がガロア拡大のときに. 射影の中心$P\in C$をガロア点と呼ぶ.
問題
1.
(1)
ガロア点を持つ曲線$C$はどのようなものか? またガロア点とは幾何的にどのよう な点か(2)
一つの曲線上にガロア点は最大で何個存在するのか (3) 拡大$K/K_{P}$ のガロア閉包を $L_{P}$ とするとき,
$L_{P}$ の曲線モデル$\tilde{C}_{P}$ はどのようなも のか(4)
拡大$L_{P}/K_{P}$のガロア群は何か(5)
拡大$K/K_{P}$ は点$P\in C$ を動かしたときにどのようにかわるのか(6)
$\tilde{C}_{P}$ は点$P\in C$ を動かしたときにどのようにかわるのか(1), (2), (3),
(4) に関して次の定理がある. 定理3([12]).
$C\subset \mathrm{P}^{2}$ を非特異平面4
次曲線とする. このとき次が成り立つ.(1)
$P\in C$ がガロア点であるための必要十分条件は, うまく射影変換をして,
$C$ の定義方程式を $y+g$(x,$y$
)
$=0,$ $P$の座標を$(0, 0)$ とできることである. ここで, $g$(x,
$y$)は
4
次斉次多項式である.(2)
$C$ 上のガロア点の個数は0, 1
もしくは4
である. $C-\}_{\wedge}\wedge$に4
個のガロア点をもっための必要十分条件は,
$C$が$x+x^{4}+y^{4}=0$で定義される曲線と射影同値になることである.
(3)
$L_{P}$ の曲線モデル$\tilde{C}_{P}$ の種数は$g(\tilde{C}_{P})=3,6$,$7,8,9$ もしくは10
である. $g(\tilde{C}_{P})=3$となるための必要十分条件は$P$がガロア点となることである.
(4) $P$
がガロア点ならば,
$I\mathrm{f}/K_{P}$ のガロア群は3
次$\llcorner\backslash \langle$($\langle$回群である.
(5) $P$が$C$
上の–般的な点ならば,
$g(\tilde{C}_{P})=10$ で$L_{P}/K_{P}$ のガロア群は3
次対称群である, また
,
$C$が一般的な非特異4
次曲線ならばガロア点を持たない.
定理
4([21]).
$C\subset \mathrm{P}^{2}$を非特異平面 $d$次曲線$(d\geq 5)$ とする. このとき次が成り立つ.(1)
$P\in C$がガロア点であるための必要十分条件は, うまく射影変換をして,
$C$ の定義方程式を$y+g$
(x,
$y$)
$=0,$ $P$の座標を $(0, 0)$ とできることである. ここで, $g$(x,
$y$)は$d$次斉次多項式である.
(2)
$C$ 上のガロア点の個数は0
もしくは1
である.(3) $P$
がガロア点ならば,
$K/K_{P}$ のガロア群は$d-1$ 次$\llcorner\backslash$($\langle${回群である.(4)
$P$が$C\vdash_{-}$の一般的な点ならば,
$\tilde{C}_{P}$ の種数は$g(\tilde{C}_{P})=(d-1)!(d+2)(d-3)/4+1$で$L_{P}/K_{P}$のガロア群は $d-1$ 次対称群である. また
,
$C$ が一般的な非特異$d$次曲線ならばガロア点を持たない.
間題
1
の $(5),(6)$ については, [23], [15]
によって結果が得られていて,
特に,
$t^{\supset},$$Q$ \in C$(P\neq Q)$ が十分に近い点のとき $\tilde{C}_{P}$ と
C\tilde
。は同型ではない
,
ということがわかつている. その他関係する論文に[3], [4], [6], [8], [9], [10], [
垣], [13], [16], [17]
$)$[18], [19],
[22], [23],[24]
がある.52.
クリフォード指数とクリフォード次元この節では非特異射影的曲線のクリフオード指数とクリフオード次元を定義し,
それに 関する重要な結果を紹介する.
詳しくは[2]
と[5]
などを読んでいただきたい.
以下,
非特 異射影的曲線$C$の種数$g$(C) を$g(C)\geq 4$ と仮定する. 定義3.
$C$ 上の直線束$L$ に対して,
そのクリフオード指数Cliff(L)
を次で定義する.また
,
曲線 自身のクリフォード指数Cliff(C)
を次で定義する.Cliff(C) $= \min$
{
$\mathrm{C}1\mathrm{i}\mathrm{f}\mathrm{f}(L)|L$ は直線束で$\dim H$0(C,
$L)\geq 2,$$\mathrm{d}$
imk
$H^{1}($C,
$L)\geq 2$}
$g(C)\geq 4$
ならば
,
$\dim H^{0}$(C,
$L$)
$\geq 2$ かつ$\dim H^{1}$(C,
$L$)
$\geq 2$ という直線束$L$が存在することに注意する. また
,
クリフオードの定理によってCliff(C) $\geq 0$ であることに注意する.さらに, 曲線$C$ のクリフオード次元
Cliff-dim(C)
を次で定義する.Cliff-dim(C) $= \min\{\dim H^{0}$(
C,
$L$)
$-1|$ Lは直線束で$\dim H^{0}(C, L)\geq 2,$ $\mathrm{d}$
imk
$H^{1}$(C,
$L$)
$\geq 2$, Cliff(L)
$=\mathrm{C}1\mathrm{i}\mathrm{f}\mathrm{f}(C)\}$補題
1([5, Lemma 1.1]). Cliff-dim(C)
$\geq 2$ と仮定する. クリフオード次元を与える直線束$L$, つまり,
Cliff-dim(C)
$=\dim H^{0}$(C,
$L$) $-1,$ $\mathrm{d}$imk
$H^{0}(C, L)\geq 2,$ $\dim H^{1}$(C,
$L$)
$\geq_{-}2$,Cliff(L) $=\mathrm{C}\mathrm{l}\mathrm{i}\mathrm{f}\mathrm{f}(C)$ をみたす直線束$L$ に対して
,
$|L|$ は非常に豊富な完備線形系である. クリフォード次元を与える直線束$L$ に対して,
完備線形系 $|L|$ によって決まる埋め込み をクリフォード埋め込みと呼ぶ. クリフォード次元を使って平面曲線を特徴付けることが できる. 系1.
非特異平而$d$次曲線$(d\geq 5)$ のクリフォード次元は2
である. また逆に,
非特異射影 的曲線$C$ のクリフォード次元が2 ならば
,
クリフォード埋め込みによって $C$ を$\mathrm{P}^{2}$ に埋め 込むことができる. Cliff-dim(C) $\geq 3$のときは次の定理がある. 定理5([5]).
非特異射影的曲線$C$ のクリフォード次元を $r=\mathrm{C}\mathrm{l}\mathrm{i}\mathrm{f}\mathrm{f}-\dim(C)$ とお<.
$3\leq$ $r\leq 9$ と仮定する. このとき,
(1)$g(C)=4r-2$
, Cliff(C)$=2r-3$
(2) $C$のクリフォード指数を与える直線束$L$, つまり
,
$\dim H^{0}(C, L)\geq 2_{f}\mathrm{d}$imk
$H^{1}$(C,
$L$) $\geq 2$,Cliff(L)
$=\mathrm{C}1\mathrm{i}\mathrm{f}\mathrm{f}(C)$ をみたす直線束$L$ は唯一つだけ存在する.(3)
$C$のクリフォード指数を与える直線束$L$ に対して $L^{2}$ は標準束である. また,
$|L|$ は$C$ を
arithmetical
$ly$Cohen-Macaulay
曲線として射影空間$\mathrm{P}^{r}$ に埋め込む.(4) $\mathrm{g}\mathrm{o}\mathrm{n}(C)=2r$である. また
,
ゴナリティを与える正則写像$Carrow \mathrm{P}^{1}$ は $|L$(-D)|
という完備線形系から決まり,
ゴナリティを与える正則写像の族は -^次元である、 ここ で$f$ $L$ は$C$のクリフォード指数を与える直線束で,
因子$D$ は$\deg D=2r-3$ をみ た$\vee\zeta$ Cliff-dim(C) $\geq 10$ のときも同様の結果が成り立つと予想されている([5]).
クリフオー ド次元3
の曲線は次の定理のように比較的よくわかつている. 定理6([7]).
非特異射影的曲線$C$ のクリフォード次元を3
と仮定する.(1)
クリフォード埋め込みによって$C$ を $\mathrm{P}^{3}$ に埋め込むと,
それは二つの3
次曲面の完 全交差になる.また逆に,
$\mathrm{P}^{3}$ 内の二つの3
次曲面の完全交差によって定義される非 特異曲線のクリフォード次元は3
である.(2)
$\deg C=9,$ $g(C)=10$,Cliff(C)
$=3$(3)
$C$ のクリフォード指数を与える直線束$L$ は唯一つだけ存在する.(4)
$\mathrm{g}\mathrm{o}\mathrm{n}(C)=6$で, ゴナリティを与える正則写像$Carrow \mathrm{P}^{1}$ は$C$のトリセカントライン中心の射影によって与えられる. 基本的な補題を四つ示す
補題
2.
非特異曲線$C\in \mathrm{P}^{3}$ は二つの3
次曲面の完全交差であるとする.$I_{C}(3)=$
{
$X,$$Y,$$Z,$$W$ の3
次斉次多項式で曲線$C$上恒等的に零
}
$\cup\{0\}$とお$\text{く}$ . このとき
,
$\dim I_{C}(3)=2$である. 補題3.
非特異曲線$C\in \mathrm{P}^{3}$ は二つの3
次曲面の完全交差であるとする. $C$ を含む -^般の3
次曲面は既約かつ非特異である. 補題4.
非特異曲線$C\in \mathrm{P}^{3}$ は二つの3
次曲面の完全交差であるとする. $C$を含む任意の3
次曲面は正規曲面である.
補題5.
非特異曲線$C\in \mathrm{P}^{3}$ は二つの3
次曲面の完全交差であるとする. $C$ とそのトリセ カントライン $l$ に対して,
$C$ と $l$ を含む3
次曲面$S$が唯一つ存在する. 逆に $\ovalbox{\tt\small REJECT}$ $C$ を含む3
次 曲面$S$ に対して,
$S$ に含まれる直線$l$は$C$のトリセカントラインである.\S 3.
クリフォード次元3
の曲線のガロアトリセカントライン平面曲線のガロア点の研究は,
クリフォード次元2
の曲線とその関数体についての研究 といえる. この章ではクリフォード次元3
の曲線とその関数体について,
ガロア点の研究の 拡張を試みたい. 以下$C$ をクリフォード次元3
の曲線,
つまり,
$\mathrm{P}^{3}$ 内の非特異曲線で二つ の3
次曲而の完全交差であるとする. 直線$l\subset \mathrm{P}^{3}$ は,
$l$ を含む一般的な超平面 $H$ に対して $C\cap H-C\cap l$がT度6
$(=\deg C - 3)$点からなるときに,
トリセカントラインと 妓辰. トリセカントライン中心の射影$\pi_{l}$
:
$Carrow \mathrm{P}^{1}$ から,
関数の引き戻しによって6
次の拡大$K/k(\mathrm{P}^{1})$が得られる.
この拡大はトリセカントラインのとり方に依存するので
,
$K_{l}=k$(P1)
と書くことにする.
定義
4.
クリフォード次元3
の曲線$C$のトリセカントライ $\vee l\subset \mathrm{P}^{3}$ 中心の射影$\pi_{l}$ : $Carrow \mathrm{P}^{1}$
から得られる
6
次拡大$K/K_{l}$がガロア拡大のときに
,
$l$ をガロアトリセカントラインと呼ぶ.次の補題が基本になる.
補題
6.
$l$ をガロアトリセカントラインと仮定する. ガロア群の任意の元$\sigma\in \mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$に対して
,
それに付随する $C$の自己同型を$\tilde{\sigma}$:
$Carrow C$ と書$\text{く}$.
このとき
,
$\mathrm{P}^{3}$の射影変換 $M\in PGL(4, k)$ で$M|_{C}=\tilde{\sigma}$ というものが存在する.
証明. クリフォード指数を与える直線束$L$が唯一つであることから
,
$\tilde{\sigma}$ : $Carrow C\subset \mathrm{P}^{3}$ も完備線形系 $|L|$ によって与えられる.
したがって,
$\tilde{\sigma}$は射影変換の制限になる. 口$K/K_{l}$
がガロア拡大ならば
,
拡大の次数は6
次なので,
$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$ は6
次の巡回群$\mathrm{C}_{6}$ もしくは
,
3
次の対称群$S_{3}$ に同型である. 以下,
$K/K_{l}$がガロア拡大のときに $\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})\subset$$PGL(4, k)$ と考える.
Gal(K/K
涼碓霧気
$e$ と書く.補題
7.
1
を $C$ のガロアトリセカントラインと仮定する.
(1) $\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$ $\cong \mathrm{C}_{6}$
と仮定し,
その生成元を$\sigma$ と書<.
このとき射影変換をして$\mathrm{P}^{3}$ の
座標をうまくとることによって,
$\sigma=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 \zeta_{6}^{i} 00 0 0 \zeta_{6}^{j}\end{array})$
(2)
$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$ $\cong S_{3}$ と仮定し,
その生成元を$\sigma,$$\tau$ として,
$\sigma^{3}=e,$$\tau^{2}=e,$ という関係を持つものとする. このとき射影変換をして$\mathrm{P}^{3}$ の座標をうまくとること
によって,
$\sigma=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 \mathrm{l} 0 00 0 \omega 00 0 0 \omega^{2}\end{array}).$ $\tau=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 0 10 0 1 0\end{array})$
とすることができる. ここで, $\omega$ は
1
の原始3
乗根である.証明.
まず
-’
$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$ $\cong C_{6}$ と仮定する. 射影変換によって,
$l$ は$X=Y=0$
で定義されているとしてよい. このとき $\pi_{l}\circ\sigma=\pi_{l}$なので
,
$l$ を含む超平面$H$ に対して$\sigma(H)=H$が わかる.従って,
$\sigma$は $\sigma=(\begin{array}{llll}a 0 0 00 a 0 0* * * ** * * *\end{array})$ : $(a\in k-\{0\})$ という形をしている. とくに,
同有方程式は重根を持つ. また,
$\sigma^{6}=e$ であることから,
$\sigma$は対角化呵能であり, うまく射影変換をすることによって,
$\sigma=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 \zeta_{6}^{i} 00 0 0 \zeta_{6}^{j}\end{array})$
とできる.
次に$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$ $\cong S_{3}$ と仮定する. 射影変換によって
,
$l$ は$X=Y=0$
で定義されているとしてよい. また$\sigma$ に関して
, 上の議論と同様にして,
$\sigma=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 \omega^{i} 00 0 0 \omega^{j}\end{array})$
としてよい. $l$ は
$X=Y=0$
で定義されているので, $\tau$ は$\tau=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 0a_{1} a_{2} a_{3} a_{4}a_{5} a_{6} a_{7} a_{8}\end{array}):$ $(a_{1}, a_{2}, \cdots, a_{8}\in k-\{0\})$
という形をしている. ここで, $\sigma^{3}=e,$$\tau^{2}=e,$$\tau\sigma\tau=\sigma^{2}$が成り立つように$i,j,$
$a_{1},$ $a_{2},$ $\cdots,$$a_{8}$
を求めると
,
$2i\equiv j$(mod3),
$a_{1}=a_{2}=a_{3}$ $=a_{5}=a_{6}=a_{8}=0,$ $a$4$a_{7}=1$ がわかる.従つて,
という射影変換によって座標を取り替えると
$\sigma=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 \omega 00 0 0 \omega^{2}\end{array})$
,
$\tau=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 0 10 0 1 0\end{array})$とできる. ロ
クリフォード次元
3
の非特異曲線$C\subset \mathrm{P}^{3}$ を決める二つの3
次曲面$S_{1}$ と $S_{2}$が,
3
次斉次多項式$F_{1}$ と $F_{2}$ の零点であるとする
.
このとき斉次イデアル$I$ を $I=$ $(F_{1}, F2)$ とおく 射影変換$\alpha\in PGL(4, k)$ に対して
,
その代表元を $M\in GL(4, k)$ とし,$t$
(
$\sigma$”X,
$\sigma^{*}Y,$$\sigma^{*}Z,$$\sigma" W$)
$=M{}^{t}(X, Y, Z, W)$とお
<.
斉次多項式$F\in k$[X,
$Y,$$Z,$ $W$] に対して,
$\alpha^{*}(F)=F$(
$\sigma^{*}X,$$\sigma$*Y,$\sigma^{*}Z,$$\sigma$”W) と定義する.
補題
8.
1
は$C$のガロアトリセカントラインと仮定し, Gal(K/K
慮気–つとり
$\alpha$ とする. このとき
,
二つの3
次斉次多項式$F_{1},$ $F2$ を $I=(F_{1}, F_{2}),$ $\alpha^{*}F_{1}=\lambda_{1}F_{1},$ $\alpha^{*}F_{2}=\lambda_{2}F$‘2$(\lambda_{1}, \lambda_{2}\in k-\{0\})$ をみたすように選ぶことができる.
証明. 補題
7
の証明の前半部分の議論と同様にして,
射影変換によってうまく座標を取ることにより
,
$\alpha=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 \zeta_{6}^{i} 00 0 0 \zeta_{6}^{j}\end{array})$
としてよい. $I$ の生成元を一組とって$A,$$B$(A,$B$ は
3
次斉次多項式)
とする. $\alpha^{*}A,$$\alpha$*B も3
次斉次多項式ゆえ,
$\alpha^{*}A,$$\alpha^{*}B\in I_{C}$(3)
である.従って,
補題2
により $\alpha^{*}A=a_{1}A+a_{2}B$,$\alpha^{*}B=b_{1}A+b_{2}B$ という $a_{1}$
,
$a_{2}$,$b_{1},$$b_{2}\in k$が存在する. 一次結合 $r_{1}A+r_{2}B$ (r,,$r_{2}\in k$) に$\sigma^{*}$
を作用させると,
$\sigma$”$(r_{1}A+r_{2}B)=(A B)(\begin{array}{ll}a_{1} b_{1}a_{2} b_{2}\end{array})(\begin{array}{l}r_{1}r_{2}\end{array})$
である.
ここでジョルダン標準形により,
正則行列$P$が存在して,
$P^{-1}(\begin{array}{ll}a_{1} b_{1}a_{2} b_{2}\end{array})P=(\begin{array}{ll}\lambda_{1} 00 \lambda_{2}\end{array})\not\in)\text{しく}\ovalbox{\tt\small REJECT} 3;P^{-1}(\begin{array}{ll}a_{1} b_{1}a_{2} b_{2}\end{array})P=(\begin{array}{ll}\lambda 10 \lambda\end{array})$
$(\lambda_{1}, \lambda 2, \lambda\in k)$ となる.
3
次斉次多項式$F_{1},F_{2}$ を $(F_{1}F_{2})=(AB)P$ とおくと,
$\alpha^{*}F_{1}=\lambda_{1}F_{1},$ $\alpha‘ F_{2}=\lambda_{2}F$2 もしくは $\alpha^{*}F_{1}=\lambda F_{1},$ $\alpha^{*}F_{2}=F_{1}+\lambda F_{2}$である. しかし
,
後者は以下に示すように不合理である.$\alpha^{*}F_{1}=\lambda F_{1},$ $\alpha^{*}F_{2}=F_{1}+\lambda F_{2}$ と仮定する. これより
,
$\alpha^{*}(F_{2}/F_{1})=1/\lambda+F_{2}/F_{1}^{\gamma}$ を得る.
従って,
$(\alpha^{*})^{6}(F_{2}/F_{1})=6/\lambda+F_{2}/F_{1}$ であるが,
$(\alpha)^{6}=e$ より$(\alpha^{*})^{6}(F_{2}/F_{1})=F_{2}/F_{1}\square$
でなければならないので矛盾である.
補題
6,
補題7,
補題8
を使ってガロアトリセカントラインをもつ $C$ の定義方程式を決定理
7.
クリフォード次元3
の非特異曲線 がカロアトリセカントライン を持つ と仮定する. このとき $C$は次の3
種類の曲線のどれかと射影同値である. $C_{1}$:
$\{$ $X^{3}+Y^{3}+(X+aY)W^{2}$ $=0$ $Z^{3}+W3+WG1(X, Y)$ $=0$ $C_{2}$:
$\{$ $H_{2}(X, Y)+Z^{3}+X$W2
$=0$ $G_{2}(X, Y)+YW^{2}$ $=0$ $C_{3}$ : $\{$ $H_{3}(X, Y)+Z^{3}+W^{3}+c$YZW
$=0$ $G_{3}(X, Y)+XZW$ $=0$ ここで, $a\in k,$ $c$=0
または1 であり,
$G_{1}$ は2 次斉次多項式
,
$H_{2},$$G_{2},$ $H_{3}|,$$G$3 は3
次斉次 多項式である. 曲線$C_{1},$ $C_{2r}C$3 のガロアトリセカントライン $l$ は$X=Y=0$
で与えられて, 曲線$C_{1}$ と $C_{2}$ のときは$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})\cong C_{6}$であり, 曲線$C_{3}$のときは$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$ $\cong S_{3}$ で
ある.
証明.
ます,
曲線$C_{1},$ $C_{2},$ $C_{3}$ に対して,
直線$l$: $X=Y=0$
がガロアトリセカントラインであることはすぐにわかる.
実際,
$C_{1}$ [resp. $C_{2}$] に対しては,
$\sigma_{1}=$ $[\mathrm{r}\mathrm{e}\mathrm{s}\mathrm{p}$
.
$\sigma_{2}=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 \mathrm{l} 0 00 0 \zeta_{6}^{2} 00 0 0 \zeta_{6}^{3}\end{array})$ $]$を制限したものが$C_{1}$
[resp.
$C_{2}$]
の位数6
の自己同型であり,
$\pi_{l}=\pi_{l}\circ\sigma_{1}|_{C_{1}}$[resp.
$\pi_{l}=$$\pi_{l}\circ\sigma_{2}|_{C_{2}}]$ をみたす $C_{3}$ に対しては $\sigma_{3}=$ , $\tau=$ を制限したものが$C_{3}$
の自己同型であり,
$\pi_{l}=\pi_{l}\circ\sigma_{3}|_{C_{3}},$ $\pi_{l}=\pi_{l}\circ\tau|_{C\mathrm{s}}$ をみたし,
$\sigma_{3}$ と$\tau$で 生成される群は$S_{3}$ に同型である. 曲線$C$がガロアトリセカントライン$l$ を持つと仮定する. まずは $\mathrm{G}\mathrm{a}\underline{1(}K/K_{l}$)
$\cong C_{6}$ と仮 定する. 補題7
により, $l$ は$X=Y=0$ で定義され,
$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$ の生成元は$\sigma=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 \zeta_{6}^{i} 00 0 0 \zeta_{6}^{j}\end{array})$
としてよい. 補題
8
を用いて曲線$C$ の定義方程式の候補をみつける.例えば
,
$(i,j)=(1,1)$ のときに$\sigma^{*}F=\lambda F(\lambda\in k-\{0\})$ をみたす3
次既約斉次多項式は$ZH_{1}$(X,$Y$) $+WH_{2}$(X,$Y$) もしくは$Z^{2}G_{1}$(
X,
$Y$)
$+ZWG_{2}$(X,
$Y$)
$+W^{2}$G3(X,
$Y$)
という従って$C$の定義方程式のタイプは $\{$ $ZH_{1}(X, Y)+WH_{2}(X, Y)$ $=0$ $ZH_{1}’(X, Y)+WH_{2}’(X, Y)$ $=0$ $\{$ $ZH_{1}(X, Y)+WH_{2}(X, Y)$ $=0$
$Z^{2}G_{1}(X, Y)+ZWG_{2}(X, Y)+W^{2}G_{3}(X, Y)$ $=0$ $\{$
$Z^{2}G_{1}(X, Y)+ZWG_{2}(X, Y)+W^{2}G_{3}(X, Y)$ $=0$
$Z^{2}G_{1}’(X, Y)+ZWG_{2}’(X, Y)+W^{2}G_{3}’(X, Y)$ $=0$
の三種類が考えられる. しかしこれらの方程式が定義する曲線はどれも
$Z=W=0$
という直線を含むので,
$C$の定義方程式にふさわしくない. このように他の$(i,j)$ に対しても同様の考察をすると
,
既約かつ非特異な曲線になるものは曲線 $C_{1}$ か$C_{2}$のどちらかと射影同値になっていることがわかる.
次に$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l})$$\cong S_{3}$ と仮定する. 補題
7
により,
$l$は$X=Y=0$ で定義され, Gal(K/K
の生成元は$\sigma=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 \omega 00 0 0 \omega^{2}\end{array})$
,
$\tau=(\begin{array}{llll}1 0 0 00 1 0 00 0 0 10 0 1 0\end{array})$としてよい. $\sigma$ に対して補題
8
を用いて曲線$C$’
の定義方程式の候補をみつける.
$\sigma^{*}F=\lambda F$$(\lambda\in k-\{0\})$ をみたす
3
次既約斉次多項式は$H_{1}$(X,
$Y$) $+a_{1}Z^{3}+b_{1}W^{3}+G_{1}$(X,$Y$)$ZW_{:}$$H_{2}Z+a_{2}Z^{2}W+G_{2}W^{2},$ $H_{3}Z^{2}+G_{3}W+a_{3}Z$
W2
の三種類である. ここで, $a_{1},$$a_{2}$,a3,$b_{1}\in k$ で, $H_{1}$ は3
次,
$H_{2},$$G_{3}$ は2
次,
$G_{1},$$G_{2},$ $H_{3}$ は1
次の斉次多項式である. 従って$C$ の定義方程式の候補は
,
曲線が既約でなければならないことに注意すると $\{$ $H_{1}(X, Y)+a_{1}Z^{3}+b_{1}W^{3}+G_{1}(X, Y)ZW$ $=0$ $H_{1}’(X, Y)+a_{1}’Z^{3}+b_{1}’W^{3}+G_{1}’(X, Y)ZW$ $=0$ $\{$ $H_{1}(X, Y)+a_{1}Z^{3}+b_{1}W^{3}+G_{1}(X, Y)ZW$ $=0$ $H_{2}Z+$a2Z2W
$+G2W2$ $=0$ $\{$$Z^{2}G_{1}(X, Y)+ZWG_{2}(X, Y)+W^{2}G_{3}(X, Y)$ $=0$
$H_{3}$
Z
$2+G3W$$+$a3ZW2
$=0$ の三種類が考えられる. ここで) $\tau^{*}F$ は3
次斉次多項式で補題2
より $\tau^{*}F\in I$ となるので,
これを確かめると $\{$ $H_{1}(X, Y)+a_{1}Z^{3}+b_{1}W^{3}+G_{1}(X, Y)ZW$ $=0$ $H_{1}’(X, Y)+a_{1}’Z^{3}+b_{1}’W^{3}+G_{1}’(X, Y)ZW$ $=0$ 以外の二種類の定義方程式は条件をみたさない.
この定義方程式は$C$が非特異であるから,
$H_{1}$
(X,
$Y$)
と $H_{1}’$(
X,$Y$)
が$k$上-^次独立であることがわかる. 従って$\tau^{*}F\in I$ から $a_{1}=b_{1}$,$a_{1}’=b$
’1
がわかる.つまり,
$C$の定義方程式は $\{$ $H_{1}(X, Y)+a_{1}Z^{3}+a_{1}W^{3}+G_{1}(X, Y)ZW$ $=0$ $H_{1}’(X, Y)+a_{1}’Z^{3}+a_{1}’W^{3}+G_{1}’(X, Y)ZW$ $=0$ という形をしている. この曲線は$C_{3}$ と射影同値である. ロ 定理7
の曲線$C_{1},$ $C_{2},$ $C_{3}$ の具体例を示す例
1. 次の方程式で定義される曲線に対して
,
: $X=Y=0$
はガロアトリセカントライン である.(1)
$\{$ $X^{3}+Y^{3}+YW^{2}$ $=0$$Z^{3}+W3+XYW$
$=0$ $(2)\{$ $Y^{3}+Z^{3}+XW^{2}$ $=0$ $X^{3}+Y3+YW2$ $=0$ $(3)\{$ $X^{3}+Z^{3}+W^{3}$ $=0$ $Y^{3}+XZW$ $=0$ クリフォード次元2
の曲線のガロア点は高々1
個であったが,
クリフオード次元3
の曲 線には次の例がある. 例2.
次の方程式によって定義される曲線は$l_{1}$:
$X=Y=0$
と $l_{2}$: $Z=W=0$
の二本のガロアトリセカントラインを持つ. $\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l_{1}}),$$\mathrm{G}\mathrm{a}1(K/K_{l_{2}})\cong \mathrm{C}_{6}$である.
$\{$ $X^{3}+Y^{3}+XW^{2}$ $=0$ $Z^{3}+W^{3}+2X^{2}\mathrm{t}$ $=0$ 曲線$C$の定義方程式が決定できたことにより
,
ガロアトリセカントライン中心の射影の 分岐の様子を調べることができる. $\cross 10$ 曲線$C$を含む$\sim-arrow$般的な3
次曲面は補題3
により非特異であるが, $C$ とガロアトリセカン トライン $l$ を含む3
次曲面は次のように特異点を持つ. 命題1.
定理7
の曲線$C_{1},$ $C_{2},$ $C_{3}$ とそれぞれのガロアトリセカントラインである $l$ : $X=$程式で与えられる $S_{1}$
:
$X^{3}+Y^{3}+(X+aY)W^{2}=0$ $S_{2}$:
$G(X, Y)+YW^{2}=0$ $S_{3}$: $G(X, Y)+XZW=0$
$S_{1},$ $S_{2}$はどちらも楕円曲線上の錐面であり
,
特異点のタイプは$\hat{E}_{6}$ である. $S_{3}$ は2
重点を2
個もしくは3
個持ち,
そのタイプは$2A_{2},3A_{2}$, もしくは, $A_{1}2A_{2}$ のどれかである.(
特異 点のタイプについては[1] 参照.
) 謝辞. 本研究は今野一宏先生に提案していただきました.
補題2,
補題3,
補題5
は大${ }$朗先生 に教えていただきました.吉原久夫先生, 小島秀雄先生,
王浦敬先生には本研究に関して 有益なアドバイスを多くいただきました. 心から感謝いたします 参考文献[1] J. W. Bruce and C. T. C. Wall, On the classification of cubic surfaces, J. London Math. Soc. (2),
19 (1979),245-256.
[2] M. Coppens andG. Martens, Secant spaces and Clifford’s theorem, Compositio Math., 78 (1991),
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appear in Nihonkai Math. J.
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